JP2001018527A - レーザーアブレーション記録材料 - Google Patents

レーザーアブレーション記録材料

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JP2001018527A
JP2001018527A JP11193752A JP19375299A JP2001018527A JP 2001018527 A JP2001018527 A JP 2001018527A JP 11193752 A JP11193752 A JP 11193752A JP 19375299 A JP19375299 A JP 19375299A JP 2001018527 A JP2001018527 A JP 2001018527A
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Kazuki Yamazaki
一樹 山▲崎▼
Nobuaki Inoue
伸昭 井上
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製版用途として有用な紫外域でのDmaxが
高く、またレーザー照射部分のDminが低く、かつ銀
塩フイルムに近い色調を有するレーザーアブレーション
材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも一層の画像形成層
および保護層を順に有し、前記画像形成層中に画像形成
物質として無機微粒子を含有し、前記画像形成層および
/または前記保護層中に350〜450nmの波長域の
平均光学濃度が2.5以上5.0以下になる量の青色吸
収色素および/または紫外線吸収色素を含有し、かつ該
波長域における無機微粒子の光学濃度が1.0〜3.0
であることを特徴とするレーザーアブレーション記録材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザーアブレー
ション記録材料に関するものであり、特に製版用途とし
て紫外域のDmaxが高くかつDminの低い画像形成
が可能なレーザーアブレーション記録材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、電気信号をサーマルプリントヘッ
ドに与えて、画像形成させる熱転写システムが普及して
きている。一方、サーマルプリントヘッドの代わりにレ
ーザーを用いる方法も開発されており、レーザーの高出
力化に伴って普及していくものと考えられる。このよう
なシステムにおいては、記録材料中にレーザーの波長域
に強く吸収を有する物質が含まれており、吸収物質は光
エネルギーを熱エネルギーに転換してサーマルプリント
ヘッドを用いた場合と同様な効果をもたらす。また、レ
ーザーを使用した場合には、サーマルプリントヘッドに
比べて無接触であるために画像表面にキズが出ないこと
が利点であり、レーザービームが細く絞れるために画像
分解能を向上させることが可能である。
【0003】さらに最近では、高出力レーザーを用いた
色素アブレーションと呼ばれる画像形成方法が開発され
ており、その記録材料が特開平7−164755号公
報、同−149063号公報、同7−149065号公
報等に記載されており、画像形成装置が特開平8−48
053号公報、同8−72400号公報に開示されてい
る。このシステムでは、支持体上に塗布された画像色
素、レーザー波長域に吸収を有する物質(赤外吸収物
質)およびバインダーからなる色素層組成物を有する記
録材料を、色素層側からレーザー照射することによって
画像記録が行われる。レーザーによって与えられたエネ
ルギーは、レーザービームが材料に当たったスポットで
画像形成層に急激な局部変化を起こし、それによって物
質を層から追い出す。上記特許公報によれば、これは完
全に物理的な変化(例えば、溶融、蒸発または昇華)で
はなく、ある種の化学変化(例えば、結合破壊)であ
り、部分的な画像色素の除去ではなく、完全な除去であ
るという。
【0004】このような色素アブレーション画像形成方
法の有用性は、レーザー露光で画像形成色素を除去する
ことができる効率によって、大きく左右される。この効
率を示す尺度として、レーザー露光部の最小濃度値(D
min)が用いられ、値が小さいほど色素除去効率が高
いことを示す。しかしながら、これらの色素アブレーシ
ョン材料は、画像部(レーザー未照射部)が色素でのみ
形成されているために、画像の色調が従来使用の銀塩フ
イルムとは大きく異なる、露光後の材料の画像の安定性
が悪く、また指紋跡など他のものに接触した部分で画像
変色が起こる等の問題があった。一方、色素以外の画像
形成物質単独で使用した場合では結合破壊が起こりにく
く、レーザーによる除去効率を示す上記Dminの値が
高いために実用的ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の色素
アブレーション記録材料の問題点を解決した新しいレー
ザーアブレーション記録材料を提供することを解決すべ
き課題とした。すなわち本発明は、高出力レーザーを用
いて記録を行うアブレーション記録材料(レーザーアブ
レーション記録材料)において、製版用途として有用な
紫外域でのDmaxが高く、またレーザー照射部分のD
minが低く、かつ従来使用の銀塩フイルムに近い色調
を有するレーザーアブレーション材料を提供することを
解決すべき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討を重ねた結果、青色吸収色素、紫
外線吸収色素および無機微粒子の光学濃度を調節するこ
とによって所期の効果を奏する優れたレーザーアブレー
ション記録材料を提供しうることを見出して、本発明を
提供するに至った。すなわち本発明は、支持体上に少な
くとも一層の画像形成層および保護層を順に有し、前記
画像形成層中に画像形成物質として無機微粒子を含有
し、前記画像形成層および/または前記保護層中に35
0〜450nmの波長域の平均光学濃度が2.5以上
5.0以下になる量の青色吸収色素および/または紫外
線吸収色素を含有し、かつ該波長域における無機微粒子
の光学濃度が1.0〜3.0であることを特徴とするレ
ーザーアブレーション記録材料を提供するものである。
本発明のレーザーアブレーション記録材料では、支持体
と画像形成層との間に少なくとも一層の中間層を有し、
該中間層の少なくとも一層中にレーザー波長に吸収を有
する物質を含有することが好ましい。また、支持体上に
形成した画像形成層側の層の少なくとも一層に、無水グ
ルコース単位1個あたりの硝酸エステル基置換度が0.
