JP3832929B2 - アブレーシヨン記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーアブレーション記録材料に関し、さらに詳しくは特定の表面処理を施した支持体を用いたレーザーアブレーション記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気信号をサーマルプリントヘッドに与えて、画像形成させる熱転写システムが普及してきている。一方、サーマルプリントヘッドの代わりにレーザーを用いる方法も開発されており、レーザーの高出力化に伴って普及していくものと考えられる。このようなシステムにおいては、記録材料中にレーザーの波長域に強く吸収を有する物質が含まれており、吸収物質は光エネルギーを熱エネルギーに転換してサーマルプリントヘッドを用いた場合と同様な効果をもたらす。また、レーザーを使用した場合には、サーマルプリントヘッドに比べて非接触であるために画像表面にキズが出ないことが利点であり、レーザービームが細く絞れるために画像分解能を向上させることが可能である。
【0003】
さらに最近では、高出力レーザーを用いた色素アブレーションと呼ばれる画像形成方法が開発されており、その記録材料が特開平7−164577号、同7−149063号、同7−149065号等に記載されており、画像形成装置が特開平8−48053号、同8−72400号に開示されている。このシステムでは、支持体上に塗布された画像色素、レーザー波長域に吸収を有する物質(赤外吸収物質)及びバインダーからなる色素層組成物を有する記録材料を、色素層側からレーザー照射することによって画像記録が行われる。レーザーによって与えられたエネルギーは、レーザービームが材料に当たったスポットで画像形成層に急激な局部変化を起こし、それによって物質を層から追い出す。上記特許公報によれば、これは完全に物理的な変化(例えば、溶融、蒸発または昇華)ではなく、ある種の化学変化(例えば、結合破壊)であり、部分的な画像色素の除去ではなく、完全な除去であるという。
このような色素アブレーション画像形成方法の有用性は、レーザー露光で画像形成色素を除去することができる効率によって、大きく左右される。この効率を示す尺度として、レーザー露光部の最小濃度値(Dmin)が用いられ、値が小さいほど色素除去効率が高いことを示す。従って、支持体と画像形成層の密着が強すぎるとDmin値が高くなり、一方、密着が弱すぎるとDminは低くなるが印刷産業で通常行われるテープによる貼り込み作業性がなくなり、いずれにしても実用的でなくなる。
【0004】
米国特許第2,698,241号、同2,764,520号、同2,864,755号、同3,462,335号、同3,475,193号、同3,143,421号、同3,501,301号、同3,460,944号、同3,674,531号、英国特許第788,365号、同804,005号、同891,469号、特公昭48−43122号、同51−446号などにはポリエステルフィルム支持体とゼラチンを主とした保護コロイドからなるハロゲン化銀乳剤層を強固に密着させるための種々の支持体の表面処理方法が開示されている。しかしながら、密着が非常に強固であるとDminが高くなる問題があるレーザーアブレーション記録材料に関する記載はない。
特開平8−52948及び特開平8−282099は、色素アブレーション記録材料及びレーザーアブレーション転写記録材料に関する。これらの明細書の実施例中には、コロナ放電処理したポリエチレンテレフタレート支持体上にシアノアクリレートバリヤ中間層あるいはカーボンブラックを含む画像形成層を塗布する記載があるが、これらの層と支持体との密着及びこの時のDminに与える影響については何ら記載がない。また、表面処理方法としてグロー放電処理、紫外線照射処理、火焔処理に関する記載は全くない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記色素アブレーション記録材料関連特許及びレーザーアブレーション転写記録材料特許については、それらの材料が、良好な密着とアブレーション時のDminを低くすることを両立させなければならないという課題がある。本発明の目的は、密着が良好で且つアブレーション時のDminを実用上問題なく低くできるアブレーション記録材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、レーザーを利用して像様加熱する工程を施すアブレーション記録材料において、処理雰囲気のガス組成においてH 2 O分圧が10%以上のグロー放電処理によって表面処理された支持体上に、画像形成物質としてカーボンブラックおよび/またはチタンブラックの無機微粒子を含有する少なくとも1層の画像形成層を有し、該画像形成層と支持体の間に少なくとも1層の中間層を有し、かつ該画像形成層を有する側と反対側の支持体上にバック層を有し、該バック層が、導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物を含有する導電層を有することを特徴とするアブレーション記録材料によって達成された。
【0007】
【発明の実施の形態】
意外にも、処理雰囲気のガス組成においてH 2 O分圧が10%以上のグロー放電処理によって表面処理された支持体は、コロナ放電などの他の表面処理方法によって表面処理された支持体に比べて、支持体上に中間層と画像形成物質としてカーボンブラックおよび/またはチタンブラックの無機微粒子を含有する画像形成層を少なくとも設け、その反対側に導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物を含有する導電層を少なくとも設けてレーザーアブレーション記録材料を製造したときに、該レーザーアブレーション記録材料の支持体と中間層を良く密着させ、且つ、レーザー露光後のDminも実用上問題なく低くできることがわかった。本発明においては、下記の実施態様が特に好ましい。
