JPH0823137A - レーザダイオードアレイ - Google Patents

レーザダイオードアレイ

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JPH0823137A
JPH0823137A JP29348994A JP29348994A JPH0823137A JP H0823137 A JPH0823137 A JP H0823137A JP 29348994 A JP29348994 A JP 29348994A JP 29348994 A JP29348994 A JP 29348994A JP H0823137 A JPH0823137 A JP H0823137A
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JP
Japan
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zones
wavelength
polarized light
active region
laser
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Application number
JP29348994A
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English (en)
Inventor
David P Bour
ピー.ボア デイビッド
Thomas L Paoli
エル.パオリ トーマス
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Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モノリシックなマルチ波長デュアル偏光レー
ザダイオードアレイを実現する。 【構成】 図2の左側および右側の活性層は、障壁層に
より分離された複数の量子ウェルから構成されることが
可能であり、その場合各量子ウェルは異なる波長でレー
ザ動作が可能であり、一方の側の量子ウェルはTEモー
ドに対して最小透過電流を有し、他方の量子ウェルはT
Mモードに対して最小透過電流を有する。従って量子ウ
ェルを有する活性層を含む図2の構成によりマルチ波長
デュアル偏光レーザダイオードアレイがモノリシック構
造で実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は量子ウェル活性層を用い
る半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザダイオード、特にレーザダイオー
ドアレイに関するアプリケーションは多数存在し、レー
ザダイオードアレイは分離可能な光を異なるアレイ素子
から一斉にもしくは選択的に放射することが可能であ
る。アプリケーションの例としては、カラー印刷、フル
カラーデジタルフィルム、記録、カラーディスプレイ、
ならびに光学的記録および再生システムがある。放射領
域が並んで隔てられたモノリシック構造にレーザアレイ
を構成することは、全ての光源が共通のレンズ系を共有
可能となる非常に重要な利点をもたらす。モノリシック
構造内の放射領域が個々にアドレス(起動指定)可能と
なることもまた前記の多くのアプリケーションにおいて
重要であり、さらにまた、並んで隔てられたビームを個
々に検出することと、光源でのビーム変調の結果とし
て、もしくは光学媒体からの反射またはそれを通した伝
送により付帯させられる任意の情報を処理することとが
可能であることもまた重要である。
【0003】ビームをより容易に分離または検出可能と
する特別な特性を有する光ビームをレーザダイオードか
ら発生させるいくつかの方法がある。第1の方法はその
偏光を変化させることであり、第2の方法はその波長を
変化させることである。以下に説明を行う関連出願の各
々は、マルチ波長レーザダイオードのアレイもしくはデ
ュアル偏光ダイオードのアレイについての記述を行って
いる。
【0004】その内容が引用されて本文中に組み込まれ
る米国特許願第07/994,029号には、モノリシックであり
アドレス可能なレーザダイオードチップからマルチ波長
または直交偏光ビームを発生させるための構造が記載さ
れている。該構造は、複数の垂直にスタックされた同一
または異なる組成の量子ウェル(QW)ヘテロ構造を含
むエピタキシャル成長された層のスタックを含み、異な
る波長または直交偏光で発振することが可能である。
【0005】その内容が引用されて本文中に組み込まれ
る米国特許願第07/948,524号および07/948,522号には、
TEまたはTMモードで発振させることが可能な個々に
アドレス可能なQWレーザの共通基体上での構成および
製造方法と、TE偏光モードの発振からTM偏光モード
へ、またはその逆に切替可能なQWレーザの構成とが記
載されている。このことはエピタキシャル成長された活
性層内で基体との格子整合に起因して生じるひずみのタ
イプを制御することにより特定な物質系において実現さ
れている。従って、重いホールおよび軽いホールの遷移
を可能とするほとんどの物質系において、n=1である
重いホールが最低エネルギー状態、即ち占有ホール数が
最も容易に逆転される状態である場合、通常はTE偏光
ゲインが支配的であり、そのような状態は無ひずみアロ
イ系および圧縮ひずみが与えられたIII−V族アロイ
系に対して通常実際に起こり得る。しかし、軽いホール
および重いホールのバンドエッジを逆転させることによ
りTM偏光ゲインが支配的となり、そのような逆転は活
性領域内に伸張ひずみを誘起することにより特定な物質
系において実現される。軽いホールおよび重いホールの
バンドが実質的に同一エネルギーとなる縮退状態では、
放射の偏光はスレショルドキャリア密度および他の要素
により決定されることが可能であり、該要素としては温
度、面反射率、キャビティ長、キャビティ内光学ロスが
ある。
【0006】一般に、偏光制御についての所望の結果
は、注意深く調整された単一のQWを用いるか、もしく
はゲイン特性およびスレショルドゲインに依存するレー
ザ発振偏光モードを有する、TEおよびTMモードゲイ
ンそれぞれに対応する個別のQWを用いることにより実
現される。必要なゲイン特性は、最小透過電流を有する
