JP2003009784A - 食品の消臭及び風味改良方法 - Google Patents

食品の消臭及び風味改良方法

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JP2003009784A
JP2003009784A JP2001195646A JP2001195646A JP2003009784A JP 2003009784 A JP2003009784 A JP 2003009784A JP 2001195646 A JP2001195646 A JP 2001195646A JP 2001195646 A JP2001195646 A JP 2001195646A JP 2003009784 A JP2003009784 A JP 2003009784A
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plant tissue
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food
juice
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JP2001195646A
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Atsushi Nagaki
篤 長岐
Keiko Kurashige
恵子 倉重
Hironari Endo
裕也 遠藤
Toshiaki Omori
俊昭 大森
Hiroshi Sugiyama
広 杉山
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Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全で、効果の高い消臭及び風味改善効果のあ
る新規な組成物を提供すること。 【解決手段】酸化還元酵素活性を有し、さらに(a)植
物組織の破砕液を搾汁して製造されたパルプ、(b)植
物組織の搾汁液を遠心分離して製造された不溶物画分、
(c)植物組織の搾汁液をろ過して製造された篩別パル
プのいずれか一つまたは複数からなる植物組織処理物、
または(a)から(c)のいずれか一つまたは複数を乾
燥して製造された植物組織処理物及びフェノール性化合
物を含有することを特徴とする、消臭効果を有する飲食
品、食品用消臭剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒトの口臭などに対
して消臭効果を発現させるため食品に配合し得る、また
は加工食品の好ましくない臭気を低減するあるいは風味
を改良し得る、またはタバコやペットの排泄物などの悪
臭を抑制し得る、酸化還元酵素活性を有する植物組織処
理物を含有する消臭及び/又は風味改良組成物を配合・
施用した飲食品又は食品用消臭剤、該組成物を用いた悪
臭の低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日常生活あるいは食品の好ましく
ない臭気に対し様々な抑制方法が取られている。これま
で、ヒトが食することによってその口臭を抑制すること
ができる食品として、多くのガムやタブレットなどが市
場に出まわってきた。これらの食品には、例えば銅クロ
ロフィリンや、緑茶抽出物、リンゴ抽出物などを有効成
分として配合して調製されているものが多い。
【0003】従来より、消臭効果を有する飲食品の製造
に使用できる植物由来の消臭組成物に関する知見は多
く、例えばバラ科未熟果実由来のポリフェノール(特開
平7-285876号)、リンゴ赤色色素画分(特開平8-319433
号)、シソ科植物溶媒抽出物(特公平1-1145号)、ツバ
キ科葉抽出物(特公平4-41026号)などがあげられる。
さらに、消臭力が強くかつ安全性や環境面を考慮した消
臭剤として、植物から溶媒抽出した消臭有効成分と酸化
還元酵素とを併用する消臭剤(特公平7-53174号)や、
フェノール性化合物とその酸化酵素を含有する消臭組成
物(特開平9-38183号)、ローズマリー、ヒマワリ種
子、生コーヒー豆、茶、ブドウの果皮、ブドウの種子、
リンゴの各抽出物と酸化酵素を含有する消臭組成物(特
開平10-212221号)などが提案されている。
【0004】加工食品においても、肉・魚介類・卵・ゼ
ラチン・大豆に代表される動植物タンパク質原料由来の
特有の臭気や風味、あるいはレトルト食品の加工工程で
発生するレトルト臭といった好ましくない臭気や風味が
製品の品質や嗜好性を低下させる場合があり、対応策と
して香辛料を加えたり、フレーバーによってマスキング
するなどの手法が取られていた。また、食品加工以外の
分野でも、日常生活においてタバコあるいはペットの排
泄物など不快な臭気として認識されているものがあり、
これらに対してもゲル状の消臭剤や活性炭などの吸着素
材を利用した消臭能を持つ消臭剤が市販されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ヒトの口臭を抑制する
ために、ガムやタブレットなどの食品に加えられる素材
として上述の素材などがあるが、それらの中には重金属
を含むため安全上食品に一定量以上加えることが不可能
であったり、食品に加える上で好ましくない臭気を有し
ていたり、効果が低いものが多く、ヒトが多量に摂取し
ても安全で、効果の高い消臭能素材が待ち望まれてい
た。
【0006】酸化還元酵素と植物由来の溶媒抽出物やフ
ェノール性化合物との併用による消臭剤は非常に期待が
持てるものであったが、高い消臭効果を製品中で維持す
るためには、酸化還元酵素とその基質である植物抽出物
やフェノール性化合物とを安定した状態で共存させるこ
とが困難であること、また、製品の製造工程中や、流通
の過程などの保存中において酵素が失活する可能性が高
いこと、などが問題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、以下のような発明に至った。第1の発明は酸
化還元酵素活性を有し、さらに(a)植物組織の破砕液
を搾汁して製造されたパルプ、(b)植物組織の搾汁液
を遠心分離して製造された不溶物画分、(c)植物組織
の搾汁液をろ過して製造された篩別パルプのいずれか一
つまたは複数からなる植物組織処理物、または(a)か
ら(c)のいずれか一つまたは複数を乾燥して製造され
た植物組織処理物及びフェノール性化合物を含有するこ
とを特徴とする、消臭効果を有する飲食品を提供するも
のである。第2の発明は酸化還元酵素活性を有し、さら
に(a)植物組織の破砕液を搾汁して製造されたパル
プ、(b)植物組織の搾汁液を遠心分離して製造された
不溶物画分、(c)植物組織の搾汁液をろ過して製造さ
れた篩別パルプのいずれか一つまたは複数からなる植物
組織処理物、または(a)から(c)のいずれか一つま
たは複数を乾燥して製造された植物組織処理物及びフェ
ノール性化合物を含有することを特徴とする、食品用消
臭剤を提供するものである。
【0008】第3の発明は酸化還元酵素活性を有し、さ
らに(a)植物組織の破砕液を搾汁して製造されたパル
プ、(b)植物組織の搾汁液を遠心分離して製造された
不溶物画分、(c)植物組織の搾汁液をろ過して製造さ
れた篩別パルプのいずれか一つまたは複数からなる植物
組織処理物、または(a)から(c)のいずれか一つま
たは複数を乾燥して製造された植物組織処理物及びフェ
ノール性化合物を含有する組成物を施用することを特徴
とする、加工食品の臭気及び風味の改良方法である。第
4の発明は酸化還元酵素活性を有し、さらに(a)植物
組織の破砕液を搾汁して製造されたパルプ、(b)植物
組織の搾汁液を遠心分離して製造された不溶物画分、
(c)植物組織の搾汁液をろ過して製造された篩別パル
プのいずれか一つまたは複数からなる植物組織処理物、
または(a)から(c)のいずれか一つまたは複数を乾
燥して製造された植物組織処理物及びフェノール性化合
物を含有する組成物を施用することを特徴とする、人及
び動物の口臭、又は排泄物、食品、タバコ由来の悪臭を
低減する方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における酸化還元酵素とは
特にポリフェノールオキシダーゼを意味し、例えばカテ
コールオキシダーゼ(EC 1.10.3.1) 、ラッカーゼ(EC 1.
10.3.2)、モノフェノールモノオキシダーゼ(EC 1.14.1
8.1)の3種類が挙げられる。上述した酸化還元酵素活性
を有する植物組織処理物は以下のようにして調製するこ
とができる。本発明で採取を目的とする微細細胞器官と
しては、一般的にはプラスチドと称されるものを利用す
ることができる。これらのプラスチドは植物組織を搾汁
して得られた植物残渣や、搾汁によって原料から得られ
た液中に混入する微小な不溶物に存在している。以下、
本明細書中でポリフェノールオキシダーゼ高含有画分と
はプラスチドを多く含み、ポリフェノールオキシダーゼ
活性が高いものの総称として用いる。ポリフェノールオ
キシダーゼ高含有画分は、例えば以下に説明するパル
プ、不溶物画分、篩別パルプなどがある。
【0010】ここで、植物組織を皮や種を含む状態ある
いは皮や種を除去した状態で、ハンマーミルや下ろし金
などで破砕して得られた粗製物を破砕液と定義し、植物
組織を搾汁して得られた植物残査をパルプと定義する。
また、搾汁によって植物組織から得られた液を搾汁液と
定義する。搾汁液中に混入する微小な不溶物は遠心分離
により沈殿するが、その沈殿物を不溶物画分と定義す
る。遠心分離の条件は特に限定されないが、10,000g、5
−15分で1乃至2回遠心分離することが望ましい。また、
搾汁液を遠心分離して得られる上清画分を搾汁液上清と
定義する。なお、不溶物画分は回転篩、振動篩や他のろ
過装置でも回収は可能である。しかし、本明細書中で
は、遠心分離して得られた不溶物画分と篩で分別した不
溶物画分を区別するために、60から100メッシュの篩で
回収した不溶物画分を篩別パルプと定義する。
【0011】搾汁液または植物組織粉末のポリフェノー
ルオキシダーゼ活性は、日本食品科学工学会誌15巻5号1
99〜206頁(1968年)等に記載されている方法を参照し
て測定できる。本発明において、ポリフェノールオキシ
ダーゼ活性は以下のようにして測定した。すなわち、0.
