JP2003023193A - 二次元フォトニック結晶面発光レーザ - Google Patents
二次元フォトニック結晶面発光レーザInfo
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Abstract
二次元フォトニック結晶面発光レーザを提供する。 【解決手段】 キャリアの注入により発光する活性層4
の近傍に、屈折率の異なる媒質が二次元の周期で配列さ
れた二次元フォトニック結晶10を配した二次元フォト
ニック結晶面発光レーザ1において、二次元フォトニッ
ク結晶10は、直交する方向に格子間隔aの等しい正方
格子から成るとともに、一の媒質12を頂点とした正方
形から成る基本格子E1が該基本格子E1の2つの対角
線C1、C2のいずれかに対して非対称な屈折率の分布
を有する。
Description
ク結晶を有し、面発光が可能な二次元フォトニック結晶
面発光レーザに関する。
を配し、二次元フォトニック結晶の共振により面発光す
る二次元フォトニック結晶面発光レーザは特開2000
−332351号公報に開示されている。同公報の二次
元フォトニック結晶面発光レーザは、基板上に下部クラ
ッド層、活性層、上部クラッド層が積層されている。下
部クラッド層中には活性層の近傍に二次元フォトニック
結晶が内蔵されている。
nPの半導体層に空孔を形成して構成され、屈折率の異
なる媒質が二次元の所定周期で配列された三角格子や正
方格子から成っている。空孔内にはSiN等を充填して
もよい。活性層は、例えばInGaAs/InGaAs
P系の半導体材料を用いた多重量子井戸構造から成って
おり、キャリアの注入により発光する。
ばn型InPの半導体から成り、上部クラッド層は例え
ばp型InPの半導体から成っている。下部クラッド層
及び上部クラッド層により活性層を挟んでダブルへテロ
接合を形成し、キャリアを閉じこめて発光に寄与するキ
ャリアを活性層に集中させるようになっている。
金等から成る電極が形成されている。電極間に電圧を印
加することにより活性層が発光し、活性層から漏れた光
が二次元フォトニック結晶に入射する。二次元フォトニ
ック結晶の格子間隔に波長が一致する光は二次元フォト
ニック結晶により共振して増幅される。これにより、二
次元フォトニック結晶面発光レーザが面発光してコヒー
レントな光を出射する。
成る二次元フォトニック結晶について共振作用を説明す
る。二次元フォトニック結晶40は、第1媒質11内に
空孔等の第2媒質12を直交する二方向に同じ周期で形
成した正方格子から成っている。正方格子はΓ−X方向
とΓ−M方向の代表的な方向を有している。Γ−X方向
に隣接する第2媒質12の間隔(以下「格子間隔」とい
う)をaとすると、第2媒質12を格子点とした一辺が
aの正方形から成る格子(以下「基本格子」という)E
1が形成されている。
する光LがΓ−X方向に進行すると、光Lは格子点で回
折される。このうち、光の進行方向に対して0゜、±9
0゜、180゜の方向に回折された光のみがブラッグ条
件を満たす。更に、0゜、±90゜、180゜の方向に
回折された光の進行方向にも格子点が存在するため、回
折光は再度進行方向に対して0゜、±90゜、180゜
の方向に回折する。
と回折光が元の格子点に戻るため共振作用が生じる。ま
た、紙面に垂直な方向に回折された光もブラッグ条件を
満たす。このため、共振によって増幅された光が上部ク
ラッド層を介して出射され、面発光機能を有することに
なる。また、全ての格子点でこの現象が発生するため、
面内全域でコヒーレントなレーザ発振が可能になってい
る。
に示す構造の二次元フォトニック結晶40のバンド図で
ある。縦軸は光の周波数にa/cを乗じて無次元化した
規格化周波数である。ここで、cは光速(単位:m/s
ec)を示しており、aは格子間隔(単位:m)を示し
ている。横軸は、光の波数ベクトルを示している。
ており、いくつかの場所においてその傾きが零、即ち光
の群速度が零となり共振作用が生じる場所が存在するの
が分かる。中でもΓ点は前述したように、面内方向だけ
ではなく、面に垂直な方向に回折された光もブラッグ条
件を満たすため、面内方向で共振した結果得られるコヒ
ーレントな光を面に垂直な方向に取り出すことが可能と
なる。
間隔aの正方格子に対して格子の基本並進ベクトル
a1、a2は、直交座標の単位ベクトルをx、yとする
と、 a1=ax a2=ay と表される。
