JP2010211855A - 情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】情報記録時及び再生時のエラーがなく、発色性、光沢性、乾燥性及び耐傷性に優れたプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に、光情報記録層、下塗り層及びプリンタブルレーベル層を少なくとも有する情報記録媒体の製造方法において、ホウ素化合物と最低造膜温度が40℃以上である水分散性樹脂を含有した下塗り層塗液を塗布した後に、主体として平均一次粒子が20nm以下の気相法シリカ、及びポリビニルアルコールを含有するプリンタブルレーベル層塗液を塗布してプリンタブルレーベル層を形成することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも基板上に光情報記録材料とプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体の製造方法であって、詳しくは情報記録時及び再生時のエラーがなく、発色性、光沢性、乾燥性及び耐傷性に優れたプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体の製造方法に関する。
現在、市場にて広く受け入れられている、光学的に情報を記録、読み込みが可能な光情報記録層を有する情報記録材料としては、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)がある。CD、DVDとも読み出し専用のCD−ROM、DVD−ROM、1回限りの情報記録が可能な追記型のCD−R、DVD−R、DVD+R、何回でも情報記録の書き換えが可能な書き換え可能型のCD−RW、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMがある。
これらの情報記録材料は、分類や保管を容易にするため、もしくはデータ内容を容易に確認できるようにするために、記録されたデータの内容をケース内のインデックスに記載されているが、同時にスクリーン印刷等の印刷方式により、ディスクそのものにレーベル印刷されている。
しかしながら、このように既存の印刷方式によるレーベル印刷では、大量生産では問題ないが、少量生産では、印刷用刷版の作製が必要となるためコストアップになったり、印刷デザインの変更の場合に、その都度、刷版を交換し色合わせを行う必要がある等、作業性も悪化する問題等々があった。
このような問題に対し、情報記録層に光によって記録・読み込みがなされる面の反対面にインクジェットプリンターや昇華型熱転写プリンターで印字可能となるようにプリンタブルレーベル層を塗設した情報記録媒体が開発され市販されている。インクジェットプリンター用としては、このような印字可能な情報記録媒体の他に、特開平5−182411号公報にあるように、ラベルに印字した後、情報記録媒体に貼り付ける方式に関しても開示されているが、ラベルの位置合わせ等が非常に煩雑である。昨今、情報記録媒体に直接印字できる安価な機種が数多く発売されており、作成が非常に簡便であることから、業務用だけでなく家庭用にもこのようなインクジェット印字可能な情報記録媒体は広く普及しつつある。
このようなインクジェット印字可能な情報記録媒体のプリンタブルレーベル層としては、例えば特開2004−234764号公報、特開2004−30716号公報、特開2004−30769号公報、特表2004−503610号公報、特開2001−6225号公報、特開平8−279179号公報、特開平9−245380号公報等の様に主成分として紫外線硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂とインク膨潤性樹脂を併用した混合処方が使用されている。しかしながら、これらプリンタブルレーベル層は、主にインク膨潤性樹脂の膨潤を利用してインク吸収させている(以下、膨潤タイプという)ため、近年の微細空隙の毛細管現象でインク吸収させている(以下、空隙タイプという)写真印字対応のインクジェット用記録材料と比較して、印字後に指で印字部を触った場合に画像や指が汚れてしまったり、インデックスとともにケースに保管した場合にインデックスに貼り付いて使用不可能になったり、また業務用としての複製システムでは、数十枚から数百枚を連続して印字する場合があり、印字後トレイに重ねられた時にメディア同士がブロッキングしたりする、所謂インクの乾燥性が不十分であった。また、これらの問題を回避するため、例えば特開2004−30716号公報に例示されているように顔料粒子を多く使用した場合には、基板との接着性が悪化したり、発色性や光沢性が低下したりする等の問題点があった。またこれら紫外線硬化型樹脂は皮膚刺激性や異臭等の安全性や作業性の問題点があった。
一方、このような紫外線硬化型樹脂からなるプリンタブルレーベル層の問題点を回避するため、例えば特開2005−44478号公報には、ポリビニルアルコールやポリビニルアセタールなどの親水性樹脂を主成分とし、インク定着剤としてカチオン性ポリマーを混合したプリンタブルレーベル層が提案されているが、親水性樹脂を主成分としているため、安全性や作業性の問題はないが、膨潤タイプのため乾燥性が不十分であった。また、特開2004−276298号公報(特許文献1)、特開2004−276299号公報(特許文献2)、特開2005−96258号公報(特許文献3)、及び特開2005−116072号公報(特許文献4)には、少なくとも微粒子とポリビニルアルコールとホウ素化合物と媒染剤を含むプリンタブルレーベル層が提案されており、微粒子として気相法シリカ、擬ベーマイト及び酸化アルミニウムが好適である記載がなされている。また、特開2006−260748号公報(特許文献5)には、気相法アルミナ等の気相法無機粉末を含有した樹脂膜からなる多孔質層を有する光情報記録媒体が提案されている。
