JP2009193610A - 情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】情報記録時及び再生時のエラーの発生がなく、インク吸収性、発色性、印字後の高湿滲み特性、塗層の耐傷性及び耐水性に優れた情報記録媒体を提供する。
【解決手段】基板上に、少なくとも光情報記録層、下地層及びプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体であり、プリンタブルレーベル層が、平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子と、(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする情報記録媒体。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板上に少なくとも光情報記録層、下地層とプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体に関しており、詳しくは情報記録時及び再生時のエラーの発生がなく、インク吸収性、発色性、印字後の高湿滲み特性、塗層の耐傷性及び耐水性に優れた情報記録媒体に関する。
現在、市場にて広く受け入れられている、光学的に情報を記録、読み込みが可能な光情報記録層を有する情報記録媒体としては、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)がある。CD、DVDとも読み出し専用のCD−ROM、DVD−ROM、1回限りの情報記録が可能な追記型のCD−R、DVD−R、DVD+R、何回でも情報記録の書き換えが可能な書き換え可能型のCD−RW、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMがある。
これらの情報記録媒体は、分類や保管を容易にするため、もしくはデータ内容を容易に確認できるようにするために、記録されたデータの内容をケース内のインデックスに記載されているが、同時にスクリーン印刷等の印刷方式により、ディスクそのものにレーベル印刷されている。
しかしながら、このように既存の印刷方式によるレーベル印刷では、大量生産では問題ないが、少量生産では、印刷用刷版の作製が必要となるためコストアップになったり、印刷デザインの変更の場合に、その都度、刷版を交換し色合わせを行う必要がある等、作業性も悪化する問題があった。
このような問題に対し、情報記録層に光によって記録・読み込みがなされる面の反対面にインクジェットプリンターや昇華型熱転写プリンターで印字可能となるようにプリンタブルレーベル層を塗設した情報記録媒体が開発され市販されている。インクジェットプリンター用としては、このような印字可能な情報記録媒体の他に、特開平5−182411号公報にあるように、ラベルに印字した後、情報記録媒体に貼り付ける方式に関しても開示されているが、ラベルの位置合わせ等が非常に煩雑である。昨今、情報記録媒体に直接印字できる安価な機種が数多く発売されており、作成が非常に簡便であることから、業務用だけでなく家庭用にもこのようなインクジェット印字可能な情報記録媒体は広く普及しつつある。
このようなインクジェット印字可能な情報記録媒体のプリンタブルレーベル層としては、例えば特開2004−234764号公報、特開2004−30716号公報、特開2004−30769号公報、特開2004−503610号公報、特開2001−6225号公報、特開平8−279179号公報、特開平9−245380号公報等の様に主成分として紫外線硬化型樹脂や、紫外線硬化型樹脂とインク膨潤性樹脂を併用した混合処方が使用されている。しかしながら、これらプリンタブルレーベル層は、主にインク膨潤性樹脂の膨潤を利用してインク吸収させている(以下、膨潤タイプという)ため、近年の微細空隙の毛細管現象でインク吸収させている(以下、空隙タイプという)写真印字対応のインクジェット用記録材料と比較して、印字後指で印字部を触った場合に画像や指が汚れてしまったり、インデックスとともにケースに保管した場合にインデックスに貼り付いて使用不可能になったり、また、業務用としての複製システムでは、数十枚から数百枚を連続して印字する場合があり、印字後トレイに重ねられた時にメディア同士がブロッキングしたりする、所謂インクの乾燥性が不十分であった。また、これらの問題を回避するため、例えば特開2004−30716号公報(特許文献1)、特開2007−250025号公報(特許文献2)に例示されているように顔料粒子を多く使用した場合には、基板との接着性が悪化したり、発色性や光沢性が低下したりする等の問題点があった。
一方、このような紫外線硬化型樹脂からなるプリンタブルレーベル層の問題点を回避するため、例えば特開2005−44478号公報には、ポリビニルアルコールやポリビニルアセタールなどの親水性樹脂を主成分とし、インク定着剤としてカチオン性ポリマーを混合したプリンタブルレーベル層が提案されているが、膨潤タイプのため乾燥性が不十分であった。また、特開2004−276298号公報、特開2005−96258号公報、及び特開2005−116072号公報には、少なくとも微粒子とポリビニルアルコールとホウ素化合物と媒染剤を含むプリンタブルレーベル層が提案されており、微粒子として気相法シリカ、擬ベーマイト及び酸化アルミニウムが好適である記載がなされている。また、特開2006−260748号公報には、気相法アルミナ等の気相法無機粉末を含有した樹脂膜からなる多孔質層を有する光情報記録媒体が、特開2007−76007号公報(特許文献3)では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕された湿式法シリカ、及びポリビニルアルコールを含有するプリンタブルレーベル層が各々提案されている。しかしながら、これらのプリンタブルレーベル層は、特に湿度によるカール特性の変動が大きいため、情報記録時及び再生時に悪影響を及ぼし読み取りエラーを発生することがあった。また、プリンタブルレーベル層の印字後の滲み特性、耐水性や耐傷性をも満足するものではなかった。
特開2004−30716号公報 特開2007−250025号公報 特開2007−76007号公報
従って本発明の課題は、情報記録時及び再生時のエラーの発生がなく、インク吸収性、発色性、印字後の高湿滲み特性、塗層の耐傷性及び耐水性に優れた情報記録媒体を提供することである。
本願の上記課題は以下の手段で解決された。
1.基板上に、少なくとも光情報記録層、下地層及びプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体であり、プリンタブルレーベル層が、平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子と、(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする情報記録媒体。