1)該アブレーション記録材料の画像形成層側に無水グルコース単位1個あたりの硝酸エステル基置換度が0.2〜2.95、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05〜2.8であるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類を含有することを特徴とする上記の解決手段に述べたアブレーション記録材料。
2)該無機微粒子がカーボンブラックおよび/またはチタンブラックであることを特徴とする上記の解決手段に述べたアブレーション記録材料。
【0008】
本発明で用いられるアブレーション記録材料の支持体には、寸度安定性があり、しかもレーザーの熱に耐えられるならば、いずれの材料でも使用できる。このような材料としては、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;酢酸セルロースなどのセルロースエステル;ポリ(フッ化ビニリデン)や(テトラフルオロエチレン−共−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素ポリマー;ポリオキシメチレンなどのポリエーテル;ポリアセタール;ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンもしくはメチルペンテンポリマーなどのポリオレフィン及びポリイミド−アミドやポリエーテルイミド等のポリイミドが含まれる。支持体の厚さは、一般に約5〜約200μmである。また、所望であれば、米国特許第4,695,288号、同4,737,486号に記載されているような下塗り層を支持体に塗布しても良い。好ましい実施態様では支持体は透明である。
以下に、本発明で用いられる表面処理におけるグロー放電処理を説明する
【0011】
果的な表面処理であるグロー放電処理は、従来知られているいずれの方法、例えば特公昭35−7578号、同36−10336号、同45−22004号、同45−22005号、同45−24040号、同46−43480号、米国特許3,057,792号、同3,057,795号、同3,179,482号、同3,288,638号、同3,309,299号、同3,424,735号、同3,462,335号、同3,475,307号、同3,761,299号、英国特許997,093号、特開昭53−129262号等を用いることができる。グロー放電処理の雰囲気に酸素、窒素、ヘリウムあるいはアルゴンのような種々のガスを導入しながら行う手法があるが、ポリエステル支持体の場合、特殊ガスを導入しても接着性の著しい効果は見られず、ガスの価格も高価であり工業的に適しない。これに対して、水蒸気(H2 O)を導入した場合は、特殊ガスの導入の場合と同等あるいはそれ以上の接着効果を有し、価格も大幅に安価であり、工業的に優れた方法である。
【0012】
本発明においては、2 Oの存在下でグロー放電処理を実施し、2 O分圧は、10%以上、すなわち10%以上100%以下であるが、好ましくは25%以上75%以下である。10%未満では充分な接着性を得ることが困難となる。H2 O以外のガスは酸素、窒素等からなる空気である。このようなグロー放電の処理雰囲気中にH2 Oを定量的に導入する方法は、グロー放電処理装置に取付けたサンプリングチューブからガスを4極子型質量分析器(日本真空製MSQ−150)に導き、組成を定量しながら行うことで達成できる。
更に、表面処理すべきフィルムを予め加熱した状態で真空グロー放電処理を行うと、常温で処理するのに比べ短時間の処理で接着性が向上し、黄色化を大幅に減少させることができる。予熱温度は50℃以上Tg以下が好ましい。Tg以上の温度で予熱すると密着がやや悪化してしまう。真空中でポリマー表面温度を上げる具体的方法としては、赤外線ヒータによる加熱、熱ロールに接触させることによる加熱等がある。このように予熱した支持体をグロー放電処理するが、上記H2 O分圧及び支持体の予熱温度等以外に抑制すべき重要な処理条件として、真空度、電極間電圧、放電周波数等が挙げられる。これら処理条件を制御することにより、接着性と黄色化抑制が両立するグロー放電処理を実施することが可能となる。
【0013】
グロー放電処理時の圧力は0.005〜20Torrとするのが好ましい。より好ましくは0.02〜2Torrである。圧力が低すぎると支持体表面を十分に改質することができず、充分な接着性を得ることができない。一方圧力が高すぎると安定な放電が起こらない。また、電圧は、500〜5000Vの間が好ましい。より好ましくは500〜3000Vである。電圧が低過ぎると支持体表面を十分に改質することができず、十分な接着性を得ることができない。一方電圧が高すぎると表面が変質してしまい、逆に接着性が低下する。また、使用する放電周波数は、従来技術に見られるように、直流から数1000MHz、好ましくは50Hz〜20MHz、更に好ましくは1KHz〜1MHzである。放電処理強度は、0.01KV・A・分/m2〜5KV・A・分/m2が好ましく、更に好ましくは0.15KV・A・分/m2〜1KV・A・分/m2で所望の接着性能が得られる。
このようにして、グロー放電処理を施した支持体は、直ちに冷却ロールを用いて温度を下げることが好ましい。支持体は温度の上昇に伴ない外力により塑性変形し易くなり、被処理支持体の平面性が損なわれてしまう。更に低分子量体(モノマー、オリゴマー等)が支持体表面に析出し、透明性や耐ブロッキング性を悪化させる可能性がある。
【0014】
本発明で画像形成層に用いる画像形成物質はカーボンブラックおよび/またはチタンブラックの無機微粒子である。この無機微粒子を塗布した場合の色としては、印刷製版用途の画像形成の場合はUV領域に吸収を有することが必用であり、医療用途の場合には、黒色であることが必用である。このため、無機微粒子の色を与える粒子サイズもさまざまであるが、5〜500nmの粒子サイズが好ましく、特に5〜250nmの粒子サイズが好ましい。本発明に用いる無機微粒子の製法は、上記粒子サイズを満たす製法であればいずれでもよい。例えば、カーボンブラック原料としては、Dennel Voet 著の"Carbon Black" Marcel Dekker Inc.(1976) に記載されているようなチャンネル法、サーマル法、およびファーネス法などの任意の製法のものが使用できる。
