JP2009199701A - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】情報記録時及び再生時のエラーがなく、非常に高い発色性を有し、印字後のインク滲み特性、耐水性に優れ、光沢及び乾燥性が高いプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体を提供することである。
【解決手段】基板上に、光情報記録層、下地層及びプリンタブルレーベル層を少なくとも有する情報記録媒体であり、プリンタブルレーベル層が主体として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子及びポリビニルアルコールを含有し、更に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合物から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする情報記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも基板上に光情報記録媒体と下地層とプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体に関しており、詳しくは情報記録時及び再生時のエラーがなく、非常に高い発色性を有し、印字後のインク滲み特性、耐水性に優れ、光沢及び乾燥性が高いプリンタブルレーベル層を有し、且つプリンタブルレーベル層塗液のハンドリング性が良好な情報記録媒体及びその製造方法に関する。
現在、市場にて広く受け入れられている、光学的に情報を記録、読み込みが可能な光情報記録層を有する情報記録媒体としては、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)がある。CD、DVDとも読み出し専用のCD−ROM、DVD−ROM、1回限りの情報記録が可能な追記型のCD−R、DVD−R、DVD+R、何回でも情報記録の書き換えが可能な書き換え可能型のCD−RW、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMがある。
これらの情報記録媒体は、分類や保管を容易にするため、もしくはデータ内容を容易に確認できるようにするために、記録されたデータの内容をケース内のインデックスに記載されているが、同時にスクリーン印刷等の印刷方式により、ディスクそのものにレーベル印刷されている。
しかしながら、このように既存の印刷方式によるレーベル印刷では、大量生産では問題ないが、少量生産では、印刷用刷版の作製が必要となるためコストアップになったり、印刷デザインの変更の場合に、その都度、刷版を交換し色合わせを行う必要がある等、作業性も悪化する問題等々があった。
このような問題に対し、情報記録層に光によって記録・読み込みがなされる面の反対面にインクジェットプリンターや昇華型熱転写プリンターで印字可能となるようにプリンタブルレーベル層を塗設した情報記録媒体が開発され市販されている。インクジェットプリンター用としては、このような印字可能な情報記録媒体の他に、特開平5−182411号公報にあるように、ラベルに印字した後、情報記録媒体に貼り付ける方式に関しても開示されているが、ラベルの位置合わせ等が非常に煩雑である。昨今、情報記録媒体に直接印字できる安価な機種が数多く発売されており、作成が非常に簡便であることから、業務用だけでなく家庭用にもこのようなインクジェット印字可能な情報記録媒体は広く普及しつつある。
このようなインクジェット印字可能な情報記録媒体のプリンタブルレーベル層としては、例えば特開2004−234764号公報、特開2004−30716号公報、特開2004−30769号公報、特表2004−503610号公報、特開2001−6225号公報、特開平8−279179号公報、特開平9−245380号公報等の様に主成分として紫外線硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂とインク膨潤性樹脂を併用した混合処方が使用されている。しかしながら、これらプリンタブルレーベル層は、主にインク膨潤性樹脂の膨潤を利用してインク吸収させている(以下、膨潤タイプという)ため、近年の微細空隙の毛細管現象でインク吸収させている(以下、空隙タイプという)写真印字対応のプリンタブルレーベル層と比較して、印字後指で印字部を触った場合に画像や指が汚れてしまったり、インデックスとともにケースに保管した場合にインデックスに貼り付いて使用不可能になったり、また業務用としての複製システムでは、数十枚から数百枚を連続して印字する場合があり、印字後トレイに重ねられた時にメディア同士がブロッキングしたりする、所謂インクの乾燥性が不十分であった。また、これらの問題を回避するため、例えば特開2004−30716号公報に例示されているように顔料粒子を多く使用した場合には、基板との接着性が悪化したり、発色性や光沢性が低下したりする等の問題点があった。またこれら紫外線硬化型樹脂は皮膚刺激性や異臭等の安全性や作業性の問題点があった。
一方、このような紫外線硬化型樹脂からなるプリンタブルレーベル層の問題点を回避するため、例えば特開2005−44478号公報には、ポリビニルアルコールやポリビニルアセタールなどの親水性樹脂を主成分とし、インク定着剤としてカチオン性ポリマーを混合したプリンタブルレーベル層が提案されているが、親水性樹脂を主成分としているため、安全性や作業性の問題はないが、膨潤タイプのため乾燥性が不十分であった。また、特開2004−276298号公報(特許文献1)、特開2004−276299号公報(特許文献2)、特開2005−96258号公報(特許文献3)、及び特開2005−116072号公報(特許文献4)には、少なくとも微粒子とポリビニルアルコールとホウ素化合物と媒染剤を含むプリンタブルレーベル層が提案されており、微粒子として気相法シリカ、擬ベーマイト及び酸化アルミニウムが好適である記載がなされている。また、特開2006−260748号公報(特許文献5)には、気相法アルミナ等の気相法無機粉末を含有した樹脂膜からなる多孔質層を有する光情報記録媒体が、特開2007−76007号公報(特許文献6)には湿式法シリカを含有した光情報記録媒体が提案されている。
微粒子として気相法シリカを使用した場合、一次粒子の三次元網目構造を持つことより、分散安定性が低く塗液の高濃度化が困難となり、所望のインク吸収性を得るためには多量のプリンタブルレーベル層塗液を塗布する必要があり乾燥負荷が非常に大きくなる。特に本情報記録媒体では、長時間熱風にさらされていると基板がカールして変形し、情報記録時及び再生時に悪影響を及ぼす問題があったり、例えばCD−RやCD−RWの場合には有機色素の相変化を記録原理としているので、耐熱性が60℃程度という制約の中でプリンタブルレーベル層塗液を乾燥しなければならないため生産効率的にも問題であった。また気相法シリカで構成される層は、特に湿度による影響によりカール特性の変動が高いため、これもまた情報記録時及び再生時に悪影響を及ぼす。上記対策として、プリンタブルレーベル層塗液の塗布量を減少させる方法があるが、この場合には、インク吸収性の低下や発色性の低下といった画質の悪化に加え、印字後の画像の滲み特性の悪化をも引き起こしてしまう問題があった。一方、擬ベーマイトや酸化アルミニウムを使用した場合は、分散安定性が気相法シリカと比較して良好であるため高濃度化が可能であり乾燥負荷は低いが、塗層の空隙率が低いため多くの乾燥塗布量が必要であり、場合によっては情報記録時及び再生時に悪影響を及ぼす問題があった。また擬ベーマイトや酸化アルミニウムを使用したプリンタブルレーベル層の印字後の画像滲みは気相法シリカを使用したプリンタブルレーベル層よりも良好であるが、レーベルのプリンター印字時や実際のドライブ使用時にプリンタブルレーベル層の表面が傷つきやすい問題があった。
