JP2002531358A - ヨウ素化有機化合物を含有する水性溶液からのヨウ素の回収のための方法 - Google Patents

ヨウ素化有機化合物を含有する水性溶液からのヨウ素の回収のための方法

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Abstract

(57)【要約】 有機ヨウ素の鉱化及び続く形成したヨウ化物の元素のヨウ素への転換によるヨウ素化有機化合物を含有する母液又は廃液からのヨウ素の回収のための方法であって、大気圧及び沸点での鉱化工程の前に水性溶液が適切な容量に濃縮され、そして該溶液がナノ濾過によって精製されることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ヨウ素化有機化合物を含有する溶液、特に非イオン性造影剤からの
ヨウ素の回収のための新規方法に関する。
【0002】 最新の造影剤、すなわち非イオン性造影剤は、通常は2,4,6−トリヨード
−1,3−ベンゼンジカルボン酸誘導体であり、芳香環へのヨウ素原子の強い結
合を特徴とする。しかし、該結合の強度は、関与する化合物の構造によってもま
た影響される。
【0003】 環境的理由のために、流出物は、ヨウ素化有機化合物を完全に除去すべきであ
り、一方、今や希少であり高価であることから、経済的理由のために、できる限
り多くのヨウ素を回収すべきである。この場合には、経済的必要性及び環境的必
要性は、合致する。
【0004】 この問題は、この方法に関する一連の特許によって明らかなように、かねてか
ら生じている(例えば、WO98/07661;WO94/10083;NO9100001;EP106934を参照
せよ)。特に、出願人名義で1982年に出願されたEP106934は、ヨウ素の鉱化
のための方法を開示し、該方法は、過剰の100〜2500ppmの銅イオン又は
微細に分散した銅の存在下における、強アルカリ中における100〜150℃で
の、30分間〜2時間の造影剤の溶液を加熱することを含む。
【0005】 鉱化後のヨウ素の回収は、公知方法にしたがって、通常は穏やかな手段を用い
る形成したヨウ化物の酸化によって行われる。形成したヨウ素は、例えば、空気
又は蒸気流動における抽出によってか又は昇華によって回収され、そして濃縮さ
れる。ヨウ素は、水性アルカリ水酸化物での処理によって抽出溶媒(例えばトル
エン)から回収されることもでき、そして、昇華において得られたヨウ素蒸気は
、例えば、ヨウ化物−ヨウ素酸塩不均化によるアルカリ水酸化物溶液中の吸収に
よって、捕集されることもできる。
【0006】 ヨウ素は、酸性化続く不均化によってアルカリ水酸化物溶液から定量的に再生
することが公知である。
【0007】 鉱化処理の温度が造影剤のタイプに依存することは、EP106934(6頁、表)か
ら容易に示すことができる。
【0008】 新しいクラスの非イオン性化合物(すなわち、カルボキシル基がアミノアルコ
ールを有するアミドの形態である)を表す、ヨーパミドール及びメトリザミドの
製造のための条件は、イオン性化合物、すなわち芳香族環上に少なくとも1個の
酸基を有するもの(アセトリゾ酸、ジアトリゾ酸、ヨータラム酸、ヨープロン酸
、ヨーパノ酸、ヨーダミド及びアジピオドン)のそれに比べてより厳しいもので
ある。例えば、最良の結果は、2%ヨーパミドール溶液を2500ppmの銅イオ
ンの存在下において150℃に加熱するときに達成される。
【0009】 最も分散された化合物は、現在では非イオン性化合物である。その製造は、通
常は、中間工程及び最終工程の両者における溶媒、通常はアルコール性の溶媒か
らの結晶化を包含する。