05Mリン酸緩衝液(pH6.6)に溶解した(-)-エピカテキン溶
液(1.7mg/ml)25mlを基質として、これに搾汁液0.5gも
しくは植物組織粉末0.1gを添加・混合して20℃、5分間
反応させた後、2.5ml反応液を採取して10%硫酸0.5mlを
加え反応を停止し、420nmの吸光度を測定する。反応液
の420nmの吸光度を5分間に1.00上昇させる活性を1単位
と定義する。本発明で、ポリフェノールオキシダーゼ高
含有画分とはポリフェノールオキシダーゼ活性が凍結乾
燥などの乾燥処理をしていない試料の重量(以下新鮮重
という)当り0.9units/g〜10.0units/g、かつ凍結乾燥な
どによって水分を除去した試料の重量(以下、乾燥粉末
重量という)当り2.9units/g〜12.0 units/gのものをい
う。
【0012】酸化還元酵素活性を有する植物組織処理物
の原料として、果実(成熟果または未熟果)、葉、茎、
根茎など、適当な植物組織を用いることができる。植物
種としては特定されるものではないが、好ましくは、リ
ンゴ、ナシ、モモ、オウトウ、ウメ、スモモ、アンズ、
ビワ等のバラ科植物をはじめ、カキ、ブドウ、バナナ、
クリ、ゴボウ、ホウレンソウ、アーティチョーク、ベル
ベットビーン、ジャガイモ、サツマイモ、マングビー
ン、エンドウ、ダイズ、カカオ、トマト、レタス等が利
用できる。
【0013】以下により詳しく述べる植物組織の破砕は
一般的な方法を用いることができる。すなわち、原料を
洗浄した後、ハンマーミル、グラインダー等の植物組織
を破砕しうる装置を使って破砕を行う。この際、破砕処
理前に原料にアスコルビン酸や亜硫酸塩その他の抗酸化
剤、あるいはNaClやKClなど水中に溶解後塩化物イオン
を与える中性塩のいずれかの水溶液をスプレーなどの方
法によって加えることにより、高いポリフェノールオキ
シダーゼ活性を有する植物組織処理物を収率高く得るこ
とができる。また、本発明において亜硫酸塩とは、ナト
リウム塩とカリウム塩とがあり、ナトリウム塩としては
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナ
トリウムが挙げられ、好ましくは亜硫酸ナトリウムが良
い。また、カリウム塩としてはメタ重亜硫酸カリウムが
挙げられる。
【0014】破砕後搾汁の工程によってパルプと搾汁液
の分離を行う。搾汁機としてはプレス機、プレスロール
フィルター、遠心分離器など、一般的に搾汁に使用可能
な装置を用いることができる。不溶物画分は、固形分当
たりのポリフェノールオキシダーゼ活性が高い。パルプ
または篩別パルプは固形分20%(W/W)まで搾汁により
水分を除くことが望ましい。ポリフェノールオキシダー
ゼ高含有画分は、そのままあるいは搾汁液も含んだ状態
で、アスコルビン酸や亜硫酸塩その他の抗酸化剤、ある
いはNaClやKClなどを水中に溶解後塩化物イオンを与え
る中性塩のいずれかを添加して冷蔵あるいは冷凍するこ
とにより、このまま高活性なポリフェノールオキシダー
ゼとして用いることができる。さらに保存性を高め、産
業上の利用価値を高めるため乾燥・粉砕加工により粉末
形態にすることもできる。
【0015】乾燥は通常用いられる方法、加熱乾燥、真
空乾燥、真空凍結乾燥などを用いることができるが、よ
り高活性を達成するためには、真空凍結乾燥を用いるこ
とが望ましい。また、乾燥によって水分を0.1−5.0%、
望ましくは0.1―3.0%に減少させることで、より安定性
を増すことができる。なお、実施例の水分は、(株)島津
製作所電子式水分計EB-280MOCで測定している。粉砕工
程はカッターミル、ピンミルなど乾式の粉砕機であれば
いずれも使用することができる。粉砕終了後はビニール
袋またはアルミラミネート袋等に密封し、25℃以下の遮
光できる場所で保存することが望ましい。
【0016】上述の工程によって得られたポリフェノー
ルオキシダーゼ活性をもつ植物組織処理物は消臭能及び
風味改良能を有するが、望ましくはフェノール性化合物
を併用することにより、より高い消臭能及び/又は風味
改良能を有する組成物を調製することができる。本発明
の組成物に使用できるフェノール性化合物としては、カ
テコール構造を有するポリフェノール化合物であれば特
に限定するものではないが、クロロゲン酸、カテキン、
エピカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレー
ト、エピガロカテキンガレート、プロシアニジン、ある
いはリンゴ、コーヒー、茶、ビルベリーの葉、などの植
物の抽出物がある。
【0017】本発明の組成物として、植物組織処理物の
みを用いることが可能であるが、フェノール性化合物、
安定剤、増量剤などを適宜配合してもよい。組成物の剤
型としては、粉末状、顆粒状、粒状、液状などを適宜選
択することが可能である。本発明の組成物中の植物組織
処理物の配合量はその用途と目的に応じて適宜決定でき
るが、好ましくは0.5〜100重量%がのぞましい。植物組
織処理物とフェノール性化合物を併用した組成物におい
ては、植物組織処理物の重量に対してフェノール性化合
物を好ましくは1.0〜10重量%配合することがのぞまし
い。
【0018】本発明の組成物は、本明細書の従来の技術
で示した用途をはじめとする様々な食品加工分野で利用
できる。例えば、洗口液、飲食品、菓子、飼料等に直接
配合することにより、これを使用するあるいは食した際
にヒトや動物の口臭に対する消臭効果を発現し得る製品
を製造することができる。得られる製品に制限はない
が、洗口液、飲食品としては消臭ドリンク剤、菓子とし
てはガム、タブレット、キャンディ、グミ、チョコレー
ト、飼料としてはドライタイプのペットフード、等があ
げられる。これらは製品を加工する際、本発明の組成物
を原材料に投入混合することによって製造することがで
きるが、望ましくは、加工の最終工程で比較的高温にさ
らされる時間が短い条件で該組成物を加えて処理するこ
とにより、さらに高い消臭効果のある製品を製造するこ
とができる。
【0019】植物組織処理物における酸化還元酵素活性
は非常に安定であり、例えば品温が100〜110℃であるキ
ャンディ生地中に混合することによって消臭効果を有す
るキャンディを製造することが可能であるが、通常、製
造工程中の加熱温度として好ましくは5℃〜60℃の範囲
において行うことにより、高い消臭効果を維持した製品
を製造することができる。また、本発明の組成物の配合
量は、各々の製品毎に適宜決定されるが、酸化還元酵素
活性を有する植物組織処理物として0.1〜10重量%(ポ
リフェノールオキシダーゼ活性3〜10units/g)、フェ
ノール性化合物として0.03〜3重量%の範囲で添加する
ことが望ましい。例えば、消臭効果を有するガムの製造
においては、最終製品に対し酸化還元酵素活性を有する
植物組織処理物を0.5〜10重量%(ポリフェノールオキ
シダーゼ活性3〜10units/g)フェノール性化合物につ
いては0.03〜3重量%の範囲で配合することが望まし
い。
【0020】また、食品用消臭剤として、本発明の組成
物を配合した吸水ペーパーなどの食品包装紙を調製し、
肉、魚介類などを包み、あるいは覆い、肉や魚介類から
発生した好ましくない臭気の発生を抑制することができ
る。食品包装紙としては、上記の通常台所で調理に用い
られる吸水ペーパーなどの他、肉、魚介類などを輸送、
保管のため箱やケース等に収納しておく際の充填材や中
敷などが挙げられる。あるいは、別の形態として、本発
明の組成物を肉、魚介類に直接ふりかけるか、通気性の
ある袋などに収め、同じく肉、魚介類などを輸送、保管
のため箱やケース等に収納することもできる。食品用消
臭剤の調製法としては、例えば食品包装紙の場合、紙パ
ルプを原料として紙を漉くときに紙パルプの乾燥重量に
対して植物組織処理物として0.1〜70重量%(ポリフェノ
ールオキシダーゼ活性3〜10units/g)、フェノール性化
合物として0.03〜20重量%を配合する事が望ましい。た
だし、調製するときの品温は5〜60℃であることが望ま
しい。
【0021】また、加工食品において、タンパク質原料
由来の好ましくない臭気やレトルト調理加工に特有のレ
トルト臭が問題となる場合、加工時に本発明の組成物を
施用することにより、好ましくない臭気を低減すること
が可能となる。また、好ましくない臭気とともに特異な
刺激や風味が問題となる加工食品に対しても、加工時に
本発明の組成物を施用することにより、風味を改良し嗜
好性を向上させることができる。なお、本発明において
対象としている「風味」とは、食品を食した時に感じら
れる香りや味を総合した感覚であり、いわゆる甘・酸・
塩・苦・旨の5つの基本味に代表される「味質」とは異
なる。対象となる加工食品に特に制限はないが、例え
ば、ゼラチン及びその加工品、大豆プロテイン及びその
加工品、卵加工品、魚介類加工品、食肉加工品、にんに
く加工品、レトルト調理加工品があげられる。ゼラチン
及びその加工品としては、グミ、ムース、ババロア、ゼ
リー、大豆プロテイン及び豆類加工品としては、豆乳、