一方、本発明で使用するポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合物は、特開2006−76182号公報(特許文献7)、特開2002−234248号公報(特許文献8)、特開2002−225426号公報(特許文献9)、特許第4018565号公報(特許文献10)等に、ブロンジングの防止、顔料の分散剤及び界面活性剤としての作用を目的とすることが記載されている。
特開2004−276298号公報 特開2004−276299号公報 特開2005−96258号公報 特開2005−116072号公報 特開2006−260748号公報 特開2007−76007号公報 特開2006−76182号公報 特開2002−234248号公報 特開2002−225426号公報 特許第4018565号公報
従って本発明の課題は、情報記録時及び再生時のエラーがなく、非常に高い発色性を有し、印字後のインク滲み特性、耐水性に優れ、光沢及び乾燥性が高いプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体及びその製造方法を提供することにある。
本願の上記課題は以下の手段で解決された。
1.基板上に、光情報記録層、下地層及びプリンタブルレーベル層を少なくとも有する情報記録媒体であり、プリンタブルレーベル層が主体として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子及びポリビニルアルコールを含有し、更に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合物から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする情報記録媒体。
2.上記1に記載される情報記録媒体のプリンタブルレーベル層塗設時の乾燥水分量が100g/m2以下である情報記録媒体の製造方法。
本発明によれば、情報記録時及び再生時のエラーがなく、非常に高い発色性を有し、印字後のインク滲み特性、耐水性に優れ、光沢及び乾燥性が高いプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体及びその製造方法を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の情報記録媒体の構成の一例を示す。図1は本発明の情報記録媒体の構成の一例を示した説明図である。本発明の情報記録媒体は、基板10とこの基板上にデータを記録する光情報記録層11、金属箔からなるレーザーを反射させる光反射層12、光反射層を保護するための保護層13、プリンタブルレーベル層との接着性を高めたり画像の発色性や光沢を向上させるための下地層14、更に最外層にプリンタブルレーベル層15を積層形成された構造を有している。
記録及び再生時に照射されるレーザーは、プリンタブルレーベル層とは反対面の基板方向から入射される。また、インクジェット記録ヘッドを有するインクジェットプリンターによって、文字や画像がプリンタブルレーベル層上に記録される。この場合、レーザーは基板を通して光情報記録層11の記録及び再生を行うため、通称、基板面入射タイプと呼ばれる。また、基板の片側に光反射層、光情報記録層、保護層の順に設け、光情報記録層とは反対側の基板面に下地層、プリンタブルレーベル層を有する構成としてもよい。この場合、保護層側からレーザーを照射するため、通称、膜面入射タイプと呼ばれる。以下、基板面入射タイプに関して詳細に説明するが、いずれのタイプの層構成でも、本発明の効果が損なわれることはない。
本発明のプリンタブルレーベル層は、主体として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、及び、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合物から選ばれる少なくとも一種を含有する。
このような平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子、ポリビニルアルコール、及び、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合から選ばれる少なくとも一種を使用することにより、非常に高い発色性と、印字後のインク滲み、耐水性に優れ、高い光沢性且つ空隙率の高い塗膜が得られることから、乾燥水分量が少なくても済み、結果的に情報記録時及び再生時のエラーがない情報記録媒体が得られる。
本発明における平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子は、主体としてプリンタブルレーベル層に含有するものである。主体とはプリンタブルレーベル層の全固形分に対して50固形分質量%以上であり、60〜90固形分質量%の範囲が好ましい。
本発明のプリンタブルレーベル層は、高い光透過性を有するプリンタブルレーベル層を得るために、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体としてなる少なくとも1層から構成されるのが好ましい。無機微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、擬ベーマイト等が挙げられる。これらの中でも、インク吸収性と生産性の点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましく、特に非晶質合成シリカが好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明において、プリンタブルレーベル層に含有させる無機微粒子として湿式法シリカを用いる場合、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであることが好ましく更に、沈降法シリカ粒子が特に好ましい。本発明における湿式法シリカの吸油量は、120〜210ml/100gの範囲が好ましく、更に160〜210ml/100gの範囲が特に好ましい。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均二次粒子径を有するため、本発明では、これを平均二次粒子径が500nm以下になるまで微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルの使用が好ましい。