微粒子として気相法シリカを使用した場合、一次粒子の三次元網目構造を持つことより、分散安定性が低く塗液の高濃度化が困難となり、所望のインク吸収性を得るためには多量のプリンタブルレーベル層塗液を塗布する必要があり乾燥負荷が非常に大きくなる。特に本情報記録媒体では、長時間熱風にさらされていると基板がカールして変形し、情報記録時及び再生時に悪影響を及ぼす問題があったり、例えばCD−RやCD−RWの場合には有機色素の相変化を記録原理としているので、耐熱性が60℃程度という制約の中でプリンタブルレーベル層塗液を乾燥しなければならないため生産効率的にも問題であった。また、比較的低温での乾燥工程では、塗液が低濃度のためプリンタブルレーベル層の表面塗膜が送風等の影響により乱され、プリンタブルレーベル層の膜厚が不均一となり、結果として発色性や光沢性の悪化を引き起こしてしまう問題があった。更にはレーベルのプリンター印字時や実際のドライブ使用時にプリンタブルレーベル層の表面が傷つきやすい問題があった。
特開2004−276298号公報 特開2004−276299号公報 特開2005−96258号公報 特開2005−116072号公報 特開2006−260748号公報
本発明の課題は、少なくとも基板上に光情報記録材料とプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体の製造方法に関しており、詳しくは情報記録時及び再生時のエラーがなく、発色性、光沢性、乾燥性及び耐傷性に優れたプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体の製造方法を提供することにある。
本願の上記課題は、基板上に、光情報記録層、下塗り層及びプリンタブルレーベル層を少なくとも有する情報記録媒体の製造方法において、ホウ素化合物と最低造膜温度が40℃以上である水分散性樹脂を含有した下塗り層塗液を塗布した後に、主体として平均一次粒子が20nm以下の気相法シリカ、及びポリビニルアルコールを含有するプリンタブルレーベル層塗液を塗布してプリンタブルレーベル層を形成することを特徴とする情報記録媒体の製造方法によって解決された。
本発明によれば、情報記録時及び再生時のエラーがなく、発色性、光沢性、乾燥性及び耐傷性に優れたプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体の製造方法を提供することができる。
本発明の情報記録媒体の構成の一例を示した説明図である。
以下、図面を用いて本発明の情報記録媒体の構成の一例を示す。図1は本発明の情報記録媒体の構成の一例を示した説明図である。本発明の情報記録媒体は、基板10とこの基板10上にデータを記録する光情報記録層11、金属箔からなるレーザーを反射させる光反射層12、光反射層を保護するための保護層13、プリンタブルレーベル層16との接着性を高めたり画像の発色性や光沢を向上させるための下地層14及び下塗り層15、更に最外層にプリンタブルレーベル層16を積層形成された構造を有している。
記録及び再生時に照射されるレーザーは、プリンタブルレーベル層とは反対面の基板方向から入射される。また、インクジェット記録ヘッドを有するインクジェットプリンターによって、文字や画像がプリンタブルレーベル層上に記録される。この場合、レーザーは基板を通して光情報記録層の記録及び再生を行うため、通称、基板面入射タイプと呼ばれる。また、図示しないが基板の片側に光反射層12、光情報記録層11、保護層13の順に設け、該光情報記録層とは反対側の基板面に下地層14、下塗り層15、プリンタブルレーベル層16を有する構成としてもよい。この場合、保護層側からレーザーを照射するため、通称、膜面入射タイプと呼ばれる。以下、基板面入射タイプに関して詳細に説明するが、いずれのタイプの層構成でも、本発明の効果が損なわれることはない。
本発明のプリンタブルレーベル層は、基板上に設けられる下地層上に下塗り層塗液を塗布した後に、プリンタブルレーベル層塗液を塗布して形成される。先ず下塗り層塗液について説明する。下塗り層塗液はホウ素化合物と最低造膜温度が40℃以上である水分散性樹脂を含有する。
本発明のホウ素化合物とは、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことであり、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸塩等が挙げられる。具体的には、オルトホウ酸、メタホウ酸、次ホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸、八ホウ酸及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。中でもホウ酸(オルトホウ酸)が好ましく用いられる。本発明において用いられるホウ素化合物の好ましい添加量は、後述するプリンタブルレーベル層塗液中に含有されるポリビニルアルコール質量に対して0.5〜35固形分質量%である。
