JP2011162591A - 三次元集積回路用の層間充填材組成物、塗布液、三次元集積回路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 三次元集積回路用の層間充填材組成物が、微粒子状樹脂フィラー、熱伝導度が1W/m・K以上の無機フィラー、及びマトリックス樹脂を含有し、かつ該層間充填材組成物100体積%あたり、微粒子状樹脂フィラーを1体積%以上50体積%以下、無機フィラーを1体積%以上80体積%以下含有する。
【選択図】 図1
Description
さらに、層間充填材組成物に含まれる樹脂の割合が低下すると、基板同士の接着性が低下して基板が剥離したり、成膜性が低下する可能性があった。
本発明の三次元集積回路用の層間充填材組成物(以下、単に層間充填材組成物ということがある)は、三次元集積回路の各層を構成する半導体チップ同士を接着し、半導体チップ同士の間隙を充填する充填層を形成することができる組成物である。
また、本発明の層間充填材組成物には、その成分の少なくとも一部を充填層形成時の加熱・加圧等によって、対応する上記構成成分を生成し得るような成分で置き換えたものを用いてもよい。このような成分としては、例えば樹脂の前駆体である、原料モノマー、ダイマー、オリゴマー等が例示できる。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーは、特定範囲の粒径を有する樹脂の微粒子によるフィラーである。層間充填材組成物は、微粒子状樹脂フィラーを含有することによって、少ない無機フィラーの含有量であっても、より熱伝導性が高い充填層を形成することができる。
そのため無機フィラー3が充填層10中に均一に分散するよりも、無機フィラー3同士の距離が縮まったり、接触したりするため、半導体チップ20間に熱の伝導路が形成されることになると推測される。
さらに、層間充填材組成物を塗布法で成膜したのち硬化することで充填層10を形成する場合、硬化中に無機フィラー3が沈降することを防ぐことができると推測される。無機フィラー3が沈降すると、上部に無機フィラー充填量が少ない部分ができるため、熱の伝導路が分断され、熱抵抗が大きくなる。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーの粒径は、本発明の効果を著しく制限することがなければ制限はない。ただし、微粒子状樹脂フィラーの平均粒径が、無機フィラーの平均粒径よりも大きいことが好ましい。上述した様に、無機フィラーが微粒子状樹脂フィラーの表面に付着して配置されると推測されるため、その核として機能させるためである。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーの耐熱性は、三次元集積回路の動作発熱に耐えられれば、本発明の効果を著しく妨げない限り制限はない。ただし、上述した様に、無機フィラーが微粒子状樹脂フィラーの表面に付着して配置されると推測されるため、三次元集積回路の製造工程で、形状を維持できる耐熱性とする。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーの熱伝導度は、本発明の効果を著しく制限することがなければ制限はないが、少なくともマトリックス樹脂より著しく低くないことが好ましい。本発明は微粒子状樹脂フィラーを混合することで、熱伝導度の向上に主に資する無機フィラーの空間配置を誘導し、層間充填材組成物全体として見た場合の熱伝導度を向上させていると推測されるので、微粒子状樹脂フィラーが熱抵抗にならない方が好ましいためである。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーの比誘電率は、本発明の効果を著しく制限することがなければ制限はないが、少なくとも無機フィラーよりは低いことが好ましく、マトリックス樹脂と同程度であることが好ましい。比誘電率は低いほど電子回路には好適であり、高周波回路であるほどこの傾向は顕著になるためである。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーは、架橋性樹脂によるフィラーを用いた方が、塗布液を製造する際に溶解しにくいので好ましい。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーの比重は、スピンコート法等での塗布の際に、沈降せず、均一に広がる範囲が好ましい。
