JP2002161244A - 熱伝導性膜、その形成用液、熱伝導性膜付基材、その製造方法、放熱板および放熱構造 - Google Patents

熱伝導性膜、その形成用液、熱伝導性膜付基材、その製造方法、放熱板および放熱構造

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JP2002161244A
JP2002161244A JP2000359695A JP2000359695A JP2002161244A JP 2002161244 A JP2002161244 A JP 2002161244A JP 2000359695 A JP2000359695 A JP 2000359695A JP 2000359695 A JP2000359695 A JP 2000359695A JP 2002161244 A JP2002161244 A JP 2002161244A
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Japan
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conductive film
heat conductive
heat
polymer
particles
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JP2000359695A
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Takeo Hara
武生 原
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
Shinichiro Iwanaga
伸一郎 岩永
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】熱伝導性と基材との密着性に優れた熱伝導性
膜、該膜形成用液、該膜を有する基材、その製造方法、
該膜を用いる放熱板及び放熱構造を提供する。 【解決手段】重合性化合物および重合体の少なくとも一
方からなる電着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒子
とを含有する熱伝導性膜形成用液から基材表面に電着に
より形成される膜又は該膜をさらに熱処理して得られる
熱伝導性膜。熱伝導性膜形成用液を電着法により基材表
面に電着させて熱伝導性膜を形成し、又は該膜をさらに
熱処理して製造する。電着性粒子は粒子表面に電荷を有
し、ポリイミド系、エポキシ系、アクリル系、ポリエス
テル系、フッ素系及びシリコーン系のうちの1種以上の
高分子、熱伝導性微粒子は窒化ホウ素、窒化アルミニウ
ム、炭化ケイ素、などが好ましい。熱伝導性膜付放熱板
と発熱体とが該放熱板表面に形成される熱伝導性膜を介
して接合された放熱構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導性膜、その
形成用液、熱伝導性膜付基材、その製造方法、熱伝導性
膜付放熱板および放熱構造に関する。さらに詳しくは、
熱伝導性に優れるとともに基材との密着性に優れた熱伝
導性膜、この熱伝導性膜の形成に適した液、この熱伝導
性膜を基材表面に形成してなる熱伝導性膜付基材、この
熱伝導性膜付基材の製造方法、熱伝導性膜を放熱板表面
に形成してなる熱伝導性膜付放熱板およびこの熱伝導性
膜付放熱板によって構成される放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器および電子機器のさらなる高性
能化に伴い、これらに使用される半導体素子の電極数が
増加し、半導体素子が高消費電力化する傾向にある。そ
のため、電子部品から発生する熱をさらに効率よく放熱
することが重要となっている。
【0003】従来より、半導体パッケージあるいは半導
体からの放熱を効率よく行うため、半導体パッケージな
どに放熱機構を設けて放熱するか、あるいは半導体素子
を搭載する配線基板から放熱を行う試みがなされてい
た。例えば、半導体パッケージからの放熱は、一般に、
発熱体の本体表面から自然対流やユニット内に設けたフ
ァンによる強制対流によって行われていた。
【0004】しかし、この方式では、半導体パッケージ
の機能が向上するに伴って発熱量が増加すると、放熱作
用が不十分となり、半導体パッケージの性能低下などを
確実に防止することはできなかった。また、半導体パッ
ケージの表面に放熱体を圧接し、対流による放熱性を向
上させる方式も提供されているが、この方式では、半導
体パッケージと放熱体との圧接面に隙間が発生するため
両者の接触面積が小さくなり、放熱作用を設計通りに発
揮させることは困難であった。
【0005】このため、半導体パッケージに放熱体を接
合する場合は、例えば、半導体パッケージと放熱体との
間に熱伝導性を有する樹脂シートなどを挟み込み、半導
体パッケージと放熱体とを密着させながら、放熱を有効
に行うことが行われている。また、半導体素子とこれに
接触するヒートスプレッダとの接合においては、例え
ば、高熱伝導性の接着剤を間に介在させて半導体素子と
ヒートスプレッダとの接着を維持しながら、半導体素子
からの放熱を図ることが行われている。
【0006】このような、半導体素子または半導体パッ
ケージと放熱体との間に介在させる高熱伝導化のための
樹脂組成物等として、例えば、特開平7−183434
号公報では、粘土状熱硬化接着型のシリコーンゴムシー
トが示されている。しかしながら、このシリコーンゴム
シートでは、半導体素子の高消費電力化へ対応する程の
熱伝導率は得られず、必ずしも充分な放熱効果は期待で
きない。
【0007】また、高熱伝導率化のため、シリコーンゴ
ムなどの樹脂シート中に熱伝導率の高い金属粒子をラン
ダムに分散させることも行われ、さらに高熱伝導率を向
上させるため、金属粒子を樹脂シート中に高分散・高充
填化する試みもなされている。しかしながら、金属粒子
を高分散化・高充填化しても、半導体素子と放熱体との
間の熱伝導率は充分に向上せず、しかも金属粒子を高充
填化するために樹脂シートの引張強さ、弾力性が低下し
たり、成形加工性も低下することがあるなどの問題があ
った。
【0008】そこで、本発明者らは、上記問題を解決す
べく鋭意研究した結果、重合性化合物および重合体の少
なくとも一方からなる電着可能な粒子のエマルジョンと
熱伝導性微粒子とを含有する液を用いて、電着により基
材の表面に形成した膜、またはこの膜をさらに熱処理す
ることにより得られる膜は、熱伝導性微粒子が高分散化
され、しかも高充填化されて、充分に高い熱伝導性を示
すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】このような電着により基材表面に直接熱伝
導性膜を形成することによって、基材と熱伝導性膜との
密着性が著しく改善されるとともに、熱伝導性微粒子を
高充填化しても従来の熱伝導性シートのような成形加工
性の悪さを問題とする必要がなく、熱伝導性膜を基材表
面に形成した基材を好適に得ることができる。さらに、
この熱伝導性膜を形成した基材を用いる放熱板、および
この熱伝導性膜付放熱板を用いる放熱構造は、発熱体か
ら良好に放熱することができる。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術の問題
点を解決しようとするものであって、熱伝導性に優れ、
しかも基材との密着性に優れた熱伝導性膜、この熱伝導
性膜の形成に適した液、この熱伝導性膜を表面に形成し
てなる熱伝導性膜付基材、および熱伝導性膜の成形加工
性を問題とすることなく、スムーズに熱伝導性膜を基材
表面に形成することができる熱伝導性膜付基材の製造方
法、さらに上記熱伝導性膜を表面に形成した熱伝導性膜
付放熱板、およびこの熱伝導性膜付放熱板によって発熱
体から良好に放熱することができる放熱構造を提供する
ことを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明の熱伝導性膜は、重合性化合物お
よび重合体の少なくとも一方からなる電着性粒子のエマ
ルジョンと熱伝導性微粒子とを含有する熱伝導性膜形成
用液から基材表面に電着により形成される膜であること
を特徴としている。また、本発明の熱伝導性膜は、重合
性化合物および重合体の少なくとも一方からなる電着性
粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒子とを含有する熱伝
