JPH11186657A - フォトニックバンド構造を有する垂直共振器レーザ - Google Patents

フォトニックバンド構造を有する垂直共振器レーザ

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JPH11186657A
JPH11186657A JP9365886A JP36588697A JPH11186657A JP H11186657 A JPH11186657 A JP H11186657A JP 9365886 A JP9365886 A JP 9365886A JP 36588697 A JP36588697 A JP 36588697A JP H11186657 A JPH11186657 A JP H11186657A
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active layer
photonic band
vertical cavity
cavity laser
dimensional
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JP9365886A
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Hajime Sakata
肇 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性層の垂直方向に加えて、活性層面内全方向
にも自然放出光を制御する構造を備えて低闘値で低消費
電力の動作を可能とするフォトニックバンド構造を有す
る垂直共振器レーザである。 【解決手段】フォトニックバンド構造を有する垂直共振
器レーザは、化合物半導体から形成されてなる垂直共振
器レーザである。活性層11が周期的多層膜半導体層か
ら形成されていることで、光共振器が活性層11の垂直
方向に形成されている。活性層11を含む半導体層に二
次元屈折率周期構造21、22を備えていることで、活
性層11を含む半導体層面内には発光波長に対して光学
的伝播禁止帯(フォトニックバンドギャップ)が形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定波長の光の発
生や伝播が二次元ないし三次元の空間において制御され
る構造、即ち光の波長程度の周期の屈折率周期構造であ
るフォトニック結晶のいわゆるフォトニックバンド構造
を利用して、光放射特性を制御したレーザ光源等に関す
るものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】従来、放射波長を制御し、且
つ発振閾値を低減させる構造として、例えば、図5に示
すような一対の多層膜反射鏡61、62を活性層63を
挟んで基板64の垂直方向に設けた垂直共振器レーザが
知られている。その中で、2つの多層膜反射鏡61、6
2の間隔(実効的共振器長)を放射波長程度としたレー
ザ構造は自然放出光の制御まで可能ないわゆる微小共振
器レーザの一種としても知られている。このとき、活性
層63から放射される光は、多層膜反射鏡61、62間
で共振されるモードと結合して、基板64の上下方向に
放出される。
【0003】上記した従来の垂直共振器レーザでは、活
性層63からの自然放出光のうち活性層面内方向の光に
対しては光共振器効果もなく、自然放出光の大半が損失
となる。そのため、Japanese Journal of Applied Phys
ics 30, L602(1991)などでは発光領域の周囲を金で被覆
することで、活性層面内水平方向に放出した光を発光領
域に反射して戻す構造が工夫されていた。また、特開平
08−213711号公報では、フォトニック構造を有
するマイクロキャビティー光源において一対の共振鏡に
挟まれた活性層を同心円状として、活性層面内方向の発
光制御を行おうとする構成が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、発
光領域の周囲を金属膜で覆う水平方向の光閉じ込めは、
レーザ放射波長を制御した垂直方向への光閉じ込めと比
較すると、自然放出光の制御までは不可能であり、発光
領域壁面でのエネルギー損失も無視できない。これは、
発光領域の直径が通常10μm程度と放射波長に比べて
大きいこと、一度放出した光の再利用しかできないこ
と、円筒状あるいは円錐状の発光領域側面は滑らかでな
く、金属反射をもってしても散乱による損失が避けられ
ないこと、などによる。
【0005】また、特開平08−213711号公報の
同心円状活性層による放射光制御は、各同心円の法線方
向にしか有効でなく、完全な面内自然放出光制御は困難
である。