ベクトルb1、b2は、 b1=(2π/a)y b2=(2π/a)x と表される。
波数ベクトルkが式(1)で表されるような値を持つ点
をΓ点と称す。
たしているΓ点であれば、どのバンドでも前述の現象が
生じる。通常、二次元フォトニック結晶面発光レーザで
は図中S部に示すように、格子間隔aが波長λと等しい
ことに相等する第2群のバンドが用いられる。
トニック結晶は周波数の低い方から順にA、B、C、D
の4つの群速度が零となる周波数、即ち共振周波数を有
する。以下、共振周波数Aでの共振状態をAモード、共
振周波数Bでの共振状態をBモード、共振周波数Cでの
共振状態をCモード、共振周波数Dでの共振状態をDモ
ードという。
ック結晶がAモード及びBモードの共振状態を採ってい
るときの電界分布を示しており、これはレーザー発振時
の近視野像に相当する。矢印は電界の方向及び大きさを
示している。これらの図に示すように、Aモード及びB
モードでは、電界の向きが揃っていない。即ち、偏光方
向が一定になっていない。このため、図40、図41に
Aモード及びBモードの遠視野の電界分布を示すと、A
モードでは偏光方向が電極7の周囲を回転する偏光にな
り、Bモードでは偏光方向が電極7を中心に放射状の偏
光になる。
り、この共振状態は同一の周波数で生じる。このため、
Γ点ではCモードによる電界分布とDモードによる電界
分布との線形和によって偏光が決められる。従って、偏
光方向は一意に決まらず不安定になっている。
結晶面発光レーザによると、二次元フォトニック結晶の
4つの共振モード(CモードとDモードとは縮退してい
るので実質3つの共振モード)のどのモードで共振する
ように形成しても出射される光の偏光方向が揃っていな
い。従って、偏光方向が一定の偏光を用いる装置には使
用できない問題があった。
ることのできる二次元フォトニック結晶面発光レーザを
提供することを目的とする。
に請求項1に記載された発明は、キャリアの注入により
発光する活性層の近傍に、屈折率の異なる媒質が二次元
の周期で配列された二次元フォトニック結晶を配した二
次元フォトニック結晶面発光レーザにおいて、前記二次
元フォトニック結晶は、一の媒質を直交する2方向に等
間隔で周期的に配列した正方格子から成るとともに、一
の媒質を頂点とし、同じ大きさの一の媒質の最小周期を
一辺とした正方形から成る少なくとも一部の基本格子
が、該基本格子の2つの対角線のいずれか一方に対して
非対称な屈折率の分布を有することを特徴としている。
アの注入により発光する活性層の近傍に、屈折率の異な
る媒質が二次元の周期で配列された二次元フォトニック
結晶を配した二次元フォトニック結晶面発光レーザにお
いて、前記二次元フォトニック結晶のΓ点におけるモー
ドの縮退をといたことを特徴としている。この構成によ
ると、二次元フォトニック結晶は結晶の対称性を崩すこ
と等によって縮退をとかれる。その結果、媒質の屈折率
や大きさ等の選択によって、バンド図の第2群において
4つの異なる周波数で共振させることができる。
1または請求項2に記載された二次元フォトニック結晶
面発光レーザにおいて、前記活性層の利得の極大値をと
る周波数と前記二次元フォトニック結晶が共振する周波
数とを一致させたことを特徴としている。
1〜請求項3のいずれかに記載された二次元フォトニッ
ク結晶面発光レーザにおいて、前記二次元フォトニック
結晶は、所定の屈折率を有する第1媒質と、第1媒質と
屈折率が異なるとともに第1媒質内の直交する第1、第
2方向に等しい間隔で配置された等しい大きさの第2媒
質とを有し、第2媒質を頂点とした少なくとも一部の基
本格子は、該基本格子の2つの対角線のいずれかに対し
て非対称に配される第3媒質を有することを特徴として
いる。この構成によると、例えば第1媒質中のランダム
な位置に第3媒質が配置される。
4に記載された二次元フォトニック結晶面発光レーザに
おいて、基本格子の一辺の長さをaとした時に、基本格
子の一辺から幅0.1aの範囲または一辺の垂直二等分
線から幅0.1aの範囲に第3媒質を配置したことを特
徴としている。
4に記載された二次元フォトニック結晶面発光レーザに
おいて、基本格子の一辺の長さをaとし、一の第2媒質
を原点に第1、第2方向をX軸、Y軸とした時に、X、
Y座標が(na/4,ma/4) (n=0,2,4、
m=1,3)または (na/4,ma/4) (n=
1,3、m=0,2,4)の点を中心とする半径0.1
