JP2003020228A - 金属または金属−カルコゲンナノ粒子の液相合成法およびこれを用いた相変化光記録媒体 - Google Patents

金属または金属−カルコゲンナノ粒子の液相合成法およびこれを用いた相変化光記録媒体

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JP2003020228A
JP2003020228A JP2001202281A JP2001202281A JP2003020228A JP 2003020228 A JP2003020228 A JP 2003020228A JP 2001202281 A JP2001202281 A JP 2001202281A JP 2001202281 A JP2001202281 A JP 2001202281A JP 2003020228 A JP2003020228 A JP 2003020228A
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Kokichi Waki
幸吉 脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相変化材料として有用な金属または金属−カ
ルコゲンナノ粒子の新規液相合成法を提供する。さら
に、このナノ粒子を記録層に用いた高密度および高感度
の相変化型光記録媒体を提供する。 【解決手段】 吸着基含有低分子分散剤および/または
ポリマー分散剤を溶解したアルコール系溶媒および/ま
たは水の中で、1種以上の金属化合物と還元剤、また
は、1種以上の金属化合物とカルコゲン化合物とを、高
剪断力を有する攪拌装置により急激に反応させ、さら
に、限外濾過(UF)法で精製する。また、このナノ粒
子をコロイド分散液とし、スピンコートあるいはウェッ
ブ塗布して記録層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属または金属−
カルコゲンナノ粒子を親水系の液相合成法に関する。さ
らに、本発明の金属または金属−カルコゲンナノ粒子を
記録層とした相変化光記録媒体に関する。ここでいうナ
ノ粒子とは、平均粒径が1nmから20nmの範囲であ
る超微粒子である。
【0002】
【従来の技術】Clusters and Colloids, VCH出版(1994)
には、金属ナノ粒子の各種合成法が記載されている。液
相合成法としては、広く知られたいくつかの方法があ
る。具体的には、ポリマーを存在させた分散媒中で、金
属化合物または金属錯塩をアルコールで加熱還流する方
法、ポリマーを存在させた分散媒中で、水素、テトラヒ
ドロホウ酸ナトリウム、ヒドラジンあるいは光照射で還
元する方法、さらに、界面活性剤を用いた正常ミセルあ
るいは逆ミセル中で、金属化合物または金属錯塩を還元
する方法などがある。
【0003】金属−カルコゲンナノ粒子の合成法につい
ては以下のような例がある。Nature,VOL 404,2 MARCH 2
000,59-61とAppl.Phys.Lett.71(15),2181-2183(1997)
にはCdSeの合成法が記されているが、前者は、30
0℃以上の温度が必要であり、かつ、疎水系合成法であ
るため、本発明とは全く異なる合成法である。後者は、
原料をエタノール中でリフラックスしてプレカーサ溶液
を得た後、真空乾燥するなどの工程が必要であり、複雑
であることと、本発明とは異なる合成法である。また、
Mat.Res.Bull.,23,653-661(1988)にはGeSe2の合成
法が記されている。GeSe2そのものをエチレンジア
ミンに117℃で溶解し8時間リフラックスさせる方法
であり、高温で長時間を要する点は本発明とは全く異な
る合成法である。
【0004】Inorg.Chem.Commun.,3(9),462-464(2000)
にはCu3Pd137の合成法が記されている。オートク
レーブ中で、140〜160℃で10時間反応させるこ
とで10数nmのナノ粒子を凝集した状態で取り出して
いる。溶液反応ではないこと、温度、圧力が高いことな
ど本発明とは全く異なる合成法である。
【0005】J.Sol-Gel Sci.Technol.,13(1/2/3),61-64
(1998)とJ.Am.Chem.Soc.,112,1322-1326(1990)にはCd
Sの合成法が記されている。前者は、アセトン中で合成
し、洗浄後、アセトン、テトラヒドロフランまたはジメ
チルホルムアミドに分散する疎水系合成法であり、本発
明とは異なる。後者は、メタノール、アセトニトリル、
水、メタノール、アセトンの混合溶媒中での反応であ
り、真空乾燥後、アセトニトリルに再分散させる疎水系
合成法であるため、本発明とは異なる合成法である。
【0006】特開2000―54012には、還元法に
より金属、金属間化合物、合金の磁性ナノクリスタルを
形成する手法が開示されているが、疎水系合成法であ
り、本発明とは異なる合成法である。
【0007】単分散な金属または金属−カルコゲンナノ
粒子を合成するには、温度、時間、攪拌などの条件設定
が重要であるが、攪拌について言及した先行技術例はほ
とんどない。加熱還流は対流による攪拌であり、超音波
は衝撃波による振動攪拌であるが、具体的記載のない先
