JP2002373898A - スイッチング素子およびその製造方法ならびに半導体装置およびその製造方法ならびに電気光学装置およびその製造方法ならびに固体撮像装置およびその製造方法 - Google Patents

スイッチング素子およびその製造方法ならびに半導体装置およびその製造方法ならびに電気光学装置およびその製造方法ならびに固体撮像装置およびその製造方法

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典▲ひろ▼ 久須本
Hisayoshi Yamoto
久良 矢元
Hideo Yamanaka
英雄 山中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランジスタ間のスイッチング特性のばらつ
きが非常に少なく、回路基板上に配置したときにその占
有面積を極めて小さくすることができ、電気絶縁性の高
い基板を用いることにより高耐圧でしかもトランジスタ
間の電気的干渉が非常に起こりにくいスイッチング素子
を実現する。 【解決手段】 段差を設けたガラス基板1上に非晶質シ
リコン薄膜を形成し、高圧水銀ランプ光を照射して段差
をシードとするグラフォエピタキシャル成長を起こさせ
て多結晶または単結晶シリコン薄膜4を形成し、これを
用いて多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn
形成する。これらのTFTQ1 〜Qn の閾値電圧は順次
高くなるように設定し、共通のゲート電極8に鋸歯状波
形のゲート電圧を印加してこれらのTFTを順次スイッ
チングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スイッチング素
子およびその製造方法ならびに半導体装置およびその製
造方法ならびに電気光学装置およびその製造方法ならび
に固体撮像装置およびその製造方法に関し、例えば、液
晶ディスプレイや電荷結合素子(CCD)に適用して好
適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶ディスプレイ(LCD)にお
ける水平および垂直の駆動回路においては、各走査線
(スキャンライン)毎にパワーMOSトランジスタなど
のスイッチング素子を配置し、これらのスイッチング素
子を順次オンすることにより駆動を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のパワーMOSト
ランジスタなどのスイッチング素子は、走査線間でスイ
ッチング特性のばらつきが少ないことや高耐圧であるこ
となどが要求されるが、これらの要求を満たすことはコ
ストなどの点で必ずしも容易でなかった。また、各走査
線毎にスイッチング素子を配置しているため、走査線の
数が多くなると、スイッチング素子が基板回路上の多く
の面積を占有するようになり、これが大画面化の障害に
なっていた。
【0004】したがって、この発明が解決しようとする
課題は、トランジスタ間のスイッチング特性のばらつき
が非常に少なく、回路基板上に配置したときにその占有
面積を極めて小さくすることができ、電気的絶縁性の高
い基板を用いることにより高耐圧でしかもトランジスタ
間の電気的干渉が非常に起こりにくいスイッチング素
子、このスイッチング素子あるいはこれと同様な構成の
素子を有する半導体装置および液晶ディスプレイなどの
電気光学装置ならびにそれらの製造方法を提供すること
にある。
【0005】一方、従来の固体撮像装置は単結晶シリコ
ン基板を用いたものであり、その製造には900℃以上
の高温プロセスが不可欠である。このため、低温プロセ
スによる固体撮像装置の実現が望まれていた。したがっ
て、この発明が解決しようとする他の課題は、低温プロ
セスでガラス基板などの絶縁性基板上に形成された多結
晶または単結晶のシリコン薄膜を用いた固体撮像装置お
よびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術が
有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。以
下にその概要を説明する。
【0007】すなわち、本発明者は、従来のように走査
線毎に個別素子としてのスイッチング素子を設けるので
はなく、一つの基板上にシリコン薄膜を形成し、このシ
リコン薄膜をパターン化して複数のシリコン薄膜を形成
し、これらのシリコン薄膜を用いて例えば走査線の本数
に相当する個数の薄膜トランジスタ(TFT)をモノリ
シックに形成し、これを集積スイッチング素子として用
いることを考えた。このようにすれば、TFTからなる
スイッチング素子間のスイッチング特性のばらつきを非
常に少なくすることができるとともに、スイッチング素
子が基板回路上に占める面積を大幅に減少させることが
できる。また、電気的絶縁性の高い基板(ガラス基板や
石英基板など)を用いることにより、各シリコン薄膜が
島状になって互いに独立していることと相まって、各T
FTの高耐圧化を図ることができるとともに、TFT間
の電気的干渉が原理的に起こりにくくなる。
【0008】ところで、シリコン薄膜の結晶性の改善方
法、具体的には、例えば非晶質シリコン薄膜を溶融再結
晶化などにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜とす
る方法としてエキシマーレーザーアニール(ELA)が
従来より多く用いられているが、この方法には、得られ
るシリコン薄膜の膜質の安定性が悪いという欠点があ
る。
【0009】本発明者は、この欠点を解消するため、使
用光源および結晶化法の両面から鋭意検討を行った。そ
の結果、シリコン薄膜の結晶性の改善を良好な膜質の安
定性を得つつ達成するためには、エキシマーレーザー光
に代えて、高圧水銀ランプ光や高圧キセノン−水銀ラン
プ光などに代表される、少なくともシリコンの光吸収係
数が非常に大きい紫外域の波長の光を含むランプ光、取
り分けこのランプ光を集光した光を用いることが有効で
あることを見い出した。また、単にこのようなランプ光
を用いるだけではなく、シリコン薄膜を形成する下地基
板として主面に段差を設けたものを用い、その上に非晶
質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に上
記のランプ光を照射して加熱または溶融して再結晶化を
行い、上記段差をシードとしてシリコン薄膜をグラフォ
エピタキシャル成長させることが有効であることを見い
出した。これによれば、電気的絶縁性が高い基板上に良
好な結晶性の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を良好
な膜質安定性で形成することができる。そして、このよ
うな結晶性が良好な多結晶または単結晶のシリコン薄膜
を用いて上述のスイッチング素子としてのTFTを形成
すれば、従来のパワーMOSトランジスタに匹敵する性
能を有するスイッチング素子を実現することが可能であ
る。
【0010】一方、低温で非晶質シリコン薄膜を形成す
る方法としてはプラズマCVD法が一般的であるが、こ
の方法により得られる非晶質シリコン薄膜中には多量の
水素が含まれるほか、プラズマによる損傷が生じること
から、これらが非晶質シリコン薄膜の結晶化などに悪影
響を与えることが問題となる場合もあり得る。このよう
な問題のない非晶質シリコン薄膜の形成方法として触媒
CVD法が知られており、近年注目されている(例え
ば、応用物理第66巻第10号(1997)p.109
4)。ところが、本発明者が種々実験を行った結果によ
れば、従来の触媒CVD法を用いて低温でシリコン薄膜
を成長させた場合には、従来のCVD法により成長させ
た場合に比べて成長層に酸素が取り込まれやすく、得ら
れるシリコン薄膜中の酸素濃度が数原子%(at%)を超
えることがあり、これは原子濃度に換算すると少なくと
も5×1020原子/cm3 (atoms/cc) 以上となる。シ
リコン中の酸素の固溶限界は2.5×1018atoms/ccで
あるから(例えば、半導体ハンドブック、第2版、pp.1
28-129、柳井久義監修、オーム社、昭和52年)、この
酸素濃度は、シリコン中の酸素の固溶限界2.5×10
18atoms/ccをはるかに超える値である。このように固溶
限界以上の酸素がシリコン中に含有されると、酸素は酸
化シリコンを形成して析出するので、シリコン結晶粒の
外周に酸化物薄膜が形成されたり、さらに酸素が増加す
ると酸化物粒が形成されたりするため、この非晶質シリ
コン薄膜の結晶化によって高品質の多結晶または単結晶
のシリコン薄膜を得ることは困難である。
【0011】そこで、本発明者は、酸素濃度が低いシリ
コン薄膜を形成すべく、触媒CVD法によりシリコン薄
膜を成長させるときの条件の探索を行った。
【0012】すなわち、触媒CVD法を用い、低温(例
えば、100〜600℃)で、プロセス条件を種々に変
えてシリコン薄膜を成長させ、その評価を行う実験を繰
り返し行った結果、触媒CVD法を用いて低酸素濃度の
シリコン薄膜を成長させるには、従来のCVD法と比べ
て、気相の成長雰囲気の圧力や成長雰囲気中の酸素、水
分の分圧などの条件が全く異なることを見い出した。具
体的には、少なくとも成長初期に成長雰囲気の全圧を従
来の触媒CVD法よりもずっと低圧で、具体的には1.