本発明において、湿式法シリカの粉砕は、カチオン性化合物の存在下で行うことが好ましい。水中に分散されたシリカにカチオン性化合物を添加すると凝集物が発生することが多いが、これを粉砕処理することによって、水のみに分散するよりも高濃度分散が可能となり、その結果分散効率が上昇し、より微粒子に粉砕することができる。更に、高濃度分散液を使用することによって、塗布液調製時に塗布液の高濃度化が可能になり、生産効率が向上する等の利点がある。特にこの際に平均二次粒子径が5μm以上の湿式法シリカを使用すると、初期の凝集物発生による粘度上昇が抑制され、より高濃度での分散が可能となるため、更に有利である。粉砕前の平均二次粒子径の上限は特にないが、通常湿式法シリカの平均二次粒子径は50μm以下が好ましい。
本発明において、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る具体的な方法としては、まず水中にシリカ及びカチオン性ポリマー及び/または水溶性金属化合物の少なくとも一種を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であれば更に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物の量は、シリカに対して0.5〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。この範囲にすることによって、シリカ予備分散液の粘度が高くなりすぎず、固形分濃度を高くすることができる。本発明のシリカ予備分散物の固形分濃度は高いほうが好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
上記の方法で得られたシリカ予備分散物をビーズミルで粉砕処理する。ビーズミルとは、内部に撹拌装置を有する容器中にビーズを内填し、容器中に液状物を入れて撹拌装置を回転させてビーズ同士を衝突させることで液状物にせん断力を与えて処理する装置である。ビーズの粒径は0.1〜10mmが一般的であるが、好ましくは0.2〜1mm、より好ましくは0.3〜0.6mmである。ビーズにはガラスビーズ、セラミックスビーズ、金属ビーズ等があるが、耐摩耗性及び分散効率からはジルコニアビーズが好ましい。また、容器中のビーズの添加充填率は一般的には40〜80容量%であり、好ましくは55〜80容量%である。上記分散条件によってシリカ分散物を効率良く、粗粒残存や凝集物発生もなく、平均二次粒子径を500nm以下に粉砕することが可能である。予備分散物を連続で処理する場合で通し回数が1回では粗粒が残りやすい場合には、2回以上処理するほうが好ましい。粗粒ができない範囲で濃度が高いほうが、塗布液の高濃度化が可能になり好ましい。本発明のシリカ分散物の固形分濃度の好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。市販のビーズミルとしては浅田鉄工(株)製のナノミル、アイメックス(株)製のウルトラビスコミル及び(株)マツボー製のアミュラー型OBミル、(株)シンマルエンタープライゼス製のダイノミル等が挙げられる。
本発明において、特に高い光透過性を有するプリンタブルレーベル層を得るためには、プリンタブルレーベル層に含有させる無機微粒子として気相法シリカを使用するのが好ましい。気相法シリカを用いる場合、その平均一次粒子径は5〜50nm、好ましくは5〜20nmであり、且つ高い吸収性を得るためにBET法による比表面積が90〜400m2/gのものを用いるのが好ましい。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在して適度な空隙を形成することにあり、光透過性とインク吸収性を両立するために、500nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下の平均二次粒子径になるまで超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕、分散させた気相法シリカ粒子がプリンタブルレーベル層に含有される。
尚、本発明でいう平均一次及び二次粒子径は電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察する公知の方法に基づくものである。一次粒子の平均粒子径は、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求めることができる。また、二次粒子の平均粒子径は緩いせん断力で分散した粒子を電子顕微鏡で観察して求めることができる。
本発明において、気相法シリカはカチオン化した状態で用いられるのが好ましい。カチオン化された気相法シリカは、カチオン性ポリマーもしくは多価金属の存在下で水を主体とする分散媒中で気相法シリカを分散して得られる。このとき、ポリビニルアルコールのような親水性バインダーやホウ酸等の架橋剤(硬膜剤)は含まない状態で分散するのが好ましい。
カチオン化された気相法シリカとしては、特開平11−321079号公報、特開2000−239536号公報、特開2001−19421号公報、特開2001−80204号公報、特開2001−207078号公報等にカチオン性ポリマーの存在下で気相法シリカを分散する方法が記載されており、いずれも本発明に採用することができる。
上記非晶質合成シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーが好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、本発明においては塗液の経時安定性の観点よりカチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性、分散液粘度及び経時安定性の面で、これらのカチオン性ポリマーの分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。カチオン性ポリマーの添加量は、シリカに対して1〜10固形分質量%の範囲が好ましい。
本発明において、プリンタブルレーベル層に含有させる無機微粒子としてアルミナを用いる場合、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、本発明では、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用される。
本発明で用いられるアルミナ水和物はAl23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。アルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ギ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明に設けるプリンタブルレーベル層には、透明性が高く発色性が良好で、比較的室温付近で膨潤性が低く気相法シリカ及びアルミナ、アルミナ水和物との結着能力が高いためインク吸収性が良好で、更に基板との良好な接着性が得られるという観点からポリビニルアルコールが必須であり、特に制限はないが完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールが好ましく使用できる。その含有量は、インク吸収性の観点より、無機微粒子に対して好ましくは20〜50固形分質量%であり、更に好ましくは20〜40固形分質量%である。