2.前記プリンタブルレーベル層が、紫外線照射によって硬化されてなる前記1に記載の情報記録媒体。
3.前記無機微粒子と前記(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールの質量比が、75:25〜65:35である前記1または2に記載の情報記録媒体。
4.前記無機微粒子が、気相法シリカである前記1、2または3に記載の情報記録媒体。
本発明によって、情報記録時及び再生時のエラーの発生がなく、インク吸収性、発色性、印字後の高湿滲み特性、塗層の耐傷性及び耐水性に優れた情報記録媒体を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の情報記録媒体の構成の一例を示す。図1は本発明の情報記録媒体の構成の一例を示した説明図である。本発明の情報記録媒体は、基板10とこの基板上にデータを記録する光情報記録層11、金属箔からなるレーザーを反射させる光反射層12、光反射層を保護するための保護層13、プリンタブルレーベル層との接着性を高めたり画像の発色性や光沢を向上させるための下地層14、更に最外層にプリンタブルレーベル層15を積層形成された構造を有している。
記録及び再生時に照射されるレーザーは、プリンタブルレーベル層とは反対面の基板方向から入射される。また、インクジェット記録ヘッドを有するインクジェットプリンターによって、文字や画像がプリンタブルレーベル層上に記録される。この場合、レーザーは基板を通して光情報記録層11の記録及び再生を行うため、通称、基板面入射タイプと呼ばれる。また、基板の片側に光反射層、光情報記録層、保護層の順に設け、光情報記録層とは反対側の基板面に下地層、プリンタブルレーベル層を有する構成としてもよい。この場合、保護層側からレーザーを照射するため、通称、膜面入射タイプと呼ばれる。以下、基板面入射タイプに関して詳細に説明するが、いずれのタイプの層構成でも、本発明の効果が損なわれることはない。
本発明のプリンタブルレーベル層は、平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子と、(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールを含有する。このようなプリンタブルレーベル層を有することによって、インク吸収性、発色性、塗層の強度及び耐水性に優れた情報記録媒体が得られる。また、プリンタブルレーベル層の温度・湿度の変動による収縮が抑制されていることによって、基材の反りに起因する情報記録時及び再生時のエラーのない情報記録媒体が得られる。
本発明のプリンタブルレーベル層に含有される、平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナ水和物等が挙げられる。これらの中でも、高いインク吸収性が得られることから非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましく、更に非晶質合成シリカが好ましい。非晶質合成シリカの中でも高い透明性と発色性が得られることから、特に気相法シリカが好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカに大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明において、プリンタブルレーベル層に含有させる無機微粒子として湿式法シリカを用いる場合、平均一次粒子径は50nm以下、好ましくは3〜40nmの湿式法シリカが好ましく、更に湿式法シリカが沈降法シリカであることが特に好ましい。本発明における湿式法シリカの吸油量は、120〜210ml/100gの範囲が好ましく、更に160〜210ml/100gの範囲が特に好ましい。吸油量は、JIS K−5101の記載に基づき測定される。
また、本発明において、湿式法シリカを用いる場合、平均二次粒子径が500nm以下、好ましくは400nm以下の湿式法シリカがプリンタブルレーベル層に含有される。通常の方法で製造された湿式法シリカは、1μm以上の平均二次粒子径を有するため、これを微粉砕して使用する。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルの使用が好ましい。
本発明において、湿式法シリカの粉砕は、カチオン性化合物の存在下で行うことが好ましい。水中に分散されたシリカにカチオン性化合物を添加すると凝集物が発生することが多いが、これを粉砕処理することによって、水のみに分散するよりも高濃度分散が可能となり、その結果分散効率が上昇し、より微粒子に粉砕することができる。更に、高濃度分散液を使用することによって、塗布液調製時に塗布液の高濃度化が可能になり、生産効率が向上する等の利点がある。特にこの際に平均二次粒子径が5μm以上の湿式法シリカを使用すると、初期の凝集物発生による粘度上昇が抑制され、より高濃度での分散が可能となるため、更に有利である。粉砕前の平均二次粒子径の上限は特にないが、通常湿式法シリカの平均二次粒子径は200μm以下である。
以下に平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子を得る方法の例を挙げる。まず水中にシリカ及びカチオン性ポリマー及び/または水溶性金属化合物の少なくとも1種を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得ることが好ましい。必要であれば更に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物の量は、シリカに対して0.5〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。この範囲にすることによって、シリカ予備分散液の粘度が高くなりすぎず、固形分濃度を高くすることができる。本発明のシリカ予備分散物の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
上記の方法で得られたシリカ予備分散物をビーズミルで粉砕処理する。ビーズミルとは、内部に撹拌装置を有する容器中にビーズを内填し、容器中に液状物を入れて撹拌装置を回転させてビーズ同士を衝突させることで液状物にせん断力を与えて処理する装置である。ビーズの粒径は0.1〜10mmが一般的であるが、好ましくは0.2〜1mm、より好ましくは0.3〜0.6mmである。ビーズにはガラスビーズ、セラミックスビーズ、金属ビーズ等があるが、耐摩耗性及び分散効率からはジルコニアビーズが好ましい。また、容器中のビーズの添加充填率は一般的には40〜80容量%であり、好ましくは55〜80容量%である。上記分散条件によって、シリカ分散物を効率良く、粗粒残存や凝集物発生もなく、平均二次粒子径を500nm以下に粉砕することが可能である。予備分散物を連続で処理する場合、通し回数が1回で粗粒が残りやすい場合には、2回以上処理する方が好ましい。粗粒ができない範囲で濃度が高い方が、塗布液の高濃度化が可能になり好ましい。シリカ分散物の固形分濃度の好ましい範囲としては20〜60質量%、より好ましくは30〜50質量%である。市販のビーズミルとしては浅田鉄工(株)製のナノミル、アイメックス(株)製のウルトラビスコミル、及び(株)マツボー製のアミュラー型OBミル、(株)シンマルエンタープライゼス製のダイノミル等が挙げられる。