【0015】
画像形成層における無機微粒子等の画像形成物質の塗布量は、レーザー未照射部分で濃度2.5以上(印刷用途の場合はUV領域の吸収値、医療用途の場合は可視域の吸収値)の吸収を有する塗布量であればどの程度でもよく、その量は使用する画像形成物質の種類、サイズによっても異なる。例えば、カーボンブラック(一次粒径として23nm)の場合は塗布量0.67g/m2 でUV濃度4.0、可視濃度2.7であり、チタンブラック(粒径58nm)の場合は塗布量0.74g/m2 でUV濃度4.0、可視濃度3.6である。
【0016】
本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類とは、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のカルボキシアルキルセルロース類を公知の硝酸エステル化用混酸、例えば、硫酸、硝酸、そして水からなる硝酸エステル化用混酸で反応を行い、カルボキシアルキルセルロース中に含まれる硝酸エステル基置換度が0.2以上、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05以上であるものをいい、詳しくは特開平5−39301号公報、特開平5−39302号公報に示された水性セルロース誘導体を言う。本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類の硝酸エステル基置換度の好ましい範囲は0.2以上2.2以下であり、カルボキシアルキルエーテル基置換度の好ましい範囲は0.05以上1.5以下である。硝酸エステル基置換度が0.2未満では顕色剤や染料の分散性及び耐水性が不十分であり、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05未満では水への溶解性が不十分になり、実質的に水溶性バインダーとして用いることが困難となる。
【0017】
また、硝酸エステル基置換度が2.2を越えると、水と有機溶剤との混合溶剤に溶解または分散するために、有機溶剤の量を増加させる必要を生じる。また、カルボキシアルキルエーテル基置換度が1.5を越えると、塗布面の耐水性がやや不十分となる傾向がある。本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類のカルボキシル基は、一部、あるいは全部中和されていてもかまわない。中和されることにより水及び水を主成分とした水溶性有機溶剤への溶解度が上がる。中和のためにはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アミン等の陽イオンの1種または2種以上を用いることが出来る。この場合、中和の程度は、目的とする溶液の水、有機溶剤等の組成に応じて任意に決定されるが、一般的には、含まれるカルボキシル基の50%以上が中和されていることが好ましい。
本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類は画像形成層を有する側の構成層のいずれの層にも用いることができる。好ましく用いられる構成層としては、画像形成層、支持体と画像形成層との間の中間層、画像形成層の上のオーバーコート層である。特に好ましくは、支持体と画像形成層の間の中間層である。本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類の塗布量としては0.05〜5g/m2が好ましく、さらには0.1〜3g/m2が好ましい。本発明に用いるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類は、単独で使用してもよいし、公知のバインダーの少なくとも一種と組み合わせて用いることもできる。
【0018】
前述したバインダー以外で、本発明の記録材料の画像形成層側に用いられる高分子バインダーとしては、米国特許第5330876号に記載されているようなサイズ排除クロマトグラフィーで測定したポリスチレン等価分子量が10万以上で、分解性のポリマーが好ましい。ここで分解性とは、レーザー画像化の際に得られる温度において素早く熱分解して十分量の気体および揮発性フラグメントを与えるバインダーか、あるいは少量の酸存在下で分解温度が著しく低下するバインダーを意味する。
【0019】
本発明のアブレーション記録材料は、支持体と画像形成層の間に中間層を設ける。これは該中間層を設けることによりアブレーション効率が上がり、前述のレーザー照射部のDminを低減できるからである。
本発明の中間層には、画像形成層やオーバーコート層に用いられる他の任意のバインダーを組み合わせて用いても良い。
中間層のバインダーの塗布量としては、可能な限りDminが低減できる量ならばいずれでもよいが、0.05〜2g/m2 が好ましく、更には0.1〜1.5g/m2 が好ましい。また、中間層を支持体との密着を兼ねる層、例えば下塗り層としてもよく、その場合のバインダーの塗布量としては0.05〜0.5g/m2 が好ましい。
【0020】
