JP2002249318A - 硫化亜鉛コロイド分散液の製造方法、それを用いた光記録媒体の製造方法および光記録媒体並びに光記録方法 - Google Patents

硫化亜鉛コロイド分散液の製造方法、それを用いた光記録媒体の製造方法および光記録媒体並びに光記録方法

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JP2002249318A
JP2002249318A JP2001040303A JP2001040303A JP2002249318A JP 2002249318 A JP2002249318 A JP 2002249318A JP 2001040303 A JP2001040303 A JP 2001040303A JP 2001040303 A JP2001040303 A JP 2001040303A JP 2002249318 A JP2002249318 A JP 2002249318A
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zinc sulfide
colloidal dispersion
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JP2001040303A
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Hiroyuki Hirai
博幸 平井
Takashi Ozawa
孝 小澤
Toshiki Taguchi
敏樹 田口
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物の少ない硫化亜鉛ナノ粒子コロイドを
簡易に得る製法を提供する。さらに高密度化と高感度化
を可能とする光記録媒体を提供する。 【解決手段】 平均粒子径1〜20nmの酸化亜鉛コロ
イド分散液に硫化水素ガスを通じることにより硫化亜鉛
コロイド分散液を得る製造方法、及び、前記硫化亜鉛コ
ロイドを誘電体層に含有する、書き換え型あるいは追記
型光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫化亜鉛コロイド
分散液の製造方法、それを用いた光記録媒体の製造方法
および光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光記録材料の高密度化と高感度化は鋭意
改良されてきた。従来は波長600nm以上のレーザー
光が用いられており、記録媒体もこの波長域で最適な性
能を発現するように開発設計されていた。光の波長がn
分の1になると、情報の記録密度はn×n倍になること
は良く知られており、そのため、波長400nm近傍の
短波長レーザーを用いた高密度記録の実用化が急がれて
いる。このように波長が短波化し記録密度が向上するに
伴い、媒体への高密度化と高感度化の要求はますます高
くなってきている。本発明は、かかる状況を鑑み、60
0nm以下の短波レーザー光を用いた記録再生に最適な
超高密度光記録媒体用の記録材料を提示することを目的
とするものである。
【0003】光ディスクに代表される光記録媒体はその
機能から分類すると、(イ)読み取りのみが可能なもの
(再生専用型)、(ロ)一度だけ書き込みが可能なもの
(追記型)、(ハ)書き換えが可能なもの(書き換え
型)の3種類に分類され、各々の特徴に応じて利用され
ている。本発明はその中でも、(ロ)および(ハ)の光
記録媒体に関するものである。これらの光記録媒体はコ
ンピュータの外部記憶装置として利用されている他、音
楽、映像、著作物等の記録のためにも用いられている。
【0004】レーザー光照射で発生する熱による記録層
の相変化を利用する追記型や書き換え型光記録媒体で
は、断熱層として誘電体層を設けることが一般的であ
る。誘電体層の材料としては、ZnS、SiO2、Ti
2、Al23、ZnO、MgF2、CaF2、LiF、
SiOなどが挙げられるが、熱膨張率や光学定数の関係
でZnSとSiO2 の混合物が通常用いられている。誘
電体層はスパッタ法で成膜することもできるが、1〜5
0nm程度のナノ粒子コロイドを調製し、スピンコート
などの塗布法で形成することにより高感度化できるなど
のメリットを有する。硫化亜鉛(ZnS)の製法として
は、硫酸亜鉛、塩酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛などの亜
鉛塩と硫化ナトリウムや硫化アンモニウムなどの硫化物
を水溶性溶剤中で沈殿反応させて得るのが一般的である
が、この方法では、安定なナノ粒子を得にくい、副産物