本発明において、プリンタブルレーベル層が特に透明であることを求められる場合には、プリンタブルレーベル層に含有させる無機微粒子として気相法シリカを使用するのが好ましく、その結果、高い発色性を得ることができる。気相法シリカを用いる場合、その平均一次粒子径は5〜50nm、好ましくは5〜20nmであり、かつ高い吸収性を得るためにBET法による比表面積が90〜400m2/gのものを用いるのが好ましい。BET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の1つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在して適度な空隙を形成することにあり、透明性とインク吸収性を両立するために、本発明では500nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下の平均二次粒子径の気相法シリカがプリンタブルレーベル層に含有される。平均二次粒子径が500nm以下の気相法シリカは、例えば、超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕、分散させることにより得ることができる。
本発明において、気相法シリカはカチオン化した状態で用いられるのが好ましい。カチオン化された気相法シリカは、カチオン性ポリマーもしくは水溶性金属化合物の存在下で水を主体とする分散媒中で気相法シリカを分散して得られる。このとき、ポリビニルアルコールのような親水性バインダーやホウ酸等の架橋剤(硬膜剤)は含まない状態で分散するのが好ましい。
カチオン化された気相法シリカとしては、特開平11−321079号公報、特開2000−239536号公報、特開2001−19421号公報、特開2001−80204号公報、特開2001−207078号公報等にカチオン性ポリマーの存在下で気相法シリカを分散する方法が記載されており、いずれも本発明に採用することができる。
なお、本発明でいう平均一次及び二次粒子径は電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察する公知の方法に基づくものである。一次粒子の平均粒子径は、分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の粒径として求めることができる。また、二次粒子の平均粒子径は緩いせん断力で分散した粒子を電子顕微鏡で観察して求めることができる。
湿式法及び気相法シリカの粉砕または分散に用いられるカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーまたは水溶性金属化合物を使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。これらのカチオンポリマーの分子量は、2000〜10万程度が好ましく、特に2000〜3万程度が好ましい。分子量が10万よりも大きくなると、分散液が高粘度となりすぎるため好ましくない。
水溶性金属化合物としては、例えば水溶性の多価金属塩が挙げられ、中でもアルミニウムもしくは周期律表4A族金属(例えばジルコニウム、チタン)からなる化合物が好ましい。特に好ましくは水溶性アルミニウム化合物である。水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。更に、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が知られており、好ましく用いられる。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の一般式1、2、または3で示され、例えば[Al6(OH)153+、[Al8(OH)204+、[Al13(OH)345+、[Al21(OH)603+等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
[Al2(OH)nCl6-nm 一般式1
[Al(OH)3nAlCl3 一般式2
Aln(OH)mCl(3n-m) 0<m<3n 一般式3
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードのものが容易に入手できる。
本発明に用いられる周期表4A族元素を含む水溶性金属化合物としては、チタンまたはジルコニウムを含む水溶性金属化合物がより好ましい。チタンを含む水溶性金属化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。ジルコニウムを含む水溶性金属化合物としては、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。本発明において、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
本発明において、プリンタブルレーベル層に含有させる無機微粒子としてアルミナを用いる場合、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶とγグループ結晶が好ましい。特に気相法により製造される気相法アルミナが好ましい。気相法アルミナは日本アエロジル(株)よりAEROXIDEタイプとして入手することができる。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、本発明では、数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕したものが使用される。
本発明で用いられるアルミナ水和物はAl23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表され、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ギ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明において、プリンタブルレーベル層に含有される平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子は各々単独で用いてもよいが、任意の比率で混合して使用することもできる。
