JP4802400B2 - スイッチング素子の製造方法、半導体装置の製造方法および電気光学装置の製造方法 - Google Patents
スイッチング素子の製造方法、半導体装置の製造方法および電気光学装置の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スイッチング素子およびその製造方法ならびに半導体装置およびその製造方法ならびに電気光学装置およびその製造方法ならびに固体撮像装置およびその製造方法に関し、例えば、液晶ディスプレイや電荷結合素子(CCD)に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶ディスプレイ(LCD)における水平および垂直の駆動回路においては、各走査線(スキャンライン)毎にパワーMOSトランジスタなどのスイッチング素子を配置し、これらのスイッチング素子を順次オンすることにより駆動を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のパワーMOSトランジスタなどのスイッチング素子は、走査線間でスイッチング特性のばらつきが少ないことや高耐圧であることなどが要求されるが、これらの要求を満たすことはコストなどの点で必ずしも容易でなかった。また、各走査線毎にスイッチング素子を配置しているため、走査線の数が多くなると、スイッチング素子が基板回路上の多くの面積を占有するようになり、これが大画面化の障害になっていた。
【0004】
したがって、この発明が解決しようとする課題は、トランジスタ間のスイッチング特性のばらつきが非常に少なく、回路基板上に配置したときにその占有面積を極めて小さくすることができ、電気的絶縁性の高い基板を用いることにより高耐圧でしかもトランジスタ間の電気的干渉が非常に起こりにくいスイッチング素子、このスイッチング素子あるいはこれと同様な構成の素子を有する半導体装置および液晶ディスプレイなどの電気光学装置ならびにそれらの製造方法を提供することにある。
【0005】
一方、従来の固体撮像装置は単結晶シリコン基板を用いたものであり、その製造には900℃以上の高温プロセスが不可欠である。このため、低温プロセスによる固体撮像装置の実現が望まれていた。
したがって、この発明が解決しようとする他の課題は、低温プロセスでガラス基板などの絶縁性基板上に形成された多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いた固体撮像装置およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術が有する上述の課題を解決すべく、鋭意検討を行った。以下にその概要を説明する。
【0007】
すなわち、本発明者は、従来のように走査線毎に個別素子としてのスイッチング素子を設けるのではなく、一つの基板上にシリコン薄膜を形成し、このシリコン薄膜をパターン化して複数のシリコン薄膜を形成し、これらのシリコン薄膜を用いて例えば走査線の本数に相当する個数の薄膜トランジスタ(TFT)をモノリシックに形成し、これを集積スイッチング素子として用いることを考えた。このようにすれば、TFTからなるスイッチング素子間のスイッチング特性のばらつきを非常に少なくすることができるとともに、スイッチング素子が基板回路上に占める面積を大幅に減少させることができる。また、電気的絶縁性の高い基板(ガラス基板や石英基板など)を用いることにより、各シリコン薄膜が島状になって互いに独立していることと相まって、各TFTの高耐圧化を図ることができるとともに、TFT間の電気的干渉が原理的に起こりにくくなる。
【0008】
ところで、シリコン薄膜の結晶性の改善方法、具体的には、例えば非晶質シリコン薄膜を溶融再結晶化などにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜とする方法としてエキシマーレーザーアニール(ELA)が従来より多く用いられているが、この方法には、得られるシリコン薄膜の膜質の安定性が悪いという欠点がある。
【0009】
本発明者は、この欠点を解消するため、使用光源および結晶化法の両面から鋭意検討を行った。その結果、シリコン薄膜の結晶性の改善を良好な膜質の安定性を得つつ達成するためには、エキシマーレーザー光に代えて、高圧水銀ランプ光や高圧キセノン−水銀ランプ光などに代表される、少なくともシリコンの光吸収係数が非常に大きい紫外域の波長の光を含むランプ光、取り分けこのランプ光を集光した光を用いることが有効であることを見い出した。また、単にこのようなランプ光を用いるだけではなく、シリコン薄膜を形成する下地基板として主面に段差を設けたものを用い、その上に非晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に上記のランプ光を照射して加熱または溶融して再結晶化を行い、上記段差をシードとしてシリコン薄膜をグラフォエピタキシャル成長させることが有効であることを見い出した。これによれば、電気的絶縁性が高い基板上に良好な結晶性の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を良好な膜質安定性で形成することができる。そして、このような結晶性が良好な多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いて上述のスイッチング素子としてのTFTを形成すれば、従来のパワーMOSトランジスタに匹敵する性能を有するスイッチング素子を実現することが可能である。