本発明のアブレーション記録材料のオーバーコート層にはポリテトラフルオロエチレンビーズが好ましく用いられ、意図する目的のために有効な任意の濃度または粒子サイズで使用することができる。一般的に、このビーズは約0.1〜約20μm、好ましくは約0.1〜約5μmの範囲内の粒子サイズを有している。ビーズの塗布量は約0.005〜約5.0g/m2 、好ましくは約0.05〜約0.5g/m2 の範囲であって良い。ビーズは球状である必要はなく、任意の形状のものであってよい。本発明のオーバーコート層は、特開平8−108622号に記載されているように、耐引掻性、耐磨耗性および艶消し仕上げを付与する上で有効である。本発明の記録材料においては、ビーズを含有するオーバーコート層のバインダーとしては、前述のバインダー以外に任意のポリマー物質を使用することができる。例えば、セルロース誘導体、例えばセルロースアセテート水素フタレート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルトーストリアセテート、ヒドロキシプロピルセルロースエーテル、エチルセルロースエーテル;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリエステル;ポリ(酢酸ビニル);ポリ(塩化ビニル)およびポリ(塩化ビニル)コポリマーのようなポリ(ハロゲン化ビニル);ポリ(ビニルエーテル);無水マレイン酸コポリマー;ポリスチレン;ポリ(スチレン−共−アクリロニトリル);ポリスルホン;ポリ(フェニレンオキシド);ポリ(エチレンオキシド);ポリ(ビニルアセタール)、ポリ(ビニルアセタール−共−ブチラール)またはポリ(ビニルベンザール)のようなポリ(ビニルアルコール−共−アゼタール);またはこれらの混合物もしくはコポリマーを使用することができる。オーバーコート層のバインダーは約0.1〜約5g/m2 の塗布量で使用することができる。
【0021】
本発明のレーザーアブレーションによる画像形成では、アブレートされた材料が支持体から離れて周囲の空気中に散らばる。このアブレートされた材料の中にはレーザー装置の周囲に集まり、レーザーで書き込まれた部分に堆積するものがある。この堆積物はレーザー光を遮り、前述のDminを許容レベル以上に増加させ、画質を実用に耐えなくさせてしまう場合がある。このアブレートされた材料を空気流により除去することが望ましく、そのような除去装置が特開平8−72400号に記載されている。
【0022】
本発明のアブレーション記録材料は、特開平8−48053号に開示されているように、レーザー照射後の最小記録濃度(Dmin)が0.11以下であることが好ましい。これはこの濃度以下であると目に見えるラスターラインが大幅に削減されるからである。このためにはレーザーダイオードによって発生される書き込み用レーザー光線の記録材料上での強度が0.1ミリワット/平方ミクロン(mW/μm2 )以上であることが好ましい。本発明の方法を使用してレーザーアブレーション画像を得るためには、700nm以上に発光を有する赤外域のダイオートレーザーを使用することが好ましい。これは、大きさが小さいこと、コストが低いこと、安定性が良好であること、信頼性が良好であること、頑丈であること、変調がしやすいことといった実質的な利点があるからである。本発明で用いることのできるレーザーは市販されている。例えば、スペクトラダイオード研究所(Spectra Diode Labs) からのレーザーモデルSDL−2420−H2またはソニー株式会社からのレーザーモデルSLD304V/Wを使用することができる。
【0023】
実用に際しては、本発明のアブレーション記録材料の中間層などに赤外吸収物質、例えばカーボンブラック、または米国特許4973572号に記載されているシアニン赤外吸収色素、または米国特許4948777号、同4950640号、同4950639号、同4948776号、同4948778号、同4942141号、同4952552号、同5036040号、同4912083号、同5360694号、同5380635号および特願平8−189817号に記載されている赤外吸収物質を含有させる。本発明に好ましく用いられる赤外吸収物質の代表例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0024】
【化1】
Figure 0003832929
【0025】
【化2】
Figure 0003832929
【0026】
レーザー光線は画像形成層中に吸収され、そして内部変換として知られる分子過程によって熱に変換される。上記の熱変換のための赤外吸収物質は画像形成層自身に含まれていても、又これと組み合わされた別の層、すなわち画像形成層の上層や下層に含まれても良い。本発明の方法におけるレーザー照射はアブレーション記録材料の画像形成層を通して行われるので、本発明の画像形成は単シート法(すなわち、別の受容材料を必要としない方法)であることができる。本発明に用いられる赤外吸収物質の塗布量はレーザー波長の吸光度で0.5以上、更には1.0以上、特に1.5以上を与える量が好ましい。
【0027】
本発明のアブレーション記録材料のバック層のベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。本発明のアブレーション記録材料のバック層の最外層表面のベック平滑度は、4000秒以下であり、より好ましくは10秒〜4000秒である。これは記録材料同士の接着性や剥離性の点から重要である。ベック平滑度は、前記バック層の最外層に含有させるマット剤の平均粒径および添加量を種々変化させることによってコントロールすることができる。本発明において好ましいマット剤の平均粒径は、20μm以下であり、特に0.4〜10μmの範囲である。本発明において好ましいマット剤の添加量は、5〜400mg/m2、特に10〜200mg/m2の範囲である。本発明に用いられるマット剤は、取り扱い性の上で悪影響を及ぼさない固体粒子であれば、どのようなものでもよい。無機系のマット剤としては、二酸化ケイ素、チタンおよびアルミニウムの酸化物、亜鉛およびカルシウムの炭酸塩、バリウムおよびカルシウムの硫酸塩、カルシウムおよびアルミニウムのケイ酸塩など、有機系のマット剤としては、セルロースエステル類、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンまたはポリジビニルベンゼンおよびこれらのコポリマーなどの有機重合体のマット剤が挙げられる。
【0028】
