WO2022181723A1 - 2次元フォトニック結晶レーザ - Google Patents

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Abstract

1対の電極(第1電極171、第2電極172)と、前記1対の電極の間に設けられ、前記電極から電流が注入されることにより所定波長の光を生じさせる活性層(11)と、前記1対の電極のうちのいずれか一方と活性層(11)の間に設けられ、板状の母材(121)と、母材(121)に配置された母材(121)とは屈折率が異なる複数の異屈折率領域(122)とを有する2次元フォトニック結晶層(12)とを備え、前記複数の異屈折率領域(122)は、前記所定波長に対応する周期で前記母材に周期的に配置された2次元格子の各格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれて配置されており、又は/及び、それぞれ異なる面積で前記各格子点に配置されており、前記複数の異屈折率領域(122)のそれぞれのずれ量又は/及び面積は互いに異なる複数の周期を重ね合わせた複合変調周期で変調しており、前記2次元格子の各格子点の位置を示すベクトルr↑並びに互いに傾斜角及び/又は方位角が異なるn(nは2以上の整数)本の各々レーザビームの該傾斜角及び該方位角の組み合わせを示すベクトルkn↑、並びにn毎に定められる振幅An及び位相exp(iαn)を用いて示される変調位相Ψ(r↑) (1) で表され、 nの値毎の前記振幅An及び/又は位相exp(iαn)は、少なくとも異なる2つのnの値において互いに異なる。

Description

2次元フォトニック結晶レーザ
 本発明は、2次元フォトニック結晶を用いて光を増幅する2次元フォトニック結晶レーザ(「2次元フォトニック結晶面発光レーザ」ともいう)に関する。
 2次元フォトニック結晶レーザは、活性層及び2次元フォトニック結晶層、並びにそれらを挟むように設けられた1対の電極(電極対)を備える。活性層は、電極対からキャリア(正孔、電子)が注入されることによって、特定の発光波長帯の発光を生じさせるものである。2次元フォトニック結晶層は、板状の母材にそれとは屈折率が異なる異屈折率領域が周期的に2次元状に配置された構成を有している。異屈折率領域は、母材に形成された空孔(空気)、又は母材の材料とは異なる部材から成る。
 このような2次元フォトニック結晶レーザでは、活性層で生じる光のうち異屈折率領域の配置の周期長に対応した所定波長の光のみが2次元フォトニック結晶層において増幅されてレーザ発振し、2次元フォトニック結晶層の表面からレーザビームが出射する。
 2次元フォトニック結晶レーザでは一般的に、異屈折率領域は同じ平面形状を有するものが正方格子、長方格子、あるいは三角格子といった2次元格子の格子点に配置されている。そのような一般的な2次元フォトニック結晶レーザでは、レーザビームは2次元フォトニック結晶層に対して垂直な方向に出射する。
 それに対して特許文献1及び2に記載の2次元フォトニック結晶レーザでは、2次元格子の各格子点に、前記複数の異屈折率領域のそれぞれが該格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれて配置されており、又は/及び、前記複数の異屈折率領域のそれぞれが異なる面積で配置されている。ここでずれ量は2次元フォトニック結晶層に平行な面内におけるベクトル量(すなわち、大きさ及び方向を持った量)であって、「異なるずれ量」にはずれの大きさが同じであってずれの方向のみが異なる場合も含まれる。これらずれ量又は/及び面積は、2次元フォトニック結晶層に平行な所定の方向に沿って、所定の(格子点の配置の周期よりも長い)周期で変化している。このずれ量又は/及び面積の変化の周期を「変調周期」と呼び、この変調周期で変調された各異屈折率領域におけるずれ量又は/及び面積を「変調位相」と呼ぶ。このように変調されたずれ量又は/及び面積で異屈折率領域が配置されている2次元フォトニック結晶を備える2次元フォトニック結晶レーザでは、2次元フォトニック結晶層に対して垂直な方向から変調周期に応じた角度だけ傾斜した角度(傾斜角)を有し、方位角が前記所定の方向であって互いに180°異なる2本のレーザビームが出射する。
国際公開WO2014/136607号 米国特許公開公報US2016/0248224号 特開2020-148512号公報
Susumu Noda(野田進)他4名、"Photonic-Crystal Surface-Emitting Lasers: Review and Introduction of Modulated-Photonic Crystal"、(米国)、米国電気電子学会発行、IEEE Journal of Selected Topics in Quantum Electronics, vol. 23 (2017) 4900107
 このように特許文献1及び2に記載の2次元フォトニック結晶レーザは、同じ傾斜角を有し方位角が互いに180°異なる2本のレーザビームが出射する。しかし、リモートセンシングに用いられるセンサであるLIDAR(Laser Imaging Detection And Ranging)等の分野では、2本よりも多い本数のレーザビームを出射するレーザ光源が求められている。
 本発明が解決しようとする課題は、2本よりも多いレーザビームを出射する2次元フォトニック結晶レーザを提供することである。
 上記課題を解決するために成された本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザは、
 a) 1対の電極と、
 b) 前記1対の電極の間に設けられ、前記電極から電流が注入されることにより所定波長の光を生じさせる活性層と、
 c) 前記1対の電極のうちのいずれか一方と前記活性層の間に設けられ、板状の母材と、該母材に配置された該母材とは屈折率が異なる複数の異屈折率領域とを有する2次元フォトニック結晶層と
を備え、
 前記複数の異屈折率領域は、前記所定波長に対応する周期で前記母材に周期的に配置された2次元格子の各格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれて配置されており、又は/及び、それぞれ異なる面積で前記各格子点に配置されており、
 前記複数の異屈折率領域のそれぞれのずれ量又は/及び面積は互いに異なる複数の周期を重ね合わせた複合変調周期で変調しており、前記2次元格子の各格子点の位置を示すベクトルr↑並びに互いに傾斜角及び/又は方位角が異なるn(nは2以上の整数)本の各々レーザビームの該傾斜角及び該方位角の組み合わせを示すベクトルkn↑、並びにn毎に定められる振幅An及び位相exp(iαn)を用いて示される変調位相Ψ(r↑)
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
で表され、
 nの値毎の前記振幅An及び/又は位相exp(iαn)は、少なくとも異なる2つのnの値において互いに異なる
 ことを特徴とする。
 「互いに異なる複数の周期を重ね合わせた複合変調周期」には、2次元フォトニック結晶層に平行な1方向(同じ方向)に沿って異なる複数の周期長で形成された変調を重ね合わせたもの、2次元フォトニック結晶層に平行であって互いに異なる複数の方向に沿ってそれぞれ1つの周期長(各方向で同じ周期長であってもよいし、異なる周期長であってもよい)で形成された変調を重ね合わせたもの、及びそれらを組み合わせたもの(前記複数の方向に沿ってそれぞれ異なる複数の周期長で形成された変調を重ね合わせたもの)であってもよい。
 上記と同様に「ずれ量」は2次元フォトニック結晶層に平行な面内におけるベクトル量(大きさ及び方向を持った量)であって、「異なるずれ量」にはずれの大きさが同じであってずれの方向のみが異なる場合も含まれる。
 本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザでは、出力されるレーザビームの波長は2次元フォトニック結晶層における格子点周期により定まる(その前提として、この格子点周期に対応した所定波長の光を活性層で生じさせる)のに対して、レーザビームの傾斜角及び方位角は変調位相Ψ(r↑)(ずれ量又は/及び面積)における複合変調周期により定まる。複合変調周期で変調された変調位相Ψ(r↑)(r↑は格子点の位置を示すベクトル)は、後述するベクトルk↑、kn↑を用いて、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
で表される。ここで"arg"は複素数の偏角である。cn
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
で表される。An及びαnについては後述する。(3)式を(2)式に代入すると(1)式になる。δはδ関数(δ(x)において、x=0ならば1、x≠0ならば0)である。k↑は、出射させようとするレーザビームの傾斜角θ及び方位角φ、並びに2次元フォトニック結晶層の有効屈折率(2次元フォトニック結晶層内の光が感じる屈折率)neffを用いて表されるベクトルであって、例えば前記2次元格子が周期長aの正方格子である場合には
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
で表される(非特許文献1参照。但し、非特許文献1では、sinθx=sinθcosφ、sinθy=sinθsinφで規定される角度θx、θyを用いている。)。kn↑(n=1, 2, 3, …)は、nの相違によって互いに大きさ及び/又は方向が異なるベクトルk↑を示しており、nの値毎に異なる傾斜角θ及び/又は方位角φが対応している。(2)~(4)式より、ψ(r↑)は、nの値毎、すなわち出射させようとするレーザビームの傾斜角θと方位角φの組み合わせ(θ, φ)毎に求められる項an
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
の和をとったものの偏角に対応しており、各項anはkn↑の大きさに応じた周期を有している。また、各項anにはcnで規定される重み付けが付されている。この重み付けの係数cnは(3)式で規定されたAn及びαnを含んでおり、Anは振幅、αnは位相に相当する。なお、ここで言う「位相」は、変調位相Ψ(r↑)自体を指すのではなく、変調位相Ψ(r↑)を規定する重み付けの係数cnの位相を指している。従って、(1)式の変調位相Ψ(r↑)は、出射させようとするレーザビームの傾斜角θと方位角φの組み合わせ(θ, φ)毎(kn↑毎)に定まる周期を、周期毎に重み付けを加えて重ね合わせた変調周期(複合変調周期)で規定されていることになる。
 本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザによれば、このような複合変調周期で変調された変調位相Ψ(r↑)で異屈折率領域が配置されていることにより、1つのkn↑につき、それに対応する1組の傾斜角及び方位角を有する1本のレーザビームと共に、該1本のレーザビームとは方位角のみが180°異なるもう1本のレーザビームが出射する。但し、該1本のレーザビームの傾斜角が0°の場合には、もう1本のレーザビームは出射しない。従って、本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザでは、傾斜角及び/又は方位角が異なる2n本又は(2n-1)本(傾斜角が0°の1本のレーザビームを含む場合)のレーザビームが得られる。