【0006】そのため、従来の構造では、活性層内部の
エネルギーは垂直方向の光共振器から横方向へ漏れ出す
ため、すべての放出光を基板上方(あるいは下方)から
取り出せず、光の損失は避けられなかった。このこと
が、光源の発振閾値の上昇、消費電力の増大を招いてい
た。
【0007】従って、本発明の目的は、活性層の垂直方
向に加えて、活性層面内全方向にも自然放出光を制御す
る構造を備えることによって、発光の方向が制限ないし
制御され、且つ低閾値で低消費電力の動作を可能とする
フォトニックバンド構造を有する垂直共振器半導体レー
ザを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のフォトニックバンド構造を有する垂直共振器レーザ
は、化合物半導体から形成されてなる垂直共振器レーザ
であって、活性層が周期的多層膜半導体層から形成され
ていることで、光共振器が該活性層の垂直方向に形成さ
れていて、且つ、活性層を含む半導体層に二次元屈折率
周期構造を備えていることで、活性層を含む半導体層面
内には発光波長に対して光学的伝播禁止帯(フォトニッ
クバンドギャップ)が形成されていることを特徴とす
る。
【0009】より具体的には以下の様にもできる。前記
周期的多層膜からなる活性層は高屈折率層および低屈折
率層がそれぞれ発光波長の4分の1の実効的厚さで一組
となって繰り返し成膜されてなる分布帰還構造である。
発光の活性層として寄与するのは、一般にバンドギャッ
プの狭い高屈折率層側である。但し、各層の厚さが10
0nm以下になると量子効果が生じてくるため、高屈折
率層(狭いバンドギャップ)が量子井戸として働き、低
屈折率(広いバンドギャップ)が量子障壁として機能す
ることもある。このときは多層膜活性層が、光学的反射
膜の役目に加えて、多重量子井戸層として振る舞うこと
になる。
【0010】また、前記周期的多層膜からなる活性層の
中心に、実効的層厚が発光波長の2分の1である領域を
設けると、光共振器の帰還位相がブラッグ波長で一致す
るため、ブラッグ波長を中心に鋭い発振ピークが得られ
る。この状態では、直接変調をかけたときにも発振モー
ドが安定化する効果がある。
【0011】また、前記活性層を含む半導体層の二次元
屈折率周期構造は、六方格子状、正方格子状などに配置
された二次元ロッド列をなしていたり、前記活性層を含
む半導体層内に六方格子状、正方格子状などに配置され
た二次元ホール列が形成されることで形成されている。
前記二次元ロッド列は、空気、窒素、高分子材料(ポリ
イミドなど)、誘電体(SiNx、AlN、Al23
MgO、SiO2など)等によって周囲が充填されてい
たり、前記二次元ホール列は、空気、窒素、高分子材料
(ポリイミドなど)、誘電体(SiNx、AlN、Al2
3、MgO、SiO2など)等によって充填されていた
りする。
【0012】また、前記活性層の発光領域に電流を注入
する電極などの手段を有し、この電流注入手段による注
入励起電流を発光領域に集中させるため、電流狭窄構造
が、エッチング、高抵抗ドーピング、酸化(酸化により
高抵抗になると共に屈折率が低下する)などにより、円
筒状、円錐状、糸巻き状等に形成されている。
【0013】また、前記六方格子状もしくは正方格子状
に配置された各ロッドもしくは各ホールの隣り合う中心
間間隔は、発光波長の2分の1の実効的長さ程度で設計
されている。前記活性層はB、Al、Ga、Inなどの
III族元素および、N、P、As、SbなどのV族元
素からなるIII−V化合物半導体で構成される。
【0014】本発明によれば、誘導放出光を得る基板垂
直方向は、周期的多層膜からなる活性層自体で光共振器
が構成される。このとき、活性層の発光波長帯域(すな
わち、利得帯域)の範囲内で、上記分布帰還構造で決定
されるブラッグ波長帯域に含まれる波長において発振が
生じる。一方、活性層を含む面内には、活性層の発光波
長帯に合わせて、二次元の屈折率ないし誘電率の適当な
周期構造を形成することで、光の伝播が阻止されるいわ
ゆるフォトニックバンドギャップ(光学的伝播禁止帯で
あり、波長のオーダーで誘電率を周期的に変動させると
き、電磁波は或る周波数領域で固有モードを持てず、こ
の周波数領域をフォトニックバンドギャップと呼ぶ)を
形成している。そのため、面内方向に対しては、自然放
出光も制限されて、エネルギの横方向への漏洩を抑圧で
きる。その結果、光共振器内部の光に対して、面内方向
は二次元フォトニックバンド構造で、垂直方向は分布帰
還構造からなる活性層自体のいわば一次元のフォトニッ
クバンド構造で、発光を制限ないし制御することによ
り、高い効率によるレーザ光放射を実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を説明する前
