JP2002365764A - 光記録材料 - Google Patents

光記録材料

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JP2002365764A
JP2002365764A JP2001177159A JP2001177159A JP2002365764A JP 2002365764 A JP2002365764 A JP 2002365764A JP 2001177159 A JP2001177159 A JP 2001177159A JP 2001177159 A JP2001177159 A JP 2001177159A JP 2002365764 A JP2002365764 A JP 2002365764A
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Shigeru Nakamura
茂 中村
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー光を用いて、記録の書き込みを行な
う書き換え可能な高密度光記録材料を提供する。 【解決手段】酸化珪素で被覆されたフォトクロミック性
遷移金属酸化物粒子を含む光記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物微粒子
を用いた光記録材料に関する。更に詳しくは書き換え可
能な高密度光記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】情報量の増大に伴い、記録材料の高密度
化の要求は益々高くなっている。光記録媒体はこうした
要求に答える記録媒体として広く用いられている。高密
度で尚且つ書き換え可能な光記録媒体としては、現在、
レーザー光のエネルギーを熱として利用する相変化型の
光記録材料が使用されているが、更なる高密度化の為に
は、光による直接の変化を利用するフォトンモードの記
録材料の開発が望まれている。書き込みに用いられる光
源としては従来は波長600nm以上のレーザー光が用
いられており、記録媒体もこの波長域で最適な性能を発
現するように開発設計されていた。光の波長がn分の1
になると、情報の記録密度はn×n倍になることは良く
知られており、そのため、波長400nm近傍の短波長
レーザーの実用化が急がれており、最近では2倍高調波
を利用する青色レーザーが実用されつつある。また、波
長限界を超える書き込みサイズを実現する方法として近
接場光を利用する書き込み方式も鋭意開発が行なわれて
いる。このように書き込み方式の進展に伴い、高密度で
の記録が可能な記録材料への要求はますます高くなって
きている。
【0003】光の照射により吸収スペクトルが変化し、
暗所でもとのスペクトルに戻る現象はフォトクロミック
現象として、多くの有機物、無機物結晶およびガラスで
知られている。有機のフォトクロミック材料はその多彩
な構造のゆえフォトンモードの記録材料として開発がす
すめられているが、読み取りの光照射で記録が劣化す
る、いわゆる光劣化の問題の他、不可逆的な分解を伴
い、十分な耐久性が得られるに到っていない。一方で、
酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化バナジウムな
どの遷移金属酸化物の紫外光によるフォトクロミック現
象についても古くから知られていた。しかし、着色は熱
的にもとの状態に戻り、この変化は繰り返しが可能であ
るものの、着色に比較的長時間を要し、また暗保存下で
徐々に消色するなど、実用的な検討には到らなかった。
近年、短波長レーザーの普及により、レーザー光照射下
での光化学変化が調べられるようになり、こうした高エ
ネルギー照射下で、酸化物構造の変化を含む保存性の良
い着色状態が得られること、またこの着色状態は、高温
に加熱することで、もとの状態に戻ることが判って来
た。最近では、格子欠陥の多い酸化タングステン膜に青
緑色のレーザー光で書き込みを行ない赤外光レーザーで
消去するという、リライタブルな光記録材料が検討され
た。米国特許第5,691,091号には、レーザー光でのフォ
トクロミック変化を用いて、書き換え可能な光記録の提
案がなされ、Jpn.J.Appl.Phys.39(2000) 789には、その
詳細が述べられている。
【0004】こうしたフォトクロミズムの検討の多く
は、蒸着、スパッター、あるいはゾルゲル法等により基
板上に形成した酸化物の単独膜を対象として行なわれて