本発明では、特開平3−109542号公報2頁左下欄8行目〜3頁右上欄4行目に記載された多孔性のマット剤、特開平4−127142号公報3頁右上欄7行目〜5頁右下欄4行に記載されたアルカリで表面修飾したマット剤、特願平4−265962号明細書の段落番号「0005」から「0026」に記載された有機重合体のマット剤を用いることがより好ましい。また、これらのマット剤を2種以上併用してもよい。例えば、無機系のマット剤と有機系のマット剤の併用、多孔性のマット剤と非多孔性のマット剤の併用、不定形のマット剤と球形のマット剤の併用、平均粒径の異なるマット剤の併用(例えば特願平4−265962号に記載されている平均粒径が1.5μm以上のマット剤と平均粒径が1μm以下のマット剤の併用)などがある。
【0029】
本発明において、表面抵抗率が25℃30%RHの雰囲気下で1012Ω以下の層(以下「導電層」と記す)を付与しても良い。導電性物質として、導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物などを用いることによって得られる。本発明に用いられる導電性金属酸化物として好ましいのは結晶性の金属酸化物粒子であるが、酸素欠陥を含むもの及び用いられる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を少量含むもの等は一般的に言って導電性が高いので特に好ましい。金属酸化物の例としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3、V25等、あるいはこれらの複合酸化物が良く、特にZnO、TiO2及びSnO2が好ましい。異種原子を含む例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添加、SnO2に対してはSb、Nb、ハロゲン元素等の添加、またTiO2に対してはNb、Ta等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01mol %〜30mol%の範囲が好ましいが、0.1mol %〜10mol %であれば特に好ましい。本発明に好ましく用いる金属酸化物微粒子は導電性を有しており、その体積抵抗率は107 Ω・cm以下、特に105 Ω・cm以下であることが好ましい。これら酸化物については特開昭56−143431号、同56−120519号、同58−62647号などに記載されている。更に又、特公昭59−6235号に記載のごとく、他の結晶性金属酸化物粒子あるいは繊維状物(例えば酸化チタン)に上記の金属酸化物を付着させた導電性素材を使用してもよい。利用できる粒子サイズは10μm以下が好ましいが、2μm以下であると分散後の安定性が良く使用し易い。また光散乱性をできるだけ小さくする為に、0.5μm以下の導電性粒子を利用することが好ましい。これによって、導電層を設けても支持体を透明に保つことが可能になるからである。又、導電性材料が針状あるいは繊維状の場合はその長さは30μm以下で直径が2μm以下が好ましく、特に好ましいのは長さが25μm以下で直径0.5μm以下であり長さ/直径比が3以上である。
【0030】
本発明に用いられる導電性高分子化合物としては、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸塩類、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、米国特許第4,108,802号、同4,118,231号、同4,126,467号、同4,137,217号に記載の4級塩ポリマー類、米国特許第4,070,189号、OLS2,830,767号、特開昭61−296352号、同61−62033号等に記載のポリマーラテックス等が好ましい。以下に本発明の導電性高分子化合物の具体例を示すが必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0031】
【化3】
Figure 0003832929
【0032】
【化4】
Figure 0003832929
【0033】
本発明に用いられる導電性金属酸化物又は導電性高分子化合物はバインダー中に分散又は溶解させて用いられる。バインダーとしては、フィルム形成能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばゼラチン、カゼイン等の蛋白質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース化合物、デキストラン、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸等の合成ポリマー等を挙げることができる。特に、ゼラチン(石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素分解ゼラチン、フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン等)、アセチルセルロース、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリルアミド、デキストラン等が好ましい。
【0034】
本発明に用いられる導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物をより効果的に使用して導電層の抵抗を下げるために、導電層中における導電性物質の体積含有率は高い方が好ましいが、層としての強度を十分に持たせるために最低5%程度のバインダーが必要であるので、導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物の体積含有率は5〜95%の範囲が望ましい。本発明に用いる導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物の使用量は、アブレーション記録材料一平方メートル当たり0.05〜20gが好ましく、特に0.1〜10gが好ましい。本発明の導電層の表面抵抗率は25℃30%RHの雰囲気下で1012Ω以下で、好ましくは1011Ω以下が良い。これにより良好な帯電防止性が得られる。本発明に用いる導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物を含有する導電層は、バック層の構成層として少なくとも一層設ける。また、例えば、表面保護層、バック層、下塗層などのいずれでもよいが、必要に応じて導電層をさらに一層以上設けることもできる。