に、本発明の原理の技術背景を説明する。近年、誘電率
の三次元的周期構造を人工的に創生して、あたかも結晶
中の電子の振る舞いと同様に、電磁波の振る舞いを制御
する材料構造が注目されている。上述した様に、このよ
うな人工構造はフォトニック結晶と呼ばれ、この構造に
起因する光波長に相当する電磁波バンドをフォトニック
バンドと称している。フォトニックバンド構造が注目さ
れる理由は、従来不可能であった光子の完全な空間的制
御が可能になるところにある。たとえば、レーザヘの応
用にあたっては、自然放出光の制御まで可能なため、閾
値の極めて小さい(理論的には閾値の存在しなくなる)
極低閾値レーザが可能となる。レーザ光の出力や波長
は、温度変化に対して変動の小さなものとなる。また、
全空間に対して光の放射を制御できるので電気−光エネ
ルギー交換効率に極めて優れる、言い換えると、低消費
電力のレーザが可能となる。さらに、空間的な光波の結
合、切換え、分岐、合流を行う光カップラ、光スイッチ
などへの応用にも適する。加えて、光波長制御を本質的
にともなうため、波長選択性を有するフィルタ、分波
器、波長ルータ(add−dropfilter)など
の性能向上、機能拡張にも効果が大きい。また、光子密
度を意図的に高くできるため、非線形効果を強調した素
子の開発も期待できる。
【0016】ただし、三次元フォトニック結晶として光
波長に合わせた誘電率変化をたとえば面心立方格子状な
どに形成するとなると、現在の微細加工技術、選択成長
技術などをもってしても困難である。それと比較して、
二次元のフォトニック結晶、すなわち直交する3方向の
うち1方向へは誘電率が一様な構造は、二次元平面の微
細加工や選択成長で実現できる。
【0017】本発明によるフォトニックバンド構造を有
する垂直共振器レーザの実施形態の構成、動作原理につ
いて、図1および図2を用いて説明する。
【0018】二次元結晶構造では、5の異なる型のブラ
ベ格子が存在するが、面内のどの方向へも共通にフォト
ニックバンドギャップを開けることが可能な構造として
は、六方格子もしくは正方格子が適する。たとえば、六
方格子においては、図2に示すように、菱形を基本とし
た各格子点に、ロッド(中実のもの)もしくはホール
(中空のもの)21を作り付けることで誘電率変化を与
える。光波長λでのバンドギャップ構造を得るため、格
子点(ロッドもしくはホールの中心点)の間隔aは以下
の(1)式で表される。ここで、誘電率は屈折率で置き
換え、neffは平均の屈折率を示している。
【0019】a=λ/(2neff) (1) ここで、ロッドもしくはホール21の断面形状を円形と
すると、平均の屈折率neffは、円形領域の屈折率n
とその周囲を占めている領域22の屈折率nとで
(2)式のように表される。ここで、パラメータfは円
形領域の占有率であり、rを円形領域の半径とすると、
(3)式のように表される。
【0020】 neff=nf+n(1−f) (2) f=(2πr)/(√3a) (3) この六方格子構造を用いて、二次元フォトニック結晶の
ブリルアンゾーンのあらゆる方向にわたって光波のモー
ドが生じないエネルギ領域、すなわち、フォトニックバ
ンドギャップを形成する。上記仮定の下では、円形領域
21の占有率、および、円形領域21とその周囲領域2
2の屈折率差によってフォトニックバンドギャップは決
定される。フォトニックバンド構造は等方的でないた
め、光波の偏光に依存するが、上記バラメータの設定で
各偏光に対して共通のフォトニツクバンドギャップを形
成可能である。
【0021】以上のような二次元構造によるフォトニッ
クバンドギャップを活性層の光学的利得帯域に合致させ
て創生することで、活性層面内方向への自然放出は抑制
される。この状態で、図1に示すように、活性層11に
垂直な方向への自然放出を分布帰還構造で制御し、任意
の波長の光波のみを誘導放出すれば、完全に放出制御し
たレーザが実現できる。周期的多層膜からなる活性層1
1は、屈折率の異なる一組の半導体層を積層したもので
ある。この周期的層構成は、言ってみれば、一次元のフ
ォトニックバンド構造を形成している。従って、本発明
による二次元フォトニックバンド構造と分布帰還活性層
の組み合わせによる構造は、擬似的な三次元フォトニッ
クバンド構造をなしているとも言える。
【0022】多層膜活性層11の各層厚diは、波長
λ、屈折率niに対して、以下のように表される。但
し、下付きiは高屈折率層(H)もしくは低屈折率層
(L)を示している。 di=λ/(4ni) (4) 分布帰還活性層11は、二次元フォトニックバンド構造
で貫かれていて、分布帰還活性層11の中心層付近に位
相差部12を形成することで、周期構造によるブラッグ
反射帯域内の特定波長で透過波長が決定され、そのほか
の波長においては、光の放出が許されない。従って、基