カチオン変性ポリビニルアルコールとは、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したものが好ましい。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。プリンタブルレーベル層の塗布性やインク吸収性の観点から、平均重合度3000〜4000のポリビニルアルコールが好ましい。
本発明のプリンタブルレーベル層には、ポリビニルアルコールと共に硬膜剤を含有することができるが、特に含ホウ素化合物を含有するのが好ましい。含ホウ素化合物としてはホウ酸、ホウ酸塩、及びホウ砂等があり、これらを一種または二種以上組みあわせることもできる。ホウ酸塩としては、オルトホウ酸塩、メタホウ酸塩、二ホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩等が挙げられる。
本発明のプリンタブルレーベル層には、発色性や耐水性を向上させるために、カチオン性定着剤を含有させることができる。本発明におけるカチオン定着剤としては、気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物として前述した各種カチオン性ポリマーや、各種多価金属類が使用できるが、中でも水溶性アルミニウム化合物や水溶性ジルコニウム化合物に代表される水溶性多価金属を用いることが好ましい。これらの化合物は、無機塩や有機酸の単塩及び複塩、金属錯体などのいずれであってもよい。
水溶性アルミニウム化合物は、例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、プリンタブルレーベル層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2または3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm ・・式1
[Al(OH)3nAlCl3 ・・式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
水溶性ジルコニウム化合物は、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウムなどが挙げられる。
これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でもプリンタブルレーベル層を形成する塗布液に安定に添加でき、優れた滲み耐性を示す酢酸ジルコニウム(ジルコニル)化合物は特に好ましい。
これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20、ZA−30等、または日本軽金属(株)等からも市販されている。
上記水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物の合計の添加量は、無機微粒子に対して10固形分質量%以下が好ましく、0.5〜8固形分質量%がより好ましい。
本発明におけるプリンタブルレーベル層には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物もしくは、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合物を少なくとも一種以上を含有することが好ましい。これらを含有することにより、プリンタブルレーベル層の発色性、光沢及び乾燥性を維持しつつ、温度・湿度変動による塗層の収縮変動を抑えることで基板のカール変動を抑えることができ、情報記録時及び再生時のエラーが回避できる。
本発明におけるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物もしくは、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合物は、エチレンオキシ基の付加したソルビタンもしくはソルビットと高級脂肪酸とのエステル化反応で作られる非イオン性界面活性剤の一群である。エチレンオキシ基の繰り返し単位は5以上、合計では5〜180、脂肪酸は好ましくは炭素数10以上、例えばラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が用いられる。脂肪酸エステルはモノ、ジ、トリ、テトラ等の形をとり得る。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては日光ケミカル(株)製のニッコールTP−10、同TS−10、同TS−30、同TO−10、同TO−30等、日本油脂(株)製のノニオンLT−221、同PT−221、同ST−221、同OT−221等がある。ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとしてはニッコールGO−460、同GS−460等が市販されている。以下に本発明に用いられる化合物の代表的なものを記載するが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009199701
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上記化合物の添加量は、プリンタブルレーベル層が含有する無機微粒子に対して0.1〜50固形分質量%が好ましく、1〜20固形分質量%が更に好ましい。
本発明におけるプリンタブルレーベル層には、塗膜の温度・湿度変動による塗層の収縮変動を更に抑えるために、平均粒子径100nm以下でガラス転移温度Tgが40℃以下のポリマーラテックス及び炭素数3〜5のアルカンジオールから選ばれる少なくとも一種以上を含有してもよい。
上記ポリマーラテックスは、乳化重合法で重合されたポリマーラテックスであり、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアクリル酸エステル系ラテックス、ポリメタクリル酸エステル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス等が好ましく用いられる。
上記ポリマーラテックスの平均粒子径は100nm以下でガラス転移温度Tgが40℃以下であることが好ましい。ポリマーラテックスの平均粒子径が100nmを超えるとプリンタブルレーベル層の透明性が低下して発色性が悪化したり、光沢が低下するため好ましくなく、ガラス転移温度Tgが40℃を超えると、ポリマーラテックスのプリンタブルレーベル層の可塑化効果が低くなり、プリンタブルレーベル層の乾燥収縮率や温度・湿度変化における塗層の収縮変動が抑え難くなる場合がある。
上記ポリマーラテックスはプリンタブルレーベル層が含有する無機微粒子に対して5〜30固形分質量%使用するのが好ましく、5〜20固形分質量%が更に好ましい。5固形分質量%未満である場合には、塗層の収縮変動を抑える効果が不十分であり、また、30固形分質量%を超える場合にはインク吸収性が低下する場合がある。