05〜2.8であるカルボキシアルキルセルロースの硝
酸エステル類を含有することが好ましい。さらに、保護
層にテトラフルオロエチレンビーズや、青色吸収色素お
よび/または紫外線吸収色素を含有することが好まし
い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のレーザー
アブレーション記録材料について詳細に説明する。本発
明のレーザーアブレーション記録材料は、支持体上に少
なくとも一層の画像形成層および保護層を順に有し、前
記画像形成層中に画像形成物質として無機微粒子を含有
する。そして、前記画像形成層および/または前記保護
層中に350〜450nmの波長域の平均光学濃度が
2.5以上5.0以下になる量の青色吸収色素および/
または紫外線吸収色素を含有し、かつ該波長域における
無機微粒子の光学濃度が1.0〜3.0であることを特
徴とする。
【0008】本発明で画像形成物質として用いる無機微
粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、コロ
イド銀、硫化銀コロイド等が含まれる。本発明に用いる
無機微粒子を塗布した場合の色としては、印刷製版用途
の画像形成の場合はUV領域に吸収を有することが必要
である。このため、無機微粒子の色を与える粒子サイズ
もさまざまであるが、5〜500nmの粒子サイズが好
ましく、特に5〜250nmの粒子サイズが好ましい。
画像形成層における無機微粒子の塗布量は、レーザー未
照射部分で濃度1.0以上3.0以下(紫外および青色
スペクトル域での吸収値)の吸収を有する塗布量であれ
ばどの程度でもよく、その量は使用する無機微粒子の種
類、サイズによっても異なる。例えば、カーボンブラッ
ク(一次粒径として80nm)の場合は塗布量0.5g/
m2で、UV濃度4.2、可視濃度3.8であり、コロイ
ド銀(粒径20nm)の場合は塗布量0.5g/m2で、U
V濃度3.5、可視濃度0.4である。これらの無機微
粒子でレーザー波長に吸収を有するものは、レーザー波
長吸収物質と、画像形成物質の両者の役割を兼ねること
ができるので、これ以外のレーザー波長吸収物質の使用
量を低減できる点で好ましい。
【0009】本発明に用いる無機微粒子の製法は、上記
粒子サイズを満たす製法のものであればいずれでもよ
い。例えば、カーボンブラック原料としては、Donnel V
oet 著の"Carbon Black" Marcel Dekker,Inc.(1976) に
記載されているようなチャンネル法、サーマル法、およ
びファーネス法など任意の製法のものが使用できる。ま
た本発明の画像形成物質として用いられる無機微粒子と
して、金属原子含有粒子を好ましく用いることができ
る。金属原子含有粒子とは鉄、クロム、マンガン、コバ
ルト、ニッケル、銅、亜鉛、チタン、銀、アルミニウ
ム、金、白金等の金属またはその酸化物等の化合物を総
称している。
【0010】本発明に好ましく用いられる金属原子含有
粒子は、強磁性酸化鉄粉末、強磁性金属粉末、六方晶板
状粉末等が挙げられ、中でも、強磁性金属粉末を好適に
用いることができる。強磁性酸化鉄としては、γ−Fe
23、Fe34、またはこれらの中間酸化鉄でFeOx
(1.33<x<1.50)で表されるものを挙げるこ
とができる。強磁性金属粉末としては、Fe、Coを始
め、Fe−Al系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−
Zn系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Ca系、F
e−Ni系、Fe−Ni−Al系、Fe−Ni−Co
系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Ni−Mn系、Fe−
Ni−Si系、Fe−Ni−Si−Al−Mn系、Fe
−Ni−Si−Al−Zn系、Fe−Ni−Si−Al
−Co系、Fe−Al−Si系、Fe−Al−Zn系、
Fe−Co−Ni−P系、Fe−Co−Al−Ca系、
Ni−Co系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタ
ル磁性粉末等の強磁性金属粉末が挙げられ、中でもFe
系金属粉末が好ましく、例えばCo含有γ−Fe23
Co被着γ−Fe23、Co含有Fe34、Co被着F
34、Co含有磁性FeOx(4/3<x<3/2)
粉末等のコバルト含有酸化鉄系磁性粉末が挙げられる。
【0011】また、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe系金属粉末の中で、Fe−Al系、Fe−Al
−Ca系、Fe−Al−Ni系、Fe−Al−Zn系、
Fe−Al−Co系、Fe−Ni−Si−Al−Co
系、Fe−Co−Al−Ca系等のFe−Al系強磁性
粉末が好ましく、さらにこの中では、強磁性粉末に含有
されるFe原子とAl原子との含有量比が原子数比でF
e:Al=100:1〜100:20であり、かつ強磁
性粉末のESCA(X線光電子分光分析法)による分析
深度で100Å以下の表面域に存在するFe原子とAl
原子との含有量比が原子数比でFe:Al=30:70
〜70:30である構造を有するもの、或いはFe原子
とNi原子とAl原子とSi原子、さらにCo原子とC
a原子の少なくとも1つとが強磁性粉末に含有され、F
e原子の含有量が90原子%以上、Ni原子の含有量が
1〜10原子%、Al原子の含有量が0.1〜5原子
%、Si原子の含有量が0.1〜5原子%、Co原子ま
たはCa原子の含有量(両者を含有する場合は合計量)
が0.1〜13原子%であり、かつ強磁性粉末のESC
A(X線光電子分光分析法)による分析深度で100Å
以下の表面域に存在するFe原子とNi原子とAl原子
とSi原子と、Co原子および/またはCa原子との含
有量比が原子数比でFe:Ni:Al:Si:(Coお