aの範囲に第3媒質を配置したことを特徴としている。
(0,a/4)や(0,3a/4)や(a/4,a/
2)の位置に第3媒質が配置される。
4に記載の二次元フォトニック結晶面発光レーザにおい
て、第2媒質と第3媒質とが異なる大きさから成ること
を特徴としている。
4〜請求項7のいずれかに記載の二次元フォトニック結
晶面発光レーザにおいて、第2媒質と第3媒質とは同じ
材質から成ることを特徴としている。
1〜請求項3のいずれかに記載された二次元フォトニッ
ク結晶面発光レーザにおいて、前記二次元フォトニック
結晶は、所定の屈折率を有する第1媒質と、第1媒質と
屈折率が異なるとともに第1媒質内の直交する第1、第
2方向に等しい間隔で配置される第2媒質とを有し、第
2媒質を頂点とした少なくとも一部の基本格子は、該基
本格子の2つの対角線のいずれかに対して第2媒質の平
面形状を非対称にしたことを特徴としている。この構成
によると、第2媒質が第1、第2方向に周期的に配置さ
れ、第2媒質は例えば長径が第1方向に一致した楕円形
に形成される。
項1〜請求項3のいずれかに記載された二次元フォトニ
ック結晶面発光レーザにおいて、前記二次元フォトニッ
ク結晶は、平面形状が矩形の媒質を密接して配列され、
少なくとも一の媒質に対して直交する2方向に隣接する
2つの媒質の屈折率が異なることを特徴としている。
晶は隣接する媒質の屈折率が異なるように市松模様状に
形成され、平面的に見て例えば第1媒質の上方に配され
る第2媒質と、第1媒質の左方に配される第3媒質との
屈折率が異なる。第1媒質と対角な位置には第1〜第3
媒質を配置してもよいし、他の媒質を配置してもよい。
また、第1媒質と第1媒質との間隔は、波長と同じか、
先に定義したΓ点での波数ベクトルに対する条件を満た
す周期であればよい。更に、基本格子は正方形である
が、各媒質の平面形状は正方形でなくてもよい。
項10に記載された二次元フォトニック結晶面発光レー
ザにおいて、前記二次元フォトニック結晶は、等しい周
期を持つ2つの一次元回折格子を周期方向が直交するよ
うに接合して成ることを特徴としている。
期の溝を有して屈折率の異なる第1、第2媒質から成る
第1、第2回折格子を接合し、第1、第2回折格子の溝
が重なった部分の屈折率と、第1回折格子の溝と第2媒
質とが重なった部分の平均的な屈折率と、第2回折格子
の溝と第1媒質とが重なった部分の平均的な屈折率と、
第1媒質と第2媒質とが重なった部分の平均的な屈折率
と、が互いに異なった二次元フォトニック結晶が形成さ
れる。
参照して説明する。説明の便宜上、従来例の図35と同
一の部分については同一の符号を付している。図1は第
1実施形態の二次元フォトニック結晶面発光レーザを示
す斜視図である。二次元フォトニック結晶面発光レーザ
1は、基板2上に下部クラッド層3、活性層4、上部ク
ラッド層5が積層されている。下部クラッド層3中には
活性層4の近傍に二次元フォトニック結晶10は内蔵さ
れている。
型InPの半導体層に空孔を形成して構成され、屈折率
の異なる媒質が二次元の所定周期で配列された正方格子
から成っている。空孔内にはSiN等を充填してもよ
い。活性層4は、例えばInGaAs/InGaAsP
系の半導体材料を用いた多重量子井戸構造から成ってお
り、キャリアの注入により発光する
型InPの半導体から成り、上部クラッド層5は例えば
p型InPの半導体から成っている。下部クラッド層3
及び上部クラッド層5により活性層4を挟んでダブルへ
テロ接合を形成し、キャリアを閉じこめて発光に寄与す
るキャリアを活性層に集中させるようになっている。上
部クラッド層5の上面及び基板2の底面には金等から成
る電極6、7が形成されている。電極6、7間に電圧を
印加することにより活性層4が発光するようになってい
る。
平面図である。二次元フォトニック結晶10は、第1媒
質11内に空孔等の第2媒質12を直交する二方向に同
じ周期(格子間隔a)で形成した正方格子から成ってい
る。基本となる格子間隔aは、Γ点での波数ベクトルに
対する条件を満たす周期であれば何でもよいが、本実施
形態では一般によく用いられるΓ点第2群(図36、S
部参照)に相当する格子間隔aと発振波長とが等しい場
合を用いて説明する。
質12を頂点とし、同じ大きさの第2媒質12の最小周
期(a)を一辺とする正方形から成る基本格子E1が形
成されている。また、第2媒質12の垂直な2方向にそ
れぞれ2周期に1箇所の割合で、第3媒質13が所定の