【0035】
本発明においては、上記導電性物質の他に、更に含フッ素界面活性剤を併用することによって更に良好な帯電防止性を得ることができる。本発明に用いられる好ましい含フッ素界面活性剤としては、炭素数4以上のフルオロ−アルキル基、アルケニル基、又はアリール基を有し、イオン性基としてアニオン基(スルホン酸(塩)、硫酸(塩)、カルボン酸(塩)、リン酸(塩))、カチオン基(アミン塩、アンモニウム塩、芳香族アミン塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩)、ベタイン基(カルボキシアミン塩、カルボキシアンモニウム塩、スルホアミン塩、スルホアンモニウム塩、ホスホアンモニウム塩)又はノニオン基(置換、無置換のポリオキシアルキレン基、ポリグリセリル基またはソルビタン残基)を有する界面活性剤が挙げられる。これらの含フッ素界面活性剤は特開昭49−10722号、英国特許第1,330,356号、米国特許第4,335,201号、同4,347,308号、英国特許第1,417,915号、特開昭55−149938号、同58−196544号、英国特許第1,439,402号、などに記載されている。これらの具体例のいくつかを以下に記す。
【0036】
【化5】
Figure 0003832929
【0037】
本発明において、画像の耐久性を更に高めるために用いられる、レーザー照射後の画像形成層を有する側の表面の画像保護の方法に関しては、例えば特表平5−504008号、特開平6−344676号に記載されているような画像保護用積層性シートを積層することにより達成される。これらの方法は、耐久性層を画像に面するようにして、耐久性層と支持体とを含む積層用シートを画像に積層させることにより行われる。次に画像が耐久性層で保護されたまま残るように支持体層は画像から取り外される。該耐久性層は実質的に透明かつ対磨耗性を有する。特に、特開平6−344676号に記載される保護方法を採用すれば、印刷において用いられる強力な接着剤テープの繰り返しの使用および保護された画像の繰り返しの溶剤洗浄に対しても耐久性層の剥離がない。
【0038】
本発明で用いられる耐久性層材料としては、特開平6−344676号に記載のシロキサンを含有する重合有機材料を使用することができる。シロキサン含有重合材料はどのような方法で作成してもよいが、例えばビニルエーテル基で官能化された有機単量体またはオリゴマーと、シロキサン単量体またはオリゴマーとを共重合化することにより作製される。画像上の耐久性層は30μm以下の厚みを有するが、解像度の望ましくない損失を防止するためには、10μm以下の厚みを有するのが好ましく、より好ましくは、0.5〜6μmの範囲である。
【0039】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
実施例1
<支持体の表面処理>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート支持体について、その各々の両面に、処理雰囲気圧力0.2Torr、雰囲気気体中の水分圧40%、放電周波数30kHz 、出力2500W、処理強度0.5kV・A ・分/m2 でグロー放電処理した。この支持体の片側の面に、下記組成のバック層第1層、第2層及び第3層を塗布した。
また、比較のため、表面処理をしていない厚さ100μmの裸のポリエチレンテレフタレート支持体、下記に示す両面に下塗層を施した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート支持体及びピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用いて、その両面を10m/分でコロナ放電処理した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート支持体についても同様のバック層を塗布した。
【0041】
<下塗層の塗設>
二軸延伸された厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より成る第1下塗液を塗布量が4.9ml/m2 と成るようにワイヤーバーコーターにより塗布し、185℃にて1分間乾燥した。次に反対面にも同様にして第1下塗層を設けた。
Figure 0003832929
*ラテックス溶液中には、乳化分散剤として化合物A−1をラテックス固形分に対し0.4wt%含有
(下塗層の塗布)
上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式により塗布し、155℃で乾燥した。
Figure 0003832929
【0042】
【化6】
Figure 0003832929
【0043】
<バック層第1層(導電層)>
塩化第2スズ水和物230gと三塩化アンチモン23gをエタノール3000gに溶解し均一溶液を得た。この溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液を前記溶液がpH3になるまで滴下し、コロイド状酸化第2スズと酸化アンチモンの共沈殿物を得た。得られた共沈殿を50℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状沈殿を得た。赤褐色コロイド状沈殿を遠心分離により分離した。過剰なイオンを除くため沈殿に水を加え遠心分離によって水洗した。この操作を3回繰り返し過剰イオンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈殿200gを水1500gに再分散し、500℃に加熱した焼成炉に噴霧し、青みがかった平均粒径0.005μmの酸化第二スズ−酸化アンチモン複合物の微粒子を得た。この微粒子粉末の抵抗率は25Ω・cmであった。上記微分末40gと水60gの混合液をpH7.0に調整し、攪拌機で粗分散の後横型サンドミル(ダイノミル、Willy A. Backfen AG製)で滞留時間が30分になるまで分散して、一次粒子が一部凝集して2次凝集体として0.05μmになる分散液を調製した。下記処方の液を乾燥膜厚が0.3μmになるように塗布し、110℃で30秒間乾燥した。