導性膜形成用液から基材表面に電着により形成される熱
伝導性膜をさらに熱処理して得られる膜であることを特
徴としている。
【0012】これらの熱伝導性膜における電着性粒子と
しては、粒子表面に電荷を有し、ポリイミド系高分子、
エポキシ系高分子、アクリル系高分子、ポリエステル系
高分子、フッ素系高分子およびシリコーン系高分子から
選択される少なくとも一種の高分子であることが好まし
く、また、熱伝導性微粒子としては、窒化ホウ素、窒化
アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ベ
リリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化チタンおよび
炭化ホウ素の群から選ばれる少なくとも一種の金属化合
物であることが好ましい。
【0013】本発明の熱伝導性膜形成用液は、重合性化
合物および重合体の少なくとも一方からなる電着性粒子
のエマルジョンと熱伝導性微粒子とを含有する液である
ことを特徴としている。この熱伝導性膜形成用液におけ
る電着性粒子は、粒子表面に電荷を有し、ポリイミド系
高分子、エポキシ系高分子、アクリル系高分子、ポリエ
ステル系高分子、フッ素系高分子およびシリコーン系高
分子から選択される少なくとも一種の高分子であること
が好ましく、また、熱伝導性微粒子は、窒化ホウ素、窒
化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化
ベリリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化チタンおよ
び炭化ホウ素の群から選ばれる少なくとも一種の金属化
合物であることが好ましい。
【0014】本発明の熱伝導性膜付基材の製造方法は、
重合性化合物および重合体の少なくとも一方からなる電
着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒子とを含有する
熱伝導性膜形成用液を電着法により基材の表面に電着さ
せて熱伝導性膜を形成することを特徴としている。この
熱伝導性膜付基材の製造方法においては、形成される熱
伝導性膜をさらに熱処理することができる。
【0015】本発明の熱伝導性膜付基材は、上記の熱伝
導性膜と、該熱伝導性膜を表面に形成する基材からなる
ことを特徴としている。また、本発明の熱伝導性膜付放
熱板は、上記の熱伝導性膜と、該熱伝導性膜を表面に形
成する放熱板からなることを特徴としている。本発明の
放熱構造は、上記熱伝導性膜付放熱板と、発熱体とが、
該熱伝導性膜付放熱板の表面に形成される熱伝導性膜と
接するように、接合されていることを特徴としている。
【0016】この放熱構造における発熱体は、半導体素
子または半導体パッケージであることが好ましい。
【0017】
【発明の具体的説明】次に、本発明の熱伝導性膜、その
形成用液、熱伝導性膜付基材、その製造方法、熱伝導性
膜付放熱板および放熱構造について具体的に説明する。
本発明の熱伝導性膜は、重合性化合物および重合体の少
なくとも一方からなる電着性粒子のエマルジョンと熱伝
導性微粒子とを含有する熱伝導性膜形成用液から基材表
面に電着により形成される膜であることを特徴とする。
【0018】また、本発明の熱伝導性膜は、電着により
形成される上記熱伝導性膜をさらに熱処理して得られる
膜であることを特徴とする。熱伝導性膜 本発明の熱伝導性膜は、基材の表面に電着により形成さ
れる膜であり、しかもこの膜は、上記のような特定の電
着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒子とを含有する
熱伝導性膜形成用液から形成される膜である。
【0019】このような電着により形成される膜は、後
述のように、上記重合性化合物および重合体の少なくと
も一方からなる電着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微
粒子とを含有する熱伝導性膜形成用液に基材を浸漬して
電極とし、対極を配して電流を流すことにより、基材の
表面に電着性粒子と熱伝導性微粒子とが共析して形成さ
れる複合電着膜である。
【0020】このような複合電着膜は、電着により上記
電着性粒子が析出してなる膜中に熱伝導性微粒子が高分
散化され、しかも高充填化されているので、良好な熱伝
導性を有するとともに、基材との密着性のよい膜となっ
ている。本発明の熱伝導性膜においては、その膜を形成
している電着性粒子の特性に応じて、熱伝導性膜をさら
に熱処理することができる。
【0021】例えば,熱伝導性膜を熱処理することによ
り、電着性粒子として用いた重合性化合物を膜中で重合
させたり、重合体を架橋させて、電着性粒子を高分子樹
脂または高分子ゴムとすることもできる。また、このよ
うな熱処理によって、さらに充分な硬度と耐薬品性を有
することが可能となり、基材への密着性の高い熱伝導性
膜が得られる。
【0022】本発明の熱伝導性膜に含まれる熱伝導性微
粒子の含有量は、熱伝導性膜の全重量に対し、5〜95
重量%であることが好ましく、50〜90重量%である
ことがより好ましい。このような範囲にあると、良好な
熱伝導性を有し、強度に優れた熱伝導性膜を得ることが
できる。熱伝導性膜中の熱伝導性微粒子の含有量が5重
量%未満では、良好な熱伝導性が得られない場合があ
る。一方、熱伝導性膜中の熱伝導性微粒子の含有量が9
5重量%を超えると熱伝導性膜の強度が不十分となりや
すい。 〔熱伝導性微粒子〕本発明の熱伝導性膜に含有される熱
伝導性微粒子は、熱伝導性を有するものであればその材
質は特に制限されず、好ましくは熱伝導性に優れたもの
である。
【0023】具体的には、熱伝導率が、通常10W/m
・K以上、好ましくは50W/m・K以上、さらに好ま
しくは100W/m・K以上の材質であることが望まし
い。例えば、無機微粒子として、酸化アルミニウム、酸
化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、窒化ホウ
素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の金属窒化物、炭
化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素等の金属炭化物など
が挙げられる。
【0024】これらのうち、その熱伝導率が100W/
m・K以上である窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化
ケイ素などが好ましく、さらに化学的安定性、入手の容
易さ等から窒化ホウ素、窒化アルミニウムなどがさらに
好ましい。上記熱伝導性微粒子は単独で用いても良い
し、併用しても良い。また、熱伝導性微粒子の形状は、
球状でもフレーク状でもよいが、できるだけ粒径の揃っ
たものが好ましく、その平均粒径は、好ましくは0.1
〜100μm、さらに好ましくは1〜50μmである。
【0025】〔電着性粒子〕本発明の熱伝導性膜の形成
に用いる熱伝導性膜形成用液は、上記熱伝導性微粒子
と、重合性化合物および重合体の少なくとも一方からな
る電着可能な粒子(電着性粒子)のエマルジョンとを含
有する。ここで、「重合性化合物」とは、重合性基を有
する化合物を指し、完全硬化前の前駆的重合体、重合性
オリゴマー、単量体などを含む意味である。
【0026】一方、「重合体」とは実質的に重合反応が
完了した化合物を指す。但し、重合性化合物は電着後に
加熱することにより重合反応を行わせたり、また、電着
後に加熱、湿気などにより重合体を架橋させることもで
きる。また、電着性粒子の「粒子」とは、上記熱伝導性
膜形成用液中で分散状態にあればよく、固体だけでな
く、液状のものも含む意味である。具体的には、重合性
化合物は固体だけでなく、液状のものも含み、重合体は
固体である。
【0027】上記のような化合物からなる電着性粒子の
電着を可能とするために、電着性粒子は表面に電荷を有
することが好ましい。この表面電荷はアニオン型でもカ
チオン型でもよいが、基材を陰極として電着することに
よりこの基材からの金属の溶出が防止できることから、
カチオン型の粒子であることが好ましい。上記電着性粒
子は、ポリイミド系高分子、エポキシ系高分子、アクリ
ル系高分子、ポリエステル系高分子、フッ素系高分子お
よびシリコーン系高分子から選択される一種または二種
以上の高分子からなることが好ましい。
【0028】これらの高分子に加えてさらに他の成分、
例えば、後述のようなオルガノシラン縮合物等を含んで