1つの偏光と、より大きいピークゲインを有するそれに
直交する偏光とを有する。活性領域パラメータ(厚さ、
組成、閉じ込め領域内の配置、等)の所定の範囲に対し
てこれらの特性が得られることが可能であり、従って偏
光がスレショルドゲインにより決定される。従って、例
えばデバイスの内の1つに付加的ロスを与えてそれをよ
り高いゲインを有する偏光で発振させることにより、各
デバイスの偏光が選択可能となる。一方、この付加的ロ
スを伴わないデバイスは、単に最小透過電流を有する偏
光で発振する。付加的ロスは、キャビティに沿った非ポ
ンピング領域、低鏡面反射率、より短いキャビティ、等
であることが可能である。同様に、キャビティ内ロス変
調器を使用することにより各デバイスの偏光が切替可能
である。この偏光選択性メカニズムが図1の偏光依存性
のゲイン−電流特性により示されており、図1ではTM
およびTEモード両者に対するスレショルドゲインgth
が縦軸に沿ってプロットされ、両モードに対するスレシ
ョルド電流Ithが横軸に沿ってプロットされている。T
Eでラベル付けされた曲線10はTEモードに対するゲ
イン特性を示し、TMでラベル付けされた曲線11はT
Mモードに対するそれを示す。交差点14の左側の垂直
線13により動作状態が表される場合、TEゲインの方
がより高く、TE偏光光が放射される。交差点14の右
側の垂直線15により動作状態が表される場合、TMゲ
インの方がより高く、TM偏光光が放射される。
【0007】その内容が引用されて本文中に組み込まれ
る米国特許願第07/949,452号にはレーザダイオードアレ
イが記載されており、該アレイは異なる物質の2つまた
はそれ以上の隣接QWから成る複合活性領域を含むヘテ
ロ構造を有するモノシリック本体を含む。複合活性領域
はQW層の原子組成の不純物自由内部拡散により部分的
に不整合となっており、その結果活性領域の放射波長が
シフトされる。活性領域の異なる領域を異なる程度に不
整合させることにより、異なる領域は異なる波長でレー
ザ動作する。分布型ブラッグ反射器(DBR)グレーテ
ィングが付加されて所望の放射波長が強められることが
可能である。別の方法として、強誘電体層構造が付加さ
れ、アレイの選択された領域からの放射光の周波数が2
倍されることが可能である。
【0008】前述の米国特許願第07/948,524号、07/94
8,522号および第07/949,452号はデュアル偏光またはマ
ルチ波長レーザダイオードのみを特定的に記述している
が、4つまたはそれ以上の分離可能な放射を選択的に生
成可能なモノシリック構造の記述はない。
【0009】前述の米国特許願第07/994,029号は、マル
チ波長放射もしくはデュアル偏光放射を記述しており、
それらを単一構造に組み合わせることを提案している。
しかしそのような構造をいかにして実現可能であるかを
示す実例が与えられていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モノ
シリックなマルチ波長デュアル偏光レーザダイオードア
レイである。
【0011】本発明のこの他の目的は、異なる波長で動
作可能な並んだ直交偏光QWレーザを有するソリッドス
テートモノシリックレーザである。
【0012】本発明のさらに他の目的は、波長、偏光、
またはその両者に関して各々が他と異なる4つのビーム
を与えるソリッドステートQWレーザである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらおよびさ
らに他の目的および利点は、異なる波長の放射が可能な
個別の活性領域を与えるモノシリック構造を用いて実現
されることが可能であるか、またはQW活性領域のバン
ド充填を通して長波長構造を短波長で発振させることに
より実現されることが可能である。活性領域の各々は直
交偏光モードをサポート可能である。同様に、伸張ひず
みが与えられた活性領域および/または閉じ込め構造に
より、マルチ波長デュアル偏光レーザおよびレーザアレ
イが単一の活性領域から形成可能である。従って、例え
ばデュアル波長およびデュアル偏光を有する4つの光源
チップのような、マルチエレメントで容易に分離可能な
光源の実現が可能となる。
【0014】本発明のこれらおよびさらに他の目的、詳
細および利点は、関連する図面を伴う好ましい実施例に
ついての以下の詳細な説明から明らかとなる。
【0015】本発明の第1の態様は、デュアル波長、デ
ュアル偏光レーザダイオードアレイであって、第1およ
び第2の並んだ活性領域を有する共通な半導体の基体で
あって、前記第1の活性領域は、第1または第2の異な
る波長でTE偏光光およびTM偏光光をそれぞれ放射可
能な第1および第2の横方向に隔てられたゾーンを有
し、前記第2の活性領域は、第1または第2の異なる波
長でTE偏光光およびTM偏光光をそれぞれ放射可能な
第3および第4の横方向に隔てられたゾーンを有する、
半導体基体と、ダイオードレーザアレイの前記ゾーン内
に個々にキャリアを誘起して各ゾーンが独立に光の放射
を行うようにするために基体に接続される電極と、レー
ザ放射のための少なくとも1つの光学的キャビティを基
体と共に形成する光学的反射器と、前記第1または前記
第2の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射をそれぞ
れ前記第1および第2のゾーンに行わせるために第1の
活性領域の第1および第2のゾーンに接続される偏光選
択手段と、前記第1または前記第2の波長でTE偏光お
よびTM偏光光の放射をそれぞれ前記第3および第4の
ゾーンに行わせるために第2の活性領域の第3および第
4のゾーンに接続される偏光選択手段と、を含むレーザ
ダイオードアレイである。
【0016】本発明の第2の態様は、マルチ波長、デュ
アル偏光レーザダイオードアレイであって、複数の個別
の活性領域を有する共通な半導体の基体であって、各活
性領域は、当該活性領域以外の他の活性領域の各波長と
実質的に異なる実質的に1つの波長で、TEモードおよ
びTMモードゲインの両者、またはTEモードもしくは
TMモードゲインのいづれかを有することが可能な、半
導体基体と、前記複数の活性領域の横方向に隔てられた
並んだゾーンと、レーザ放射のための少なくとも1つの
光学的キャビティを基体と共に形成する光学的反射器
と、ダイオードレーザアレイの前記ゾーン内に個々にキ
ャリアを誘起して各ゾーンが独立に光の放射を行うよう