板垂直方向の透過波長に、活性層の全エネルギが集中
し、誘導放出が実現される。
【0023】第1実施例 図1を用いて製造法を説明しながら第1実施例の構造を
説明する。本発明による第1の実施例のレーザは、In
P基板13上に、200nm厚InGaAsエッチング
ストップ層14、93nm厚InGaAsP(バンドギ
ャップエネルギ波長λg=1.4μm)と98nm厚I
nGaAsP(λg=1.15μm)50ペアからなる
周期的多層膜活性層11、100nm厚InPクラッド
層15を成長する。周期的活性層11の中心層12は1
86nm厚のInGaAsP(λg=1.4μm)から
なっている(これらの組成および各層の厚さの決定は下
記の発振波長などを用いて行なわれる)。
【0024】次に、クラッド層15表面にSiO2を成
膜した後、フォトレジストを塗布し、図2に示すような
半径130nmの円形パターン21を中心間間隔325
nmの六方格子状に形成するための電子ビーム露光を行
う(これらの数値の決定は上記式(1)、(2)、
(3)に本実施例で得られる平均屈折率などの数値を入
れて行なわれる)。現像後形成されたフォトレジストマ
スクを、SiO2膜に反応性イオンエッチングで転写す
る。こうしてできたSiO2マスクをもとに、反応性イ
オンビームエッチングを用いて活性層11およびクラッ
ド層15のホールエッチングを行う。二次元ホール列2
1を形成後、SiO2膜を除去する。22は二次元ホー
ル列21の周囲領域である。
【0025】こうして作製した図1に示すようなレーザ
に対して、例えば側面から、波長1.2μmの励起光を
照射したところ、基板13垂直方向へ波長1.3μmの
レーザ発振が観測された。波長1.2μmの励起光は、
光子エネルギの関係で、周期的多層膜活性層11のIn
GaAsP層(λg=1.15μm)には吸収されず主
に周期的多層膜活性層11のInGaAsP層(λg
1.4μm)に吸収されて、このバンドギャップエネル
ギ波長1.4μmより若干短い波長1.3μmのレーザ
発振を起こすものである。
【0026】第2実施例 図3を用いて本発明による第2の実施例を説明する。第
2実施例によるレーザは、n−GaAs基板41上に、
互いにλ /4厚を有するアンドープIn0.12Ga0.88
s層とアンドープGaAs層とが交互に積層されてい
て、中心層のみλ /2厚のアンドープのIn0.2Ga0.8
As/GaAs多重量子井戸層からなる多層膜活性層4
2、100nm厚のp−Al0.4Ga0.6Asクラッド層
43を成長する。ついで、前記実施例と同様、二次元ホ
ール列44を活性層42およびクラッド層43に形成す
る。
【0027】一方、上記と同様にして別個のアンドープ
のGaAs基板(不図示)上に、100nm厚のAlA
sエッチングストップ層、50nm厚のp−GaAsキ
ヤップ層45、100nm厚のp−Al0.4Ga0.6As
クラッド層46を成長する。ここで、以上のようにして
成長を行ったアンドープのGaAs基板およびn−Ga
As基板41を10%弗素水に数秒浸漬し、水洗、乾燥
した後、成長面同士の結晶軸を揃えて向かい合わせに圧
着する。基板接合は、印加荷重100kg/cm2で1
60℃加熱の下、4時間の圧着を施して得られる。この
工程は、二次元ホール列44を持つクラッド層43と活
性層42の上にそのままキャップ層等を成長するとホー
ルに材料が入ってしまうので行なわれるものである。
【0028】次に、n−GaAs基板41裏面をSiO
2膜で保護した後、アンドープGaAs基板側を研磨し
てl00μm程度の厚さに薄くする。硫酸+過酸化水素
+水からなるエッチング液でアンドープGaAs基板を
エッチング除去した後、AlAsエッチングストップ層
を除去し、p−GaAsキャップ層45を露出させる。
【0029】次に、電流狭窄構造を作製する為に、直径
15μmの円筒状にp−GaAsキャップ層45から多
層膜活性層42の途中までを反応性イオンビームエッチ
ングで除去する。SiNx膜401を絶縁層として施
し、ポリイミド402で埋めた後、セルフアラインメン
トの手法で円筒上部のp−GaAsキャップ層45を露
出させて、電極403を成膜する。同様に、n−GaA
s基板41裏面にも、例えば、リング状の電極404を
成膜した後、オーミック接触を得るための熱拡散を行
う。
【0030】こうして作製したレーザは、閾値1mA以
下で波長0.98μmの光を発振し、平均出力光強度は
数mA程度であった。発振光の近視野像を観察したとこ
ろ、ほぼ上面電極403の円形パターンと同様であり、
周囲からの光の漏出は観測できなかった。
【0031】第3実施例 本発明の第3の実施例では、活性層を含む半導体層をロ
ッド列に微細加工してその周囲をポリイミドで埋めてい
る。ただし、円形領域(活性層を含む半導体層の部分)