33×10-3Pa以上4Pa(0.01mTorr以上
30mTorr以下)に設定することにより、最大酸素
濃度が3×1018atoms/cc(0.0006at%)以下と
極めて低いシリコン薄膜を成長させることができること
がわかった。また、少なくとも成長初期に成長雰囲気に
おける酸素および水分の分圧を6.65×10-10 Pa
以上2×10-6Pa以下(0.005×10-6mTor
r以上15×10-6mTorr以下)に設定することに
よっても、同様に最大酸素濃度が3×1018atoms/cc
(0.0006at%)以下と極めて低いシリコン薄膜を
成長させることができることがわかった。この酸素およ
び水分の分圧は、反応ガス中に合計0.5ppm程度の
酸素および水分が含有されていることから求めることが
できるものである。
【0013】この発明は、本発明者による上記の検討に
基づいてさらに検討を重ねた結果、案出されたものであ
る。
【0014】すなわち、上記課題を解決するために、こ
の発明の第1の発明は、基板の段差を有する主面上に形
成された非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長
の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより形
成され、かつ、所定形状にパターン化された複数の多結
晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、複数の多結晶ま
たは単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジス
タが形成されていることを特徴とするスイッチング素子
である。
【0015】この発明の第2の発明は、基板の段差を有
する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、非
晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含む
ランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して複数
の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程
と、複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
れに薄膜トランジスタを形成する工程とを有することを
特徴とするスイッチング素子の製造方法である。
【0016】この発明の第3の発明は、基板の段差を有
する主面上に形成された非晶質シリコン薄膜に少なくと
も紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化す
ることにより形成され、かつ、所定形状にパターン化さ
れた複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに
薄膜トランジスタが形成されていることを特徴とする半
導体装置である。
【0017】この発明の第4の発明は、基板の段差を有
する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、非
晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含む
ランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して複数
の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程
と、複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
れに薄膜トランジスタを形成する工程とを有することを
特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0018】この発明の第5の発明は、基板の段差を有
する主面上に形成された非晶質シリコン薄膜に少なくと
も紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化す
ることにより形成され、かつ、所定形状にパターン化さ
れた複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに
薄膜トランジスタが形成されていることを特徴とする電
気光学装置である。
【0019】この発明の第6の発明は、基板の段差を有
する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、非
晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含む
ランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して複数
の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程
と、複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
れに薄膜トランジスタを形成する工程とを有することを
特徴とする電気光学装置の製造方法である。
【0020】この発明の第7の発明は、基板の段差を有
する主面上に形成された非晶質シリコン薄膜に少なくと
も紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化す
ることにより形成された多結晶または単結晶のシリコン
薄膜を有し、多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用い
て受光素子および周辺回路の薄膜トランジスタが形成さ
れていることを特徴とする固体撮像装置である。
【0021】この発明の第8の発明は、基板の段差を有
する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、非
晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含む
ランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を用いて受光素子および周辺回路
の薄膜トランジスタを形成する工程とを有することを特
徴とする固体撮像装置の製造方法である。
【0022】この発明において、「単結晶のシリコン薄
膜」には、亜粒界を含むものも含まれるものとし、さら
には、結晶粒径が十分に大きく、少なくともチャンネル
領域については単結晶シリコンとほぼ同一視することが
できる多結晶シリコン薄膜も含まれるものとする。
【0023】非晶質シリコン薄膜を形成する基板は必要
に応じて選ぶことができるが、好適には電気的絶縁性の
高い基板、具体的には、例えばホウケイ酸素ガラスなど
のガラス基板、石英ガラス基板、結晶化ガラスなどの耐
熱性ガラス基板などのほか、耐熱性有機基板などを用い
ることができ、基板材料の選択の自由度は高く、基板の
大型化も容易である。これらの基板は使用する基板温度
によって使い分けることができ、例えば、基板温度が〜
600℃の低温の場合にはホウケイ酸ガラスなどのガラ
ス基板、基板温度が800〜1000℃の高温の場合に
は石英ガラス基板、結晶化ガラス基板などの耐熱性ガラ
ス基板を使用することができる。このため、て際、基板
の材料の選択の範囲が広いため、これらの基板上に形成
する段差部分の形状や寸法は、例えばこの段差部分に形
成する薄膜トランジスタの形状や個数などに応じて決定
される。
【0024】複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜
に形成する複数の薄膜トランジスタを単一のゲート電極
により制御する場合には、これらの複数の多結晶または
単結晶のシリコン薄膜のそれぞれにゲート電極を共通に
して薄膜トランジスタを形成する。また、ゲート絶縁膜
については、典型的には、これらの複数の多結晶または
単結晶のシリコン薄膜上に同一のゲート絶縁膜を形成す
る。
【0025】これらの複数の多結晶または単結晶のシリ
コン薄膜は、典型的には、互いにほぼ平行に配列した短
冊状の形状を有する(全体としては櫛歯状の形状を有す
る)複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜からな
る。また、典型的には、複数の多結晶または単結晶のシ
リコン薄膜のそれぞれの一端部および他端部にそれぞれ
ソース領域およびドレイン領域が形成され、これらのソ
ース領域およびドレイン領域にそれぞれ第1の電極およ
び第2の電極が接続される。
【0026】これらの薄膜トランジスタは、典型的に
は、ゲート電極へのゲート電圧の印加によりそれらのチ
ャンネル領域に反転層が形成されてオンしたときに第1
の電極および第2の電極間が導通する。典型的には、複
数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに形
成された薄膜トランジスタの閾値電圧は、これらの複数
の多結晶または単結晶のシリコン薄膜の配列順序にした
がって徐々に増加するように設定される。この場合、例
えば、ゲート電極に鋸歯状波形のゲート電圧を印加する
ことにより、このゲート電圧が複数の薄膜トランジスタ
の閾値電圧に達した時点で順次オンするようにすること
ができる。
【0027】また、少なくともチャンネル領域における
多結晶または単結晶のシリコン薄膜および受光素子を形
成する多結晶または単結晶シリコン薄膜の最大酸素濃度
は5×1018原子/cm3 以下にすることができ、好適
には3×1018原子/cm3以下にすることができる。
このチャンネル領域を構成する多結晶または単結晶のシ
リコン薄膜および受光素子を形成する多結晶または単結
晶シリコン薄膜の厚さは必要に応じて選択することがで
きるものであるが、一般的には10〜100nm程度で
ある。典型的には、多結晶または単結晶のシリコン薄膜
は、厚さが100nm以下、好適には50nm以下であ
る。
【0028】非晶質シリコン薄膜の成長温度は、典型的
には100℃以上300℃以下、好適には200℃以上
300℃以下とする。また、上記のような低い最大酸素
濃度を達成する観点から、非晶質シリコン薄膜は、少な
くとも成長初期に成長雰囲気の全圧を1.33×10-3
Pa以上4Pa以下に設定して成長させる。あるいは、
非晶質シリコン薄膜は、少なくとも成長初期に成長雰囲
気における酸素および水分の分圧を6.65×10-10
Pa以上2×10-6Pa以下に設定してグラフォエピタ
キシャル成長させる。
【0029】この発明において、半導体装置における複
数の薄膜トランジスタは、典型的にはスイッチング素子
として用いられるが、これらの薄膜トランジスタの用途
は必ずしもスイッチング素子に限定されるものではな
く、必要に応じて他の用途に用いることができる。この
半導体装置には、薄膜半導体装置のほか、バルク基板に
トランジスタなどの素子を形成するとともに、このバル
ク基板上に薄膜トランジスタを形成するものも含まれ
る。
【0030】電気光学装置は、例えば、液晶ディスプレ
イ(LCD)、エレクトロルミネッセンス(EL)表示
装置、電界放出型表示装置(FED)、プラズマディス
プレイ(PD)、発光ポリマー表示装置(LEPD)、
発光ダイオード(LED)表示装置などであり、複数の
薄膜トランジスタは例えばその走査線のスイッチング素
子として用いられるが、これらの薄膜トランジスタの用
途は必ずしもスイッチング素子に限定されるものではな
く、必要に応じて他の用途に用いることができる。
【0031】上述のように構成されたこの発明によれ
ば、基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を
形成し、この非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の
波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することによ
り多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成しているの
で、非晶質シリコン薄膜への紫外域の波長の光を含むラ
ンプ光の照射によるアニールと段差をシードとするシリ
コン薄膜のグラフォエピタキシャル成長との総合的な効
果により、低温プロセスで結晶性の良好な多結晶または
単結晶のシリコン薄膜を良好な膜質安定性で形成するこ
とができる。
【0032】そして、例えば、この多結晶または単結晶
のシリコン薄膜をパターン化することにより形成された
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに
薄膜トランジスタを形成することにより、言い換えれ
ば、単一の単結晶シリコン薄膜の近接した部分を用いて
複数の薄膜トランジスタを形成することにより、これら
の薄膜トランジスタの特性を極めて均一にすることがで
きる。また、これらの薄膜トランジスタは同一の基板上
にモノリシックに形成されることから、これらの薄膜ト
ランジスタの個数が多くなっても、それらが基板上で占
有する面積を非常に少なく抑えることができる。また、
電気的絶縁性の高い基板を用いることにより、これらの
薄膜トランジスタを高耐圧のものとすることができると
ともに、薄膜トランジスタ相互間の電気的干渉が原理的
に起こりにくい。
【0033】さらに、非晶質シリコン薄膜を成長させる
場合に、少なくとも成長初期に成長雰囲気の全圧を1.
33×10-3Pa以上4Pa以下に設定することによ
り、少なくとも成長初期に成長雰囲気中の酸素および水
分の分圧を6.65×10-10Pa以上2×10-6Pa