きた。例えばProc.SPIE-Int.Sos,O
pt.Eng.(1999),3863,249ではスパッター法
により、Jap.J.Appl.Phys.Part1、(2000),39(1
0),5889ではPLD法により形成した酸化タングステンの
単独膜を用いている。しかし、蒸着あるいは、スパッタ
ーリング等の物理的な薄膜形成法は、膜組成の自由度が
大きく、ドライな雰囲気で膜形成できる等の利点を有す
るものの、製造に高真空の装置が必要で有るなど、実用
上高いコストがかかるという問題を有していた。また、
J.Mater.Sci.Lett.(2000),19(1
6),1407ではコロイド法で調製した酸化タングステン
の微粒子を基板上へ塗布して得た単独膜のフォトクロミ
ック性を調べている。しかしこうした膜は実用には物理
強度が不足であるという問題を有していた。
【0005】一方、フォトクロミック性酸化物粒子をバ
インダー中に分散させた膜を用いる試みも報告されてい
る。応用物理、62巻、3号、238頁,(1993)には有機高
分子中に酸化タングステンを分散させることでフォトク
ロミック変化が大きく増強されることが述べられてい
る。その他ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコ
ール、などの例が報告されている。これらの系は、ディ
ップ法、スピンコート法等、簡便な塗布方式で、物理性
の良い膜が形成されるものの、これらの系をレーザー書
き込みで試みたところ、何れも書き込み、読み取りの繰
り返し性が悪く、実用には適さないことが判った。
【0006】従って、高度の製造装置を使うことなく、
高い繰り返し性をもつ、高密度の書き換え可能な光記録
材料とこれを用いた記録媒体を得ることは、既存の技術
の範囲内では困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、フォトクロミック酸化物を用いた書き換え可能な光
記録材料およびこれを用いた光記録媒体を提供すること
にある。更に本発明の別な目的は、塗布法により低コス
トで製造性の良い光記録媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は本発明を
特定する下記の事項およびその好ましい態様により達成
された。 (1) 酸化珪素で被覆されたフォトクロミック性遷移
金属酸化物粒子を含む光記録材料。 (2) 該フォトクロミック性遷移金属酸化物が少なく
ともタングステン、モリブデン、バナジウムから選ばれ
る金属の酸化物を含むことを特徴とする、上記(1)記
載の光記録材料。 (3) 該フォトクロミック性遷移金属酸化物粒子の平
均粒子サイズが1nm以上50nm以下の範囲であること
を特徴とする、上記(1)又は(2)記載の光記録材
料。 (4) 酸化珪素の被覆層の厚みが0より大きく10nm
以下であることを特徴とする上記(1)、(2)又は
(3)記載の光記録材料。 (5) 基板上に、フォトクロミック性遷移金属酸化物
粒子を均一に含む光記録層を含有することを特徴とする
書き換え可能な光記録媒体。 (6) 上記(5)記載の光記録媒体を波長200〜6
00nmの範囲のレーザー光で書き込み、加熱により消
去することを特徴とする、光記録媒体の画像形成消去方
法。 (7) 上記(5)記載の光記録媒体を波長200〜6
00nmの範囲のレーザー光で書き込み、800nm以
上のレーザー光で消去することを特徴とする、光記録媒
体の画像形成消去方法。 (8) 上記(5)記載の光記録媒体を波長200〜6
00nmの範囲のレーザー光と800nm以上のレーザ
ー光を同時に照射して書き込み、800nm以上のレー
ザー光で消去することを特徴とする、光記録媒体の画像
形成消去方法。 (9) 上記(5)から(8)に記載の光記録媒体を用
いて読み取り用レーザー光のラマン散乱光を検出するこ
とで、記録を読み出すことを特徴とする、光記録媒体の
画像読み出し方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のコアシェル型酸化物粒子
のコアとなるフォトクロミック性酸化物は、フォトクロ
ミック性を示すものであれば任意のものが用いられる。
好ましくは、タングステン、モリブデン、バナジウムか
ら選ばれる酸化物であり、更に好ましくは酸化タングス
テンである。
【0010】本発明のフォトクロミック酸化物は前記の
遷移金属以外の任意の金属酸化物を10モルパーセント以
下の範囲で含有しても良い。好ましくは、第四、あるい