本発明において、プリンタブルレーベル層のバインダーとして、(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールが使用される。(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールは、紫外線等の電離放射線を照射することによって架橋・硬膜し、強固な皮膜を形成する。これによって、透明性が高く発色性、印字画像の高湿滲み特性が良好で、塗層の耐傷性及び耐水性に優れたプリンタブルレーベル層を得ることができる。更には乾燥収縮率や温度・湿度変動による塗層の収縮変動が少ないために情報記録媒体のカール変動、変形を抑制でき、情報記録時及び再生時にエラーを発生しにくいといった優れた効果が得られる。
(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールは、例えば、米国特許5373034号明細書、独国公開特許3322993号明細書、特開2007−63383号公報に記載されている方法で得ることができる。特に前記特開2007−63383号公報に記載されている製造方法によって、効率良く不純物の少ない(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールを得ることができるので好ましい。なお、本発明で記載している(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールとは、アクリレート変性ポリビニルアルコールとメタアクリレート変性ポリビニルアルコールを総括して示したものである。
本発明において、プリンタブルレーベル層に含有される無機微粒子と(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールの質量比は85:15〜55:45であり、好ましくは75:25〜65:35である。無機微粒子の含有比率が高いと情報記録及び再生時のエラーが発生しやすくなったり、塗層の耐傷性が悪化する場合があり、逆に(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールの含有比率が高いとインク吸収性と印字後のインク滲み特性が低下する場合がある。
本発明において、プリンタブルレーベル層の硬化は、光重合開始剤をプリンタブルレーベル層に含有させた上で、紫外線を照射させて行う。光重合開始剤としてはジ及びトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物、各種銀塩等があり、光重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールに対して、固形分で通常0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。また、光重合開始剤にハイドロキノンのような貯蔵安定剤が使用される場合もある。
本発明のプリンタブルレーベル層には、本発明の効果を阻害しない範囲で他のバインダー成分を含有してもよい。例えば、ポリマーラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアクリル酸エステル系ラテックス、ポリメタクリル酸エステル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス等が挙げられる。また、水溶性樹脂として、ポリビニルアルコール系化合物、ポリエチレングリコール系化合物、澱粉類、デキストリン、カルボキシメチルセルロース等やそれらの誘導体等を使用することができる。
中でも、平均粒径100nm以下でガラス転移温度Tgが40℃以下のポリマーラテックスの1種以上を含有することが好ましい。これらを含有することにより、プリンタブルレーベル層の発色性、光沢及びインク吸収性を維持しつつ、プリンタブルレーベル層の乾燥収縮率や温度・湿度変動による塗層の収縮変動を更に抑えることができ、情報記録時及び再生時のエラー率を低減させる効果が得られる。
ポリビニルアルコールの中では、ケン化度が80モル%以上の部分ケン化または完全ケン化したものが好ましい。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。プリンタブルレーベル層の塗布性やインク吸収性の観点から、平均重合度3000〜4000のポリビニルアルコールがより好ましい。
上記バインダー成分の含有量は、プリンタブルレーベル層の全固形分のうち、固形分で0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%の範囲である。
本発明のプリンタブルレーベル層には、インクジェット記録による形成画像の発色性、高湿滲み特性や耐水性を向上させるために、カチオン性定着剤を含有させることができる。本発明におけるカチオン定着剤としては、非晶質合成シリカの分散・粉砕に使用するカチオン性化合物として前述した各種カチオン性ポリマーや、水溶性金属化合物が使用できるが、中でも水溶性アルミニウム化合物や水溶性ジルコニウム化合物に代表される水溶性多価金属を用いることが好ましい。これらの化合物は、無機塩や有機酸の単塩及び複塩、金属錯体などのいずれであってもよい。
水溶性アルミニウム化合物は、前述の湿式法シリカや気相法シリカの粉砕または分散に用いられる水溶性アルミニウム化合物と同義である。
また、水溶性ジルコニウム化合物に関しても、前述の湿式法シリカや気相法シリカの粉砕または分散に用いられる水溶性ジルコニウム化合物と同義である。
水溶性ジルコニウム化合物の中でもプリンタブルレーベル層を形成する塗布液に安定に添加でき、優れた滲み耐性を示す酢酸ジルコニウム(ジルコニル)化合物は特に好ましい。これらのものは、第一稀元素化学工業(株)からジルコゾールZA−20、ZA−30として、また日本軽金属(株)からも同様のものが市販されている。
上記水溶性アルミニウム化合物及び水溶性ジルコニウム化合物の合計の添加量は、平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子に対して固形分で10質量%以下が好ましく、0.5〜8質量%がより好ましい。
また、乾燥収縮率や温度・湿度変動による塗層の収縮変動を更に抑えるために、本発明のプリンタブルレーベル層には、炭素数3〜5のアルカンジオールの1種以上を含有してもよい。炭素数3〜5のアルカンジオールは常温では液体であり、吸湿性が高く、揮発性が低く、水溶性である。該化合物は、発色性の低下やひび割れを起こさずに、温度・湿度変動による塗層の収縮変動を抑えることで基板のカール変動を抑えることができ、情報記録媒体の安定した情報記録及び再生性能が得られる。