前記炭素数3〜5のアルカンジオールとしては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールがあり、それらの異性体はいずれも含まれる。また、3−メチル−1,3−ブタンジオール等のような分岐のブタンジオールも含まれる。これらの中でも、炭素数が3〜4のプロパンジオールやブタンジオールが好ましく、特にプロパンジオールが好ましい。プロパンジオールとしてはプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)とトリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)があり、特にプロピレングリコールが好ましい。該化合物の添加量は、無機微粒子に対して0.1〜50固形分質量%が好ましく、1〜20固形分質量%が更に好ましい。
本発明のプリンタブルレーベル層は、インク吸収性と塗層強度を損なわない範囲で必要に応じ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種無機顔料や、有機顔料、分散剤、画像保存剤、消泡剤、可塑剤、架橋剤、着色剤、その他の添加剤を含有していてもよい。
本発明の情報記録媒体は、プリンタブルレーベル層の上にオーバーコート層があってもよい。オーバーコート層により、表面強度を更に向上させたり、画像の保存性を向上させたりすることができる。オーバーコート層は、インクを受容するか、あるいは速やかに透過させる性質を有する必要がある。オーバーコート層の層厚としては、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmが更に好ましい。
本発明のプリンタブルレーベル層の塗設方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スクリーン印刷方式、スプレーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等を適宜使用することができるが、スクリーン印刷方式やスピンコート方式により形成することが好ましい。
本発明におけるプリンタブルレーベル層塗設時の乾燥水分量は100g/m2以下であることが好ましい。このような範囲の乾燥水分量に調整することにより、情報記録時及び再生時のエラーがない情報記録媒体が得られる。尚、本発明における乾燥水分量とは、塗布し乾燥するプリンタブルレーベル層中の単位面積当たりの水分量のことである。
本発明におけるプリンタブルレーベル層の乾燥塗布量は12〜28g/m2であることが好ましく、より好ましくは12〜25g/m2であり、更に14〜23g/m2とすることが好ましい。乾燥塗布量が12g/m2未満であるとプリンタブルレーベル層のインク吸収性の低下と印字後のインク滲み特性が悪化し、28g/m2を超えると、情報記録及び再生時のエラーが発生しやすくなる場合がある。
本発明におけるプリンタブルレーベル層の乾燥温度は、好ましくは30〜60℃であり、更に40〜60℃であることが好ましい。30℃未満であると乾燥時間が長くなり生産効率が悪化するため好ましくなく、60℃を超えると耐熱性の低い光情報記録層の品質が悪化し、情報記録時及び再生時のエラーが多発する場合がある。
本発明においては、プリンタブルレーベル層15の下に、ISO白色度80%以上であり、且つ表面粗さRaが0.2μm以下である下地層14を設けることが、写真印画紙のような高い発色性と光沢を得ることができるため好ましい。また更にISO白色度90%以上であり、表面粗さRaは0.15μm以下であることが好ましい。
本発明におけるISO白色度とは、ISO2470で規定される白色度であり、表面粗さRaとは、JIS−B0601:2001に規定されるRa(算術平均粗さ)である。Raは触針式表面粗さ計の測定値であり、基準長さが8mmで測定されたものである。Raを求める場合は、傷と見なされるような並外れた高い山や深い谷のない部分から基準長さを抜き取る。また、表面形状に方向性がある場合はRaが最も大きく現れる方向に測定する。
このような下地層の形成手法は公知のどのような方法を用いても問わないが、生産性の観点から、公知の放射線硬化樹脂をスクリーン印刷方式により形成することが好ましい。放射線硬化樹脂は、紫外線、電子ビーム、X線、γ線、赤外線等の電磁波によって硬化する樹脂であり、放射線としては、中でも、紫外線、電子ビームが好ましい。
放射線硬化樹脂をスクリーン印刷により形成させる場合、情報記録媒体の平滑性の観点より、印刷後の樹脂のレベリングのための時間が適宜必要である。
下地層の膜厚としては、0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜20μmが最も好ましい。
基板10としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。具体的には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル、アルミニウム等の金属等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐薬品性、寸法安定性、光透過性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。また、基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プリグルーブ)が形成されている。プリグルーブのピッチ、深さ(溝深さ)、及び半値幅は情報記録媒体の種類により任意に設定できる。
本発明の一例である基板面入射タイプの情報記録媒体においては、前述したように基板と下地層との間に光情報記録層、光反射層及び保護層が設けられる。本発明においては、光情報記録層と光反射層は情報記録媒体として必須であるが、保護層に関しては、保護層と下地層の双方の機能を有した下地層があれば、必ずしも設ける必要はない。
光情報記録層11は、基板10上に設けられ、レーザー光の照射によりデジタル情報が記録可能な材料により形成される。通常は、CD−RやDVD−Rに代表されるように有機色素からなる光情報記録層、またはCD−RWやDVD−RWに代表されるように無機物質からなる光情報記録層として形成される。
有機色素からなる光情報記録層は、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式薄膜形成法や、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の湿式薄膜形成法を用いて設けられる。中でも量産性、コスト等によりスピンコート法が特に好ましい。具体的な方法としては、記録物質である有機色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液をスピンコート法により基板のプリグルーブが形成された面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。スピンコート法を適用する際の温度は、生産性と色素の耐熱性の観点から25〜60℃が好ましく、更に30〜50℃が好ましい。