の塩を遠心分離などにより除去しないと使用できないな
どの問題があり、改善が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、不純物の少
ない硫化亜鉛ナノ粒子コロイドを簡易に得る製法を提供
することを目的とする。さらに本発明は、高密度化と高
感度化を可能とする光記録媒体を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、下記の手
段により達成された。 1.平均粒子径1〜20nmの酸化亜鉛コロイド分散液
に硫化水素ガスを通じることを特徴とする硫化亜鉛コロ
イド分散液の製造方法。 2.該硫化亜鉛コロイド分散液に、さらに前記硫化亜鉛
粒子の表面に吸着する吸着性化合物を添加することを特
徴とする上記1に記載の硫化亜鉛コロイド分散液の製造
方法。 3.上記1または上記2の方法により製造したことを特
徴とする硫化亜鉛コロイド分散液。 4.上記3に記載の硫化亜鉛コロイド分散液を含有する
塗布液を塗布および乾燥する工程を有することを特徴と
する光記録媒体の製造方法。 5.基板上に少なくとも記録層、誘電体層および反射層
を有し、不純物の塩を含まない硫化亜鉛コロイドを誘電
体層の少なくとも一部に含有することを特徴とする光記
録媒体。 6.該光記録媒体に、第一の光エネルギーを照射するこ
とにより該記録層中の粒子を非晶質状態とし、前記第一
のエネルギーより小さい第二の光エネルギーを照射する
ことにより該記録層中の粒子を結晶状態として反射率を
変化させ、情報の記録、再生、消去を繰り返しおこな
う、光記録方法。該光記録媒体としては書換型光記録媒
体が好ましい。 7.該光記録媒体に、光エネルギーを与えることにより
記録層中の粒子および/または近傍に不可逆的な状態変
化を引き起こして反射率を変化させ、情報の記録をおこ
なう、光記録方法。該光記録媒体としては追記型光記録
媒体が好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる硫化亜鉛コロ
イドナノ粒子の粒径は平均で1〜50nmであるが、好
ましくは、1〜20nm、さらに好ましくは、1〜10
nmである。平均粒径が50nmより大きくなると、熱
の伝播速度が遅くなったり、その上に記録層を設ける場
合には記録層の均一性、平坦性を損なう。サイズの下限
は耐候性や後述の吸着性化合物の占有容積増大に伴う加
熱時の膨張等の実用性能を勘案して選択される。また、
本発明ではナノ粒子は多分散粒子でも使用できるが、単
分散粒子の方が良好である。ここでいう単分散粒子と
は、変動係数が好ましくは30%以下、より好ましくは
20%以下、もっとも好ましくは10%以下である。な
お、粒子サイズは市販の粒子サイズ分布測定機やTEM
を用いて測定することができる。
【0008】硫化亜鉛コロイド分散液の製造に用いる酸
化亜鉛コロイド分散液は、水やアルコール類等の親水性
有機溶媒(沸点が約80〜200℃であるような単独、
または混合溶媒が好ましい)中に分散しているものが好
ましく市販のものが使用できる。本発明で用いる酸化亜
鉛コロイドの平均粒径は、1〜50nmであるが、好ま
しくは、1〜20nm、さらに好ましくは、1〜10n
mである。このような粒径の酸化亜鉛コロイド分散液は
表面が正に帯電しており、特に分散剤を使用しなくても
比較的安定であり好都合である。酸化亜鉛コロイドに硫
化水素ガスを通じる場合のガスの流量は任意であるが、
悪臭をできるだけ放出しないように酸化亜鉛コロイド分
散液が吸収する量に見合った流量が望ましい。硫化水素
ガスも市販のガスボンベから供給することが便利であ
る。反応温度は10〜60℃、好ましくは15〜50℃
である。また、酸化亜鉛コロイド分散液中の酸化亜鉛濃
度は40質量%以下、好ましくは1〜20質量%であ
る。
【0009】本発明の光記録媒体の誘電体層に用いる硫
化亜鉛コロイド分散物は、塗布適性上、粒子表面を吸着
性化合物(吸着基を有する化合物)で表面修飾すること
が好ましい。吸着性化合物としては、−SH、−CN、
−NH2、−SO2OH、−SOOH、−OPO(OH)
2、−COOH含有化合物などが有効であり、これらの
うち−SHまたは−COOH含有化合物が好ましい。特
に、炭素数が6以下の置換基と親水性基(例えば、−S
3Mや−COOM〔Mは水素原子、アルカリ金属原
子、アンモニウム分子等を表わす〕)を有する吸着性化
合物を使用するのが好ましい。吸着性化合物としては、
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、
ポリビニルピロリドン等が挙げられる。また、アニオン