常温で高い濃度の下塗り層塗液を得るために、ホウ素化合物を溶解する際にアルカリ剤を添加しておくと常温で高い濃度のホウ素化合物の水溶液を得ることが可能となる。このようなアルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましく用いられる。本発明に使用される下塗り層塗布液中のアルカリ剤の好ましい添加量は、下塗り層中のホウ素化合物の質量に対して8固形分質量%以上であり、より好ましくは10〜50固形分質量%である。また、上記のホウ素化合物であるホウ砂をアルカリ剤として使用することもできる。アルカリ剤としてホウ砂を使用する場合、ホウ砂の好ましい添加量は下塗り層中のホウ砂を除くホウ素化合物に対して60固形分質量%以上であり、より好ましくは70〜400固形分質量%である。
本発明において下塗り層塗液は、耐水性、及びインク吸収性を向上させる目的でホウ素化合物以外の適当な硬膜剤を併用してもよい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号明細書、米国特許第2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム等があり、これらを一種または二種以上組み合わせて用いることができる。これら硬膜剤の添加量はプリンタブルレーベル層塗液中に含有されるバインダーの総質量に対して0.1〜25固形分質量%程度であり、好ましくは0.2〜15固形分質量%である。
本発明の下塗り層塗液は、下塗り層の均一性の観点からバインダーを必要とする。バインダーを含有しない場合は、ホウ素化合物の結晶が下地層上に形成されることになり、光沢感の低下を招くため好ましくない。上記下塗り層塗液のバインダーには、プリンタブルレーベル層が含有するポリビニルアルコールの架橋剤であるホウ素化合物を素早く供給する必要があることから下塗り層乾燥時には皮膜を形成しないことが重要である。このことから、下塗り層塗液のバインダーには最低造膜温度が40℃以上である水分散性樹脂が選ばれる。下塗り層のバインダーに最低造膜温度が40℃よりも低い水分散性樹脂を使用した場合、下塗り層を塗布し乾燥した時に皮膜が形成され、ついでプリンタブルレーベル層を塗布した場合に下塗り層に含有されているホウ素化合物がプリンタブルレーベル層に十分拡散しない。そのため、必要量以上のホウ素化合物を下塗り層に塗布しておく必要が生ずる。上述の如く、下塗り層のwet塗布量が多くなることは生産効率の低下を招くので好ましくない。
本発明に使用される、最低造膜温度が40℃以上の水分散性樹脂は種々のものを使用することができる。例えば、ポリウレタンエマルションやビニルモノマーを重合させたエマルションなどである。
適当なビニルモノマーとしては、例えば、アクリル酸及びそのエステル化合物(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル等)、α−置換アクリル酸及びそのエステル化合物(メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルメタクリレート等)、アクリルアミド及びその置換物(ブチルアクリルアミド、ヘキシルアクリルアミド等)、ビニルエステル(酢酸ビニル等)、ハロゲン化ビニル(塩化ビニル等)、ハロゲン化ビニリデン(塩化ビニリデン)、ビニルエーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルオクチルエーテル等)、スチレン、ジビニルベンゼン、エチレン、ブタジエン、アクリロニトリル等が挙げられる。また必要な機能に応じて、共重合体やコア−シェル型の水分散性樹脂を使用してもよく、少なくとも2つ以上の水分散性樹脂を合わせて使用してもよい。
上記水分散性樹脂の最低造膜温度は、乾燥温度の関係から40℃以上である必要がある。更に低温で乾燥させる場合には、水分散性樹脂の最低造膜温度が更に低いものを使用することができるかもしれないが、生産効率が著しく低下する。最低造膜温度は50℃以上好ましく、60℃以上がより好ましい。該水分散性樹脂の粒子径には特に制限はないが、高い光沢感を提供するため500nm以下であることが好ましい。本発明に使用される下塗り層塗布液中の水分散性樹脂の好ましい添加量は、下塗り層中のホウ素化合物の質量に対して100〜1500固形分質量%が好ましい。
本発明の下塗り層塗液には、上記水分散性樹脂の他に、ホウ素化合物のプリンタブルレーベル層への拡散を妨げない範囲で更に公知の水溶性樹脂バインダーを併用してもよい。例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉や各種変性澱粉、ゼラチンや各種変性ゼラチン、キトサン、カラギーナン、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等を必要に応じて併用することができる。これら水溶性樹脂バインダーは上記水分散性樹脂の固形分量に対して5質量%以下とすることが好ましい。
本発明のプリンタブルレーベル層塗液について説明する。プリンタブルレーベル層塗液は主体として平均一次粒子が20nm以下の気相法シリカ、及びポリビニルアルコールを含有する。ここで主体とは形成されたプリンタブルレーベル層の全固形分に対して気相法シリカが50質量%以上であり、更には60〜90質量%の範囲が好ましい。
本発明の気相法シリカは、乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明の気相法シリカの平均一次粒子径は20nm以下である。20nmを超えると発色性、インク滲み特性が低下する。より高い発色性と良好なインク滲み特性を得るため好ましい気相法シリカの平均一次粒子径は5〜15nmであり、BET法による比表面積が150m/g以上の気相法シリカを用いることが好ましい。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表わすのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