 そして、nの値毎の振幅An及び/又は位相exp(iαn)は、少なくとも異なる2つのnの値において互いに異なるようにする。言い換えれば、出射するレーザビームの傾斜角及び方位角毎に(少なくとも傾斜角及び方位角の組み合わせが異なる2組の間で)異なる重みを付すことにより、レーザビーム毎の強度を調整することができる。
 本発明において、前記位相exp(iαn)はnの値毎にランダムに(法則性を有することなく)設定されていることがより好ましい。これにより、レーザビーム同士の干渉が生じることを抑え、レーザビーム同士の強度を均一に近くすることができる。
 このように位相exp(iαn)をnの値毎にランダムに設定したうえでさらに、前記振幅Anの値を、nの値が異なる項毎に異なる値とすることがより好ましい。これにより、レーザビーム同士の強度をさらに調整し、レーザビーム同士の強度を均一に近付けることができる。
 nの値が異なる項毎の振幅Anの値は、例えば以下の手法で定めることができる。まず、位相exp(iαn)をnの値毎にランダムに設定すると共に振幅Anをnの値に依らない所定値(例えば1)としたときにおける、(1)式より求められる変調位相Ψ(r↑)から各異屈折率領域のずれ量又は/及び面積を求める。ここで求めた各異屈折率領域のずれ量又は/及び面積で変調された状態を「基本変調状態」と呼ぶ。この基本変調状態にある2次元フォトニック結晶層から、従来の2次元フォトニック結晶レーザの設計の際に用いられている手法を適用して、2次元フォトニック結晶層内の各位置から放射される(それら各位置における)電界の分布(「放射電界分布」と呼ぶ)を求める。さらに、この放射電界分布をフーリエ変換することにより、2次元フォトニック結晶層から離れた位置(例えばレーザビームが対象物に照射される位置)における電界の分布(「遠方電界分布」と呼ぶ)がベクトルk↑を変数とする関数として得られる。なお、遠方電界分布を求める場合とは反対に遠方電界分布を逆フーリエ変換すれば放射電界分布が得られるが、(1)式の[]内の計算は、(複素数で示された)遠方電界分布Σnanexp(iαn)δ(k↑-kn↑)を逆フーリエ変換することによって(複素数で示された)放射電界分布を求めることに相当する。
 上記のように得られた、基本変調状態の2次元フォトニック結晶層を備える2次元フォトニック結晶レーザから放射された複数本のレーザビームによる遠方電界分布には通常、レーザビーム毎の(遠方電界分布の変数であるベクトルk↑に適用されるレーザビーム毎のベクトルkn↑に応じた)強度の相違が生じている。そこで、求めた遠方電界分布に基づいて、他のレーザビームよりも強度が弱くなると判断されるレーザビームに対応する(当該レーザビームのベクトルkn↑における"n"と同じnの値を有する)振幅Anの値を基本変調状態における前記所定値よりも増加させ、他のレーザビームよりも強度が強くなると判断されるレーザビームに対応する振幅Anの値を前記所定値よりも減少させた、新たな変調位相Ψ(r↑)を(1)式より求める。そして、この新たな変調位相Ψ(r↑)から各異屈折率領域のずれ量又は/及び面積(新たな変調状態)を求め、この新たな変調状態から放射電界分布を求め、さらに遠方電界分布を求める。このように新たな変調状態から求めた遠方電界分布は、基本変調状態からの振幅Anの増加/減少が過度でない限り、基本変調状態の場合よりもレーザビーム毎の強度の相違が小さくなり(もし、この相違が却って大きくなっていれば、基本変調状態からの振幅Anの増加/減少の程度を小さくした変調位相Ψ(r↑)を用いて、ここで述べた操作をやり直す)、当該強度を均一に近付けることができる。
 ここで求めた新たな変調状態を基本変調状態として上記の操作を行うことを繰り返すことにより、レーザビーム同士の強度をさらに均一に近付けることができる。
 本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザにおいて、
 前記2次元格子が正方格子であって、
 さらに、前記2次元格子と同じ周期長aを有し該2次元格子からずれた正方格子の格子点である第2格子点に、又は該第2格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれた位置に、前記母材とは屈折率が異なる第2異屈折率領域が配置されている
という構成を取ることができる。
 このような第2異屈折率領域を付加した2次元フォトニック結晶層では、異屈折率領域が配置された第1の正方格子(前記2次元格子)と、第1の正方格子と同じ周期長を有し格子点(前記第2格子点)に第2異屈折率領域が配置される第2の正方格子がずれて配置された二重格子構造を有する。そして、このような2次元フォトニック結晶層内では、それら正方格子の2つの基本並進ベクトルに対して45°傾斜した方向に進行し波長が21/2aである光が異屈折率領域で反射されて進行方向が180°変化する第1の光と、その光と同じ波長及び位相で同じ方向に進行する光が第2異屈折率領域で反射されて進行方向が180°変化する第2の光の位相差が、上述したずれの方向及び大きさに応じて異なる値を有する。この位相差(0~2πの範囲で規定)が(1/2)πよりも大きく且つ(3/2)πよりも小さい範囲内となる場合には、第1の光と第2の光は干渉により弱められ、異屈折率領域や第2異屈折率領域において進行方向が180°以外の方向に変化する光の強度が相対的に大きくなり、第2異屈折率領域が無い場合よりも2次元フォトニック結晶層内の広い面積で安定したレーザ発振を得ることができる。一方、前記位相差が(1/2)πよりも小さいか又は(3/2)πよりも大きい範囲内となる場合には、第1の光と第2の光は干渉により強められ、第2異屈折率領域が無い場合よりも2次元フォトニック結晶層内の狭い面積でレーザ発振が得られる。
 例えば、前記第2格子点は、前記2次元格子の格子点から該2次元格子の基本並進ベクトルのうちの1つと同じ方向に0.25aよりも大きく0.75aよりも小さい距離だけずれた位置に配置されている、という構成を取ることができる。この場合、前記2次元格子の格子点と前記第2格子点のずれ量は0.4a以上0.6a以下であることが好ましく、0.5aであることが最も好ましい。このような構成によれば、前記第1の光と前記第2の光を干渉により弱め、2次元フォトニック結晶層内の広い面積で安定したレーザ発振を得ることができる。
 ここまでは2本以上のビームを出射するフォトニック結晶レーザについて述べたが、ここまでに述べた手法を応用することにより、以下に述べるように、広い断面積を有するレーザビーム(広断面積ビーム)を発するフォトニック結晶レーザを得ることができる。
 すなわち、本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザにおいて、前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記変調位相Ψ(r↑)が所定の変調周期で周期的に変化するように変調されており、該変調周期が連続的に増加又は減少している、という構成を取ることができる。
 これにより、広断面積ビームを発するレーザが得られる。この場合、変調位相Ψ(r↑)は、(1)式の右辺で表されたものが上記の変調周期を有することとなる。以下、このような構成を有する2次元フォトニック結晶レーザを「第1の態様の広断面積ビームレーザ」と呼ぶ。
 第1の態様の広断面積レーザでは、2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、複数の異屈折率領域のそれぞれの変調位相Ψ(r↑)が周期的に変化するように変調されており、且つ、該方向に向かってこの変調周期が連続的に増加又は減少するように形成されている。このように変調が形成された2次元フォトニック結晶層を挟むように設けられた1対のみの電極から電流を活性層に注入することにより、活性層で発光が生じ、その光が2次元フォトニック結晶層の広い範囲に亘って導入される。これにより、2次元フォトニック結晶層内の各位置から、その位置における変調周期に対応した傾斜角θで同程度の強度のレーザビームが出射する。従って、フォトニック結晶領域の全体からは、傾斜角θが異なり強度が同程度であるレーザビームが束となって出射するため、通常のフォトニック結晶レーザで生成されるレーザビームの径よりも広い範囲に亘って均一に近い強度でレーザ光を対象物に照射することができる。
 本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザにおいて、
 前記2次元格子が正方格子であって、
 前記2次元格子の各格子点に、前記複数の異屈折率領域のそれぞれが該格子点から所定の一方向又は該一方向と180°異なる方向にずれて配置されており、該一方向が、前記2次元フォトニック結晶層に平行であって、前記格子点が前記格子点周期で並ぶ2方向の双方から傾斜した方向である
 という構成を取ることができる。ここで規定した2次元フォトニック結晶層の構造は、第1の態様の広断面積レーザに好適に用いることができるが、それ以外の本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザに適用してもよい。
 このように、2次元格子の各格子点において、格子点が前記格子点周期で並ぶ2方向から傾斜した方向又は該一方向と180°異なる方向にずれて異屈折率領域を配置することで構造を非対称とすることにより、2次元フォトニック結晶によって形成される複数のフォトニックバンドのうちの1つのバンド端のみでレーザ発振させることができる。このように1つのバンド端のみでレーザ発振させる(他のバンド端でのレーザ発振が生じない)ことにより、単一の共振モード及び単一の偏光を有するレーザビームを出射させることができる。
 このように異屈折率領域のずれの方向を前記一方向又はそれと180°異なる方向に特定する場合には、前記変調は、格子点からの異屈折率領域の距離(前記ずれ量に相当)又は/及び異屈折率領域の平面形状の面積が前記変調周期で周期的に変化するように形成する。
 また、第1の態様の広断面積レーザにおいて、
 互いに前記変調が異なる複数個の本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザと、
 前記複数個の2次元フォトニック結晶レーザの各々に設けられた前記電極に同時に電流を供給する電流供給部と
 を備える2次元フォトニック結晶レーザアレイ(「2次元フォトニック結晶面発光レーザアレイ」ともいう)を構成してもよい。このように互いに変調が異なる複数個の2次元フォトニック結晶レーザに電流供給部から同時に電流を供給することにより、1個の本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザを用いる場合よりも広範囲にレーザ光を照射することができる。
 前記2次元フォトニック結晶レーザアレイにおいて、
 前記電流供給部が、導電性を有する板材に複数の孔が形成されたメッシュ電極を備え、
 該複数の孔の各々に前記2次元フォトニック結晶レーザが配置されており、
 該複数の孔の各々において、該孔の周囲の板材が、前記第1電極若しくは前記第2電極に接続されているか又は前記第1電極若しくは前記第2電極である
という構成を取ることができる。これにより、メッシュ電極を用いて各2次元フォトニック結晶レーザに電流を供給し、2次元フォトニック結晶レーザから出射するレーザ光を該孔から2次元フォトニック結晶レーザアレイの外部に放出させることができる。
 メッシュ電極に設ける複数の孔は、2次元状に配置されていてもよいし、1次元状に配列されていてもよい。それらの孔を1次元状に配列する場合には、各孔の形状は、孔の配列方向に垂直な方向に長いライン状とすることが好ましい。また、2次元フォトニック結晶レーザは、メッシュ電極に設ける孔の1つに対して、1個のみ設けてもよいし複数個設けてもよい。