具体的には、通常0.5g/cm3以上、好ましくは0.8g/cm3以上、さらに好ましくは1g/cm3以上、また、また通常2g/cm3以下、好ましくは1.8g/cm3以下、さらに好ましくは1.5g/cm3以下である。粒径にもよるが、比重が大きいと塗布の際に沈降しやすくなり、小さいとスピンによる流動が不十分になる傾向がある。
このとき、微粒子状樹脂フィラーの比重は、気体置換式の密度計等で測定できる。
本発明に係る微粒子状樹脂フィラーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステルや、アクリル酸エステル等から得られる樹脂等を基材とする微粒子、それらのモノマーとメチルビニルエーテル、酢酸ビニル、ジビニルベンゼンなど他のモノマーとの共重合体微粒子、およびこれらを架橋した微粒子などのアクリル系微粒子;スチレン系微粒子;低密度ポリエチレン微粒子、高密度ポリエチレン微粒子、超高分子量ポリエチレン微粒子、およびエチレン・アクリル酸共重合体微粒子などのポリエチレン系微粒子;ナイロン系微粒子;ポリアクリロニトリルを主成分とするPAN系微粒子;熱硬化性および熱可塑性のポリウレタン系微粒子;ノボラック樹脂微粒子、レゾール樹脂微粒子などのフェノール樹脂系微粒子;シリコーン樹脂微粒子、シリコーン樹脂被覆微粒子などのシリコーン樹脂系微粒子;ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物微粒子、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物微粒子、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物微粒子などのベンゾグアナミン・メラミン系微粒子;四フッ化エチレン樹脂微粒子などのフッ素樹脂系微粒子;アラミド微粒子、ポリイミド微粒子、PEEK微粒子などのエンプラ系微粒子;シルクなどの天然高分子系微粒子等が挙げられる。
また、周囲の無機フィラーによる効果的な熱伝導路を形成しやすくするため、真球状に近い樹脂微粒子が好ましく、このため、元の樹脂を粉砕して製造した微粒子よりも、懸濁重合、乳化重合、シード重合など直接製造した樹脂微粒子が好ましい。直接製造した樹脂微粒子は、その製造方法によりあらかじめ様々な表面処理を行うことも可能な点でも好ましい。そのため、架橋アクリル樹脂、メラミン樹脂の微粒子が好ましく、特に架橋アクリル樹脂が好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
本発明に係る無機フィラーは、熱伝導度が1W/m・K以上、好ましくは5W/m・K以上の無機物質の微粒子であり、フィラーとして用いられるものであれば、従来から用いられる無機フィラーを用いることができる。一般に無機フィラーは、一般に層間充填材に用いられる樹脂に比べて、熱伝導度が高い物質であり、層間充填材組成物が無機フィラーを含有することで、充填層の熱伝導度が全体として高くなる。
本発明に係る無機フィラーの粒径は、本発明の効果を著しく制限することがなければ制限はない。ただし、微粒子状樹脂フィラーの平均粒径が、無機フィラーの平均粒径よりも大きいことが好ましい。上述した様に、無機フィラーは、微粒子状樹脂フィラーの表面に付着するように配置されると推測されるためである。
本発明に係る無機フィラーの熱伝導度は、通常1W/m・K以上、好ましくは5W/m・K以上、さらに好ましくは15W/m・K以上である。無機フィラーの熱伝導度も本発明の目的においては、高いほど好ましい。
本発明に係る無機フィラーの比重は、スピンコート法等での塗布の際に、沈降せず、均一に広がる範囲が好ましい。
具体的には、通常1g/cm3以上、好ましくは2g/cm3以上、さらに好ましくは3g/cm3以上、また、また通常10g/cm3以下、好ましくは5g/cm3以下、さらに好ましくは4g/cm3以下である。粒径にもよるが、比重が大きいと塗布の際に沈降しやすくなり、小さいとスピンによる流動が不十分になる傾向がある。
このとき、無機フィラーの比重は、微粒子状樹脂フィラーの比重測定方法と同様の方法を用いて行うことができる。
本発明に係る無機フィラーとしては、絶縁性のある高熱伝導性フィラーが好ましい。例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム等の無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の無機窒化物;炭化ケイ素、炭化チタン、炭化ホウ素等の無機炭化物;ダイヤモンド等;等の微粒子が挙げられる。