【0010】 ヨウ素を回収すべき廃棄物における溶媒の存在は、上記処理の実施、特に下記
工程の実施をより困難にする。 − 少なくとも100℃で、特許の教示にしたがって鉱化処理を行うときには
、圧力下での操作を除いて、(低級アルコールのような)低沸点有機溶媒が原因
で上記温度を達成することが困難であり、 − 溶媒、特にアルコールの存在が、スクラバシステムの使用を除いて、問題
のある昇華後のヨウ素の沈殿を生じ、 − 昇華されたヨウ素を回収するための代替方法(アルカリを用いる処理そし
て続く酸性化によるヨウ素の沈殿)を用いるときには、RCOCH3/RCHO
HCH3を有する化合物の存在が原因でヨードホルムの副形成が生じる。
【0011】
【化1】
【0012】 環境的理由のために絶対に避けるべき上記反応は、ヨードホルムの沈殿を原因
とするヨウ素の回収も妨げる。 − 最終的には、鉱化後に形成されるヨウ素を酸化するために必要な酸化剤の
量の増加を必要とする。
【0013】 上記特許において明らかにされていない更なる技術的問題は、鉱化工程後の、
続く酸化工程における酸化剤の消費の原因となり、そして更に生分解性が無い点
で高い環境的影響を有する、フェノール又はキノン有機化合物が存在することで
ある。
【0014】 上記問題をEP106,934に記載されている鉱化条件下で得られる溶液を濃縮する
こと、そして酸化工程の前のナノ濾過(nanofiltration)によって該溶液を精製
することによって解決することができ、その結果処理の全体的収率を改善するこ
とが、今驚くべきことに見出された。
【0015】 したがって、本発明の目的は、(アルカリ水性溶液中の銅イオン又は微細に分
散した金属銅の存在下における)有機ヨウ素の鉱化によるヨウ素化有機化合物を
含有する多くとも95%(w/w)での有機溶媒の百分率での母液又は廃棄物から
のヨウ素の回収、続く形成されたヨウ素の元素のヨウ素への変換のための方法で
あって、鉱化後の水性溶液が、大気圧下そして沸点で濃縮され、続いてナノ濾過
に付されることを特徴とする方法である。
【0016】 この方法は、ヨーパミドール、ヨーヘキソール、ヨープロミド、ヨーキシラン
、ヨーメプロール、ヨーペントール、ヨーベルソールのような非イオン性ヨウ素
化造影剤の溶液の処置のために特に適している。本発明の方法は、上記条件を満
たせば、イオン性造影剤に適用することもできる。この場合においては、処理す
べき化合物又は廃棄物、及び合成工程に依存して水性又は有機溶媒溶液が存在す
るであろう。
【0017】 この溶液は、好ましくは、出発容量の85%〜25%(w/w)を範囲とする容
量に調整される。上記手順は、場合により溶媒の存在下における、イオン性又は
非イオン性造影剤の合成からの廃棄物溶液に対して容易に適用可能であり、そし
て存在する有機分子の破壊及びあらゆる溶媒の除去によって、CODを20,0
00〜40,000mg/lの値から4,000〜9,000mg/lに減らすことを可
能にする。
【0018】 本発明の鉱化方法の条件は、EP106,934に開示されている条件と同一である。
【0019】 銅触媒は、100〜3000ppm、好ましくは500〜1000ppmの量で加え
られ、そしてpHは、全鉱化工程の間中12に保たれる。
【0020】 本発明の方法は、溶液の加熱、及び沸点でのそして大気圧下で脱ヨウ素化され
ることを含む。
【0021】 もちろん、これは、 − アルコール性溶媒の多くとも95%(w/w)含有量での2%〜10%(w/w
)の濃度における、ヨーパミドール、ヨーメプロール、ヨーヘキソール、メトリ
ザミドの溶液又は一般的非イオン性造影剤の溶液を鉱化するための4〜6時間、 下記の最大含有量(w/w):2−ブタノール20%、メチルクロロホルム5%