は第五周期の金属、例えばTi、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Nb、Ru、などが挙げられる。これらの金
属元素の含有量は元素により異なるが、10%以下の範
囲で添加される。また本発明の酸化物は、酸素欠陥が導
入されていても良い。
【0011】本発明におけるコア粒子のサイズは100
nm以下の粒子が用いられるが、好ましくは1nm以上
50nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下
の粒子が用いられる。粒子はアモルファス状態であって
も結晶状態であっても良いが、結晶であることがより好
ましい。本発明でいうところの単分散粒子とは、変動係
数が好ましくは30%以下、より好ましくは20%以
下、最も好ましくは10%以下である。
【0012】コア粒子は、必要な粒子径が得られる方法
であれば、任意の方法が使用できる。これらの方法とし
ては、例えば金属アルコキサイドを用いたゾルゲル法、
水溶液からの析出法、また燃焼法によっても作成するこ
とができる。
【0013】ゾルゲル法による調製は、金属アルコキサ
イド、金属塩化物等を原料とし、一般的な方法により調
製することが出来る。例えばケミカルマテリアル、10
巻、304頁(1998年)に記載されたタングステンヘキサ
メトキサイドを原料として、3〜5nmの酸化タングス
テン微粒子を調整する方法、また、J.Mater.C
hem.1,(1991),621に記載された四塩化オキソタ
ングステンを原料とした合成法等により、コア粒子を形
成することが出来る。また、アプライド サーフェス
サイエンス 157巻1-2号 81頁(2000年)に記載された
タングステン酸ナトリウムを原料とした酸化タングステ
ンのナノ粒子形成方法、また、J.Solid Sta
te Chem.96,13(1992)に記載された水溶性過
酸化物を経由する合成法などを用いることも出来る。
【0014】その他、米国特許第5,984,997号に記載
された燃焼法、水溶液中で目的金属を電極とした放電を
行なうことで酸化物微粒子を得るRESA法も用いることが
出来る。先駆体の溶液のエアゾルを反応管中で熱分解し
て酸化物微粒子を得るエアゾル法は、生産性の高い方法
として本発明のコア粒子形成に有用である。
【0015】上記の各種方法で得られる粒子のうち、非
晶質あるいは、含水化合物の形態で得られたものは、粒
子形成の後に加熱することで、結晶性酸化物とすること
が出来る。また水熱条件下で処理して結晶化と、熟成を
行なわせることも出来る。
【0016】本発明では、前記フォトクロミック性酸化
物の表面を酸化珪素で被覆する。被覆工程の段階では、
中心のコア粒子は必ずしも無水の酸化物でなくとも良
く、水和物その他、最終工程の加熱処理で酸化物に変換
される先駆体であっても良い。
【0017】酸化珪素の被覆層の平均的な厚みは、コア
の粒子サイズによって選択されるが、0より大きく10n
m以下が好ましく、0.5nmから10nmがより好まし
く、1nmから5nmが更に好ましい。厚みが不充分であ
ると、粒子の二次凝集を防ぐことが出来ず、記録層の不
均一さを招き、大きすぎると記録機能を有するコア粒子
を必要な量で記録層に含有させることが出来なくなる。
【0018】コア粒子に酸化珪素の被覆層を設ける方法
は任意であり、米国特許第2、885、366号に記載のPH
を制御した珪酸塩水溶液を用いる方法、また、Lang
muir,(1994),10,92に記載されたアルコキシシ
ラン(例えば、テトラエトキシシラン)の加水分解を用
いる方法などを用いることが出来る。
【0019】本発明の粒子は、単独のコアシェル型の粒
子でも良く、また複数のコアシェル型粒子が融合した形
態のものでも良く、さらにシェルとなる材料粒子の中に
複数のコア粒子が分散状態で含有された形態のものでも
良い。この後者の粒子は、コア粒子を分散させたシェル
材料の先駆体溶液をスプレー乾燥することで調製するこ
とが出来る。
【0020】本発明の記録材料は酸化珪素で被覆された
フォトクロミック性遷移金属酸化物粒子を含む光記録材
料であるが、実質的に該フォトクロミック性遷移金属酸
化物粒子からなる光記録材料であることが好ましい。具
体的には実質的に該フォトクロミック性遷移金属酸化物
粒子からなる光記録層を含む光記録媒体が好ましい。本
発明の記録材料を用いて、デジタルデーターを記録する
コンパクトディスク型の記録媒体を形成する場合の詳細