行技術例については、ほとんど、通常の羽根やマグネチ
ック攪拌子による攪拌と推察される。
【0008】光記録材料の高密度化と高感度化は鋭意改
良されてきた。従来は波長600nm以上のレーザ光が
用いられており、記録媒体もこの波長域で最適な性能を
発現するように開発設計されていた。光の波長がn分の
1になると、情報の記録密度はn×n倍になることは良
く知られており、そのため、波長400nm近傍の短波
長レーザを用いた高密度記録の実用化が急がれている。
このように波長が短波化し記録密度が向上するに伴い、
媒体への高密度化と高感度化の要求はますます高くなっ
てきている。
【0009】超微粒子を光記録媒体として用いる技術と
しては以下のものが開示されている。特開平5−622
39には、スパッタリングで形成した粒径分布を有する
GeやSiの半導体超微粒子を用いる手法が開示されて
いる。この手法は、レーザの短波化や大NA化によらな
いで記録密度を向上させるために、サイズの異なる超微
粒子の量子サイズ効果の違いを活用して波長多重記録を
しようとするものであり、均一なナノ粒子を用いエネル
ギー照射部分の全面的な相変化を活用しようとする本発
明とは基本的に異なる。
【0010】特開平10−261244には、微細な凹
凸パターンを形成し、そのパターンを有する基体上に金
属微粒子や貴金属微粒子をカルコゲン化合物中に分散し
た記録層、又は貴金属微粒子とカルコゲン化合物微粒子
の複合微粒子を誘電体材料中に分散した記録層をスパッ
タリングにより設けて成る光記録媒体が開示されてい
る。しかし、パターン形成が新たに付加される等、製造
工程が複雑であり実用性に乏しいものであった。
【0011】さらに、一般に、スパッタリングによる薄
膜形成法は、膜組成の自由度が大きい、ドライな雰囲気
で膜形成できる等の利点を有するものの、薄膜を形成す
る微粒子は、液相法で形成された微粒子に比べ、サイズ
およびサイズ分布の制御、粒子の構造制御などが困難で
あり、その結果、記録/未記録部分の識別性、記録領域
のダウンサイズ化、記録材料の安定性等の向上が難しい
という欠点を有している。
【0012】本発明の液相合成の対象とされる材料から
なる薄膜は前記スパッタリングや還元法以外にCVDに
よっても作製される。特開平3−82593にはAgI
nTe2薄膜をCVDによって作製する例が開示されて
いる。しかし、この方法では、通常、基板温度を100
℃以上の高温にする必要がありポリカーボネートのよう
なポリマー基板には適用が難しい。また製膜時間が長い
等の製造上の問題があった。
【0013】光記録層が超微粒子状物質を耐熱性マトリ
ックス中に分散せしめたようなものであっても良いとい
う認識は例えば特登2908826号に記載されている
が、その具体的な製法は記載されていない。このような
膜形成は通常耐熱性マトリックス中にスパッタリングに
よって過飽和な状態に注入された記録材料をアニール等
によって析出させることで製作されており、本発明のよ
うに超微粒子表面を修飾することでコロイド状に分散さ
れる記録材料の製法は例を見ない。さらにゾルゲル法に
よる湿式プロセスについても例えば特登2908826
に挙げられているが、具体的な製法は開示されておらず
一般的な記述の域を出るものではない。
【0014】特開平3−231890には、InCuS
2合金を用いる記録層の形成法として、スプレー法や
スピンコート後の焼成法が提案されているが、製造の精
度や基板の耐熱性を考えると現実的とは言えない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、相変化材料
として有用な金属または金属−カルコゲンナノ粒子の新
規液相合成法を提供することを目的とする。さらに、記
録層に600nm以下の短波レーザ光での記録、再生、
消去適正を付与することで高密度化を可能とし、さらに
この記録層として、本発明の金属または金属−カルコゲ
ンナノ粒子をスピンコートまたはウェッブ塗布すること
によって形成することにより高密度化と高感度化を可能
とする光記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、下記の手
段により達成された。1.吸着基含有低分子分散剤(吸
着基を含有する低分子量の分散剤)および/またはポリ
マー分散剤を溶解したアルコール系溶媒および/または
水の中で、1種以上の金属化合物と還元剤、または、1
種以上の金属化合物とカルコゲン化合物とを、高剪断力
を有する攪拌装置により反応させ、さらに、限外濾過
(UF)法で精製することを特徴とする金属または金属
−カルコゲンナノ粒子の液相合成法。該攪拌装置による
反応時間は10〜25分が好ましい。2.吸着基含有低
分子分散剤が分子量300以下であることを特徴とする
上記1記載の金属または金属−カルコゲンナノ粒子の液
相合成法。3.金属または金属−カルコゲンナノ粒子
が、8族、1B族、2B族および4〜6周期の3B、4
B、5B族および3〜5周期の6B族から選ばれる1種
以上の元素から成ることを特徴とする上記1または2記
載の金属または金属−カルコゲンナノ粒子の液相合成
法。4.基板上に、少なくとも1層の記録層を有し、該
記録層が上記1〜3のいずれかに記載の金属または金属
−カルコゲンナノ粒子から成る相変化光記録媒体。5.