、n−酢酸ブチル4%、n−ドデカン3%(w/w)及びtert−ブタノール30%
での、3%〜15%のヨウ素化中間体を含有するヨーパミドール中間体の製造か
らの母液の溶液を鉱化するための2〜3時間、 のようなある程度長い時間を包含する。上記のように、本発明の方法は、別のイ
オン性造影剤、例えば: − 3,5−アセチルアミノ−2,4,6−トリヨード−安息香酸ナトリウム
塩(DIAC)、アセトリゾ酸(3−アセトアミノ−2,4,6−トリヨード安
息香酸); − アジピオン(3,3′−〔(1,6−ジオキソ−1,6−ヘキサンジイル
)ジイミノ〕−ビス−2,4,6−トリヨード安息香酸); − ヨードサミ酸(3,3′−〔(1,16−ジオキソ−4,7,10,13
−テトラオキサヘキサデカン−1,16−ジイル)ジイミノ〕−ビス−2,4,
6−トリヨード安息香酸); − ヨータラミ酸(3−(アセチルアミノ)−2,4,6−トリヨード−5−
〔(メチルアミノ)カルボニル〕−安息香酸); − ヨープロン酸(2−〔2−〔3−(アセチルアミノ−2,4,6−トリヨ
ード−フェノキシ)エトキシ〕メチル〕ブタン酸); − ヨーパノ酸、3−アミノ−α−エチル−2,4,6−トリヨードベンゼン
プロピオン酸 の製造サイクルの母液のために用いることもできる。
【0022】 上記特許は、有機溶媒のいかなる濃縮又は除去工程も予見していない(実施例
1、2、4、5、7、27、55を参照せよ)。
【0023】 実施例3及び6において、非イオン性造影剤(ヨーパミドール及びメトリザミ
ド)に関しては、130〜150℃で1時間の鉱化を行うために、オートクレー
ブ又は密封容器を使うことさえも必要とする。
【0024】 逆に言えば、本発明の方法の特徴は、大気圧下での濃縮工程であって、オート
クレーブの使用を回避し、105〜120℃で存在する固体を原因とする沸点上
昇を利用し、そして2〜6時間だけ工程の期間を増加させる。溶液が沸点上昇を
保証するために溶解された塩を含有しないときには、硫酸ナトリウム及び/又は
塩化ナトリウムを、そのような効果を生じるために加えることができる。加える
べき量は、鉱化すべき混合物に依存する。
【0025】 このように操作すると、あらゆる存在する溶媒は、ヨウ素の鉱化を行っている
間に直接的にか又は蒸気流動蒸留のいずれかによって除去される。
【0026】 これは、すでに記載されたように、最終的な結晶化を含みそしてヨードホルム
を生じることができる非イオン性造影剤の製造のための方法において最も用いら
れる溶媒である低級アルコールの場合に特に重要である。
【0027】 更に、ヨウ化ナトリウムに比べて溶けにくいいくつかの無機塩を除去すること
を可能にする場合に特に有用である、続く工程に供給されるべき溶液が濃縮され
る。
【0028】 この単純な操作は、生分解性の増加を与える汚染物質の有意な減少を提供する
。例えば、ヨーパミドールの製造廃棄物中の25,000mg/lのCOD及び1,
500mg/lのBODから出発すると、溶液を、鉱化の終わりに7,000のCO
D及び3,500のBODで得ることができる。この減少は、溶媒の除去及び芳
香族分子の部分的分解を原因とする。
【0029】 濃縮工程において沈殿させることができる溶解性の乏しい塩類化合物の高濃度
が存在するときに(特にNa2SO4・10H2Oの沈殿が生じることができる)
、鉱化後の溶液の濾過工程及び濃縮工程を包含することもできる。
【0030】 濾過は、溶液中に存在するイオン性化合物の部分を除去するという利点を提供
し、これによって続くナノ濾過工程における浸透圧を低減する。
【0031】 鉱化、濃縮及び場合による濾過後の溶液は、ナノ濾過によって精製される。こ