について、以下で説明する。記録層を保持するディスク
基板としては、アルミニウム、ガラス、プラスチック
等、目的に応じて任意のものが、使用出来る。必要に応
じて基板上にはアドレッシングの為のトラックを形成さ
せて用いることも好ましい。
【0021】本発明において、記録層は該基板上に、10
nmから1000nmの厚みで、より好ましくは30nmから
200nmの厚みで設けられる。記録層には、塗布を容易
にし、形成された膜の物理性を調節する為に、任意のバ
インダーを用いることが出来る。水溶性の有機高分子と
しては、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレング
リコールなどのノニオン性高分子、あるいはポリアクリ
ル酸のようなアニオン性高分子などの汎用の高分子が挙
げられるが、フッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーの
ような難分解性有機高分子がより好ましい。有機性バイ
ンダーとしては、ZnS、SiO2、TiO2等の各種誘
電体のナノ粒子を併用し、物理的強度の向上や記録再生
の繰り返し耐性などを向上させることができる。
【0022】記録層を基板上に、設ける方法は目的によ
り任意の方法が用いられるが、主として、スピンコート
法、ディップ法、電着法などが用いられる。
【0023】本発明の記録媒体は前記の記録層単独でも
記録媒体として機能するが、更に物理的強度、レーザー
光により発生する熱の伝導性、あるいは光学特性を制御
する目的で、任意の層を付加することも好ましい。これ
らの層としては、光反射層、スペーサー層、表面保護層
などが挙げられる。
【0024】反射層はAu、Ag、Al、Pt、Cu等
の単体あるいはこれらの一種以上を含む合金等の高反射
率金属から構成すれば良い。特に、AgまたはAlのい
ずれかの金属または、これらを主成分とする合金である
ことが好ましい。膜厚は30〜300nmが好ましく、
50〜200nmが特に好ましい。
【0025】多層構成の光記録媒体の構成の例として
は、記録層を形成する基板側から記録再生光を入射する
場合は、基板上に、第一スペーサー層、記録層、第二ス
ペーサー層、反射層、保護層を左記の順に設けるのが好
ましい。また、特に高密度の記録を行なう為には基板上
に、順次、反射層、第二スペーサー層、記録層、第一ス
ペーサー層、保護層の順番の構成とし、基板の反対側か
ら記録、再生光を入射する形態が好ましい。スペーサー
層は、記録層の機能を高める為に設置され、目的に応じ
て任意の材料が使用出来る。例えば、記録層の物理強度
を高めたり、またレーザー光照射による記録層の温度上
昇を制御したり、また記録媒体の光学特性を調節するな
どの目的で設置され、こうした場合には、例えばZn
S、SiO2、TiO2、Al23、AlN、SiC、窒
化ケイ素などの無機材料が用いられる。また、こうした
無機材料は単独で用いられる他、微粒子として、記録層
に用いられる有機高分子等のバインダーとの組み合わせ
で用いるのも好ましい。
【0026】反射層の上の保護層に用いられる材料とし
ては、例えば、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO
2 、Si34 などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることがで
きる。保護層は樹脂で形成されていても良い。
【0027】保護層は、たとえばプラスチックの押出加
工で得られたフィルムを、接着層を介して反射層上及び
/または基板上にラミネートすることにより形成するこ
とができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布
等の方法により保護層を設けてもよい。また、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に
溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、
乾燥することによって保護層を形成することができる。
UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって保護層を
形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯
電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目