よび/またはCa)=100:(4以下):(10〜6
0):(10〜70):(20〜80)である構造を有
するものが好ましい。なお、強磁性粉末の形状は、長軸
径が0.30μm以下、好ましくは0.20μm以下で
ある。このような強磁性粉末によれば画像形成層の表面
性が向上する。
【0012】六方晶板状粉末としては、バリウムフェラ
イトやストロンチウムフェライト等の六方晶系フェライ
トを挙げることができ、鉄元素の一部が他の原子(T
i、Co、Zn、In、Mn、Ge、Hb等)で置換さ
れていてもよく、このようなフェライト磁性体はIEE
EtransonMAG,p18,16(1982)に
記載されたものを挙げることができる。この中で、バリ
ウムフェライト磁性粉末の例としては、Feの一部が少
なくともCoおよびZnで置換された平均粒径(六方晶
系フェライトの板面の対角線の高さ)が400〜900
Åであり、板状比(六方晶系フェライトの板面の対角線
の長さを板厚で除した値)が2.0〜10.0である。
また、バリウムフェライト磁性粉末は、さらにFeの一
部をTi、In、Mn、Cu、Ge、Sn等の遷移金属
で置換されていてもよい。
【0013】六方晶系の磁性粉末を製造する方法は、例
えば、目的とするバリウムフェライトを形成するのに必
要な各原子の酸化物、炭酸化物を、硼酸の様なガラス形
成物質とともに溶融し、得られた融液を急冷してガラス
を形成し、次いでこのガラスを所定温度で熱処理して目
的とするバリウムフェライトの結晶粉末を析出させ、最
後にガラス成分を熱処理によって除去するという方法の
ガラス結晶化法の他、共沈−焼成法、水熱合成法、フラ
ックス法、アルコキシド法、プラズマジェット法等があ
る。
【0014】本発明のレーザーアブレーション記録材料
には、保護層あるいは画像形成層中に、青色吸収色素お
よび/または紫外線吸収色素(以下「紫外〜青色域に吸
収を持つ色素」という)を含有する。紫外〜青色域に吸
収を持つ色素としては、一般の感光材料に使用されてい
るものを用いることができ、該スペクトル領域に吸収を
持つ色素であれば特に制限なく使用することができる。
例えば、「染料便覧」(315〜1109ページ、有機
合成化学協会編、1970年刊)や、「色材工学ハンド
ブック」(225〜417ページ、(社)色材協会編、
1989年刊)、米国特許第3,553,794号明細
書、同3,314,794号明細書、同3,707,3
75号明細書、同4,045,229号明細書、同3,
700,455号明細書、同3,352,681号明細
書、特開昭46−2784号公報、米国特許第3,70
5,805号明細書、同3,499,762号明細書、
西独特許出願公告第1,547,863号公報に記載の
もの、または米国特許第2,274,782号明細書に
記載のピラゾロンオキソノール染料、同2,956,8
79号明細書に記載のジアリールアゾ染料、同3,42
3,207号明細書、同3,384,487号明細書に
記載のスチリル染料やブタジエニル染料に記載のもの、
同2,527,538号明細書に記載のメロシアニン染
料、同3,486,897号明細書、同3,652,2
84号明細書、同3,718,472号明細書に記載の
メロシアニン染料やオキソノール染料、同3,976,
661号明細書に記載のエナミノヘミアキソノール染料
および英国特許第584,609号明細書、同1,17
7,429号明細書、特開昭48−85130号公報、
同49−99620号公報、同49−114420号公
報、同58−62651号公報、同57−38896号
公報、同57−132154号公報、同61−1090
49号公報、同58−17450号公報、独国特許第
3,139,156号明細書、米国特許第2,533,
472号明細書、同3,148,187号明細書、同
3,177,078号明細書、同3,247,127号
明細書、同3,540,887号明細書、同3,57
5,704号明細書、同3,653,905号明細書、
同4,973,572号明細書、同4,772,582
号明細書、同4,876,235号明細書等に記載のも
のを使用することができるが、本発明はこれに限定され
ない。
【0015】本発明に用いられる紫外〜青色域に吸収を
持つ色素は、保護層あるいは画像形成層中に含有させる
ことができるが、保護層に用いることがより好ましい。
本発明に用いられる紫外〜青色域に吸収を持つ色素は、
単独で用いても、2種以上併用して用いても良い。本発
明に用いられる色素の使用量は、350〜450nmの
波長の平均光学濃度が2.5以上5.0以下であるよう
な量で使用される。5.0を越えると色うつり等の障害
が生じコストも高くなってしまう。紫外〜青色域に吸収
を持つ色素は、光吸収物質のモル吸光係数により異なる
が、通常0.01〜1g/m2の範囲で添加される。好まし
くは30〜500mg/m2である。
【0016】本発明に用いるカルボキシアルキルセルロ
ースの硝酸エステル類とは、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース等のカルボキシアルキ
ルセルロース類を公知の硝酸エステル化用混酸、例え
ば、硫酸、硝酸、そして水からなる硝酸エステル化用混
酸で反応を行い、カルボキシアルキルセルロース中に含
まれる硝酸エステル基置換度が0.2以上、カルボキシ
アルキルエーテル基置換度が0.05以上であるものを
いい、詳しくは特開平5−39301号公報、特開平5
−39302号公報に示された水性セルロース誘導体を
言う。本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの
硝酸エステル類の硝酸エステル基置換度の好ましい範囲
は0.2以上2.2以下であり、カルボキシアルキルエ
ーテル基置換度の好ましい範囲は0.05以上1.5以
下である。硝酸エステル基置換度が0.2未満では顕色
剤や染料の分散性および耐水性が不十分であり、カルボ