プロテインパウダー、卵加工品としては、固ゆで卵、魚
介類加工品としては、煮魚、カマボコ、魚肉ソーセー
ジ、食肉加工品としては、餃子、シュウマイ、ハンバー
グ、ミートボール、つくね、メンチカツ、ケーシング型
のハム、ソーセージ、にんにく加工品としては、生おろ
しにんにくなどが挙げられ、これらに対して有効であ
る。
【0022】レトルト調理加工品であるレトルトパウチ
食品としては、例えばカレー、シチュー、ハヤシ、ミー
トソース、ハンバーグ、ミートボール、麻婆豆腐の素、
牛丼・中華丼・親子丼などのどんぶりものの素、釜飯の
素、おでん、スープ、クッパ・おかゆなどの米飯類、ぜ
んざい、などが挙げられ、これらに対して有効である。
また、同じくレトルト殺菌を行う缶詰、例えばサケ、マ
ス、エビ、カニ、サバ、イワシ、サンマ、カツオ、マグ
ロ、イカ、アサリ、カキ、アカガイ、ウナギ、ホタテ、
ウニ、タケノコ、マッシュルーム、アスパラガス、スイ
ートコーン、グリーンピース、ホウレンソウ、フキ、ニ
ンジン、ゴボウ、カリフラワー、トマト、タマネギ、キ
ャベツ、レンコン、ジャガイモ、ショウガ、シイタケ、
エノキダケ、アズキ、ナメコ、ミカン、モモ、パインア
ップル、スモモ、プラム、アプリコット、野菜ジュー
ス、鶏肉、豚肉、牛肉、鯨肉、馬肉及びこれらの調理
品、トマトジュース、野菜ジュースの缶詰などに対して
有効である。
【0023】これらを加工する際、加熱処理前後、ある
いは加工途中で直接原料に対して、本発明の組成物を適
した装置を用いて表面に散布するか撹拌混合することに
より、その臭気を抑制することができる。ただし、本発
明の組成物を施用するときの温度は5〜60℃であること
が望ましい。施用量は原料に対し植物組織処理物として
0.1〜10重量%(ポリフェノールオキシダーゼ活性3〜10
units/g)、フェノール性化合物として0.03〜3重量%
である事が望ましい。
【0024】さらに、タバコ臭、ペットの排泄物の臭
気、トイレの排水臭や糞便臭、生ゴミなどの腐敗臭のよ
うな生活環境において発生する悪臭に対しても、本発明
の組成物を施用することにより、その臭気を低減するこ
とができる。施用する方法は特に制限されないが、臭気
源に直接ふりかけたり混合するだけでなく、本発明の組
成物を含有する製品を調製した後に臭気源と接触させる
ことによって好ましくない臭気を抑制することができ
る。このような製品の例として、ゲル状の消臭剤、壁
紙、糞尿を受けるシートやゲルまたはビーズなどが挙げ
られる。
【0025】前述の製品を加工する際、本発明の組成物
を原材料に投入混合することによって製造することがで
きるが、望ましくは、加工の最終工程で比較的高温にさ
らされる時間が短い条件で本発明の組成物を加えて処理
することにより、さらに高い消臭効果のある製品を製造
することができる。植物組織処理物におけるポリフェノ
ールオキシダーゼ活性は非常に安定であるが、製造工程
中の加熱温度は、好ましくは5〜60℃の範囲において行
うことにより、高い消臭効果を維持した製品を製造する
ことができる。また、本発明の組成物の配合量は、各々
の製品毎に適宜決定されるが、酸化還元酵素活性を有す
る植物組織処理物として0.1〜10重量%(ポリフェノー
ルオキシダーゼ活性3〜10units/g)、フェノール性化
合物として0.03〜3重量%の範囲で添加することが望ま
しい。例えば、ペットの糞尿を受ける紙シート及びホル
ムアルデヒドを吸着させるための壁紙又は紙シートの製
造においては、紙パルプを原料として紙を漉くときに紙
パルプの乾燥重量に対して植物組織処理物として0.1〜7
0重量%(ポリフェノールオキシダーゼ活性3〜10units/
g)、フェノール性化合物として0.03〜20重量%を配合す
る事が望ましい。ただし、調製するときの品温は5〜60
℃であることが望ましい。
【0026】
【実施例】本発明を以下の実施例及び製造例によりさら
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例及び製造例
に限定されるものではない。
【0027】製造例1 リンゴ完熟果を原料としたポリ
フェノールオキシダーゼ高含有画分の調製 リンゴ完熟果(「むつ」)33.1kgをハンマーミルで破砕
し、プレス機(ろ布のメッシュサイズは約3mm×3mm)を
用いて搾汁し、パルプとして10.9kg、搾汁液として22.2
kgを得た。搾汁液には搾汁後直ちに22.2gのアスコルビ
ン酸を加えた。搾汁液を遠心分離(10,000 g、10分間)し
て清澄となった上清を搾汁液上清として回収した。得ら
れた沈殿に0.1%(W/V)アスコルビン酸水溶液を加えて攪
拌し、再度遠心分離によって上清を除いた。その後沈殿
を回収して不溶物画分を得た。上記のハンマーミルでは
均一な破砕液を調製することが困難であったので、完熟
果20gを下ろし金ですり下ろし、搾汁せず全量を回収し
て破砕液を得た。破砕液、パルプ、搾汁液上清、搾汁
液、不溶物画分をそれぞれ凍結乾燥し、乾燥後粉砕して
植物組織乾燥粉末を得た。
【0028】上述のポリフェノールオキシダーゼ活性測
定方法により、破砕液、パルプ、搾汁液上清、搾汁液、
不溶物画分の凍結乾燥処理前の活性(以下、新鮮重当た
りの活性という)と、凍結乾燥処理後の活性(以下、乾
燥粉末重量当たりの活性という)を測定し、両者を比較
した(表1)。
【表1】
【0029】その結果、新鮮重当たりの活性については
0.41-1.02(unit/g)であった。また、乾燥粉末の活性は
3.01-9.36(unit/g)であった。乾燥粉末の活性は新鮮重
当たりの活性より高い活性を示した。搾汁液上清はほと
んど活性を示さなかった。
【0030】製造例2 リンゴ未熟果を原料としたポリ
フェノールオキシダーゼ高含有画分の調製 リンゴ未熟果(「ふじ」、開花1.5ヶ月後に採取)2.02k
gを0.05%(W/V)アスコルビン酸水溶液に浸漬して軽く滴
をきった後、家庭用ジューサー(松下電器産業(株)ナシ
ョナルジューサーMJ-C15)で破砕・搾汁し、パルプとし
て0.73kg、搾汁液として1.30kgを得た。搾汁液を遠心分
離(10,000 g、10分間)して清澄となった上清を搾汁液上
清として回収後、沈殿を得た。この段階で沈殿中に残留
している低糖類は、後に沈殿を凍結乾燥したときに吸湿
の原因となるため、直ちにこれに0.05%(W/V)アスコル
ビン酸水溶液650mlを加えて攪拌し、再度同条件で遠心
分離して上清を除いた。この上清は廃棄した。この作業
により得られた沈殿を回収し、搾汁液中の不溶物画分を
得た。上記の家庭用ジューサーでは均一な破砕液を得る
ことが困難であったので、未熟果20gを下ろし金ですり
下ろし全量を回収したものを破砕液とした。さらに破砕
液、パルプ、搾汁液上清、搾汁液、不溶物画分をそれぞ
れ凍結乾燥し、乾燥粉末を得た。
【0031】上述の活性測定法により、各画分の新鮮重
当たりの活性と乾燥粉末重量当たりの活性を測定し、両
者を比較した(表2)。
【表2】
【0032】その結果、新鮮重当たりの活性については
0.65-9.14(unit/g)であった。また、乾燥粉末の活性は
2.98-11.42(unit/g)であった。不溶物画分の乾燥粉末
重量当たりの活性が新鮮重当たりの活性に比較して異常
に低いのは、操作中の酸化反応を抑制する目的で加えた
アスコルビン酸が乾燥工程によって濃縮され、活性測定
の際に反応を抑制したためと推定される。
【0033】製造例3 再搾汁後の完熟リンゴ篩別パル
プを原料としたポリフェノールオキシダーゼ高含有画分
の調製 リンゴジュース製造工程において、完熟リンゴ果実100t
を粉砕・搾汁して得られた果汁中に含まれる微細な不溶
物を、60から100メッシュ程度のスクリーンを有する振
動篩で回収し、篩別パルプ1tを得た。篩別パルプから再
度搾汁機で果汁を除去し、篩別パルプ中の固形分を20%
(W/W)程度に調整した。これを5.0kg採取し、-20℃で凍
結後、5日間凍結乾燥した。凍結乾燥後1.0kgの乾固物を
回収し、これを粉砕機(パワーミル;昭和技研製、丸穴
スクリーン(丸穴径1.5mm)使用)で粉砕した。得られた
乾燥粉末重量当たりの活性は6.5(unit/g)であった。
【0034】製造例4 搾汁後の種子・皮などを除いた
完熟リンゴパルプを原料としたポリフェノールオキシダ
ーゼ高含有画分の調製 リンゴジュース製造工程において、完熟リンゴ果実100t
を粉砕・搾汁して得られたパルプに等重量の水を加え、
目開き2.0mmのメッシュを装着した分離パルパーを通過
させて種子・皮などを除いた完熟リンゴパルプ約10tを
得た。これをギナ形遠心分離機(石川島播磨重工業製、
圧力:2.8kg/cm2)で搾汁液上清を除去し、パルプ中の
固形分を15%(W/W)程度に調整した。これを5.0kg採
取し、-20℃で凍結後、5日間凍結乾燥した。凍結乾燥後
0.75kgの乾固物を回収し、これを粉砕機(パワーミル;
昭和技研製、丸穴スクリーン(丸穴径1.5mm)使用)で粉
砕した。得られた乾燥粉末重量当たりの活性は6.6(unit
/g)であった。