にするために基体に接続される電極と、前記複数の波長
の内の1つでTE偏光またはTM偏光光のいづれかの放
射を各ゾーンに行わせるために前記ゾーンの各々に接続
される偏光および波長選択手段と、を含むレーザダイオ
ードアレイである。
【0017】本発明の第3の態様は、デュアル波長、デ
ュアル偏光レーザダイオードアレイであって、第1およ
び第2の個別の活性領域を有する共通な半導体の基体で
あって、前記第1の活性領域は、第1の波長および前記
第1の波長と実質的に異なる第2の波長の両者でTEモ
ードゲインを有することが可能であり、前記第2の活性
領域は、前記第1および第2の波長でTMモードゲイン
を有することが可能である、半導体基体と、前記第1お
よび第2の活性領域の横方向に隔てられた並んだゾーン
と、レーザ放射のための少なくとも1つの光学的キャビ
ティを基体と共に形成する光学的反射器と、ダイオード
レーザアレイの前記ゾーン内に個々にキャリアを誘起し
て各ゾーンが独立に光の放射を行うようにするために基
体に接続される電極と、前記複数の波長の内の1つでT
E偏光またはTM偏光光のいづれかの放射を各ゾーンに
行わせるためか、または、前記第1および第2の波長で
TE偏光光の放射をそれぞれ前記ゾーンの第1および第
2のゾーンに行わせ、前記第1および第2の波長でTM
偏光光の放射をそれぞれ前記ゾーンの第3および第4の
ゾーンに行わせるために前記ゾーンの各々に接続される
偏光および波長選択手段と、を含むレーザダイオードア
レイである。
【0018】本発明の第4の態様は、デュアル波長、デ
ュアル偏光レーザダイオードアレイであって、第1およ
び第2の活性領域を有する複数の層を有する共通な半導
体の基体であって、前記第1および第2の活性領域は、
前記第1の活性領域に対する第1の上部クラッド層と、
接触層と、前記第2の活性領域に対する第1の下部クラ
ッド層とにより分離され、前記第1の活性領域は、第2
の下部クラッド層と、前記第1の上部クラッド層との間
に挟まれ、また前記第1の活性領域は、第1および第2
の波長でTE偏光光の放射がそれぞれ可能であるかまた
は第1の波長でTE偏光光およびTM偏光光の放射がそ
れぞれ可能である横方向に隔てられた少なくとも第1お
よび第2のゾーンを有し、前記第2の活性領域は、前記
第1の下部クラッド層と、第2の上部クラッド層との間
に挟まれ、また前記第2の活性領域は、第1および第2
の波長でTM偏光光の放射がそれぞれ可能であるかまた
は第2の波長でTE偏光光およびTM偏光光の放射がそ
れぞれ可能である横方向に隔てられた少なくとも第3お
よび第4のゾーンを有する、半導体基体と、レーザ放射
のための少なくとも1つの光学的キャビティを基体と共
に形成する光学的反射器と、第1および第2のゾーン内
に個々にキャリアを誘起して各ゾーンが独立に光の放射
を行うようにするために前記基体および前記第1の上部
クラッド層に接続される第1の電極と、第3および第4
のゾーン内に個々にキャリアを誘起して各ゾーンが独立
に光の放射を行うようにするために前記接触層および前
記第2の上部クラッド層に接続される第2の電極と、前
記第1の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射をそれ
ぞれ前記第1および第2のゾーンに行わせるためか、ま
たは、前記第1および第2の波長でTE偏光光の放射を
それぞれ前記第1および第2のゾーンに行わせるために
第1の活性領域の前記第1および第2のゾーンに接続さ
れる偏光および波長選択手段と、前記第2の波長でTE
偏光およびTM偏光光の放射をそれぞれ前記第3および
第4のゾーンに行わせるためか、または、前記第1およ
び第2の波長でTM偏光光の放射をそれぞれ前記第3お
よび第4のゾーンに行わせるために第2の活性領域の前
記第3および第4のゾーンに接続される偏光および波長
選択手段と、を含むレーザダイオードアレイである。
【0019】本発明の第5の態様は、デュアル波長、デ
ュアル偏光レーザダイオードアレイであって、両側を閉
じ込め層で挟まれた量子ウェルを含む活性層を有する共
通な半導体の基体であって、前記閉じ込め層は、量子ウ
ェルに関連する状態間の第1の波長でTEモードおよび
TMモードゲインを有することが可能であり、また閉じ
込め層に関連する状態間の第2の波長でTEモードおよ
びTMモードゲインを有することが可能である、半導体
基体と、前記活性層の横方向に隔てられた並んだ第1、
第2、第3、および第4の、ゾーンと、ダイオードレー
ザアレイの前記ゾーン内に個々にキャリアを誘起して各
ゾーンが独立に光の放射を行うようにするために基体に
接続される電極と、レーザ放射のための少なくとも1つ
の光学的キャビティを基体と共に形成する光学的反射器
と、前記第1の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射
をそれぞれ第1および第2のゾーンに行わせるために前
記第1および第2のゾーンに接続される偏光選択手段
と、前記第2の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射
をそれぞれ前記第3および第4のゾーンに行わせるため
に前記第3および第4のゾーンに接続される偏光選択手
段と、を含むレーザダイオードアレイである。
【0020】
【実施例】いくつかの実施例において本発明は前述の関
連出願に記載された態様を結合し、特に、個々に異なり
そのような個々の相違の結果として容易に分離可能な少
なくとも4つのビームを与えるデバイス構造をいかにし
てモノリシック構造で与えることが可能であるかを開示
する。前記の相違は、少なくとも2つの異なる波長λ1
およびλ2 、ならびに直交偏光TEおよびTMに基づ
く。従って、4つのビームの第1のビームはλ1 のTE
偏光、第2はλ1 のTM偏光、第3はλ2 のTE偏光、
第4はλ2 のTM偏光であることが可能である。このパ
ターンは4つのビームの複製としてアレイ内で繰り返さ
れることが可能である。さらに、TE偏光およびTM偏
光ビームが異なる波長で必要に応じて付加されることが
可能である。
【0021】図2はデュアル波長デュアル偏光レーザダ
イオード光源についてのデバイス構造の第1の実施例を
示し、該レーザダイオードは2段階(選択)成長プロセ
スを用いて製作される。デバイス16は、例えばGaA