キシアルキルエーテル基置換度が0.05未満では水へ
の溶解性が不十分になり、実質的に水溶性バインダーと
して用いることが困難となる。
【0017】また、硝酸エステル基置換度が2.2を越
えると、水と有機溶剤との混合溶剤に溶解または分散す
るために、有機溶剤の量を増加させる必要を生じる。ま
た、カルボキシアルキルエーテル基置換度が1.5を越
えると、塗布面の耐水性がやや不十分となる傾向があ
る。本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝
酸エステル類のカルボキシル基は、一部、あるいは全部
中和されていてもかまわない。中和されることにより水
および水を主成分とした水溶性有機溶剤への溶解度が上
がる。中和のためにはアルカリ金属イオン、アルカリ土
類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アミン等の陽
イオンの1種または2種以上を用いることができる。こ
の場合、中和の程度は、目的とする溶液の水、有機溶剤
等の組成に応じて任意に決定されるが、一般的には、含
まれるカルボキシル基の50%以上が中和されているこ
とが好ましい。本発明に用いるカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類は、画像形成層を有する側の構
成層のいずれの層にも用いることができる。好ましく用
いられる構成層としては、画像形成層、支持体と画像形
成層との間の中間層、画像形成層の上の保護層である。
本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エ
ステル類の塗布量としては0.05〜5g/m2が好まし
く、さらには0.1〜3g/m2が好ましい。
【0018】本発明に用いるカルボキシアルキルセルロ
ースの硝酸エステル類は、単独で使用してもよいし、公
知のバインダーの少なくとも一種と組み合わせて用いる
こともできる。好ましく組み合わせることが可能な公知
のバインダーとしては、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、
ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリ
アクリルアミド、ゼラチンなどのポリマーであるが、こ
れらに限定されない。また、スチレン−ブタジエンラテ
ックス、ウレタン系ラテックスなどのラテックス系バイ
ンダーと併用してもよい。
【0019】前述したバインダー以外で、本発明の記録
材料の画像形成層側に用いられる高分子バインダーとし
ては、米国特許第5330876号明細書に記載されて
いるようなサイズ排除クロマトグラフィーで測定したポ
リスチレン等価分子量が10万以上で、分解性のポリマ
ーが好ましい。ここで分解性とは、レーザー画像化の際
に得られる温度において素早く熱分解して十分量の気体
および揮発性フラグメントを与えるバインダーか、ある
いは少量の酸存在下で分解温度が著しく低下するバイン
ダーを意味する。
【0020】本発明の保護層に好ましく用いられるポリ
テトラフルオロエチレンビーズは、意図する目的のため
に有効な任意の濃度または粒子サイズで使用することが
できる。一般的に、このビーズは約1〜約100μm、
好ましくは約3〜約50μmの範囲内の粒子サイズを有
している。ビーズの塗布量は約0.005〜約5.0g/
m2、好ましくは約0.05〜約0.5g/m2の範囲であっ
て良い。ビーズは球状である必要はなく、任意の形状の
ものであってよい。本発明の保護層は、特開平8−10
8622号公報に記載されているように、耐引掻性、耐
磨耗性および艶消し仕上げを付与する上で有効である。
【0021】本発明の記録材料においては、ビーズを含
有する保護層のバインダーとしては、任意のポリマー物
質を使用することができる。例えば、セルロース誘導
体、例えば硝酸セルロース、セルロースアセテート水素
フタレート、セルロースアセテート、セルロースアセテ
ートプロピオネート、セルロースアセテートブチレー
ト、セルトーストリアセテート、ヒドロキシプロピルセ
ルロースエーテル、エチルセルロースエーテル;ポリカ
ーボネート;ポリウレタン;ポリエステル;ポリ(酢酸
ビニル);ポリ(塩化ビニル)およびポリ(塩化ビニ
ル)コポリマーのようなポリ(ハロゲン化ビニル);ポ
リ(ビニルエーテル);無水マレイン酸コポリマー;ポ
リスチレン;ポリ(スチレン−共−アクリロニトリ
ル);ポリスルホン;ポリ(フェニレンオキシド);ポ
リ(エチレンオキシド);ポリ(ビニルアセタール)、
ポリ(ビニルアセタール−共−ブチラール)またはポリ
(ビニルベンザール)のようなポリ(ビニルアルコール
−共−アゼタール);またはこれらの混合物もしくはコ
ポリマーを使用することができる。保護層のバインダー
は約0.1〜約5g/m2の塗布量で使用することができ
る。
【0022】本発明のレーザーアブレーションによる画
像形成では、アブレートされた材料が支持体から離れて
周囲の空気中に散らばる。このアブレートされた材料の
中にはレーザー装置の周囲に集まり、レーザーで書き込
まれた部分に堆積するものがある。この堆積物はレーザ
ー光を遮り、前述のDminを許容レベル以上に増加さ
せ、画質を実用に耐えなくさせてしまう場合がある。こ
のアブレートされた材料を空気流により除去することが
望ましく、そのような除去装置が特開平8−72400
号公報に記載されており、これらを好ましく用いること
ができる。
【0023】本発明のアブレーション記録材料は、特開
平8−48053号公報に開示されているように、レー
ザー照射後の最小記録濃度(Dmin)が0.11以下
であることが好ましい。これはこの濃度以下であると目
に見えるラスターラインが大幅に削減されるからであ
る。このためにはレーザーダイオードによって発生され
る書き込み用レーザー光線の記録材料上での強度が0.