以下にすることができ、このため成長層への酸素の取り
込み量を極めて少なくすることができ、これによって非
晶質シリコン薄膜の最大酸素濃度を5×1018原子/c
3 以下と、従来の触媒CVD法により低温で成長され
る非晶質シリコン薄膜に比べて極めて低くすることがで
きる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1はこの発明の第1
の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの平面
図、図2は図1のII−II線に沿っての拡大断面図で
ある。
【0035】図1および図2に示すように、この第1の
実施形態による連続閾値TFTスイッチャーにおいて
は、例えば長方形状のガラス基板1上に長方形状の溝2
がそれらの長手方向が互いに平行になるように設けられ
ている。ガラス基板1としては、例えば、石英ガラス、
ホウケイ酸ガラス、アルミケイ酸ガラスなどからなるも
のを用いることができる。溝2は、多結晶または単結晶
のシリコン薄膜をグラフォエピタキシャル成長させる際
のシードとなる段差があるものであれば、基本的にはど
のような平面形状および断面形状であってもよいが、具
体的には、例えば深さ50〜150nm、幅2〜10μ
mである。また、溝2の断面形状については、例えば、
その底面と側面とのなす角が90°ないしそれより少し
小さいものとする。
【0036】ガラス基板1の全面に保護膜3が設けられ
ている。この保護膜3は、ガラス基板1からのアルカリ
イオン(NaイオンやKイオンなど)のような可動イオ
ンによる汚染を防止するためのものである。この保護膜
3としては、例えば、厚さ30〜100nmの窒化シリ
コン(SiN)膜や、厚さ30〜100nmのSiN膜
とその上の厚さ30〜150nmの酸化シリコン(Si
2 )膜との複合膜などを用いることができる。
【0037】この保護膜3上に、溝2をその長手方向と
垂直方向にまたぐように、n本(n≦2)の細長い短冊
状の多結晶または単結晶シリコン薄膜4が、互いに平行
にかつ等間隔に設けられている。これらの多結晶または
単結晶シリコン薄膜4は、全体として櫛歯状の形状を有
する。この多結晶または単結晶シリコン薄膜4は、溝2
による段差をシードとしてグラフォエピタキシャル成長
され、その後にパターン化されたものである。この多結
晶または単結晶シリコン薄膜4の厚さは例えば40〜5
0nm、幅は例えば1〜3μm、長さはトランジスタの
チャンネル長によっても異なるが、例えば5〜10μm
である。また、この多結晶または単結晶シリコン薄膜4
の間隔は例えば1〜3μmである。この多結晶または単
結晶シリコン薄膜4は、これを用いて形成するTFTが
nチャンネルである場合にはp型、pチャンネルである
場合にはn型であり、不純物濃度はいずれも例えば1×
1014〜1×1017atoms/ccである。
【0038】これらの多結晶または単結晶シリコン薄膜
4の一端部および他端部にはそれぞれソース領域5およ
びドレイン領域6が形成されている。これらのソース領
域5およびドレイン領域6は、多結晶または単結晶シリ
コン薄膜4に形成するTFTがnチャンネルである場合
にはn型、pチャンネルである場合にはp型である。
【0039】これらの多結晶または単結晶シリコン薄膜
4を覆うように全面にゲート絶縁膜7が形成されてい
る。このゲート絶縁膜7としては、例えば、SiO
2 膜、SiN膜、SiO2 膜とSiN膜との複合膜、ア
ルミナ(Al2 3 )膜などを用いることができる。ま
た、溝2の上方の部分におけるゲート絶縁膜7上には、
全ての多結晶または単結晶シリコン薄膜4にまたがるよ
うにこの溝2の長手方向に延在してゲート電極8が設け
られている。このゲート電極8の一端部にはパッド部が
設けられている。このゲート電極8は、例えば、アルミ
ニウム(Al)、Al合金、銅(Cu)などからなる。
このゲート電極8と多結晶または単結晶シリコン薄膜4
に形成されたソース領域5およびドレイン領域6とによ
り多結晶または単結晶シリコンTFTが形成されてい
る。この多結晶または単結晶シリコンTFTの実効チャ
ンネル長は例えば1〜5μmである。
【0040】このようにして、n個の多結晶または単結
晶シリコン薄膜4によりn個の多結晶または単結晶シリ
コンTFTQ1 〜Qn が形成されている。ここで、これ
らの多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の閾
値電圧Vth1 〜Vthn は、チャンネルドーピングの調節
により徐々に少しずつ大きくなっている。より具体的に
は、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTQ1
n の閾値電圧はそれぞれVth1 、Vth2 =Vth1
Δ、Vth3 =Vth1 +2Δ、Vth4 =Vth1 +3Δ、・
・・、Vthn-1 =Vth1 +(n−2)Δ、Vthn =V
th1 +(n−1)Δに設定されている。ただし、Δは正
の微小量である。
【0041】各多結晶または単結晶シリコン薄膜4の両
端のソース領域5およびドレイン領域6の上方における
ゲート絶縁膜7には、開口9、10が設けられている。
そして、これらの開口9、10を通じて、ソース領域5
およびドレイン領域6にそれぞれプローブ電極Pi 、P
i ´(ただし、i=1〜n)が接続されている。これら
のプローブ電極Pi 、Pi ´の他端部にはパッド部が設
けられている。これらのプローブ電極Pi 、Pi ´は、
例えば、アルミニウム(Al)、Al合金、銅(Cu)
などからなる。
【0042】図3に多結晶または単結晶シリコンTFT
1 〜Qn の部分のパターン形状およびレイアウトの詳
細を示す。図示は省略するが、プローブ電極P1
n 、P1 ´〜Pn ´およびゲート電極8を覆うように
全面にパッシベーション膜が形成されている。このパッ
シベーション膜としては、例えば、SiO2 膜、SiN
膜、SiO2 膜とSiN膜との複合膜などを用いること
ができる。このパッシベーション膜には、プローブ電極
1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´のパッド部およびゲート電
極8のパッド部の上の部分に開口が形成されており、こ
れらの開口を通じてプローブ電極P1 〜Pn 、P 1 ´〜
n ´およびゲート電極8を外部配線と接続することが
できるようになっている。
【0043】この連続閾値TFTスイッチャーを例えば
LCDの水平または垂直または水平/垂直走査用スイッ
チング素子として用いる場合には、短冊状の多結晶また
は単結晶シリコン薄膜4の数、したがって多結晶または
単結晶シリコンTFTの数nはその走査線と同じ数に選
ばれる。そして、走査線と駆動回路との間にこの連続閾
値TFTスイッチャーが配置され、各走査線の一端がプ
ローブ電極Pi と接続され、駆動回路の端子がプローブ
電極Pi ´と接続される。ゲート電極8には、駆動回路
と同期したゲート電圧が印加される。短冊状の多結晶ま
たは単結晶シリコン薄膜4の数、したがって多結晶また
は単結晶シリコンTFTの数nの具体例を挙げると、L
CDを走査線の数が1125本のHDTV(High Defin
ition Television)対応とする場合、1125となる。
【0044】次に、上述のように構成された連続閾値T
FTスイッチャーの製造方法について説明する。まず、
この製造方法において非晶質シリコン薄膜の形成に使用
する触媒CVD装置について説明する。図4は触媒CV
D装置の一例を示す。
【0045】図4に示すように、この触媒CVD装置に
おいては、成長チャンバー51の側壁に真空排気管52
を介してターボ分子ポンプ(TMP)が接続されてお
り、このTMPにより成長チャンバー51内を例えば1
×10-6Pa程度の圧力に真空排気することができるよ
うになっている。この成長チャンバー51の底部にはガ
ス供給管53が取り付けられており、このガス供給管5
3を通じて成長に使用する反応ガスを成長チャンバー5
1内に供給することができるようになっている。非晶質
シリコン薄膜を成長させる基板54は、図示省略したロ
ードロックチャンバーを経由して、成長チャンバー51
の内部の上部中央に設けられた試料ホルダー部55に取
り付けられる。この試料ホルダー部55は例えばSiC
でコーティングされたグラファイトサセプターからな
り、大気側からヒーター56により加熱することができ
るようになっている。ガス供給管53の先端のガス吹き
出しノズル57と試料ホルダー部55との間に触媒体5
8が設置されている。この触媒体58としては、例えば
W線をコイル状に巻き、そのコイル状のW線を何度か往
復させて、基板54の全体をカバーする面積を張るよう
に、かつ、その張る面が試料ホルダー55の面と平行に
なるように形成したものが用いられる。この触媒体58
は、直接通電することにより加熱されている。なお、触
媒体58の形状は必ずしも線状に限るものではない。基
板54の温度は、基板ホルダー部55の基板54の横に
取り付けられた熱電対59により測定することができる
ようになっている。
【0046】この製造方法においては、まず、図5Aに
示すように、ガラス基板1の表面を例えば反応性イオン
エッチング(RIE)法などのドライエッチング法によ
り選択的にエッチングして溝2を形成する。
【0047】次に、図5Bに示すように、例えばプラズ
マCVD法などにより例えば200〜300℃の低温で
基板全面に例えば厚さが30〜100nmのSiN膜を
形成し、あるいは厚さが30〜100nmのSiN膜と
厚さが30〜150nmのSiO2 膜とを順次形成して
保護膜3を形成する。ここで、SiN膜の形成時には例
えば水素をキャリアガスとし、モノシランまたはジクロ
ルシランにアンモニアを混合したものを原料ガスとして
用い、SiO2 膜の形成時には例えば水素をキャリアガ
スとし、モノシランにヘリウム希釈酸素を混合したもの
を原料ガスとして用いる。次に、図5Cに示すように、
図4に示す触媒CVD装置を用いて触媒CVD法により
非晶質シリコン薄膜11を成長させる。
【0048】この触媒CVD法による成長は次のような
手順で行う。すなわち、まず、保護膜3を形成したガラ
ス基板1を希釈フッ酸(1〜5%水溶液)などで洗浄し
てから、純水で洗浄し、その後乾燥を行う。
【0049】次に、このガラス基板1を、図示省略した
ロードロックチャンバーを経由して図4に示す触媒CV
D装置の成長チャンバー51内の試料ホルダー部55の
サセプターに取り付ける。この試料ホルダー部55のサ
セプターは、あらかじめヒーター56により成長温度、
例えば200〜300℃に設定しておく。
【0050】次に、成長チャンバー51内をTMPによ
り例えば(1〜2)×10-6Pa程度まで減圧し、特に
成長チャンバー51内に外部から持ち込まれた酸素およ
び水分を排気する。この排気に要する時間は例えば約5
分である。
【0051】次に、成長チャンバー51内にガス供給管
53から水素を流し、その流量、圧力およびサセプター
温度を所定の値に制御する。成長チャンバー51内圧力
は、1.33×10-3Pa〜4Pa(0.01mTor
r〜30mTorr以下)に設定する。水素流量は30
sccm/minに設定する。
【0052】次に、触媒体58に通電して1800℃に
加熱し、この温度に例えば10分間保持する。なお、上
述のように成長チャンバー51内に水素を流しておくの
は触媒体58の加熱時の酸化を防止するためである。
【0053】次に、成長チャンバー51内にガス供給管
53から水素に加えてモノシランを流し、所定の厚さ、
例えば厚さ約40〜50nmのシリコン薄膜を成長させ
る。水素流量は例えば30sccm/min、モノシラ
ン流量は例えば0.3〜2sccm/min(100%
モノシランを使用)に設定する。このようにして、図5
Cに示すように、非晶質シリコン薄膜11が成長する。
【0054】成長終了後、成長チャンバー51に流すモ
ノシラン流量をゼロにし、例えば約5分後に触媒体58
への電力供給を遮断して、その温度を下げる。次に、成
長チャンバー51に流す水素流量をゼロにして、(1〜
2)×10-6Pa程度まで減圧し、特に成長チャンバー
51内に導入したモノシランを排気する。この排気には
例えば約5分かかる。この後、非晶質シリコン薄膜11
を成長させたガラス基板1を、図示省略したロードロッ
クチャンバーを経由して、成長チャンバー51の外部に
取り出す。
【0055】次に、このガラス基板1を後述の光照射装
置の処理室内に入れ、非晶質シリコン薄膜11に高圧水
銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光を集光し
て照射することにより加熱または溶融して再結晶化を行
い、図5Dに示すように、溝2による段差をシードとし
て多結晶または単結晶シリコン薄膜4をグラフォエピタ
キシャル成長させる。次に、このようにして得られた多
結晶または単結晶シリコン薄膜4に、形成するTFTが
nチャンネルであるかpチャンネルであるかに応じてp
型またはn型の不純物をイオン注入などにより導入し、
p型化またはn型化する。
【0056】次に、図6Aおよび図6Bに示すように、
多結晶または単結晶シリコン薄膜4上にフォトリソグラ
フィーにより所定形状のレジストパターン(図示せず)
を形成した後、このレジストパターンをマスクとして多
結晶または単結晶シリコン薄膜4をRIE法などにより
エッチングして短冊形状にパターン化する。
【0057】次に、図7Aに示すように、例えばプラズ
マCVD法により基板全面にゲート絶縁膜5を形成す
る。次に、図7Bに示すように、ゲート絶縁膜5上にフ
ォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン
12を形成した後、これをマスクとして多結晶または単
結晶シリコン薄膜4に不純物のイオン注入を十分に高濃
度に行い、ソース領域5およびドレイン領域6を形成す
る。このイオン注入の不純物としては、形成するTFT
がnチャンネルであるかpチャンネルであるかに応じて
n型またはp型の不純物を用いる。この後、レジストパ
ターン12を除去する。
【0058】次に、図8Aおよび図8Bに示すように、
フォトリソグラフィーにより各多結晶または単結晶シリ
コン薄膜4のチャンネル領域に対応する部分が開口した
レジストパターン13を形成した後、これをマスクとし
て、ソース領域5およびドレイン領域6の間の部分の多
結晶または単結晶シリコン薄膜4、すなわちチャンネル
領域にゲート絶縁膜7を介して閾値電圧制御用の不純物
のドーピング(チャンネルドーピング)を行う。この不
純物ドーピング量は、多結晶または単結晶シリコンTF
TQ1 〜Qn の閾値電圧がそれぞれVth1 、Vth2 =V
th1 +Δ、Vth 3 =Vth1 +2Δ、Vth4 =Vth1 +3
Δ、・・・、Vthn-1 =Vth1 +(n−2)Δ、Vthn
=Vth1 +(n−1)Δに設定されるように、各多結晶
または単結晶シリコン薄膜4毎に少しずつ異なるドーズ
量に設定する。この各多結晶または単結晶シリコン薄膜
4への不純物ドーピングは、原理的には、レジストパタ
ーンを形成しては、これをマスクとして閾値電圧制御用
の不純物(リンやホウ素など)のイオン注入を行う工程
を繰り返し行うことにより可能であるが、nが大きい場
合には、好適には例えば集束イオンビーム(FIB)装
置を用いて不純物のイオンビーム描画を行う。このイオ
ンビーム描画はマスクレスで行うことができることか
ら、レジストパターン13の形成を省略することがで
き、製造プロセスの簡略化を図ることができる。
【0059】次に、レジストパターン13を除去した
後、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)やELA
(Eximer Laser Annealing) などにより、各多結晶また
は単結晶シリコン薄膜4に導入された不純物の活性化を
行う。
【0060】次に、図9Aおよび図9Bに示すように、
フォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパター
ン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンを
マスクとしてゲート絶縁膜7をエッチング除去すること
によりソース領域5およびドレイン領域6上にそれぞれ
開口9、10を形成する。
【0061】次に、図10Aおよび図10Bに示すよう
に、例えば真空蒸着法、スパッタリング法などにより基
板全面にアルミニウム、アルミニウム合金、銅などを形
成した後、この金属膜上にフォトリソグラフィーにより
所定形状のレジストパターンを形成し、このレジストパ
ターンをマスクとしてこの金属膜をエッチングすること
により、ゲート電極8およびプローブ電極P1 〜Pn
1 ´〜Pn ´を形成する。
【0062】次に、ソース領域5およびドレイン領域6
とプローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´とのコンタ
クト部のオーミック性を良好にするために、例えば、窒
素ガス、水素ガスまたは水素ガス混合の窒素ガス(フォ
ーミングガス)中において350〜450℃の温度の熱
処理を行う。
【0063】次に、例えばプラズマCVD法などにより
基板全面にSiO2 膜、SiN膜などを適当な厚さに形
成してパッシベーション膜を形成する。次に、このパッ
シベーション膜の所定部分をエッチング除去して、ゲー
ト電極8およびプローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn
´のパッド部を露出させる。ここで、パッシベーション
膜として特に、Si−H基を多く含むSiN膜をプラズ
マCVD法などにより200〜300℃の温度で400
〜700nm程度の厚さに形成し、窒素ガスなどの不活
性ガス中において400〜430℃で20分以上の熱処
理を行ってSi−H基を分解させると、それにより発生
する水素による多結晶または単結晶シリコン薄膜4中の
ダングリングボンドの終端処理効果を得ることができ、
多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の電気的
特性の顕著な改善を図ることができる。以上により、目
的とする連続閾値TFTスイッチャーが製造される。
【0064】次に、この連続閾値TFTスイッチャーの
動作方法について説明する。上述のように、この連続閾
値TFTスイッチャーを構成するn個の多結晶または単
結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の閾値電圧はそれぞれV
th1 、Vth2 =Vth 1 +Δ、Vth3 =Vth1 +2Δ、V
th4 =Vth1 +3Δ、・・・、Vthn-1 =V th1 +(n
−2)Δ、Vthn =Vth1 +(n−1)Δに設定されて
いる。そこで、ゲート電極8に、図11Aに示すような
周期Tの鋸歯状波形のゲート電圧を印加する。すると、
ゲート電圧が0から徐々に上昇して時刻t1 にVth1
達すると、まず単結晶シリコンTFTQ1 がオンしてプ
ローブ電極P1 、P1 ´間が導通し、続いて時刻t2
th2 に達すると、単結晶シリコンTFTQ2 もオンし
てプローブ電極P2 、P2 ´間が導通するというよう
に、図11Aに示す鋸歯状波形の一周期で多結晶または
単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn が順次オンし、対応す
るプローブ電極Pi 、Pi ´間が順次導通状態となり、
各周期毎にこれが繰り返される。このように、ゲート電
極8に周期Tの鋸歯状波形のゲート電圧が印加されるこ
とによって、各多結晶または単結晶シリコンTFTQi
が周期T毎に順次スイッチングを行う。
【0065】以上のように、この第1の実施形態によれ
ば、溝2が形成され、それにより段差が形成されたガラ
ス基板1の主面上に非晶質シリコン薄膜4を形成し、こ
の非晶質シリコン薄膜4に高圧水銀ランプ光または高圧
キセノン−水銀ランプ光を集光して照射し、アニールを
行うことにより、溝2による段差をシードとして多結晶
または単結晶シリコン薄膜4をグラフォエピタキシャル
成長させ、これをパターン化することにより形成される
n個の短冊状の多結晶または単結晶シリコン薄膜4を用
いてn個の多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Q
n を形成し、これらの多結晶または単結晶シリコンTF
TQ1 〜Qn により連続閾値TFTスイッチャーを形成
しているので、次のような種々の利点を得ることができ
る。すなわち、良好な結晶性の多結晶または単結晶シリ
コン薄膜4を良好な膜質均一性および膜質安定性で形成
することができる。そして、この一つの多結晶または単
結晶シリコン薄膜4の近接した部分を用いて多結晶また
は単結晶シリコンTFTQ 1 〜Qn を形成しているの
で、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTの特性
を極めて均一にすることができ、スイッチング特性のば
らつきを非常に少なくすることができる。また、特に、
多結晶または単結晶シリコン薄膜4が単結晶シリコン薄
膜の場合には、電子移動度として400〜550cm2
/V・sと単結晶シリコン基板並の大きな値を得ること
が可能であるため、動作速度が極めて高い単結晶シリコ
ンTFTを得ることができる。また、これらの多結晶ま
たは単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn は同一のガラス基
板1上にモノリシックに形成されることから、これらの
多結晶または単結晶シリコンTFTの個数nが多くなっ
ても、それらが基板上で占有する面積を非常に少なく抑
えることができ、したがってLCDの大画面化を図るこ
とができる。また、ガラス基板1は電気的絶縁性が高い
ことにより、これらの多結晶または単結晶シリコンTF
TQ1 〜Qn を高耐圧にすることができるとともに、そ
れらの間の電気的干渉が原理的に起こりにくく、誤作動
が生じにくい。したがって、この連続閾値TFTスイッ
チャーを、例えばLCDの垂直または水平または垂直/
水平の走査用スイッチング装置として用いることによ
り、走査線毎にスイッチング素子を配置していた従来の
LCDの問題を一挙に解決することができる。
【0066】さらに、触媒CVD法により非晶質シリコ
ン薄膜11を成長させる際の成長圧力を十分に低く、具
体的には例えば0.13Pa(1mTorr)前後に設
定していることにより、最大酸素濃度が3×1018atom
s/cc以下と極めて低い非晶質シリコン薄膜11を得るこ
とができる。そして、この低酸素濃度の非晶質シリコン
薄膜11を結晶化させることにより形成される低酸素濃
度の多結晶または単結晶シリコン薄膜4を用いて、高性
能の多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn を形
成することができる。
【0067】また、高圧水銀ランプ光または高圧キセノ
ン−水銀ランプ光の照射により非晶質シリコン薄膜4の
結晶化を行っているので、ELAを用いて結晶化を行う
場合に比べて処理装置が安価で済み、これは連続閾値T
FTスイッチャーの製造コストの低減につながる。
【0068】また、これに加えて、非晶質シリコン薄膜
11の成長に触媒CVD法を用いていることにより、モ
ノシランなどの反応ガスの反応効率が数10%と高いた
め、省資源で環境への負荷が小さく、また、成長コスト
の低減を図ることができる。
【0069】さらに、成長温度が上述のように200〜
300℃と低温で済むため、成長装置の加熱電源を小電
力とすることができ、冷却機構も簡単になるため、非晶
質シリン薄膜の成長装置が安価になる。
【0070】ここで、ランプ光を非晶質シリコン薄膜に
照射することにより結晶化を行った実験結果について説
明する。光照射に使用した集光型ランプ光照射装置を図
12に示す。図12に示すように、この集光型ランプ光
照射装置においては、容器31の下部にランプ32およ
び楕円ミラー33が設けられている。ランプ32から発
生する光34は楕円ミラー33により上方に集められ、
容器31の上部に設けられた反射ミラー35に入射す
る。この反射ミラー35により反射された光34は試料
ホルダー36に保持された試料37に集光される。試料
ホルダー36は、図示省略した駆動機構により、試料3
7への光入射方向から見て上下左右に移動可能に構成さ
れており、これらの移動により試料37の全面に光を照
射することができるようになっている。
【0071】図13Aおよび図13Bに示すように、試
料ホルダー36は、例えばアルミニウム製の支持棒38
に例えば同じくアルミニウム製のL字型の保持具39を
取り付けたものである。保持具39の水平板部39aの
上面には溝(図示せず)が形成されており、この溝に試
料37の最下部を差し込むことにより試料37を保持す
るようになっている。ここで、必要に応じて、試料37
の裏面を保持具39の垂直板部39bに密着させること
ができるようになっている。この垂直板部39bには多
数の微小な穴(図示せず)が設けられており、これらの
穴を通して試料37の裏面に例えば窒素、アルゴンなど
のガスを吹き付けることにより試料37を冷却すること
ができるようになっている。
【0072】ランプ32としては、例えば高圧水銀ラン
プまたは高圧キセノン−水銀ランプを使用する。図14
および図15にそれぞれ高圧水銀ランプおよび高圧キセ
ノン−水銀ランプの出力分光分布を示す。
【0073】表1に、厚さ0.7mmのアルミケイ酸ガ
ラス基板上に厚さ300nmの非晶質シリコン薄膜を形
成し、この非晶質シリコン薄膜に高圧水銀ランプ光を集
光して照射し、結晶化した結果を示す。ただし、ここで
は非晶質シリコン薄膜はプラズマCVD法により形成し
た。照射時間は5〜30秒間とし、試料位置を種々に変
化させた。
【0074】 表1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料番号 照射時間 試料位置 多結晶化領域 ガラス歪み −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 10秒 焦点−29mm 8×15mm 有(微量) 2 10秒 焦点−20mm 16×25mm 有(著しい) 3 10秒 焦点−10mm 10×10mm 有(微量) 4 10秒 焦点± 0mm 8×10mm 有(微量) 5 10秒 焦点+15mm 8×10mm 有(微量) 6 10秒 焦点+23mm 9×11mm 有(微量) 7 20秒 焦点± 0mm 15×20mm 有(軽微) 8 30秒 焦点± 0mm 16×20mm 有(軽微) 9 5秒 焦点± 0mm 無 無 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0075】その結果、非晶質シリコン薄膜は、10秒
以上の高圧水銀ランプ光照射によって色とラマン特性と
が変化し、これにより多結晶シリコン薄膜に変化したこ
とが確認できた。図16〜図19にラマン特性の変化を
示す。ここで、図16は試料1の未照射領域のラマン特
性、図17は試料1の照射領域のラマン特性、図18は
試料2の照射領域のラマン特性、図19は試料3〜8の
照射領域のラマン特性を示す。参考のために、単結晶シ
リコン基板のラマン特性を図20に示す。ガラス基板の
裏面は保持具39の垂直板部39bに密着させ、ガラス