的に応じて添加してもよい。保護層の厚みは、記録媒体
の使用形態に応じて任意に設定出来る。通常のコンパク
トディスクの形態で、記録再生光を記録層を形成する基
板側から入射する場合には、物理的耐久性から保護層の
層厚は0.1〜100μmが好ましく、更に好ましくは
1〜50μm、最も好ましくは2〜20μmである。記
録再生光を記録層を形成する基板と反対側から入射する
場合、保護層の層厚は、通常、0.1〜300μmが好ま
しく用いられるが、これに限定されるものではない。
【0028】本発明において、記録の書き込みは、集光
されたレーザー光を用いて行なう。書き込みはフォトク
ロミックな変化を誘起し得る波長であれば任意の波長が
用いられるか、書き込み感度の点から200〜600n
mの波長のレーザー光が好ましく用いられる。
【0029】本発明の記録媒体において、書き込まれた
データーは光学的な変化として読み取られる。こうした
光学手段としては、光吸収変化、屈折率変化、散乱性の
変化があり、目的に応じて選択される。米国特許第5,6
91,091号に記載されたラマン散乱光で読み取る方法は
検出感度が高く、より好ましい。読み取りに用いる光源
は書き込み光と同じ波長でもまた異なる波長でも良く、
必要に応じて選択される。通常、光吸収を用いる場合に
は、フォトクロミック変化の大きい波長を、また、屈折
率変化、あるいはラマン散乱で検出する場合には、吸収
が小さい波長領域の光が用いられる。
【0030】本発明の記録媒体は、書き換え可能な媒体
であって、加熱によっても、また近赤外から赤外のレー
ザー照射によって消去を行なうことが出来る。
【0031】本発明の記録材料は、目的により任意の形
態で用いられるが、例えば、一般用として、現在の光デ
ィスクシステムと同じ可搬性形態での使用が挙げられ
る。また高密度の固定ディスクとして用いることも好ま
しい。
【0032】本発明の記録材料は、以上のように高密度
のデジタル記録媒体として使用されるが、利用される記
録媒体の形態はこれに限定されるものではない。別の形
態としては、書き換え可能な電子ペーパーとしても用い
ることもできる。例えば、白色支持体上に、本発明にな
るフォトクロミック性粒子層を設け、レーザーで書き込
むことにより、単色での文書記録が可能である。不用と
なった文書は、これを、一対のヒートローラーの間に通
すことにより容易に消去される。
【0033】
【実施例】実施例1 1)記録層用分散物の作成 タングステン酸ナトリウムニ水和物の3.7gを100mlの
水に溶解し、これに溶液が約pH4となるまで、濃塩酸
を加える。得られた白色沈殿をアルゴン雰囲気下、5℃
以下の水で数回洗浄する。これを蓚酸溶液(蓚酸2.8gを
水20mlに溶解)に加え、徐々に加熱して溶解した後、
200mlの水に一気に加え、透明のコロイド溶液を得
た。コア粒子が1.3%の濃度で分散した液の100mlにエ
タノールの100mlとテトラエトキシシランの0.6gを加
え、40℃で攪拌しながら24時間放置した。得られた液を
限外濾過法により濃縮し、固形分が約5%のコアシェル型
のコロイド溶液を得た。 2)記録媒体の調製 前記コロイド分散物 100gに、テトラエトキシシランの
0.1gを加えた液を、厚みが1mmのガラス基板上にスピン
コート法により塗布を行なった。液の滴下を繰り返すこ
とで、厚みが約100nmの記録層を形成した。ついでこ
れを空気中で120℃で一時間加熱処理した。
【0034】3) 記録書き込みのテスト この記録媒体に、光学系を用いて405nmのレーザー光
(15mW)を1μmのスポットサイズに集光し、2ms
ec間照射し、書き込まれたマ−クを光学顕微鏡で観察
した。観察されたマークは、照射光スポットと同じ大き
さで、境界の明瞭な形状であることが確認出来た。顕微
分光光度計を用いて書き込まれたマークの光吸収特性を
測定したところ、1100nmに吸収極大を有し、吸光度が
約0.06であり記録読み取りに十分なコントラストが得ら
れることが確認された。
【0035】実施例2 1)記録層用分散物の作成 ヘキサエトキシタングステンの4.54gを100mlのエタノ
ールに溶解し、100 ℃で4時間還流して、酸化タングス
テンコロイドを得た。これに実施例1と同様にして、テ
トラエトキシシランの4.6gを添加して、攪拌しながら
5時間放置した。得られた液を限外濾過法により濃縮
し、固形分が約5%のコアシェル型のコロイド溶液を得
た。 2) コンパクトディスク型記録媒体の作成 直径12cmのガラス製ディスクを赤外線ヒーターにて加