位置に設けられている。
二次元フォトニック結晶10に入射する。二次元フォト
ニック結晶10の格子間隔aが所定の長さのとき、光は
二次元フォトニック結晶10により共振して増幅され
る。これにより、二次元フォトニック結晶面発光レーザ
1が面発光してコヒーレントな光を出射する。この時、
第3媒質13を含む基本格子E1は、対角線C1、C2
のいずれに対しても非対称な位置に第3媒質13が配置
されている。
れた正方形の格子で周期的な最小のものを指し、周期構
造の最小単位である所謂単位格子とは異なる。従って、
第3媒質13を頂点として、格子E2を基本格子とみな
すこともできる。このように捉えても2つの対角線のい
ずれに対しても非対称な位置に第2媒質12が配されて
いる。
10のΓ点付近のバンド図を図3に示す。同図は、波長
λと格子間隔aとが一致する第2群(S部:図36参
照)について示している。縦軸は光の周波数にa/cを
乗じて無次元化した規格化周波数である。ここで、cは
光速(単位:m/sec)を示しており、aは格子間隔
(単位:m)を示している。横軸は、光の波数ベクトル
を示している。
0は媒質の屈折率や大きさ等を適切に選択することによ
ってΓ点第2群において4つの異なる共振周波数とそれ
ぞれの共振周波数に応じた4つの異なる共振モードを有
する。即ち、CモードとDモードとが異なる共振周波数
を有し、図37で示した従来の二次元フォトニック結晶
と異なり、モードの縮退がとかれている。
に対して非対称な屈折率分布を有していれば二次元フォ
トニック結晶のモードの縮退をとくことができる。例え
ば、図2において基本格子E1内の第3媒質13aに替
えて第3媒質13bを一方の対角線C2上に配置しても
よい。
がAモード、Bモード、Cモード、Dモードの共振状態
を採っている時の電界分布、即ち、レーザ発振時の近視
野像を示す図である。矢印は電界の方向及び大きさを示
している。これらの図に示すように、各モードで電界の
向きが一定になっている。即ち、偏光方向が一定になっ
ている。
視野の電界分布を示し、図9にBモード及びCモードの
遠視野の電界分布を示すように、出射される光の偏光方
向(電界の方向)が一定の二次元フォトニック結晶面発
光レーザ1を得ることができる。
分で電界が打ち消し合う。その結果、発光領域の電極7
で覆われた中心部分は非発光領域になっている。このた
め、周辺部のみが明るく中心部が暗いドーナツ状に発光
する。これに対して、C、Dモードでは、電界の打ち消
しあいがなく、発光領域の全面から均一に発光する。従
って、A、Bモードで使用する二次元フォトニック結晶
面発光レーザよりもC、Dモードで使用する二次元フォ
トニック結晶面発光レーザの方がより望ましい。
る屈折率を有しているが、第2媒質12とは同じ屈折率
であってもよい。また、第3媒質13は対角線C1、C
2のいずれかに対して非対称であればどの位置に配置し
てもモードの縮退をとくことができる。例えばランダム
な位置に配置してもよいが、以下に説明するような位置
に配置するとより望ましい。
を配置した際に、光がフォトニック結晶の存在を感じる
度合いを等高線で示した図である。斜線部が効果の大き
い部分を示している。これによると、基本格子E1の各
辺または、各辺の垂直二等分線上に第3媒質13を配置
するとフォトニック結晶の存在を感じる度合いが最も大
きく効果が高い。また、基本格子E1の各辺または各辺
の垂直二等分線から0.1a(=a/10)の幅の範囲
内であれば充分大きな効果を得ることができる。
を配置した際に、第3媒質13によって各モードの周波
数の差を大きくする効果を等高線で示した図である。斜
線部が効果の大きい部分を示している。これによると、
基本格子E1の隣接する二辺の方向をX軸、Y軸とし、
一の第2媒質12の位置を原点としたときに、X、Y座
標が、(na/4,ma/4) (n=0,2,4、m
=1,3)または (na/4,ma/4) (n=
1,3、m=0,2,4)の点に配置すると各モードの
周波数の差を大きくする効果が最も大きい。また、これ
らの点から半径0.1a(=a/10)の範囲内であれ
ば充分大きな効果を得ることができる。
(0,3a/4)、(a/4,a/2)の位置に第3媒
質を配置すると、光はフォトニック結晶の存在を充分強
く感じ、フォトニック結晶の効果が強く出る上、各モー
ドの周波数の差を大きくとることができる。
に、第3媒質13を直交する2方向の1周期毎に設けて
