JP7230936B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
第1の課題は、従来の半導体封止材を用いて作製した上記半導体装置を加熱した場合に、該半導体装置に僅かな反りが生じ、結果として、電気的接続不良が発生することである。
第2の課題は、従来の半導体封止材を用いて作製した上記半導体装置を加熱した場合に、半田フラッシュが発生し、結果として、電気的接続不良が発生することである。
エポキシ樹脂と、
フェノール樹脂硬化剤と、
充填材と、
を含み、
前記充填材の含有量が、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して、75質量%以上93質量%以下であり、
260℃で測定した当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率が、60MPa以上500MPa以下であり、
当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の175℃での溶融粘度が、4Pa・S以上7Pa・S以下である、半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。
前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、半導体チップまたは前記半導体チップを封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、を封止する工程を含む、半導体装置の製造方法が提供される。
本実施形態に係る半導体封止用エポキシ樹脂組成物(以下、本樹脂組成物ともいう。)は、半導体チップまたは上記半導体チップを封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、を封止するために用いるものである。そして、かかる本樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂硬化剤と、充填材と、を含み、充填材の含有量が、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して、75質量%以上93質量%以下であり、260℃で測定した当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率が、60MPa以上500MPa以下である構成を採用したものである。こうすることで、バンプ高さが100μm以上である半田バンプを介して基板上に搭載された半導体チップを封止してなる半導体装置の電気的接続信頼性を改善できる。
第1の条件は、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、半導体チップまたは上記半導体チップを封止してなる半導体パッケージと、を封止するために用いることを想定していることである。
第2の条件は、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂硬化剤と、充填材と、を必須成分として含む樹脂組成物において、充填材の含有量が、かかる樹脂組成物の全量に対して、75質量%以上93質量%以下となるようにされたものである。
第3の条件は、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂硬化剤と、充填材と、を必須成分として含む樹脂組成物において、260℃で測定した該樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率が、60MPa以上500MPa以下となるようにされたものである。
本発明者らは、上述した3つの条件をすべて満たす構成を備えた本樹脂組成物を用いて半導体装置を作製した場合、得られた半導体装置に反りや半田フラッシュなどの不都合が生じることを抑制できるため、結果として、電気的接続信頼性を改善できることを見出した。
この点については、後述の実施例において、実施例1~6と比較例1~4の比較データを示す。
本樹脂組成物は、たとえば、図1に示す半導体装置に備わる封止材40を形成するために使用できる。言い換えれば、本樹脂組成物は、バンプ高さが100μm以上である半田バンプ20と、半導体チップ30と、を備える半導体装置の封止材40を形成するために使用できる。また、本樹脂組成物は、半導体チップ30と、バンプ高さが100μm以上である半田バンプとを封止するために使用してもよいし、半導体チップ30を封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、を封止するために使用してもよい。
ここで、図1には、本実施形態に係る半導体装置として、回路パターンが形成された基板10の一面上に、システムを構成するベアチップ状の能動素子や、チップコンデンサ、チップ抵抗、チップインダクタ等の受動素子といった複数の素子50を表面実装し、上述した素子50を搭載した領域を封止してパッケージとしているSIP(システムインパッケージ)を例示している。しかし、本実施形態に係る半導体装置は、上述した条件を満たすものであれば、POP(パッケージオンパッケージ)等のどのような形態のパッケージ構造であってもよい。
また、上記EP/OHの値は、以下の式により算出することができる。
式:EP/OH=(A/B)÷(C/D)
A:樹脂組成物全量に対するエポキシ樹脂の含有量
B:樹脂組成物中に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ基当量
C:樹脂組成物全量に対するフェノール樹脂硬化剤の含有量
D:樹脂組成物中に含まれるフェノール樹脂硬化剤の水酸基当量
本実施形態に係るエポキシ樹脂としては、その分子量、分子構造に関係なく、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を使用することが可能である。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'-(1,4-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂などのアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂などのナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ樹脂;N,N,N',N'-テトラグリシジルメタキシレンジアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン、N,N-ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類や、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、金属パターンや導体部との密着性を向上させる観点から、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂を含むことがより好ましい。これにより、半導体パッケージの低線膨張化を図ることもできる。また、半導体装置における耐リフロー性の向上および反りの抑制を実現することも可能である。
本樹脂組成物中には、上述した通り、フェノール樹脂硬化剤が必須成分として含まれている。これにより、当該樹脂組成物の流動性およびハンドリング性を向上させることができる。かかるフェノール樹脂硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のノボラック型樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。このようなフェノール樹脂硬化剤を配合させることにより、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、保存安定性等のバランスを良好なものとすることができる。特に、硬化性の点から、フェノール樹脂硬化剤の水酸基当量は90g/eq以上、250g/eq以下であることが好ましい。