熱しながら、これにアトマイザー(扶桑精機(株)製
ST-6)を用いて上記分散液を間歇噴霧することで約200
nmの厚みの記録層を形成した。この上にアルミニウム
を170nmの厚みで蒸着し、本発明になる光記録媒体A
を作成した。前記の本発明になる記録層の代わりに、酸
化珪素で被覆する前の粒子分散物を同様にして塗布した
記録媒体Bを作成した。また、酸化タングステンをター
ゲットに用いたDCスパッター法により形成した記録層
の記録媒体Cも調製した。
【0036】3) 記録、消去特性の評価 図2に模式図として示した光学系を用い、媒体A〜Cの
記録特性を調べた。書き込みには、1.06μmの波長のレ
ーザー光(出力5mW)と、405nmのレーザー光(0.5
mW)とを同時に用い、1.06μmの波長のレーザー光は
連続照射とし、405nmのレーザー光を信号で変調する
ことでデーターの書き込みを行なった。 記録媒体面で
のビーム径は1μm、ディスクの線速度は3.5m/sec
で変調周波数は5MHzとした。読み取りは405nmのレ
ーザーのみを照射し、図1に模式的に示したピックアッ
プで、ラマン散乱光の強度を検出することで行なった。
消去は1.06μmのレーザー光のみを照射することで行な
った。得られた結果を表-1に示す。比較用の記録媒体と
比較して、本発明による記録媒体が優れた記録特性を示
すことが判る。
【0037】
【表1】
【0038】実施例3 酸化チタンを含有する白色ポリプロピレンシートの片面
をコロナ放電処理した後、実施例1と同様にして調製し
た記録層用分散物の100gにポリエチレングリコール0.5
gを添加した液をロッドコーイング法で塗布し、2μm
の厚みの記録層を形成した。この上に、トリエトキシシ
ランの加水分解で得た平均粒子径が5nmのコロイダル
シリカとポリビニルピロリドンを含む液を塗布し、0.1
μmの厚みの保護層とし、本発明になる記録シートAを
作成した。同様にして、酸化珪素で被覆する前の酸化タ
ングステン粒子分散物を塗布した他は同様にして、比較
用の記録シートBを作成した。それぞれのシートに、40
5nmのレーザー光(5mW)を走査することで、テスト
パターンを書き込んだ。青色に呈色した照射部と未呈色
の非照射部の光学濃度を、ミクロ濃度計で測定した。つ
いで、これらのシートを赤外線ランプにて加熱した後、
再び光学濃度を測定した。これらの結果を表-2に示し
た。
【0039】
【表2】
【0040】比較用の記録シートが、表面が粗いのに対
して、本発明では光沢性の良いシートが得られた。また
比較用の記録シートは書き込みは出来るものの、再利用
の為の消去が出来なかった。これに対して、本発明の記
録シートは初期状態に近い程度にまで消去が出来、100
回程度の繰り返し使用が可能であった。
【0041】
【発明の効果】本発明の記録媒体は上記の実施例で示さ
れる如く、優れた書き込み・消去等の記録特性を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピックアップ部の模式図
【図2】光学系全体の模式図
【符号の説明】
a: 書き込み光あるいは読み取り光ビーム b: 反射板 c: 散乱光 d: 記録媒体 e: レーザー光源-1(405nm) f: レーザー光源-2(1.06μm) g1: ハーフミラー g2: ミラー h: 光学フィルター i: フォトダイオード j: 記録媒体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化珪素で被覆されたフォトクロミック
    性遷移金属酸化物粒子を含む光記録材料。
JP2001177159A 2001-06-12 2001-06-12 光記録材料 Pending JP2002365764A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009001441A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 National Institute For Materials Science 酸化タングステンナノシート、および、その製造方法
JP2018127575A (ja) * 2017-02-10 2018-08-16 国立大学法人山口大学 遷移金属酸化物及びセルロースナノファイバーを含有する複合膜並びにその製造方法

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