炭素数3〜5のアルカンジオールとしては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールがあり、それらの異性体はいずれも含まれる。また、3−メチル−1,3−ブタンジオール等のような分岐のブタンジオールも含まれる。これらの中でも、炭素数が3〜4のプロパンジオールやブタンジオールが好ましく、特にプロパンジオールが好ましい。プロパンジオールとしてはプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)とトリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)があり、特にプロピレングリコールが好ましい。該化合物の添加量は、プリンタブルレーベル層の全固形分に対して固形分で0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。上記範囲であることによって、塗層の収縮変動を抑える効果と、インク吸収性、塗層の耐水性を満足することができる。
本発明のプリンタブルレーベル層は、インク吸収性と塗層強度を損なわない範囲で必要に応じ、公知の各種無機顔料や、有機顔料、分散剤、画像保存剤、消泡剤、可塑剤、架橋剤、着色剤、その他の添加剤を含有していてもよい。
本発明のプリンタブルレーベル層の塗設方法は、特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコート方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式、スクリーン印刷方式等を適宜使用することができるが、高い生産性が得られることからスクリーン印刷方式もしくはスピンコート方式によって形成されることが好ましい。なお、プリンタブルレーベル層を形成させる場合、情報記録媒体の平滑性を高めるため、印刷後の樹脂をレベリングさせるための時間が適宜必要である。
プリンタブルレーベル層を塗設した後に、該プリンタブルレーベル層上から紫外線照射ランプにより紫外線を照射して、プリンタブルレーベル層を硬化させる。
紫外線照射装置としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等があり、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもある。一般に出力30W/cm以上のランプを複数本平行して使用する。
本発明において、プリンタブルレーベル層を紫外線硬化後、残留した水や溶剤等の溶媒を自然乾燥、温風乾燥、赤外・遠赤外乾燥、高周波乾燥、オーブン乾燥等の手段によって蒸発させることが好ましい。その際の乾燥温度は、好ましくは60℃以下であり、更に好ましくは50℃以下である。60℃を超えると耐熱性の低い光情報記録層の品質が悪化し、情報記録時及び再生時のエラーが多発するため好ましくない。
また、電子線の照射によってもプリンタブルレーベル層を硬化することもできる。その場合、電子線照射は、透過力、硬化力の面から加速電圧が100〜1000kVであり、より好ましくは100〜300kVの電子線加速器を用い、ワンパスの吸収線量が0.5〜20Mradになるようにすることが好ましい。加速電圧、あるいは電子線照射量がこの範囲より低いと、電子線の透過力が低すぎて十分な硬化が行われず、またこの範囲より大きすぎると、エネルギー効率が悪化するばかりでなく、樹脂、添加剤の分解、記録材料の強度低下など品質上好ましくない影響が現れる。電子線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等のいずれでもよい。なお、電子線照射に際しては、酸素濃度が高いと電子線硬化樹脂の硬化が妨げられるため、窒素、ヘリウム、二酸化炭素等の不活性ガスによる置換を行い、酸素濃度を600ppm以下、好ましくは400ppm以下に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。
本発明におけるプリンタブルレーベル層の乾燥塗布量は12〜28g/m2であり、好ましくは17〜23g/m2である。乾燥塗布量が少ないとプリンタブルレーベル層のインク吸収性と印字後のインク滲み特性が低下する場合があり、逆に多いと情報記録及び再生時のエラーが発生しやすくなる場合がある。
本発明におけるプリンタブルレーベル層塗設時の乾燥水分量は180g/m2以下であることが好ましく、150g/m2以下であることが更に好ましい。このような範囲の乾燥水分量に調整することにより、情報記録時及び再生時のエラーがない情報記録媒体が得られる。なお、本発明における乾燥水分量とは、塗布し乾燥するプリンタブルレーベル層中の単位面積当たりの水分量のことである。
本発明の情報記録媒体は、プリンタブルレーベル層の上にオーバーコート層があってもよい。オーバーコート層により、表面強度を更に向上させたり、画像の保存性を向上させることができる。オーバーコート層は、インクを受容するか、あるいは速やかに透過させる性質を有する必要があり、空隙タイプの塗層が好適である。オーバーコート層の層厚としては、0.01〜1000μmが好ましく、0.1〜100μmが更に好ましい。
本発明においては、プリンタブルレーベル層15の下に、ISO白色度80%以上であり、かつ表面粗さRaが0.2μm以下である下地層14を設けることが、写真印画紙のような高い発色性と光沢を得ることができるため好ましい。ISO白色度90%以上であり、表面粗さRaは0.15μm以下であることが更に好ましい。
本発明におけるISO白色度とは、ISO2470で規定される白色度であり、表面粗さRaとは、JIS−B0601:2001に規定されるRa(算術平均粗さ)である。Raは触針式表面粗さ計の測定値であり、基準長さが8mmで測定されたものである。Raを求める場合は、傷と見なされるような並外れた高い山や深い谷のない部分から基準長さを抜き取る。また、表面形状に方向性がある場合はRaが最も大きく現れる方向に測定する。
このような下地層の形成手法は公知のどのような方法を用いても問わないが、生産性の観点から、公知の放射線硬化樹脂をスクリーン印刷により形成することが好ましい。放射線硬化樹脂は、紫外線、電子線、X線、γ線、赤外線等の電磁波によって硬化する樹脂であり、放射線としては、中でも、紫外線、電子線が好ましい。
放射線硬化樹脂をスクリーン印刷により形成させる場合、情報記録媒体の平滑性の観点より、印刷後の樹脂のレベリングのための時間が適宜必要である。
下地層の層厚としては、0.1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、3〜20μmが最も好ましい。
基板10としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。具体的には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリエステル、アルミニウム等の金属等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐薬品性、寸法安定性、光透過性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。また、基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プリグルーブ)が形成されている。プリグルーブのピッチ、深さ(溝深さ)、及び半値幅は情報記録媒体の種類により任意に設定できる。