第一の光エネルギーを照射することにより該記録層中の
ナノ粒子を非晶質状態とし、前記第一のエネルギーより
小さい第二の光エネルギーを照射することにより該記録
層中のナノ粒子を結晶状態とすることにより反射率を変
化させ、情報の記録、再生、消去を繰り返しおこなう、
書き換え型であることを特徴とする上記4記載の相変化
型光記録媒体。6.光エネルギーを与えることにより記
録層中のナノ粒子および/または近傍に不可逆的な状態
変化を引き起こして反射率を変化させ、情報の記録をお
こなう、追記型であることを特徴とする上記4記載の相
変化光記録媒体。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるナノ粒子の粒
径は平均で1〜20nmであるが、好ましくは、1〜1
0nmである。平均粒径が20nmより大きくなると、
融点が上昇し相変化速度が低下する。サイズの下限は耐
候性等の実用性能を勘案して選択される。また、いわゆ
る単分散粒子が記録部と非記録部の差別化が良好であ
る。本発明でいうところの単分散粒子とは、変動係数が
好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、も
っとも好ましくは10%以下である。
【0018】本発明の吸着基含有低分子分散剤として
は、アルコール系溶媒や水に溶解するものが用いられ
る。高密度の塗布層を得るために、該低分子分散剤の分
子量は、300以下が好ましく、200以下がより好ま
しい。吸着基としては、−SH、−CN、−NH2、−
SO2OH、−COOHが好ましい。さらに、これらの
基を複数もつことも好ましい。また、上記の基の水素原
子がアルカリ金属原子等に置換した塩も分散剤として用
いられる。分散剤としては、R−SH、R−NH2、R
−COOH、HS−R'−(SO3H)n、HS−R'−N
2、HS−R'−(COOH)nで表される化合物が好ま
しい。Rは脂肪族基、芳香族基または複素環基(複素環
中の水素原子を一個取り去った基)であり、R'はRの
水素原子がさらに置換した基である。R'としてはアル
キレン基、アリーレン基、複素環連結基(複素環中の水
素原子を二個取り去った基)が好ましい。脂肪族基とし
てはアルキル基(炭素数2〜20、好ましくは、炭素数
2〜16の直鎖または分岐のアルキル基で、置換基を有
していてもよい。)が好ましい。芳香族基としては、置
換または無置換のフェニル基、ナフチル基が好ましい。
複素環基及び複素環連結基の複素環としては、アゾー
ル、ジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テト
ラゾールなどが好ましい。nは1〜3が好ましい。吸着
基含有低分子分散剤の例としては、メルカプトプロパン
スルホン酸、メルカプトコハク酸、オクタンチオール、
デカンチオール、チオフェノール、チオクレゾール、メ
ルカプトベンズイミダゾール、メルカプトベンゾトリア
ゾール、5−アミノ−2−メルカプトチアジアゾール、
2−メルカプト−3−フェニルイミダゾール、1−ジチ
アゾリルブチルカルボン酸などが挙げられる。分散剤の
添加量は、生成するナノ粒子の0.5〜5倍モルが好ま
しく、さらに、1〜3倍モルが好ましい。
【0019】本発明のポリマー分散剤としては、アルコ
ール系溶媒や水に溶解し、かつ、耐熱性の高いものが好
ましく、シリコーン樹脂(例:東レ製トレフィルR91
0)、ポリビニルピロリドンが好ましい。ポリマー分散
剤の添加量は、生成するナノ粒子の5〜50質量%が好
ましく、さらに、5〜30質量%が好ましい。
【0020】金属または金属−カルコゲンナノ粒子は、
8族、1B族、2B族、4〜6周期の3B、4B、5B
族および3〜5周期の6B族から選ばれる一つ以上の元
素から成る。組成は、2元系、3元系、4元系が有効で
あるが、1+2、1+3、1+4、2+2および2+3
元系も有効である。具体例として、Ag2Te、Sb2
3、In2Te3、GeTe、Ge2Sb2Te5、Ag2
InSbTe4、AgInTe2、AgSbTe2、Cu
InSe2、CuInTe2、InSbTe3、Ge2Te
S、Ge2SeS、Ge2Sb2Se5、GeAsSe2
SeTe、Au2GeTe4、GeSb2Te3Se、Au
2SnGeTe4、PbGeTe2、GeSb2Te3Sな
どが挙げられる。原子比を全て整数で表示したが、相変
化光記録媒体に用いる場合、所望の記録特性・保存性・
強度などの特性を得るために、原子比は、違う整数比で
あっても、また、整数比からずれる中間比率であっても
良い。
【0021】金属または金属−カルコゲンナノ粒子は、
上記の元素を塩または錯塩の形で、アルコール系溶媒お
よび/または水に溶解した溶液を高剪断力の攪拌装置で
攪拌しながら、複分解反応あるいは還元反応させて合成
する。塩としては、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、
臭化物などが用いられる。また、錯塩としては、アンモ
ニウム錯塩、クロロ錯塩、ヒドロキソ錯塩、シアノ錯塩