【0035】製造例5 ゴボウを原料としたポリフェノ
ールオキシダーゼ高含有画分の調製 ゴボウ252gを家庭用ジューサー(製造例2と同機種)で
破砕・搾汁し、パルプとして117g、搾汁液として135gを
得た。搾汁液には搾汁後直ちに135mgのアスコルビン酸
を加えた。さらに1%(W/V)クエン酸水溶液を加えてpH
4.3に調整した。搾汁液を遠心分離(10,000 g、10分間)
し、清澄となった上清を搾汁液上清として回収した。沈
殿に0.1%(W/V)アスコルビン酸水溶液を加えて攪拌し、
再度遠心分離によって上清を除いた。この作業を2回繰
り返した後、沈殿を回収して搾汁液中の不溶物画分を得
た。不溶物画分は凍結乾燥を行い、乾燥粉末を得た。
【0036】上述の活性測定法により、搾汁液、搾汁液
上清、不溶物画分の新鮮重当たりの活性と、不溶物画分
の乾燥粉末重量当たりの活性を測定した(表3)。
【表3】 その結果、新鮮重当たりの活性は2.47-3.06(unit/g)で
あった。また、不溶物画分の乾燥粉末の活性は11.64(un
it/g)と高い活性を示した。
【0037】製造例6 レタスを原料としたポリフェノ
ールオキシダーゼ高含有画分の調製 レタス385gを家庭用ジューサー(製造例2と同機種)で破
砕・搾汁し、パルプとして89g、搾汁液として287gを得
た。搾汁液には搾汁後直ちに287mgのアスコルビン酸を
加えた。さらに1%(W/V)クエン酸水溶液を加えてpH 4.3
に調整した。搾汁液を遠心分離(10,000 g、10分間)し、
清澄となった上清を搾汁液上清として回収した。沈殿に
0.1%(W/V)アスコルビン酸水溶液を加えて攪拌し、再度
遠心分離によって上清を除いた。この作業を2回繰り返
した後、沈殿を回収して搾汁液中の不溶物画分を得た。
不溶物画分は凍結乾燥を行い、乾燥粉末を得た。
【0038】上述の活性測定法により、搾汁液、搾汁液
上清、不溶物画分の新鮮重当たりの比活性と不溶物画分
の乾燥粉末重量当たりの活性を測定した(表4)。
【表4】 その結果、新鮮重当たりの活性は1.22−1.99(unit/g)で
あった。また、不溶物画分の乾燥粉末の活性は3.20(uni
t/g)であった。
【0039】製造例7 バナナの皮を原料としたポリフ
ェノールオキシダーゼ高含有画分の調製 バナナの皮352gを家庭用ジューサー(製造例2と同機種)
で破砕・搾汁し、パルプとして213g、搾汁液として117g
を得た。搾汁液には搾汁後直ちに117mgのアスコルビン
酸を加えた。さらに1%(W/V)クエン酸水溶液を加えてpH
4.3に調整した。搾汁液を遠心分離(10,000 g、10分間)
し、清澄となった上清を搾汁液上清として回収した。沈
殿に0.1%(W/V)アスコルビン酸水溶液を加えて攪拌し、
再度遠心分離によって上清を除いた。この作業を2回繰
り返した後、沈殿を回収して搾汁液中の不溶物画分を得
た。不溶物画分は凍結乾燥を行い、乾燥粉末を得た。
【0040】上述の活性測定法により、搾汁液、搾汁液
上清、不溶物画分の新鮮重当たりの活性と不溶物画分の
乾燥粉末重量当たりの活性を測定した(表5)。
【表5】 その結果、搾汁液、搾汁液上清の新鮮重当たりの活性は
それぞれ、0.80と0.22(unit/g)であった。不溶物画分の
乾燥粉末の活性は4.58(unit/g)であった。
【0041】試験例1 植物組織処理物と各種フェノー
ル性化合物の悪臭物質消臭効果 メチルメルカプタン消去能の評価 リンゴ果実由来の植物組織処理物(製造例4調製品)、
リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、ニッカウ
ヰスキー社製)、コーヒー抽出物(味の素ゼネラルフー
ズ社製、商品名;ブレンディ)を用いて、口臭の原因物
質の一つであるメチルメルカプタンの消去能をガスクロ
マトグラフィーにより比較した。19ml容の褐色ビンに水
1.0ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1.5ml、悪臭物質(0.0
03%(W/V)メチルメルカプタンナトリウム水溶液)0.5m
l、及び植物組織処理物10 mg、リンゴ抽出物1mg、コー
ヒー抽出物1mgをそれぞれ表7に示した組合せで加えて
密封後、37℃の恒温水槽中で4分間静置した後、遠心分
離(37℃、1500 g、2分間)し、上清1μlを採取して分析
に用いた。また、同様に37℃の恒温水槽で6分間静置し
た褐色ビンのヘッドスペース10μlを採取して分析に用
いた。ガスクロマトグラフィーは島津製作所 GC-9A、
カラムはパックドカラム ββ'-オキシジプロピオニト
リル25%クロモゾーブW60/80 AW-DMCS-ST 3.1m×3.2m
m I.D.(島津製作所)、移動相は窒素ガスを用いて上記
の上清(液相)及びヘッドスペース(気相)のメチルメ
ルカプタンを定量した。結果を表6に示した。なお、メ
チルメルカプタン消去能は以下の式に従い消去率を算出
した。
【0042】S:褐色ビンに投入したメチルメルカプタ
ンのモル数 R:反応後の褐色ビン中の気相及び液相中の総メチルメ
ルカプタンのモル数
【表6】 この結果より、製造例3に記載のリンゴ果実由来植物組
織処理物のみを用いることにより悪臭物質の消臭効果が
得られるが、リンゴ抽出物、コーヒー抽出物を併用する
ことにより、消臭効果が相乗的に向上する傾向が見られ
た。
【0043】製造例8 ガム製造例1 配合1に従って、ガムベース、ハイマルトースシラッ
プ、砂糖をニーダーに入れて混合し、さらに香料を入れ
て混合した。混合中の温度は、室温から55℃までとし
た。混合後、展伸機で展伸し、包丁で1個当りの重量が
約1gとなるように切断し、対照区としてのガムを得
た。配合1 (すべてガム1g当りの重量%) ガムベース 20% ハイマルトースシラップ 5% 砂糖 73% 香料 2%
【0044】製造例9 ガム製造例2 配合2に従って、ガムベース、ハイマルトースシラッ
プ、砂糖をニーダーに入れて混合し、さらに香料、リン
ゴ果実由来の植物組織処理物(製造例4調製品)、リン
ゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、ニッカウヰス
キー社製)を入れて混合した。混合中の温度は、室温か
ら55℃までとした。混合後、展伸機で展伸し、包丁で1
個当りの重量が約1gとなるように切断し、リンゴ果実
由来植物組織処理物+リンゴ抽出物を含有したガムを得
た。配合2 配合1に、下記を添加した。(配合1のガム原料総重量
に対する重量%) リンゴ果実由来植物組織処理物 5% リンゴ抽出物 0.5%
【0045】製造例10 ガム製造例3 配合3に従って、ガムベース、ハイマルトースシラッ
プ、砂糖をニーダーに入れて混合し、さらに香料、リン
ゴ果実由来の植物組織処理物(製造例4調製品)、コー
ヒー抽出物(長谷川香料社製、クロロゲン酸30%以上含
有)を入れて混合した。混合中の温度は、室温から55℃
までとした。混合後、展伸機で展伸し、包丁で1個当り
の重量が約1gとなるように切断し、リンゴ果実由来植
物組織処理物+コーヒー抽出物を含有したガムを得た。配合3 配合1に、下記を添加した。(配合1のガム原料総重量
に対する重量%) リンゴ果実由来植物組織処理物 5% コーヒー抽出物 0.5%
【0046】製造例11 ガム製造例4 配合4に従って、ガムベース、ハイマルトースシラッ
プ、砂糖をニーダーに入れて混合し、さらに香料、リン
ゴ果実由来の植物組織処理物(製造例1、不溶物画分調
製品(乾燥粉末))、リンゴ抽出物(商品名:アップルフ
ェノンSH、ニッカウヰスキー社製)を入れて混合した。
混合中の温度は、室温から55℃までとした。混合後、展
伸機で展伸し、包丁で1個当りの重量が約1gとなるよ
うに切断し、リンゴ果実由来植物組織処理物+リンゴ抽
出物を含有したガムを得た。配合4 配合1に、下記を添加した。(配合1のガム原料総重量
に対する重量%) リンゴ果実由来植物組織処理物 5% リンゴ抽出物 0.5%
【0047】製造例12 ガム製造例5 配合5に従って、ガムベース、ハイマルトースシラッ
プ、砂糖をニーダーに入れて混合し、さらに香料、リン
ゴ果実由来の植物組織処理物(製造例3調製品)、リン
ゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、ニッカウヰス
キー社製)を入れて混合した。混合中の温度は、室温か
ら55℃までとした。混合後、展伸機で展伸し、包丁で1
個当りの重量が約1gとなるように切断し、リンゴ果実
由来植物組織処理物+リンゴ抽出物を含有したガムを得
た。配合5 配合1に、下記を添加した。(配合1のガム原料総重量
に対する重量%) リンゴ果実由来植物組織処理物 5% リンゴ抽出物 0.5%
【0048】試験例2 メチルメルカプタン消去能の評
上記の製造例8(対照区:植物組織処理物と各抽出物を
含まないガム)、製造例9(リンゴ果実由来の植物組織
処理物とリンゴ抽出物を配合したガム)、製造例10
(リンゴ果実由来の植物組織処理物とコーヒー抽出物を