基板の温度上昇を抑制しようと試みたが、10秒間以上
照射したら、ガラス基板に明らかに歪みが発生した。上
記光照射実験の際に保持具39の一部が溶融した。ま
た、時折、ガラス基板が割れることもあった。
【0076】ガラス基板裏面のガス冷却による歪み発生
の抑制を試みた結果を表2、表3に示す。試料の作製は
表1のものと同様に行った。ここで、表2の試料11〜
14は、ガラス基板を保持具39に密着させずに光照射
を行った。また、表3の試料16〜19は、ガラス基板
の裏面に空気を風速5m/秒で吹き付けた。表2の試料
12〜14ではガラス基板に歪みが発生したが、光照射
時にガラス基板裏面に空気を風速5m/秒で吹き付けた
表3の試料16〜19の場合、ガラス基板に歪みは発生
せず、ガラス基板が割れることも見られなかった。
【0077】 表2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料番号 照射時間 試料位置 多結晶化領域 ガラス歪み −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 11 5秒 焦点± 0mm 無 無 12 10秒 焦点± 0mm 8×12mm 有(微量) 13 20秒 焦点± 0mm 20×15mm 有(軽微) 14 30秒 焦点± 0mm 20×17mm 有(著しい) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0078】 表3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料番号 照射時間 試料位置 多結晶化領域 ガラス歪み −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 16 20秒 焦点± 0mm 5×6mm 無 17 40秒 焦点± 0mm 7×8mm 無 18 50秒 焦点± 0mm 7×9mm 無 19 60秒 焦点± 0mm 7×9mm 無 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0079】図19のラマン特性を図20の単結晶シリ
コンのラマン特性と比較すると、特性の差異が明らかに
見られる。特に感度が低いことから、多結晶シリコンの
粒径が小さく、1μm以下であることが推定される。こ
れは、光照射強度が小さく、シリコン薄膜が溶融してい
ないこと、および、当然横方向結晶成長が起こっていな
いためである。
【0080】表4に、厚さ0.7mmのアルミケイ酸ガ
ラス基板上にプラズマCVD法により厚さ50nmの非
晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に
高圧水銀ランプ光を集光して照射し、結晶化した結果を
示す。照射時間は10〜40秒間とした。
【0081】 表4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試料番号 照射時間 試料位置 多結晶化領域 ガラス歪み −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 21 10秒 焦点± 0mm 無 無 22 10秒 焦点± 0mm 無 無 23 10秒 焦点± 0mm 無 無 24 20秒 焦点± 0mm 5×7mm 有(軽微) 25 30秒 焦点± 0mm 12×20mm 有(軽微) 26 40秒 焦点± 0mm 12×20mm 有(軽微) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0082】その結果、非晶質シリコン薄膜は、20秒
以上の照射によって色とラマン特性とが変化し、多結晶
シリコン薄膜に変化したことが確認できた。図21〜図
23にラマン特性の変化を示した。非晶質シリコン薄膜
が薄い場合、長い照射時間が必要であることがわかっ
た。
【0083】ガラス基板裏面は、保持具39の垂直板部
39aに密着させ、ガラス基板の温度上昇を抑制しよう
と試みたが、20秒以上照射したら、ガラス基板に明ら
かに歪みが発生した。試料25についてホール(Hall)
効果電子移動度を測定評価したところ、5〜6cm2
V・secが得られた。
【0084】厚さ0.7mmのアルミケイ酸ガラス基板
上にプラズマCVD法により厚さ300nmの非晶質シ
リコン薄膜を形成し、これに高圧水銀ランプ光を集光し
て照射した。照射時間は10〜40秒間とした。ランプ
光はφ3mm×0.1mmに集光し、強度を向上させ
た。この結果、ガラス基板に歪みを発生させることなく
非晶質シリコン薄膜の結晶化を行って、粒径が1μm以
上の結晶性が良好な多結晶シリコン薄膜を形成すること
ができた。
【0085】次に、この発明の第2の実施形態について
説明する。図24はこの発明の第2の実施形態による透
過型CCDイメージセンサー装置の回路構成を示す。こ
の透過型CCDイメージセンサー装置においては、光透
過性のガラス基板上に画素70がマトリクス状に配列さ
れて構成されている。各画素70は、フォトセンサーを
構成するフォトダイオード71と、フォトダイオード7
1を制御するフォトゲート72と、転送トランジスタ7
3と、リセットトランジスタ74と、増幅トランジスタ
75と、垂直選択トランジスタ76とを有する。ここ
で、フォトダイオード71は多結晶または単結晶シリコ
ン薄膜により形成され、転送トランジスタ73、リセッ
トトランジスタ74、増幅トランジスタ75、垂直選択
トランジスタ76および後述の水平選択トランジスタ8
3は多結晶または単結晶シリコンTFTにより形成され
る。
【0086】フォトゲート72は、対向する二つの電
極、すなわちフォトゲート電極およびその下の多結晶ま
たは単結晶シリコン薄膜を有する容量素子により構成さ
れ、その一方(多結晶または単結晶シリコン薄膜側)が
フォトダイオード71のカソードに接続され、他方(フ
ォトゲート電極側)が配線77に接続されている。
【0087】転送トランジスタ73のソース領域および
ドレイン領域の一方はフォトダイオード71のカソード
およびフォトゲート72の一方の電極に接続され、ゲー
トは垂直読み出し線78に接続されている。
【0088】リセットトランジスタ74のソース領域お
よびドレイン領域の一方は転送トランジスタ73のソー
ス領域およびドレイン領域の他方に接続されている。ま
た、リセットトランジスタ74のソース領域およびドレ
イン領域の他方は電源電圧V DD供給線と接続され、ゲー
トはリセット線79に接続されている。このリセットト
ランジスタ74は、転送トランジスタ73により転送さ
れてくる電荷を排出してリセットするためのものであ
る。
【0089】増幅トランジスタ75のソース領域および
ドレイン領域の一方は電源電圧VDD供給線と接続され、
ゲートは転送トランジスタ73のソース領域およびドレ
イン領域の他方ならびにリセットトランジスタ74のソ
ース領域およびドレイン領域の一方に接続されている。
この増幅トランジスタ75は、転送トランジスタ73に
より転送される電荷を増幅して信号とするためのもので
ある。
【0090】垂直選択トランジスタ76のソース領域お
よびドレイン領域の一方は増幅トランジスタ75のソー
ス領域およびドレイン領域の他方と接続されている。垂
直選択トランジスタ76のソース領域およびドレイン領
域の他方は垂直信号線80に接続され、ゲートは垂直選
択線81に接続されている。この垂直選択トランジスタ
76は、増幅トランジスタ75により生成される信号を
垂直信号線80に送るためのものである。
【0091】垂直読み出し線78は垂直走査回路82に
接続され、この垂直走査回路82から駆動パルスφTX
(φTX1 、・・・、φTXm 、・・・)が供給される
ようになっている。例えば、m行の垂直読み出し線78
には垂直走査回路82から駆動パルスφTXm が供給さ
れる。
【0092】垂直選択線81は同様に垂直走査回路82
に接続され、この垂直走査回路82から駆動パルスφV
S(φVS1 、・・・、φVSm 、・・・)が供給され
るようになっている。例えば、m行の垂直選択線71に
は垂直走査回路82から駆動パルスφVSm が供給され
る。
【0093】リセット線79は同様に垂直走査回路82
に接続され、この垂直走査回路82から駆動パルスφR
ST(φRST1 、・・・、φRSTm 、・・・)が供
給されるようになっている。例えば、m行のリセット線
79には垂直走査回路82から駆動パルスφRSTm
供給される。
【0094】フォトゲート72に接続された配線77は
同様に垂直走査回路82に接続され、駆動パルスφPG
(φPG1 、・・・、φPGm 、・・・)が供給される
ようになっている。例えば、m行の配線77には垂直走
査回路82から駆動パルスφPGm が供給される。
【0095】垂直信号線80は、水平選択トランジスタ
83を介して水平信号線84に接続されている。水平選
択トランジスタ83のゲートは水平走査回路85に接続
され、駆動パルスφH(φH1 、・・・、φHn 、・・
・)が供給されるようになっている。例えば、n列の水
平選択トランジスタ83のゲートには水平走査回路85
から駆動パルスφHn が供給される。
【0096】水平信号線84の一端には出力端子86が
設けられ、この出力端子86から信号が出力されるよう
になっている。
【0097】この透過型CCDイメージセンサー装置の
駆動方法について、図24におけるm行n列の画素70
の駆動を例にとり説明する。まず、m行が選択される水
平走査期間のうちの例えば水平ブランキング期間内にお
いて、m行の垂直選択線81の駆動パルスφVSm を高
レベルにして、m行の画素70の垂直選択トランジスタ
76をオンにするとともに、m行の垂直読み出し線78
の駆動パルスφTXm を高レベルにして、m行の画素7
0の転送トランジスタ73をオンにする。
【0098】これにより、フォトダイオード71に電荷
が蓄積されていると、この電荷が増幅トランジスタ75
のゲート側に転送される。このようにゲートに電荷が転
送されて蓄積されることにより、増幅トランジスタ75
がオンになり、蓄積された電荷の量に対応した信号が増
幅トランジスタ75から垂直選択トランジスタ76に送
られる。このとき垂直選択トランジスタ76もオンにな
っているため、信号はこの垂直選択トランジスタ76を
経て垂直信号線80に伝送される。このとき水平選択ト
ランジスタ83をオフにしておくと、信号は垂直信号線
80に保持されている。
【0099】その後、m行の垂直読み出し線78に供給
する駆動パルスφTXm を低レベルにすると、転送トラ
ンジスタ73がオフになる。そして、垂直走査回路82
から配線77を通じて駆動パルスφPGを印加すること
により、フォトゲート72を動作させてフォトダイオー
ド71に光電変換した電荷の蓄積を行うことが可能とな
る。
【0100】続いて、1列から順次、水平走査回路85
からの駆動パルスφHを印加していく。そして、n行の
駆動パルスφHn を高レベルにすると、n行の水平選択
トランジスタ83がオンになり、n列の垂直信号線80
に保持されていた信号が水平信号線84に伝送され、出
力端子86から出力される。
【0101】同様の動作をマトリクス状に配列された画
素70に対して繰り返し行うことにより、撮像した画像
信号を得ることができる。また、垂直走査回路82から
m行のリセット線79に駆動パルスφRSTm を印加す
れば、増幅トランジスタ75のゲート側に転送された電
荷を排出してリセットを行うことができる。
【0102】図25は、この第2の実施形態による透過
型CCDイメージセンサー装置の受光部の画素70にお
けるフォトダイオード71および転送トランジスタ73
の部分ならびに周辺回路を構成するCMOS回路部の断
面図を示す。周辺回路には、駆動回路(垂直走査回路、
水平走査回路)や選択回路などが含まれる。
【0103】図25に示すように、画素部においては、
光透過性のガラス基板101上にSiO2 膜102が形
成され、その上にシリコン薄膜のグラフォエピタキシャ
ル成長に用いられる段差を形成するSiN膜103およ
びSiO2 膜104が所定形状に形成され、これらの上
に低不純物濃度のp型の多結晶または単結晶シリコン薄
膜105が所定パターンで形成されている。ガラス基板
101としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、アルミケイ酸ガラスなどからなるものを用いること
ができる。SiN膜103は、ガラス基板101からの
アルカリイオン(NaイオンやKイオンなど)のような
可動イオンの拡散による多結晶または単結晶シリコン薄
膜105の汚染防止のための保護膜用として形成してい
る。このSiN膜103の厚さは例えば30〜100n
mである。また、SiO2 膜104の厚さは例えば30
〜150nmである。多結晶または単結晶シリコン薄膜
105の上に、例えばSiO2 膜106およびSiN膜
107を介して、例えばAl膜からなるフォトゲート電
極108および転送ゲート電極109が形成されてい
る。SiO2 膜106の厚さは例えば50〜100n
m、SiN膜107の厚さは例えば100〜200nm
である。
【0104】転送ゲート電極109の両側の部分におけ
るp型の多結晶または単結晶シリコン薄膜105中に
は、ソース領域またはドレイン領域を構成する高不純物
濃度のn型領域110、111が形成されている。これ
らの転送ゲート電極109、SiO2 膜106およびS
iN膜107からなるゲート絶縁膜、n型領域110、
111により、nチャンネルTFTからなる転送トラン
ジスタ73が構成されている。
【0105】フォトダイオード71では、フォトゲート
電極108に駆動パルスφPSを印加して電圧を供給す
ることにより、その下の部分のp型の多結晶または単結