sから成る基体17、および当該分野で公知の従来技術
により基体上に成長される右側のレーザに対する層を含
み、該レーザ層は、N型クラッド層18、下部閉じ込め
層19、活性層20、上部閉じ込め層23、上部クラッ
ド層24、およびオーミックコンタクトのためのキャッ
プ層(図には示されていない)を含む。この第1のエピ
タクシーに従い、例えばSiO2 またはSi3 4 から
成るパターンマスクを通して前記の層が基体17へ局所
的にエッチングされて行く。選択的エピタキシャル成長
のためのマスクとしてさらに順に与えられる残りのマス
クを用い、左側のレーザに対する層がエッチング領域内
にエピタキシャル成長され、従って2つの波長に対する
並んだレーザダイオード層が共通基体上に形成される。
左側のレーザに対する層は、N型クラッド層18’、下
部閉じ込め層19’、活性層21、上部閉じ込め層2
3’、上部クラッド層24’、およびオーミックコンタ
クトのためのキャップ層(図には示されていない)を含
む。クラッドおよび閉じ込め層物質は、2つの波長のデ
バイスに対して同じであるかまたは異なることが可能で
ある。
【0022】別の方法として、左側のレーザに対する層
の再成長に先立ちN型クラッド層18または下部閉じ込
め層19上に層がエッチングされることが可能である。
両方法の利点は、共通基盤上に成長される層の厚さを制
御することにより左側および右側のレーザに対する活性
層がほぼ同一平面内に形成されることである。さらに、
活性層は各波長に対して個々に最適化されることが可能
である。
【0023】図2の左側の層の成長の後、これらの層に
対するレーザがメサ28aおよび28bを形成すること
により公知の方法で与えられる。これらのメサは、エッ
チストップ層25を上部クラッド層の上にエッチング
し、次にエッチストップ層上にブロッキング層29およ
びメサを選択的に成長させることをエッチングマスクを
用いて順に行うことにより形成される。次に、不純物誘
起層不整合(IILD)領域26を設定することにより
公知の方法(Thorntonらによる米国特許第4,870,652
号)で図2の右側の層内にレーザが与えられる。分離溝
27が与えられて左側の構造と右側のそれとが光学的お
よび電気的に分離される。分離溝27’が与えられて図
2の左側のメサで指定されるレーザが光学的および電気
的に分離される。分離溝はIILDを用いて形成された
レーザ間には通常は必要とされない。個別の電極(図に
は示されていない)が与えられて左側および右側の各レ
ーザ素子を個別にアドレスすることが可能となり、通常
の反射面または鏡面が構造の対向端に与えられて各レー
ザに対する光学的キャビティが形成される。
【0024】別の方法として、モノリシック構造16内
の全てのレーザは、図2の右側に示されるようにIIL
Dを用いるか、または図2の左側に示されるレーザを形
成する際に使用されたエッチングおよび再成長を用いて
形成されることが可能である。一般性を目的として、本
出願人は両タイプのレーザを用いたモノリシック構造を
開示する。
【0025】図2の実施例の左側および右側の活性層
は、TEおよびTMモードゲインの両方を与える単一の
量子ウェルであることが各々可能である。前述および米
国特許願第07/948,524号に記載されているように、レー
ザモードの偏光はゲイン特性およびスレショルドゲイン
に依存する。必要なゲイン特性は、図1に示されるよう
に、より小さい透過電流を有する1つの偏光と、より大
きいピークゲインを有するそれに直交する偏光とを有す
る。前述の米国特許願第07/948,524号は、例えば厚さ、
組成、閉じ込め領域内の配置、等の活性領域パラメータ
の適切な選択によりこのゲイン特性をどのようにして得
るかを記述している。図2の実施例に対し、左側および
右側の量子ウェルは異なる組成を有して異なる波長を与
える。例えば、活性層21はAlGaInP物質系から
構成されて短波長λ1 (600nmバンド)の(左側の
2つの楕円で表される)レーザビームを与えることが可
能であり、一方活性層20はAlGaAsPまたはIn
GaAsPから構成されて長波長λ2 (800nmバン
ド)の(右側の2つの楕円で表される)レーザビームを
与えることが可能である。例えば米国特許願第08/173,8
12号にはこれらに関連する内容が記載されており、その
内容が引用により本文中に組み込まれる。
【0026】この実施例の利点は、活性層が個別に成長
され、従って異なる波長の動作に対して個別に最適化さ
れることが可能であることである。図2に示される構造
は本質的に2つの活性層20および21のみを有してお
り、従って2つの異なる波長を生じさせるが、各活性層
の異なるゾーンにおけるレーザ発振に対する2つの直交
する偏光の内のいづれかを選択することにより4つの容
易に分離可能なビームが得られる。各ゾーンにおけるレ
ーザモードの偏光は、前述の米国特許願第07/948,524号
および07/948,522号に記載されているように、異なる量
の固定ロス(または偏光切替の場合はロス変調器)を各
レーザキャビティ内へ導入することにより選択または制
御される。
【0027】別の方法として、図2の左側および右側の
活性層はそれぞれ2つの量子ウェルから構成されること
が可能であり、これら量子ウェルは1つはTEモードゲ
インに対応し、他の1つはTMモードゲインに対応し、
障壁層32により分離される。600から660nmの
動作を意図した1組のGaInP量子ウェルとしてこの
構成が図3に示されている。TEモードゲイン層31の
設定のためのGaz In1-z Pのパラメータzは0.2
<z<0.5であり、一方TMモードゲイン層30の設
定のためのGax In1-x Pのパラメータxは0.5<
x<0.7である。この場合TEモードゲイン層31は
通常は無ひずみまたは圧縮ひずみが与えられており、一
方TMモードゲイン層30は通常は伸張ひずみが与えら
れる。左側のダイオードペアに関してはλ1 の放射に対
してGaInPを使用したが、右側のダイオードペアか
らのλ2 の放射に対して適切な活性層は、異なるx値を
有するGax As1-x P(0<x<0.3)から成る同
様な量子ウェルペアを含む。この実施例の利点は、2つ
の異なる波長の動作に対してだけでなくTEモードおよ
びTMモードゲインに対しても量子ウェルが個別に最適
化されることが可能であることである。
【0028】マルチ波長デュアル偏光ダイオードレーザ