中でも、熱伝導率が高く、入手しやすいため、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化ホウ素が好ましい。
特には、酸化アルミニウム(アルミナ)が好ましい。アルミニウム塩とNH4HCO3から合成したアンモニウムドーソナイト(NH4AlCO3(OH)2)を焼成して製造するなど高純度や真球状に近い微粒子が得やすいためである。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
本発明に係るマトリックス樹脂は、充填層を形成したときに、三次元集積回路の各層を構成する半導体チップ同士の間を充填し、かつ、半導体チップ同士を接着する樹脂であればよく、該樹脂の前駆体も含む。
本発明に係るマトリックス樹脂は、上記用途に用いることができれば、従来から用いられる樹脂を用いることができる。
本発明に係るマトリックス樹脂は、溶媒に分散又は溶解することにより塗布液にできる樹脂が好ましく、溶媒可溶の熱硬化樹脂、溶媒可溶の熱可塑性樹脂、および前駆体等が溶媒可溶な樹脂を用いることが好ましい。また前駆体等が溶媒可溶な樹脂は、微粒子状樹脂フィラーや無機フィラーをより均一に分散することができるため好ましい。
本発明に係るマトリックス樹脂は、バンプ金属の融点より低い温度で、仮接着でき、かつ、バンプ金属の融点より高い温度で本接着できることが好ましい。熱硬化性樹脂の場合は、バンプ金属の融点より低い温度でBステージ化できることが好ましく、熱可塑性樹脂の場合は、バンプ金属の融点より低い温度にビカット軟化点を持つことが好ましい。
具体的には、Bステージ化温度は、通常30℃以上、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは80℃以上、また、通常260℃以下、好ましくは255℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。また、ビカット軟化点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは130℃以上、また、通常260℃以下、好ましくは255℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。
このとき、マトリックス樹脂のBステージ化可能温度もしくはビカット軟化点は、フィラーを入れない塗布液を塗布して硬化させることによって測定する。
本発明に係るマトリックス樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミノビスマレイミド(ポリビスマレイミド)樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等のポリイミド系樹脂;ポリベンゾオキサゾール系樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂;シリコーン系樹脂;フェノール系エポキシ樹脂、アルコール系エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂の原料となる対応するモノマー、ダイマー、オリゴマー等の前駆体でもよい。
中でも、耐熱性の観点から、ポリイミド系樹脂、ポリベンゾオキサゾール系樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、およびシリコーン系樹脂が好ましい。
特には、ポリイミド樹脂が好ましい。この樹脂は、前駆体であるポリアミド酸からポリイミド樹脂へとまったく異なる材料に変化する材料であり、硬化のための架橋基も不要なので多層化の際の作業余裕度が大きいためである。また、これらの樹脂は、非感光性でも良いが、感光性を有していることが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
本発明の層間充填材組成物を製造する方法は、本発明の効果を著しく制限するものでなければ、従来公知のいかなる方法を用いることができる。
その他の層間充填材組成物用材料としては、例えば、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、界面活性剤、消泡剤、感光剤、粘度調整剤、架橋剤、結着剤などが挙げられる。これらは1種を単独で含有させてもよいし、2種以上を任意の割合及び比率で含有させてもよい。