などが用いられる。金属化合物の還元に用いられる還元
剤としては特に制限はなく、例えば、水素、テトラヒド
ロホウ酸ナトリウム、ヒドラジン、アスコルビン酸、デ
キストリン、スーパーハイドライド(LiB(C25
3H)などが用いられる。反応温度としては、0〜10
0℃の範囲が好ましく、より好ましくは0〜60℃の範
囲である。添加する塩または錯塩のモル比は、目的とす
る組成比の比率が用いられる。吸着基含有低分子分散剤
およびポリマー分散剤は、反応前の溶液中に添加する以
外に、反応中または反応後に追加添加しても良い。
【0022】分散媒のアルコール系溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メト
キシエタノール、エトキシエタノール、エトキシプロパ
ノール、テトラフルオロプロパノールなどが用いられ、
好ましくはエトキシエタノール、エトキシプロパノール
またはテトラフルオロプロパノールである。
【0023】反応液からナノ粒子を精製するため、本発
明では、限外濾過(UF)法が用いられ、副生成物や過
剰の分散剤などの不要物を除去する。洗浄液としては、
アルコール、水またはアルコール/水混合液を用い、凝
集や乾固を起こさないように行う。
【0024】本発明の高剪断力を有する攪拌装置とは、
攪拌羽根が基本的にタービン型あるいはパドル型の構造
を有し、さらに、その羽根の端あるいは羽根と接する位
置に鋭い刃を付けた構造であり、それをモーターで回転
させる攪拌装置である。具体例として、ディゾルバー
(特殊機化工業製)、オムニミキサー(ヤマト科学
製)、ホモジナイザー(SMT製)などの装置が用いら
れる。通常、上記撹拌装置の周速は2〜30m/s、好
ましくは6〜15m/sで高速撹拌する。または通常、
上記撹拌装置の撹拌羽根を1000〜10000rpm
好ましくは3000〜7000で回転させる。撹拌時間
は5〜30分好ましくは10〜25分程度である。これ
らの装置を用いることにより、小サイズで単分散なナノ
粒子を安定な分散液として合成することができる。
【0025】本発明の金属−カルコゲンナノ粒子はコロ
イド分散液としてスピンコートあるいはウェッブ塗布さ
れる。塗布化することによって平滑で均一な膜形成が可
能となる。
【0026】本発明のナノ粒子は、結晶状態、アモルフ
ァス状態および結晶とアモルファスの混合状態がありう
るが、アモルファス状態で生成されることが多い。相変
化光記録媒体として用いる場合、結晶化を完全に行うた
め、基板上に記録層として塗設した後、当業界で周知の
レーザ初期化装置で結晶化させることが重要である。レ
ーザ初期化装置の波長は400〜850nmで任意に選
択できるが、高い出力を有するレーザが必要である。本
発明では、スポットサイズ1〜2×100〜200μm
(ディスクの半径方向に長い楕円状スポット)、出力
0.5〜1.5Wであり、半径方向の送りピッチを20
〜200μmとして初期化することが好ましい。より好
ましくは、出力0.6〜1.2W、送りピッチ50〜1
00nmである。
【0027】本発明の書き換え型光記録媒体では、基板
上に第一誘電体層、記録層、第二誘電体層を左記の順に
設けるのが好ましいが、さらに必要に応じて、反射層や
保護層を積層しても良い。記録層を形成する基板側から
記録再生光を照射する場合は、基板上に、第一誘電体
層、記録層、第二誘電体層、反射層、保護層を左記の順
に設けるのが好ましい。更に、基板と第一誘電体層との
間、誘電体層と記録層との間、第二誘電体層と反射層と
の間、反射層と保護層との間の中間層を設けても良い。
記録層を形成する基板とは反対側から記録再生光を照射
する場合は、基板上に、反射層、第一誘電体層、記録
層、第二誘電体層、保護層を左記の順に設けるのが好ま
しい。更に、基板と反射層との間、反射層と第一誘電体
層との間、誘電体層と記録層との間、第二誘電体層と保
護層との間に中間層を設けても良い。中間層は1カ所で
も複数カ所でも良い。また、おのおのの層が複数の層か
ら形成されてもよい。また、記録層と誘電体層を合体さ
せた層も好ましい。
【0028】本発明で用いられる記録層の厚みは超微粒
子の粒径と相関するが、5〜300nmの範囲で設計可
能であり、5〜200nmでも良く、5〜100nmで
あることが好ましく、5〜50nmが最も好ましい。
【0029】誘電体層には、ZnS、SiO2、Ti
2、Al23、AlN、SiC、MgF2、CaF2
LiF2、SiO、Si34、ZnO、MgO、Ce
O、SiC、ZrO、ZrO2、Nb25、SnO2、I
23、TiN、BN、ZrN、In23、TaS4
TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等を少なくとも
一種用いる。特にZnS、SiO2、TiO2、Al2
3、AlN、SiC、MgF2、CaF2、LiF2、Si
O、Si34が好ましい。 第一誘電体層、第二誘電体
層の厚みは10〜200nmの範囲が好ましい。記録層
を形成する基板側から記録再生光を入射する場合、第一
誘電体層は特に30〜150nmが特に好ましく、第二