アレイは、図2の実施例においていくつかの選択可能な
方法で形成されることが可能である。図2の左側および
右側の活性層は、障壁層により分離された量子ウェルの
ペアにより構成されることが可能であり、その場合各ペ
アは異なる波長でレーザ動作が可能であり、各ペアの内
の1つの量子ウェルはTEモードゲインに対応し、他の
1つはTMモードゲインに対応する。別の方法として、
図2の左側および右側の活性層は、障壁層により分離さ
れた複数の量子ウェルから構成されることが可能であ
り、その場合各量子ウェルは異なる波長でレーザ動作が
可能であり、一方の側の量子ウェルはTEモードに対し
て最小透過電流を有し、他方の側の量子ウェルはTMモ
ードに対して最小透過電流を有する。
【0029】個別に成長された活性層を用いる本発明の
第2の実施例が図7に示されている。この場合個々のレ
ーザ構造は層を垂直にスタックすることにより単一の成
長サイクルでエピタキシャル成長される。この構成は、
各波長に対応する活性層が個別に最適化されるにもかか
わらず図2の実施例を形成する際に必要とされたエッチ
ングおよび再成長を伴わない単一成長でその構成が実現
される利点を有する。しかしこの構成は4つのレーザゾ
ーン全てがほぼ同一平面内とならない不利な面を有す
る。いくつかのアプリケーションに対しては垂直方向へ
の分散が許容される。図7の実施例において、図に示さ
れる様々な層はウェハー面方向にわたり画一的に成長さ
れる。この実施例の活性層は、図2で用いられた単一Q
W活性層であるか、図6の単一QW活性層であるか、ま
たは図3に示されるデュアルQW活性層であることが選
択的に可能である。画一的な成長の後、エッチングおよ
び再成長が使用されて短波長層内のレーザゾーン61お
よび64に対するメサが形成されることが可能である。
短波長レーザに対応する層が次にエッチングによりこれ
らメサレーザの隣接領域から選択的に取り除かれ、長波
長レーザのためのP型接触層が設けられる。領域59の
IILDが次に適用されて長波長層内の2つのレーザゾ
ーンが指定されることが可能である。適切な接点と、溝
による分離が次に与えられ、必要とされる4つのレーザ
ゾーンが形成される。各レーザゾーンの偏光は、前述の
米国特許願第07/948,524号および07/948,522号に記載さ
れているように、異なる量のロスを各レーザキャビティ
に導入することにより選択される。この実施例では、い
ちばん左のλ1 のTEモードレーザゾーン60はアドレ
スのために上部接点61および側部接点62を使用し、
一方隣接する同じλ1 のTMモードレーザゾーン63は
上部接点64および側部接点62を使用する。λ2のT
Eモードレーザゾーン66は上部接点67および下部接
点68を使用し、一方いちばん右のλ2 のTMモードレ
ーザゾーン69は上部接点70および下部接点68を使
用する。
【0030】別の方法として、図7のモノリシック構造
内の全てのレーザゾーンは、図2の右側に示されるよう
にIILDを用いるか、または図2の左側に示されるレ
ーザを形成する際に使用されたエッチングおよび再成長
を用いて形成されることが可能である。一般性を目的と
して、本出願人は両タイプのレーザを用いたモノリシッ
ク構造を開示する。
【0031】マルチ波長デュアル偏光ダイオードレーザ
アレイは、図7の実施例においていくつかの選択可能な
方法で形成されることが可能である。図7の上側および
下側の活性層は、障壁層により分離された量子ウェルの
ペアにより構成されることが可能であり、その場合各ペ
アは異なる波長でレーザ動作が可能であり、各ペアの内
の1つの量子ウェルはTEモードゲインに対応し、他の
1つはTMモードゲインに対応する。別の方法として、
図7の上側および下側の活性層は、障壁層により分離さ
れた複数の量子ウェルから構成されることが可能であ
り、その場合各量子ウェルは異なる波長でレーザ動作が
可能であり、1つの活性層内の量子ウェルはTEモード
に対して最小透過電流を有し、他方の活性層内の量子ウ
ェルはTMモードに対して最小透過電流を有する。
【0032】4つのレーザゾーン全てが同じ活性層を有
する本発明の第3の実施例が図8に概略的に示されてい
る。図2に示されるような異なる活性層を用いてレーザ
を製作するために必要となる再成長を除去することと、
図7の実施例とは対照的に全てのレーザゾーンが同一平
面内となることが可能となることから、4つのレーザゾ
ーン全てで同じ活性層を使用することは有用である。個
々のレーザゾーンは、図8に示されるようなリブ導波路
か、または図2に示されるようなIILD領域により指
定される。各レーザゾーンに対する波長および偏光は、
前述の米国特許願第07/948,524号および07/948,522号に
記載されているように、異なる量のロスを各レーザキャ
ビティに導入することにより選択される。レーザは下部
の共通接点79を共有し、各々の上部接点80から83
により各レーザは個別にアドレスされる。この方法で
は、異なる波長で異なる偏光を有する4つのレーザゾー
ン75、76、77、78を与えるモノリシックレーザ
アレイが可能となる。
【0033】この実施例に対する活性層が図4に示され
ている。長波長λ1 の放射に対応する上側の活性量子ウ
ェル35はGaInAsPを用い、一方短波長λ2 の放
射に対応する下側の活性QWは0<x<0.55である
Gax In1-x Pを用いる。1例として、伸張ひずみが
与えられたGaInAsPに対してλ1 は700から8
50nmとなり、伸張ひずみが与えられたGax In
1-x P(x=0.54)に対してλ2 は650nmとな
る。両QWは4つの全てのレーザゾーン内に存在する
が、4つの内2つは直交する偏光を有してλ1 で動作
し、他の2つは直交する偏光を有してλ2 で動作する。
好ましくは、各QW35、36は2軸張力下にあり、ほ
ぼ縮退した軽いホールおよび重いホールのバンドエッジ
に対して設計され、従って各QWは図1に示されるもの
と類似のTEおよびTMモードゲイン特性を個々に有す
る。個々のQWのこれらTEおよびTMモードゲイン特
性の重ね合わせが図5に示されている。そのようなゲイ
ン特性から、スレショルドゲインの制御を通して波長お
よび偏光の両者を選択することが可能となり、従ってデ
ュアル偏光デュアル波長アレイが導かれる。
【0034】図5において実線の曲線40、41はそれ