 第1の態様の広断面積レーザは、以下のように規定することもできる。すなわち、第1の態様の広断面積レーザは、
 a) 1対のみの電極と、
 b) 前記1対の電極の間に設けられ、前記電極から電流が注入されることにより所定波長λLを含む光を生じさせる活性層と、
 c) 前記1対の電極のうちのいずれか一方と前記活性層の間に設けられ、板状の母材と、該母材内に配置された該母材とは屈折率が異なる複数の異屈折率領域とを有する2次元フォトニック結晶層と
を備え、
 前記所定波長λLに対応する格子点周期で格子点が周期的に配置された2次元格子の各格子点に、前記複数の異屈折率領域のそれぞれが該格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれて配置されており、又は/及び、前記複数の異屈折率領域のそれぞれがそれぞれ異なる平面形状の面積で配置されており、
 前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記複数の異屈折率領域のそれぞれのずれ量又は/及び平面形状の面積が所定の変調周期で周期的に変化するように変調されており、該変調周期が連続的に増加又は減少している
 ことを特徴とする。
 第1の態様の広断面積レーザにおいて前述のように異屈折率領域のずれの方向を前記一方向又はそれと180°異なる方向に限定することによって単一の共振モード及び単一の偏光を有するレーザビームを出射させることは、上記のように傾斜角θが異なり強度が同程度であるレーザビームを束となって出射させる場合のみならず、特許文献1に記載のように、電流を注入する位置を変化させることによって傾斜角θの異なる(1本の)レーザビームを出射させる場合にも用いることができる。そのような2次元フォトニック結晶レーザは、
 a) 少なくとも一方が複数の部分電極を備える電極群から成る1対の電極群と、
 b) 前記1対の電極群の間に設けられ、前記複数の部分電極のうちの一部から電流が注入されることにより、該電流が注入される部分電極に対応する位置に所定波長λLを含む光を生じさせる活性層と、
 c) 前記1対の電極群のうちのいずれか一方と前記活性層の間に設けられ、板状の母材と、該母材内に配置された該母材とは屈折率が異なる複数の異屈折率領域とを有する2次元フォトニック結晶層と
を備え、
 前記所定波長λLに対応する格子点周期で格子点が周期的に配置された正方格子の各格子点に、前記複数の異屈折率領域のそれぞれが該格子点から所定の一方向又は該一方向と180°異なる方向にずれて配置されており、該一方向が、前記2次元フォトニック結晶層に平行であって、前記格子点が前記格子点周期で並ぶ2方向の双方から傾斜した方向であって、
 前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記複数の異屈折率領域のそれぞれの該格子点からの距離又は/及び平面形状の面積が所定の変調周期で周期的に変化するように変調されており、該変調周期が前記2次元フォトニック結晶層内の位置によって異なる
 という構成を取る。
 この場合、変調周期は、2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって連続的に増加又は減少する必要はなく、例えばランダムに変化していてもよい。変調周期が連続的に増加又は減少していない場合であっても、電流を注入する位置を移動させる(電流を注入する部分電極を変更する)ことにより、レーザビームの傾斜角θを変化させることができる。
 第1の態様の広断面積レーザでは、光の干渉が生じることにより、断面内で強度のムラが生じ得る。そこでさらに、このようなムラが発生することを抑えるための構成を検討する。まず、第1の態様のように、2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、複数の異屈折率領域のそれぞれの変調位相Ψ(r↑)が所定の変調周期で周期的に変化するように変調されており、且つ該変調周期が連続的に増加又は減少している状態を、この例における「基本変調状態」とする。例えば2次元格子が正方格子である場合には、格子点の各位置(x, y)から出射させるレーザ光の傾斜角をθ(x, y)、方位角をφ(x, y)と規定したうえで、sinθx(x)=sinθ(x, y)cosφ(x, y)、及びsinθy(y)=sinθ(x, y)sinφ(x, y)で規定される角度θx(x), θy(y)を定義する。この場合の位置(x, y)毎の変調位相Ψ(x, y)は、(1)式より
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
となる。このように格子点の各位置(x, y)において異屈折率領域を変調位相Ψ(x, y)で変調させて配置することにより、各位置(x, y)からそれぞれ異なる方向にレーザ光が2本ずつ(それら2本の間では方位角が互いに180°異なる)出射し、それらがまとまることで、2本の広断面積ビームが得られる。
 このように表される変調位相Ψ(x, y)に対して、上述したcn=Anexp(iαn)を用いた調整を以下のように適用する。まず、cn=Anexp(iαn)の項を考慮すること無く(6)式のように位置r↑=(x, y)毎の変調位相Ψ(r↑)を求めた(すなわち基本変調状態を求めた)うえで、2次元フォトニック結晶層内の各位置から放射される(それら各位置における)電界の分布を示す放射電界分布Erad(r↑)を計算で求める。このような電界分布の計算は、従来の2次元フォトニック結晶レーザの設計の際に用いられている手法により実行することができる。この放射電分布界Erad(r↑)をフーリエ変換することにより、2次元フォトニック結晶層から離れた位置(例えばレーザビームが対象物に照射される位置)における電界の分布を示す遠方電界分布Efar(K↑)が以下の(7)式で求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
ここでK↑は波数である。
 一方、2次元フォトニック結晶層から離れた位置において形成しようとする電界分布(「目標遠方電界分布」と呼ぶ)を任意にEfar_iFFT(K↑)として規定する。目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)は例えば、(7)式で得られた遠方電界分布EfarT(K↑)において、電界の位相分布はそのままで、強度分布を均一な分布に更新することにより得ることができる。そのような目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)を得るために2次元フォトニック結晶層から放射させるべき電界の分布である目標放射電界分布Erad_iFFT(r↑)は、目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)を逆フーリエ変換することにより、以下の(8)式で求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
 そこで、位置r↑=(x, y)毎の変調位相Ψ(r↑)から求められる放射電界分布Erad(r↑)が、(8)式で求められる目標放射電界分布Erad_iFFT(r↑)に近づくように、位置r↑=(x, y)毎の変調位相Ψ(r↑)を調整する。例えば、(8)式を以下の(9)式
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
に適用することにより、調整後の変調位相Ψ(r↑)を定めることができる。なお、(9)式において"Real"は複素数のうちの実部を指す。また、"Max{Real[Erad_iFFT(r↑)]}"はr↑に対応する多数の位置の各々における{Real[Erad_iFFT(r↑)]のうちの最大値であり、各位置におけるReal[Erad_iFFT(r↑)を規格化する役割を有する。そして、この調整後の変調位相Ψ(r↑)を用いて放射電界分布Erad(r↑)を求め、この放射電界分布Erad(r↑)を用いて(9)式より遠方電界分布Efar(K↑)を求める。こうして2回目に得られる遠方電界分布Efar(K↑)は通常、1回目に得られた遠方電界分布Efar(K↑)よりも目標放射電界分布Erad_iFFT(r↑)に近くなる。
 目標放射電界分布Erad_iFFT(r↑)を各波数に対して離散化することにより各点をδ関数として表すことができるため、このような調整を行った後の変調位相Ψ(r↑)は、(1)式に示した元の変調位相Ψ(r↑)に補正係数(定数)を加えたものと等価である。言い換えれば、上記の調整は、元の変調位相Ψ(r↑)に適切な補正係数を加えることにより行っていることに相当する。調整後の変調位相Ψ(r↑)は、補正係数ΔΨを用いて
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
と表される。補正係数ΔΨには、例えばπ/2を用いることができる。
 こうして2回目に得られる遠方電界分布Efar(K↑)を用いて、例えば上述の例のように位相分布はそのままで強度分布を均一な分布に更新することにより、新たな目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)を定める。以下、2回目に遠方電界分布Efar(K↑)を得る操作と同様の操作により次の遠方電界分布Efar(K↑)を得る、という操作を繰り返す。この操作を任意の回数繰り返したうえで最終的な目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)を定め、その直近に(例えば(9)式を用いて)調整した位置r↑=(x, y)毎の変調位相Ψ(r↑)を、最終的な複数の異屈折率領域のそれぞれのずれ量又は/及び面積を定めるパラメータとして決定することにより、最終的な目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)に近く断面内での強度の均一性が高い広断面積ビームを得ることができる。
 以上をまとめると、第2の態様の広断面積レーザは、本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザにおいて、前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記複数の異屈折率領域のそれぞれの前記変調位相Ψ(r↑)が所定の変調周期で周期的に変化するように変調され、該変調周期が連続的に増加又は減少している基本変調状態において該2次元フォトニック結晶層から放射される電界の分布を示す放射電界分布よりも、該2次元フォトニック結晶層から離れた位置において形成しようとする所定の目標遠方電界分布を逆フーリエ変換することにより求められる目標放射電界分布に近くなるように、前記基本変調状態から前記変調位相Ψ(r↑)が調整されていることを特徴とする。
 第2の態様の広断面積レーザは、以下のように規定することもできる。すなわち、第2の態様の広断面積レーザは、
 a) 1対の電極と、
 b) 前記1対の電極の間に設けられ、前記電極から電流が注入されることにより所定波長の光を生じさせる活性層と、
 c) 前記1対の電極のうちのいずれか一方と前記活性層の間に設けられ、板状の母材と、該母材に配置された該母材とは屈折率が異なる複数の異屈折率領域とを有する2次元フォトニック結晶層と
を備え、