誘電体層は10〜100nmが特に好ましい。記録層を
形成する基板の反対側から記録再生光を入射する場合、
第一誘電体層は特に10〜100nmが特に好ましく、
第二誘電体層は30〜150nmが特に好ましい。
【0030】反射層はAu、Ag、Al、Pt、Cu等
の単体あるいはこれらの一種以上を含む合金等の高反射
率金属から構成すれば良い。特に、AgまたはAlのい
ずれかの金属または、これらを主成分とする合金である
ことが好ましい。膜厚は30〜300nmが好ましく、
50〜200nmが特に好ましい。
【0031】反射層の上の保護層に用いられる材料とし
ては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2
Si34などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。保護層は樹脂で形成されていることが好ましい。ま
た、記録層と反射層の間に断熱性保護層を設けることも
できる。
【0032】保護層は、たとえばプラスチックの押出加
工で得られたフィルムを、接着層を介して反射層上及び
/または基板上にラミネートすることにより形成するこ
とができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布
等の方法により保護層を設けてもよい。また、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に
溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、
乾燥することによって保護層を形成することができる。
UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって保護層を
形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯
電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目
的に応じて添加してもよい。記録再生光が記録層を形成
する基板側から入射される場合、保護層の膜厚は0.1
〜100μmが好ましく、更に好ましくは1〜50μ
m、最も好ましくは2〜20μmである。記録再生光が
記録層を形成する基板とは反対側から入射される場合、
保護層の膜厚は1〜300μmが好ましく、更に好まし
くは10〜200μm、最も好ましくは50〜150μ
mである。
【0033】以上の工程により、基板上に記録層、誘電
体層、そして所望により反射層や保護層を設けた記録媒
体を作製することができる。そして得られた二枚の記録
媒体を各々の記録層が内側となるように接着剤等で貼り
合わせることにより、二つの記録層を持つ光記録媒体を
製造することもできる。また得られた記録媒体と、該記
録媒体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを、その
記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わせること
により、片側のみに記録層をもつ光記録媒体を製造する
ことができる。接着には、前記保護層の形成に用いたU
V硬化性樹脂を用いてもよいし、あるいは合成接着剤を
用いてもよい。あるいはまた両面テープなどを用いても
よい。接着剤層は、通常は0.1〜100μm(好まし
くは、5〜80μm)の範囲の厚みで設けられる。
【0034】本発明の光記録媒体は、追記型の光記録媒
体としても好ましく用いることができる。その構成は、
従来の追記型光記録媒体の構成において、記録層に本発
明のナノ粒子を用いればよい。
【0035】光記録媒体に記録した情報をタイトルや図
柄を用いて表示しておくことは管理上便利である。その
ためには、媒体の表面(記録再生用のレーザ光が照射さ
れる側とは反対側の表面)がそのような表示をするのに
適した表面であることが必要になる。近年、インクジェ
ットプリンタによる印字法が一般に利用されている。イ
ンクジェットプリンタを用いて光記録媒体の表面に印字
を施す場合には、インクは水性であるために、媒体の表
面は親水性であることが必要になる。しかし、光記録媒
体の表面は通常疎水性である。このため、光記録媒体の
表面を水性インクが定着し易いように親水性の表面に改
良することが必要になる。このような親水性の印刷面
(親水性表面層)を持つ光記録媒体については、例え
ば、特開平7−169700号、同10−162438
号などの各公報に種々提案されている。本発明の光記録
媒体についても親水性表面層を設けることができる。そ
して、親水性樹脂表面層を設ける場合、該表面層は、紫
外線硬化性樹脂(バインダ)中にタンパク質粒子などの
親水性有機高分子からなる粒子を分散させた層として構
成することが有利である。
【0036】本発明では200nmから600nmの適
当な波長範囲を用いることで記録媒体の高密度性を発揮
しうる。特に500nm以下が好ましく、430nm以
下が最も好ましく、青紫色レーザや第二高調波発生素子