の操作は、2つの工程: 1.溶液のナノ濾過; 2.透過溶液を鉱化工程の前におよその出発容量に調節するための水の添加に
よるダイアフィルトレーション において行われる。
【0032】 本発明のこの方法は、驚くべきことに、精製した画分により一般的である、こ
の技術を滞留ではなく浸透を保つこと用いる。この場合において、ヨウ素が回収
された溶液は、主にヨウ化ナトリウムを含有し、高分子有機物質から精製された
、及び硫酸ナトリウム及びあらゆる亜硫酸ナトリウムから精製された浸透液であ
る。
【0033】 浸透液のヨウ素濃度は、銀滴定による測定で0.6〜1.4%に及ぶ。
【0034】 固体ヨウ素の回収のための最終工程は、上記のとおりに通常に行われる。
【0035】 特に好ましいのは、主に還元された産物が水である場合の、室温又は高温(2
0〜50℃)での、50%w/w硫酸の添加によるpH0.5〜1.5での、酸化剤
としての過酸化水素の使用である。
【0036】 有機分子のほとんど完全な不在は、必要な酸化剤の量を有利に低減する。実際
に、本発明の過程において、化学量論量に対し僅かに過剰(5〜15%)なだけ
が予見される。
【0037】 酸化は、酸化可能な副産物が全く存在しないときは、実質的には瞬時であり、
白金電極を有する過酸化−酸化還元(ox-redox)電位を測定することによってモ
ニターされる。
【0038】 この反応は、480〜540mVの塩化第一水銀相対電位で完了されると思われ
る。
【0039】 最後の工程は、2つの方法によるヨウ素の回収である。 1.NaClのみが溶液に存在する点で先行技術に反して可能である、沈殿し
たヨウ素の濾過。沈殿収率を改善するために、この溶液は、酸化の前に出発容量
の30〜50%に濃縮され、約3%ヨウ素含量を保証する。全収率は、理論的に
約88〜90%である。 2.蒸気流動中の沈殿したヨウ素の昇華、I-/IO3 -として3.5%のヨウ
素最大濃度での、アルカリ中の吸収、及び酸性化による沈殿。この場合において
、全収率は、理論的に約90〜95%である。
【0040】 本発明の更なる側面によると、ヨウ素の酸化及び回収は、単一工程において行
われる。
【0041】 ナノ濾過工程からの浸透液は、20℃〜50℃に及ぶ温度で、50%硫酸でpH
0.5〜1に酸性化される。該溶液は、連続抽出器に供給され、制御して酸化剤
を添加し、完全な酸化及び抽出のために十分な持続時間を保証する。ヨウ素は、
(トルエン、メチルtert−ブチルエーテル、ドデカンのような)適切な溶媒を用
いて抽出される。このようにしてヨウ化物は、ヨウ素に酸化され、そして単一の
工業的操作において水性溶液から抽出される。ヨウ素は、塩基を用いる処理によ
って溶媒から抽出され、次にすでに上述したとおりに回収される。この場合にお
いて、全収率は、理論的に約93〜96%である。
【0042】 下記の実施例は、本発明の方法を行うための最適の実験的条件を説明する。
【0043】
【実施例】
実験部分 実施例1 有機溶媒(2−ブタノール、酢酸ブチル、ジグリム、tert−ブタノール、ドデ
カン)約4%(w/w)、2,4,6−トリヨード−5−アミノ−1,3−ベンゼ
ンジカルボン酸約0.4%、ヨーパミドール0.9%及びその副産物(混合物の
ヨウ素含量は0.75%(w/w)である)を含有するヨーパミドールの製造から
の排液の混合物30kgを30%NaOH(w/w)でpH12に調整した。CuSO4 ・5H2O5gを加え、この混合物を大気圧下で出発重量の約80%まで濃縮し
;次に、この反応混合物を灌流し、鉱化を完了し、全蒸留及び灌流時間は6時間
であった。
【0044】 鉱化収率は、100%であった(有機ヨウ素中の出発含量と比べた、銀滴定に