晶シリコン薄膜105に空乏層を形成することができ
る。この多結晶または単結晶シリコン薄膜105に形成
された空乏層において、ガラス基板101を通して入射
した光を光電変換して電荷を発生させ、この発生した電
荷を蓄積することができる。そして、この光電変換によ
り発生した電荷のうち、電子は各画素に設けられたフォ
トダイオード71から転送トランジスタ73のn型領域
110に送られ、蓄積される。
【0106】ここで、フォトゲート電極108はAl膜
により形成されていることにより、ガラス基板101の
反対側から入射する光を遮断することができ、雑音の発
生を防止することができるとともに、ガラス基板101
の裏面側から入射して多結晶または単結晶シリコン薄膜
105を透過した光を反射させてこの多結晶または単結
晶シリコン薄膜105に戻すことができ、フォトダイオ
ード71における光電変換の効率を向上させることがで
きる。
【0107】転送トランジスタ73では、転送ゲート電
極109に駆動パルスφTXが印加されることにより、
所定の電圧が供給されて転送トランジスタ73がオン状
態になり、電荷(電子)がn型領域110からn型領域
111に流れる。そして、n型領域111に接続された
配線112を通じて、信号として出力される。
【0108】一方、図25に示す周辺回路部において
は、ガラス基板101上にMo/Taの2層構造のゲー
ト電極113、114が形成されている。これらのゲー
ト電極113、114を覆うようにSiO2 膜102お
よびSiN膜103が形成され、その上にシリコン薄膜
のグラフォエピタキシャル成長に用いられる段差を形成
するSiO2 膜104が所定パターンで形成されてい
る。そして、これらの上に多結晶または単結晶シリコン
薄膜105が所定パターンで形成されている。
【0109】pチャンネルTFTの部分における多結晶
または単結晶シリコン薄膜105は低不純物濃度のn型
であり、ゲート電極113の両側の部分におけるこの多
結晶または単結晶シリコン薄膜105中にソース領域ま
たはドレイン領域を構成する高不純物濃度のp型領域1
15、116が形成されている。これらのゲート電極1
13、SiO2 膜102およびSiN膜103からなる
ゲート絶縁膜、p型領域115、116により、ボトム
ゲート型のpチャンネルTFTが構成されている。多結
晶または単結晶シリコン薄膜105上には例えばSiO
2 膜106およびSiN膜107が形成されている。こ
れらのSiO2 膜106およびSiN膜107には、p
型領域115、116の上の部分にそれぞれ開口11
7、118が形成されており、これらの開口117、1
18を通じてp型領域115、116上にそれぞれ電極
119、120が形成されている。
【0110】nチャンネルTFTの部分における多結晶
または単結晶シリコン薄膜105は低不純物濃度のp型
であり、ゲート電極114の両側の部分におけるこの多
結晶または単結晶シリコン薄膜105中にソース領域ま
たはドレイン領域を構成する高不純物濃度のn型領域1
21、122が形成されている。これらのゲート電極1
14、SiO2 膜102およびSiN膜103からなる
ゲート絶縁膜、n型領域121、122により、ボトム
ゲート型のnチャンネルTFTが構成されている。多結
晶または単結晶シリコン薄膜105上には例えばSiO
2 膜106およびSiN膜107が形成されている。こ
れらのSiO2 膜106およびSiN膜107には、n
型領域121、122の上の部分にそれぞれ開口12
3、124が形成されており、これらの開口123、1
24を通じてn型領域121、122上にそれぞれ電極
125、126が形成されている。
【0111】上述のようにpチャンネルTFTのゲート
電極113およびnチャンネルTFTのゲート電極11
4をMo/Ta膜により形成していることにより、これ
らのゲート電極113、114を低抵抗とすることがで
きるとともに、基板101側から入射する光に対して遮
光膜として作用させることができるため、光の入射によ
る、これらのpチャンネルTFTおよびnチャンネルT
FTからなるCMOSトランジスタの誤動作を防止する
ことができる。
【0112】図示は省略するが、フォトゲート電極10
8、転送ゲート電極109、電極119、120、12
5、126を覆うように全面にパッシベーション膜が形
成されている。このパッシベーション膜としては、例え
ば、SiO2 膜、SiN膜、SiO2 膜とSiN膜との
複合膜などを用いることができる。次に、上述のように
構成された透過型CCDイメージセンサー装置の製造方
法について説明する。
【0113】図26に示すように、まず、ガラス基板1
01の全面に例えばスパッタリング法によりMo/Ta
膜を例えば300〜400nmの厚さに形成した後、そ
の上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジスト
パターン(図示せず)を形成し、このレジストパターン
をマスクとしてMo/Ta膜を例えば側面が30〜45
°のテーパを有するようにエッチングすることにより、
周辺回路部を構成するCMOS回路のpチャンネルTF
TおよびnチャンネルTFTのゲート電極113、11
4を形成する。
【0114】次に、図27に示すように、全面にSiO
2 膜102、SiN膜103、SiO2 膜104を順次
形成する。これらの膜の形成には、膜形成時にガラス基
板101に熱の影響が及ばないように、触媒CVD法や
プラズマCVD法などの低温で膜形成が可能な方法を用
いる。
【0115】次に、図28に示すように、フォトリソグ
ラフィーによりSiO2 膜104上に所定形状のレジス
トパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパ
ターンをマスクとしてSiO2 膜104をエッチングす
ることにより、画素部におけるフォトセンサーおよび転
送トランジスタとなる部分ならびに周辺回路部における
CMOS回路を構成するpチャンネルTFTおよびnチ
ャンネルTFTとなる部分のSiO2 膜104を除去
し、除去せずに残したSiO2 膜104との間で段差部
を形成する。
【0116】次に、図29に示すように、画素部におけ
るフォトセンサーおよび転送トランジスタとなる部分の
光透過性を高めるために、フォトリソグラフィーにより
レジストパターン127を形成して周辺回路部の表面を
覆い、この状態で、画素部におけるフォトセンサーおよ
び転送トランジスタとなる部分におけるSiN膜103
を除去する。
【0117】次に、レジストパターン127を除去した
後、図30に示すように、全面に多結晶または単結晶シ
リコン薄膜105を形成する。この多結晶または単結晶
シリコン薄膜105は、第1の実施形態と同様な方法に
より形成する。すなわち、基板全面に非晶質シリコン薄
膜を形成した後、この非晶質シリコン薄膜に集光した高
圧水銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光を照
射してSiO2 膜104あるいはSiN膜103および
SiO2 膜104の段差をシードとしてグラフォエピタ
キシャル成長させることにより結晶化し、多結晶または
単結晶シリコン薄膜105を形成する。この多結晶また
は単結晶リコン薄膜105の膜厚は例えば40〜60n
mとする。
【0118】次に、図31に示すように、フォトリソグ
ラフィーによりレジストパターン128を形成して画素
部のフォトセンサーおよび転送トランジスタの部分なら
びに周辺回路のnチャンネルTFTの部分の表面を除い
た表面を覆い、このレジストパターン128をマスクと
して多結晶または単結晶リコン薄膜105にp型不純物
として例えばホウ素(B)をイオン注入することにより
p型化する。
【0119】次に、レジストパターン128を除去した
後、図32に示すように、再びフォトリソグラフィーに
よりレジストパターン129を形成して周辺回路部のp
チャンネルTFTの部分の表面を除いた表面を覆い、こ
のレジストパターン129をマスクとして多結晶または
単結晶リコン薄膜105にn型不純物として例えばリン
(P)をイオン注入することによりn型化する。
【0120】次に、図33に示すように、フォトリソグ
ラフィーにより所定形状のレジストパターン130を形
成した後、このレジストパターン130をマスクとして
画素部の転送トランジスタおよび周辺回路部のnチャン
ネルTFTの部分のp型の多結晶または単結晶シリコン
薄膜105にn型不純物、例えばリン(P)をイオン注
入することにより、ソース領域またはドレイン領域とな
るp型領域110、111、121、122を形成す
る。
【0121】次に、レジストパターン130を除去した
後、図34に示すように、再びフォトリソグラフィーに
より所定形状のレジストパターン131を形成した後、
このレジストパターン131をマスクとして周辺回路部
のpチャンネルTFTの部分のn型の多結晶または単結
晶シリコン薄膜105にp型不純物、例えばホウ素
(P)をイオン注入することにより、ソース領域または
ドレイン領域となるn型領域115、116を形成す
る。
【0122】次に、図35に示すように、全面にSiO
2 膜106およびSiN膜107を順次形成する。次
に、例えばRTAやELAなどにより、多結晶または単
結晶シリコン薄膜105に導入された不純物の活性化を
行う。次に、SiN膜107上にフォトリソグラフィー
により所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成
した後、このレジストパターンをマスクとしてSiN膜
107およびSiO2 膜106を順次エッチングするこ
とにより開口117、118、123、124を形成す
る。
【0123】次に、レジストパターンを除去した後、例
えばスパッタリング法や真空蒸着法などにより全面に例
えば厚さ0.5〜1.2μmのAl膜を形成し、このA
l膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジス
トパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパ
ターンをマスクとしてAl膜をエッチングし、フォトゲ
ート電極108、転送ゲート電極109、電極119、
120、125、126を形成するとともに、データラ
インおよびゲートラインを形成する。次に、p型領域1
15、116およびn型領域121、122と電極11
9、120、125、126とのコンタクト部のオーミ
ック性を良好にするために、例えば、窒素ガス、水素ガ
スまたは水素ガス混合の窒素ガス(フォーミングガス)
中において350〜420℃の温度で30〜60分の熱
処理(シンター処理)を行う。
【0124】次に、例えばプラズマCVD法などにより
基板全面にオーバーコート膜としてSiO2 膜、SiN
膜などを適当な厚さに形成する。次に、このオーバーコ
ート膜の所定部分をエッチング除去して電極取り出し部
分の窓開けを行う。ここで、オーバコート膜として特
に、Si−H基を多く含むSiN膜をプラズマCVD法
などにより200〜300℃の温度で400〜700n
m程度の厚さに形成し、窒素ガスなどの不活性ガス中に
おいて350〜420℃で20分以上の熱処理を行って
Si−H基を分解させると、それにより発生する水素に
よる多結晶または単結晶シリコン薄膜105中のダング
リングボンドの終端処理効果を得ることができ、この多
結晶または単結晶シリコン薄膜105を用いて形成され
たフォトダイオード71やpチャンネルTFTおよびn
チャンネルTFTの電気的特性の顕著な改善を図ること
ができる。以上により、目的とする透過型CCDイメー
ジセンサー装置が製造される。
【0125】以上のように、この第2の実施形態によれ
ば、SiN膜103およびSiO2膜104あるいはS
iO2 膜104による段差が形成されたガラス基板10
1の主面上に非晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質
シリコン薄膜に高圧水銀ランプ光または高圧キセノン−
水銀ランプ光を集光して照射し、アニールを行うことに
より、上記の段差をシードとして多結晶または単結晶シ
リコン薄膜105をグラフォエピタキシャル成長させ、
この多結晶または単結晶シリコン薄膜105を用いて画
素部のフォトセンサー、すなわちフォトダイオード73
ならびに周辺回路を構成するCMOS回路のpチャンネ
ルTFTおよびnチャンネルTFTを形成しているの
で、次のような種々の利点を得ることができる。すなわ
ち、グラフォエピタキシャル成長により結晶性の良好な
多結晶または単結晶シリコン薄膜105を得ることがで
きるので、この多結晶または単結晶シリコン薄膜105
の電子移動度が高い。また、触媒CVD法により非晶質
シリコン薄膜を成長させる際の成長圧力を十分に低く、
具体的には例えば0.13Pa(1mTorr)前後に
設定していることにより、最大酸素濃度が3×1018at
oms/cc以下と極めて低い非晶質シリコン薄膜を得ること
ができ、したがってこの低酸素濃度の非晶質シリコン薄
膜を結晶化させることにより形成される多結晶または単
結晶シリコン薄膜105も低酸素濃度となり、この意味
でもこの多結晶または単結晶シリコン薄膜105の結晶
性は良好となる。これによって、フォトダイオード73
および周辺回路部のCMOSトランジスタとも良好な特
性を有することから、高性能の周辺回路一体型の透過型
CCDイメージセンサー装置を実現することができる。
特に、多結晶または単結晶シリコン薄膜105が単結晶
シリコン薄膜の場合には、電子移動度として400〜5
50cm2 /V・sと単結晶シリコン基板並の大きな値
を得ることが可能であるため、高速で高感度の透過型C
CDイメージセンサー装置を実現することができる。