もよい。この場合、基本格子を格子E3と捉えても2つ
の対角線に対して非対称になっている。図13の第3実
施形態に示すように、第2媒質12が周期的に配列され
た基本格子E1’の対角でない2箇所を第3媒質13に
置換してもよい。その結果、基本格子E1は元の基本格
子E1’に対して一辺の長さが変わり、対角線に対して
非対称になる。また、第3媒質13を頂点とする格子E
5を基本格子として捉えても同じである。
3を第2媒質12の短い周期毎に設ける方が長い周期毎
に設ける場合よりも縮退をとく効果が大きく各共振周波
数の差を大きくすることができる。これにより、使用す
る共振モードを容易に選択することができる。また、第
3媒質13の大きさが大きい方が小さい場合よりも縮退
をとく効果を大きくすることができる。
角線の何れに対しても屈折率の分布が対称である。図1
4に示すように、基本格子E1の対角線の中点に第3媒
質13を設けた場合は、基本格子E1の両方の対角線に
対して屈折率分布が対称となるため出射光の偏光方向を
一定にすることができない。この時、基本格子を第3媒
質13を頂点とする格子E6と捉えても同じである。
期毎に対角線の中点に第3媒質13を設けた場合も同様
に基本格子E1の両方の対角線に対して屈折率分布が対
称となる。基本格子を格子E7、E8と捉えても同じで
ある。尚、格子E20は第2媒質12を頂点としている
が、一辺が第2媒質12の最小の周期ではないため基本
格子と捉えることはできない。
的に配列された基本格子E1’の1箇所を2周期毎に第
3媒質13に置き換えた場合も同様に、新たな基本格子
E1の両方の対角線に対して屈折率分布が対称となる。
基本格子を格子E10と捉えても同じである。
的に配列された基本格子E1’の1箇所を2周期毎に大
きさの異なる同じ材質の第3媒質13に置き換えた場合
も同様に、新たな基本格子E1の両方の対角線に対して
屈折率分布が対称となる。基本格子を格子E9と捉えて
も同じである。尚、格子21は同じ材質の第2、第3媒
質12、13を頂点としているが、大きさが異なるため
基本格子と捉えることはできない。
ク結晶面発光レーザに搭載される二次元フォトニック結
晶を示す平面図である。本実施形態の二次元フォトニッ
ク結晶20は、第1媒質11内に断面楕円形の第2媒質
12が直交する二方向に同じ周期で配列されている。そ
の他の構成は第1実施形態と同一である。
媒質12との屈折率が異なるため、第2媒質12を頂点
とした正方形から成る基本格子E1の2つの対角線C
1、C2のいずれに対しても屈折率分布が非対称になっ
ている。
20の第2群(S部:図36参照)のバンド図を図19
に示す。縦軸は光の周波数にa/cを乗じて無次元化し
た規格化周波数を示し、横軸は光の波数ベクトルを示し
ている。二次元フォトニック結晶20は媒質の屈折率や
大きさ等を適切に選択することによってΓ点第2群にお
いて4つの異なる共振周波数とそれぞれの共振周波数に
応じた4つの異なる共振モードを有する。即ち、Cモー
ドとDモードとが異なる共振周波数を有しており、二次
元フォトニック結晶20のモードの縮退がとかれてい
る。
20がそれぞれAモード、Bモード、Cモード、Dモー
ドの共振状態を採っている時の電界分布、即ちレーザ発
振時の近視野像を示す図である。矢印は電界の方向及び
大きさを示している。これらの図に示すように、各モー
ドで電界の向きが一定になっている。即ち、偏光方向が
一定になっている。従って、出射される光の偏光方向
(電界の方向)が一定の二次元フォトニック結晶面発光
レーザ1を得ることができる。
に、断面形状が楕円形の第2媒質12を周期方向に対し
て傾斜して配置してもよい。更に、図25の第6実施形
態に示すように、第2媒質12の断面形状を長方形にし
ても同様の効果を得ることができる。
ク結晶面発光レーザを示す分解斜視図である。説明の便
宜上、前述の図1に示す第1実施形態と同様の部分には
同一の符号を付している。二次元フォトニック結晶面発
光レーザ9は、基板2上に下部クラッド層8、3、活性
層4、上部クラッド層5が積層されている。これらは第
1実施形態と同様の材質により同様に形成されており、
下部クラッド層3、8は同じ材料でもよいし異なる材料
でもよい。基板2の底面及び上部クラッド層5の上面に
は金等から成る電極6、7が形成されている。
層3の下面には、それぞれ一次元の同じ周期で形成され
た溝から成る一次元回折格子8a、3aが設けられてい