【0010】
一方、低温で非晶質シリコン薄膜を形成する方法としてはプラズマCVD法が一般的であるが、この方法により得られる非晶質シリコン薄膜中には多量の水素が含まれるほか、プラズマによる損傷が生じることから、これらが非晶質シリコン薄膜の結晶化などに悪影響を与えることが問題となる場合もあり得る。このような問題のない非晶質シリコン薄膜の形成方法として触媒CVD法が知られており、近年注目されている(例えば、応用物理第66巻第10号(1997)p.1094)。ところが、本発明者が種々実験を行った結果によれば、従来の触媒CVD法を用いて低温でシリコン薄膜を成長させた場合には、従来のCVD法により成長させた場合に比べて成長層に酸素が取り込まれやすく、得られるシリコン薄膜中の酸素濃度が数原子%(at%)を超えることがあり、これは原子濃度に換算すると少なくとも5×1020原子/cm3 (atoms/cc) 以上となる。シリコン中の酸素の固溶限界は2.5×1018atoms/ccであるから(例えば、半導体ハンドブック、第2版、pp.128-129、柳井久義監修、オーム社、昭和52年)、この酸素濃度は、シリコン中の酸素の固溶限界2.5×1018atoms/ccをはるかに超える値である。このように固溶限界以上の酸素がシリコン中に含有されると、酸素は酸化シリコンを形成して析出するので、シリコン結晶粒の外周に酸化物薄膜が形成されたり、さらに酸素が増加すると酸化物粒が形成されたりするため、この非晶質シリコン薄膜の結晶化によって高品質の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を得ることは困難である。
【0011】
そこで、本発明者は、酸素濃度が低いシリコン薄膜を形成すべく、触媒CVD法によりシリコン薄膜を成長させるときの条件の探索を行った。
【0012】
すなわち、触媒CVD法を用い、低温(例えば、100〜600℃)で、プロセス条件を種々に変えてシリコン薄膜を成長させ、その評価を行う実験を繰り返し行った結果、触媒CVD法を用いて低酸素濃度のシリコン薄膜を成長させるには、従来のCVD法と比べて、気相の成長雰囲気の圧力や成長雰囲気中の酸素、水分の分圧などの条件が全く異なることを見い出した。具体的には、少なくとも成長初期に成長雰囲気の全圧を従来の触媒CVD法よりもずっと低圧で、具体的には1.33×10-3Pa以上4Pa(0.01mTorr以上30mTorr以下)に設定することにより、最大酸素濃度が3×1018atoms/cc(0.0006at%)以下と極めて低いシリコン薄膜を成長させることができることがわかった。また、少なくとも成長初期に成長雰囲気における酸素および水分の分圧を6.65×10-10 Pa以上2×10-6Pa以下(0.005×10-6mTorr以上15×10-6mTorr以下)に設定することによっても、同様に最大酸素濃度が3×1018atoms/cc(0.0006at%)以下と極めて低いシリコン薄膜を成長させることができることがわかった。この酸素および水分の分圧は、反応ガス中に合計0.5ppm程度の酸素および水分が含有されていることから求めることができるものである。
【0013】
この発明は、本発明者による上記の検討に基づいてさらに検討を重ねた結果、案出されたものである。
【0014】
すなわち、上記課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
基板の段差を有する主面上に形成された非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより形成され、かつ、所定形状にパターン化された複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタが形成されている
ことを特徴とするスイッチング素子である。
【0015】
この発明の第2の発明は、
基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタを形成する工程とを有する
ことを特徴とするスイッチング素子の製造方法である。
【0016】
この発明の第3の発明は、
基板の段差を有する主面上に形成された非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより形成され、かつ、所定形状にパターン化された複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタが形成されている
ことを特徴とする半導体装置である。
【0017】
この発明の第4の発明は、
基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタを形成する工程とを有する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0018】
この発明の第5の発明は、
基板の段差を有する主面上に形成された非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより形成され、かつ、所定形状にパターン化された複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタが形成されている
ことを特徴とする電気光学装置である。
【0019】
この発明の第6の発明は、