上記導電性微粒子分散液(SnO2/Sb2O3 、0.05μm) 100g
ゼラチン(Ca2+を100ppm含有した石灰処理ゼラチン) 10g
水 270g
メタノール 600g
レゾルシン 20g
ポリ(重合度10)オキシエチレンノニルフェニルエーテル 0.1g
【0044】
<バック層第2層>
ジアセチルセルロース 100g
トリメチロールプロパン−3−トルエンジイソシアネート 25g
メチルエチルケトン 1050g
シクロヘキサノン 1050g
架橋型ポリマーマット剤(メチルメタクリレート:ジビニルベンゼン=
9:1の共重合物)(平均粒径3.5μm) 2g
上記処方の液を乾燥膜厚が1.2μmになるように塗布した。乾燥は110℃で行った。
【0045】
<バック層第3層(滑り層)>
(1)滑り層第1液の調製
下記の1液を90℃加温溶解し、2液に添加後、高圧ホモジナイザーで分散して滑り分散原液とした。
1液
滑り剤:C6H13CH(OH)(CH2)10COOC40H8 0.7g
滑り剤:n-C17H35COOC40H81-n 1.1g
キシレン 2.5g
(2)滑り層第2液の調製
上記滑り層第1液に下記のバインダー、溶剤を加え塗布液とした。
プロピレングリコールモノメチルエーテル 34.0g
ジアセチルセルロース 3.0g
アセトン 600.0g
シクロヘキサノン 350.0g
上記塗布液を10cc/m2 の塗布量でバック層最上層にコートした。
以上で、バック層側の塗設を終了した。次に画像形成層側の中間層、画像形成層、オーバーコート層の塗設について説明する。
【0046】
<中間層の作製>
以下に示す組成の塗布液を前記バック層を塗布した100μ厚みのポリエチレンテレフタレート透明支持体の反対側に塗布し、表1に示す構成で中間層を作製した。
(1)中間層1
下記組成の塗布液をカルボキシメチルセルロースの硝酸エステル塗布量が0.5g/m2 となるように塗布した。
下記のバインダーA液 11.3g
アセトン 8.8g
メタノール 4.4g
水 5.5g
(2)中間層2
中間層1の塗布液に例示赤外吸収物質(1)を加え、カルボキシメチルセルロースの硝酸エステル塗布量が0.5g/m2 、例示赤外吸収物質(1)の塗布量が0.05g/m2 なるように塗布した。
【0047】
(バインダーA液の調製)
無水グルコース単位1個あたりの硝酸エステル基置換度が2.1、カルボキシメチルエーテル基置換度が0.7のカルボキシメチルセルロースの硝酸エステルの15%溶液(このうちアセトン40%、メタノール20%、水25%で、アンモニア水にてpH6.9に調整)をバインダーA液とする。
<画像形成層の作製>
上記中間層の上に下記に示す画像形成層を、表1に示す構成で塗布した。
(1)画像形成層1
下記組成の混合物をペイントシェーカーで均一に分散した後、カーボンブラックの塗布量が0.67g/m2 となるように塗布した。
硝酸セルロース(RS1 /8秒、ダイセル化学工業(株)製) 5g
イソプロピルアルコール 2.14g
メチルイソブチルケトン 26.6g
メチルエチルケトン 62.0g
ソルスパースS20000(ゼネカ(株)製) 1.35g
ソルスパースS12000(ゼネカ(株)製) 0.23g
カーボンブラック(粒径23nm、吸油量66ml/100g) 5g
フッ素系界面活性剤−1 37.3mg
(2)画像形成層2
下記組成の混合物をペイントシェーカーで均一に分散した後、チタンブラックの塗布量が0.74g/m2 となるように塗布した。
硝酸セルロース(RS1 /8秒、ダイセル化学工業(株)製) 5g
イソプロピルアルコール 2.14g
メチルイソブチルケトン 26.6g
メチルエチルケトン 62.0g
ソルスパースS20000(ゼネカ(株)製) 1.35g
ソルスパースS12000(ゼネカ(株)製) 0.23g
チタンブラック12S(粒子径58nm、三菱マテリアル(株)製) 5g
フッ素系界面活性剤−1 33.8mg
【0048】
【化7】
Figure 0003832929
【0049】
<オーバーコート層の作製>
以下に示すオーバーコート層を前記の画像形成層の上に塗布し、試料1〜9を作製した。オーバーコート層1はシクロヘキサノン溶液で、オーバーコート層2はアセトン/メタノール/水の混合溶液として塗布した。
Figure 0003832929
以上のベースの表面処理、中間層、画像形成層及びオーバーコート層の組み合わせは表1に示すとおりである。
【0050】
<乾燥時の密着評価法>
画像形成層塗布面に、カミソリで縦横7mm間隔に13本ずつ切れ目を入れて菱形のます目を作り、この上にポリエステル粘着テープ(日東電気工業(株)社製)を貼り付け、180度方向に素早く引き剥がす。この方法において、剥離しないものをA級、未剥離部分が95%以上の場合をB級、90%以上の場合をC級、60%以上の場合をD級、60%未満の場合をE級とする。アブレーション記録材料として十分実用に耐える密着強度とは、上記5段階評価のうちA級とB級に分類されるものである。得られた結果を、表1に示す。
【0051】
<画像記録のための露光条件>
特開平8−48053号に記載されているのと同様な画像露光装置のドラムに各試料をその画像形成層を外側に向けて固定した。各レーザービームは830 〜840nm の波長範囲を有し、フィルム面での公称出力は550mW 、スポットサイズは25μmであった。上記画像形成装置の試料を巻き付けたドラムの回転数を変化させて照射量を変化させ、適切に露光した。また、横方向の移動については、移動ステージによってダイオードレーザーを移動させて、照射ビームの中心間距離が10μmとなるような速度に設定した。さらに、レーザーによって照射された表面の物質の除去を効果的に行うため、特開平8−72400号と同様な装置を用いて、レーザー照射をしながら空気流を吹き付けて、画像形成物質やバインダーなどを除去した。