本発明の一例である基板面入射タイプの情報記録媒体においては、前述したように基板と下地層との間に光情報記録層、光反射層及び保護層が設けられる。本発明においては、光情報記録層と光反射層は情報記録媒体として必須であるが、保護層に関しては、保護層と下地層の双方の機能を有した下地層があれば、必ずしも設ける必要はない。
光情報記録層11は、基板10上に設けられ、レーザー光の照射によりデジタル情報が記録可能な材料により形成される。通常は、CD−RやDVD−Rに代表されるように有機色素からなる光情報記録層、またはCD−RWやDVD−RWに代表されるように無機物質からなる光情報記録層として形成される。
有機色素からなる光情報記録層は、真空蒸着法、スパッタリング法等の乾式薄膜形成法や、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等の湿式薄膜形成法を用いて設けられる。中でも量産性、コスト等の観点によりスピンコート法が特に好ましい。具体的な方法としては、記録物質である有機色素を、バインダー等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液をスピンコート法により基板のプリグルーブが形成された面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。スピンコート法を適用する際の温度は、生産性と色素の耐熱性の観点から25〜60℃が好ましく、更に30〜50℃が好ましい。
該有機色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられ、中でも、耐光性や耐久性に優れることからフタロシアニン色素が好ましい。また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−53758号公報、特開平11−334204号公報、特開平11−334205号公報、特開平11−334206号公報、特開平11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、及び特開2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
有機色素からなる光情報記録層塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、2−メトキシエチルアセテート、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、メチルシクロヘキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組合せて使用することができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
該バインダーの例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。光情報記録層の材料としてバインダーを併用する場合に、バインダーの使用量は、一般に有機色素に対して固形分で0.01〜50質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。このようにして調製される塗布液中の有機色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。
光情報記録層には、該光情報記録層の耐光性を向上させるために、一重項酸素クエンチャーに代表される種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、有機色素の量に対して固形分で通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは3〜40質量%の範囲である。
無機物質からなる光情報記録層は、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等を用いて形成される。中でも量産性、コスト等の観点よりスパッタリング法が特に好ましい。
該無機物質としては、結晶状態と非晶状態の少なくとも2つの状態をとり得る少なくともAg、Al、Te、Sbからなる相変化型の光記録材料が好ましい。なお、該光情報記録層上には、必要に応じて公知の誘電体層が形成される。
本発明における光情報記録層は単層でも重層でもよく、その層厚は光情報記録層の種類によって異なるが一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲であり、より好ましくは50〜100nmの範囲である。
光反射層12は、光情報記録層11上に設けられ、通常基板10側から照射されるレーザー光を基板側へ反射させるために設ける。光情報記録層形成後、該光情報記録層上に光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングして光反射層を形成する。光反射層の形成に際しては、通常マスクが使用され、これによって光反射層の形成領域を調節することができる。
該光反射層には、レーザー光に対する反射率が十分高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は70%以上であることが好ましい。反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。コストと反射率の観点より、特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
保護層13は、光反射層12上に、キャスト法、スピンコート法、スクリーン印刷法等により形成されるが、特にスピンコート法を適用することで、光情報記録層にダメージ(色素の溶解、色素と保護層材料との化学反応等)を与えることなく保護層を形成することができる。なお、保護層に放射線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)を使用した場合は、保護層を形成した後、該保護層上から紫外線照射ランプ(メタルハライドランプ)により紫外線を照射して、紫外線硬化樹脂を硬化させる。また、形成する保護層の厚みムラを無くすため、樹脂を硬化させる前に一定時間放置する等の処理を適宜行ってもよい。
保護層は、水分の侵入や傷の発生を防止する。保護層を構成する材料としては、放射線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等であることが好ましく、中でも放射線硬化樹脂であることが好ましい。該放射線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製SD−640等の各種紫外線硬化樹脂を使用することができる。
保護層の層厚は1〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