性界面活性剤や親水性高分子も使用することができる。
このような表面修飾された、すなわち分散された微粒子
が凝集して形成された薄膜はスパッタリングや蒸着法で
は決して実現できないものである。なお、ナノ粒子の表
面が吸着性化合物や親水性高分子などで表面修飾してい
ることは、FE−TEMなどの高分解能TEMで粒子間
に一定の間隔があること、および化学分析により確認で
きる。本発明のナノ粒子コロイドはスピンコートあるい
はウエッブ塗布される。塗布法で成膜することによって
設備投資と製造コストが低減される。ポリカーボネート
基板などに直接塗布する場合は、基板表面をUV−オゾ
ン処理や酸素プラズマ処理などで予め親水化しておくこ
とが望ましい。
【0010】誘電体層用の塗布液には、硫化亜鉛コロイ
ドの他にSiO2、TiO2、Al23、AlN、Si
C、窒化ケイ素、MgF2、CaF2、LiF2、Si
O、Si 34、ZnO、MgO、CeO、SiC、Zr
O、ZrO2、Nb25、SnO2、In23、TiN、
BN、ZrN、In23、TaS4、TaC、B4 C、
WC、TiC、ZrC等のコロイドを含有させても良
い。好ましくはSiO2、TiO2、Al23、AlN、
SiC、窒化ケイ素、MgF2、CaF2、LiF2、S
iO、Si34のコロイドであり、さらに好ましくはS
iO2コロイドである。他のコロイドの添加比率は5〜
80モル%が好ましい。これらのコロイド粒子の表面も
上記吸着性化合物や親水性高分子などで修飾することが
好ましい。誘電体層の膜厚は5〜300nmが好まし
く、10〜150nmが特に好ましい。
【0011】本発明の光記録媒体が追記型である場合、
記録層の組成および記録のメカニズムは以下の5種類に
大別される。 (1) テルルを含有する低融点の合金薄膜、その他金
属およびその合金薄膜、あるいはシアニン系色素をはじ
めとする有機薄膜を用い、レーザー光照射によって記録
膜を局部的に蒸発させたり、あるいは溶融した記録膜材
を表面張力により引っ張りピットを形成するもの(孔空
け型)。 (2) テルル酸化膜等の非晶質薄膜をレーザー光照射
して、局所的に溶融させた後急冷して結晶化させてピッ
トとし、読み取りには非晶質薄膜と結晶質薄膜の間の反
射率差を利用するもの(相変化型)。 (3) 2層の異なる素材からなる金属薄膜を、レーザ
ー光照射して溶融させ、局所的に合金化させるもの(合
金型)。 (4) レーザー光照射による熱によって、層間に気泡
を生じさせピットとするもの(バブルフォーミング
型)。 (5) 微細なレリーフ構造面を形成し、レーザー光照
射による熱によってレリーフ構造面を溶融平滑化して反
射率を上げるもの(モスアイ型)
【0012】本発明の光記録媒体が書き換え型である場
合、記録層に金属カルコゲナイド薄膜を用い、レーザー
光(第一の光エネルギーに相当)により薄膜を加熱し、
溶融し急冷することにより、非晶質化して情報を記録
し、また、これをより低出力のレーザー光(第二の光エ
ネルギーに相当)により加熱し、徐冷することにより、
結晶化して消去する。金属カルコゲナイドは、8族、1
B族、2B族、4〜6周期の3B、4B、5B族元素の
少なくとも1つと、6B族元素の少なくとも1つから成
る。具体的には、GeSbTe、AgInSbTe、G
eTe、Ag2Te、AgInTe2、AgSbTe2
CuInSe2、CuInTe2、AgSbTe、InS
bTe、GeTeS、GeSeS、GeSeSb、Ge
AsSe、InTe、SeTe、SeAs、GeTeA
u、GeTeSeSb、GeTeSnAu、GeTeP
b、GeTeSbSなどが挙げられる。特に好ましくは
GeSbTe、AgInSbTe、GeTe、Ag2
e、AgInTe2、AgSbTe2、CuInSe2
CuInTe2のいずれかである。原子比を全て整数で
表示したが、所望の記録特性・保存性・強度などの特性
を得る為に、原子比を整数比からずらすこともできる。
【0013】本発明において、かかる記録層は溶液(例
えば、有機色素溶液)または分散液(例えば、上記金属
カルコゲナイドのナノ粒子コロイド分散液)を調製して
スピンコートなどの塗布で形成してもよいし、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの物理
的方法で形成してもよい。記録層の厚みは5〜300n
mの範囲で設計可能であり、5〜200nmでも良く、
5〜100nmであることが好ましい。記録層には、フ
ッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーのような各種難分
解性有機バインダーや、ZnS、SiO2、TiO2等の