もよい。また、これらの高分子は互いに、あるいは他の
成分と化学的に結合されていてもよい。本発明において
は、強固な膜を形成できることから、ポリイミド系高分
子を主成分とする電着性粒子を用いることが特に好まし
い。
【0029】ここで、「ポリイミド系高分子」とは、電
着後の加熱などにより硬化可能な前駆的重合体(たとえ
ばポリアミック酸など)、ポリイミド系高分子の形成に
用いられる単量体、オリゴマーなどをも含む意味であ
り、他の高分子についても同様である。さらに、この
「ポリイミド系高分子」とは、ポリイミド系高分子また
はその前駆的重合体、ポリイミド系高分子の形成に用い
られる単量体と他の単量体との共重合体高分子またはそ
の前駆的重合体、ポリイミド系高分子またはその前駆的
重合体と他の化合物との反応物などをも含む意味であ
り、他の高分子についても同様である。熱伝導性膜形成用液 本発明の熱伝導性膜の形成に際して、電着液として、上
記電着性粒子のエマルジョンと上記熱伝導性微粒子とを
含有する熱伝導性膜形成用液を用いる。
【0030】このような熱伝導性膜形成用液は、通常、
上記電着性粒子のエマルジョンに上記熱伝導性微粒子を
所定量添加することにより作製することができる。この
液の水の含有率は、電着液として使用できるものであれ
ば特に制限されず、上記電着性粒子のエマルジョンに応
じて適宜調整すればよい。具体的には、熱伝導性膜形成
用液の水含有率としては、好ましくは0.5重量%以
上、さらに好ましくは10重量%以上である。一方、水
の含有率が高すぎると上記粒子の分散安定性が低下する
ため、水の含有率は好ましくは50重量%以下、さらに
好ましくは40重量%以下である。
【0031】また、上記熱伝導性膜形成用液は、水と共
に、上記電着性粒子の製造の際に使用される溶媒を含有
することもできる。また、分散安定性および上記エマル
ジョンの溶解性などの点から、炭素原子数1〜10の1
種または2種以上のアルコールなどの有機溶媒を上記液
に含有させるようにしてもよい。例えば、アルコール類
を1〜90重量%含有させることができる。
【0032】この熱伝導性膜形成用液中に含まれる熱伝
導性微粒子の含有量としては、電着性粒子のエマルジョ
ンの固形分と熱伝導性微粒子との合計重量に対して、好
ましくは5〜95重量%、さらに好ましくは50〜90
重量%である。このような電着性粒子のエマルジョンと
しては、具体的には、主としてポリイミド系高分子から
なる電着性粒子のエマルジョン(以下、「ポリイミド系
高分子エマルジョン」という。)、主としてエポキシ系
高分子からなる電着性粒子のエマルジョン(以下、「エ
ポキシ系樹脂エマルジョン」という。)、主としてアク
リル系高分子からなる電着性粒子のエマルジョン(以
下、「アクリル系高分子エマルジョン」という。)、主
としてポリエステル系高分子からなる電着性粒子のエマ
ルジョン(以下、「ポリエステル系高分子エマルジョ
ン」という。)、主としてフッ素系高分子からなる粒子
のエマルジョン(以下、「フッ素系高分子エマルジョ
ン」という。)および主としてシリコーン系高分子から
なる粒子のエマルジョン(以下、「シリコーン系高分子
エマルジョン」という。)などを挙げることができる。 (ポリイミド系高分子エマルジョン)本発明の熱伝導性
膜形成用液により形成される熱伝導性膜は、上記熱伝導
性微粒子とポリイミド系高分子とからなることが特に好
ましい。このような膜を形成する好ましい方法としては
下記の二種類が挙げられる。 〔1〕(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水
性ポリマーとの複合粒子からなるポリイミド系高分子エ
マルジョンと上記熱伝導性微粒子とを含有する液を用い
て、この複合粒子と熱伝導性微粒子とを電着により共析
させる方法。 〔2〕(C)ポリアミック酸と(D)疎水性化合物との
複合粒子からなるポリイミド系高分子エマルジョンと上
記熱伝導性微粒子とを含有する液を用いて、この複合粒
子と熱伝導性微粒子とを電着により共析させ、その後、
電着されたポリアミック酸を加熱により脱水閉環する方
法。
【0033】これらの方法において使用するポリイミド
系高分子エマルジョンを製造する方法としては、上記
〔1〕の方法については特開平11−49951号公報
に記載の方法が、また上記〔2〕の方法については特開
平11−60947号公報に記載の方法が例示される。
上記〔1〕の方法において使用するポリイミド系高分子
エマルジョンの製造方法についてさらに詳しく説明す
る。
【0034】(A)有機溶媒可溶性のポリイミドの合成
法は特に限定されるものではないが、例えば、有機極性
溶媒中、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物と
を混合して重縮合させて、ポリアミック酸を得たのち、
該ポリアミック酸を加熱イミド化法または化学イミド化
法により脱水閉環反応させることにより、ポリイミドを
合成することができる。また、テトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物との重縮合を多段階で行うことによ
り、ブロック構造を有するポリイミドを合成することも
可能である。
【0035】この有機溶媒可溶性のポリイミドは、例え
ば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホン酸
基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基等の反応
性基(a)を1種以上有することが好ましい。反応性基
(a)を有するポリイミドの合成方法としては、例え
ば、ポリアミック酸の合成に使用されるテトラカルボン
酸二無水物、ジアミン化合物、カルボン酸一無水物、モ
ノアミン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を
有する化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基
(a)を残存させる方法等を挙げることができる。
【0036】(B)親水性ポリマーは、親水性基とし
て、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スル
ホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対する20
℃の溶解度が、通常0.01g/100g以上、好まし
くは0.05g/100g以上である親水性ポリマーか
らなる。前記親水性基に加えて、前記(A)成分中の反
応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1種以上有
することが好ましい。
【0037】このような反応性基(b)としては、例え
ば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基の
ほか、前記親水性基と同様の基等を挙げることができ
る。このような親水性ポリマーは、親水性基および/ま
たは反応性基(b)を有するモノビニル単量体を単独重
合または共重合させるか、あるいはこれらのモノビニル
単量体と他の単量体とを共重合させることにより得るこ
とができる。
【0038】この(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと
(B)親水性ポリマーとを、反応性基(a)と親水性ポ
リマー中の反応性基(b)とが適切な反応性を有する組
み合わせとなるように選択し、該ポリイミドと該親水性
ポリマーとを、例えば有機溶媒中にて溶液状態で混合し
て、必要に応じて加熱しつつ、反応させたのち、この反
応溶液と水性媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少
なくとも一部を除去することにより、該ポリイミドと該
親水性ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含む複
合粒子からなるポリイミド系高分子エマルジョンを得る
ことができる。
【0039】なお、「水性媒体」とは、水を含有する媒
体を意味し、水、または水と他の溶媒;例えば、アルコ
ール類、非プロトン性極性溶媒などからなる媒体であ
る。次に、上記〔2〕の方法において使用するポリイミ
ド系高分子エマルジョンの製造方法についてさらに詳し
く説明する。ポリイミドの前駆体である(C)ポリアミ
ック酸の合成法は、特に限定されるものではないが、例
えば、有機極性溶媒中、テトラカルボン酸二無水物とジ