(SHG素子)により短波長変換されたレーザ光を用い
ることができる。
【0037】
【実施例】以下に本発明をより詳細に説明するために、
その実施例を記載するが、これは本発明を例示の範囲に
限定するものではない。
【0038】実施例1 AgSbコロイド(C−1)の
調製 メルカプトこはく酸100mgをエトキシエタノール5
0mlに溶解して溶液(1)を調製した。酢酸アンチモ
ン1mmolとL−酒石酸3mmolを水20mlに溶
解して溶液(2)を調製した。酢酸銀1mmolを水2
0mlに溶解して溶液(3)を調製した。テトラヒドロ
ホウ酸ナトリウム4mmolを水20mlに溶解して溶
液(4)を調製した。Arガス雰囲気中室温で、溶液
(1)をオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌
し、この中に、溶液(2)を添加し、30秒後、溶液
(3)を添加した。さらに、30秒後、溶液(4)を添
加後、10分間反応させた。反応液は褐色のコロイドと
なった。反応液をUF装置にかけ、メタノール/水(7
/3比率)混合液で洗浄しながら、副生成物と未吸着の
分散剤を除去した。精製したコロイドにエトキシエタノ
ールを添加して再分散させて分析した結果、平均粒径4
nm、変動係数8%のナノ粒子であった。平均組成はA
g:Sb=1:1.2であり、収率は66%であった。
【0039】比較例1 上記実施例1において、メルカプトこはく酸を添加せず
に、攪拌も通常のスターラーで行ったところ、灰黒色の
液になり、反応終了後、すぐに沈殿してしまい、コロイ
ドは得られなかった。
【0040】実施例2 Ag2Teコロイド(C−2)
の調製 テルル化合物(a)1mmolとメルカプトこはく酸1
00mgをエトキシエタノール50mlに溶解して溶液
(1)を調製した。酢酸銀2mmolを水20mlに溶
解して溶液(2)を調製した。Arガス雰囲気中室温
で、溶液(1)をオムニミキサー(ヤマト科学製)で高
速攪拌し、この中に、溶液(2)を添加した。添加後、
20分間反応させた。反応液は褐色のコロイドとなっ
た。反応液をUF装置にかけ、メタノール/水(7/3
比率)混合液で洗浄しながら、副生成物と未吸着の分散
剤を除去した。精製したコロイドにエトキシエタノール
を添加して再分散させて分析した結果、平均粒径5n
m、変動係数9%のナノ粒子であった。平均組成はA
g:Te=2.1:1であり、収率は60%であった。
【0041】
【化1】
【0042】比較例2 上記実施例2において、メルカプトこはく酸を添加せず
に、攪拌も通常のスターラーで行ったところ、黒色の液
になり、反応終了後、すぐに沈殿してしまい、コロイド
は得られなかった。 比較例3(CT−1) 上記実施例2において、攪拌のみ通常のマグネチックス
ターラーで行ったところ、反応が非常に遅く、反応終了
後の液は茶色であった。反応液をUF装置にかけ、メタ
ノール/水(7/3比率)混合液で洗浄しながら、副生
成物と未吸着の分散剤を除去した。精製したコロイドに
エトキシエタノールを添加して再分散させて分析した結
果、平均粒径23nm、変動係数36%の粒子であっ
た。平均組成はAg:Te=2.3:1であり、収率は
17%であった。
【0043】実施例3 AgInTe2コロイド(C−
3)の調製 テルル化合物(a)2mmolとメルカプトこはく酸1
20mgをエトキシエタノール50mlに溶解して溶液
(1)を調製した。酢酸インジウム1mmolとL−酒
石酸3mmolを水20mlに溶解して溶液(2)を調
製した。酢酸銀1mmolを水20mlに溶解して溶液
(3)を調製した。Arガス雰囲気中で、40℃に加温
した溶液(1)をオムニミキサー(ヤマト科学製)で高
速攪拌し、この中に、溶液(2)を添加した。さらに、
30秒後、溶液(3)を添加後、20分間反応させた。
反応液は褐色のコロイドとなった。反応液をUF装置に
かけ、メタノール/水(7/3比率)混合液で洗浄しな
がら、副生成物と未吸着の分散剤を除去した。精製した
コロイドにエトキシエタノールを添加して再分散させて
分析した結果、平均粒径7nm、変動係数12%のナノ
粒子であった。平均組成はAg:In:Te=1:1.
1:1.9であり、収率は62%であった。
【0044】実施例4 AgSbTe2コロイド(C−
4)の調製 メルカプトこはく酸120mgをエトキシエタノール5
0mlに溶解して溶液(1)を調製した。酢酸アンチモ
ン1mmolとL−酒石酸3mmolを水20mlに溶
解して溶液(2)を調製した。酢酸銀1mmolを水2
0mlに溶解して溶液(3)を調製した。Arガス雰囲
気中で、テルル化ナトリウム2mmolを水20mlに
溶解して溶液(4)を調製した。Arガス雰囲気中、室
温で、溶液(1)をオムニミキサー(ヤマト科学製)で
高速攪拌し、この中に、溶液(2)と溶液(3)を添加
した。30秒後、溶液(4)を添加して、10分間反応
させた。反応液は褐色のコロイドとなった。反応液をU
F装置にかけ、メタノール/水(7/3比率)混合液で
洗浄しながら、副生成物と未吸着の分散剤を除去した。
精製したコロイドにエトキシエタノールを添加して再分