 前記複数の異屈折率領域は、前記所定波長に対応する周期で前記母材に周期的に配置された2次元格子の各格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれて配置されており、又は/及び、それぞれ異なる面積で前記各格子点に配置されており、
 前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記複数の異屈折率領域のそれぞれのずれ量又は/及び面積が所定の変調周期で周期的に変化するように変調され、該変調周期が連続的に増加又は減少している基本変調状態において該2次元フォトニック結晶層から放射される電界の分布を示す放射電界分布よりも、該2次元フォトニック結晶層から離れた位置において形成しようとする所定の目標遠方電界分布を逆フーリエ変換することにより求められる目標放射電界分布に近くなるように、前記基本変調状態から前記ずれ量又は/及び面積が調整されている
 ことを特徴とする。
 本発明により、2本よりも多いレーザビームを出射する2次元フォトニック結晶レーザを得ることができる。
 また、本発明のうち第1の態様の広断面積レーザによれば、広い範囲に亘ってレーザ光を対象物に照射することができる。さらに、第2の態様の広断面積レーザによれば、広い範囲に亘って均一に近い強度でレーザ光を対象物に照射することができる。
本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザの第1実施形態を示す斜視図(a)、及び該2次元フォトニック結晶レーザが備える2次元フォトニック結晶層の部分平面図(b)。 電極の形状が異なる2次元フォトニック結晶レーザの例を示す斜視図。 第1実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおける2次元フォトニック結晶層が有する異屈折率領域の重心の位置の設定例を示す部分平面図。 第1実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおける2次元フォトニック結晶層が有する異屈折率領域の重心の位置の他の設定例を示す部分平面図。 第1実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおける2次元フォトニック結晶層が有する異屈折率領域の面積の設定例を示す部分平面図。 ずれ量及び面積に関して互いに異なる50の変調周期を重ね合わせた複合変調周期を形成することにより100本のレーザビームを出射するように設計した2次元フォトニック結晶レーザから出射されるレーザビームの遠視野像を計算で求めた結果を示す図。 第1実施形態の2次元フォトニック結晶レーザから出射されるレーザビームの遠視野像を計算で求めた結果を示す図。 図7の計算を行った2次元フォトニック結晶レーザを改良した2次元フォトニック結晶レーザから出射されるレーザビームの遠視野像を計算で求めた結果を示す図。 第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザが備える2次元フォトニック結晶層の部分平面図。 第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおいて、正方格子の基本並進ベクトルに対して45°傾斜した方向に進行する光であって、第1の格子点にある異屈折率領域で反射された光と、第2の格子点にある第2異屈折率領域で反射された光の光路差の例を模式的に示す図。 第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおいて1次元結合係数(a)及び2次元結合係数(b)を計算で求めた結果を示すグラフ。 第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおいて放射係数を計算で求めた結果を示すグラフ。 第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザ(a)及び同実施形態から第2異屈折率領域を除いた2次元フォトニック結晶レーザ(b)において2次元フォトニック結晶層内の電界分布を計算で求めた結果を示す図。 第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザが備える2次元フォトニック結晶層の部分平面図。 第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおける2次元フォトニック結晶層が有する異屈折率領域の重心の位置を示す部分平面図。 第3実施形態において2次元フォトニック結晶層が有する異屈折率領域の重心の位置の変形例を示す部分平面図。 第3実施形態において2次元フォトニック結晶層が有する異屈折率領域の平面形状の変形例を示す部分平面図。 第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザから出射したレーザビームの断面を撮影した写真(a), (b)及び計算で求めた図(c)。 比較例の2次元フォトニック結晶レーザから出射したレーザビームの断面を撮影した写真。 第3実施形態の変形例において、角度ξによる放射係数の相違をバンド毎に計算した結果を示すグラフ。 第4実施形態である2次元フォトニック結晶レーザアレイを第1集合電極側(a)及び第2集合電極側(b)からそれぞれ見た平面図。 第4実施形態の2次元フォトニック結晶レーザアレイから出射したレーザビームの断面を撮影した写真。 第4実施形態の2次元フォトニック結晶レーザアレイにおける第2集合電極の2つの変形例を示す図。 第4実施形態の2次元フォトニック結晶レーザアレイの他の変形例を示す概略斜視図(a)、部分拡大断面図(b)、及び回路図(c)。 図24に示した変形例の2次元フォトニック結晶レーザアレイから出射されるレーザビームの遠視野像を実験で求めた結果を示す図。 図24に示した変形例の2次元フォトニック結晶レーザアレイから出射されるレーザビームの電流-出力特性を示すグラフ。 図24に示した変形例の2次元フォトニック結晶レーザアレイから出射されるレーザビームの発振スペクトルを示すグラフ。 第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザを改良した第5実施形態の2次元フォトニック結晶レーザから出射されるレーザビームの遠視野像を計算で求めた結果を示す図。 図28に示したレーザビームの遠視野像の部分拡大図。 図28の計算を行った2次元フォトニック結晶レーザを改良した2次元フォトニック結晶レーザから出射されるレーザビームの遠視野像を計算で求めた結果を示す図。 第1実施形態を応用して作製した2次元フォトニック結晶レーザを用いて文字や図形を表示した例を示す写真。
 図1~図31を用いて、本発明に係る2次元フォトニック結晶レーザの実施形態を説明する。
(1) 第1実施形態
 第1実施形態の2次元フォトニック結晶レーザ10は、図1(a)に示すように、第1電極171、第1クラッド層141、2次元フォトニック結晶層12、スペーサ層13、活性層11、第2クラッド層142、基板16及び第2電極172がこの順で積層された構成を有する。但し、活性層11と2次元フォトニック結晶層12の順番は、上記のものとは逆であってもよい。図1(a)では便宜上、第1電極171を下側、第2電極172を上側として示しているが、使用時における2次元フォトニック結晶レーザ10の向きは、この図で示したものは限定されない。以下、各層及び電極の構成を説明する。
 活性層11は、第1電極171及び第2電極172から電荷が注入されることにより、所定の波長帯を有する光を発光するものである。活性層11の材料には、例えばInGaAs/AlGaAs多重量子井戸(発光波長帯:935~945nm)を用いることができる。
 2次元フォトニック結晶層12は、図1(b)に示すように、板状の母材121に、それとは屈折率が異なる異屈折率領域122を、2次元格子の各格子点に対して1個ずつ配置したものである。図1(b)では2次元フォトニック結晶層12の一部のみを拡大して示しており、実際の2次元フォトニック結晶層12では第2電極172の平面形状(後述)の外縁と同程度の範囲内に亘って多数の2次元フォトニック結晶層12が配置されている。第1実施形態では、2次元格子は正方格子としたが、長方格子や三角格子等の他の2次元格子を用いてもよい。正方格子の格子点周期(の長さ)aは、母材121の材料や活性層11における発光波長帯に応じて適宜定める。母材121の材料には、例えばp型GaAs(p型半導体)を用いることができる。異屈折率領域122には、典型的には空孔を用いるが、空孔の代わりに、母材121とは屈折率が異なる部材を用いてもよい。異屈折率領域122を配置する位置及び平面形状については後で詳述する。
 第1クラッド層141及び第2クラッド層142は、第1電極171及び第2電極172から電荷を注入する役割と共に、2次元フォトニック結晶層12内で該層に平行に導波する面内導波光が該層から漏れることを抑える役割を有する。前者の役割を果たすために、第1クラッド層141にはp型半導体(例えばp型Al0.37Ga0.63As)を、第2クラッド層142にはn型半導体(例えばn型Al0.37Ga0.63As)を、それぞれ用いる(なお、2次元フォトニック結晶層12の母材121の材料をp型半導体とする理由もこれと同じである)。
 スペーサ層13は、第1電極171から注入される正孔を通過させて活性層11に導入しつつ、第2電極172から注入される電子が活性層11を通過する(それにより、活性層11よりも第1電極171側で正孔と結合する)ことを抑えるために設けられる。スペーサ層13の材料には例えばp型Al0.45Ga0.55Asを用いることができる。
 基板16は、2次元フォトニック結晶レーザ10全体の機械的強度を維持するために、他の層よりも十分に厚いものを用いる。基板16の材料には第2クラッド層142と同じ理由によりn型半導体を用いる。
 第1電極171は、第1実施形態では正方形である。第2電極172は、辺の長さが第1電極171よりも十分に長い正方形の金属製板状部材の中央が正方形にくり抜かれた構成を有する。板状部材がくり抜かれた部分を窓部1722と呼び、板状部材が残された部分を枠部1721と呼ぶ。窓部1722は、後述のように2次元フォトニック結晶層12から発振するレーザビームを通過させるために設けられている。図1(a)では第1電極171の形状を示すために第1電極171と第1クラッド層141を離して示しているが、実際には第1電極171と第1クラッド層141は接している。
 なお、ここまでに述べた各層の材料は一例であって、他の材料を用いてもよい。また、第1電極171及び第2電極172の形状は上記のものには限定されず、他の形状のものを用いてもよい。例えば、図2に示すように、円形の第1電極171Aと、円形の枠部1721A及び窓部1722Aを有する第2電極172Aを用いることができる。
 以下、2次元フォトニック結晶層12において異屈折率領域122を配置する位置及び平面形状について詳しく説明する。
 図1(b)に示した例では、平面形状が(その面積を含めて)互いに等しい異屈折率領域122を用いている。平面形状は、図1(b)の例では正三角形であるが、二等辺三角形やその他の三角形、三角形以外の多角形、円形、楕円形等であってもよい。また、2個又はそれ以上の個数の異屈折率領域(部分異屈折率領域)を組み合わせることで1個の異屈折率領域を形成してもよい。各異屈折率領域122は、その平面形状の重心が、周期長aを有する正方格子の格子点(同図で縦と横の一点鎖線が交差する点)からずれた位置に配置されている。このずれ量の例を図3及び図4に示す。いずれの図においても、正方格子(一点鎖線)と共に、異屈折率領域122の平面形状における重心Gの位置を黒丸で示している。図3の例では、各重心Gが格子点から同じ方向(x方向から角度ξ(この例では定数)だけずれた方向)にずれ、そのずれの大きさdが格子点毎に設定されている。ここでずれの大きさは正負を含めて規定している(ずれの大きさを正の値だけで規定する場合には、ずれの方向は互いに180°異なる2方向となる)。一方、図4の例では、ずれの大きさに加えて、ずれの方向(x方向から方向がずれた角度ξ(この例では変数))も格子点毎に設定されている。すなわち、ずれのベクトル量が格子点毎に設定されている。