アミン化合物との重縮合反応によりポリアミック酸を得
ることができる。また、テトラカルボン酸二無水物とジ
アミン化合物との重縮合反応を多段階で行うことによ
り、ブロック構造を有するポリアミック酸を合成するこ
とも可能である。
【0040】なお、ポリアミック酸を脱水閉環させるこ
とにより部分的にイミド化したポリアミック酸も使用す
ることができる。一方、(D)疎水性化合物は、前記ポ
リアミック酸中の少なくともアミド酸基と反応しうる基
(以下、「反応性基」という。)を有する化合物であ
る。この反応性基としては、例えば、エポキシ基、イソ
シアナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト
基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、ジアゾ基、カルボニル基等を挙げることがで
きる。
【0041】これらの反応性基は、疎水性化合物中に1
種以上存在することができる。なお、「疎水性」とは、
水に対する20℃の溶解度が、通常、0.05g/10
0g未満、好ましくは0.01/100g未満、さらに
好ましくは0.005g/100g未満であることを意
味する。このような疎水性化合物としては、例えば、エ
ポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキ
シ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、1,3,5,6−テトラグ
リシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N',
N'−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、トリ
レンジイソシアネート、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド、ポリカルボジイミド、コレステロール、ベンジルア
ルコール、p−トルエンスルホン酸エステル、クロロ酢
酸エチル、トリアジントリチオール、ジアゾメタン、ジ
アセトン(メタ)アクリルアミド等から選択される1種
または2種以上を使用することができる。
【0042】この(C)ポリアミック酸と(D)疎水性
化合物とを、例えば、有機溶媒中にて溶液状態で混合し
て反応させたのち、この反応溶液を水性媒体と混合し、
場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去することに
より、ポリアミック酸と疎水性化合物とを同一粒子内に
含む複合粒子からなるポリイミド系高分子エマルジョン
を得ることができる。
【0043】なお、上記〔1〕および〔2〕の方法にお
いて用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定さ
れるものではなく、その例としては、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジシクロヘキ
シルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン等の脂肪族テトラカルボ
ン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボン酸二無水
物;ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,
4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等
の芳香族テトラカルボン酸二無水物;等を挙げることが
できる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。
【0044】また、上記〔1〕および〔2〕の方法にお
いて用いられるジアミン化合物は特に限定されるもので
はなく、その例としては、p−フェニレンジアミン、
4,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等
の芳香族ジアミン類;1,1−メタキシリレンジアミ
ン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)
等の脂肪族ジアミンあるいは脂環式ジアミン類;2,3
−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチル
アミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−
5−フェニルチアゾール、ビス(4−アミノフェニル)
フェニルアミン等の、分子内に2つの第一級アミノ基お
よび該第一級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン
類; モノ置換フェニレンジアミン類; ジアミノオルガノシロキサン;等を挙げることができ
る。これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。
【0045】(エポキシ系高分子エマルジョン)エポキ
シ系高分子エマルジョンの製造方法は特に限定されるも
のではなく、従来公知の方法、例えば、中和剤を含む水
性媒体中に、(a)樹脂Tg(ガラス転移温度)が10
〜35℃の範囲にあるオキサゾリドン環を含んでいるカ
チオン性変性エポキシ樹脂と、(b)ブロックした脂環
族ポリイソシアネート架橋剤を分散してなる分散液を含
ませてエマルジョンを得る方法(特開平9−23549
5号公報)、エポキシ化ブロック共重合体を全樹脂固形
分100重量部中に0.5〜50重量部となるようにア
ミン付加エポキシ樹脂のようなカチオン電着塗料用樹脂
溶液に加えて、水に分散させる方法(特開平9−208
865号公報)などによればよい。 (アクリル系高分子エマルジョン)アクリル系高分子エ
マルジョンの製造方法は特に限定されるものではない
が、例えば通常の乳化重合法により製造できる。
【0046】単量体としては、一般的なアクリル系およ
び/またはメタクリル系単量体から選択される一種また
は二種以上を用いればよい。このとき、粒子を電着可能
とするために、アミノ基、アミド基などのカチオン性基
を有する単量体、またはカルボキシル基、スルホン酸基
等などのアニオン性基を有する単量体を共重合させるこ
とが好ましく、その共重合量は使用する単量体全体に対
して5〜80重量%、より好ましくは10〜50重量%
とすることが好ましい。
【0047】上記アミノ基を有する単量体の好ましい具
体例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミドなどが挙げられ
る。 (ポリエステル系高分子エマルジョン)ポリエステル系
高分子エマルジョンの製造方法は特に限定されるもので
はなく、従来公知の方法、例えば、ジカルボン酸成分と
してスルホン酸金属塩基含有芳香族ジカルボン酸、スル
ホン酸金属塩基を含有しない芳香族ジカルボン酸および
脂肪族ジカルボン酸および/または脂環族ジカルボン酸
をそれぞれ特定量用い、グリコール成分として炭素数2
〜8の脂肪族グリコールおよび/または炭素数2〜8、
あるいは炭素数6〜15の脂環族グリコールを特定量用
い、さらにビスフェノールAのエチレンオキサイドまた
はプロピレンオキサイド付加物を添加してエステル交換
反応を行い、得られたポリエステル樹脂を水および水と
相溶性のある有機化合物との混合媒体に分散させる方法
(特開昭57−10663号公報、特開昭57−701
53号公報)、主として芳香族ジカルボン酸と主として
アルキレングリコールからポリエステルを製造するに際
して、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物
と、特定のグリコール成分を特定量用いてポリエステル
を製造し、水に分散させる方法(特開昭58−1744
21号公報)などによればよい。 (フッ素系高分子エマルジョン)フッ素系高分子エマル
ジョンの製造方法は特に限定されるものではなく、従来
公知の方法、例えば、フッ素系重合体粒子の存在下、水
性媒体中でアクリル系重合体の単量体を乳化重合しヒド
ラジン誘導体を添加して、含フッ素系重合体と特定量の
カルボニル基を含有するアクリル系重合体を含む複合重
合体粒子の水性分散体を得る方法(特開平7−2681
63号公報)などによればよい。 (シリコーン系高分子エマルジョン)シリコーン系高分
子エマルジョンの製造方法は特に限定されるものではな