る。一次元回折格子8a、3aは周期方向が互いに直交
するように接合されている。これにより、二次元の周期
構造を有する二次元フォトニック結晶30が形成されて
いる。
す平面図である。一次元回折格子8a、3aは、それぞ
れ溝部8b、3b及び陸部8c、3cを有している。溝
部8bと溝部3bとが重なったF1部は空気と同じ屈折
率を有している。陸部8cと溝部3bとが重なったF2
部は下部クラッド層8の屈折率と空気の屈折率との平均
的な屈折率を有している。溝部8bと陸部3cとが重な
ったF3部は下部クラッド層3の屈折率と空気の屈折率
との平均的な屈折率を有している。陸部8cと陸部3c
とが重なったF4部は下部クラッド層8の屈折率と下部
クラッド層3の屈折率との平均的な屈折率を有してい
る。
での距離が一次元回折格子8aまでの距離よりも短いた
め、一次元回折格子3aに到達する光の強度は一次元回
折格子8aに到達する光の強度よりも大きい。このた
め、F3部の平均的な屈折率は空気の屈折率よりも下部
クラッド層3の屈折率の影響が大きくなり、F2部の平
均的な屈折率は下部クラッド層8の屈折率よりも空気の
屈折率の影響が大きい。従って、下部クラッド層8と下
部クラッド層3とが同じ屈折率であってもF2部とF3
部とは異なる屈折率を有している。
ォトニック結晶30は異なる屈折率で断面形状が矩形の
第1、第2、第3、第4媒質31、32、33、34が
市松模様状に密接して配列されている。これにより、例
えば第1媒質31が直交する2方向に周期的に配列さ
れ、二次元フォトニック結晶30は正方格子から成って
いる。そして、第1媒質31を頂点とした正方形から成
る基本格子E1は2つの対角線のいずれに対しても非対
称な屈折率分布になっている。
36のS部参照)のバンド図を図29に示す。縦軸は光
の周波数にa/cを乗じて無次元化した規格化周波数を
示し、横軸は光の波数ベクトルを示している。二次元フ
ォトニック結晶30は、媒質の屈折率や大きさ等を適切
に選択することによってΓ点第2群において4つの異な
る共振周波数とそれぞれの共振周波数に応じた4つの異
なる共振モードを有する。即ち、CモードとDモードと
が異なる共振周波数を有しており、二次元フォトニック
結晶30のモードの縮退がとかれている。
ック結晶30がAモード、Bモード、Cモード、Dモー
ドの共振状態を採っている時の電界分布、即ちレーザ発
振時の近視野像を示す図である。矢印は電界の方向及び
大きさを示している。これらの図に示すように、各モー
ドで電界の向きが一定になっている。即ち、偏光方向が
一定になっている。従って、出射される光の偏光方向
(電界の方向)が一定の二次元フォトニック結晶面発光
レーザ9を得ることができる。
じであればよく、デューティー比は同一でなくてもよ
い。また、本実施形態のように一次元回折格子を接合す
る場合だけでなく、前述の図28に示すように平面形状
が矩形の異なる屈折率の媒質を密接し、一の媒質(例え
ば第1媒質31)に対して直交する二方向に隣接した2
つの媒質(例えば第2、第3媒質32、33)を互いに
異なる屈折率にすることにより、縮退をといた二次元フ
ォトニック結晶を得ることができる。
か、先に定義したΓ点での波数ベクトルに対する条件を
満たす周期であればよい。また、基本格子は正方形であ
るが、各媒質の平面形状は正方形でなくてもよい。更
に、一の媒質(第1媒質31)に対して斜め方向に配さ
れる第4媒質34は、第1〜第3媒質31〜33のいず
れかと同じ屈折率であってもよい。
利得の周波数特性を示している。縦軸は活性層の利得を
示しており、横軸は周波数を示している。同図に示すよ
うに、活性層4は周波数に対して異なる利得を有してい
る。従って、第1〜第7実施形態において、活性層4の
利得の極大値となる周波数で共振するように二次元フォ
トニック結晶の媒質の屈折率、媒質の大きさ、格子間隔
等を選択することにより、二次元フォトニック結晶面発
光レーザから効率良く光を出射して省電力化を図ること
ができる。また、モード間の周波数差を大きくすれば、
使用する共振モードの選択性がよくなる。
ニック結晶は、基本格子が対角線に対して非対称な屈折
率の分布を有するので、モードの縮退がとかれ、偏光方
向が一定の偏光を出射する二次元フォトニック結晶面発
光レーザを得ることができる。
トニック結晶のモードの縮退をとくことにより、偏光方
向が一定の偏光を出射する二次元フォトニック結晶面発