該有機色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられ、中でも、耐光性や耐久性に優れることからフタロシアニン色素が好ましい。また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開11−53758号公報、特開11−334204号公報、特開11−334205号公報、特開11−334206号公報、特開11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、及び特開2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
有機色素からなる光情報記録層塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−メトキシエチルアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組合せて使用することができる。塗布液中には更にバインダー、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
該バインダーの例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。光情報記録層の材料としてバインダーを併用する場合に、バインダーの使用量は、一般に有機色素100部に対して0.01〜50固形分質量部の範囲にあり、好ましくは0.1〜5固形分質量部の範囲である。このようにして調製される塗布液中の有機色素の濃度は、一般に0.01〜10固形分質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5固形分質量%の範囲である。
光情報記録層には、該光情報記録層の耐光性を向上させるために、一重項酸素クエンチャーに代表される種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、有機色素の量に対して、通常0.1〜50固形分質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45固形分質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40固形分質量%の範囲である。
無機物質からなる光情報記録層は、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等を用いて形成される。中でも量産性、コスト等の観点よりスパッタリング法が特に好ましい。
該無機物質としては、結晶状態と非晶状態の少なくとも2つの状態をとり得る少なくともAg、Al、Te、Sbからなる相変化型の光記録材料が好ましい。尚、該光情報記録層上には、必要に応じて、公知の誘電体層が形成される。
本発明における光情報記録層は単層でも重層でもよく、その層厚は光情報記録層の種類によって異なるが一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲であり、より好ましくは50〜100nmの範囲である。
光反射層12は、光情報記録層11上に設けられ、通常基板10側から照射されるレーザー光を基板側へ反射させるために設ける。光情報記録層形成後、該光情報記録層上に光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングして光反射層を形成する。光反射層の形成に際しては、通常マスクが使用され、これによって光反射層の形成領域を調節することができる。
該光反射層には、レーザー光に対する反射率が十分高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。コストと反射率の観点より、特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
保護層13は、光反射層12上に、キャスト法、スピンコート法、スクリーン印刷法等により形成されるが、特にスピンコート法を適用することで、光情報記録層にダメージ(色素の溶解、色素と保護層材料との化学反応等)を与えることなく保護層を形成することができる。尚、保護層に放射線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)を使用した場合は、保護層を形成した後、該保護層上から紫外線照射ランプ(メタルハライドランプ)により紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させる。また、形成する保護層の厚みムラを無くすため、樹脂を硬化させる前に一定時間放置する等の処理を適宜行ってもよい。
保護層は、水分の侵入や傷の発生を防止する。保護層を構成する材料としては、放射線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等であることが好ましく、中でも放射線硬化樹脂であることが好ましい。該放射線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のSD−640等の各種紫外線硬化樹脂を使用することができる。
保護層の厚さは、1〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
以上のようにして、基板上に光情報記録層、光反射層、保護層、下地層、及びプリンタブルレーベル層が順次設けられた積層体からなる情報記録媒体が作製される。
尚、本発明の情報記録媒体は、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチや、光情報記録層を構成する材料等を適宜設定することで、従来のDVD等よりトラックピッチが狭く、使用されるレーザー光より小さい波長のレーザー光で情報の記録再生を行うことが可能な情報媒体にも適用することができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲において各種の応用ができるものである。尚、表記中で「部」及び「%」とは特に断らない限り固形分質量部及び固形分質量%である。
−プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1の作製−
射出成形により、幅0.45μm、深さ155nmのプリグルーブを有した、厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製基板を作製した。この基板上に、含金属アゾ系色素のアルコール溶液をスピンコートで塗布・乾燥し、厚さ70nmの光情報記録層を形成した。続いてこの光情報記録層上に銀をスパッタリングして厚さ60nmの光反射層を形成した。続いて、この光反射層上に、紫外線硬化樹脂(商品名:SD318、大日本インキ化学工業(株)製)をスピンコートで塗布し、高圧水銀灯を用い紫外線を照射させることで硬化し、厚さ5μmの保護層を形成した。その後、紫外線硬化インク(商品名:SSD F27、大日本インキ化学工業(株)製)をスクリーン印刷で印刷し、20秒後、高圧水銀灯を用い紫外線を照射させることで硬化し、厚さ10μmの白色の下地層を形成した。以上の工程により、基板、光情報記録層、光反射層、保護層及び下地層からなるプリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1を作製した。本プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1のISO白色度は92%であり、表面粗さRaは0.12μmであった。