配合したガム)について、口臭の原因物質の一つである
メチルメルカプタンの消去能をガスクロマトグラフィー
により比較した。前記の製造例6乃至8のガムをそれぞ
れ凍結粉砕し、そのうちの1gを用いて評価を行った。1
9ml容の褐色ビンに水1.0ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)
1.5ml、悪臭物質(0.003%(W/V)メチルメルカプタンナ
トリウム水溶液)0.5ml、及び凍結粉砕したガム1gを
加えて密封後、37℃の恒温水槽中で4分間静置した後、
遠心分離(37℃、1500 g、2分間)し、上清1μlを採取し
てメチルメルカプタンの定量分析に用いた。また、同様
に37℃の恒温水槽で6分間静置した褐色ビンのヘッドス
ペース10μlを採取してメチルメルカプタンの定量分析
に用いた。ガスクロマトグラフィーは島津製作所 GC-9
A、カラムはパックドカラム ββ'-オキシジプロピオニ
トリル25%クロモゾーブW60/80 AW-DMCS-ST 3.1m×3.2
mm I.D.(島津製作所)、移動相は窒素ガスを用いて上記
の上清(液相)及びヘッドスペース(気相)のメチルメ
ルカプタンを定量した。メチルメルカプタン消去能を比
較するため、正の対照区として凍結粉砕ガム1gのかわ
りに銅クロロフィリン(タマ生化学社)10mgを用いて同
様の分析を行った。結果を表7に示した。なお、メチル
メルカプタン消去能は以下の式に従い消去率を算出し
た。
【0049】S:褐色ビンに投入したメチルメルカプタ
ンのモル数 R:反応後の褐色ビン中の気相及び液相中の総メチルメ
ルカプタンのモル数
【表7】 この結果、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ
抽出物を含まないガムに比較し、リンゴ果実由来の植物
組織処理物及びリンゴ抽出物を配合したガム、リンゴ果
実由来の植物組織処理物及びコーヒー抽出物を配合した
ガムはいずれもメチルメルカプタンの消去能が大きい事
が明らかになった。
【0050】試験例3 官能評価 すりおろしニンニク0.5gを含む10mlの水道水を1分間口
に含んで臭いをつけた後これを吐き出し、前述の方法で
調製した製造例8から製造例10のそれぞれのガム1個
を3分間噛んだ。その後ガムを吐き出し1分間口を閉じ
て口腔内の臭気を濃縮せしめた後、1分間かけて呼気を
3L容におい袋に回収した。呼気の回収は、製造例8の
ガムについては5名が2回、製造例9及び製造例10の
ガムについては5名が1回実施した。
【0051】回収した5名各々の呼気について、6名の
パネラーにより不快臭が強いものを選択する官能評価を
行った。製造例8のガム使用後の呼気と製造例92のガ
ム使用後の呼気の比較においては、同一人物の「製造例
8」と「製造例9」の呼気を比較するものとし、6名の
パネラーは、それぞれが5名分の「製造例8」と「製造
例9」の呼気について不快臭が強いものを選択した。全
比較数30(5名の呼気×6名のパネラー評価)のうち、
植物組織処理物と抽出物が無添加である製造例8のガム
の方が不快臭が強いと選択したパネル数の比率を無添加
ガム選択率とした。すなわち、無添加ガム選択率が高い
試験区は不快臭を除去する効果が高いといえる。製造例
8のガム使用後の呼気と製造例10のガム使用後の呼気
についても同様に評価した。結果を表8に示した。
【表8】 これにより、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリン
ゴ抽出物を含まないガムに比較し、リンゴ果実由来の植
物組織処理物及びリンゴ抽出物を配合したガム、リンゴ
果実由来の植物組織処理物及びコーヒー抽出物を配合し
たガムはいずれも不快臭を抑制する傾向が見られた。
【0052】製造例13 タブレット製造例1 配合6に従って、流動造粒乾燥機(FLOW CATER:大川原
製作所製)に砂糖、プルランを約10〜50倍重量の水に溶
解した溶液を投入し、混合、顆粒化、乾燥させた。得ら
れた顆粒をメッシュNo.12〜16の篩にかけて、通過した
顆粒にさらにシュガーエステル、香料を加えて混合し
た。これを打錠機で打錠し、対照区としてのタブレット
とした。配合6 (すべてタブレット1g当りの重量%) 砂糖 94.4% プルラン(林原商事) 0.1% シュガーエステル(HLB=3) 3.2% 香料 2.3%
【0053】製造例14 タブレット製造例2 配合7に従って、流動造粒乾燥機(FLOW CATER:大川原
製作所製)に砂糖、プルランを約10〜50倍重量の水に溶
解した溶液を投入し、混合、顆粒化、乾燥させた。得ら
れた顆粒をメッシュNo.12〜16の篩にかけて、通過した
顆粒にさらにシュガーエステル、香料、リンゴ果実由来
の植物組織処理物(製造例4調製品)、リンゴ抽出物
(商品名:アップルフェノンSH、ニッカウヰスキー社
製)を加えて混合した。これを打錠機で打錠し、リンゴ
果実由来植物組織処理物+リンゴ抽出物のタブレットと
した。配合7 配合6に、下記を添加した。(配合6のタブレット原料
総重量に対する重量%) リンゴ果実由来植物組織処理物 4.5% リンゴ抽出物 0.5%
【0054】試験例4 メチルメルカプタン消去能の評
タブレットを粉砕して1gのサンプル粉末を調製して、
試験例1と同様にメチルメルカプタンの消去能をガスク
ロマトグラフィーにより測定し、リンゴ果実由来の植物
組織処理物及びリンゴ抽出物を含まないタブレットと比
較した。メチルメルカプタン消去能を比較するため、正
の対照区としてタブレット粉末のかわりに銅クロロフィ
リン(タマ生化学社製)10mgを用いた。結果を表9に示
した。
【表9】 その結果、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ
抽出物を含まないタブレット(製造例13)に比較し、
リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ抽出物を配
合したタブレット(製造例14)はメチルメルカプタン
の消去能が大きい事が明らかになった。
【0055】製造例15 キャンデイ製造例1 配合8に従って、厚手の鍋に、砂糖、砂糖の30重量%の
水、ハイマルトースシラップを入れて火にかけ、攪拌し
ながら温度を150〜155℃まで加熱して煮詰めた。加熱
後、鍋を火から下ろしてキャンディ生地を冷却板上にあ
けて冷却し、冷却したキャンディ生地を成型器で成型
し、対照区としてのキャンディとした。キャンディ1個
の重量は、約1gとした。配合8 (すべてハードキャンディ1g当りの重量%) 砂糖 60% ハイマルトースシラップ 40%
【0056】製造例16 キャンデイ製造例2 配合9に従って、厚手の鍋に、砂糖、砂糖の30重量%の
水、ハイマルトースシラップを入れて火にかけ、攪拌し
ながら温度を150〜155℃まで加熱して煮詰めた。加熱
後、鍋を火から下ろしてキャンディ生地を冷却板上にあ
けて冷却し、キャンディ生地の品温が100〜110℃となっ
た後、リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、ニ
ッカウヰスキー社製)を、続いて植物組織処理物(製造
例4調製品)を加えた。その後直ちにキャンディ生地を
成型器で成型し(品温約70〜100℃)、リンゴ果実由来
植物組織処理物+リンゴ抽出物のキャンディとした。キ
ャンディ1個の重量は、約1gとした。配合9 配合8に、下記を添加した。(配合8のキャンディ原料
総重量に対する重量%) リンゴ果実由来植物組織処理物 5% リンゴ抽出物 0.5%
【0057】試験例5 メチルメルカプタン消去能の評
製造例15及び16のそれぞれのキャンディを粉砕して
1gのサンプル粉末を調製して、試験例1と同様にメチル
メルカプタンの消去能をガスクロマトグラフィーにより
測定し、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ抽
出物を含まないハードキャンディと比較した。メチルメ
ルカプタン消去能を比較するため、正の対照区としてハ
ードキャンディ粉末のかわりに銅クロロフィリン(タマ
生化学社製)10mgを用いた。結果を表10に示した。
【表10】 その結果、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ
抽出物を含まないキャンディ(製造例16)に比較し、
リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ抽出物を配
合したキャンディ(製造例16)はメチルメルカプタン
の消去能が大きい事が明らかになった。
【0058】製造例17 市販グミ製品(明治製菓製)を電子レンジで加温溶解
し、グミ1g当りリンゴ果実由来の植物組織処理物(製
造例4調製品)5重量%、コーヒー抽出物(長谷川香料
社製、クロロゲン酸30%以上含有)0.5重量%を加えて混
合した後、冷却し、リンゴ果実由来の植物組織処理物+
コーヒー抽出物含有のグミとした。対照区として、同じ
市販グミ製品を用いた。
【0059】試験例6 メチルメルカプタン消去能のグ