く、従来公知の方法、例えば、ポリオルガノシロキサン
と親水性官能基を有するビニル系重合体とを化学的に結
合してなる親水性官能基含有重合体を水系媒体中に分散
させる方法(特開平10−60280号公報)などによ
ればよい。 (その他の添加剤)本発明の熱伝導性膜形成用液は、上
記電着性粒子のエマルジョンおよび上記熱伝導性微粒子
に加えて、下記式(1)で示されるオルガノシラン、こ
のオルガノシランの有する加水分解性基の一部または全
部が加水分解された加水分解物およびこの加水分解物が
部分的に脱水縮合した部分縮合物から選択される少なく
とも一種(以下、「オルガノシラン縮合物等」とい
う。)とを含有することが好ましい。
【0048】このオルガノシラン縮合物等を含有する熱
伝導性膜形成用液を用いて形成される複合電着膜は、特
に電着後に加熱硬化させた場合には、膜中でオルガノシ
ラン縮合物等が架橋することにより、硬度および耐薬品
性に優れたものとなる。 (R1nSi(OR24-n (1) (式中、R1は水素原子または炭素数1〜8の一価の有
機基を示し、R2は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数
1〜6のアシル基またはフェニル基を示し、nは1また
は2の整数である。R1およびR2は同一であってもよい
し、異なっていてもよい。) 上記式(1)において、R1の炭素数1〜8の有機基と
しては、直鎖または分岐を有するアルキル基、ハロゲン
置換されたアルキル基、ビニル基、フェニル基及び3,
4−エポキシシクロヘキシルエチル基等を挙げることが
できる。なお、R1はカルボニル基を有していてもよ
い。中でも、R1は炭素数1〜4のアルキル基またはフ
ェニル基であることが好ましい。
【0049】R2の炭素数1〜5のアルキル基または炭
素数1〜6のアシル基としては、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n
−ペンチル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル
基等が挙げられる。なお、R2は炭素数1〜4のアルキ
ル基であることが好ましい。
【0050】好ましく使用されるオルガノシランの例と
しては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びフェニル
トリエトキシシランが挙げられる。これらのオルガノシ
ランは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。上記「オルガノシラン縮合物等」は、本発
明の熱伝導性膜形成用液中に、電着性粒子との複合体粒
子を形成した状態で含有されていることが好ましい。
【0051】この「複合体粒子」とは、上記電着性粒子
を構成する化合物とオルガノシラン縮合物等とが化学的
に結合したもの、上記電着性粒子の表面または内部にオ
ルガノシラン縮合物等が吸着したものなどを指す。この
オルガノシラン縮合物等の使用量は、上記電着性粒子を
100重量部として0.1〜250重量部とすることが
好ましく、0.5〜70重量部とすることがより好まし
く、1〜30重量部とすることがさらに好ましい。
【0052】オルガノシラン縮合物等の使用量が0.1
重量部未満では所望の効果が得られない場合があり、一
方250重量部を超えると複合体粒子の電着性が低下す
る場合がある。このような複合体粒子は、下記〔3〕ま
たは〔4〕の方法等によって製造することができる。な
お、これらの方法を組み合わせてもよい。 〔3〕上記電着性粒子のエマルジョンに上記オルガノシ
ランを添加し、オルガノシランの少なくとも一部を上記
粒子に吸収させた後、このオルガノシランの加水分解反
応および縮合反応を進行させる。 〔4〕水性媒体に分散された上記オルガノシラン縮合物
等の存在下で上記電着性粒子を生成させる反応を行う。
【0053】上記〔3〕の方法においてオルガノシラン
を電着性粒子に吸収させるには、電着性粒子のエマルジ
ョン中にオルガノシランを添加して十分に攪拌するなど
の方法によればよい。このとき、添加したオルガノシラ
ンの10重量%以上、より好ましくは30重量%以上を
粒子に吸収させることが好ましい。吸収が不十分な段階
でオルガノシランの加水分解・縮合反応が進んでしまう
のを避けるために、反応系のpHを通常4〜10、好ま
しくは5〜10、さらに好ましくは6〜8に調製するこ
とができる。
【0054】オルガノシランを粒子に吸収させるための
処理温度は70℃以下とすることが好ましく、より好ま
しくは50℃以下、さらに好ましくは0〜30℃であ
る。処理時間は通常5〜180分であり、20〜60分
程度とすることが好ましい。吸収されたオルガノシラン
を加水分解・縮合させる際の温度は、通常20℃以上、
好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜90
℃であり、好ましい重合時間は0.3〜15時間、より
好ましくは1〜8時間である。
【0055】また、上記〔4〕の方法においては、上記
オルガノシランを、ホモミキサーまたは超音波混合機等
を用いて、アルキルベンゼンスルホン酸等の強酸性乳化
剤の水溶液中で混合し、加水分解・縮合させることによ
って、水性媒体に分散されたオルガノシラン縮合物等が
得られる。このオルガノシラン縮合物等の存在下で、好
ましくは乳化重合により上記電着性粒子を生成させれば
よい。熱伝導性膜製造 本発明の熱伝導性膜、およびこの熱伝導性膜が基材の表
面に形成されてなる熱伝導性膜付基材の製造方法におい
ては、上記電着性粒子のエマルジョンと上記熱伝導性微
粒子とを所定割合で含有する液(熱伝導性膜形成用液)
を、電着法により基材の表面に電着させて熱伝導性膜を
形成することにより、熱伝導性膜が得られ、またこの熱
伝導性膜とこの熱伝導性膜を表面に形成する基材からな
る熱伝導性膜付基材を好適に得ることができる。
【0056】上記熱伝導性膜形成用液は、通常そのまま
の濃度で電着液として用いることができるが、場合によ
り、希釈または濃縮して用いてもよい。また、必要に応
じて、従来公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、熱発生
剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、滑剤、接
着性改善剤、防かび剤等を適宜配合することもできる。
【0057】上記熱伝導性膜形成用液を用いる電着方法
としては、通常の電着方法を採用できる。例えば、上記
熱伝導性膜形成用液に基材を浸漬して電極とし、対極を
配して、定電圧法などにより電流を流すことにより、こ
の基材の表面に上記電着性粒子と上記熱伝導性微粒子と
が共析して複合電着膜(熱伝導性膜)が形成され、目的と
する熱伝導性膜の形成された熱伝導性膜付基材を得るこ
とができる。
【0058】この熱伝導性膜を表面に形成する基材とし
ては、電極を形成できる材質のものであればよく、金
属、合金など、種々の導電性材質からなる基材を用いる
ことができる。また、その基材の使用目的に応じて、基
材の片面や両面や、また種々の形状の基材表面に上記熱
伝導性膜を形成させることができる。また、上記電着に
際して、基材を陰極または陽極のいずれかとするかは、
基材からの金属の溶出性、電着性粒子表面の電荷などと
の関係により適宜選定すればよい。
【0059】本発明の熱伝導性膜の形成において、電着
性粒子と熱伝導性微粒子とを共析させる際の熱伝導性微
粒子の析出量については、特に制限されるものではない
が、熱伝導性膜の全重量に対して、5〜95重量%であ
ることが好ましく、50〜90重量%であることがより
好ましい。このような範囲では良好な熱伝導性を有し、
強度の優れた熱伝導性膜を得ることができる。
【0060】上記熱伝導性微粒子の析出量が5重量%未
満では、良好な熱伝導性が得られない場合があり、一
方、熱伝導性微粒子の析出量が95重量%を超えると、
複合電着膜の強度が不十分となってこの膜が基材から剥
がれ落ちる等の現象が起こる場合がある。基材の表面に
形成される熱伝導性膜(複合電着膜)の厚さは、この膜
の組成により異なるが、0.1μm〜100μmとする
ことが好ましく、1〜70μmとすることがより好まし
い。複合電着膜の厚さが上記範囲未満であると、基材の
表面における膜形成効果が十分に発揮されない場合があ
る。一方、複合電着膜の厚さが大きすぎると、複合電着
膜中の熱伝導性微粒子がこの膜中に埋没しやすくなり、
本発明が目的とする熱伝導性能が得られにくい。