本発明の気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で、該気相法シリカの平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmに分散したものを使用することが好ましい。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、得られた記録材料のプリンタブルレーベル層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
上記気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーが好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、本発明においては塗液の経時安定性の観点よりカチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性、分散液粘度及び経時安定性の面で、これらのカチオン性ポリマーの分子量は2000〜10万程度が好ましく、特に2000〜3万程度が好ましい。カチオン性ポリマーの添加量は、シリカに対して1〜10固形分質量%の範囲が好ましい。
本発明のプリンタブルレーベル層塗液が含有するポリビニルアルコールは、特に制限はないが完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールが好ましく使用できる。その含有量は、インク吸収性の観点より、気相法シリカに対して好ましくは20〜50固形分質量%であり、更に好ましくは20〜40固形分質量%である。
カチオン変性ポリビニルアルコールとは、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも、ケン化度が80mol%以上の部分ケン化または完全ケン化したものが好ましい。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。プリンタブルレーベル層の塗布性やインク吸収性の観点から、平均重合度3000〜4000のポリビニルアルコールが好ましい。
本発明のプリンタブルレーベル層塗液には、発色性や耐水性を向上させるために、カチオン性定着剤を含有させることができる。本発明におけるカチオン定着剤としては、気相法シリカの分散に使用するカチオン性化合物として前述した各種カチオン性ポリマーや、各種多価金属類が使用できるが、中でも水溶性アルミニウム化合物や水溶性ジルコニウム化合物に代表される水溶性多価金属を用いることが好ましい。これらの化合物は、無機塩や有機酸の単塩及び複塩、金属錯体などのいずれであってもよい。
水溶性アルミニウム化合物は、例えば、無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られている。
これらの水溶性アルミニウム化合物の中でも、プリンタブルレーベル層を形成する塗布液に安定に添加できるものが好ましく、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましく用いられる。この化合物は、主成分が下記の式1、2または3で示され、例えば[Al(OH)153+、[Al(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al(OH)Cl6−n ・・式1
[Al(OH)AlCl ・・式2
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n ・・式3
これらのものは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学工業(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って市販されており、各種グレードのものが容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できる。
水溶性ジルコニウム化合物は、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化ジルコニウム八水和物、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム等が挙げられる。
これらの水溶性ジルコニウム化合物の中でもプリンタブルレーベル層を形成する塗布液に安定に添加でき、優れた滲み耐性を示す酢酸ジルコニウム(ジルコニル)化合物は特に好ましい。
これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20、ZA−30等、または日本軽金属(株)等からも市販されている。
上記水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物の合計の添加量は、気相法シリカに対して10固形分質量%以下が好ましく、0.5〜8固形分質量%がより好ましい。
本発明の情報記録媒体は、プリンタブルレーベル層の上にオーバーコート層があってもよい。オーバーコート層により、表面強度を更に向上させたり、画像の保存性を向上させたりすることができる。オーバーコート層は、インクを受容するか、あるいは速やかに透過させる性質を有する必要がある。オーバーコート層の層厚としては、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmが更に好ましい。