ミでの評価 1gのグミを切りだし、試験例1と同様にメチルメルカプ
タンの消去能をガスクロマトグラフィーにより測定し、
リンゴ果実由来の植物組織処理物及びコーヒー抽出物を
含まない市販グミ(明治製菓社製)と比較した。ただ
し、褐色ビン中に悪臭物質以外の成分を加えた後、37
℃、10分間加温してグミが溶解したことを確認した後、
悪臭物質を加え、反応を開始した。メチルメルカプタン
消去能を比較するため、正の対照区としてグミ1gのか
わりに銅クロロフィリン(タマ生化学社製)10mgを用い
た。結果を表11に示した。
【表11】 その結果、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びコーヒ
ー抽出物を含まない市販グミに比較し、リンゴ果実由来
の植物組織処理物及びコーヒー抽出物を配合したグミ
(製造例17)はメチルメルカプタンの消去能が大きい
事が明らかになった。
【0060】試験例7 リンゴ果実由来の植物組織処理
物のレトルト臭に対する効果 ニンジン、じゃがいも、タマネギ、ダイコン、白菜、牛
肉(カナダ産ショートプレート)の各食品素材を5mm角
に切り、リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、
ニッカウヰスキー社製)0.05%(W/V)と製造例4に記載
の方法で調製した植物組織処理物0.5%(W/V)とを含む水
溶液(40℃)500 mlで30分間処理した後、液を捨て、50
gをレトルト用アルミ平パウチに充填し、水150gを加
えてヒートシールし121℃×30分で殺菌処理した調理品
(処理区)と、同じく各食品素材を5mm角に切り、沸
騰水500 mlにて2分間ボイルした後水切りして同様に殺
菌処理した調理品(対照区)を調製した。官能評価は、
9名のパネラーを用いて両者を比較して、臭くないと感
じるものを選択することとした。結果を表12に示した。
【表12】 表12の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物は、レトルト臭を抑制することが明ら
かとなった。
【0061】試験例8 リンゴ果実由来の植物組織処理
物の食品原料の臭気に対する効果 5%(W/V)DGF(ヘキスト社製、ゼラチン粉末)水溶液(5
0℃)10mlに対し、リンゴ抽出物(商品名:アップルフ
ェノンSH、ニッカウヰスキー社製)1mgと製造例4に記
載の方法で調製した植物組織処理物10mgからなる粉末組
成物を添加、混合後、室温にて静置、凝固させたものを
調製した(ゼラチン処理区)。さらに、7%(W/V)アジプ
ロンMT(味の素社製、粉末状大豆タンパク)水溶液に対
して、リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、ニ
ッカウヰスキー社製)5mg、及び製造例4に記載の方法
で調製した植物組織処理物50mgからなる粉末組成物を添
加、混合したもの(プロテイン処理区)を調製した。調
製した試料について、9名のパネラーによる官能評価を
行った。官能評価は、前記組成物を施用し凝固させたゼ
ラチン(ゼラチン処理区)と、無添加で凝固させたゼラ
チン(ゼラチン対照区)、または、前記組成物を混合し
た直後のプロテイン水溶液(プロテイン処理区)と、前
述の処理をしなかったプロテイン水溶液(プロテイン対
照区)とをそれぞれ比較して、臭くないと感じるものを
選択することとした。結果を表13に示した。
【表13】 表13の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物は、ゼラチンや大豆タンパクを原料由
来の臭気を抑制することが明らかとなった。
【0062】試験例9 リンゴ果実由来の植物組織処理
物の魚介類由来の臭気に対する効果 市販の鯛のあら(トレーパック詰め品)を購入し、トレ
ーパック内に染み出ていた魚汁1mlに対して、リンゴ抽
出物(商品名:アップルフェノンSH、ニッカウヰスキー
社製)5mg、及び製造例4に記載の方法で調製した植物
組織処理物50mgからなる粉末組成物を添加、混合したも
のを調製した(魚汁処理区)。さらに、市販のイイダコ
1匹(30g)に対して、リンゴ抽出物(商品名:アップル
フェノンSH、ニッカウヰスキー社製)30mg、及び製造例
4に記載の方法で調製した植物組織処理物300mgからな
る粉末組成物を添加、揉み込み、4℃にて一昼夜静置し
たもの(イイダコ粉末処理区)、及び、市販のイイダコ
1匹(30g)を、直径16cmの手すきシート(広葉樹由来未
漂白パルプ1.2g及び製造例3に記載の方法で調製した植
物組織処理物1gを配合)にて包み込み、4℃にて一昼夜
静置したもの(イイダコ手すきシート処理区)を調製し
た。
【0063】なお、手すきシートは、パルプ標準離解機
及びシートマシーン(いずれも東洋精機製)を用いて、
JIS P 8209の方法に従って調製した。すなわち、広葉
樹由来未漂白パルプ水溶液(絶乾重量で24g/2000ml)を
パルプ標準離解機にて離解した後、パルプ水溶液が0.15
%(絶乾重量でW/V)になるよう希釈した。このパルプ水
溶液800mlに対し、さらに植物組織処理物1gを添加、混
合したものを原料(1枚分)として、シートマシーンを
用いて、手すき、コーチング、プレス、乾燥を行った。
調製した試料について、9名のパネラーによる官能評価
を行った。官能評価は、前記組成物を混合した直後の魚
汁(魚汁処理区)と混合していない魚汁(魚汁対照
区)、または、前記組成物を揉み込み4℃で一昼夜静置
したイイダコ(イイダコ粉末処理区)と、前述の処理を
せず4℃で一昼夜静置したイイダコ(イイダコ粉末対照
区)、または、植物組織処理物を配合した手すきシート
にて包み込み4℃で一昼夜静置したイイダコ(イイダコ
手すきシート処理区)と、植物組織処理物を配合しない
手すきシートにて包み込み4℃で一昼夜静置したイイダ
コ(イイダコ手すきシート対照区)とをそれぞれ比較し
て、臭くないと感じるものを選択することとした。結果
を表14に示した。
【表14】 表14の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物、及び植物組織処理物を含有する食品
包装紙は、魚介類由来の臭気の発生を抑制することが明
らかとなった。
【0064】試験例10 リンゴ果実由来の植物組織処
理物の加工食品の風味改良効果 市販の全卵を加熱して固ゆで卵を調製した後、黄身を取
り出してスプーンでほぐし、黄身1gに対して、フレー
バーホルダーRC30(長谷川香料社製)1mg、及び製造例
4に記載の方法で調製した植物組織処理物10mgをふりか
けたものについて、9名のパネラーによる官能評価を行
った。官能評価は、前記組成物をふりかけた直後の黄身
(処理区)と、フレーバーホルダーRC30及び酵素失活さ
せた植物組織処理物(50℃、10日間加熱)をふりかけた
直後の黄身(失活品処理区)と、前記処理を施していな
い黄身(対照区)とを比較して、臭みを感じないもの、
及びおいしいと感じるものを選択することとした。結果
を表15に示した。
【表15】
【0065】表15の結果より、フェノール性化合物と植
物組織処理物を含有する組成物は、固ゆで卵の黄身独特
の臭気を抑制し、さらに風味を改良して嗜好性を向上さ
せることが明らかとなった。前記の効果は、加熱して酵
素を失活させた植物組織処理物とフェノール性化合物と
を添加した処理区ではほとんど得られなかったため、臭
気抑制と風味改良においてはポリフェノールオキシダー
ゼ活性が必要であるといえる。
【0066】試験例11 煮魚の臭気・風味改良効果 市販のめんつゆ40ml、水80mlからなる煮汁中(全量120m
l)に、リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、
ニッカウヰスキー社製)24mg、及び製造例4に記載の方
法で調製した植物組織処理物240mgからなる粉末組成物
を添加し、60gの魚の切り身(たら)を入れて加熱して
煮魚を調製し、9名のパネラーによる官能評価を行っ
た。官能評価は、前記組成物を添加した煮汁で調理した
煮魚(処理区)と、リンゴ抽出物と酵素失活させた植物
組織処理物(50℃10日間加熱)を添加した煮汁で調理し
た煮魚(失活品処理区)と、 前記組成物を添加しない
煮汁で調理した煮魚(対照区)とを比較して、臭みを感
じないもの、及びおいしいと感じるものを選択すること
とした。結果を表16に示した。
【表16】
【0067】表16の結果より、フェノール性化合物と植
物組織処理物との混合物は、調理した煮魚の臭気を抑制
し、さらに風味を改良して嗜好性を向上させることが明
らかとなった。前記の効果は、加熱して酵素を失活させ
た植物組織処理物とフェノール性化合物とを添加した処
理区ではほとんど得られなかったため、臭気抑制と風味
改良においてはポリフェノールオキシダーゼ活性が必要
であるといえる。
【0068】試験例12 餃子の臭気・風味改良効果 豚ひき肉70g、にら0.7g、生おろしにんにく0.35gから