【0052】
<UV領域のDmax (最高濃度)、Dmin (最低濃度)の評価>
Macbeth 社製の濃度計TD904 (UVフィルター使用)を用いて、レーザー未照射部分と照射部分の濃度を測定して、UV領域のDmax(最高濃度)、Dmin(最低濃度)とした。得られた結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0003832929
【0054】
表1より、表面処理していない裸ベースではDminは低くなるが、密着が不良である。また、下塗層を付与したPETベース及びコロナ放電処理したPETベースは、密着は良好であるが、密着強度が強すぎるためか、Dminが高い。これに対して、グロー放電処理したPETベースでは密着は良好で、且つ、Dminも低くできることがわかる。以上より、本発明の有効性は明らかである。
【0055】
実施例2
<支持体の表面処理>
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート支持体について、その各々の両面に、グロー放電処理雰囲気気体中のH2 O分圧を表2に示す条件にコントロールした以外は実施例1と同様の条件でグロー放電処理した。
<バック層・中間層・画像形成層・オーバーコート層の作製>
上記表面処理した支持体上に、実施例1と同様にして、実施例1のバック層(第1層〜第3層)、中間層1、画像形成層1、オーバーコート層1を塗布した。
<乾燥時の密着評価法>
実施例1と同様にして、上記試料の乾燥時の密着を評価した。
<画像記録のための露光条件>
実施例1と同様にして、画像記録を行った。
<UV領域のDmax (最高濃度)、Dmin (最低濃度)の評価>
実施例1と同様にして、レーザー未照射部及び照射部の濃度を測定した。
【0056】
【表2】
Figure 0003832929
【0057】
グロー放電処理をした水準2〜5は実用上問題ない密着を示す。H2 O分圧が5%あると密着レベルは実用上良好な領域にはいるが、分圧が増加するに従い更に良化することが水準2〜5からわかる。
【0058】
実施例3
実施例1で用いた試料No.1, 4 〜8 を大日本スクリーン製造(株)社製感熱イメージセッターGenasett Dry 1070 と同様の装置でレーザー露光した結果、実施例1と同様の低いDminを与えることがわかった。

Claims (12)

  1. レーザーを利用して像様加熱する工程を施すアブレーション記録材料において、処理雰囲気のガス組成においてH 2 O分圧が10%以上のグロー放電処理によって表面処理された支持体上に、画像形成物質としてカーボンブラックおよび/またはチタンブラックの無機微粒子を含有する少なくとも1層の画像形成層、該画像形成層と支持体の間に少なくとも1層の中間層を有し、かつ該画像形成層を有する側と反対側の支持体上にバック層を有し、該バック層が、導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物を含有する導電層を有することを特徴とするアブレーション記録材料。
  2. 前記導電性金属酸化物あるいは導電性高分子化合物の粒子サイズが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のアブレーション記録材料。
  3. 前記バック層が、支持体に最も近い位置に導電層を有することを特徴とする請求項1または2に記載のアブレーション記録材料。
  4. 前記バック層の最外表面のベック平滑度が4000秒以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
  5. 前記バック層の最外層にマット剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
  6. 赤外吸収物質を前記画像形成層にのみ含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
  7. 該アブレーション記録材料の前記画像形成層側に設けられた支持体上の構成層のいずれかに無水グルコース単位1個あたりの硝酸エステル基置換度が0.2〜2.95、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05〜2.8であるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
  8. 前記画像形成層上に、さらにオーバーコート層を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
  9. 前記オーバーコート層中のバインダー量が0.1〜5g/m2であることを特徴とする請求項に記載のアブレーション記録材料。
  10. 前記中間層中のバインダーの塗布量が0.05〜2g/m2であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
  11. 前記カルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類を水と有機溶剤の混合物に分散された分散物の状態で含有することを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
  12. 前記カルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類の塗布量が、0.05〜5g/m2であることを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載のアブレーション記録材料。
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