塗設方法は、下塗り層塗液、プリンタブルレーベル層塗液共に特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スクリーン印刷方式、スプレーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等を適宜使用することができるが、スクリーン印刷方式やスピンコート方式により形成することが好ましい。プリンタブルレーベル層塗液を塗布するタイミングは、下塗り層塗液を塗布した後のいかなる段階でもよいが、塗布時の欠陥をより減少させるという観点から、下塗り層を塗布・乾燥してからが好ましい。
本発明におけるプリンタブルレーベル層の乾燥塗布量は12〜28g/mであることが好ましく、より好ましくは12〜25g/mであり、更に14〜23g/mとすることが好ましい。乾燥塗布量が12g/m未満であるとプリンタブルレーベル層のインク吸収性の低下と印字後のインク滲み特性が悪化し、28g/mを超えると、情報記録及び再生時のエラーが発生しやすくなる場合がある。
本発明における下塗り層塗設時の乾燥温度は、25℃以上40℃未満であることが好ましい。40℃以上では下塗り層に皮膜が形成され、ついでプリンタブルレーベル層塗液を塗布した場合に下塗り層に含有されているホウ素化合物がプリンタブルレーベル層に十分拡散しにくくなる。25℃未満であると乾燥時間が長くなり生産効率が悪化するため好ましくない。プリンタブルレーベル層塗設時の乾燥温度は、好ましくは30〜60℃であり、更に40〜60℃であることが好ましい。プリンタブルレーベル層塗液塗設時には通常下塗り層塗液塗設時に比べwet塗布量が大幅に多く、そのため30℃未満であると乾燥時間が長くなり生産効率が悪化するため好ましくなく、60℃を超えると耐熱性の低い光情報記録層の品質が悪化し、情報記録時及び再生時のエラーが多発する場合がある。
本発明においては、プリンタブルレーベル層の下に、ISO白色度80%以上であり、且つ表面粗さRaが0.2μm以下である下地層を設けることが、写真印画紙のような高い発色性と光沢を得ることができるため好ましい。また更にISO白色度90%以上であり、表面粗さRaは0.15μm以下であることが好ましい。
本発明におけるISO白色度とは、ISO2470で規定される白色度であり、表面粗さRaとは、JIS−B0601:2001に規定されるRa(算術平均粗さ)である。Raは触針式表面粗さ計の測定値であり、基準長さが8mmで測定されたものである。Raを求める場合は、傷と見なされるような並外れた高い山や深い谷のない部分から基準長さを抜き取る。また、表面形状に方向性がある場合はRaが最も大きく現れる方向に測定する。
このような下地層の形成手法は公知のどのような方法を用いても問わないが、生産性の観点から、公知の放射線硬化樹脂をスクリーン印刷により形成することが好ましい。放射線硬化樹脂は、紫外線、電子ビーム、X線、γ線、赤外線等の電磁波によって硬化する樹脂であり、放射線としては、中でも、紫外線、電子ビームが好ましい。
放射線硬化樹脂をスクリーン印刷により形成させる場合、情報記録媒体の平滑性の観点より、印刷後の樹脂のレベリングのための時間が適宜必要である。
下地層の膜厚としては、0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜20μmが最も好ましい。
基板としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。具体的には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル、アルミニウム等の金属等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐薬品性、寸法安定性、光透過性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。また、基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。プリグルーブのピッチ、深さ(溝深さ)、及び半値幅は情報記録媒体の種類により任意に設定できる。
本発明の一例である基板面入射タイプの情報記録媒体においては、前述したように基板と下地層との間に光情報記録層、光反射層及び保護層が設けられる。本発明においては、光情報記録層と光反射層は情報記録媒体として必須であるが、保護層に関しては、保護層と下地層の双方の機能を有した下地層があれば、必ずしも設ける必要はない。
光情報記録層は、基板上に設けられ、レーザー光の照射によりデジタル情報が記録可能な材料により形成される。通常は、CD−RやDVD−Rに代表されるように有機色素からなる光情報記録層、またはCD−RWやDVD−RWに代表されるように無機物質からなる光情報記録層として形成される。
有機色素からなる光情報記録層は、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式薄膜形成法や、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の湿式薄膜形成法を用いて設けられる。中でも量産性、コスト等によりスピンコート法が特に好ましい。具体的な方法としては、記録物質である有機色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ついでこの塗布液をスピンコート法により基板のプリグルーブが形成された面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。スピンコート法を適用する際の温度は、生産性と色素の耐熱性の観点から25〜60℃が好ましく、更に30〜50℃が好ましい。