各種誘電体のナノ粒子を併用し、物理的強度の向上や記
録再生の繰り返し耐性などを向上させることができる。
【0014】本発明の光記録媒体の反射層は、Au、A
g、Al、Pt、Cu等の単体あるいはこれらの一種以
上を含む合金等の高反射率金属から構成すれば良い。特
に、AgまたはAlのいずれかの金属または、これらを
主成分とする合金であることが好ましい。膜厚は30〜
300nmが好ましく、50〜200nmが特に好まし
い。反射層、誘電体層の材料もナノ粒子コロイド化し、
それぞれ塗設することができる。
【0015】反射層の上の保護層に用いられる材料とし
ては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2
Si34などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。保護層は樹脂で形成されていることが好ましい。ま
た、記録層と反射層の間に断熱性保護層を設けることも
できる。
【0016】保護層は、たとえばプラスチックの押出加
工で得られたフィルムを、接着層を介して反射層上及び
/または基板上にラミネートすることにより形成するこ
とができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布
等の方法により保護層を設けてもよい。また、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に
溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、
乾燥することによって保護層を形成することができる。
UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶
剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布
し、UV光を照射して硬化させることによって保護層を
形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯
電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目
的に応じて添加してもよい。記録層を形成する基板側か
らレーザー光を入射する場合、保護層の層厚は0.1〜
100μmが好ましく、更に好ましくは1〜50μm、
最も好ましくは2〜20μmである。記録層を形成する
基板と反対側からレーザー光を入射する場合、保護層の
層厚は1〜300μmが好ましく、更に好ましくは10
〜200μm、最も好ましくは50〜150μmであ
る。
【0017】以上の工程により、基板上に記録層、誘電
体層、そして所望により反射層や保護層を設けた記録媒
体を作製することができる。そして得られた二枚の記録
媒体を各々の記録層が内側となるように接着剤等で貼り
合わせることにより、二つの記録層を持つ光記録媒体を
製造することもできる。また得られた記録媒体と、該記
録媒体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを、その
記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わせること
により、片側のみに記録層をもつ光記録媒体を製造する
ことができる。接着には、前記保護層の形成に用いたU
V硬化性樹脂を用いてもよいし、あるいは合成接着剤を
用いてもよい。あるいはまた両面テープなどを用いても
よい。接着剤層は、通常は0.1〜100μm(好まし
くは、5〜80μm)の範囲の厚みで設けられる。
【0018】光記録媒体に記録した情報をタイトルや図
柄を用いて表示しておくことは管理上便利である。その
ためには、媒体の表面(記録再生用のレーザー光が照射
される側とは反対側の表面)がそのような表示をするの
に適した表面であることが必要になる。近年、インクジ
ェットプリンタによる印字法が一般に利用されている。
インクジェットプリンタを用いて光記録媒体の表面に印
字を施す場合には、インクは水性であるために、媒体の
表面は親水性であることが必要になる。しかし、光記録
媒体の表面は通常疎水性である。このため、光記録媒体
の表面を水性インクが定着し易いように親水性の表面に
改良することが必要になる。このような親水性の印刷面
(親水性表面層)を持つ光記録媒体については、例え
ば、特開平7−169700号、同10−162438
号などの各公報に種々提案されている。本発明の光記録
媒体についても親水性表面層を設けることができる。そ
して、親水性樹脂表面層を設ける場合、該表面層は、紫