本樹脂組成物中には、上述した通り、充填材が必須成分として含まれている。かかる充填材としては、公知の半導体封止材料中に配合されている無機充填材または有機充填材であれば使用可能である。具体的には、上記無機充填材として、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ;アルミナ;チタンホワイト;水酸化アルミニウム;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維等が挙げられる。また、かかる有機充填材としては、オルガノシリコーンパウダー、ポリエチレンパウダー等が挙げられる。これらの中でも、特に溶融球状シリカが好ましい。また、粒子形状は限りなく真球状であることが好ましい。また、粒子の大きさの異なるものを混合することにより無機充填量を多くすることができるが、その平均粒径d50は、半導体チップ30周辺領域に対する樹脂充填性を良好なものとする観点から、0.01μm以上150μm以下であることが望ましい。こうすることで、樹脂組成物の流動性が良好な状態となるように制御することができる。
なお、無機充填材の平均粒径d50は、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA-500)を用いて測定することが可能である。
本樹脂組成物は、たとえばシアネート樹脂を含有させてもよい。これにより、当該樹脂組成物の硬化物からなる封止材について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる半導体装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
シアネート樹脂は、たとえばノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂などのビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、封止材の低線膨張化や、弾性率および剛性を向上させる観点からは、ノボラック型シアネート樹脂およびナフトールアラルキル型シアネート樹脂のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましく、ノボラック型シアネート樹脂を含むことがとくに好ましい。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、上述した半導体封止用エポキシ樹脂組成物を準備する工程と、準備した半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、半導体チップ30または上記半導体チップ30を封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプ20と、を封止する工程を含むものである。
図1に示す半導体装置は、基板10上に半田バンプ20を介して搭載した半導体チップ30と、基板10上に半田バンプ20を介すことなく表面実装した複数の素子50とを、上述した半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化体により形成された封止材40によって封止してなるものである。そして、図1に示す半導体装置において半導体チップ30は、基板10上にバンプ高さが100μm以上である半田バンプ20を介して電気的に接続されている。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 半導体チップまたは前記半導体チップを封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、を封止するために用いる半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、
フェノール樹脂硬化剤と、
充填材と、
を含み、
前記充填材の含有量が、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して、75質量%以上93質量%以下であり、
260℃で測定した当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率が、60MPa以上500MPa以下である、半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
2. 25℃以上ガラス転移温度(Tg)以下の温度領域における当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数が、20ppm/℃以下である、1.に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
3. 当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の175℃での溶融粘度が、2Pa・S以上10Pa・S以下である、1.または2.に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
4. 前記エポキシ樹脂に由来するエポキシ基数をEPとし、前記フェノール樹脂硬化剤に由来するフェノール性水酸基数をOHとしたとき、EP/OHの値が、1以上2以下である、1.乃至3.のいずれか一つに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
5. 前記エポキシ樹脂の含有量が、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して、3質量%以上30質量%以下である、1.乃至4.のいずれか一つに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
6. 当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の形態が、粉粒状、顆粒状、タブレット状またはシート状である、1.乃至5.のいずれか一つに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
7. 1.乃至6.のいずれか一つに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を準備する工程とともに、
前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、半導体チップまたは前記半導体チップを封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、を封止する工程を含む、半導体装置の製造方法。
・エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000、エポキシ当量276g/eq、軟化点58℃)
・エポキシ樹脂2:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000L、エポキシ当量276g/eq、軟化点53℃)
・エポキシ樹脂3:トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂と4,4'-ビフェノール型エポキシ樹脂の混合物(三菱化学社製、YL6677、エポキシ当量163g/eq、軟化点59℃)
・硬化剤1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(明和化成社製、MEH-7851SS、水酸基当量203g/eq、軟化点65℃)
・硬化剤2:トリフェノールメタン型樹脂とフェノールノボラック樹脂との共重合体型フェノール樹脂(エア・ウォーター社製、HE910-20、水酸基当量101g/eq、軟化点88℃)
・硬化促進剤1: 下記式(1)で表される硬化促進剤
・充填材1:溶融球状シリカ(デンカ社製、FB-5SDC、平均粒径d50:4.5μm)
・充填材2:溶融球状シリカ(アドマテックス社製、SO-E2、平均粒径d50:0.5μm)100重量部をミキサーに投入し、攪拌しながら窒素気流下で、ヘキサメチルジシラザン0.1重量部を噴霧添加して処理した後、γ一グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM-403)1重量部を噴霧添加して得た処理粉体。