本発明の塗布液は、塗布法等で半導体チップ上に層間充填材組成物の膜を形成する場合に、層間充填材組成物を良好に塗布ができる物性となるように、層間充填材組成物と、有機溶媒とを混合して粘度等を調整したものである。さらに、塗布液には層間充填材組成物および有機溶媒以外の材料を混合させてもよい。本発明の塗布液は、液状、インク状、スラリー状、ゲル状のものを含む。
本発明にかかる有機溶媒は、層間充填材組成物の物性を塗布が良好に行えるように調整するために、層間充填材組成物と混合されるものである。本発明にかかる有機溶媒は、本発明の効果を著しく妨げなければ制限はなく、従来から塗布法のために物性調整に用いられる有機溶媒であれば用いることができる。
マトリックス樹脂は有機溶媒によって侵されないことが好ましい。そのため、この観点からマトリックス樹脂と有機溶媒との組合せを選択するとよい。また、同様に、半導体チップ等の部品も腐食しない有機溶媒を選択する方が好ましい
さらに、微粒子状樹脂フィラーは架橋性樹脂を用いていれば溶解しづらいが、上述したようにその粒径が維持されることで層間充填材組成物の熱伝導性が向上すると推測されるため、有機溶媒によって侵されないことが好ましい。
半導体チップ上に層間充填材組成物を硬化するときには、溶媒は層間充填材組成物中に残存しない方が好ましい。そのため、接着前に熱処理をして揮発させることが考えられる。このとき、例えば、熱硬化性樹脂を、バンプ金属の融点より低い温度でBステージ化して仮接着し、バンプ金属の融点より高い温度で本接着する場合、溶媒が揮発する沸点よりもBステージ化温度が低いと、溶媒が層間充填材組成物中に残存する可能性がある。そのため、溶媒の沸点はマトリックス樹脂のBステージ化温度よりも低いことが好ましい。一方でマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂以外の場合でも、溶媒の沸点は仮接着前にマトリックス樹脂を熱処理できる温度よりも低いことが好ましい。また、引火性の観点からは一般に溶媒の沸点はできるだけ高いことが好ましい。
本発明に係る有機溶媒としては、フォトレジストの分野において一般に用いられているものが使用できる。例えば、2−メトキシエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール類;乳酸エチル、乳酸メチル等の乳酸エステル類、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート等のプロピオネート類;メチルセルソルブアセテート等のセルソルブエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;N―メチルピロリドン;酢酸ブチル等が挙げられる。
中でも、マトリックス樹脂を溶解しやすい、γ−ブチロラクトン、N―メチルピロリドンが好ましい。
特には、γ−ブチロラクトンが好ましい。溶解力が高く、かつ比較的有害性が低いためである。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
本発明の塗布液における層間充填材組成物は、[1.三次元集積回路用の層間充填材組成物]で説明した層間充填材組成物を用いることができる。層間充填材組成物は、有機溶媒中に分散又は溶解していればよい。
本発明の塗布液は、有機溶媒、及び層間充填材組成物に加え、無機フィラーの分散剤を含有することが好ましい。上述のように、無機フィラーは層間充填材組成物中で均質に分散したのち、微粒子状樹脂フィラーを核として空間配置されると思料されるためである。本発明にかかる無機フィラーの分散剤は、本発明の効果を著しく妨げなければ制限はなく、従来からフィラーを分散させるために用いられていれば用いることができる。
無機フィラーの分散剤は任意の1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組合せ及び比率で併用してもよい。
本発明の塗布液は、塗布法を用いて塗布する場合に良好な物性となるように調整する。塗布法には、スピンコート法、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法等の方法があるが、本発明においては何れの方法も用いることができる。そのため、選択した方法において良好な物性になるように調整すればよい。中でも、半導体プロセスに適合したスピンコート法が好ましい。