 第1実施形態では、各格子点におけるずれのベクトル量は、互いに異なる複数の周期を重ね合わせた複合変調周期を有するように変調されている。
 ここでは、座標(x, y)で表される各格子点におけるずれの大きさd(x, y)を、
 d(x, y)=C1・sin(k1x)+C2・sin(k2x)+C3・sin(k3x)+…+Cn・sin(knx)+B・y …(11)
(C1, C2, C3, …Cn、k1, k2, k3, …kn、Bはそれぞれ定数)とする。なお、ここでは(1)式における振幅An及び位相αnは考慮していない。(11)式のようにずれを設定すると、k1, k2, k3, …knの値に応じてそれぞれ異なる傾斜角θ/方位角φを有する方向に出射するn本のレーザビームと、それらn本のレーザビームの各々と方位角が180°異なるn本のレーザビームを合わせた、2n本(又は、傾斜角θが0°である1本を含む(2n-1)本)のレーザビームが得られる。
 (11)式で規定される例ではx方向のみに複合変調周期を付与したが、y方向のみ、あるいはx方向とy方向の双方に複合変調周期を付与してもよい。後者の例として、d(x, y)を
 d(x, y)=C1・sin(k1x)+C2・sin(k2x)+C3・sin(k3x)+…+Cn・sin(knx)
     +Cn+1・sin(kn+1y)+Cn+2・sin(kn+2y)+Cn+3・sin(kn+3y)+…+Cn+m・sin(kn+my) …(12)
(C1, C2, C3, …Cn, Cn+1, Cn+2, Cn+3, …Cn+m、k1, k2, k3, …kn, kn+1, kn+2, kn+3…kn+mはそれぞれ定数)
とすることにより、それぞれ異なる傾斜角θ/方位角φを有する方向に出射する2(n+m)本のレーザビームが得られる。
 図4の例では、(11)式、(12)式等で規定されるずれの大きさに加えて、ずれの方向に周期性を付与することができる。例えば、各格子点(x, y)におけるずれの方向を示す角度ξ(x, y)を
 ξ(x, y)=Cn+m+1・sin(kn+m+1x)+Cn+m+2・sin(kn+m+2x) …(13)
((11)式と組み合わせる場合にはm=0)とすることにより、2(n+m+2)本のレーザビームが得られる。x方向又はy方向のうちの一方だけでずれの方向に周期性を付与する((13)式でCn+m+1又は+Cn+m+2が0である)場合には、2(n+m+1)本のレーザビームが得られる。あるいは、ずれの大きさには変調を付与すること無く(n=0, m=0)、ずれの方向に関してx方向及びy方向にそれぞれ異なる変調を付与すれば、2×2=4本のレーザビームが得られる。
 ここまではずれ量を変調することを説明したが、ずれ量の代わりに異屈折率領域122の面積を変調することもできる(図5)。(11)式、(12)式と同様に、座標(x, y)で表される各格子点における異屈折率領域122の面積S(x, y)を
 S(x, y)=S1・sin(k1x)+S2・sin(k2x)+S3・sin(k3x)+…+Sn・sin(knx)+D・y …(14)
あるいは
 S(x, y)=S1・sin(k1x)+S2・sin(k2x)+S3・sin(k3x)+…+Sn・sin(knx)
     +Sn+1・sin(kn+1y)+Sn+2・sin(kn+2y)+Sn+3・sin(kn+3y)+…+Sn+m・sin(kn+my) …(15)
(S1, S2, S3, …Sn, Sn+1, Sn+2, Sn+3, …S+m、k1, k2, k3, …kn, kn+1, kn+2, kn+3…kn+m、Dはそれぞれ定数)とすることにより、それぞれ異なる傾斜角θ/方位角φを有する方向に出射する2n本又は(2n-1) 本((14)式の場合)あるいは2(n+m)本又は(2(n+m)-1)本((15)式の場合)のレーザビームが得られる。
 さらに、ずれ量(大きさ及び方向)と面積を組み合わせることによって、より多くのレーザビームを得ることもできる。
 図6に、ずれ量及び面積に関して互いに異なる50の変調周期を重ね合わせた複合変調周期を形成することにより、2×50=100本のレーザビームを出射するように設計した2次元フォトニック結晶レーザ10から出射するレーザビームの遠視野像の計算結果の一例を示す。出射範囲は、x方向、y方向について傾斜角θが±25°の範囲内となるように、各変調周期に対応するkn↑を設定した。図6には、10行10列に並ぶ100個のスポットが現れており、設計通り100本のレーザビームが出射することを確認することができた。
 但し、図6中に2個の太矢印でそれぞれ指した、互いに5行分離れた2行(20個)のスポットは、他のスポットよりも強度が弱くなっている。また、2個の細矢印でそれぞれ指した、互いに5列分離れた2列のうち前記2行に含まれない16個のスポットは、前記2行のスポットの強度よりは強いものの、他のスポットよりもやや強度が弱くなっている。これは、2次元フォトニック結晶層からレーザビームが放射される際に光の干渉が生じたことによると考えられる。
 そこで第1実施形態では、前述した(1)式において、kn↑毎に位相exp(iαn)をランダムに(1つのkn↑につき1つの位相を与え、異なるkn↑同士で対比すると位相がランダムとなるように)付与した2次元フォトニック結晶層12を有する2次元フォトニック結晶レーザ10につき、レーザビームの遠視野像を計算した。その結果を図7に示す。レーザビームのスポットの位置は図6の場合と同じである。スポット毎の強度は、図6のように特定の行又は列で弱くなる様子は見られず、図6の場合よりも均一に近くなっている。但し、一部のスポットでは他のスポットよりも強度が弱くなっているように見える。
 そこでさらに、前述した(1)式において、kn↑毎に振幅Anの大きさを調整する操作を繰り返し実行し、全てのスポットの強度ができるだけ均一になるように調整した。そのように調整したレーザビームの遠視野像の一例を図8に示す。図8より、強度がほぼ均一である100本のレーザビームが得られていることがわかる。
(2) 第2実施形態(二重格子構造を有する2次元フォトニック結晶を用いた例)
 第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザは、2次元フォトニック結晶層は、2次元フォトニック結晶層の構成を除いて、第1実施形態の2次元フォトニック結晶レーザ10と同様の構成を有する。以下では、第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおける2次元フォトニック結晶層12Aの構成を説明する。
 図9に示すように、2次元フォトニック結晶層12Aは、母材121Aに、母材121Aとは屈折率が異なる異屈折率領域122Aを配置すると共に、母材121Aとは屈折率が異なる第2異屈折率領域123を配置したものである。本実施形態では、異屈折率領域122Aと第2異屈折率領域123はいずれも空孔である。異屈折率領域122Aと第2異屈折率領域123のいずれか一方又は双方に、母材121Aとは屈折率が異なる(空気以外の)部材から成るものを用いてもよい。その場合には、異屈折率領域122Aの部材と第2異屈折率領域123の部材は同じ材料から成るものであってもよいし、互いに異なる材料から成るものであってもよい。
 異屈折率領域122Aは、周期長がaであって、図9に黒丸印で示した第1格子点1251を有する第1の正方格子の該第1格子点1251から所定のずれ量(ベクトル値)でずれて配置されており、その面積も第1格子点1251毎に異なっている。これら異屈折率領域122Aのずれ量及び面積は、第1実施形態と同様に設定することができる。異屈折率領域122Aの形状は、本実施形態では楕円形としたが、第1実施形態で例示した正三角形等、他の形状としてもよい。
 第2異屈折率領域123は、周期長がaであって、図9に白丸印で示した第2格子点1252を有する第2の正方格子の該第2格子点1252上に配置されている。第2格子点1252は、第1及び第2の正方格子の基本並進ベクトルa1↑及びa2↑のうちa2↑に平行な方向に、第1格子点1251から0.5aだけずれた位置に配置されている。本実施形態では、第2異屈折率領域123の形状は楕円形とし、全て同じ面積を有している。なお、第2異屈折率領域123の形状は正三角形等の他の形状としてもよい。
 このように異屈折率領域122Aが第1格子点1251に、第2異屈折率領域123が第2格子点1252に、それぞれ配置されていることにより、基本並進ベクトルa1↑及びa2↑に対して45°の方向に進行する光のうち波長λが20.5aであるものが増幅される。この場合、上記方向に進行する波長λの光のうち、或る第1格子点1251又はそこから所定距離だけずれた位置にある異屈折率領域122Aで反射して進行方向が180°変化した第1の光(図10中の太実線の矢印)と、該第1格子点1251から基本並進ベクトルa2↑の方向に0.5aずれた位置に配置された第2格子点1252にある第2異屈折率領域123で反射して進行方向が180°変化した第2の光(図10中の太破線の矢印)の光路長の差は2-0.5aとなる。なお、図10中に示した一点鎖線の線上では、a1↑及びa2↑に対して45°の方向に進行する光が同位相となるため、ここではこの一点鎖線の位置を基準として光路長を定めている。これら第1の光と第2の光は、このように光路長の差が2-0.5aとなることにより、干渉により弱められる(この例では消失する)。そのため、異屈折率領域や第2異屈折率領域において進行方向が180°以外の方向に変化する光の強度が相対的に大きくなり、2次元フォトニック結晶層12A内の広い面積で安定したレーザ発振を得ることができる。
 次に、第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにつき、1次元結合係数κ1D及び2次元結合係数κ2Dを計算で求めた。1次元結合係数κ1Dは2次元フォトニック結晶層12A内において特定の方向に進行する光同士の相互作用の大きさを示す係数であるのに対して、2次元結合係数κ2Dは2次元フォトニック結晶層12A内において互いに異なる方向に進行する光同士の相互作用の大きさを示す係数である。1次元結合係数κ1Dが小さいほど、また、2次元結合係数κ2Dが大きいほど、2次元フォトニック結晶層内において光が2次元状に拡がりやすく、広い面積で安定したレーザ発振が得られやすいことを意味する。ここでは、第2異屈折率領域123の面積が異なる多数の例で計算を行った。第2異屈折率領域123の面積が大きいほど、第2異屈折率領域123が1次元結合係数κ1D及び2次元結合係数κ2Dに与える影響が顕著に現れることを意味する。