光レーザを得ることができる。
得の極大値をとる周波数と二次元フォトニック結晶が共
振する周波数とを一致させているので、二次元フォトニ
ック結晶面発光レーザから効率良く光を出射して省電力
化を図ることができる。
に配される第2媒質を頂点とする基本格子の2つの対角
線に対して第3媒質を非対称に配することにより、簡単
に非対称な屈折率分布を有する二次元フォトニック結晶
を得ることができる。
一辺の長さをaとした時に、基本格子の一辺から幅0.
1aの範囲または一辺の垂直二等分線から幅0.1aの
範囲に第3媒質を配置することにより、光がフォトニッ
ク結晶を感じる度合いが向上して容易に縮退をとくこと
ができる。
一辺の長さをaとし、一の第2媒質を原点に第1、第2
方向をX軸、Y軸とした時に、X、Y座標が(na/
4,ma/4) (n=0,2,4、m=1,3)また
は (na/4,ma/4) (n=1,3、m=0,
2,4)の点を中心とする半径0.1aの範囲に第3媒
質を配置することにより、欠陥導入により縮退をとく効
果を向上させることができる。
第3媒質とを異なる大きさにすることによって第2、第
3媒質が同じ屈折率であっても容易に非対称な屈折率分
布を形成することができる。
第3媒質とを同じ材質により形成することによって、第
2、第3媒質を同時に形成することができ、より簡単に
非対称な屈折率分布を形成することができる。
に配される第2媒質を頂点とする基本格子の2つの対角
線に対して第2媒質の平面形状を非対称にすることによ
り、簡単に非対称な屈折率分布を有する二次元フォトニ
ック結晶を得ることができる。
が矩形の媒質を密接して市松模様状に配列して一の媒質
に対して直交する2方向に隣接する2つの媒質の屈折率
が異なるようにすることによって、簡単に非対称な屈折
率分布を有する二次元フォトニック結晶を得ることがで
きる。
次元回折格子を周期方向が直交するように接合すること
によって、市松模様状に配列された二次元フォトニック
結晶を容易に得ることができる。
ク結晶面発光レーザを示す分解斜視図である。
ク結晶を示す平面図である。
ク結晶の第2群のバンド図である。
ク結晶のAモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のBモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のCモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のDモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のA、Dモードの遠視野の電界分布を示す図であ
る。
ク結晶のB、Cモードの遠視野の電界分布を示す図であ
る。
ク結晶の欠陥の位置による回折効果を示す図である。
ク結晶の欠陥の位置による電界方向を揃える効果を示す
図である。
ク結晶を示す平面図である。
ク結晶を示す平面図である。
る対称性を説明する平面図である。
る対称性を説明する平面図である。
る対称性を説明する平面図である。
る対称性を説明する平面図である。
ク結晶を示す平面図である。
ク結晶の第2群のバンド図である。
ク結晶のAモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のBモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のCモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のDモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶を示す平面図である。
ク結晶を示す平面図である。
ク結晶面発光レーザを示す分解斜視図である。
ク結晶を示す平面図である。
ク結晶を示す平面図である。
ク結晶の第2群のバンド図である。
ク結晶のAモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のBモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のCモードの近視野の電界分布を示す図である。
ク結晶のDモードの近視野の電界分布を示す図である。
利得を示す図である。
図である。
である。
バンド図である。
の近視野の電界分布を示す図である。