外線硬化性樹脂(バインダ)中にタンパク質粒子などの
親水性有機高分子からなる粒子を分散させた層として構
成することが有利である。
【0019】本発明では光エネルギーとして300nm
から900nmの適当な波長範囲を用いることで記録媒
体の高密度性を発揮しうる。特に500nm以下が好ま
しく、430nm以下が最も好ましく、青紫色レーザー
や第二高調波発生素子(SHG素子)により短波長変換
されたレーザー光を用いることができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明をより詳細に説明するために、
その実施例を記載するが、これは本発明を例示の範囲に
限定するものではない。
【0021】実施例1 ZnSコロイド水分散液Aの調製 シーアイ化成(株)製ZnO水分散物(商品名:Nan
o Tek、含有量:15質量%、平均粒径:約15n
m)40mlと水200mlを500mlの三口フラス
コに入れ、攪拌しながら高純度H2 Sガスをゆっくり導
入した。過剰のガスは、三口フラスコの一つの口に接続
した冷却管を通り、空トラップ、水を入れたトラップ、
1N−NaOH溶液を入れたトラップ、5%次亜塩素酸
ナトリウムを入れたトラップ、および水を入れたトラッ
プを順に経由して排気されるようにした。H2 Sガスの
流量は、過剰のガスがわずかに発生する程度(最初の水
を入れたトラップの気泡の出方で判断)とした。室温で
90分通気するとZnO粒子はほとんどZnSに変換で
きていることを、X線回折により確認した。生成したZ
nS水分散物は安定であり、その平均粒子サイズも元の
ZnOとほとんど変わらなかった。 誘電体塗布液Iの調製 ZnSコロイド水分散液Aに、ポリビニルピロリドン
(K−90)5%水溶液10mlとEPA(1−エトキ
シ−2−プロパノール)40mlを添加して誘電体塗布
液Iを調製した。
【0022】実施例2 ZnSコロイドEPA分散液Bの調製 実施例1のZnO水分散物の媒体を水からEPA/水の
混合液(90/10容量%)に代えた以外はZnSコロ
イド水分散液Aの調製と同様にしてZnSコロイドEP
A分散液Bを調製した。 誘電体塗布液IIの調製 ZnSコロイドEPA分散液Bにシランカップリング剤
(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1ml
を添加して誘電体塗布液IIを調製した。
【0023】実施例3 AgInTe2ナノ粒子コロイド分散液の調製 Te、AgCl、InCl3をそれぞれ精製したTOP
(トリオクチルフォスフィン) に溶解し、1M溶液を
調製した(Te−TOP、Ag−TOP、In−TO
P)。不活性気体雰囲気下でTOPO(トリオクチルフ
ォスフィンオキシド)100gを150℃に加熱溶解
し、激しく撹拌しながらIn−TOP 溶液67mlと
Te−TOP溶液100mlを加えて約1時間攪拌した
後、Ag−TOP溶液67mlとTe−TOP溶液 3
4ml添加して約10分間反応させた(Teモル数/T
OPO質量=0.13%)。得られたナノ粒子の平均粒
径は6nm、変動係数は7%であった。この溶液にメタ
ノールを1リッター添加して粒子を凝集析出させた後、
トルエンを100mlを添加することで、再分散した。
上記操作を数回繰り返し精製を完了し、乾燥させたうえ
で、n−ヘプタンを用いて0.5g/mlの濃度で分散
してAgInTe2 ナノ粒子コロイド分散液を調製し
た。組成はICP分析により、粒子表面にTOPOが吸
着していることは、光分解能TEM で粒子間に一定の
間隔があること、および化学分析によって確認できた。
【0024】実施例4 書き換え型光記録媒体の作製 直径120mm厚さ0.6mmのポリカーボネート表面
をUV−オゾン処理して親水化したのち、誘電体塗布液
Iをスピンコートし厚さ70nmの第一誘電体層を形成
した。その上にAgInTe2 ナノ粒子コロイド分散
液をスピンコートし、乾燥させて厚さ30nmの記録層
を作成した。さらにその上にZnS/SiO2 (質量比
80/20)から成る第二誘電体層を28nmおよびA
l/Ti(質量比98.5/1.5)から成る反射層を
200nm順にスパッタリングにより形成した。反射層
の上にUV硬化樹脂をスピンコートし、高圧水銀灯を照
射することにより保護層を20μmの厚みで形成した。
0.6mm厚のダミー基板と貼り合わせることにより書
き換え型光記録媒体を作製し、パルステック製初期化装
置を用い、1Wの赤外レーザー出力で初期化した。
【0025】書き換え型光記録媒体の評価 パルステック製記録再生評価機DDU1000を用いて
記録特性を評価した。レーザ波長405nm、NA0.