が高屈折率で、周囲(ポリイミドの部分)が低屈折率で
あるため、それに合わせて発光波長がフォトニックバン
ドギャップ内に来る様にロッド間隔および円形領域の半
径は調整してある。また、半導体ロッド頭部が露出する
ように、酸素プラズマによるポリイミドのアッシングを
軽く行う。その他の構成は、第2実施例と同様である。
【0032】第4実施例 図4を用いて、第4の実施例を説明する。n−InP基
板51上に、各層がλ /4厚、中心層λ /2厚のアンド
ープInGaAsP(λg=1.55μm)/InP5
0ペアからなる分布帰還活性層52、l00nm厚のp
−InPクラッド層53、100nm厚のp−InGa
AsPキャップ層54を成長する。ついで、第2実施例
と同様、二次元ホール列55を活性層52およびクラッ
ド層53に形成する。ホール55内は、第3実施例と同
様、ポリイミドで充填し、キャップ層54を露出させ
る。
【0033】続いて、二次元ホール列55の形成された
多層膜活性層52を円筒形状に取り囲むように、n−I
nP基板51までエッチングを行う。そして、SiO2
保護層を円筒形部の上面に形成し、その周囲を高抵抗I
nP56で埋め込み成長する。次に、電極501を円形
のキャップ層54に覆いかぶさるように形成する。同様
に、n−InP基板51裏面にも電極502を成膜した
後、オーミック接触を得るための熱拡散を行う。
【0034】こうして作製したレーザは、前記実施例と
同様、低閾値で発振し、電流−光出力効率も高かった。
【0035】ところで、垂直共振器レーザでは、上記実
施例で述べたエッチングの他、注入電流を集中させるた
め、高抵抗ドーピング、あるいは酸化などの手法によ
り、同様に円筒状あるいは糸巻き状に電流狭窄構造を作
製可能である。
【0036】また、以上の実施例では、波長1.0μm
〜1.5μm帯を中心にして説明したが、本発明の考え
方は他の波長帯でも同様に実現可能である。たとえば、
0.3μmから0.5μm帯では、AlGaN/InG
aN/GaNの活性層で、0.6μm帯ではInAlG
aPの活性層で、0.7μmから0.9μm帯ではAl
GaAs/GaAsの活性層でいずれも実現可能であ
る。さらに、1.0μm〜1.5μm帯では、GaIn
NAs/InPやGaInNAs/GaAsなどの活性
層も使用可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果が得られる。すなわち、レーザ活性媒質から
の発光を3次元空間で制御することで、発振閾値を低減
し、且つ、高効率なレーザ動作を得ることができる。こ
ういった低電力動作レーザは、光通信、光インタコネク
ションなどに用いられる伝送用光送信器を構成する上で
不可欠なものである。さらに、個々のレーザ素子の消費
電力を低減できることは、そのことだけでなく、熱発生
の問題も軽減され、2次元アレイレーザあるいは電子回
路と一体となった光電子集積回路を構成する上で極めて
効果が大きい。光アレイあるいは光集積素子は、光応用
センシング、光情報処理、ディスプレイ、光記録などに
用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明によるフォトニックバンド構造を
有する第1実施例の垂直共振器半導体レーザを表す構造
概略斜視図である。
【図2】図2は本発明によるフォトニックバンド構造を
有する垂直共振器半導体レーザの二次元フォトニック結
晶の単位セルとブリルアンゾーンを表す図である。
【図3】図3は本発明の第2実施例および第3実施例を
示すフォトニックバンド構造を有する垂直共振器半導体
―レーザを表す構造概略断面図である。
【図4】図4は本発明の第4実施例を示すフォトニック
バンド構造を有する垂直共振器半導体レーザを表す構造
概略断面図である。
【図5】図5は従来例を表す構造概略図である。
【符号の説明】
11、42、52・・・分布帰還構造を有する活性層 12・・・半波長シフト層 13、41、51、64・・・基板 14・・・エッチングストップ層 15、43、46、53・・・クラッド層 21、44、55・・・二次元ロッド列もしくはホール
列 22・・・ロッド列もしくはホール列の周囲領域 45、54・・・キャップ層 56、401、402・・・絶縁層 61、62・・・多層膜反射鏡 63・・・活性層 403、404、501、502・・・電極

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体から形成されてなる垂直共振
    器レーザであって、活性層は周期的多層膜半導体層から
    形成されていることで、光共振器が該活性層の垂直方向
    に形成されていて、且つ、活性層を含む半導体層に二次
    元屈折率周期構造を備えていることで、活性層を含む半