本発明の塗布液の粘度は、塗布法のうちどの方法を用いるかによっても最適な値はことなるが、例えばスピンコート法の場合、通常5mPa・s以上、好ましくは10mPa・s以上、さらに好ましくは20mPa・s以上、また、また通常1000mPa・s以下、好ましくは500mPa・s以下、さらに好ましくは100mPa・s以下である。この範囲の上限値以下だと基板上に均一に広がりやすいという点で好ましい。一方、この範囲の下限値以上だと所期の膜厚が確保できるという点で好ましい。
粘度は、ブルックフィールド型、BM型等の回転型粘度計によって測定することができる。
本発明の塗布液の比重はスピンコート法に適した比重であることが好ましく、1g/cm3以上10g/cm3以下であることが好ましい。
本発明の塗布液を製造する方法は、本発明の効果を著しく阻害制限するものでなければ、従来公知のいかなる方法をも用いることができる。
その他の塗布液用材料としては、例えば、分散剤、硬化剤、硬化促進剤、界面活性剤、消泡剤、感光剤、粘度調整剤、架橋剤、結着剤などが挙げられる。これらは1種を単独で含有しいてもよいし、2種以上を任意の割合及び比率で含有していてもよい。
本発明の三次元集積回路の製造方法は、半導体チップに、本発明の塗布液を塗布した後、別の半導体チップを加圧接着して積層する工程(以下、本発明の積層工程ということがある。)を含むものである。本発明の層間充填材組成物は、従来の三次元集積回路の層間充填材として広く用いることができる。そのため、本発明の三次元集積回路の製造方法は、層間充填材組成物を半導体チップ間の層間充填材(接着剤)として使用する方法である、本発明の積層工程を有していれば、本発明の効果を著しく妨げる工程を除き、従来用いられてきたいかなる工程を併用してもよい。
本発明にかかる半導体チップとは、三次元集積回路の各基板層を構成する各基板のことであり、回路が形成されたウエハまたはそのウエハを切断したチップのいずれかまたは双方を言う。半導体チップが複数積層することにより三次元集積回路が構成される。層間充填材組成物は、この半導体チップ同士の間を充填し、半導体チップどうしを接着する充填層の材料となる。
本発明の積層工程におけるスピンコートは、本発明の効果を著しく妨げない限り、通常行われるスピンコート法を用いることができる。スピンコートは通常、半導体チップの片面に行われ、半導体チップを積層するときにスピンコートされた面とされていない面とで接着することが好ましい。ただし、スピンコートを半導体チップの両面におこなったり、スピンコートされた面同士を接着してもよい。
本発明の積層工程における加圧接着とは、スピンコートされた半導体チップ同士を積層し、加圧し、必要に応じて加熱することで接着を促進する工程である。加圧接着工程は、大気中、イナート雰囲気中、真空中などで行うことができるが、層間充填材組成物からの揮発成分がある場合があるので真空中で行うことが好ましい。
本発明の層間充填材組成物を材料とした充填層は、上述したように無機フィラーが微粒子状樹脂フィラーの表面に配置されるため、無機フィラーの含有量が少なくても、より熱伝導性が高くなると推測される。そのため、従来の微粒子状樹脂フィラーを混合してない場合に比べて、同程度の熱伝導度を得るためには、無機フィラーの混合量をより少なくすることができる。
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(m−BAPS)10.38gをγ−ブチロラクトン(GBL)79.8gに溶解し、さらに新日本理化株式会社製リカシッドTMEG−100(エチレングリコール ビスアンヒドロトリメリテート)9.86gを添加して反応させ、ポリアミック酸GBL溶液を調製した。
(実施例1)
GBL2.5gに、粒径0.2μmの酸化アルミニウム粉末(タイミクロン:大明化学工業株式会社製)4gを加えて攪拌した。この試料に超音波を30分間照射した後に、粒径0.9μmの架橋アクリル粉末(ケミスノー:綜研化学株式会社製)1gを加えて攪拌した。さらに超音波を30分間照射して分散させた後に、前記のポリアミック酸GBL溶液5gを加えて攪拌した。ポリアミック酸中での分散を良くするために、さらに超音波を30分間照射した。
酸化アルミニウム粉末の量を6g、架橋アクリル粉末の量を0.5gとした他は、実施例1と同様にして塗布液を調製した。
酸化アルミニウム粉末の量を2g、架橋アクリル粉末の量を1.5g(実施例3)とした他は、実施例1と同様にして塗布液を調製した。
架橋アクリル粉末1gの代わりに、粒径0.9μmのテクポリマー(積水化学工業製)1gを用いた他は、実施例1と同様にして塗布液を調製した。