ぞれ長波長(λ1 )ダイオードペアに対する最小透過電
流(TEモード)および最大ピークゲイン(TMモー
ド)を表し、これらは図1の曲線に対応する。短波長
(λ2 )ダイオードペアに対する対応する最小透過電流
(TEモード)および最大ピークゲイン(TMモード)
はそれぞれ点線の曲線42、43で表される。本文中お
よび前述の関連出願で記述されている様々なパラメータ
のアジャストにより、スレショルド電流38を有する長
波長TEモード放射素子が第1のゾーンで起動され、そ
れぞれスレショルド電流38’、39、39’を有す
る、長波長TMモード放射素子、短波長TEモード放射
素子、および短波長TMモード放射素子がそれぞれ第
2、第3、および、第4のゾーンで起動される。各放射
ゾーン領域はそれぞれに対する2つの電極によりポンピ
ングされるか、または共有している共通電極とそれぞれ
に対する1つの電極とによりポンピングされる。従っ
て、各放射素子は個別にアドレスおよび起動されること
が可能となる。前述の関連出願は異なる偏光モードがど
のようにして起動されることが可能であるかを詳細に記
述している。1例として、長波長QWは薄く形成される
か、または導波路中心からはずされることが可能であ
り、その結果そのモードゲインは比較的低電流で飽和す
る。これに類似して、短波長量子ウェルを厚く形成する
か、または複数の量子ウェルを使用することにより短波
長でより大きいピークゲインが実現可能である。
【0035】別の方法として、図8の実施例の活性層は
障壁層により分離された量子ウェルの2つのペアにより
構成されることが可能であり、その場合各ペアは異なる
波長でレーザ動作が可能であり、各ペアに対する1つの
量子ウェルはTEモードゲインに対応し、他の1つはT
Mモードゲインに対応する。600から660nmの動
作を意図したそのような量子ウェルペアの1つが図3に
示されている。
【0036】図1に示されるようなTEおよびTMモー
ドゲイン特性を異なる波長で各々が有する付加的量子ウ
ェルが構造に含められてデュアル偏光マルチ波長ダイオ
ードレーザアレイが与えられることが可能である。マル
チ波長デュアル偏光ダイオードレーザアレイは、図8の
実施例においていくつかの選択可能な方法で形成される
ことが可能である。活性領域は複数の量子ウェルから構
成されることが可能であり、各量子ウェルは図1に示さ
れるようなTEおよびTMモードゲイン特性を異なる波
長に対して有する。別の方法として、活性領域は障壁層
により分離された複数の量子ウェルペアから構成される
ことが可能であり、その場合各ペアは異なる波長でレー
ザ動作可能であり、各ペアの1つの量子ウェルはTEモ
ードゲインに対応し、他の1つはTMモードゲインに対
応する。
【0037】前述のように、また前述の米国特許願第07
/948,524号および07/948,522号に詳細に記述されている
ように、各活性領域の活性ゾーンの内の1つに付加的ロ
スを導入することにより偏光モードが制御されることが
可能である。図8はまた、付加的ロスを導入することに
関する2つの好ましい方法を示しており、この導入は非
ポンピング領域または低鏡面反射率を与えることにより
行われ、この両者は関連する活性ゾーンをより高いゲイ
ンを有する偏光、即ちこの場合はTMモードの発振を行
わせる。図8は、レーザゾーン75から78のそれぞれ
の前面にあってそれぞれ反射率R1、R2、R3、およ
びR4を有する反射器90、91、92、および93を
示す。これらと対になる反射器90’から93’は対向
面にある。同様に図に見られるように、電極80から8
3は異なる長さを有しており、電極80、82は全結晶
長にわたり、一方電極81、83はそれぞれ領域81’
および83’を後部に残している。電極で覆われていな
い領域の下には非ポンピングレーザ部が形成される。従
って、非ポンピング部81’、83’の手段によりレー
ザ76および78はTMモードで発振させられることが
可能となる。別の方法として、電極81および83が素
子本体の全長にわたる場合には、面反射率R2およびR
4をそれぞれR1およびR3よりも低くすることにより
前記と同様にレーザ76および78はTMモードで発振
させられる。非ポンピング部およびより低い反射率を用
いる両方法は、同じ活性領域内へ組み合わされることが
可能である。偏光モードを制御するこれらの方法は図2
から4、6、および7に示されるこの他の実施例に対し
ても適用可能であることが理解される。
【0038】薄いQWレーザを特に用いて、バンド充填
効果により同様なゲイン−電流特性が単一のQWレーザ
で実現可能である。そのような方法が図6に示されてお
り、該構造は、単一で薄い(伸張ひずみが与えられた)
QW57、伸張ひずみが与えられた左側の閉じ込め層5
4、および伸張ひずみが与えられた右側の内部閉じ込め
層55を有する。図6は比較を目的とした合成図であ
り、2つの波長でのTEおよびTMモードゲインに対し
て設計された伸張ひずみが与えられた単一QWの2つの
例58、59が合成されている。各構造のバンド構造図
が下に示されており、2つの波長λ1 、λ2 を発生する
2つの遷移が各場合で可能であることが示されている。
左側の51で示されているQWに関連する状態のバンド
充填は、大きい矢印52で示される閉じ込め層バンドギ
ャップのフォトンエネルギー特性まで発振を短波長λ2
へシフトさせる。閉じ込め層は、左側の54に示される
ようなバルクに類似のものであることが可能であるか、
または右側の55に示されるような空間量子化されたも
のであることが可能であり、個別の光学的閉じ込めヘテ
ロ構造を有し、その場合閉じ込め領域およびQW両者の
厚さおよび組成は軽いホールおよび重いホールのバンド
エッジがそろうように調整され、従ってQW波長56お
よび閉じ込め層波長52の両者でTEまたはTMモード
動作が可能となる。これらの構造58または59のいづ
れかが使用され、単一QW活性領域のみを有するデュア
ル偏光デバイスからマルチ波長動作が実現可能となる。
複数のQWがそのような構造に組み込まれることもまた
可能であり、(各偏光におけるゲインに対して個別のQ
Wを使用して)長波長TEおよびTMモードゲイン特性
を得る際の自由度の増加が可能となる。
【0039】バンド充填効果は、例えば "A Model For
GRIN-SCH-SQW Laser Diodes" (S.R.Chinn,P.S.Zory,A.