該有機色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられ、中でも、耐光性や耐久性に優れることからフタロシアニン色素が好ましい。また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−53758号公報、特開平11−334204号公報、特開平11−334205号公報、特開平11−334206号公報、特開平11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、及び特開2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
有機色素からなる光情報記録層塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−メトキシエチルアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には更にバインダー、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
該バインダーの例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。光情報記録層の材料としてバインダーを併用する場合に、バインダーの使用量は、一般に有機色素100部に対して0.01〜50固形分質量部の範囲にあり、好ましくは0.1〜5固形分質量部の範囲である。このようにして調製される塗布液中の有機色素の濃度は、一般に0.01〜10固形分質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5固形分質量%の範囲である。
光情報記録層には、該光情報記録層の耐光性を向上させるために、一重項酸素クエンチャーに代表される種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、有機色素の量に対して、通常0.1〜50固形分質量%の範囲であり、好ましくは0.5〜45固形分質量%の範囲、更に好ましくは3〜40固形分質量%の範囲である。
無機物質からなる光情報記録層は、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等を用いて形成される。中でも量産性、コスト等の観点よりスパッタリング法が特に好ましい。
該無機物質としては、結晶状態と非晶状態の少なくとも2つの状態をとり得る少なくともAg、Al、Te、Sbからなる相変化型の光記録材料が好ましい。なお、該光情報記録層上には、必要に応じて、公知の誘電体層が形成される。
本発明における光情報記録層は単層でも重層でもよく、その層厚は光情報記録層の種類によって異なるが一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲であり、より好ましくは50〜100nmの範囲である。
光反射層12は、光情報記録層11上に設けられ、通常基板10側から照射されるレーザー光を基板側へ反射させるために設ける。光情報記録層形成後、該光情報記録層上に光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングして光反射層を形成する。光反射層の形成に際しては、通常マスクが使用され、これによって光反射層の形成領域を調節することができる。
該光反射層には、レーザー光に対する反射率が十分高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものはCr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。コストと反射率の観点より、特に好ましくはAu、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくはAu、Agあるいはこれらの合金である。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
保護層13は、光反射層12上に、キャスト法、スピンコート法、スクリーン印刷法等により形成されるが、特にスピンコート法を適用することで、光情報記録層にダメージ(色素の溶解、色素と保護層材料との化学反応等)を与えることなく保護層を形成することができる。なお、保護層に放射線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)を使用した場合は、保護層を形成した後、該保護層上から紫外線照射ランプ(メタルハライドランプ)により紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させる。また、形成する保護層の厚みムラを無くすため、樹脂を硬化させる前に一定時間放置する等の処理を適宜行ってもよい。
保護層は、水分の侵入や傷の発生を防止する。保護層を構成する材料としては、放射線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等であることが好ましく、中でも放射線硬化樹脂であることが好ましい。該放射線硬化樹脂としては、例えば、DIC(株)製の「SD−640」等の各種紫外線硬化樹脂を使用することができる。