散させて分析した結果、平均粒径8nm、変動係数15
%のナノ粒子であった。平均組成はAg:Sb:Te=
1:1.2:2.2であり、収率は65%であった。
【0045】比較例4 上記実施例3において、メルカプトこはく酸を添加せず
に、攪拌も通常のマグネチックスターラーで行ったとこ
ろ、茶灰色の液になり、反応終了後、すぐに沈殿してし
まい、コロイドは得られなかった。 比較例5 (CT−2) 上記実施例4において、攪拌のみ通常のマグネチックス
ターラーで行ったところ、反応終了後の液は黒色になっ
た。反応液をUF装置にかけ、メタノール/水(7/3
比率)混合液で洗浄しながら、副生成物と未吸着の分散
剤を除去した。精製したコロイドにエトキシエタノール
を添加して再分散させて分析した結果、平均粒径22n
m、変動係数33%の粒子であった。平均組成はAg:
Sb:Te=1:1.2:1.7であり、収率は20%
であった。
【0046】実施例5 AgSbTe2コロイド(C−
5)の調製 上記実施例4において、攪拌をディゾルバー(特殊機化
工業製)にする以外、同様の方法で合成し、精製した。
精製したコロイドにエトキシエタノールを添加して再分
散させて分析した結果、平均粒径8nm、変動係数13
%のナノ粒子であった。平均組成はAg:Sb:Te=
1:1.3:2.0であり、収率は58%であった。
【0047】実施例6 AgInSb2Te5コロイド
(C−6)の調製 メルカプトこはく酸150mgをエトキシエタノール5
0mlに溶解して溶液(1)を調製した。酢酸アンチモ
ン2mmolとL−酒石酸6mmolを水40mlに溶
解して溶液(2)を調製した。酢酸インジウム1mmo
lとL−酒石酸3mmolを水20mlに溶解して溶液
(3)を調製した。酢酸銀1mmolを水20mlに溶
解して溶液(4)を調製した。Arガス雰囲気中で、テ
ルル化ナトリウム5mmolを水50mlに溶解して溶
液(5)を調製した。Arガス雰囲気中、室温で、溶液
(1)をオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌
し、この中に、溶液(2)、溶液(3)、溶液(4)を
30秒間隔で添加し、さらに1分後、溶液(5)を添加
して、10分間反応させた。反応液は褐色のコロイドと
なった。反応液をUF装置にかけ、メタノール/水(7
/3比率)混合液で洗浄しながら、副生成物と未吸着の
分散剤を除去した。精製したコロイドにエトキシエタノ
ールを添加して再分散させて分析した結果、平均粒径8
nm、変動係数10%のナノ粒子であった。平均組成は
Ag:In:Sb:Te=1:0.9:1.9:5.1
であり、収率は62%であった。
【0048】実施例7 AgInSb2Te5コロイド
(C−7)の調製 上記実施例6において、分散剤をメルカプトプロパンス
ルホン酸150mgに変える以外、同様の方法で合成
し、精製した。精製したコロイドにエトキシエタノール
を添加して再分散させて分析した結果、平均粒径7n
m、変動係数11%のナノ粒子であった。平均組成はA
g:In:Sb:Te=1:1.1:2:5.1であ
り、収率は55%であった。
【0049】実施例8 AgInSb2Te5コロイド
(C−8)の調製 上記実施例6において、分散剤をポリビニルピロリドン
(分子量15,000)300mg+ポリビニルピロリ
ドン(分子量50,000)100mgに変える以外、
同様の方法で合成し、精製した。精製したコロイドにエ
トキシエタノールを添加して再分散させて分析した結
果、平均粒径7nm、変動係数10%のナノ粒子であっ
た。平均組成はAg:In:Sb:Te=1:0.8:
2.2:5であり、収率は57%であった。
【0050】実施例9 AgInSb10Te4コロイド
(C−9)の調製 メルカプトこはく酸150mgおよびトレフィルR91
0(東レ製)50mgをエトキシエタノール50mlに
溶解して溶液(1)を調製した。酢酸アンチモン10m
molとL−酒石酸30mmolを水100mlに溶解
して溶液(2)を調製した。酢酸インジウム1mmol
とL−酒石酸3mmolを水20mlに溶解して溶液
(3)を調製した。酢酸銀1mmolを水20mlに溶
解して溶液(4)を調製した。Arガス雰囲気中で、テ
ルル化ナトリウム4mmolを水40mlに溶解して溶
液(5)を調製した。テトラヒドロホウ酸ナトリウム1
0mmolを水20mlに溶解して溶液(6)を調製し
た。Arガス雰囲気中、室温で、溶液(1)をオムニミ
キサー(ヤマト科学製)で高速攪拌し、この中に、溶液
(2)、溶液(3)、溶液(4)を30秒間隔で添加し
た。30秒後、溶液(5)を添加し、さらに30秒後、
溶液(6)を添加して、10分間反応させた。反応液は
褐色のコロイドとなった。反応液をUF装置にかけ、エ
タノール/水(7/3比率)混合液で洗浄しながら、副
生成物と未吸着の分散剤を除去した。精製したコロイド
にエトキシエタノールを添加して再分散させて分析した
結果、平均粒径7nm、変動係数9%のナノ粒子であっ
た。平均組成はAg:In:Sb:Te=1:1:9.