 1次元結合係数κ1Dの計算結果を図11(a)のグラフに、2次元結合係数κ2Dの計算結果を図11(b)のグラフに、それぞれ示す。これらのグラフにおいて横軸は、第2異屈折率領域123の面積を正方格子の周期長aの2乗で除した値で示している。これらの計算結果より、第2異屈折率領域123の面積が大きくなるほど、1次元結合係数κ1Dは顕著に減少してゆくのに、2次元結合係数κ2Dは徐々に減少してゆくものの1次元結合係数κ1Dよりも緩やかな減少に留まっていることがわかる。この結果は、2次元フォトニック結晶層内において広い面積で安定したレーザ発振が得られやすいことを示している。また、この結果は、基本並進ベクトルa1↑及びa2↑に対して45°の方向に進行する波長λが20.5aの光が異屈折率領域122A及び第2異屈折率領域123で180°反射されることによって干渉して弱められることを反映していると考えられる。
 次に、第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにつき、放射係数を計算で求めた。放射係数は、2次元フォトニック結晶層中に導波モードとして存在する光のうち、長さLを導波する間に回折によって2次元フォトニック結晶層に垂直又は垂直から傾斜した方向に放射される光の割合を{exp(αvL)-1}で表したときの係数αvである。放射係数αvが小さいほど、2次元フォトニック結晶層12A内に光を閉じ込め易く、それによりレーザ発振が生じ易くなる。計算結果を図12に示す。2次元フォトニック結晶層12A内ではフォトニックバンドのバンド端付近においてモードA~Dの4つの発振モードが生じ得る。第2異屈折率領域123の面積に依らず、モードA及びBの放射係数αvよりもモードC及びDの放射係数αvの方が十分に大きくなっている。そのため、モードC及びDによるレーザ発振が生じ難く、不要な高次モードによるレーザ発振を抑制することができる。
 次に、第2実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにつき、2次元フォトニック結晶層12A内での電界分布を計算で求めた。この計算では、第2異屈折率領域123の面積を0.03a2とした。比較のために、2次元フォトニック結晶層12Aから第2異屈折率領域123を除いた構成を有する2次元フォトニック結晶層を備える場合についても同様の計算を行った。前者の計算結果を図13(a)に、後者の計算結果を図13(b)に、それぞれ示す。図13では、電界の方向を矢印の向きで、電界の大きさを矢印の長さで、それぞれ示している。図13より、(a)と(b)の間には目立った相違は見られず、第2異屈折率領域123の有無は電界にさほど影響を与えていないことがわかる。
 ここまでに述べた第2実施形態では、第1格子点1251とそれに最近接の第2格子点1252の距離を0.5aとしたが、この距離は0.25aよりも大きく且つ0.75aよりも小さければよい。このように第1格子点1251と第2格子点1252の距離を設定することにより、波長λが20.5aであって基本並進ベクトルa1↑及びa2↑に対して45°の方向に進行する光のうち第1格子点1251又はそこから所定距離だけずれた位置にある異屈折率領域122Aで180°反射された光と、第2格子点1252にある第2異屈折率領域123で180°反射された光が干渉により(完全には消失しなくとも)弱めることができる。
 また、ここまでに述べた第2実施形態では第2異屈折率領域123を第2格子点1252に配置したが、第2異屈折率領域123は第2格子点1252毎に異なるずれ量(ベクトル値)で該第2格子点1252からずれて配置されていてもよいし、その面積も第2格子点1252毎に異なっていてもよい。
(3) 第3実施形態(第1の態様の広断面積レーザ)
 第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザは、2次元フォトニック結晶層の構成を除いて、第1実施形態の2次元フォトニック結晶レーザ10と同様の構成を有する。以下では、第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおける2次元フォトニック結晶層12Bの構成を説明する。
 2次元フォトニック結晶層12Bは図14に示すように、平面形状が(その面積を含めて)互いに等しい多数の異屈折率領域122Bが、格子点周期aの正方格子の格子点(同図で縦と横の一点鎖線が交差する点)からずれた位置に配置されている。このずれを明示するために、図15に、正方格子(一点鎖線)と共に、異屈折率領域122Bの平面形状における重心Gの位置を黒丸で示す。各重心Gは、いずれも正方格子の格子点から等しい距離dだけずれている。一方、重心Gと格子点を結ぶ線分(図15中の太実線)は、格子点毎に異なる方向を向いている。この方向を、格子点が格子点周期aで並ぶ2方向のうちの一方(図15中に示したx方向とする)に延びる直線を基準線として、該基準線に対する角度Ψで規定する。この例では角度Ψのみを変調する(距離dや異屈折率領域122Bの面積は変調しない)ため、角度Ψが変調位相に該当する。格子点毎の角度Ψの相違を見ると、角度Ψはx方向に向かって所定の変調周期で周期的に変化しつつ、その変調周期は徐々に短くなっている。それにより、隣接する格子点間の位相差(角度Ψの差)はx方向に向かって、Ψ0+δ、Ψ0+2δ、Ψ0+3δ…と増加している。y方向(前記2方向のうちのx方向とは異なる方向)についても同様に、角度Ψはy方向に向かって所定の変調周期で周期的に変化しつつ、その変調周期は徐々に短くなっている。
 なお、図14では平面形状が正三角形である異屈折率領域122を示したが、異屈折率領域122の平面形状はこれには限定されない。
 図16に、異屈折率領域122Bの重心Gにつき、正方格子の格子点からのずれが図15とは異なる例を示す。この例における異屈折率領域122Bの平面形状は図14に示したものと同じである。この例では、重心Gが格子点からずれる方向はいずれの格子点においてもx方向から同じ角度ξ(0°<ξ<90°)だけ(y方向からは(ξ-90)°)ずれた方向であって、重心Gが格子点からずれる距離dはx方向に向かって所定の変調周期で周期的に変化しつつ、その変調周期は徐々に短くなっている。図16の例では、各格子点における距離dはx方向に向かってdmaxsinΨ0、dmaxsin(2Ψ0+δ)、dmaxsin(3Ψ0+3δ)、dmaxsin(4Ψ0+6δ)…と変化してゆき、隣接する格子点間の距離の変化の位相差はΨ0+δ、Ψ0+2δ、Ψ0+3δ…と増加している。格子点毎の距離dの変化はy方向についても同様である。
 なお、角度ξは-90°<ξ<0°の範囲内としてもよい。-90°<ξ<0°及び0°<ξ<90°の場合には、重心Gが格子点からずれる方向はx方向及びy方向とは異なる方向となり、それによって後述の付加的な効果を奏する。この付加的な効果を考慮しない場合には、重心Gが格子点からずれる方向はx方向又はy方向としてもよい。
 図17に、2次元フォトニック結晶層12Bのさらに別の例を示す。この2次元フォトニック結晶層12Bでは、異屈折率領域122Bはいずれも重心が正方格子上に配置されている。各異屈折率領域122の平面形状は相似形であって互いに異なる面積Sを有する。この面積Sは、x方向に向かって所定の変調周期で周期的に変化しつつ、その変調周期は徐々に短くなっている。図4の例では、各格子点における各異屈折率領域122の平面形状の面積SはS=S0+S'sinΨで表され、Ψはx方向に向かってΨ0、2Ψ0+δ、3Ψ0+3δ、4Ψ0+6δと変化してゆき、隣接する格子点間の距離の変化の位相差はΨ0+δ、Ψ0+2δ、Ψ0+3δ…と増加している。y方向も同様である。
 ここまでに示した3つの例では、異屈折率領域122Bの重心の正方格子の格子点からの位置ずれの向き、位置ずれの距離、又は異屈折率領域122Bの面積のいずれか1つをx方向及びy方向に向かってそれぞれ変調周期を短くしているが、それら3つのうちの2つ及び3つを組み合わせて同様の変化を形成してもよい。
 第1電極171及び第2電極172の面積は、2次元フォトニック結晶層12Bのうち、位置ずれの向き、位置ずれの距離、又は面積が互いに異なる多数の異屈折率領域122Bが存在する範囲に亘って電流が注入されるように設定されている。
 次に、第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザの動作を説明する。第1電極171と第2電極172の間に所定の電圧を印加することにより、両電極から活性層11に電流が注入される。これにより、活性層11から、活性層11の材料に応じた所定の波長帯内の波長を有する発光が生じる。こうして生じた発光は、電流が注入される領域の大きさに対応して、2次元フォトニック結晶層12Bのうち、位置ずれの向き、位置ずれの距離、又は面積が互いに異なる多数の異屈折率領域122Bが存在する範囲に亘って導入される。そして、2次元フォトニック結晶層12内において、正方格子の格子点周期aに対応した共振波長の光が共振することで選択的に増幅され、レーザ発振する。
 発振したレーザ光は、2次元フォトニック結晶層12Bの両表面からそれぞれ2次元フォトニック結晶層12B外へ出射する。それらのうち第1電極171側に出射したレーザ光は第1電極171で反射され、第2電極172の窓部1722から2次元フォトニック結晶レーザ10の外に出射する。第2電極172側に出射したレーザ光は直接、第2電極172の窓部1722から2次元フォトニック結晶レーザの外に出射する。
 2次元フォトニック結晶層12B上の各点(x, y)から出射するレーザビームと2次元フォトニック結晶層12Bの法線とが成す角度である出射角θ(x, y)、及び該レーザビームの2次元フォトニック結晶層12B表面への射影と該表面に平行な基準線との成す角度である方位角φ(x, y)は、該レーザビームが出射する2次元フォトニック結晶層12B上の位置における変調に依存する。これら出射角θ及び方位角φは以下のように求められる(特許文献1参照)。
 まず、各格子点における変調位相Ψを求める。変調位相Ψは、格子点からのずれの距離dを変調させる場合にはd=dmaxsinΨ(dmaxはずれの最大値)の関係を満たすΨが該当し、異屈折率領域の面積Sを変調させる場合にはS=S0+S'sinΨ(S0は面積の平均値S'は面積の変調の振幅)の関係を満たすΨが該当する。特許文献1に記載の変調位相Ψを適用すると、2次元フォトニック結晶層内における波長λLの光の波数ベクトルk↑=(kx, ky)、2次元フォトニック結晶層の有効屈折率neff、及び2次元格子の所定の基準線からの方位角φを用いて表される逆格子ベクトルG'↑=(g'x, g'y)=(kx±|k↑|(sinθcosφ)/neff, ky±|k↑|(sinθsinφ)/neff)と、各格子点の位置ベクトルr↑とを用いて、
 Ψ=r↑・G'↑
で表される。
 第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザにおける2次元フォトニック結晶層12Bでは、異屈折率領域122が正方格子状に配置されている。正方格子の場合の位置ベクトルr↑は整数mx, myを用いてr↑=(mxa, mya)、波数ベクトルk↑はk↑=(π/a, π/a)、逆格子ベクトルG'=(g'x, g'y)は
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000012
と表されることから、各格子点の変調位相Ψは
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000013
となる。