保護層の厚さは、1〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
以上のようにして、基板上に光情報記録層、光反射層、保護層、下地層、及び下塗り層とプリンタブルレーベル層が順次設けられた積層体からなる情報記録媒体が作製される。
なお、本発明の情報記録媒体は、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチや、光情報記録層を構成する材料等を適宜設定することで、従来のDVD等よりトラックピッチが狭く、使用されるレーザー光より小さい波長のレーザー光で情報の記録再生を行うことが可能な情報媒体にも適用することができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲において各種の応用ができるものである。なお、表記中で「部」及び「%」とは白色度を除き、特に断らない限り固形分質量部及び固形分質量%である。
(実施例1)
−プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体の作製−
射出成形により、幅0.45μm、深さ155nmのプリグルーブを有した、厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製基板を作製した。この基板上に、含金属アゾ系色素のアルコール溶液をスピンコートで塗布・乾燥し、厚さ70nmの光情報記録層を形成した。続いてこの光情報記録層上に銀をスパッタリングして厚さ60nmの光反射層を形成した。続いて、この光反射層上に、紫外線硬化樹脂(商品名:SD318、DIC(株)製)をスピンコートで塗布し、高圧水銀灯を用い紫外線を照射させることで硬化し、厚さ5μmの保護層を形成した。その後、紫外線硬化インク(商品名:SSD F27、DIC(株)製)をスクリーン印刷で印刷し、20秒後、高圧水銀灯を用い紫外線を照射させることで硬化し、厚さ10μmの白色の下地層を形成した。以上の工程により、基板、光情報記録層、光反射層、保護層及び下地層からなるプリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1を作製した。本プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1のISO白色度は92%であり、表面粗さRaは0.12μmであった。
−プリンタブルレーベル層の形成−
<下塗り層塗液1の作製>
水酸化ナトリウム18gを水1000g中に撹拌しながら添加し、続いてホウ酸60gを撹拌しながら添加した。溶解確認後、第一工業製薬(株)製のポリウレタン水分散体、スーパーフレックス130(最低造膜温度55℃、固形分濃度約35%)1400gを添加後、更に撹拌し下塗り層塗液1を作製した。
<気相法シリカ分散液1の作製>
水にジメチルアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000、3部)と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、100部)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速20m/秒)を使用して分散し、これを圧力ホモジナイザーに、40MPaの条件で2回通過させて、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液1を得た。この気相法シリカ分散液1の分散粒子径を粒度分布計((株)堀場製作所製、LA−920)で測定した結果、140nmであった。
<プリンタブルレーベル層塗液1の作製>
上記気相法シリカ分散液1を用いてプリンタブルレーベル層塗液1を作製した。この時の塗布液の固形分濃度は16質量%にした。
<プリンタブルレーベル層塗液1>
気相法シリカ分散液1 103部
ポリビニルアルコール 21部
(クラレ(株)製、PVA235)
上記塗布液に対して5%となるようにエタノールを添加した
<実施例1情報記録媒体の作製>
下塗り層塗液1を固形分塗布量が3.86g/mとなるように上記プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1にロッドバー方式にて塗布し、30℃にて乾燥した。計算上、この時のホウ酸の塗布量は0.41g/mであった。ついで下塗り層塗液の乾燥面上に上記プリンタブルレーベル層塗液1の固形分塗布量が17g/mになるようにスピンコート方式にて塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、実施例1の情報記録媒体を作製した。
(実施例2)
実施例1の気相法シリカ(平均一次粒子径7nm)を気相法シリカ(平均一次粒子径12nm)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の情報記録媒体を作製した。
(実施例3)
実施例1の下塗り層塗液1の配合を下記下塗り層塗液2に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の情報記録媒体を作製した。
<下塗り層塗液2>
水 1000g
ホウ酸 30g
ホウ砂 30g
スーパーフレックス130 1400g
(実施例4)
実施例1の下塗り層塗液1の配合を下記下塗り層塗液3に変更した以外は実施例4の情報記録媒体を作製した。
<下塗り層塗液3>
水 1000g
ホウ酸 60g
水酸化ナトリウム 18g
スーパーフレックス870 1600g
(第一工業製薬(株)製、最低造膜温度70℃)