−プリンタブルレーベル層の形成−
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と湿式法シリカ(吸油量200ml/100g、平均一次粒子径16nm、平均凝集粒子径9μm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を調整した。次に得られた予備分散液をビーズミルで処理して、固形分濃度30%のシリカ分散液1を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合1>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
化1の化合物 7部
その後、上記配合の液を常温で混合して、固形分濃度16%のプリンタブルレーベル層塗布液を調製し、固形分塗布量が18g/m2になるように、上記プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1にロッドバー方式により塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、実施例1の情報記録媒体を作製した。尚、この時の乾燥水分量は94.5g/m2、電子顕微鏡観察より湿式法シリカの平均二次粒子径は100nmであった。
実施例1のプリンタブルレーベル層配合1を下記のプリンタブルレーベル層配合2に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の情報記録媒体を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合2>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
化4の化合物 7部
実施例1のプリンタブルレーベル層配合1を下記のプリンタブルレーベル層配合3に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の情報記録媒体を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合3>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
化7の化合物 7部
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径12nm、比表面積200m2/g)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度25%のシリカ分散液2を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合4>
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
化1の化合物 7部
その後、上記配合の液を常温で混合して、固形分濃度16%のプリンタブルレーベル層塗布液を調製し、固形分塗布量が18g/m2になるように、上記プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1にロッドバー方式により塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、実施例4の情報記録媒体を作製した。尚、この時の乾燥水分量は94.5g/m2、電子顕微鏡観察より気相法シリカの二次粒子径は120nmであった。
実施例4のプリンタブルレーベル層配合4を下記のプリンタブルレーベル層配合5に変更した以外は実施例4と同様にして実施例5の情報記録媒体を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合5>
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
化4の化合物 7部
実施例4のプリンタブルレーベル層配合4を下記のプリンタブルレーベル層配合6に変更した以外は実施例4と同様にして実施例6の情報記録媒体を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合6>
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
化7の化合物 7部
水に硝酸(2部)とベーマイトアルミナ水和物(平均一次粒子径14nm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して、固形分濃度25%のアルミナ水和物分散液を調製した。
<プリンタブルレーベル層配合7>
アルミナ水和物分散液(アルミナ水和物固形分として)
100部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 1部
化1の化合物 7部
その後、上記配合の液を40℃で混合して、固形分濃度17%のプリンタブルレーベル層塗布液を調製し、固形分塗布量が30g/m2になるように、プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1にロッドバー方式により塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、実施例7の情報記録媒体を作製した。尚、この時の乾燥水分量は94.5g/m2、電子顕微鏡観察より無機微粒子の平均二次粒子径は100nmであった。
(比較例1)
実施例1のプリンタブルレーベル層配合1を下記のプリンタブルレーベル層配合8に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の情報記録媒体を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合8>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
(比較例2)
実施例4のプリンタブルレーベル層配合4を下記のプリンタブルレーベル層配合9に変更した以外は実施例4と同様にして比較例2の情報記録媒体を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合9>
シリカ分散液2 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 25部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3.5部
(比較例3)
前記、湿式シリカの予備分散液をそのままプリンタブルレーベル層配合に使用した以外は実施例1と同様にして、比較例3の情報記録媒体を作製した。尚、電子顕微鏡観察より湿式法シリカの予備分散液の平均二次粒子径は800nmであった。
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%のシリカ分散液3を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合10>
