JP2002535109A5 - - Google Patents

Description

機械加工プロセスを選択することが困難なデバイスの一例は、本発明と同じ譲受人に譲渡され、１９９８年３月６日に提出され、同時継続しており、その教えが参照することによりここに導入される、米国特許出願０９／０３６，７１９号に記載されたような髄内骨固定釘である。図１Ａ−Ｂに示されるように、髄内釘１０は、長骨５の中央空洞の中へ挿入可能であり、回復が容易となるように、折れた長骨の片を比較的固定された位置に維持するのに使用される。図１Ａに示されるように、釘１０は、つぶされた形状で、骨髄（不図示）の中を通して挿入される。その後、釘１０は、例えば食塩水を用いて図１Ｂに示す広がった形状に広げられる。骨髄は圧縮されるが傷つけられない。釘１０は、好ましくはステンレススチールの単一片から作られており、縦の支持リブ１４、及び柔軟な接続用の膜（ｗｅｂ）１８を含む。

図１Ａのつぶされた形状は、曲げられた、四つ葉のクローバー配置の膜（ｗｅｂ）１８を示している。釘が広げられた後、縦のリブ１４は骨に接触、支持し、一方で、膜（ｗｅｂ）１８は比較的円筒状の形状を形成する。膜（ｗｅｂ）１８は、図１Ａのつぶされた形状から図１Ｂの広がった形状へ曲げることができなければならないから、膜（ｗｅｂ）１８は、非常に薄くて柔軟でなければならない。しかしながら、縦のリブ１４は、回復する折れた骨の支持するように設計されており、したがって、通常は、丈夫かつ比較的強固に作られる。さらに、ステンレス・スチール管の単一片から釘１０を製造することが好ましい。単に釘全体に冷間加工を施すことは勧められる選択肢ではない。リブは十分に強固になるであろうが、薄い膜（ｗｅｂ）１８は、十分に柔軟にならないであろうし、釘を広げようとしたときや、釘をつぶされた形状に折り曲げたときに、ひび割れするであろう。釘全体の焼きなましも勧められる選択肢ではない。膜（ｗｅｂ）１８は、十分に柔軟になるであろうが、リブ１４は、十分に強固とならないであろうし、折れた骨を支持するという釘の効果が弱くなるであろう。

好ましい実施形態において、髄内骨固定釘を製造するための方法が提供される。スチール管の一片が冷間加工される。次に管は、薄膜（ｍｅｍｂｒａｎｅ）又は膜（ｗｅｂ）により互いに連結された１以上の縦のリブを備えるように機械加工される。次に膜（ｗｅｂ）の部分が焼きなまされる。縦のリブは、したがって、冷間加工されたスチールの特性、つまり強さと耐久性を有し、一方で、膜（ｗｅｂ）部分は、より大きな柔軟性を備える。好ましくは、焼きなましは、電子ビーム銃により行われる。

一般的に、管２０の加工処理、及び／又は、代替の製造方法の結果として、膜（ｗｅｂ）１８及び／又はリブ１４の冶金特性は最適ではない。ここまでに記述した製造方法では、膜（ｗｅｂ）１８があまりのびず、（図１Ａのように）釘１０が折りたたまれたり、（図１Ｂのように）広げられたりした場合に、膜（ｗｅｂ）１８に亀裂が生じる可能性がある。