【0061】本発明の熱伝導性膜およびこの熱伝導性膜
を表面に形成してなる熱伝導性膜付基材の製造方法にお
いては、電着により形成される膜を必要に応じてさらに
熱処理することができる。例えば、熱伝導性膜を形成す
る電着性粒子などが熱処理によって硬化する場合などで
ある。この熱処理により、十分な硬度および耐薬品性を
持たせることができ、基材への密着性の高い複合電着膜
が得られる。
【0062】熱硬化性を有する高分子、例えば、主とし
てポリイミド系高分子前駆体またはエポキシ系高分子前
駆体からなる電着性粒子を電着し、次いでこれを熱処理
して複合電着膜を形成することが好ましい。熱処理の条
件は特に限定されるものではないが、好ましい加熱温度
は100℃以上であり、さらに好ましくは400℃以下
である。特に好ましくは150〜350℃である。
【0063】加熱温度が100℃未満であると、硬化が
不十分であるため十分な膜強度が得られず、また基材へ
の十分な密着力が得られない場合がある。一方、加熱温
度が400℃を超えると、この膜を構成する化合物が分
解しやすくなるので好ましくない。このような熱伝導性
膜および熱伝導性膜付基材の製造方法においては、熱伝
導性膜が直接基材の表面に形成されるため、熱伝導性微
粒子の高分散化、高充填化を可能とし、熱伝導性に優れ
た熱伝導性膜を形成することができる。また、熱伝導性
膜と基材との密着性に優れる、熱伝導性膜と基材とが一
体化した熱伝導性膜付基材を得ることができる。
【0064】このような熱伝導性膜とこの熱伝導性膜を
表面に形成する基材からなる熱伝導性膜付基材として、
具体的には、熱伝導性膜を放熱板の表面に形成してなる
熱伝導性膜付放熱板を挙げることができる。放熱構造 本発明に係る放熱構造は、上記熱伝導性膜付放熱板と、
発熱体とが、この熱伝導性膜付放熱板の表面に形成され
る熱伝導性膜と接するように、接合されている構造であ
る。
【0065】上記発熱体としては、半導体素子または半
導体パッケージなどが挙げられる。このような放熱構造
では、発熱体は、放熱板に密着性よく一体化した熱伝導
性膜と接することにより放熱板と接合されているため、
優れた放熱効果を奏する。このため、発熱による半導体
素子などの誤動作、性能低下を効果的に防止することが
できる。
【0066】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。なお、以下において、特記しない限り、
「部」および「%」は重量基準である。 (1)エマルジョンの合成 以下の合成例1〜5により、電着性粒子のエマルジョン
を合成した。
【0067】
【合成例1:ポリイミド系高分子エマルジョン】テトラ
カルボン酸二無水物として3,3',4,4'−ビフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.29g(9
0ミリモル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−
ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン化合物と
して2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン36.95g(90ミリモル)およびオ
ルガノシロキサンLP7100(信越化学工業(株)製の
商品名)2.49g(10ミリモル)を、N−メチル−
2−ピロリドン450gに溶解して、室温で12時間反
応させた。
【0068】その後、この反応溶液に、ピリジン32g
および無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水
閉環反応を行った。次いで反応溶液を減圧留去して精製
し、固形分10%のポリイミド溶液を得た。ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル100部を入れた反応容
器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容
器に、n−ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノ
エチルアクリレート30部、グリシジルメタアクリレー
ト5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる
混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶
液重合を行った。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%のアク
リルポリマー溶液を得た。
【0069】ポリイミド溶液を固形分換算で50部、ア
クリルポリマー溶液を固形分換算で30部およびエピコ
ート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂の
商品名)20部とを混合し、70℃で3時間反応させた
後、酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行っ
た。次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く
撹拌して、カチオン性のポリイミド系高分子エマルジョ
ンを得た。
【0070】
【合成例2;ポリアミック酸エマルジョン】テトラカル
ボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシク
ロペンチル酢酸二無水物22.4g(100ミリモル)
と、ジアミン化合物として2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン41.1g(10
0ミリモル)とを、N−メチル−2−ピロリドン450
gに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、減
圧留去により、反応溶液を濃縮し、固形分15%のポリ
アミック酸溶液を得た。
【0071】固形分換算で70部の前記ポリアミック酸
溶液に対して、エピコート828(油化シェルエポキシ
社製、エポキシ樹脂の商品名)30部を添加して十分混
合し、80℃で60分反応させたのち、トリエタノール
アミン10部を添加した蒸留水1000部に徐々に加え
ながら強く撹拌して、アニオン性のポリアミック酸エマ
ルジョン(ポリイミド系高分子エマルジョンの一例であ
る)を得た。
【0072】
【合成例3:エポキシ系高分子エマルジョン】トリレン
ジイソシアネートおよび2−エチルヘキサノールからな
るブロックイソシアネート46.3部と、エピコート8
28(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂の商品
名)とジエチルアミンとを反応させて得られたエポキシ
アミン付加物89.3部とを混合し、pH調節剤として
酢酸3.8部を加えた。これを、イオン交換水1200
部中に攪拌しながら投入することによって、カチオン性
のエポキシ系高分子前駆体を主成分とする分散粒子のエ
マルジョンを得た。
【0073】
【合成例4:アクリル系高分子エマルジョン】イオン交
換水200部と、コータミン24(花王株式会社製、界
面活性剤の商品名)1部とを反応器に仕込み、窒素気流
下で系を60℃まで昇温した後、V−50(和光純薬株
式会社製、開始剤の商品名)を仕込んで重合反応を開始
させた。
【0074】反応開始直後から、イオン交換水30部、
ブチルアクリレート20部、メチルメタクリレート77
部、DMAPAA−Q(興人株式会社製、アクリルモノ
マーの商品名)3部、コータミン24(花王株式会社
製、界面活性剤の商品名)0.3部、およびエマルゲン
E−920(花王株式会社製、界面活性剤の商品名)2
部からなるモノマーエマルジョンを、3時間かけて連続
的に滴下した。滴下終了後、反応系を65℃に昇温して
さらに3時間反応させることによって、カチオン性のア
クリル系重合体を主成分とする分散粒子のエマルジョン
を得た。
【0075】
【合成例5:ポリエステル系高分子エマルジョン】ジメ
チルテレフタレート466部、ジメチルイソフタレート
388部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル
178部、エチレングリコール443部、ネオペンチル
グリコール400部、酢酸亜鉛0.44部、酢酸ナトリ
ウム0.04部、および三酸化アンチモン0.43部を
反応器に仕込み、140〜220℃で4時間かけてエス