シリカ分散液3 (シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 4部
化1の化合物 7部
その後、上記配合の液を40℃で混合して、固形分濃度12%のプリンタブルレーベル層塗布液を調製し、固形分塗布量が18g/m2になるように、プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1にロッドバー方式により塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、実施例8の情報記録媒体を作製した。尚、この時の乾燥水分量は132g/m2、電子顕微鏡観察より無機微粒子の平均二次粒子径は80nmであった。
実施例7のプリンタブルレーベル層配合7を下記のプリンタブルレーベル層配合11に変更し情報記録媒体を作製した。
<プリンタブルレーベル層配合11>
アルミナ水和物分散液(アルミナ水和物固形分として)
100部
ポリビニルアルコール 12部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 1部
化1の化合物 7部
その後、上記配合の液を40℃で混合して、固形分濃度17%のプリンタブルレーベル層塗布液を調製し、固形分塗布量が30g/m2になるように、プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1にロッドバー方式により塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、実施例9の情報記録媒体を作製した。尚、この時の乾燥水分量は110.5g/m2、電子顕微鏡観察より無機微粒子の平均二次粒子径は100nmであった。
(比較例4)
実施例1のプリンタブルレーベル層配合1を下記のプリンタブルレーベル層配合12に変更し、固形分塗布量が20g/m2になるように塗布・乾燥した以外は実施例1と同様にして比較例4の情報記録媒体を作製した。尚、この時の乾燥水分量は105g/m2、電子顕微鏡観察より無機微粒子の平均二次粒子径は100nmであった。
<プリンタブルレーベル層配合12>
シリカ分散液1 (シリカ固形分として) 100部
酸性ゼラチン 25部
化1の化合物 7部
得られた各々の情報記録媒体について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<記録・再生時エラー>
市販のCD−Rドライブを用いて、48倍速で音楽CDのコピー記録及び再生をA(23℃、50%RH)及びB(45℃、15%RH)の環境下で各々300枚行った。その時の記録時のエラーの発生状況及び再生時のエラー発生状況を以下の基準で評価した。
◎:A,Bの環境下とも全くエラーは発生しなかった。
○:B環境下で1回のエラーが発生したが、A環境下ではエラーは全く発生せず、実使用上は問題なかった。
△:A環境下ではエラーは発生しなかったが、B環境下で少なくとも2回以上エラーが発生した。
×:A環境下で少なくとも1回以上エラーが発生した。
<発色性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面に人物及び風景画像を印字し、同画像を用いて作製した銀塩写真と比較し、下記の基準で発色性を目視評価した。
◎:銀塩写真より高い発色性を有する。
○:銀塩写真並の発色性を有する。
△:銀塩写真と比較してやや発色性が劣る。
×:銀塩写真と比較して明らかに発色性が劣る。
<印字部境界滲み特性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面にシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ画像内にシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、ブラック、ホワイトの細線が盛り込まれたパターンを印字し、細線の境界部分で印字滲みが発生しているかどうかを、下記の基準で発色性を目視評価した。
○:印字滲みがほとんど発生せず、良好な細線が得られている。
△:色の組合せにより印字滲みがやや発生しているが問題のないレベル。
×:印字滲みが酷く明らかに問題となるレベル。
<光沢性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面に人物及び風景画像を印字し、同画像を用いて作製した銀塩写真と比較し、下記の基準で光沢性を目視評価した。
◎:銀塩写真より高い光沢性を有する。
○:銀塩写真並の光沢性を有する。
△:銀塩写真と比較してやや光沢性が劣る。
×:銀塩写真と比較して明らかに光沢性が劣る。
<乾燥性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面にレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で総合で評価した。
○:全く転写しない。
△:転写し実使用困難。
×:大部分が転写し実使用不可。
<耐水性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、PMG800)にて、プリンタブルレーベル層面に人物及び風景画像を印字し、画像部に蒸留水を滴下して、10秒後にティッシュで水滴を拭った後の画像を下記の基準で目視評価し耐水性を評価した。
◎:滴下した跡が全く確認できない。
○:滴下した跡がやや確認できるが問題のないレベル。
△:滴下した跡が確認可能であり問題となるレベル。
×:滴下した跡が非常に醜く明らかに問題となるレベル。
Figure 2009199701
表1の結果より、本発明の情報記録媒体は、情報記録時及び再生時のエラーがなく、非常に高い発色性を有し、印字後のインク滲み特性、耐水性に優れ、光沢及び乾燥性が高いプリンタブルレーベル層を有することが判る。
本発明の情報記録媒体の構成の一例を示した説明図である。
符号の説明
10 基板
11 光情報記録層
12 光反射層
13 保護層
14 下地層
15 プリンタブルレーベル層

Claims (2)

  1. 基板上に、光情報記録層、下地層及びプリンタブルレーベル層を少なくとも有する情報記録媒体であり、プリンタブルレーベル層が主体として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子及びポリビニルアルコールを含有し、更に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル化合物及びポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル化合物から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする情報記録媒体。
  2. 請求項1に記載される情報記録媒体のプリンタブルレーベル層塗設時の乾燥水分量が100g/m2以下である情報記録媒体の製造方法。
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