R.Reisinger,IEEE Journal of Quantum Electronics,Vo
l.24,No.11,November1988,pp.2191-2214)に記載されて
いる。本質的にバンド充填は、付加的キャビティロスを
導入してスレショルド電流密度を増加させることにより
実現される。このことは擬フェルミレベルをバンド内へ
深く押し込み、結果としてゲインピークを短波長側へシ
フトさせる。
【0040】図6の実施例において、活性層58または
59のいづれかは、本発明に従う4つのマルチ波長デュ
アル偏光ダイオードレーザをサポート可能である。
【0041】図8の構造と同様または類似の構造は、図
6に示される動作を実現するために有用であり、その場
合左側に示される構造58は2つの異なる波長でTEま
たはTM偏光ビームを放射可能であり、右側に示される
構造59は同じ波長でTEまたはTM偏光ビームを放射
可能である。これら両波長は各構造の2つのゾーン内に
異なる量のキャビティロスを選択的に導入することによ
るバンド充填に基づき実現される。従って、構造58お
よび59の各々を2つの部分に副次的に分割すること
と、図8の実施例で行われたように2つの部分の内の1
つに非ポンピング領域またはより低い反射率の鏡面を与
えることにより、より高いキャビティロスに関連するレ
ーザゾーンが、構造についてのより大きく隔てられたエ
ネルギーレベル間のレーザ遷移を呈し、従ってより短い
波長λ2 でレーザ動作を行うこととなる。この場合では
動作波長を選択または制御するためにキャビティロスが
使用され、一方図8の実施例では放射光の偏光モードを
選択するためにキャビティロスが使用されることは注意
を要する。また、結果として生じる図6の実施例の4つ
のレーザゾーンの放射の偏光は、好ましくは選択的に導
入されたキャビティロスによってではなく、構造内の活
性、閉じ込め、および導波路層の組成および結晶状態
(ひずみまたは無ひずみ)によって選択されることもま
た観測される。
【0042】MOVPEによるような、様々な層を成長
させる従来の方法は当該分野において公知であり、出版
物および前述の関連出願に記載されており、さらに説明
を行う必要はない。
【0043】図2および8において、AlGaInPデ
バイスがリッジ導波路構造を用いて示されており、該構
造はこの物質系における標準的屈折率誘導型レーザ構造
である。しかし、不純物誘起不整合により形成される横
方向導波路を有する他のデバイスが示されている。デュ
アル偏光を実現するために厳密なデバイス構造は重要で
はなく、従って任意のゲイン誘導型、屈折率誘導型、ま
たは広面積構造でさえも任意の物質系と共に使用される
ことが可能である。同様に、図に示される2つの物質系
は特別なものではない。これら物質系のいづれか1つか
ら有効となる波長範囲は50nm以上の間隔を有するレ
ーザ波長を可能とする。従って、AlGaInPおよび
/またはAlGa(In)AsP活性層ペアの多くの組
み合わせが存在し、これら組み合わせは、(1)波長間
隔が充分であり、(2)必要となるTEおよびTMモー
ドゲイン−電流特性を与える。
【0044】前述の方法はまた、非常に多数の活性領域
波長に適用可能である。最終的には、適切な物質系(波
長範囲600から850nmの、AlGaInPおよび
InGaAsPをGaAs基体上へ一体化した系)から
有効となる波長範囲、および(例えば、レーザプリンタ
で使用される様々な受光体物質の応答曲線により指定さ
れる)必要とされる波長間隔により前記の最大数が決定
される。各活性領域波長に対し、直交偏光の使用は分離
可能な光源の数を2倍にする。
【0045】
【発明の効果】他のマルチ光源デバイスも含めて考えら
れる本発明の構造の利点は以下となる。 1.各波長に対して個別の活性領域を有する他のマルチ
波長光源と比較して、直交偏光を考慮することにより分
離可能な光源の数が2倍となる。 2.各波長に対し、直交する両偏光を実現するために単
一の活性領域が使用可能である。例えば、600から6
50nmバンドに対し、GaAs物質系上のAlGaI
nP領域が使用可能であり、600から850nmバン
ドに対し、GaAs基体上のAlGaAsPまたはIn
GaAsP領域のいづれかが使用可能可能である。 3.複数のQW活性領域が使用されて異なる波長でTE
およびTMモードゲインが与えられることが可能であ
り、その結果、1つのレーザ構造についての単一エピタ
キシャル成長を使用してマルチ波長デュアル偏光アレイ
が構成されることが可能である。 4.伸張ひずみが与えられた閉じ込め領域内に埋め込ま
れた単一のQW活性領域が使用されてデュアル波長デュ
アル偏光光源が実現されることが可能である。
【0046】本発明の好ましい実施例として現在考えら
れる事項について記述を行ってきたが、本発明は他の特
定な形態においてもその本質的特性から逸脱することな
く実施されることが可能であることが理解される。従っ
て本発明の実施例は全ての態様において例示として考慮
されるべきものであり、本発明を制限するものでない。
本発明の範囲は、前述の記載によってではなく請求の範
囲によって示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うレーザダイオードアレイの1形態
に従って直交偏光を実現するためのQW活性領域のゲイ
ン−電流特性を示す図である。
【図2】本発明に従うダイオードレーザアレイの実施例
の概略図である。
【図3】本発明に従って構成されるダイオードレーザア
レイに対する活性層の第2の実施例の概略図である。
【図4】本発明に従って構成されるダイオードレーザア
レイに対する活性層の第3の実施例の概略図である。
【図5】図4の実施例のゲイン−電流特性を示す図であ
る。
【図6】本発明に従って構成されるダイオードレーザア
レイに対する活性層の第4の実施例の概略図である。
【図7】本発明に従うダイオードレーザアレイの第2の
実施例の概略図である。
【図8】本発明に従うダイオードレーザアレイの第3の
実施例の概略図である。
【符号の説明】
16 4素子ダイオードレーザアレイ 19 下部閉じ込め層 20 活性層 23 上部閉じ込め層 24 上部クラッド層 30 量子ウェル 32 障壁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トーマス エル.パオリ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94002 ロス アルトス シプレス ドラ イヴ 420

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デュアル波長、デュアル偏光レーザダイ
    オードアレイであって、 第1および第2の並んだ活性領域を有する共通な半導体
    の基体であって、前記第1の活性領域は、第1または第
    2の異なる波長でTE偏光光およびTM偏光光をそれぞ
    れ放射可能な第1および第2の横方向に隔てられたゾー
    ンを有し、前記第2の活性領域は、第1または第2の異
    なる波長でTE偏光光およびTM偏光光をそれぞれ放射
    可能な第3および第4の横方向に隔てられたゾーンを有
    する、半導体基体と、 ダイオードレーザアレイの前記ゾーン内に個々にキャリ
    アを誘起して各ゾーンが独立に光の放射を行うようにす