1ミリワット/平方ミクロン(mW/μm2)以上であ
ることが好ましい。
【0024】本発明の方法を使用してレーザーアブレー
ション画像を得るためには、700nm以上に発光を有
する赤外域のダイオートレーザーを使用することが好ま
しい。これは、大きさが小さいこと、コストが低いこ
と、安定性が良好であること、信頼性が良好であるこ
と、頑丈であること、変調がしやすいことといった実質
的な利点があるからである。本発明で用いることのでき
るレーザーは市販されている。例えば、スペクトラダイ
オード研究所(Spectra Diode Labs) からのレーザーモ
デルSDL−2420−H2またはソニー株式会社から
のレーザーモデルSLD304V/Wを使用することが
できる。
【0025】本発明のレーザーアブレーション記録材料
は、画像形成層と支持体の間に少なくとも一層の中間層
を有し、該中間層の少なくとも一層中にレーザー波長を
吸収する物質を含有する。レーザー波長を吸収する物質
としては、光源に用いられるレーザーの波長を吸収して
レーザーの作用によりアブレーションされることができ
るならば、特に制限はないが、例えば上記の赤外域のダ
イオードレーザーを用いる場合には、赤外吸収物質、例
えばカーボンブラック、米国特許第4,541,830
号明細書、同第4,698,651号明細書、同第4,
695,287号明細書、同第4,701,439号明
細書、同第4,757,046号明細書、同第4,74
3,582号明細書、同第4,769,360号明細書
および同第4,753,922号明細書に記載されてい
る色素、または米国特許4,973,572号明細書に
記載されているシアニン赤外吸収色素、または米国特許
4,948,777号明細書、同4,950,640号
明細書、同4,950,639号明細書、同4,94
8,776号明細書、同4,948,778号明細書、
同4,942,141号明細書、同4,952,552
号明細書、同5,036,040号明細書、同4,91
2,083号明細書、同5,360,694号明細書、
同5,380,635号明細書および特願平8−189
817号公報に記載されている赤外吸収物質を含有させ
る。これらの赤外吸収物質は、単独で使用しても組み合
わせて使用してもよい。これらの赤外吸収物質の塗布量
は種類によって異なるが、通常は0.05〜1g/m2の塗
布量で用いることができる。本発明に好ましく用いられ
る赤外吸収物質の代表例を以下に示すが、これらに限定
されるものではない。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】レーザー光線は画像形成層中に吸収され、
そして内部変換として知られる分子過程によって熱に変
換される。上記の熱変換のための赤外吸収物質は画像形
成層自身に含まれていても、またこれと組み合わされた
別の層、すなわち画像形成層の上層や下層に含まれても
良い。本発明の方法におけるレーザー照射はアブレーシ
ョン記録材料の画像形成層側から行われるので、本発明
の画像形成は単シート法(すなわち、別の受容材料を必
要としない方法)であることができる。本発明に用いら
れる赤外吸収物質の塗布量はレーザー波長の吸光度で
0.5以上、さらには1.0以上、特に1.5以上を与
える量が好ましい。
【0029】本発明のアブレーション記録材料のバック
層のベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P811
9「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方
法」およびTAPPI標準法T479により容易に求め
ることができる。本発明のアブレーション記録材料のバ
ック層の最外層表面のベック平滑度は、4000秒以下
であり、より好ましくは10秒〜4000秒であること
が好ましい。これは記録材料同士の接着性や剥離性の点
から重要である。ベック平滑度は、前記バック層の最外
層に含有させるマット剤の平均粒径および添加量を種々
変化させることによってコントロールすることができ
る。本発明において好ましいマット剤の平均粒径は、2
0μm以下であり、特に0.4〜10μmの範囲であ
る。本発明において好ましいマット剤の添加量は、5〜
400mg/m2、特に10〜200mg/m2の範囲である。
【0030】本発明に用いられるマット剤は、取り扱い
性の上で悪影響を及ぼさない固体粒子であれば、どのよ
うなものでもよい。無機系のマット剤としては、二酸化
ケイ素、チタンおよびアルミニウムの酸化物、亜鉛およ
びカルシウムの炭酸塩、バリウムおよびカルシウムの硫
酸塩、カルシウムおよびアルミニウムのケイ酸塩など、
有機系のマット剤としては、セルロースエステル類、ポ
リメチルメタクリレート、ポリスチレンまたはポリジビ
ニルベンゼンおよびこれらのコポリマーなどの有機重合
体のマット剤が挙げられる。本発明では、特開平3−1
09542号公報2頁左下欄8行目〜3頁右上欄4行目
に記載された多孔性のマット剤、特開平4−12714
2号公報3頁右上欄7行目〜5頁右下欄4行に記載され
たアルカリで表面修飾したマット剤、特開平6−118
542号公報の段落番号「0005」から「0026」
に記載された有機重合体のマット剤を用いることがより
好ましい。
【0031】また、これらのマット剤を2種以上併用し
てもよい。例えば、無機系のマット剤と有機系のマット
剤の併用、多孔性のマット剤と非多孔性のマット剤の併
用、不定形のマット剤と球形のマット剤の併用、平均粒
径の異なるマット剤の併用(例えば特開平6−1185
42号公報に記載されている平均粒径が1.5μm以上
のマット剤と平均粒径が1μm以下のマット剤の併用)
などがある。
【0032】本発明において、表面抵抗率が25℃30
%RHの雰囲気下で1012Ω以下の層(以下「導電層」
と記す)を付与しても良い。導電性物質として、導電性
金属酸化物あるいは導電性高分子化合物などを用いるこ
とによって得られる。本発明に用いられる導電性金属酸
化物として好ましいのは結晶性の金属酸化物粒子である
が、酸素欠陥を含むものおよび用いられる金属酸化物に
対してドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は一
般的に言って導電性が高いので特に好ましい。金属酸化
物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al
23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3
25等、あるいはこれらの複合酸化物が良く、特にZ
nO、TiO2およびSnO2が好ましい。異種原子を含
む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の