図４は、本発明に係る選択的焼きなまし処置の好ましい実施形態を示す。焼きなましすべき膜（ｗｅｂ）１８を加熱するために電子銃３０が備えられることが好ましい。銃３０は、好ましくはビーム３２を生成し、ビーム３２は、膜（ｗｅｂ）１８の領域に選択的に向けられる。ビームは、好ましくは、膜（ｗｅｂ）１８の表面温度を焼きなまし温度まで上昇させる。例えば、チューブ２０がＡＳＴＭ Ｆ１３８−９２による３１６Ｌグレード２のスチールからなる場合には、膜（ｗｅｂ）１８は、約１０００℃に加熱されることが好ましい。好ましくは、センサ６０が、膜（ｗｅｂ）１８の温度を測定するために、焼きなましされている膜（ｗｅｂ）１８の表面近くに配置される。後述するように、センサ６０の測定値は、好ましくは、膜（ｗｅｂ）１８が過度に加熱されていないこと（特に膜（ｗｅｂ）１８が溶かされていないこと）を保証するために、及び／又は、膜（ｗｅｂ）が焼きなましのために十分に加熱されていることを確かめるために利用される。センサ６０は、ビーム３２が直接当たる部分の温度を監視することが好ましい。上記に代えて又は上記に加えて、センサ６０は、ビーム３２は直接は当たらないが、ビームが当たる部分に隣接するために加熱され、かつ、焼きなましされる部分の温度を監視する。さらに上記に代えて又は上記に加えて、センサ６０は、膜（ｗｅｂ）１８及び／又はリブ１４の焼きなましされるべきでない領域の温度を監視し、これらの領域が焼きなましされることを防止する。好ましくは、センサ６０は、監視する領域の温度をそれらが加熱される前、及び／又は、後に測定する。上記に代えて又は上記に加えて、センサ６０は、監視する領域の温度をそれらの加熱中に測定する。

本発明の好ましい実施形態では、ビームスプリッター３４が、ビーム３２を２つ（以上）のサブビーム３６に分割することを目的として、ビーム３２の経路中に置かれる。好ましくは、サブビーム３６は、膜（ｗｅｂ）１８の全体ではないがほとんどをカバーする。好ましくは、サブビーム３６は、２つの領域５４に当たる。領域５４は、電子サブビーム３６中の電子により引き起こされる励起により直接加熱される。好ましくは、領域５４の間にあり、ビーム３２が直接当たらない中央領域５６は、領域５４において発生した熱によって間接的に焼きなまされる。ビームスプリッター３４を利用する代わりに、ビーム３２が領域５４に直接当たる。

本発明のいくつかの好ましい実施形態では、膜（ｗｅｂ）１８及び／又はリブ１４の焼きなましすべきでない所定領域が、ヒートシンク又は能動的な冷却をそれらの領域の近傍に提供することにより、冷たく維持される。本発明の好ましい実施形態において、リブ１４（及び／又は膜（ｗｅｂ）１８の一部）は、リブ１４の下側のチューブ２０の内側にヒートシンクを取り付ける、又は冷却液を供給することにより冷却される。あるいは、釘１０の一部が、好ましくは適当なマスクを利用して、アブレーション材料により被覆される。ビームがアブレーション材料に当たると、アブレーション材料がその下にある釘１０の部分をビームから保護し、及び／又は、蒸発し、そのアブレーションによりその下にある面を冷却する。なお、ビームの分割、及び／又は、冷却方法は、膜（ｗｅｂ）１８に、及び広く医療用の埋込物に、実質的にあらゆる有用なパターンをやきなましするのに利用することができる。

必須ではなく任意に、サブビーム３６が、膜（ｗｅｂ）１８と隣接する縦のリブ１４との間の境界領域５２を残すように位置決めされる。境界領域５２は、サブビーム３６の一つの位置について示されており、好ましくは、リブ１４と膜（ｗｅｂ）１８との間の境界に沿った全体に及ぶことが好ましい。境界領域５２において、ビーム３２は、膜（ｗｅｂ）１８を実質的に焼きなまさない。好ましくは、リブ１４がヒートシンクとして働き、その結果、領域５２が著しくは焼きなまされない。境界領域５２の形成は、縦のリブ１４と膜（ｗｅｂ）１８との間の境界におけるチューブ２０の弱化を防ぐ。境界領域５２が焼きなまされた場合、領域５２が著しく弱化され、そして釘１０が領域５２に沿ってひび割れることがあり得る。領域５２をやきなましをせずに維持することにより、領域５２においてより大きな曲率半径も得られる。本発明の好ましい実施形態において、釘１０を折りたたむのに使用する工具は、領域５２に面するところに配置され、その領域におけるあまりに鋭い折れ曲がりを防止する、丸い要素を含む。領域５２の大きさ及び形状は、埋込物の種類、埋込物の外形、加熱のフィードバック方法、熱源、埋込物の材料及び前処理、の１以上を恐らく含むいくつかのパラメータに依存するであろう。境界領域５２の適当なパターンは、開示内容が参照によりここに導入される、ドイツ、ゲブラウフムスタ ＤＥ １９９ ０４ ８５２ Ｕ１に記載されている。