(比較例1)
上記気相法シリカ分散液1を用いて下記プリンタブルレーベル層塗布液2を作製した。この時の塗布液の固形分濃度は15.5%にした。
<プリンタブルレーベル層塗液2>
気相法シリカ分散液1 103部
ポリビニルアルコール 21部
(クラレ(株)製、PVA235)
ホウ酸 3部
上記塗布液に対して5質量%となるようにエタノールを添加した。上記プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体1に上記プリンタブルレーベル層塗液1の固形分塗布量が17.4g/mになるようにスピンコート方式にて塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、比較例1の情報記録媒体を作製した。
(比較例2)
比較例1のプリンタブルレーベル層塗液2の固形分濃度を15.5%から12%に変更した以外は比較例1と同様にして比較例2の情報記録媒体を作製した。
(比較例3)
実施例1の下塗り層塗液1の配合を下記下塗り層塗液4に変更し、下塗り層塗液4の固形分塗布量を0.8g/mとなるように塗布した以外は実施例1と同様にして比較例3の情報記録媒体を作製した。
<下塗り層塗液4>
水 1000g
ホウ酸 30g
ホウ砂 30g
(比較例4)
実施例1の下塗り層塗液1の配合を下記下塗り層塗液5に変更した以外は実施例1と同様にして比較例4の情報記録媒体を作製した。
<下塗り層塗液5>
水 1000g
ホウ酸 30g
ホウ砂 30g
スーパーフレックス860 1200g
(第一工業化学(株)製、最低造膜温度28℃)
固形分濃度 26.4%
(比較例5)
実施例1の気相法シリカ(平均一次粒子径7nm)を気相法シリカ(平均一次粒子径30nm)に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5の情報記録媒体を作製した。
得られた各々の情報記録媒体について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<記録・再生時エラー>
市販のCD−Rドライブを用いて、48倍速で音楽CDのコピー記録及び再生をa(23℃、50%RH)及びb(40℃、15%RH)の環境下で各々100枚行った。その時の記録時のエラーの発生状況及び再生時のエラー発生状況を以下の基準で評価した。
◎:a,bの環境下とも全くエラーは発生しなかった。
○:b環境下で1回のエラーが発生したが、a環境下ではエラーは全く発生せず、実使用上は問題なかった。
△:a環境下ではエラーは発生しなかったが、b環境下で少なくとも2回以上エラーが発生した。
×:a環境下で少なくとも1回以上エラーが発生した。
<発色性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4600)にて、プリンタブルレーベル層面に人物及び風景画像を印字し、同画像を用いて作製した銀塩写真と比較し、下記の基準で発色性を目視評価した。
◎:銀塩写真より高い発色性を有する。
○:銀塩写真並の発色性を有する。
△:銀塩写真と比較してやや発色性が劣る。
×:銀塩写真と比較して明らかに発色性が劣る。
<光沢性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面に人物及び風景画像を印字し、同画像を用いて作製した銀塩写真と比較し、下記の基準で光沢性を目視評価した。
◎:銀塩写真より高い光沢性を有する。
○:銀塩写真並の光沢性を有する。
△:銀塩写真と比較してやや光沢性が劣る。
×:銀塩写真と比較して明らかに光沢性が劣る。
<乾燥性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4600)にて、プリンタブルレーベル層面にレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で総合で評価した。
○:全く転写しない。
△:場所によっては転写し実使用困難。
×:大部分が転写し実使用不可。
<耐傷性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面にブラックのベタ印字を行い、印字後の印字面の傷の程度を下記基準で目視で評価した。
○:印字面の傷は確認できず耐傷性良好。
△:印字面の傷は一部確認できるがほぼ問題ないレベル。
×:印字面の傷が著しく悪く容易に確認できるレベル。
Figure 2010211855
表1の結果より、本発明の製造方法によって情報記録時及び再生時のエラーがなく、発色性、光沢性、乾燥性及び耐傷性に優れたプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体が得られることが判る。
10 基板
11 光情報記録層
12 光反射層
13 保護層
14 下地層
15 下塗り層
16 プリンタブルレーベル層

Claims (1)

  1. 基板上に、光情報記録層、下塗り層及びプリンタブルレーベル層を少なくとも有する情報記録媒体の製造方法において、ホウ素化合物と最低造膜温度が40℃以上である水分散性樹脂を含有した下塗り層塗液を塗布した後に、主体として平均一次粒子が20nm以下の気相法シリカ、及びポリビニルアルコールを含有するプリンタブルレーベル層塗液を塗布してプリンタブルレーベル層を形成することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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