添加、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等
の添加、またTiO2に対してはNb、Ta等の添加が
効果的である。これら異種原子の添加量は0.01mol
%〜30mol%の範囲が好ましいが、0.1mol%〜10
mol%であれば特に好ましい。
【0033】本発明に好ましく用いる金属酸化物微粒子
は導電性を有しており、その体積抵抗率は107 Ω-cm
以下、特に105Ω-cm以下であることが好ましい。これ
らの酸化物については特開昭56−143431号公
報、同56−120519号公報、同58−62647
号公報などに記載されている。さらにまた、特公昭59
−6235号公報に記載のごとく、他の結晶性金属酸化
物粒子あるいは繊維状物(例えば酸化チタン)に上記の
金属酸化物を付着させた導電性素材を使用してもよい。
利用できる粒子サイズは10μm以下が好ましいが、2
μm以下であると分散後の安定性が良く使用し易い。ま
た光散乱性をできるだけ小さくする為に、0.5μm以
下の導電性粒子を利用することが好ましい。これによっ
て、導電層を設けても支持体を透明に保つことが可能に
なるからである。また、導電性材料が針状あるいは繊維
状の場合はその長さは30μm以下で直径が2μ以下が
好ましく、特に好ましいのは長さが25μm以下で直径
0.5μm以下であり長さ/直径比が3以上である。
【0034】本発明に用いられる導電性高分子化合物と
しては、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポ
リビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、米
国特許第4,108,802号明細書、同4,118,
231号明細書、同4,126,467号明細書、同
4,137,217号明細書に記載の4級塩ポリマー
類、米国特許第4,070,189号明細書、西独2,
830,767号公報、特開昭61−296352号公
報、同61−62033号公報等に記載のポリマーラテ
ックス等が好ましい。以下に本発明の導電性高分子化合
物の具体例を示すが、必ずしもこれらに限定されるもの
ではない。
【0035】
【化3】
【0036】本発明に用いられる導電性金属酸化物また
は導電性高分子化合物はバインダー中に分散または溶解
させて用いられる。バインダーとしては、フィルム形成
能を有するものであれば特に限定されるものではない
が、例えばゼラチン、カゼイン等の蛋白質、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アセ
チルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチル
セルロース等のセルロース化合物、デキストラン、寒
天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖類、ポリビニ
ルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリア
クリルアミド、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸等の合成ポリマ
ー等を挙げることができる。特に、ゼラチン(石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素分解ゼラチン、フタル
化ゼラチン、アセチル化ゼラチン等)、アセチルセルロ
ース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロー
ス、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアク
リル酸ブチル、ポリアクリルアミド、デキストラン等が
好ましい。
【0037】本発明に用いられる導電性金属酸化物ある
いは導電性高分子化合物をより効果的に使用して導電層
の抵抗を下げるために、導電層中における導電性物質の
体積含有率は高い方が好ましいが、層としての強度を十
分に持たせるために最低5%程度のバインダーが必要で
あるので、導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合
物の体積含有率は5〜95%の範囲が望ましい。本発明
に用いる導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物
の使用量は、アブレーション記録材料一平方メートル当
たり0.05〜20gが好ましく、特に0.1〜10g
が好ましい。本発明の導電層の表面抵抗率は25℃30
%RHの雰囲気下で1012Ω以下で、好ましくは1011
Ω以下が良い。これにより良好な帯電防止性が得られ
る。本発明に用いる導電性金属酸化物あるいは導電性高
分子化合物を含有する導電層は、構成層として少なくと
も一層設けることが好ましい。例えば、表面保護層、バ
ック層、下塗層などのいずれでもよいが、必要に応じて
2層以上設けることもできる。
【0038】本発明においては、上記導電性物質の他
に、さらに含フッ素界面活性剤を併用することによって
さらに良好な帯電防止性を得ることができる。本発明に
用いられる好ましい含フッ素界面活性剤としては、炭素
数4以上のフルオロ−アルキル基、アルケニル基、また
はアリール基を有し、イオン性基としてアニオン基(ス
ルホン酸(塩)、硫酸(塩)、カルボン酸(塩)、リン
酸(塩))、カチオン基(アミン塩、アンモニウム塩、
芳香族アミン塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩)、
ベタイン基(カルボキシアミン塩、カルボキシアンモニ
ウム塩、スルホアミン塩、スルホアンモニウム塩、ホス
ホアンモニウム塩)またはノニオン基(置換、無置換の
ポリオキシアルキレン基、ポリグリセリル基またはソル
ビタン残基)を有する界面活性剤が挙げられる。これら
の含フッ素界面活性剤は特開昭49−10722号公
報、英国特許第1,330,356号明細書、米国特許
第4,335,201号明細書、同4,347,308
号明細書、英国特許第1,417,915号明細書、特
開昭55−149938号公報、同58−196544
号公報、英国特許第1,439,402号明細書などに
記載されている。これらの具体例のいくつかを以下に記
す。
【0039】
【化4】
【0040】本発明に用いられるアブレーション記録材
料の支持体には、寸度安定性があり、しかもレーザーの
熱に耐えられるならば、いずれの材料でも使用できる。
このような材料としては、ポリ(エチレンナフタレー
ト)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリエス
テル;ポリアミド;ポリカーボネート;酢酸セルロース