以上のようにして、基板上に光情報記録層、光反射層、保護層、下地層、及びプリンタブルレーベル層が順次設けられた積層体からなる情報記録媒体が作製される。
なお、本発明の情報記録媒体は、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチや、光情報記録層を構成する材料等を適宜設定することで、従来のDVD等よりトラックピッチが狭く、使用されるレーザー光より小さい波長のレーザー光で情報の記録再生を行うことが可能な情報媒体にも適用することができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されず、特許請求の範囲において各種の応用ができるものである。なお、表記中で「部」及び「%」とは特に断らない限り固形分質量基準である。
−プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体の作製−
射出成形により、幅0.45μm、深さ155nmのプリグルーブを有した、厚さ1.2mmのポリカーボネート樹脂製基板を作製した。この基板上に、含金属アゾ系色素のアルコール溶液をスピンコートで塗布・乾燥し、厚さ70nmの光情報記録層を形成した。続いてこの光情報記録層上に銀をスパッタリングして厚さ60nm光反射層を形成した。続いてこの光反射層上に、紫外線硬化樹脂(商品名:SD318、大日本インキ化学工業(株)製)をスピンコートで塗布し、高圧水銀灯を用い紫外線を照射させることで硬化し、厚さ5μmの保護層を形成した。その後、紫外線硬化インク(商品名:SSD F27、大日本インキ化学工業(株)製)をスクリーン印刷で印刷し、20秒後、高圧水銀灯を用い紫外線を照射させることで硬化し、厚さ10μmの白色の下地層を形成した。以上の工程により、基板、光情報記録層、光反射層、保護層及び下地層からなるプリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体を作製した。本プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体のISO白色度は92%であり、表面粗さRaは0.12μmであった。
<プリンタブルレーベル層の塗設>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径12nm)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を調製した。次に得られた予備分散液を高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液を作製した。気相法シリカの平均二次粒子径は電子顕微鏡観察により求めたところ130nmであった。
この分散液に含有される気相法シリカ70部に対し、アクリレート変性ポリビニルアルコール30部、酢酸ジルコニウム(第一稀元素化学工業(株)製ジルコゾールZA−20)2部、光重合開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)0.5部を順次添加し、最後に16質量%の濃度になるように水を加え、プリンタブルレーベル層塗布液とした。平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子とアクリレート変性ポリビニルアルコールとの質量比は70:30である。なお、アクリレート変性ポリビニルアルコールは、前記特開2007−63383号公報の実施例2に記載されている方法により、ポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度98.5モル%)とアクリル酸メチルを反応させることによって得られたアクリロイル基への変性率が4.6モル%のものを作製して使用した。
前記プリンタブルレーベル層塗布液を乾燥塗布量が20g/m2になるように、上記プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体にスクリーン印刷方式により塗布し、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させた後、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、実施例1の情報記録媒体を作製した。
実施例1のプリンタブルレーベル層配合の気相法シリカとアクリレート変性ポリビニルアルコールとの質量比を80:20に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の情報記録媒体を作製した。
実施例1のプリンタブルレーベル層配合の気相法シリカとアクリレート変性ポリビニルアルコールとの質量比を60:40に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の情報記録媒体を作製した。
実施例1のプリンタブルレーベル層の乾燥塗布量を14g/m2にした以外は実施例1と同様にして実施例4の情報記録媒体を作製した。
実施例1のプリンタブルレーベル層の乾燥塗布量を26g/m2にした以外は実施例1と同様にして実施例5の情報記録媒体を作製した。
実施例1のプリンタブルレーベル層のアクリレート変性ポリビニルアルコールを、メタアクリレート変性ポリビニルアルコールに変更した以外は実施例1と同様にして実施例6の情報記録媒体を得た。メタアクリレート変性ポリビニルアルコールは、前記特開2007−63383号公報に記載されている方法に準拠して、ポリビニルアルコール(重合度500、ケン化度98.5モル%)とメタクリル酸メチルを反応させることによって得られたメタクリロイル基への変性率が4.0モル%のものを作製して使用した。
水に硝酸(2部)と酸化アルミニウム(気相法アルミナ、平均一次粒子径10nm、比表面積130m2/g)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して、固形分濃度30%の酸化アルミニウム分散液を調整した。酸化アルミニウムの平均二次粒子径は160nmであった。
この分散液に含有される酸化アルミニウム70部に対し、実施例1で用いたアクリレート変性ポリビニルアルコール30部、酢酸ジルコニウム(第一稀元素化学工業(株)製ジルコゾールZA−20)2部、光重合開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)1部を順次添加し、最後に20質量%の濃度になるように水を加え、プリンタブルレーベル層塗布液とした。酸化アルミニウムとアクリレート変性ポリビニルアルコールとの質量比は70:30である。プリンタブルレーベル層塗布液を乾燥塗布量が20g/m2になるように、実施例1と同様にして塗布、紫外線硬化、乾燥して、実施例7の情報記録媒体を作製した。
(比較例1)