テル交換反応を行った。次に、260℃20mmHgの
真空下で重縮合反応を1時間行ってポリエステル系樹脂
を得た。
【0076】このポリエステル系樹脂30部をイソプロ
パノール14部と水56部との混合液中に入れ、70〜
75℃で3時間かけて分散させることによって、カチオ
ン性のポリエステル系重合体を主成分とする分散粒子の
エマルジョンを得た。
【0077】
【合成例6:シリコーン系高分子エマルジョン】p−ビ
ニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5部とオクタ
メチルシクロテトラシロキサン98.5部とを混合し、
これをα−オレフィンスルホン酸(RCH=CH(CH
2 n SO3Na約75重量%、RCH2CH(OH)
(CH2 mSO3Na約25重量%の混合物)2.0部
を溶解した蒸留水300部中に入れ、ホモミキサーによ
り3分間撹拌して乳化分散させた。この混合液を、コン
デンサー、窒素導入口および撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに移し、撹拌混合しながら90℃で6時間加熱
し、5℃で24時間冷却することによって縮合を完結さ
せた。得られたオルガノポリシロキサン水分散体を、炭
酸ナトリウム水溶液を用いてpH7に中和した。
【0078】次いで、コンデンサー、窒素導入口および
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに、固形分換算とし
て100重量部の前記オルガノポリシロキサン水分散
体、イオン交換水70部およびアゾイソブチロニトリル
1部をそれぞれ仕込み、気相部を15分間窒素ガスで置
換し、75℃に昇温した。次いで、別容器でメチルメタ
クリレート5重量部、n−ブチルアクリレート90重量
部、メタアクリル酸3重量部およびN−メチロールアク
リルアミド2重量部とを混合し、この混合物を3時間か
けて前記オルガノポリシロキサン水分散体に滴下した。
滴下中は、窒素ガスを導入しながら80℃で反応を行っ
た。滴下終了後、さらに85℃で2時間撹拌した後反応
を終了させた。
【0079】その後25℃まで冷却し、エタノールアミ
ンでpH7に調整し、シリコーン系高分子エマルジョン
を得た。 (2)熱伝導性膜形成
【0080】
【実施例1】合成例1で得たポリイミド系高分子エマル
ジョンに、熱伝導性微粒子として平均粒径5μmの窒化
ホウ素粉末(デンカボロンナイトライドHGP、電気化学
工業(株)製)を、ポリイミド系高分子エマルジョンの
固形分とこの微粒子との合計重量に占める熱伝導性微粒
子の重量比が85%となるように添加して熱伝導性膜形
成用液を作成した。基材としては希酸で洗浄した厚み1
5mmの銅板を用い、上記熱伝導性膜形成用液にこの銅
板を浸漬して、定電圧法により陰極側の銅板上にポリイ
ミド系高分子粒子と窒化ホウ素粉末とを共析させて薄膜
(熱硬化性薄膜)を形成した。その後、この薄膜を10
0℃で10分間加熱したのち、さらに250℃で30分
間加熱してポリイミド系高分子を硬化させることによ
り、銅板上に膜厚20μm、窒化ホウ素析出量85%の
熱伝導性膜を形成した。
【0081】
【実施例2】実施例1において、ポリイミド系高分子エ
マルジョンを合成例3で得たエポキシ系高分子エマルジ
ョンに代え、さらに薄膜を硬化させる温度を250℃か
ら200℃に変更した以外は、実施例1と同様にして銅
板上に熱伝導性膜を形成した。
【0082】
【実施例3】実施例1において、ポリイミド系高分子エ
マルジョンを合成例4で得たアクリル系高分子エマルジ
ョンに代え、さらに薄膜を硬化させる温度を250℃か
ら200℃に変更した以外は、実施例1と同様にして銅
板上に熱伝導性膜を形成した。
【0083】
【実施例4】実施例1において、ポリイミド系高分子エ
マルジョンを合成例5で得たポリエステル系高分子エマ
ルジョンに代え、さらに薄膜を硬化させる温度を250
℃から200℃に変更した以外は、実施例1と同様にし
て銅板上に熱伝導性膜を形成した。
【0084】
【実施例5】合成例1で得たポリイミド系高分子エマル
ジョンに、メチルトリエトキシシランを、ポリイミド系
高分子エマルジョンの固形分100部に対して20部添
加して70℃で3時間反応させることにより、ポリイミ
ド系高分子とメチルトリエトキシシラン縮合物等とから
なる複合体粒子のエマルジョンを得た。
【0085】実施例1において、ポリイミド系高分子エ
マルジョンをこの複合体粒子のエマルジョンに代えた以
外は、実施例1と同様にして銅板上に熱伝導性膜を形成
した。
【0086】
【実施例6】合成例2で得たポリアミック酸エマルジョ
ンに、メチルトリエトキシシランを、ポリアミック酸エ
マルジョンの固形分100部に対して20部添加して7
0℃で3時間反応させることにより、ポリアミック酸と
メチルトリエトキシシラン縮合物等とからなる複合体粒
子のエマルジョンを得た。
【0087】実施例1において、ポリイミド系高分子エ
マルジョンをこの複合体粒子のエマルジョンに代え、平
均粒径5μmの窒化ホウ素粉末を平均粒径2μmの窒化
アルミニウム粉末((株)トクヤマ)に代え、膜を形成す
る際の電極の正負を逆転させて、さらに薄膜を硬化させ
る温度を250℃から350℃に変更した以外は、実施
例1と同様にして銅板上に熱伝導性膜を形成した。
【0088】
【実施例7】実施例1において、ポリイミド系高分子エ
マルジョンを合成例6で得たシリコーン系高分子エマル
ジョンに代え、平均粒径5μmの窒化ホウ素粉末を平均
粒径2μmの窒化アルミニウム粉末((株)トクヤマ)に
代えて、膜を形成する際の電極の正負を逆転させた以外
は、実施例1と同様にして銅板上に熱伝導性膜を形成し
た。
【0089】
【比較例1】実施例1において、窒化ホウ素粉末を添加
せずに、実施例1と同様にして銅板上に熱伝導性膜を形
成した。
【0090】
【比較例2】2液タイプの液状付加型熱硬化性シリコー
ンゴム(粘度10P)に対して、熱伝導性微粒子として
平均粒径5μmの窒化ホウ素粉末(デンカボロンナイト
ライドHGP、電気化学工業(株)製)を、重量割合が全体
の85%となるように添加してペーストの作製を試みた
が、高粘度のため、銅板上に塗布することができなかっ
た。
【0091】
【比較例3】比較例2において、窒化ホウ素粉末の添加
量を40%とした以外は、比較例2と同様にして、ペー
ストを作製した。このペーストを銅板(厚さ15mm)
上に20μmの厚みで塗布した後、オーブン中100℃
で硬化させ、熱伝導性膜を得た。 (3)性能評価 実施例1〜7および比較例1、3で得られた熱伝導性膜
が形成された銅板について、下記の方法にて試験を行っ
た。その結果を表1に示す。熱伝導性評価 図1に示すように、熱伝導性膜3が形成された銅板2を
膜側を下側にして、ヒータ4の上に置き、銅板2の上に
さらに市販のパソコン用の冷却用ファン1を取り付け
て、パソコンのMPU用の放熱シートとしての実使用状
態を模擬した構成として、試験を行った。
【0092】ヒータ4に一定の熱量を与え、熱伝導性膜
3とヒータ4の間の温度(T1)と、銅板2と冷却用フ
ァン1の間の温度(T2)とを、ヒータ4に通電して1
0分後に測定し、温度差(T1−T2)が10℃未満の
場合を○、10℃〜20℃の場合を△、20℃を超える
場合を×として熱伝導性を評価した。耐久性評価 ヒータ4に10分間通電し、その後通電を止め、温度
(T1)と温度(T2)とが同一温度になるまで放置す
るという、この通電、通電停止・放置の一連の操作を1
00回繰り返す試験を行い、100回目の試験終了後の
熱伝導性を上記と同様に評価した。
【0093】また、100回目の試験終了後の熱伝導性
膜の状態を目視で観察した。
【0094】
【表1】
【0095】表1から明らかなように、本発明における
電着性粒子のエマルジョンである、ポリイミド系高分子
エマルジョン(実施例1)、エポキシ系高分子エマルジョ
ン(実施例2)、アクリル系高分子エマルジョン(実施例
3)、ポリエステル系高分子エマルジョン(実施例4)、
ポリイミド系高分子とメチルトリエトキシシラン縮合物
等との複合体粒子エマルジョン(実施例5)、ポリアミッ
ク酸とメチルトリエトキシシラン縮合物等との複合体粒
子エマルジョン(実施例6)、またはシリコーン系高分子
エマルジョン(実施例7)と、熱伝導性微粒子とを含有す
る熱伝導性形成液から電着により銅板上に形成される熱
伝導性膜は、その膜の形成に用いた電着性粒子が重合性
化合物(実施例2、6)、重合体(実施例1、3〜5、
7)、および重合性化合物または重合体とオルガノシラ