7:3.9であり、収率は52%であった。
【0051】実施例10 AuSb3Te33コロイド
(C−10)の調製 メルカプトこはく酸200mgをエトキシプロパノール
50mlに溶解して溶液(1)を調製した。酢酸アンチ
モン3mmolとL−酒石酸9mmolを水60mlに
溶解して溶液(2)を調製した。塩化金酸1mmolを
水20mlに溶解して溶液(3)を調製した。Arガス
雰囲気中で、テルル化ナトリウム3mmol、硫化ナト
リウム3mmolを水60mlに溶解して溶液(4)を
調製した。Arガス雰囲気中、室温で、溶液(1)をオ
ムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌し、この中
に、溶液(2)を添加し、30秒後に溶液(3)を添加
した。さらに30秒後、溶液(4)を添加して、10分
間反応させた。反応液は褐色のコロイドとなった。反応
液をUF装置にかけ、メタノール/水(7/3比率)混
合液で洗浄しながら、副生成物と未吸着の分散剤を除去
した。精製したコロイドにエトキシプロパノールを添加
して再分散させて分析した結果、平均粒径7nm、変動
係数12%のナノ粒子であった。平均組成はAu:S
b:Te:S=1:2.6:2.9:3.2であり、収
率は65%であった。
【0052】実施例11 追記型光記録媒体の作製 直径120mm厚さ0.6mmのポリカーボネート基板
上に、C−1〜5およびCT−1、2をスピンコート
し、厚さ50nmの記録層を作製し、その上に、厚さ2
00nmの非晶質フッ素樹脂(旭硝子製サイトップ)、
150nmのAg反射層および6μmのUV効果樹脂保
護層を順に形成し、ダミー基板を貼り合わせて試料1〜
7とした。試料1〜7をレーザ初期化装置によって初期
化した。初期化条件は、スポットサイズ1.5×150
μm、出力1W、送りピッチ80μm、CLV4m/s
ecであった。
【0053】記録再生評価機DDU1000(パルステ
ック工業製)を用いて記録特性を評価した。波長405
nmのレーザを、NA0.65のピックアップを用い
て、CLV3.5m/sec、記録周波数4.35MH
z、デューティ33%で記録した。記録パワーを1mW
おきに5mWから12mWまで変化させて記録し、これ
を再生し、変調度が最大となる出力を求め表1の結果を
得た。変調度は、記録振幅を未記録部の信号強度で割っ
たもので定義する。レーザ光は基板側から入射した。
【0054】
【表1】
【0055】この結果から明らかなように、本発明のナ
ノ粒子コロイドを用いた相変化光記録媒体は、変調度が
高く、さらに、記録可能となる出力が低くて高感度であ
ることが分かる。
【0056】実施例12 書き換え型光記録媒体の作製 厚さ0.6mmのポリカーボネート上に以下の層構成を
有し、記録層としてC−3〜10およびCT−2をスピ
ンコートした試料8〜16を作製した。第一誘電体層、
第二誘電体層、反射層はスパッタリングで形成させた。
保護層はUV硬化剤をスピンコートし、紫外線硬化させ
た。最後にダミー基板と貼り合せた。 厚み(nm) 第一誘電体層(ZnS/SiO2=8/2) 80 記録層 25 第二誘電体層(ZnS/SiO2 =8/2) 30 反射層(アルミニウム/Ti=98.5/1.5) 100 保護層 6000 また、実施例11と同様に初期化した。
【0057】記録再生評価機DDU1000(パルステ
ック工業製)を用いて記録特性を評価した。波長405
nmのレーザを、NA0.65のピックアップを用い
て、CLV3.5m/sec、記録周波数4.35MH
z、デューティ33%で記録した。読みとりパワーは
0.5mWで行った。最大C/N比とその時の記録パワ
ー(PW)および最大消去比とその時の消去パワー
(PE)を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】本発明の試料はいずれもPW、PEが極めて
小さく、かつ良好なC/N比と消去比を与えることが分
かる。
【0060】さらに試料8〜16についてオーバーライ
トテストを実施した。2つの書き込み周波数(f1=
4.35MHz、f2=5.1MHz)で交互にオーバ
ーライトを実施し、1000回書き換え後のC/N比と
消去比を測定した。評価結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】オーバーライトにより少し低下してはいる
が、いずれの試料も良好なC/N比と消去比を保ってい
ることが分かる。
【0063】
【発明の効果】本発明により、相変化材料として有用な
金属または金属−カルコゲンナノ粒子の新規液相合成法
を提供することができる。また、このナノ粒子をスピン
コートあるいはウェッブ塗布した記録層を用いることに
より、従来の方法より、はるかに高密度で高感度の光記
録材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01G 5/00 C01G 15/00 B 15/00 G11B 7/24 511 G11B 7/24 511 B41M 5/26 X Fターム(参考) 2H111 EA03 EA04 EA23 EA32 EA33 FB04 FB08 FB11 FB17 FB18 FB20 FB22 GA07 4G035 AB46 4G048 AA03 AA07 AB02 AC08 AD03 AE08 4G078 AA01 AB11 BA05 CA01 CA05 CA12 CA17 DA01 DA21 DA26 5D029 JA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸着基含有低分子分散剤および/またはポ
    リマー分散剤を溶解したアルコール系溶媒および/また
    は水の中で、1種以上の金属化合物と還元剤、または、
    1種以上の金属化合物とカルコゲン化合物とを、高剪断
    力を有する攪拌装置により反応させ、さらに、限外濾過
    (UF)法で精製することを特徴とする金属または金属
    −カルコゲンナノ粒子の液相合成法。
  2. 【請求項2】基板上に、少なくとも1層の記録層を有
    し、該記録層が請求項1に記載の金属または金属−カル
    コゲンナノ粒子から成る相変化光記録媒体。
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