    導体層面内には発光波長に対して光学的伝播禁止帯(フ
    ォトニックバンドギャツプ)が形成されていることを特
    徴とするフォトニックバンド構造を有する垂直共振器レ
    ーザ。
  2. 【請求項2】前記周期的多層膜からなる活性層は高屈折
    率層および低屈折率層がそれぞれ発光波長の4分の1の
    実効的厚さで一組となって繰り返し成膜されてなる分布
    帰還構造であることを特徴とする請求項1記載のフォト
    ニックバンド構造を有する垂直共振器レーザ。
  3. 【請求項3】前記周期的多層膜からなる活性層の中心
    に、実効的層厚が発光波長の2分の1である領域を設け
    ることを特徴とする請求項1または2記載のフォトニッ
    クバンド構造を有する垂直共振器レーザ。
  4. 【請求項4】前記活性層の発光領域に電流を注入する手
    段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載のフォトニックバンド構造を有する垂直共振器レー
    ザ。
  5. 【請求項5】前記電流注入手段による注入励起電流を発
    光領域に集中させるため、電流狭窄構造が、エッチン
    グ、高抵抗ドーピング、もしくは酸化により、円筒状、
    円錐状、もしくは糸巻き状に形成されていることを特徴
    とする請求項4記載のフォトニックバンド構造を有する
    垂直共振器レーザ。
  6. 【請求項6】前記活性層がB、Al、Ga、Inなどの
    III族元素および、N、P、As、SbなどのV族元
    素からなるIII−V化合物半導体で構成されることを
    特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のフォトニッ
    クバンド構造を有する垂直共振器レーザ。
  7. 【請求項7】前記二次元屈折率周期構造は、前記活性層
    を含む半導体層が六方格子状に配置された二次元ロッド
    列をなしていることで形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至6の何れかに記載のフォトニックバンド構
    造を有する垂直共振器レーザ。
  8. 【請求項8】前記二次元屈折率周期構造は、前記活性層
    を含む半導体層内に六方格子状に配置された二次元ホー
    ル列が形成されることで形成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至6の何れかに記載のフォトニックバンド
    構造を有する垂直共振器レーザ。
  9. 【請求項9】前記二次元屈折率周期構造は、前記活性層
    を含む半導体層が正方格子状に配置された二次元ロッド
    列をなしていることで形成されていることを特徴とする
    請求項1乃至6の何れかに記載のフォトニックバンド構
    造を有する垂直共振器レーザ。
  10. 【請求項10】前記二次元屈折率周期構造は、前記活性
    層を含む半導体層内に正方格子状に配置された二次元ホ
    ール列が形成されることで形成されていることを特徴と
    する請求項1乃至6の何れかに記載のフォトニックバン
    ド構造を有する垂直共振器レーザ。
  11. 【請求項11】前記二次元ロッド列は、空気、窒素、高
    分子材料、もしくは誘電体によって周囲が充填されてい
    ることを特徴とする請求項7または9記載のフォトニッ
    クバンド構造を有する垂直共振器レーザ。
  12. 【請求項12】前記二次元ホール列は、空気、窒素、高
    分子材料、もしくは誘電体によって充填されていること
    を特徴とする請求項8または10記載のフォトニックバ
    ンド構造を有する垂直共振器レーザ。
  13. 【請求項13】前記充填材を構成する高分子材料はポリ
    イミドであることを特徴とする請求項11または12記
    載のフォトニックバンド構造を有する垂直共振器レー
    ザ。
  14. 【請求項14】前記充填材を構成する誘電体はSi
    、AlN、Al、MgO、SiOのいずれ
    かであることを特徴とする請求項11または12記載の
    フォトニックバンド構造を有する垂直共振器レーザ。
  15. 【請求項15】前記六方格子状もしくは正方格子状に配
    置された各ロッドもしくは各ホールの隣り合う中心間間
    隔は、発光波長の2分の1の実効的長さを目安として設
    計されていることを特徴とする請求項7乃至14の何れ
    かに記載のフォトニックバンド構造を有する垂直共振器
    レーザ。
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