なる餃子の具に、リンゴ抽出物(商品名:アップルフェ
ノンSH、ニッカウヰスキー社製)70mg、及び製造例4に
記載の方法で調製した植物組織処理物700mgからなる粉
末組成物を添加して混合し、市販の餃子の皮で包み、フ
ライパンで加熱して餃子を調製し、9名のパネラーによ
る官能評価を行った。官能評価は、前記組成物を添加し
た餃子(処理区)と、前記組成物を添加しない餃子(対
照区)とを比較して、臭みを感じないもの、及びおいし
いと感じるものを選択することとした。結果を表17に示
した。
【表17】 表17の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物は、餃子の肉やニンニクなどから生じ
る臭気を抑制し、さらに嗜好性を向上させた。
【0069】試験例13 生おろしにんにくの臭気・風
味改良効果 市販の醤油5mlに生おろしにんにく2.0gを加えたにんに
く醤油に対し、リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノ
ンSH、ニッカウヰスキー社製)2mg、及び製造例4に記
載の方法で調製した植物組織処理物20mgからなる粉末組
成物を添加、混合、調製し、9名のパネラーによる官能
評価を行った。官能評価は、前記組成物を添加、混合し
たにんにく醤油(処理区)と、リンゴ抽出物と酵素失活
させた植物組織処理物(50℃10日間加熱)を添加、混合
したにんにく醤油(失活品処理区)と、 前記組成物を
添加しないにんにく醤油(対照区)とを比較して、臭み
を感じないもの、及びおいしいと感じるものを選択する
こととした。結果を表18に示した。
【表18】 表18の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物は、生にんにくから生じる臭気を抑制
し、さらに風味を改良して嗜好性を向上させることが明
らかとなった。前記の効果は、加熱して酵素を失活させ
た植物組織処理物とフェノール性化合物とを添加した処
理区ではほとんど得られなかったため、臭気抑制と風味
改良においてはポリフェノールオキシダーゼ活性が必要
であるといえる。
【0070】試験例14 リンゴ果実由来の植物組織処
理物のタバコ煙臭に対する効果 火をつけた市販のタバコから発生した煙3mlを採取し、
リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、ニッカウ
ヰスキー社製)5mgと製造例4に記載の方法で調製した
植物組織処理物50mg、及び0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1m
lからなる組成物をあらかじめ入れて密封した19ml容バ
イアル中に注入し、常温で15分間静置した。静置後のヘ
ッドスペースガス10 mlを採取し、あらかじめ無臭空気
を満たした3L容臭い袋に全量を注入して希釈した試料
を調製し、3分間静置後9名のパネラーによる官能評価
を行った。官能評価は、前記組成物と接触させたタバコ
煙含有ガス(処理区)と、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1m
lを入れたバイアル中に注入して以降の処理を同様に行
ったタバコ煙含有ガス(対照区)とを比較して、臭くな
いと感じるものを選択することとした。結果を表19に示
した。
【表19】 表19の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物は、タバコ煙臭を抑制することが明ら
かとなった。
【0071】試験例15 リンゴ果実由来の植物組織処
理物の動物の排泄物臭に対する効果 ネコの尿を吸収させた吸水ポリマー(ユニチャーム製、
デオシートの内部)0.5gに、リンゴ抽出物(商品名:
アップルフェノンSH、ニッカウヰスキー社製)5mgと製
造例4に記載の方法で調製した植物組織処理物50mg、及
び0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1mlからなる組成物を添加
した試料(ネコ尿処理区)を調製した。さらに、同様に
ネコの尿を吸収させた吸水ポリマーに0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.0)1mlを添加した試料(ネコ尿対照区)を調製し
た。また、ラットの尿2mlを採取し、リンゴ抽出物(商
品名:アップルフェノンSH、ニッカウヰスキー社製)5m
gと参考例3に記載の方法で調製した植物組織処理物50m
gからなる組成物を添加した試料(ラット尿処理区)を
調製した。調製した試料について、9名のパネラーによ
る官能評価を行った。官能評価は、9名のパネラーを用
いて行い、ネコ尿処理区とネコ尿対照区、またはラット
尿処理区と前述の処理を施していないラットの尿(対照
区)とをそれぞれ比較して、臭くないと感じるものを選
択することとした。結果を表20に示した。
【表20】 表20の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物は、動物の排泄物臭を抑制することが
明らかとなった。
【0072】
【発明の効果】本発明によって、食品加工に適した高い
酸化還元酵素活性、特にポリフェノールオキシダーゼ活
性を有する植物組織処理物を含有する組成物を用いて、
消臭効果を付与した菓子・食品・包材、及びタンパク質
などの特有の風味を持つ原料に由来する臭気やレトルト
臭を低減した飲食品の製造、タバコ臭や動物排泄物臭に
対する効果的な消臭が可能となる。さらに、特有の風味
や刺激が強い食品に対して、風味を改良して嗜好性を向
上させることが可能となる。
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月5日(2002.7.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】試験例1 植物組織処理物と各種フェノー
ル性化合物の悪臭物質消臭効果 メチルメルカプタン消去能の評価 リンゴ果実由来の植物組織処理物(製造例4調製品)、
リンゴ抽出物(商品名:アップルフェノンSH、ニッカウ
ヰスキー社製)、コーヒー抽出物(味の素ゼネラルフー
ズ社製、商品名;ブレンディ)を用いて、口臭の原因物
質の一つであるメチルメルカプタンの消去能をガスクロ
マトグラフィーにより比較した。19ml容の褐色ビンに水
1.0ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)1.5ml、悪臭物質(0.0
03%(W/V)メチルメルカプタンナトリウム水溶液)0.5m
l、及び植物組織処理物10 mg、リンゴ抽出物1mg、コー
ヒー抽出物1mgをそれぞれ表6に示した組合せで加えて
密封後、37℃の恒温水槽中で4分間静置した後、遠心分
離(37℃、1500 g、2分間)し、上清1μlを採取して分析
に用いた。また、同様に37℃の恒温水槽で6分間静置し
た褐色ビンのヘッドスペース10μlを採取して分析に用
いた。ガスクロマトグラフィーは島津製作所 GC-9A、
カラムはパックドカラム ββ'-オキシジプロピオニト
リル25%クロモゾーブW60/80 AW-DMCS-ST 3.1mX3.2mm
I.D.(島津製作所)、移動相は窒素ガスを用いて上記の
上清(液相)及びヘッドスペース(気相)のメチルメル
カプタンを定量した。結果を表6に示した。なお、メチ
ルメルカプタン消去能は以下の式に従い消去率を算出し
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】S:褐色ビンに投入したメチルメルカプタ
ンのモル数 R:反応後の褐色ビン中の気相及び液相中の総メチルメ
ルカプタンのモル数
【表6】 この結果より、製造例に記載のリンゴ果実由来植物組
織処理物のみを用いることにより悪臭物質の消臭効果が
得られるが、リンゴ抽出物、コーヒー抽出物を併用する
ことにより、消臭効果が相乗的に向上する傾向が見られ
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】試験例2 メチルメルカプタン消去能の評
上記の製造例8(対照区:植物組織処理物と各抽出物を
含まないガム)、製造例9(リンゴ果実由来の植物組織
処理物とリンゴ抽出物を配合したガム)、製造例10
(リンゴ果実由来の植物組織処理物とコーヒー抽出物を
配合したガム)について、口臭の原因物質の一つである
メチルメルカプタンの消去能をガスクロマトグラフィー
により比較した。前記の製造例8乃至10のガムをそれぞ
れ凍結粉砕し、そのうちの1gを用いて評価を行った。1
9ml容の褐色ビンに水1.0ml、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)
1.5ml、悪臭物質(0.003%(W/V)メチルメルカプタンナ
トリウム水溶液)0.5ml、及び凍結粉砕したガム1gを
加えて密封後、37℃の恒温水槽中で4分間静置した後、