 (17)式より、x方向に隣接する2つの格子点(na, mya)と((n+1)a, mya)(myは2つの格子点で同じ値であれば任意)間の変調位相Ψの差はsinθに依存する。y方向に隣接する2つの格子点間の変調位相Ψの差も同様である。従って、2次元フォトニック結晶層12B内でx方向及びy方向のそれぞれにおいて正又は負のいずれか一方向に移動するのに従ってθの値が0~90°の範囲内で増加するように変調位相Ψを設定すると、隣接格子点間の変調位相Ψの差は増加してゆく。これは、変調周期が短くなってゆくことに相当する。これにより、2次元フォトニック結晶層12Bから出射する位置が前記一方向に移動するのに従って大きくなるように、レーザビームの出射角θが設定される。このような出射角θの異なるレーザビームが束になって2次元フォトニック結晶レーザの外に放出されるため、対象物に対して広い範囲に亘ってレーザ光を照射することができる。
 ここでは正方格子の場合を例として説明したが、長方格子や三角格子の場合も同様である。
 ここまでは特許文献1に記載の変調位相Ψを用いて説明したが、特許文献2に記載の手法を用いることにより、より精密な変調位相Ψを得ることができる。この手法によれば、2次元格子が正方格子である場合には、逆格子ベクトルG'(x, y)↑の各成分は
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000014
となり、位置(x, y)毎の変調位相Ψ(x, y)は上記(6)式で表される。第3実施形態において、(6)式を用いて各格子点における変調位相Ψ(x, y)を求めてもよい。
 図18(a)及び(b)に、第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザから出射したレーザビームの断面を図示する。(a)及び(b)では、2次元フォトニック結晶層12B内で出射角θが10°から±2°(全体で4°、(a)の場合)又は±4°(全体で8°、(b)の場合)の範囲内で変化するように変調を設定した2次元フォトニック結晶レーザを作製し、出射したレーザビームの断面を撮影した。(c)では、2次元フォトニック結晶層12B内で出射角θが25°から±15°(全体で30°)の範囲内で変化するように変調を設定した2次元フォトニック結晶レーザにつき、レーザビームの断面を計算で求めた。比較のために、図19に、特許文献2に記載のものと同様の2次元フォトニック結晶レーザであって、2次元フォトニック結晶層12の全体から10°の出射角θで出射したレーザビームの断面を撮影した写真を示す。いずれも、方位角が互いに180°異なる2本のレーザビームが出射している。図19に示した比較例よりも図18(a)~(c)に示した第3実施形態の方が、ビームが出射する範囲が拡がっていることがわかる。
 ここまでは2次元フォトニック結晶層12B内の位置に依って変調周期を変化させることでレーザビームを拡径する例を説明したが、異屈折率領域の重心の位置を格子点からずらす方向が、格子点が所定の格子点周期で並ぶ方向から傾斜している場合には、変調周期を変化させるか否かを問わず(図16に示した例では変調周期を変化させている)、単一の共振モード及び単一の偏光を有するレーザビームを出射させることができる。
 図20に、各格子点において、正方格子の格子点と異屈折率領域の重心の距離及び異屈折率領域の面積を変調させ(変調周期の変化は導入せず)、格子点が格子点周期aで並ぶ方向のうちの一方に対する、格子点と重心を結ぶ直線の傾きの角度ξが異なる複数の例について、2次元フォトニック結晶が有する複数のフォトニックバンドの各々における放射係数を計算した結果を示す。ここで放射係数は、2次元フォトニック結晶層中に導波モードとして存在する光のうち、単位長さを導波する間に回折によって放射される光の割合をいう。放射係数が小さいほど、2次元フォトニック結晶層内に光を閉じ込め易くなるため、レーザ発振が生じ易くなる。
 図20からわかるように、角度ξが0°以外のときには複数のフォトニックバンドのうちバンド端Aの放射係数が最も小さくなる。また、角度ξを0°から増加させてゆくに従ってバンド端Aの放射係数と、その次に放射係数が小さいバンド端Bとの放射係数の差が大きくなる。これらの結果より、角度ξを大きくするほど、バンド端A単独でのレーザ発振が生じ易くなることがわかる。これにより、単一の共振モード及び単一の偏光を有するレーザビームを出射させることができる。
(4) 第4実施形態(2次元フォトニック結晶レーザアレイ)
 次に、第4実施形態として、2次元フォトニック結晶レーザアレイの一実施形態を説明する。この2次元フォトニック結晶レーザアレイ20は、第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザを複数個有する。但し、後述のように、第1電極171及び第2電極172の形状は第3実施形態のものとは異なる。図21(a)及び(b)の平面図では、各2次元フォトニック結晶レーザ(同図中に符号「10B」を付す)を破線で示している。2次元フォトニック結晶層12Bにおける変調は2次元フォトニック結晶レーザ10B毎に異なっており、それにより、各2次元フォトニック結晶レーザ10Bから出射するレーザビームの出射角の範囲も異なっている。
 2次元フォトニック結晶レーザアレイ20はさらに、正方形の導電体製の平板から成る第1集合電極21と、正方形の導電体製の平板221に複数の孔222が形成されたメッシュ電極である第2集合電極22とを有する。これら第1集合電極21及び第2集合電極22と、図示せぬ電源により、前記電流供給部が構成される。2次元フォトニック結晶レーザ10Bの各々は、第2集合電極22の孔222のうちの1つを塞ぐように設けられており、孔222の周囲の平板221の部分に基板16が接している。また、第1集合電極21には、各2次元フォトニック結晶レーザ10Bの第1クラッド層141が接している。従って、各2次元フォトニック結晶レーザ10Bでは、第1集合電極21及び第2集合電極22が第1電極及び第2電極の役割を有している。なお、各2次元フォトニック結晶レーザ10Bに第1電極及び第2電極を別途設けたうえで、各第1電極と第1集合電極21を接続し、各第2電極と第2集合電極22を接続するようにしてもよい。
 第4実施形態の2次元フォトニック結晶レーザアレイ20では、図示せぬ電源から第1集合電極21と第2集合電極22の間に電流を流すと、各2次元フォトニック結晶レーザ10Bに電流が供給され、それによって、2次元フォトニック結晶レーザ10B毎に異なる出射角で拡がりをもったレーザビームが生成される。生成されたレーザビームは、第1集合電極21の孔222を通して外部に放出される。これにより、1個の2次元フォトニック結晶レーザ10Bを用いる場合よりも広い範囲に、均一に近い強度でレーザ光を照射することができる。
 図22に、本実施形態の2次元フォトニック結晶レーザアレイ20から出射したレーザビームの断面を撮影した写真を示す。出射角θが10°から±15°(全体で30°)の範囲内で拡がったレーザビームが得られている。これは、このレーザビームの拡がりは、単独の2次元フォトニック結晶レーザ10Bから出射したレーザビームよりも広い。
 第1集合電極21及び第2集合電極22の形状は上記のものには限定されない。例えば、第1集合電極21を円形の平板とし、第2集合電極22を円形の平板に多数の孔を設けたものとしてもよい。また、図21(b)に示した例では第2集合電極22の1個の孔222につき2次元フォトニック結晶レーザ10Bを1個配置しているが、図23(a)に示す第2集合電極22Aのように、1個の孔222Aにつき2次元フォトニック結晶レーザ10Bを複数個(同図の例では4個)配置してもよい。さらには、図21(b)に示した例では第2集合電極22に孔222を2次元状に配置したが、図23(b)に示す第2集合電極22Bのように、孔222Bを1次元状に配列してもよい。この場合、孔222Aの形状は、孔222Aの配列方向に対して垂直な方向に長いライン状(スリット状)とすることが好ましい。
 図24に、変形例の2次元フォトニック結晶レーザアレイ20Aを示す。この2次元フォトニック結晶レーザアレイ20Aでは、100個の2次元フォトニック結晶レーザ10Bを10行×10列に並べて配置し、2次元フォトニック結晶レーザ10B同士の間を真性半導体であるi型GaAsから成る絶縁層24により絶縁している。各2次元フォトニック結晶レーザ10Bの第2電極172Bの外側には、n型半導体であるn型GaAsから成るカバー層23が設けられており、そのカバー層23の外側には、前記絶縁層24が、2次元フォトニック結晶レーザ10B同士の間の部分と一体のものとして形成されている。n型GaAsやi型GaAsは、2次元フォトニック結晶レーザ10Bで生成されたレーザ光を透過することが可能な材料である。
 2次元フォトニック結晶レーザ10Bのうち、行方向に並ぶ10個の2次元フォトニック結晶レーザ10Bは、導電性の接続部材173によって、第1電極171が一方の側で隣接する2次元フォトニック結晶レーザ10Bの第2電極172Bと電気的に接続されると共に、第2電極172Bが他方の側で隣接する2次元フォトニック結晶レーザ10Bの第1電極171と接続されている。これにより、図24(c)に示すように、行方向に並ぶ10個の2次元フォトニック結晶レーザ10Bは直列に接続される。一方、列方向に関しては、いずれの2次元フォトニック結晶レーザ10Bも隣接する2次元フォトニック結晶レーザ10Bと電気的に絶縁されている。なお、図24(a)では接続部材173の図示を省略している。また、第2電極172Bは、接続部材173との接続部を確保するために、図1に示した第2電極172よりも2次元面の外方に拡張するように形成されている。
 図25に、変形例の2次元フォトニック結晶レーザアレイ20Aから出射したレーザビームの断面を撮影した写真を示す。なお、2次元フォトニック結晶レーザアレイ20Aからは、互いに方位角が180°異なる2つのレーザビームが出射するが、図25ではそのうちの一方のみを示している。この図より、前述の2次元フォトニック結晶レーザアレイ20から出射するレーザビーム(図22)よりも強度が大きく、位置毎の強度の均一性が高いといえる。図26及び図27にはそれぞれ、変形例の2次元フォトニック結晶レーザアレイ20Aから出射したレーザビームの電流-出力特性及び発振スペクトルを示す。いずれも、レーザとしての十分な特性が得られている。
(5) 第5実施形態(第2の態様の広断面積レーザ)
 次に、第2の態様の2次元フォトニック結晶レーザの実施形態を説明する。その前提として、2次元フォトニック結晶層が基本変調状態を有する(基本変調状態から本発明におけるずれ量又は/及び面積の調整がなされていない)、図16に示した構造の2次元フォトニック結晶層12Bを有する第3実施態様の2次元フォトニック結晶レーザの例を検討する。この例では、重心Gが格子点からずれる距離dはx方向に向かって所定の変調周期で周期的に変化しつつ、その変調周期は徐々に短くなっている。具体的には、各格子点における距離dはx方向及びy方向においてそれぞれ、正の方向に向かってdmaxsinΨ0、dmaxsin(2Ψ0+δ)、dmaxsin(3Ψ0+3δ)、dmaxsin(4Ψ0+6δ)…のように変化してゆき、隣接する格子点間の距離の変化の位相差はΨ0+δ、Ψ0+2δ、Ψ0+3δ…と増加している。この変調位相はxの正の方向及びyの正の方向に向かって連続的に増加している基本変調状態にある。
 このような基本変調状態にある2次元フォトニック結晶層を有する2次元フォトニック結晶レーザは、図18の遠視野像の計算結果に示すように、方位角が互いに180°異なる2本の広断面積レーザビームを出射する。図18(c)に示した例では、広断面積レーザビームは傾斜角が30°(±15°)の範囲内で広がっている。得られた広断面積レーザビームの断面は円形であって、この円の中心から遠ざかるに従って強度が弱くなっている。