    るために基体に接続される電極と、 レーザ放射のための少なくとも1つの光学的キャビティ
    を基体と共に形成する光学的反射器と、 前記第1または前記第2の波長でTE偏光およびTM偏
    光光の放射をそれぞれ前記第1および第2のゾーンに行
    わせるために第1の活性領域の第1および第2のゾーン
    に接続される偏光選択手段と、 前記第1または前記第2の波長でTE偏光およびTM偏
    光光の放射をそれぞれ前記第3および第4のゾーンに行
    わせるために第2の活性領域の第3および第4のゾーン
    に接続される偏光選択手段と、 を含むレーザダイオードアレイ。
  2. 【請求項2】 マルチ波長、デュアル偏光レーザダイオ
    ードアレイであって、 複数の個別の活性領域を有する共通な半導体の基体であ
    って、各活性領域は、当該活性領域以外の他の活性領域
    の各波長と実質的に異なる実質的に1つの波長で、TE
    モードおよびTMモードゲインの両者、またはTEモー
    ドもしくはTMモードゲインのいづれかを有することが
    可能な、半導体基体と、 前記複数の活性領域の横方向に隔てられた並んだゾーン
    と、 レーザ放射のための少なくとも1つの光学的キャビティ
    を基体と共に形成する光学的反射器と、 ダイオードレーザアレイの前記ゾーン内に個々にキャリ
    アを誘起して各ゾーンが独立に光の放射を行うようにす
    るために基体に接続される電極と、 前記複数の波長の内の1つでTE偏光またはTM偏光光
    のいづれかの放射を各ゾーンに行わせるために前記ゾー
    ンの各々に接続される偏光および波長選択手段と、 を含むレーザダイオードアレイ。
  3. 【請求項3】 デュアル波長、デュアル偏光レーザダイ
    オードアレイであって、 第1および第2の個別の活性領域を有する共通な半導体
    の基体であって、前記第1の活性領域は、第1の波長お
    よび前記第1の波長と実質的に異なる第2の波長の両者
    でTEモードゲインを有することが可能であり、前記第
    2の活性領域は、前記第1および第2の波長でTMモー
    ドゲインを有することが可能である、半導体基体と、 前記第1および第2の活性領域の横方向に隔てられた並
    んだゾーンと、 レーザ放射のための少なくとも1つの光学的キャビティ
    を基体と共に形成する光学的反射器と、 ダイオードレーザアレイの前記ゾーン内に個々にキャリ
    アを誘起して各ゾーンが独立に光の放射を行うようにす
    るために基体に接続される電極と、 前記複数の波長の内の1つでTE偏光またはTM偏光光
    のいづれかの放射を各ゾーンに行わせるためか、また
    は、前記第1および第2の波長でTE偏光光の放射をそ
    れぞれ前記ゾーンの第1および第2のゾーンに行わせ、
    前記第1および第2の波長でTM偏光光の放射をそれぞ
    れ前記ゾーンの第3および第4のゾーンに行わせるため
    に前記ゾーンの各々に接続される偏光および波長選択手
    段と、 を含むレーザダイオードアレイ。
  4. 【請求項4】 デュアル波長、デュアル偏光レーザダイ
    オードアレイであって、 第1および第2の活性領域を有する複数の層を有する共
    通な半導体の基体であって、前記第1および第2の活性
    領域は、前記第1の活性領域に対する第1の上部クラッ
    ド層と、接触層と、前記第2の活性領域に対する第1の
    下部クラッド層とにより分離され、前記第1の活性領域
    は、第2の下部クラッド層と、前記第1の上部クラッド
    層との間に挟まれ、また前記第1の活性領域は、第1お
    よび第2の波長でTE偏光光の放射がそれぞれ可能であ
    るかまたは第1の波長でTE偏光光およびTM偏光光の
    放射がそれぞれ可能である横方向に隔てられた少なくと
    も第1および第2のゾーンを有し、前記第2の活性領域
    は、前記第1の下部クラッド層と、第2の上部クラッド
    層との間に挟まれ、また前記第2の活性領域は、第1お
    よび第2の波長でTM偏光光の放射がそれぞれ可能であ
    るかまたは第2の波長でTE偏光光およびTM偏光光の
    放射がそれぞれ可能である横方向に隔てられた少なくと
    も第3および第4のゾーンを有する、半導体基体と、 レーザ放射のための少なくとも1つの光学的キャビティ
    を基体と共に形成する光学的反射器と、 第1および第2のゾーン内に個々にキャリアを誘起して
    各ゾーンが独立に光の放射を行うようにするために前記
    基体および前記第1の上部クラッド層に接続される第1
    の電極と、 第3および第4のゾーン内に個々にキャリアを誘起して
    各ゾーンが独立に光の放射を行うようにするために前記
    接触層および前記第2の上部クラッド層に接続される第
    2の電極と、 前記第1の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射をそ
    れぞれ前記第1および第2のゾーンに行わせるためか、
    または、前記第1および第2の波長でTE偏光光の放射
    をそれぞれ前記第1および第2のゾーンに行わせるため
    に第1の活性領域の前記第1および第2のゾーンに接続
    される偏光および波長選択手段と、 前記第2の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射をそ
    れぞれ前記第3および第4のゾーンに行わせるためか、
    または、前記第1および第2の波長でTM偏光光の放射
    をそれぞれ前記第3および第4のゾーンに行わせるため
    に第2の活性領域の前記第3および第4のゾーンに接続
    される偏光および波長選択手段と、 を含むレーザダイオードアレイ。
  5. 【請求項5】 デュアル波長、デュアル偏光レーザダイ
    オードアレイであって、 両側を閉じ込め層で挟まれた量子ウェルを含む活性層を
    有する共通な半導体の基体であって、前記閉じ込め層
    は、量子ウェルに関連する状態間の第1の波長でTEモ
    ードおよびTMモードゲインを有することが可能であ
    り、また閉じ込め層に関連する状態間の第2の波長でT
    EモードおよびTMモードゲインを有することが可能で
    ある、半導体基体と、 前記活性層の横方向に隔てられた並んだ第1、第2、第
    3、および第4の、ゾーンと、 ダイオードレーザアレイの前記ゾーン内に個々にキャリ
    アを誘起して各ゾーンが独立に光の放射を行うようにす
    るために基体に接続される電極と、 レーザ放射のための少なくとも1つの光学的キャビティ
    を基体と共に形成する光学的反射器と、 前記第1の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射をそ
    れぞれ第1および第2のゾーンに行わせるために前記第
    1および第2のゾーンに接続される偏光選択手段と、 前記第2の波長でTE偏光およびTM偏光光の放射をそ
    れぞれ前記第3および第4のゾーンに行わせるために前
    記第3および第4のゾーンに接続される偏光選択手段
    と、 を含むレーザダイオードアレイ。
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