65のピックアップを用いて、線速3.5m/s、記録
周波数4.35MHz、デューティ50%、記録パワー
10mW、消去パワー3mWで記録した。変調度42
%、C/N比35dB、消去率21dBの性能が得られ
た。
【0026】実施例5 追記型光記録媒体の作製 直径120mm厚さ0.6mmのポリカーボネート上
に、Al/Ti(質量比98.5/1.5)から成る反
射層を200nm順にスパッタリングにより形成し、さ
らに誘電体塗布液IIをスピンコートし厚さ20nmの
第一誘電体層を形成した。この上にTe/TeO2 (質
量比1/1)から成る記録層を20nmおよびZnS/
SiO2 (質量比80/20)から成る第二誘電体層を
50nm順にスパッタリングにより形成した。第二誘電
体層の上にUV硬化樹脂をスピンコートし、0.6mm
厚のダミー基板と貼り合わせて高圧水銀灯を照射するこ
とにより追記型光記録媒体を作製した。 追記型光記録媒体の評価 パルステック製記録再生評価機DDU1000を用いて
記録特性を評価した。レーザ波長405nm、NA0.
65のピックアップを用いて、線速3.5m/s、記録
周波数4.35MHz、デューティ50%、記録パワー
10mWでダミー基板側から記録した。変調度46%、
C/N比39dBの性能が得られた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、市販の酸化亜鉛ナノ粒
子コロイド分散液を用いることにより、容易に硫化亜鉛
ナノ粒子コロイド分散液を得ることができた。前記硫化
亜鉛コロイド分散液は不純物の塩が極めて少ないため、
精製する必要がなく、高密度で、高感度の書き換え型や
追記型の光記録媒体の安価な製造が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 敏樹 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4G065 AA01 AB03X BB06 CA11 CA12 DA09 EA03 FA02 5D029 LA15 5D090 AA01 BB03 BB05 CC01 CC14 KK03 5D121 AA04 EE22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径1〜20nmの酸化亜鉛コロ
    イド分散液に硫化水素ガスを通じることを特徴とする硫
    化亜鉛コロイド分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法により得られた
    硫化亜鉛コロイド分散液を含有する塗布液を塗布および
    乾燥する工程を有することを特徴とする光記録媒体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に少なくとも記録層、誘電体層お
    よび反射層を有し、不純物の塩を含まない硫化亜鉛コロ
    イドを誘電体層の少なくとも一部に含有することを特徴
    とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】 該光記録媒体に、第一の光エネルギーを
    照射することにより該記録層中の粒子を非晶質状態と
    し、前記第一のエネルギーより小さい第二の光エネルギ
    ーを照射することにより該記録層中の粒子を結晶状態と
    して反射率を変化させ、情報の記録、再生、消去を繰り
    返しおこなう、光記録方法。
  5. 【請求項5】 該光記録媒体に、光エネルギーを与える
    ことにより記録層中の粒子および/または近傍に不可逆
    的な状態変化を引き起こして反射率を変化させ、情報の
    記録をおこなう、光記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20030038046A (ko) * 2001-11-08 2003-05-16 (주)나노플루이드 나노크기의 산화아연 입자 및 그를 함유하는 수계 분산체

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