実施例1で用いた気相法シリカ分散液に、気相法シリカ75部に対し、ホウ酸4部、ポリビニルアルコール(ケン化度88モル%、平均重合度3500)25部、酢酸ジルコニウム2部を順次添加し、最後に15質量%の濃度になるように水を加え、プリンタブルレーベル層塗布液とした。その後、乾燥塗布量が23g/m2になるように、上記プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体にスクリーン印刷方式により塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、比較例1の情報記録媒体を作製した。
(比較例2)
実施例1で用いた気相法シリカ分散液に、気相法シリカ70部に対し、紫外線硬化樹脂であるウレタンアクリレート系樹脂(新中村工業(株)製NKオリゴUA−7100)30部、酢酸ジルコニウム(第一稀元素化学工業(株)製ジルコゾールZA−20)1.5部、光重合開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)0.7部を順次添加し、最後に40質量%の濃度になるように水を加え、プリンタブルレーベル層塗布液とした。その後、乾燥塗布量が20g/m2になるように、上記プリンタブルレーベル層塗設前情報記録媒体にスクリーン印刷方式により塗布し、50℃の空気を吹き付けて乾燥して、比較例2の情報記録媒体を作製した。
(比較例3)
実施例1の気相シリカの予備分散液をそのままプリンタブルレーベル層配合に使用した以外は実施例1と同様に行い、比較例3の情報記録媒体を作製した。なお、電子顕微鏡観察より気相法シリカの予備分散液の平均二次粒子径は800nmであった。
得られた各々の情報記録媒体について下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
<記録・再生時エラー>
市販のCD−Rドライブを用いて、48倍速で音楽CDのコピー記録及び再生をA(23℃、50%RH)及びB(40℃、15%RH)の環境下で各々100枚行った。その時の記録時のエラーの発生状況及び再生時のエラー発生状況を以下の基準で評価した。
◎:A,Bの環境下とも全くエラーは発生しなかった。
○:B環境下で1回のエラーが発生したが、A環境下ではエラーは全く発生せず、実使用上は問題なかった。
△:A環境下ではエラーは発生しなかったが、B環境下で少なくとも2回以上エラーが発生した。
×:A環境下で少なくとも1回以上エラーが発生した。
<発色性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面に人物及び風景画像を印字し、同画像を用いて作製した銀塩写真と比較し、下記の基準で発色性を目視評価した。
◎:銀塩写真より高い発色性を有する。
○:銀塩写真並の発色性を有する。
△:銀塩写真と比較してやや発色性が劣る。
×:銀塩写真と比較して明らかに発色性が劣る。
<インク吸収性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面にレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量の程度を目視で観察した。下記の基準で総合で評価した。
○:全く転写しない。
△:転写し実使用困難。
×:大部分が転写し実使用不可。
<耐水性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面にレッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ印字を行い、23℃50%RHの環境下で24時間放置後に水に3時間浸漬した。自然乾燥させた後に塗層と画像の状態を観察し、下記の基準で目視評価した。
○:耐水性に優れ、塗層と画像にほとんど変化がない。
△:僅かに塗層の溶出や、画像の褪色や滲みが発生するが実使用可。
×:著しく塗層が溶出したり、画像の褪色や滲みが発生して問題である。
<高湿滲み特性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面にシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、ブラックのベタ画像内にシアン、マゼンタ、イエロー、レッド、ブルー、グリーン、ブラック、ホワイトの細線が盛り込まれたパターンを印字し、印字後に23℃50%RHの環境下で24時間放置した。次に40℃85%RHの環境下で24時間放置した後、サンプルを取り出し、細線の境界部分で印字滲みが発生しているかどうかを、下記の基準で発色性を目視評価した。
○:印字滲みがほとんど発生せず、良好な細線が得られている。
△:色の組合せにより印字滲みがやや発生しているが問題のないレベル。
×:印字滲みが酷く明らかに問題となるレベル。
<耐傷性>
光ディスクレーベル印刷が可能な市販のインクジェットプリンター(キヤノン(株)製、PIXUS iP4300)にて、プリンタブルレーベル層面にブラックのベタ印字を行い、印字後の印字面の傷の程度を下記基準で目視で評価した。
○:印字面の傷は確認できず耐傷性良好。
△:印字面の傷は一部確認できるがほぼ問題ないレベル。
×:印字面の傷が著しく悪く容易に確認できるレベル。
Figure 2009193610
表1の結果より、本発明の情報記録媒体は、情報記録時及び再生時のエラーがなく、インク吸収性、発色性、塗層の耐傷性及び耐水性に優れた情報記録媒体であることが判る。実施例1と実施例7との比較より、プリンタブルレーベル層に含有される無機微粒子として気相法シリカが特に好ましいことが判る。一方、比較例1の情報記録媒体は、情報記録媒体の反りが大きく情報記録時及び再生時のエラーの発生が頻発した。更に、耐水性が劣っており実使用不可であった。また、比較例2の情報記録媒体は、高湿滲み特性に劣っており実使用不可であった。また、比較例3の情報記録媒体は、発色性、高湿滲み特性が劣っており実使用不可であった。
本発明の情報記録媒体の構成の一例を示した説明図である。
符号の説明
10 基板
11 光情報記録層
12 光反射層
13 保護層
14 下地層
15 プリンタブルレーベル層

Claims (4)

  1. 基板上に、少なくとも光情報記録層、下地層及びプリンタブルレーベル層を有する情報記録媒体であり、プリンタブルレーベル層が、平均二次粒子径500nm以下の無機微粒子と、(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールを含有することを特徴とする情報記録媒体。
  2. 前記プリンタブルレーベル層が、紫外線照射によって硬化されてなる請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記無機微粒子と前記(メタ)アクリレート変性ポリビニルアルコールの質量比が、75:25〜65:35である請求項1または2に記載の情報記録媒体。
  4. 前記無機微粒子が、気相法シリカである請求項1、2または3に記載の情報記録媒体。
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