【0126】また、この透過型CCDイメージセンサー
装置の製造に必要なプロセス温度は500〜600℃程
度以下と低温で済むため、安価な低融点のガラス基板な
どを用いることができ、製造コストの低減を図ることが
できる。また、単結晶シリコン基板を用いた従来の固体
撮像装置では、900℃以上の高温プロセスにより発生
する結晶欠陥を低減するために1000℃以上の高温中
でリンゲッタリングなどを行う必要があるが、この第2
の実施形態によれば、適度なラジカル水素処理により多
結晶または単結晶シリコン薄膜105のゲッタリング効
果を得ることができるため、上述のような高温ゲッタリ
ング処理は不要である。
【0127】また、これに加えて、非晶質シリコン薄膜
の成長に触媒CVD法を用いていることにより、モノシ
ランなどの反応ガスの反応効率が数10%と高いため、
省資源で環境への負荷が小さく、また、成長コストの低
減を図ることができる。
【0128】さらに、非晶質シリコン薄膜の成長温度が
上述のように200〜300℃と低温で済むため、成長
装置の加熱電源を小電力とすることができ、冷却機構も
簡単になるため、成長装置が安価になる。
【0129】以上、この発明の実施形態について説明し
たが、この発明は、上述の実施形態に限定されるもので
はなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可
能である。
【0130】すなわち、上述の実施形態において用いた
数値、構造、形状、プロセス、反応ガス、基板材料など
はあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異な
る数値、構造、形状、プロセス、反応ガス、基板材料な
どを用いることも可能である。また、上述の実施形態に
おいて用いた触媒CVD装置も単なる一例に過ぎず、必
要に応じて、これと異なる構成の触媒CVD装置を用い
ることも可能であり、さらには、触媒体もW以外のもの
を用いることも可能である。
【0131】また、耐圧の向上を図る観点からは、上述
の第1の実施形態における多結晶または単結晶シリコン
TFTの代わりに、ドレイン領域に低不純物濃度部を設
けてドレイン領域近傍の電界を緩和するLDD(Lightl
y Doped Drain)構造の多結晶または単結晶シリコンTF
Tを用いてもよい。
【0132】また、第2の実施形態において、非晶質シ
リコン薄膜を結晶化させるための高圧水銀ランプ光の照
射による加熱は、図35に示す工程で行う注入不純物の
活性化のための熱処理と兼用するようにしてもよい。ま
た、受光部のフォトセンサー部分のSiN膜103を除
去したが、必ずしも除去しなくてもよい。
【0133】さらに、第2の実施形態において、遮光材
となるAl膜により、アクティブ方式とする電極、すな
わち増幅トランジスタ75のゲートを兼用することがで
きるように回路構成を行うことができる。例えば、転送
トランジスタ73のn型領域112に接続された配線1
12をAl膜により形成し、この配線112のAl膜を
増幅トランジスタ75のゲートとして用いるようにすれ
ばよい。
【0134】また、上述の第1および第2の実施形態に
おいて、非晶質シリコン薄膜の成長時にp型不純物また
はn型不純物をドーピングしてp型またはn型の非晶質
シリコン薄膜を成長させ、これを結晶化するようにして
もよい。
【0135】また、上述の第1および第2の実施形態に
おいて用いた各種の絶縁膜の代わりに、必要に応じて、
例えば酸窒化シリコン(SiON)膜、窒化アルミニウ
ム(AlN)膜、酸化アルミニウム(Al2 3 )膜、
酸化タンタル(Ta2 5 )膜などを用いてもよい。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を
形成し、この非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の
波長の光を含むランプ光を照射して上記の段差をシード
としてグラフォエピタキシャル成長により結晶化するこ
とにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成し、
これをパターン化することにより形成された複数の多結
晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トラン
ジスタを形成しているので、これらの薄膜トランジスタ
の特性を極めて均一にすることができる。また、これら
の薄膜トランジスタは同一の基板上にモノリシックに形
成されることから、これらの薄膜トランジスタの個数が
多くなっても、それらが基板上で占有する面積を非常に
少なく抑えることができる。また、電気的絶縁性の高い
基板を用いることにより、これらの薄膜トランジスタを
高耐圧のものとすることができるとともに、薄膜トラン
ジスタ相互間の電気的干渉が原理的に起こりにくい。
【0137】さらに、非晶質シリコン薄膜を触媒CVD
法により成長させる場合に、少なくとも成長初期に成長
雰囲気の全圧を1.33×10-3Pa以上4Pa以下に
設定することにより、少なくとも成長初期に成長雰囲気
中の酸素および水分の分圧を6.65×10-10 Pa以
上2×10-6Pa以下にすることができ、このため成長
層への酸素の取り込み量を極めて少なくすることができ
る。そして、この非晶質シリコン薄膜の結晶化により得
られる多結晶または単結晶のシリコン薄膜の最大酸素濃
度は3×1018原子/cm3 以下と比べて極めて低くな
り、高品質の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を得る
ことができ、この高品質の多結晶または単結晶のシリコ
ン薄膜を用いて高性能の薄膜トランジスタを形成するこ
とができる。
【0138】特に、上記の高品質の多結晶または単結晶
のシリコン薄膜を用いて特性の良好な受光素子および周
辺回路の薄膜トランジスタを形成することができること
により、低温プロセスで固体撮像装置を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による連続閾値TF
Tスイッチャーを示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿っての拡大断面図であ
る。
【図3】この発明の第1の実施形態による連続閾値TF
Tスイッチャーの要部のレイアウトを示す平面図であ
る。
【図4】この発明の第1の実施形態において用いる触媒
CVD装置の一例を示す略線図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による連続閾値TF
Tスイッチャーの製造方法を説明するための断面図であ
る。
【図6】この発明の第1の実施形態による連続閾値TF
Tスイッチャーの製造方法を説明するための断面図およ
び平面図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による連続閾値TF
Tスイッチャーの製造方法を説明するための断面図であ
る。
【図8】この発明の第1の実施形態による連続閾値TF
Tスイッチャーの製造方法を説明するための断面図およ
び平面図である。
【図9】この発明の第1の実施形態による連続閾値TF
Tスイッチャーの製造方法を説明するための断面図およ
び平面図である。
【図10】この発明の第1の実施形態による連続閾値T
FTスイッチャーの製造方法を説明するための断面図お
よび平面図である。
【図11】この発明の第1の実施形態による連続閾値T
FTスイッチャーの動作方法を説明するための略線図で
ある。
【図12】この発明の第1の実施形態において非晶質シ
リコン薄膜の結晶化に用いる集光型ランプ光照射装置を
示す略線図である。
【図13】図12に示す集光型ランプ光照射装置の試料
ホルダーを示す正面図および側面図である。
【図14】高圧水銀ランプの出力分光分布を示す略線図
である。
【図15】高圧キセノン−水銀ランプの出力分光分布を
示す略線図である。
【図16】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行っ
た試料のラマン特性を示す略線図である。
【図17】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行っ
た試料のラマン特性を示す略線図である。
【図18】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行っ
た試料のラマン特性を示す略線図である。
【図19】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行っ
た試料のラマン特性を示す略線図である。
【図20】単結晶シリコン基板のラマン特性を示す略線
図である。
【図21】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行っ
た試料のラマン特性を示す略線図である。
【図22】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行っ
た試料のラマン特性を示す略線図である。
【図23】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行っ
た試料のラマン特性を示す略線図である。
【図24】この発明の第2の実施形態による透過型CC
Dイメージセンサー装置を示す回路図である。
【図25】この発明の第2の実施形態による透過型CC
Dイメージセンサー装置の要部を示す断面図である。
【図26】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図27】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図28】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図29】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図30】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図31】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図32】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図33】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図34】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【図35】この発明の第2の実施形態によるCCDイメ
ージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・ガラス基板、2・・・溝、3・・・保護膜、4
・・・多結晶または単結晶シリコン薄膜、5・・・ソー
ス領域、6・・・ドレイン領域、7・・・ゲート絶縁
膜、8・・・ゲート電極、Q1 〜Qn ・・・単結晶シリ
コンTFT、101・・・ガラス基板、102、106
・・・SiO2 膜、103、107・・・SiN膜、1
05・・・多結晶または単結晶シリコン薄膜、108・
・・フォトゲート電極、113、114・・・ゲート電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 614 618G 626C 27/14 C (72)発明者 山中 英雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H092 JA34 JA37 KA03 KA04 KA05 MA08 MA29 NA27 4M118 AB01 BA05 CA02 CA32 CA34 CB07 FB03 FB08 FB13 FB16 5F052 AA02 AA24 BB07 DA02 DB01 FA14 FA15 JA01 JA08 5F110 AA01 AA04 AA11 AA17 AA30 BB02 BB04 BB10 BB20 CC02 CC08 DD02 DD03 DD13 DD14 DD17 DD21 EE02 EE03 EE04 EE06 EE14 EE23 EE43 EE44 FF01 FF02 FF03 FF04 FF09 FF29 FF30 GG02 GG12 GG13 GG16 GG23 GG25 GG28 GG32 GG33 GG34 GG44 GG45 GG51 GG52 GG55 GG57 HJ01 HJ13 HJ23 HL02 HL03 HL06 HL22 HL23 HL27 HM15 NN03 NN04 NN23 NN24 NN35 NN78 PP02 PP27 PP40 QQ23 QQ24

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の段差を有する主面上に形成された
    非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含
    むランプ光を照射して結晶化することにより形成され、
    かつ、所定形状にパターン化された複数の多結晶または
    単結晶のシリコン薄膜を有し、 上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
    れに薄膜トランジスタが形成されていることを特徴とす
    るスイッチング素子。
  2. 【請求項2】 上記複数の多結晶または単結晶のシリコ
    ン薄膜のそれぞれにゲート電極を共通にして薄膜トラン
    ジスタが形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のスイッチング素子。