ン縮合物等との複合体粒子(実施例5,6)のいずれにお
いても、熱伝導性に優れ、しかも耐久性に優れて、長時
間の使用に際しても安定した熱伝導性を有し、銅板との
密着性も良いことが分かる。
【0096】また、本発明においては、用いる電着性粒
子の粒子表面の電荷や基材に応じて電着の際の電極の正
負を適宜選択することにより、上記のような優れた熱伝
導性膜が基材上に形成されること、また、電着により形
成される膜を、その膜組成に応じて、適宜設定した温度
で熱処理することにより、基材との密着性がよく、硬度
の優れた耐久性のある、熱伝導性膜と基材との一体化し
た製品(熱伝導性膜付基材)が得られることが分かる。
【0097】一方、熱伝導性微粒子を含まず、電着性粒
子のエマルジョンから析出してなる熱伝導性膜(比較例
1)は、銅板との接着性を有するが、熱伝導性が非常に
悪く、熱伝導性を改善するという用途には適していない
ことが分かる。また、比較例2、3から明らかなよう
に、重合体(液状付加型熱硬化性シリコーンゴム)と熱
伝導性微粒子(窒化ホウ素粉末)とからなるペーストを
銅板上に塗布する従来の方法では、熱伝導性微粒子を高
充填化することができないため、熱伝導性の高い膜を得
ることはできない。また、その膜は熱伝導性が低いだけ
でなく、使用と共に熱伝導性はさらに悪くなり銅板から
の膜の剥離も生じて耐久性に劣る。
【0098】これに対して、電着法により直接基材表面
に熱伝導性膜を形成する本発明の方法(実施例1〜7)に
よれば、熱伝導性微粒子を高充填化することができ、長
期間安定した熱伝導性を有すると共に、熱伝導性膜と基
材との密着性のよい、熱伝導性膜と基材とを一体化した
熱伝導性膜付基材を良好に製造できることが分かる。
【0099】
【発明の効果】本発明の熱伝導性膜は、その膜中に熱伝
導性微粒子を高分散および高充填することができるの
で、優れた熱伝導性を有するとともに、電着により基材
表面に形成されるため、基材との密着性もよい。本発明
の熱伝導性膜形成用液は、上記熱伝導性膜を形成する際
の電着液として優れている。
【0100】本発明の熱伝導性膜および熱伝導性膜付基
材の製造方法によると、熱伝導性微粒子が膜中に高分
散、高充填された熱伝導性に優れた複合電着膜を形成す
ることができる。この熱伝導性膜は直接に基材表面に形
成されるために、熱伝導性微粒子が高充填されていて
も、従来の熱伝導性シートのような加工性の悪さが問題
とならず、しかも基材との密着にも優れた熱伝導性膜お
よび熱伝導性膜付基材を製造することができる。
【0101】さらに、本発明の熱伝導性膜付放熱板を、
この放熱板の表面に形成される熱伝導性膜と接するよう
に、半導体パッケージ等の発熱体と接合する放熱構造
は、半導体素子の発熱による誤動作、性能低下を防止す
るのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で評価を行った熱伝導性膜が形成され
た銅板の試験方法を示す模式的な説明図である。
【符号の説明】
1・・・冷却用ファン 2・・・銅板 3・・・熱伝導性皮膜 4・・・ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/36 H01L 23/36 D (72)発明者 岩永 伸一郎 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CD091 CG001 CG141 CG171 CH201 DB001 DD061 DG161 DG301 DJ021 DL031 DL151 GA13 GA16 HA156 HA186 HA216 HA316 HA436 HA446 HA476 MA03 MA08 MA10 NA12 NA13 PA04 PB09 5F036 AA01 BA23 BB21 BD21

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性化合物および重合体の少なくとも
    一方からなる電着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒
    子とを含有する熱伝導性膜形成用液から基材表面に電着
    により形成される膜であることを特徴とする熱伝導性
    膜。
  2. 【請求項2】 重合性化合物および重合体の少なくとも
    一方からなる電着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒
    子とを含有する熱伝導性膜形成用液から基材表面に電着
    により形成される熱伝導性膜をさらに熱処理して得られ
    る膜であることを特徴とする熱伝導性膜。
  3. 【請求項3】 前記電着性粒子が、粒子表面に電荷を有
    し、ポリイミド系高分子、エポキシ系高分子、アクリル
    系高分子、ポリエステル系高分子、フッ素系高分子およ
    びシリコーン系高分子から選択される少なくとも一種の
    高分子である請求項1または2に記載の熱伝導性膜。
  4. 【請求項4】 前記熱伝導性微粒子が、窒化ホウ素、窒
    化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化
    ベリリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシ
    ウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化チタンおよ
    び炭化ホウ素の群から選ばれる少なくとも一種の金属化
    合物である請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性
    膜。
  5. 【請求項5】 重合性化合物および重合体の少なくとも
    一方からなる電着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒
    子とを含有する液であることを特徴とする熱伝導性膜形
    成用液。
  6. 【請求項6】 前記電着性粒子が、粒子表面に電荷を有
    し、ポリイミド系高分子、エポキシ系高分子、アクリル
    系高分子、ポリエステル系高分子、フッ素系高分子およ
    びシリコーン系高分子から選択される少なくとも一種の
    高分子である請求項5に記載の熱伝導性膜形成用液。
  7. 【請求項7】 前記熱伝導性微粒子が、窒化ホウ素、窒
    化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化
    ベリリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシ
    ウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化チタンおよ
    び炭化ホウ素の群から選ばれる少なくとも一種の金属化
    合物である請求項5または6に記載の熱伝導性膜形成用
    液。
  8. 【請求項8】 重合性化合物および重合体の少なくとも
    一方からなる電着性粒子のエマルジョンと熱伝導性微粒
    子とを含有する熱伝導性膜形成用液を電着法により基材
    の表面に電着させて熱伝導性膜を形成することを特徴と
    する熱伝導性膜付基材の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8で形成される熱伝導性膜をさらに
    熱処理する請求項8に記載の熱伝導性膜付基材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4のいずれかの熱伝導性膜
    と、該熱伝導性膜を表面に形成する基材からなることを
    特徴とする熱伝導性膜付基材。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれかの熱伝導性膜
    と、該熱伝導性膜を表面に形成する放熱板からなること
    を特徴とする熱伝導性膜付放熱板。
  12. 【請求項12】 請求項11の熱伝導性膜付放熱板と、
    発熱体とが、該熱伝導性膜付放熱板の表面に形成される
    熱伝導性膜と接するように、接合されていることを特徴
    とする放熱構造。
  13. 【請求項13】 前記発熱体が、半導体素子または半導
    体パッケージである請求項12に記載の放熱構造。
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