よるヨウ素含量で測定した)。
【0045】 濃縮した溶液を冷却まで置き、そして50%H2SO4でpH7に緩衝し、次に2
5〜30barの操作的圧力での、Separem membrane mod Desal5(DK2521T
)を用いるナノ濾過に付した。この溶液を滞留容量を実質的に一定を保ちつつ、
水を加えて、ダイアフィルターした(約30lの水を加えた)。回収された透過
液(30l)を大気圧下で12lまで濃縮し、次に、50%H2SO4(w/w)でpH
1に酸性化し、そして室温で30%H22で処理し、溶液の酸化還元電位をモニ
ターした。520mV電位に達したとき、この反応を完了した。沈殿した元素のヨ
ウ素を多孔性隔壁による濾過によって回収した。
【0046】 元素のヨウ素198gを得た(この過程の全収率は、88%)。
【0047】 実施例2 有機溶媒(2−ブタノール、酢酸ブチル、ジグリム、tert−ブタノール、ドデ
カン)約4%(w/w)、2,4,6−トリヨード−5−アミノ−1,3−ベンゼ
ンジカルボン酸約0.4%(w/w)、ヨーパミドール0.9%(w/w)及びその副
産物(混合物のヨウ素含量は0.70%(w/w)である)を含有するヨーパミド
ールの製造からの排液の混合物40kgを30%NaOH(w/w)でpH12に調整
した。CuSO4・5H2O6gを加え、この混合物を大気圧下で出発重量の約3
0%まで濃縮し;次に、この反応混合物を灌流し、鉱化を完了し、全蒸留及び灌
流時間は8時間であった。
【0048】 鉱化収率は、100%であった(有機ヨウ素中の出発含量と比べた、銀滴定に
よるヨウ素含量で測定した)。
【0049】 濃縮した溶液を15℃で2時間冷却まで置き、そして沈殿した塩を多孔性隔壁
で濾過した。この溶液を50%H2SO4(w/w)でpH7に緩衝し、次に25〜3
0barの操作的圧力での、Separem membrane mod Desal5(DK2521T)を用
いるナノ濾過に付した。この溶液を滞留容量を実質的に一定を保ちつつ、水を加
えて、ダイアフィルターした(約28lの水を加えた)。
【0050】 浸透液中のヨウ素の回収は、ナノ濾過の前の溶液中に存在したヨウ素と比べて
99%であった。
【0051】 回収された透過液(30l)を、50%H2SO4(w/w)でpH1に酸性化した。
得られた溶液を連続酸化抽出システム内で、室温(25℃)で酸化した。酸化は
、pH1で、浸透液に30%H22(w/w)を送って行った。次に、この水性溶液
を連続実験室抽出機に送り、そして元素のヨウ素を形成し、続いて酸化物をドデ
カンで抽出した。用いた30%H22の量を、530mVに電位を保ちながら、抽
出機の頭部で直接酸化還元電位をモニターして明らかにした。用いた容量比は、
ドデカン3l対水性溶液1lであった。有機相90lを回収した。
【0052】 ヨウ素の抽出収率は、ナノ濾過からの透過溶液中に存在するヨウ素の量と比べ
て98%であった。
【0053】 有機相を、水性アルカリ溶液(有機相16lに対し1lの容量比における30%
NaOH(w/w))と一緒に連続システムにおける抽出に再度付した。得られた
アルカリ性溶液(5.6l)を50%H2SO4(w/w)でpH1に酸性化した。沈殿
した元素のヨウ素を濾過によって回収した。
【0054】 ヨウ素257gを得た(この過程の全収率92%)。
【0055】 実施例3 有機溶媒(2−ブタノール及びtert−ブタノール)約30%(w/w)、2,4
,6−トリヨード−5−アミノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸約10%(w/w
)、ヨーパミドール約4%(w/w)及びその副産物(混合物のヨウ素含量は8.