遠心分離(37℃、1500 g、2分間)し、上清1μlを採取し
てメチルメルカプタンの定量分析に用いた。また、同様
に37℃の恒温水槽で6分間静置した褐色ビンのヘッドス
ペース10μlを採取してメチルメルカプタンの定量分析
に用いた。ガスクロマトグラフィーは島津製作所 GC-9
A、カラムはパックドカラム ββ'-オキシジプロピオニ
トリル25%クロモゾーブW60/80 AW-DMCS-ST3.1mX3.2mm
I.D.(島津製作所)、移動相は窒素ガスを用いて上記の上
清(液相)及びヘッドスペース(気相)のメチルメルカ
プタンを定量した。メチルメルカプタン消去能を比較す
るため、正の対照区として凍結粉砕ガム1gのかわりに
銅クロロフィリン(タマ生化学社)10mgを用いて同様の
分析を行った。結果を表7に示した。なお、メチルメル
カプタン消去能は以下の式に従い消去率を算出した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】S:褐色ビンに投入したメチルメルカプタ
ンのモル数 R:反応後の褐色ビン中の気相及び液相中の総メチルメ
ルカプタンのモル数
【表7】 この結果、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ
抽出物を含まないガムに比較し、リンゴ果実由来の植物
組織処理物及びリンゴ抽出物を配合したガム、リンゴ果
実由来の植物組織処理物及びコーヒー抽出物を配合した
ガムはいずれもメチルメルカプタンの消去能が大きい事
が明らかになった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】回収した5名各々の呼気について、6名の
パネラーにより不快臭が強いものを選択する官能評価を
行った。製造例8のガム使用後の呼気と製造例9のガム
使用後の呼気の比較においては、同一人物の「製造例
8」と「製造例9」の呼気を比較するものとし、6名の
パネラーは、それぞれが5名分の「製造例8」と「製造
例9」の呼気について不快臭が強いものを選択した。全
比較数30(5名の呼気X6名のパネラー評価)のうち、
植物組織処理物と抽出物が無添加である製造例8のガム
の方が不快臭が強いと選択したパネル数の比率を無添加
ガム選択率とした。すなわち、無添加ガム選択率が高い
試験区は不快臭を除去する効果が高いといえる。製造例
8のガム使用後の呼気と製造例10のガム使用後の呼気
についても同様に評価した。結果を表8に示した。
【表8】 これにより、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリン
ゴ抽出物を含まないガムに比較し、リンゴ果実由来の植
物組織処理物及びリンゴ抽出物を配合したガム、リンゴ
果実由来の植物組織処理物及びコーヒー抽出物を配合し
たガムはいずれも不快臭を抑制する傾向が見られた。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】試験例5 メチルメルカプタン消去能の評
製造例15及び16のそれぞれのキャンディを粉砕して
1gのサンプル粉末を調製して、試験例1と同様にメチル
メルカプタンの消去能をガスクロマトグラフィーにより
測定し、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ抽
出物を含まないハードキャンディと比較した。メチルメ
ルカプタン消去能を比較するため、正の対照区としてハ
ードキャンディ粉末のかわりに銅クロロフィリン(タマ
生化学社製)10mgを用いた。結果を表10に示した。
【表10】 その結果、リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ
抽出物を含まないキャンディ(製造例15)に比較し、
リンゴ果実由来の植物組織処理物及びリンゴ抽出物を配
合したキャンディ(製造例16)はメチルメルカプタン
の消去能が大きい事が明らかになった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】試験例12 餃子の臭気・風味改良効果 豚ひき肉70g、にら0.7g、生おろしにんにく0.35gから
なる餃子の具に、リンゴ抽出物(商品名:アップルフェ
ノンSH、ニッカウヰスキー社製)70mg、及び製造例4に
記載の方法で調製した植物組織処理物700mgからなる粉
末組成物を添加して混合し、市販の餃子の皮で包み、フ
ライパンで加熱して餃子を調製し、9名のパネラーによ
る官能評価を行った。官能評価は、前記組成物を添加し
た餃子(処理区)と、 前記組成物を添加しない餃子
(対照区)とを比較して、臭みを感じないもの、及びお
いしいと感じるものを選択することとした。結果を表17
に示した。
【表17】 表17の結果より、フェノール性化合物と植物組織処理物
を含有する組成物は、餃子の肉やニンニクなどから生じ
る臭気を抑制し、さらに嗜好性を向上させた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/00 A61L 9/00 C 4C080 9/01 9/01 R B65D 65/02 B65D 65/02 E 81/26 81/26 H (72)発明者 大森 俊昭 埼玉県坂戸市千代田5−3−1 明治製菓 株式会社食料総合研究所内 (72)発明者 杉山 広 埼玉県坂戸市千代田5−3−1 明治製菓 株式会社食料総合研究所内 Fターム(参考) 2B150 AA06 AB12 DA08 DD31 3E067 AB01 BA17A BB01A BB22A CA30 GB15 3E086 BA02 BA29 BB15 CA03 4B014 GB06 GB13 GG15 GK12 GL03 GP10 4B035 LC02 LE01 LG04 LG32 LG40 LG51 LK07 LP22 4C080 AA07 BB02 CC05 CC13 CC14 HH01 HH06 JJ01 JJ06 MM31

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化還元酵素活性を有し、さらに(a)植
    物組織の破砕液を搾汁して製造されたパルプ、(b)植
    物組織の搾汁液を遠心分離して製造された不溶物画分、
    (c)植物組織の搾汁液をろ過して製造された篩別パル
    プのいずれか一つまたは複数からなる植物組織処理物、
    または(a)から(c)のいずれか一つまたは複数を乾
    燥して製造された植物組織処理物及びフェノール性化合
    物を含有することを特徴とする、消臭効果を有する飲食
    品。
  2. 【請求項2】飲食品が、ガム、タブレット、キャンデ
    ィ、グミであるところの請求項1記載の消臭効果を有す
    る飲食品。
  3. 【請求項3】酸化還元酵素活性を有し、さらに(a)植
    物組織の破砕液を搾汁して製造されたパルプ、(b)植
    物組織の搾汁液を遠心分離して製造された不溶物画分、
    (c)植物組織の搾汁液をろ過して製造された篩別パル
    プのいずれか一つまたは複数からなる植物組織処理物、
    または(a)から(c)のいずれか一つまたは複数を乾
    燥して製造された植物組織処理物及びフェノール性化合
    物を含有することを特徴とする、食品用消臭剤。
  4. 【請求項4】食品用消臭剤が、食品包装紙であるところ
    の請求項3記載の食品用消臭剤。
  5. 【請求項5】酸化還元酵素活性を有し、さらに(a)植
    物組織の破砕液を搾汁して製造されたパルプ、(b)植
    物組織の搾汁液を遠心分離して製造された不溶物画分、
    (c)植物組織の搾汁液をろ過して製造された篩別パル
    プのいずれか一つまたは複数からなる植物組織処理物、
    または(a)から(c)のいずれか一つまたは複数を乾
    燥して製造された植物組織処理物及びフェノール性化合
    物を含有する組成物を施用することを特徴とする、加工
    食品の臭気及び/又は風味の改良方法。
  6. 【請求項6】加工食品が、ゼラチンまたはその加工品、
    大豆プロテインまたはその加工品、卵加工品、魚介類加
    工品、食肉加工品、にんにく加工品、レトルト調理加工
    品である請求項5記載の臭気及び/又は風味改良方法。
  7. 【請求項7】酸化還元酵素活性を有し、さらに(a)植
    物組織の破砕液を搾汁して製造されたパルプ、(b)植
    物組織の搾汁液を遠心分離して製造された不溶物画分、
    (c)植物組織の搾汁液をろ過して製造された篩別パル
    プのいずれか一つまたは複数からなる植物組織処理物、
    または(a)から(c)のいずれか一つまたは複数を乾
    燥して製造された植物組織処理物及びフェノール性化合
    物を含有する組成物を施用することを特徴とする、人及
    び動物の口臭、又は排泄物、食品、タバコ由来の悪臭を
    低減する方法。
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