サブビーム３６又はビーム３２は、好ましくは、一定のパルス強度および一定速度で選択された領域５４を走査する。本発明の好ましい実施形態において、サブビーム３６は、十分な加熱レベルが達成されるまで、膜（ｗｅｂ）１８上を繰り返し走査する。一定の走査速度を利用する代わりに、速度が変えられる。例えば、埋込物の不均一な部分又はヒートシンク近傍では、より大きな（又は低い）局所的な加熱を達成すべく、例えば、速度を落とす（又は加速される）。上記に代えて又は上記に加えて、要求される加熱水準を達成するために、パルス強度又はビームパターンが変えられる。パルスビームを利用する好ましい実施形態では、適切な加熱パターンを達成するために、パルス周波数、パルス形状、及び／又はオン、オフ周期の比が変えられる。

典型的な実施形態において、例えば図５に示されるように、電子銃３０（又は他の熱源）とセンサ６０との間にフィードバック制御ループが備えられる。図５は、本発明の好ましい実施形態に従い採用されたフィードバック制御システムの概略ブロック図である。電子銃３０は膜（ｗｅｂ）１８を加熱し、センサ６０は、例えば接触式又は非接触式の高温計を利用して、膜（ｗｅｂ）１８の温度を測定する。焼きなましに関しては、通常、膜（ｗｅｂ）１８は加熱されるが溶かされないことが望まれる。したがって、センサ６０は、好ましくは電子銃３０に制御ライン７０及びコントローラ７２を介して接続される。センサ６０によって検出された温度が、コントローラ７２によって設定された、予め定められた所定のしきい値に達すると、コントローラ７２から電子銃３０へ、ビーム強度を低減する（又は切る）ための信号が送られる。同様に、センサ６０によって検出された温度が低すぎる場合には、コントローラ７２から電子銃３０に、ビーム強度を増大するための信号が送られる。類似の制御メカニズムを速度およびパルス生成のパラメータとして利用することもできる。

本発明のいくつかの好ましい実施形態において、複数のセンサ６０が焼きなましを監視するのに使用される。例えば、１以上のセンサが焼きなまされた領域を監視し、一方で、他のセンサが、焼きなまされない領域の温度を監視する。本発明の好ましい実施形態では、センサによって直接監視されない膜（ｗｅｂ）１８の１以上の表面又は深さ位置の温度が、１以上の他のセンサの記録に基づいて推定される。

髄内骨固定釘１０を製造する場合、焼きなましは、好ましくは、膜（ｗｅｂ）１９の伸び率を増大させるために行われる。例えば、典型的な応用例において、縦のリブ１４は、通常、５％および２０％の間、より典型的には１０％および１５％の間の比較的低い伸び率を有する。低い伸び率は、通常それらが冷間加工をされたことに起因する。他方、焼きなまされた膜（ｗｅｂ）１８は、好ましくは、少なくとも３０％、そして好ましくは４０％、５０％、又は、６０％のようにそれ以上の伸び率でさえ上述した焼きなましのために有する。結果としてあり得る膜（ｗｅｂ）１８の低い降伏強さは、リブ１４が釘にかかるあらゆる体のひずみを支えることが意図されているから、釘１０においてあまり重要でない。

【符号の説明】
１４ リブ
１８ 膜（ｗｅｂ）
２０ 管
３０ 電子銃
３２ ビームスプリッター
５２ 境界領域
６０ センサ
７２ コントローラ
１００ 歯科用のインプラント
１２０ ワイヤ
１３２ 股関節部スクリュー
１３４ 頭部
１３８ 軸部
１５０ 股関節部スクリュー
１５４ 頭部
１５６ 軸部

Claims (1)

1. 前記焼きなましは、前記焼きなまされた部分の伸びを約１２％から増大させる、請求項１−３７のいずれかの方法。