76%(w/w)である)を含有するヨーパミドールの製造からの排液の混合物4
0kgを30%NaOH(w/w)でpH12に調整した。CuSO4・5H2O75g
を加え、この混合物を大気圧下で出発重量の約30%まで濃縮し、次に、この反
応混合物を灌流し、鉱化を完了し、全蒸留及び灌流時間は8時間であった。
【0056】 鉱化収率は、100%であった(有機ヨウ素中の出発含量と比べた、銀滴定に
よるヨウ素含量で測定した)。
【0057】 濃縮した溶液を15℃で2時間冷却まで置き、そして沈殿した塩を多孔性隔壁
で濾過した。この溶液を50%H2SO4(w/w)でpH7に緩衝し、次に25〜3
0barの操作的圧力での、Separem membrane mod Desal5(DK2521T)を用
いるナノ濾過に付した。この溶液を滞留容量を実質的に一定を保ちつつ、水を加
えて、ダイアフィルターした(約40lの水を加えた)。
【0058】 浸透液中のヨウ素の回収は、ナノ濾過の前の溶液中に存在したヨウ素と比べて
99%であった。
【0059】 回収された透過液(40l)を、50%H2SO4(w/w)でpH1に酸性化した。
得られた溶液を連続酸化抽出システム内で、室温(25℃)で酸化した。酸化は
、pH1で、浸透液に30%H22(w/w)を送って行った。次に、この水性溶液
を連続実験室抽出機に送り、そして元素のヨウ素を形成し、続いて酸化物をドデ
カンで抽出した。用いた30%H22の量を、530mV電位に達したとき酸化が
終わったと考えて酸化還元電位をモニターすることによって明らかにした。用い
た容量比は、ドデカン3対水性溶液1であった。有機相120lを回収した。
【0060】 ヨウ素の抽出収率は、ナノ濾過からの透過溶液中に存在するヨウ素の量と比べ
て98%であった。
【0061】 有機相を、水性アルカリ溶液(有機相20lに対し1lの容量比における30%
NaOH(w/w))と一緒に連続システムにおける抽出に再度付した。得られた
アルカリ性溶液(6l)を50%H2SO4(w/w)でpH1に酸性化した。沈殿した
元素のヨウ素を濾過によって回収した。
【0062】 ヨウ素3225gを得た(この過程の全収率92%)。
【0063】 実施例4 2−ブタノール約20%(w/w)(混合物のヨウ素含量は1.54%(w/w)で
ある)を含有するヨーパミドール結晶化の母液20kgを、30%NaOH(w/w
)でpH12に調整した。CuSO4・5H2O75gを加え、この混合物を大気圧
下で出発重量の約50%まで濃縮し、次に、この反応混合物を灌流し、鉱化を完
了し、全蒸留及び灌流時間は6時間であった。
【0064】 鉱化収率は、100%であった(有機ヨウ素中の出発含量と比べた、銀滴定に
よるヨウ素含量で測定した)。
【0065】 濃縮した溶液を冷却まで置き、そして50%H2SO4(w/w)でpH7に緩衝し
、次に25〜30barの操作的圧力での、Separem membrane mod Desal5(DK2
521T)を用いるナノ濾過に付した。この溶液を滞留容量を実質的に一定を保
ちつつ、水を加えて、ダイアフィルターした(約20lの水を加えた)。回収さ
れた透過液(20l)を大気圧下で10lに濃縮し、次に50%H2SO4(w/w)
でpH1に酸性化し、そして室温で30%H22で処理し、溶液の酸化還元電位を
モニターし、530mV電位に達したときこの反応を完了した。元素のヨウ素を多
孔性隔壁による濾過によって回収した。
【0066】 元素のヨウ素277gを得た(この過程の全収率90%)。
【0067】 実施例5 有機溶媒(2−ブタノール及びtert−ブタノール)約15%(w/w)、2,4
,6−トリヨード−5−アミノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸約10%(w/w
)、ヨーパミドール約4%(w/w)及びその副産物(混合物のヨウ素含量は2.