などのセルロースエステル;ポリ(フッ化ビニリデン)
やポリ(テトラフルオロエチレン−共−ヘキサフルオロ
プロピレン)などのフッ素ポリマー;ポリオキシメチレ
ンなどのポリエーテル;ポリアセタール;ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレンもしくはメチルペン
テンポリマーなどのポリオレフィンおよびポリイミド−
アミドやポリエーテルイミドなどのポリイミドが含まれ
る。支持体の厚さは、一般に約5〜約200μmであ
る。また所望であれば、米国特許4695288号明細
書、同4737486号明細書に記載されているような
下塗り層を支持体に塗布してもよい。好ましい実施態様
では支持体は透明である。
【0041】本発明において、画像の耐久性をさらに高
めるために用いられる、レーザー照射後の画像形成層を
有する側の表面の画像保護の方法に関しては、例えば特
表平5−504008号公報、特開平6−344676
号公報に記載されているような画像保護用積層性シート
を積層することにより達成される。これらの方法は、耐
久性層を画像に面するようにして、耐久性層と支持体と
を含む積層用シートを画像に積層させることにより行わ
れる。次に画像が耐久性層で保護されたまま残るように
支持体層は画像から取り外される。該耐久性層は実質的
に透明かつ対磨耗性を有する。特に、特開平6−344
676号公報に記載される保護方法を採用すれば、印刷
において用いられる強力な接着剤テープの繰り返しの使
用および保護された画像の繰り返しの溶剤洗浄に対して
も耐久性層の剥離がない。
【0042】本発明で用いられる耐久性層材料として
は、特開平6−344676号公報に記載のシロキサン
を含有する重合有機材料を使用することができる。シロ
キサン含有重合材料はどのような方法で作成してもよい
が、例えばビニルエーテル機で官能化された有機単量体
またはオリゴマーと、シロキサン単量体またはオリゴマ
ーとを共重合化することにより作製される。画像上の耐
久性層は30μm以下の厚みを有するが、解像度の望ま
しくない損失を防止するためには、10μm以下の厚み
を有するのが好ましく、より好ましくは、0.5〜6μ
mの範囲である。
【0043】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試
薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り
適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲
は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0044】(実施例1)<支持体の表面処理>厚さ1
00μmのポリエチレンテレフタレート支持体の両面
に、処理雰囲気圧力0.2Torr、雰囲気気体中の水分圧
40%、放電周波数30kHz、出力2500W、処理強
度0.5kV・A・分/m2でグロー放電処理した。この支
持体の片側の面に、下記組成のバック層第1層、第2層
および第3層を塗布した。
【0045】<バック層第1層(導電層)の作製>塩化
第2スズ水和物230gと三塩化アンチモン23gをエ
タノール3000gに溶解し均一溶液を得た。この溶液
に1N水酸化ナトリウム水溶液を前記溶液がpH3にな
るまで滴下し、コロイド状酸化第2スズと酸化アンチモ
ンの共沈殿物を得た。得られた共沈殿を50℃に24時
間放置し、赤褐色のコロイド状沈殿を得た。赤褐色コロ
イド状沈殿を遠心分離により分離した。過剰なイオンを
除くため沈殿に水を加え遠心分離によって水洗した。こ
の操作を3回繰り返し過剰イオンを除去した。
【0046】過剰イオンを除去したコロイド状沈殿20
0gを水1500gに再分散し、500℃に加熱した焼
成炉に噴霧し、青みがかった平均粒径0.005μmの
酸化第二スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子を得た。
この微粒子粉末の抵抗率は25Ω・cmであった。上記
微粉末40gと水60gの混合液をpH7.0に調整
し、撹拌機で粗分散の後横型サンドミル(ダイノミル、
Willy A. Backfen AG製)で滞留時間が30分になるま
で分散して、一次粒子が一部凝集して2次凝集体として
0.05μmになる分散液を調製した。下記処方の液を
乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、110℃で
30秒間乾燥した。
【0047】 上記導電性微粒子分散液(SnO2/Sb2O3 、0.05μm) 100g ゼラチン(Ca2+を100ppm含有した石灰処理ゼラチン) 10g 水 270g メタノール 600g レゾルシン 20g ポリ(重合度10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.1g
【0048】<バック層第2層の作製>以下に示す組成
を有するバックコート層調製用塗布液をジアセチルセル
ロースの塗布量が1.14g/m2となるように塗布し、1
10℃で乾燥した。 ジアセチルセルロース 100.0g トリメトロールプロパン−3−トルエンジイソシアネート 10.0g メチルメタクリレート:ジビニルベンゼン=9:1の共重合物 (架橋型ポリマーマット剤:平均粒径8.0μm) 0.9g フローレンTG710(35%:共栄社化学製) 10.0g メチルエチルケトン 1230.0g シクロヘキサノン 1230.0g このバック層のベック平滑度は400秒であった。
【0049】<バック層第3層(滑り層)の作製>下記
の第1液を90℃で加温溶解し、第2液に添加後、高圧
ホモジナイザーで分散して滑り分散原液とした。この塗
布液を10cc/m2の塗布量でバック層最上層にコー
トした。 第1液 滑り剤:C6H13CH(OH)(CH2)10COOC40H81 0.7g 滑り剤:n-C17H35COOC40H81-n 1.1g キシレン 2.5g 第2液 プロピレングリコールモノメチルエーテル 34.0g ジアセチルセルロース 3.0g アセトン 600.0g シクロヘキサノン 350.0g
【0050】以上でバック層側の塗設を終了し、次に画
像形成層側の中間層、画像形成層、オーバーコート層を
以下の手順で塗設した。 <中間層の作製>バック層を塗布したポリエチレンテレ
フタレート透明支持体の反対側に、以下に示す組成の塗
布液をカルボキシメチルセルロースの硝酸エステル塗布
量が0.3g/m2となるように塗布して中間層を作製し
た。なお、下記のバインダーA液は、無水グルコース単
位1個あたりの硝酸エステル基置換度が2.1、カルボ
キシメチルエーテル基置換度が0.7のカルボキシメチ
ルセルロースの硝酸エステルの10%溶液(このうちア