の近視野の電界分布を示す図である。
の遠視野の電界分布を示す図である。
の遠視野の電界分布を示す図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 キャリアの注入により発光する活性層の
近傍に、屈折率の異なる媒質が二次元の周期で配列され
た二次元フォトニック結晶を配した二次元フォトニック
結晶面発光レーザにおいて、 前記二次元フォトニック結晶は、一の媒質を直交する2
方向に等間隔で周期的に配列した正方格子から成るとと
もに、一の媒質を頂点とし、同じ大きさの一の媒質の最
小周期を一辺とした正方形から成る少なくとも一部の基
本格子が、該基本格子の2つの対角線のいずれか一方に
対して非対称な屈折率の分布を有することを特徴とする
二次元フォトニック結晶面発光レーザ。 - 【請求項2】 キャリアの注入により発光する活性層の
近傍に、屈折率の異なる媒質が二次元の周期で配列され
た二次元フォトニック結晶を配した二次元フォトニック
結晶面発光レーザにおいて、 前記二次元フォトニック結晶のΓ点におけるモードの縮
退をといたことを特徴とする二次元フォトニック結晶面
発光レーザ。 - 【請求項3】 前記活性層の利得の極大値をとる周波数
と前記二次元フォトニック結晶が共振する周波数とを一
致させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記
載の二次元フォトニック結晶面発光レーザ。 - 【請求項4】 前記二次元フォトニック結晶は、所定の
屈折率を有する第1媒質と、第1媒質と屈折率が異なる
とともに第1媒質内の直交する第1、第2方向に等しい
間隔で配置された等しい大きさの第2媒質とを有し、 第2媒質を頂点とした少なくとも一部の基本格子は、該
基本格子の2つの対角線のいずれかに対して非対称に配
される第3媒質を有することを特徴とする請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の二次元フォトニック結晶面発
光レーザ。 - 【請求項5】 基本格子の一辺の長さをaとした時に、
基本格子の一辺から幅0.1aの範囲または一辺の垂直
二等分線から幅0.1aの範囲に第3媒質を配置したこ
とを特徴とする請求項4に記載の二次元フォトニック結
晶面発光レーザ。 - 【請求項6】 基本格子の一辺の長さをaとし、一の第
2媒質を原点に第1、第2方向をX軸、Y軸とした時
に、X、Y座標が(na/4,ma/4) (n=0,
2,4、m=1,3)または (na/4,ma/4)
(n=1,3、m=0,2,4)の点を中心とする半
径0.1aの範囲に第3媒質を配置したことを特徴とす
る請求項4に記載の二次元フォトニック結晶面発光レー
ザ。 - 【請求項7】 第2媒質と第3媒質とが異なる大きさか
ら成ることを特徴とする請求項4に記載の二次元フォト
ニック結晶面発光レーザ。 - 【請求項8】 第2媒質と第3媒質とは同じ材質から成
ることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれかに記
載の二次元フォトニック結晶面発光レーザ。 - 【請求項9】 前記二次元フォトニック結晶は、所定の
屈折率を有する第1媒質と、第1媒質と屈折率が異なる
とともに第1媒質内の直交する第1、第2方向に等しい
間隔で配置される第2媒質とを有し、 第2媒質を頂点とした少なくとも一部の基本格子は、該
基本格子の2つの対角線のいずれかに対して第2媒質の
平面形状を非対称にしたことを特徴とする請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の二次元フォトニック結晶面発
光レーザ。 - 【請求項10】 前記二次元フォトニック結晶は、平面
形状が矩形の媒質を密接して配列され、少なくとも一の
媒質に対して直交する2方向に隣接する2つの媒質の屈
折率が異なることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
ずれかに記載の二次元フォトニック結晶面発光レーザ。 - 【請求項11】 前記二次元フォトニック結晶は、等し
い周期を持つ2つの一次元回折格子を周期方向が直交す
るように接合して成ることを特徴とする請求項10に記
載の二次元フォトニック結晶面発光レーザ。
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