5%(w/w)である)を含有するヨーパミドールの製造からの排液の混合物40k
gを30%NaOH(w/w)でpH12に調整した。CuSO4・5H2O75gを加
え、この混合物を大気圧下で出発重量の約30%まで濃縮し、次に、この反応混
合物を灌流し、鉱化を完了し、全蒸留及び灌流時間は6時間であった。
【0068】 鉱化収率は、100%であった(有機ヨウ素中の出発含量と比べた、銀滴定に
よるヨウ素含量で測定した)。
【0069】 濃縮した溶液を15℃で1時間冷却まで置き、そして沈殿した塩を多孔性隔壁
で濾過した。この溶液を50%H2SO4(w/w)でpH7に緩衝し、次に25〜3
0barの操作的圧力での、Separem membrane mod Desal5(DK2521T)を用
いるナノ濾過に付した。この溶液を滞留容量を実質的に一定を保ちつつ、水を加
えて、ダイアフィルターした(約40lの水を加えた)。
【0070】 浸透液中のヨウ素の回収は、ナノ濾過の前の溶液中に存在したヨウ素と比べて
99%であった。
【0071】 回収された透過液(40l)を、大気圧下で20lに濃縮し、次に、50%H2
SO4(w/w)でpH1に酸性化し、そして室温で30%H22(w/w)で処理し、
この溶液の酸化還元電位をモニターした。540mV電位に達したとき、この反応
を完了した。沈殿した元素のヨウ素を蒸気流動の昇華によって分離し、そしてヨ
ウ素濃度3.5%のI-/IO3 -の形態で30%NaOH(w/w)中に吸収した。
得られたアルカリ性溶液を50%H2SO4(w/w)でpH1に調整した。沈殿した
元素のヨウ素を濾過によって回収した。
【0072】 ヨウ素910gを得た(この過程の全収率91%)。
【0073】 有機溶媒(2−ブタノール及びtert−ブタノール)約5%(w/w)、2,4,
6−トリヨード−5−アミノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸約20%(w/w)
、ヨーパミドール約20%(w/w)及びその副産物(混合物のヨウ素含量は21
.5%(w/w)である)を含有するヨーパミドールの製造からの製造排液30kg
を30%NaOH(w/w)でpH13に調整した。CuSO4・5H2O145gを
加え、この混合物を大気圧下で出発重量の約60%まで濃縮し、次に、この反応
混合物を灌流し、鉱化を完了し、全蒸留及び灌流時間は8時間であった。
【0074】 鉱化収率は、100%であった(有機ヨウ素中の出発含量と比べた、銀滴定に
よるヨウ素含量で測定した)。
【0075】 濃縮した溶液を冷却まで置き、そして50%H2SO4(w/w)でpH7に緩衝し
た。得られた中性溶液を、次に25〜30barの操作的圧力での、Separem membr
ane mod Desal5(DK2521T)を用いるナノ濾過に付した。この溶液を滞留
容量を実質的に一定を保ちつつ、水を加えて、ダイアフィルターした(約50l
の水を加えた)。
【0076】 浸透液中のヨウ素の回収は、ナノ濾過の前の溶液中に存在したヨウ素と比べて
99%であった。
【0077】 回収された透過液(50l)を、大気圧下で20lに濃縮し、次に、50%H2
SO4(w/w)でpH1に酸性化し、そして室温で30%H22(w/w)で処理し、
この溶液の酸化還元電位をモニターした。550mV電位に達したとき、この反応
を完了した。沈殿した元素のヨウ素を濾過によって回収した。
【0078】 ヨウ素5740gを得た(この過程の全収率91%)。
【0079】 実施例7 有機溶媒(n−ブタノール及びエタノール)約10%(w/w)、2,4,6−
トリヨード−5−アミノ−1,3−ベンゼンジカルボン酸及び2,4,7−トリ
ヨード−3,5−アセトアミド安息香酸約10%(w/w)、ヨーメプロール約4
%(w/w)及びその副産物(混合物のヨウ素含量は8.76%(w/w)である)を
含有するヨーメプロールの製造からの排液及び2,4,7−トリヨード−3,5
−アセトアミド安息香酸ナトリウム塩40kgを、30%NaOH(w/w)でpH1
3に調整した。CuSO4・5H2O80gを加え、この混合物を大気圧下で出発
重量の約30%まで濃縮し、次に、この反応混合物を灌流し、鉱化を完了し、全