セトン40%、メタノール20%、水30%で、アンモ
ニア水にてpH6.9に調整)である。 バインダーA液 17.0g アセトン 11.8g メタノール 12.1g 水 9.2g 赤外吸収物質(1) 塗布量0.1g/m2となる量
【0051】<画像形成層の作製>下記組成の混合物を
ペイントシェーカーで均一に分散して画像形成層用の塗
布液を調製した。この塗布液を、中間層の上に表1に示
したカーボンブラックの塗布量となるように塗布、乾燥
して画像形成層を形成した。 硝酸セルロース(RS 1/8秒、ダイセル化学工業(株)製) 5g イソプロピルアルコール 2.14g メチルイソブチルケトン 26.6g メチルエチルケトン 82.0g ソルスパースS20000(ゼネカ(株)製) 1.35g Disperbyk−161(BYK Chemie製) 2.0g カーボンブラック(粒径23nm、吸油量66ml/100g) 5g フッ素系界面活性剤−1 37.3mg
【0052】
【化5】
【0053】<オーバーコート層の作製>以下の組成を
有するオーバーコート層調製用塗布液を前記の画像形成
層の上にポリエチルメタクリレートの塗布量が0.12
g/m2となるように塗布、乾燥して、11種類のレーザー
アブレーション記録材料を作製した。 ポリエチルメタクリレート 0.42g ポリテトラフルオロエチレンのビーズ(デュポン社製ゾニールTLP-10F-1: 粒子サイズ0.2μm) 0.42g フローレンTG710(35%:共栄社化学製) 0.24g シクロヘキサノン 4.57g メタノール 3.52g イソプロピルアルコール 20.04g ジアセトンアルコール 7.03g 青色吸収色素・紫外線吸収色素 表1に示す量
【0054】
【化6】
【0055】<画像記録のための露光条件>特開平8−
48053号公報に記載されているのと同様な画像露光
装置のドラムに、画像形成層を外側に向けて各記録材料
を固定した。各レーザービームは830〜840nmの波長範囲
を有し、フィルム面での公称出力は550mW、スポットサ
イズは25μmであった。上記画像形成装置の記録材料を
巻き付けたドラムの回転数を変化させて照射量を変化さ
せ、適切に露光した。また、横方向の移動については、
移動ステージによってダイオードレーザーを移動させ
て、照射ビームの中心間距離が10μmとなるような速度
に設定した。さらに、レーザーによって照射された表面
の物質の除去を効果的に行うため、特開平8−7240
0号公報と同様な装置を用いて、レーザー照射をしなが
ら空気流を吹き付けて、画像形成物質やバインダーなど
を除去した。
【0056】<UV領域のDmax(最高濃度)、Dmin
(最低濃度)の評価>Macbeth社製の濃度計TD904(UVフ
ィルター使用)を用いて、レーザー未照射部分と照射部
分の濃度を測定して、UV領域のDmax(最高濃度)、Dmin
(最低濃度)とした。得られた結果を表1に示す。表中
におけるカーボンブラックおよび青色吸収色素・紫外線
吸収色素の塗布量はそれぞれ350〜450nmの波長
域の平均光学濃度で表した。
【0057】
【表1】
【0058】表1より、カーボンブラックのみの記録材
料ではDminが高いのに対して、本発明の記録材料で
は比較サンプルと同等のDmaxを達成しながら低いD
minを示した。すなわち本発明の記録材料は、比較サ
ンプルに対してDmax−Dmimが大きく、かつ良好
なS/N比を示した。さらに、本発明の記録材料の画像部
はいずれも黒色であり、視認性にも優れていた。一方、
カーボンブラックの塗布量が本発明の範囲以下である場
合は、アブレーションの効率が下がりDminが高かっ
た。
【0059】(実施例2)実施例1の画像形成層中のカ
ーボンブラックの代わりにチタンブラック12S(粒子
径58nm、三菱マテリアル(株)製),コロイド銀(粒子
サイズ20nm),あるいはFe−Si−Al−Ni−
Co系強磁性金属粉末〔Fe:Si:Al:Ni:Co
原子数比=100:1:4:3:5(全体)、平均長軸
径:0.14μm、針状比5、Hc:1760 Oe、
σs:120emu/g、BET:59m2/g]を使
用してサンプルを作成した。実施例1と同様にして評価
を行なったところ、実施例1と同様に本発明の記録材料
で良好な結果を得た。
【0060】
【発明の効果】本発明のレーザーアブレーション材料
は、製版用途として有用な紫外域でのDmaxが高く、
レーザー照射部分のDminが低く、かつ銀塩フイルム
に近い色調を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の画像形成層
    および保護層を順に有し、前記画像形成層中に画像形成
    物質として無機微粒子を含有し、前記画像形成層および
    /または前記保護層中に350〜450nmの波長域の
    平均光学濃度が2.5以上5.0以下になる量の青色吸
    収色素および/または紫外線吸収色素を含有し、かつ該
    波長域における無機微粒子の光学濃度が1.0〜3.0
    であることを特徴とするレーザーアブレーション記録材
    料。
  2. 【請求項2】 前記支持体と前記画像形成層との間に少
    なくとも一層の中間層を有し、該中間層の少なくとも一
    層中にレーザー波長に吸収を有する物質を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載のレーザーアブレーション
    記録材料。
  3. 【請求項3】 前記支持体上に形成した前記画像形成層
    側の層の少なくとも一層に、無水グルコース単位1個あ
    たりの硝酸エステル基置換度が0.05〜2.8である
    カルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類を含有
    することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ
    ーアブレーション記録材料。
  4. 【請求項4】 前記保護層にテトラフルオロエチレンビ
    ーズを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のレーザーアブレーション記録材料。
  5. 【請求項5】 前記保護層中に青色吸収色素および/ま
    たは紫外線吸収色素を含有することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のレーザーアブレーション記録
    材料。
JP11193752A 1999-07-07 1999-07-07 レーザーアブレーション記録材料 Pending JP2001018527A (ja)

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