  3. 【請求項3】 上記複数の多結晶または単結晶のシリコ
    ン薄膜上に同一のゲート絶縁膜が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載のスイッチング素子。
  4. 【請求項4】 上記複数の多結晶または単結晶のシリコ
    ン薄膜は互いにほぼ平行に配列した短冊状の形状を有す
    る複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のスイッチング素子。
  5. 【請求項5】 上記複数の多結晶または単結晶のシリコ
    ン薄膜のそれぞれの一端部および他端部にそれぞれソー
    ス領域およびドレイン領域が形成され、これらのソース
    領域およびドレイン領域にそれぞれ第1の電極および第
    2の電極が接続されていることを特徴とする請求項4記
    載のスイッチング素子。
  6. 【請求項6】 上記薄膜トランジスタのチャンネル領域
    に反転層が形成されたときに上記第1の電極および上記
    第2の電極間が導通することを特徴とする請求項5記載
    のスイッチング素子。
  7. 【請求項7】 上記複数の多結晶または単結晶のシリコ
    ン薄膜のそれぞれに形成された薄膜トランジスタの閾値
    電圧は上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜の
    配列順序にしたがって増加していることを特徴とする請
    求項4記載のスイッチング素子。
  8. 【請求項8】 上記ゲート電極に鋸歯状波形のゲート電
    圧を印加することにより上記複数の薄膜トランジスタを
    順次オンさせるようにしたことを特徴とする請求項2記
    載のスイッチング素子。
  9. 【請求項9】 上記ランプ光は高圧水銀ランプ光または
    高圧キセノン−水銀ランプ光であることを特徴とする請
    求項1記載のスイッチング素子。
  10. 【請求項10】 上記ランプ光を集光して上記非晶質シ
    リコン薄膜に照射することを特徴とする請求項1記載の
    スイッチング素子。
  11. 【請求項11】 上記非晶質シリコン薄膜はプラズマC
    VD法により形成されたものであることを特徴とする請
    求項1記載のスイッチング素子。
  12. 【請求項12】 上記非晶質シリコン薄膜は触媒CVD
    法により形成されたものであることを特徴とする請求項
    1記載のスイッチング素子。
  13. 【請求項13】 少なくともチャンネル領域における上
    記多結晶または単結晶のシリコン薄膜の最大酸素濃度が
    5×1018原子/cm3 以下であることを特徴とする請
    求項12記載のスイッチング素子。
  14. 【請求項14】 少なくともチャンネル領域における上
    記多結晶または単結晶のシリコン薄膜の最大酸素濃度が
    3×1018原子/cm3 以下であることを特徴とする請
    求項12記載のスイッチング素子。
  15. 【請求項15】 上記非晶質シリコン薄膜は、少なくと
    も成長初期に成長雰囲気の全圧を1.33×10-3Pa
    以上4Pa以下に設定して成長させたものであることを
    特徴とする請求項12記載のスイッチング素子。
  16. 【請求項16】 上記非晶質シリコン薄膜は、少なくと
    も成長初期に成長雰囲気における酸素および水分の分圧
    を6.65×10-10 Pa以上2×10-6Pa以下に設
    定して成長させたものであることを特徴とする請求項1
    2記載のスイッチング素子。
  17. 【請求項17】 上記基板は電気的絶縁性を有すること
    を特徴とする請求項1記載のスイッチング素子。
  18. 【請求項18】 基板の段差を有する主面上に非晶質シ
    リコン薄膜を形成する工程と、 上記非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光
    を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶
    または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、 上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパ
    ターン化して複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜
    を形成する工程と、 上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
    れに薄膜トランジスタを形成する工程とを有することを
    特徴とするスイッチング素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記複数の多結晶または単結晶のシリ
    コン薄膜のそれぞれにゲート電極を共通にして薄膜トラ
    ンジスタを形成することを特徴とする請求項18記載の
    スイッチング素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記複数の多結晶または単結晶のシリ
    コン薄膜上に同一のゲート絶縁膜を形成することを特徴
    とする請求項18記載のスイッチング素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 上記複数の多結晶または単結晶のシリ
    コン薄膜は互いにほぼ平行に配列した短冊状の形状を有
    する複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項18記載のスイッチング素子の
    製造方法。
  22. 【請求項22】 上記複数の多結晶または単結晶のシリ
    コン薄膜のそれぞれの一端部および他端部にそれぞれソ
    ース領域およびドレイン領域を形成し、これらのソース
    領域およびドレイン領域にそれぞれ第1の電極および第
    2の電極を接続することを特徴とする請求項21記載の
    スイッチング素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 上記複数の多結晶または単結晶のシリ
    コン薄膜のそれぞれに、上記複数の多結晶または単結晶
    のシリコン薄膜の配列順序にしたがって閾値電圧が増加
    するように薄膜トランジスタを形成することを特徴とす
    る請求項21記載のスイッチング素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 上記ランプ光は高圧水銀ランプ光また
    は高圧キセノン−水銀ランプ光であることを特徴とする
    請求項18記載のスイッチング素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 上記ランプ光を集光して上記非晶質シ
    リコン薄膜に照射することを特徴とする請求項18記載
    のスイッチング素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 上記非晶質シリコン薄膜をプラズマC
    VD法により形成することを特徴とする請求項18記載
    のスイッチング素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 上記非晶質シリコン薄膜を触媒CVD
    法により形成することを特徴とする請求項18記載のス
    イッチング素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 少なくとも成長初期に成長雰囲気の全
    圧を1.33×10 -3Pa以上4Pa以下に設定して上
    記非晶質シリコン薄膜を成長させることを特徴とする請
    求項27記載のスイッチング素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 少なくとも成長初期に成長雰囲気にお
    ける酸素および水分の分圧を6.65×10-10 Pa以
    上2×10-6Pa以下に設定して上記非晶質シリコン薄
    膜を成長させることを特徴とする請求項27記載のスイ
    ッチング素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 上記基板は電気的絶縁性を有すること
    を特徴とする請求項18記載のスイッチング素子の製造
    方法。
  31. 【請求項31】 基板の段差を有する主面上に形成され
    た非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を
    含むランプ光を照射して結晶化することにより形成さ
    れ、かつ、所定形状にパターン化された複数の多結晶ま
    たは単結晶のシリコン薄膜を有し、 上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
    れに薄膜トランジスタが形成されていることを特徴とす
    る半導体装置。
  32. 【請求項32】 基板の段差を有する主面上に非晶質シ
    リコン薄膜を形成する工程と、 上記非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光
    を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶
    または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、 上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパ
    ターン化して複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜
    を形成する工程と、 上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
    れに薄膜トランジスタを形成する工程とを有することを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 基板の段差を有する主面上に形成され
    た非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を
    含むランプ光を照射して結晶化することにより形成さ
    れ、かつ、所定形状にパターン化された複数の多結晶ま
    たは単結晶のシリコン薄膜を有し、 上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
    れに薄膜トランジスタが形成されていることを特徴とす
    る電気光学装置。
  34. 【請求項34】 基板の段差を有する主面上に非晶質シ
    リコン薄膜を形成する工程と、 上記非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光
    を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶
    または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、 上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパ
    ターン化して複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜
    を形成する工程と、 上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞ
    れに薄膜トランジスタを形成する工程とを有することを
    特徴とする電気光学装置の製造方法。
  35. 【請求項35】 基板の段差を有する主面上に形成され
    た非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を
    含むランプ光を照射して結晶化することにより形成され
    た多結晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、 上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いて受光素
    子および周辺回路の薄膜トランジスタが形成されている
    ことを特徴とする固体撮像装置。
  36. 【請求項36】 基板の段差を有する主面上に非晶質シ
    リコン薄膜を形成する工程と、 上記非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光
    を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶
    または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、 上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いて受光素
    子および周辺回路の薄膜トランジスタを形成する工程と
    を有することを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
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