蒸留及び灌流時間は8時間であった。
【0080】 鉱化収率は、100%であった(有機ヨウ素中の出発含量と比べた、銀滴定に
よるヨウ素含量で測定した)。
【0081】 濃縮した溶液を15℃で2時間冷却まで置き、そして沈殿した塩を多孔性隔壁
で濾過した。この溶液を50%H2SO4(w/w)でpH7に緩衝し、次に25〜3
0barの操作的圧力での、Separem membrane mod Desal5(DK2521T)を用
いるナノ濾過に付した。この溶液を滞留容量を実質的に一定を保ちつつ、水を加
えて、ダイアフィルターした(約45lの水を加えた)。
【0082】 浸透液中のヨウ素の回収は、ナノ濾過の前の溶液中に存在したヨウ素と比べて
99.5%であった。
【0083】 回収された透過液(45l)を50%H2SO4(w/w)でpH1に酸性化した。得
られた溶液を室温で溶液に30%H22(w/w)添加して酸化した。用いた30
%H22の量を、530mV電位に達したとき酸化が終わったと考えて酸化還元電
位をモニターすることによって明らかにした。混合物を約3時間5℃に冷却し、
沈殿したヨウ素を濾過によって回収した。
【0084】 ヨウ素3225gを得た(この過程の全収率97%)。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年11月8日(2000.11.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ペレット,イラリア イタリア国、イ−20134 ミラノ、ヴィ ア・エ・フォッリ、50、ブラッコ エッセ ピ ア (72)発明者 インカンデラ,サルヴァトーレ イタリア国、イ−20134 ミラノ、ヴィ ア・エ・フォッリ、50、ブラッコ エッセ ピ ア (72)発明者 ヴィスカルディ,カルロ・フェリース イタリア国、イ−20134 ミラノ、ヴィ ア・エ・フォッリ、50、ブラッコ エッセ ピ ア Fターム(参考) 4D006 GA04 GA06 KA02 KA12 KB30 PA01 PB08 PC41 4D034 AA26 BA01 CA12 4D050 AA13 AB44 BB09 BD08 CA09 CA20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ヨウ素の鉱化及び続く形成されたヨウ化物の元素のヨウ
    素への転換による、ヨウ素化有機化合物を含有する母液又は廃棄物からのヨウ素
    の回収のための方法であって、大気圧下及び沸点で、水性溶液が鉱化工程の前に
    適切な容量に濃縮されること、及び該溶液がナノ濾過によって精製されることを
    特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 有機ヨウ素の鉱化が、pH12での、100〜3000ppmの
    量の、アルカリ水性溶液中の銅イオン又は微細に分散した金属銅の添加によって
    行われる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 銅の量が、500〜1000ppmの範囲である、請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 脱ヨウ素化すべき溶液の濃縮工程が、大気圧下及び沸点で2
    〜6時間行われる、請求項1〜3記載の方法。
  5. 【請求項5】 用いる酸化剤が、過酸化水素である、請求項1〜4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 ヨウ素の酸化及び回収が、単一工程で行われる、請求項1〜
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】 ナノ濾過からの透過液が、20℃〜50℃の範囲の温度で、
    50%硫酸でpH0.5〜1に酸性化され、そして得られた溶液が酸化剤を制御し
    て供給する連続抽出機に供給され、完全な酸化のために十分な実行時間及び適切
    な溶媒を用いるヨウ素の抽出を保証する、請求項6記載の方法。
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