・充填材3:溶融球状シリカ(アドマテックス社製、SO-E2、平均粒径d50:0.5μm)100重量部をミキサーに投入し、攪拌しながら窒素気流下で、ヘキサメチルジシラザン0.1重量部を噴霧添加して処理した後、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM-573)1重量部を噴霧添加して得た処理粉体。
・充填材4:溶融球状シリカ(アドマテックス社製、SO-E5、平均粒径d50: 1.6μm)
・離型剤1:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ社製、ニッコウカルナバ)
・離型剤2:酸化ポリエチレンワックス(クラリアントジャパン社製、リコワックスPED191)
・低応力剤1:下記式(3)で表わされるシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング社製、FZ-3730)
・低応力剤3:ブタジエン・アクリロニトリル・2,3-エポキシプロピル=メタクリラート・ジビニルベンゼン重合化合物とタルクの混合物(JSR社製、XER-81P)
・難燃剤1:水酸化アルミニウム(日本軽金属社製、BE043)
・難燃剤2:水酸化アルミニウム(住友化学社製、CL-303)
・カップリング剤1:N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、CF4083)
・カップリング剤2:3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(チッソ社製、GPS-M)
・シリコーンオイル:カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン(東レ・ダウコーニング社製、F2-211-69)
・着色剤:カーボンブラック(三菱化学社製、MA600)
・イオン捕捉剤:マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート(共和化学社製、DHT-4H)
各実施例および比較例について、次のように半導体封止用エポキシ樹脂組成物を調製した。まず、表1に従い配合された各原材料を常温でミキサーを用いて混合した後、70~100℃でロール混練した。次いで、得られた混練物を冷却した後、これを粉砕することにより、粉粒状の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。表1中における各成分の詳細は上記のとおりである。また、表1中の単位は、質量%である。
図1に示す半導体装置を、以下の方法で作製した。
まず、半導体チップ30と、複数の素子50とが電気的に接続するように搭載された基板10を、ストリップ基板として作製した。かかる基板において、上記半導体チップ30は、バンプ高さが100μmの半田バンプ20を介して電気的に接続されており、上記複数の素子50は、半田バンプを介することなく電気的に接続されている。次に、得られたストリップ基板を金型内に配置し、成形機(TOWA社製、PMC1040)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、30秒の条件で、得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を金型内に注入し封止成形した。次いで、175℃、120秒間硬化処理を行った後、成形機から取りだして、175℃の高温槽にて、4時間のポストキュア処理を施した。その後、ストリップ基板のアライメントに沿って、個片化することで、図1に示す半導体装置を作製した。ただし、比較例2の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いた場合にのみ、封止材40を形成することができず、所望の半導体装置を得ることはできなかった。
◎:25℃でのパッケージ反り量と、260℃でのパッケージ反り量とが、いずれも、50μm未満である。
○:25℃でのパッケージ反り量と、260℃でのパッケージ反り量とが、いずれも、100μm未満である。
×:少なくとも、25℃でのパッケージ反り量と260℃でのパッケージ反り量の、いずれか一方が、100μm以上である。
また、実施例1~6と比較例1~4を比較すると分かるように、バンプ高さが100μm以上である半田バンプを介して基板上に搭載された半導体チップを備える半導体装置の電気的接続信頼性を改善するためには、樹脂組成物の全量に対する充填材の含有量と、260℃で測定した該樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率とに係る条件を共に制御した構成を採用することが有用であることが分かった。
20 半田バンプ
30 半導体チップ
40 封止材
50 素子
Claims (6)
- 半導体チップまたは前記半導体チップを封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、を封止するために用いる半導体封止用エポキシ樹脂組成物であって、
エポキシ樹脂と、
フェノール樹脂硬化剤と、
充填材と、
難燃剤と、
を含み、
前記エポキシ樹脂が、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂型エポキシ樹脂を含み、
前記フェノール樹脂硬化剤が、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂を含み、
前記エポキシ樹脂の含有量が、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して、3質量%以上20質量%以下であり、
前記エポキシ樹脂に由来するエポキシ基数をEPとし、前記フェノール樹脂硬化剤に由来するフェノール性水酸基数をOHとしたとき、EP/OHの値が、1.29以上2以下であり、
前記充填材が、無機充填材であって、溶融球状シリカを含み、
前記充填材の含有量が、当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して、75質量%以上93質量%以下であり、
前記充填材の平均粒径が0.5μm以上4.5μm以下であり、
前記難燃剤が水酸化アルミニウムであり、
260℃で測定した当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の熱時弾性率が、60MPa以上500MPa以下であり、
当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の175℃での溶融粘度が、4Pa・S以上7Pa・S以下である、半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 - 25℃以上ガラス転移温度(Tg)以下の温度領域における当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数が、20ppm/℃以下である、請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 低応力剤をさらに含む、請求項1または2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の形態が、粉粒状、顆粒状、タブレット状またはシート状である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 当該半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が125℃以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を準備する工程とともに、
前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、半導体チップまたは前記半導体チップを封止してなる半導体パッケージと、バンプ高さが100μm以上である半田バンプと、を封止する工程を含む、半導体装置の製造方法。
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