実施例4において、酸化アルミニウム粉末に加えて、粒径0.2μmのダイヤモンド粉末(トーメイダイヤ株式会社製)1gをさらに添加した他は、実施例4と同様にして塗布液を調製した。
架橋アクリル粉末1gの変わりに粒径0.4μmのメラミン樹脂(エポスター:株式会社日本触媒製)1gを用いた他は、実施例1と同様にして塗布液を調製した。
架橋アクリル粉末を添加しなかった他は、実施例2と同様にして塗布液を調製した。
ポリアミック酸GBL溶液に他の成分を混合することなく、ポリアミック酸GBL溶液自体を塗布液とした。
(実施例1〜3,5)
タンタル(Ta)を接着層として銅(Cu)膜を付けた酸化膜付シリコンウェハ(Cu:150nm/Ta:100nm/SiO2:100nm/Si)を、20cm2程度にカットしたものの上に、スピンコート(800rpmで10秒、続いて1500rpmで30秒)によって前記の塗布液を塗布した。ただし、後段の回転数1500rpmは、塗布液の粘度に応じて調節するため、実施例6、比較例1、2においては、後述の条件とした。
100℃のホットプレート上での加熱時間を6分間とした他は、実施例1と同様にして成膜を行い、充填層を形成した。
スピンコートを(800rpmで10秒、続いて2500rpmで30秒)行った以外は、実施例1と同様にして成膜を行い、充填層を形成した。
スピンコートを(800rpmで10秒、続いて1200rpmで30秒)行った以外は、実施例1と同様にして成膜を行い、充填層を形成した。
スピンコートを(800rpmで10秒、続いて1100rpmで30秒)行った以外は、実施例1と同様にして成膜を行い、充填層を形成した。
23℃のクリーンルーム中で、80℃および120℃のホットプレート上に充填層を上にして基板を置き、表面温度が、75℃および110℃まで上昇するのに要する時間を赤外線放射温度計(SK−8900:株式会社佐藤計量器製作所)によって測定した。一般に、シリコンウェハや金属膜などの固体の熱伝導率は樹脂に比べて非常に大きいので、塗布膜の熱伝導率が大きいほど、ここで測定した表面温度の上昇は速くなると考えられる。
フィラー各材料の密度から計算した体積割合と膜厚測定結果および表面温度上昇測定結果をまとめて表1に示す。高熱伝導無機フィラー(アルミナ微粒子やダイヤモンド微粒子など)に加えてポリマー微粒子を含む膜は熱伝導性に優れるためホットプレートでの加熱時に表面温度の上昇が速い。
2 微粒子状樹脂フィラー
3 無機フィラー
10 充填層
20 半導体チップ
Claims (7)
- 三次元集積回路用の層間充填材組成物であって、
微粒子状樹脂フィラー、熱伝導度が1W/m・K以上の無機フィラー、及びマトリックス樹脂を含有し、
かつ該層間充填材組成物100体積%あたり、該微粒子状樹脂フィラーを1体積%以上70体積%以下、該無機フィラーを1体積%以上80体積%以下含有する
ことを特徴とする、三次元集積回路用の層間充填材組成物。 - 該微粒子状樹脂フィラーの平均粒径が、該無機フィラーの平均粒径よりも大きい
ことを特徴とする、請求項1記載の層間充填材組成物。 - 該微粒子状樹脂フィラーの平均粒径が、0.05μm以上2μm以下である
ことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の層間充填材組成物。 - 該微粒子状樹脂フィラー、及び該無機フィラーの最大粒径が3μm以下である
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の層間充填材組成物。 - 有機溶媒と、
該有機溶媒中に分散又は溶解した、請求項1〜4の何れか一項に記載の層間充填材組成物とを含む
ことを特徴とする、塗布液。 - 更に該無機フィラーの分散剤を含有する
ことを特徴とする、請求項5に記載の塗布液。 - 複数の半導体チップに、請求項5又は請求項6に記載の塗布液をスピンコートした後、これらの半導体チップを加圧接着して積層する工程を含む
ことを特徴とする、三次元集積回路の製造方法。
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JP2010023838A JP5375638B2 (ja) | 2010-02-05 | 2010-02-05 | 三次元集積回路用の層間充填材組成物、塗布液、三次元集積回路の製造方法 |
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