 そこで、より均一な強度分布を有する広断面積レーザビームとして、傾斜角がx方向に30°、y方向に30°それぞれ広がった正方形状の断面を有し、その断面内で、強度が均一に分布し、且つ前記基本変調状態にある、第3実施形態における2次元フォトニック結晶層から得られる遠方での位相分布を有する仮想的な広断面積レーザビームを考える。そして、この仮想的な広断面積レーザビームにおける、2次元フォトニック結晶層12Bから十分に離れた位置における電界分布である目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)をモデルとして立てる。上記(8)式を用いてこの目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)を逆フーリエ変換することにより、2次元フォトニック結晶層12内の各位置から放射される(それら各位置における)電界分布である目標放射電界分布Erad_iFFT(r↑)を計算で求めた。そのうえで、2次元フォトニック結晶層12から放射される放射電界分布Erad(r↑)が目標放射電界分布Erad_iFFT(r↑)に近づくように、各格子点における変調位相Ψ(r↑)を調整する。本実施形態では、上記(9)式を用いて各格子点r↑=(x, y)における変調位相Ψ(r↑)を定めた。
 そして、調整後の2次元フォトニック結晶層12内の各位置から放射される放射電界分布Erad(r↑)を求めたうえで、この放射電界分布Erad(r↑)を用いて上記(7)式より遠方電界分布Efar(r↑)を求め、得られた遠方電界分布Efar(r↑)における電界の位相分布を適用することで目標遠方電界分布Efar_iFFT(K↑)における電界の位相分布を更新し、放射電界分布Erad(r↑)が目標放射電界分布Erad_iFFT(r↑)に近づくように変調位相Ψ(r↑)を調整するという操作を繰り返し実行した。
 図28に、変調位相Ψ(r↑)の調整を1回行った(前段落の末尾までの操作)後の2次元フォトニック結晶層12から出射する広断面積ビームの遠視野像の計算結果を示す。また、図29に、図28に2本示されている広断面積ビームのうちの下側のものにおける右下の部分を拡大した図を示す。図28より、広断面積ビームの断面の形状は、前述の仮想的な広断面積ビームと同様の正方形になっていることがわかる。但し、図29に示した拡大図から分かるように、強度分布には干渉によると考えられる周期的な模様が見られる。図30には、上記した繰り返しの操作を20回実行した後の広断面積ビームの遠視野像の計算結果を示す。図30では図28及び図29のときよりも改善され、正方形の断面内でレーザ光の強度がほぼ均一になっていることがわかる。
 本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
 例えば、図6~図8に示した例では100本のレーザビームによるスポットが縦及び横にほぼ均等な間隔で並ぶように形成されているが、重ね合わせる変調周期の個数や各変調周期の大きさを適宜変更することにより、レーザビームの本数やスポットの配置を適宜変更することができる。また、図29、図30に示した例では傾斜角がx方向に30°、y方向に30°の角度範囲内にそれぞれ拡がった、強度が均一な正方形状の広断面積ビームが形成されているが、2次元フォトニック結晶の変調位相を適宜変更することにより、広断面積ビームの形状や本数を適宜変更することができる。これらの手法を応用して、スポットの配置を変更することによって文字やマーク等を表示させることができる。図31(a)~(c)に、そのような文字やマーク等を表示させた例を示す。
 第4実施形態の2次元フォトニック結晶レーザアレイでは、第3実施形態の2次元フォトニック結晶レーザを複数個用いたが、その代わりに、第1、第2又は第5実施形態の2次元フォトニック結晶レーザを複数個用いてもよい。また、第1~第3及び第5実施形態のうちの複数の実施形態の2次元フォトニック結晶レーザを合わせて複数個用いて2次元フォトニック結晶レーザアレイを構成してもよい。
10、10B…2次元フォトニック結晶レーザ
11…活性層
12、12A、12B…2次元フォトニック結晶層
121、121A…母材
122、122A、122B…異屈折率領域
123…第2異屈折率領域
1251…第1格子点
1252…第2格子点
13…スペーサ層
141…第1クラッド層
142…第2クラッド層
16…基板
171、171A…第1電極
172、172A、172B…第2電極
1721、1721A…第2電極の枠部
1722、1722A…第2電極の窓部
173…接続部材
20、20A…2次元フォトニック結晶レーザアレイ
21…第1集合電極
22、22A、22B…第2集合電極
221…第2集合電極の平板
222、222A、222B…第2集合電極の孔
23…カバー層
24…絶縁層

Claims (12)

  1.  a) 1対の電極と、
     b) 前記1対の電極の間に設けられ、前記電極から電流が注入されることにより所定波長の光を生じさせる活性層と、
     c) 前記1対の電極のうちのいずれか一方と前記活性層の間に設けられ、板状の母材と、該母材に配置された該母材とは屈折率が異なる複数の異屈折率領域とを有する2次元フォトニック結晶層と
    を備え、
     前記複数の異屈折率領域は、前記所定波長に対応する周期で前記母材に周期的に配置された2次元格子の各格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれて配置されており、又は/及び、それぞれ異なる面積で前記各格子点に配置されており、
     前記複数の異屈折率領域のそれぞれのずれ量又は/及び面積は互いに異なる複数の周期を重ね合わせた複合変調周期で変調しており、前記2次元格子の各格子点の位置を示すベクトルr↑並びに互いに傾斜角及び/又は方位角が異なるn(nは2以上の整数)本の各々レーザビームの該傾斜角及び該方位角の組み合わせを示すベクトルkn↑、並びにn毎に定められる振幅An及び位相exp(iαn)を用いて示される変調位相Ψ(r↑)
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
    で表され、
     nの値毎の前記振幅An及び/又は位相exp(iαn)は、少なくとも異なる2つのnの値において互いに異なる
     ことを特徴とする2次元フォトニック結晶レーザ。
  2.  前記変調位相Ψ(r↑)に補正係数が付加されていることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  3.  前記位相exp(iαn)がnの値毎にランダムに設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  4.  前記振幅Anが、nの値が異なる項毎に異なる値を有することを特徴とする請求項3に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  5.  前記2次元格子が正方格子であって、
     さらに、前記2次元格子と同じ周期長aを有し該2次元格子からずれた正方格子の格子点である第2格子点に、又は該第2格子点からそれぞれ異なるずれ量でずれた位置に、前記母材とは屈折率が異なる第2異屈折率領域が配置されている
     ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  6.  前記第2格子点が、前記2次元格子の格子点から該2次元格子の基本並進ベクトルのうちの1つと同じ方向に0.25aよりも大きく0.75aよりも小さい距離だけずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  7.  前記2次元格子が正方格子であって、
     前記2次元格子の各格子点に、前記複数の異屈折率領域のそれぞれが該格子点から所定の一方向又は該一方向と180°異なる方向にずれて配置されており、該一方向が、前記2次元フォトニック結晶層に平行であって、前記格子点が前記周期長で並ぶ2方向の双方から傾斜した方向である
     ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  8.  前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記複数の異屈折率領域のそれぞれの前記変調位相Ψ(r↑)が周期的に変化するように変調されており、該変調周期が連続的に増加又は減少していることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  9.  前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記複数の異屈折率領域のそれぞれの前記変調位相Ψ(r↑)が所定の変調周期で周期的に変化するように変調され、該変調周期が連続的に増加又は減少している基本変調状態において該2次元フォトニック結晶層から放射される電界の分布を示す放射電界分布よりも、該2次元フォトニック結晶層から離れた位置において形成しようとする所定の目標遠方電界分布を逆フーリエ変換することにより求められる目標放射電界分布に近くなるように、前記基本変調状態から前記変調位相Ψ(r↑)が調整されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
  10.  互いに前記変調が異なる複数個の、請求項1~9のいずれか1項に記載の2次元フォトニック結晶レーザと、
     前記複数個の2次元フォトニック結晶レーザの各々に設けられた前記1対の電極に同時に電流を供給する電流供給部と
     を備える特徴とする2次元フォトニック結晶レーザアレイ。
  11.  前記電流供給部が、導電性を有する板材に複数の孔が形成されたメッシュ電極を備え、
     該複数の孔の各々に前記2次元フォトニック結晶レーザが配置されており、
     該複数の孔の各々において、該孔の周囲の板材が、前記第1電極若しくは前記第2電極に接続されているか又は前記第1電極若しくは前記第2電極である
     ことを特徴とする請求項10に記載の2次元フォトニック結晶レーザアレイ。
  12.  a) 少なくとも一方が複数の部分電極を備える電極群から成る1対の電極群と、
     b) 前記1対の電極群の間に設けられ、前記複数の部分電極のうちの一部から電流が注入されることにより、該電流が注入される部分電極に対応する位置に所定波長λLを含む光を生じさせる活性層と、
     c) 前記1対の電極群のうちのいずれか一方と前記活性層の間に設けられ、板状の母材と、該母材内に配置された該母材とは屈折率が異なる複数の異屈折率領域とを有する2次元フォトニック結晶層と
    を備え、
     前記所定波長λLに対応する格子点周期で格子点が周期的に配置された正方格子の各格子点に、前記複数の異屈折率領域のそれぞれが該格子点から所定の一方向又は該一方向と180°異なる方向にずれて配置されており、該一方向が、前記2次元フォトニック結晶層に平行であって、前記格子点が前記格子点周期で並ぶ2方向の双方から傾斜した方向であって、
     前記2次元フォトニック結晶層に平行な方向に向かって、前記複数の異屈折率領域のそれぞれの該格子点からの距離又は/及び平面形状の面積が所定の変調周期で周期的に変化するように変調されており、該変調周期が前記2次元フォトニック結晶層内の位置によって異なる
     ことを特徴とする2次元フォトニック結晶レーザアレイ。
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