基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタを形成する工程とを有する
ことを特徴とする電気光学装置の製造方法である。
【0020】
この発明の第7の発明は、
基板の段差を有する主面上に形成された非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより形成された多結晶または単結晶のシリコン薄膜を有し、
多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いて受光素子および周辺回路の薄膜トランジスタが形成されている
ことを特徴とする固体撮像装置である。
【0021】
この発明の第8の発明は、
基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いて受光素子および周辺回路の薄膜トランジスタを形成する工程とを有する
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法である。
【0022】
この発明において、「単結晶のシリコン薄膜」には、亜粒界を含むものも含まれるものとし、さらには、結晶粒径が十分に大きく、少なくともチャンネル領域については単結晶シリコンとほぼ同一視することができる多結晶シリコン薄膜も含まれるものとする。
【0023】
非晶質シリコン薄膜を形成する基板は必要に応じて選ぶことができるが、好適には電気的絶縁性の高い基板、具体的には、例えばホウケイ酸素ガラスなどのガラス基板、石英ガラス基板、結晶化ガラスなどの耐熱性ガラス基板などのほか、耐熱性有機基板などを用いることができ、基板材料の選択の自由度は高く、基板の大型化も容易である。これらの基板は使用する基板温度によって使い分けることができ、例えば、基板温度が〜600℃の低温の場合にはホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、基板温度が800〜1000℃の高温の場合には石英ガラス基板、結晶化ガラス基板などの耐熱性ガラス基板を使用することができる。このため、て際、基板の材料の選択の範囲が広いため、これらの基板上に形成する段差部分の形状や寸法は、例えばこの段差部分に形成する薄膜トランジスタの形状や個数などに応じて決定される。
【0024】
複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜に形成する複数の薄膜トランジスタを単一のゲート電極により制御する場合には、これらの複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれにゲート電極を共通にして薄膜トランジスタを形成する。また、ゲート絶縁膜については、典型的には、これらの複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜上に同一のゲート絶縁膜を形成する。
【0025】
これらの複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜は、典型的には、互いにほぼ平行に配列した短冊状の形状を有する(全体としては櫛歯状の形状を有する)複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜からなる。また、典型的には、複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれの一端部および他端部にそれぞれソース領域およびドレイン領域が形成され、これらのソース領域およびドレイン領域にそれぞれ第1の電極および第2の電極が接続される。
【0026】
これらの薄膜トランジスタは、典型的には、ゲート電極へのゲート電圧の印加によりそれらのチャンネル領域に反転層が形成されてオンしたときに第1の電極および第2の電極間が導通する。典型的には、複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに形成された薄膜トランジスタの閾値電圧は、これらの複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜の配列順序にしたがって徐々に増加するように設定される。この場合、例えば、ゲート電極に鋸歯状波形のゲート電圧を印加することにより、このゲート電圧が複数の薄膜トランジスタの閾値電圧に達した時点で順次オンするようにすることができる。
【0027】
また、少なくともチャンネル領域における多結晶または単結晶のシリコン薄膜および受光素子を形成する多結晶または単結晶シリコン薄膜の最大酸素濃度は5×1018原子/cm3 以下にすることができ、好適には3×1018原子/cm3 以下にすることができる。このチャンネル領域を構成する多結晶または単結晶のシリコン薄膜および受光素子を形成する多結晶または単結晶シリコン薄膜の厚さは必要に応じて選択することができるものであるが、一般的には10〜100nm程度である。典型的には、多結晶または単結晶のシリコン薄膜は、厚さが100nm以下、好適には50nm以下である。
【0028】
非晶質シリコン薄膜の成長温度は、典型的には100℃以上300℃以下、好適には200℃以上300℃以下とする。また、上記のような低い最大酸素濃度を達成する観点から、非晶質シリコン薄膜は、少なくとも成長初期に成長雰囲気の全圧を1.33×10-3Pa以上4Pa以下に設定して成長させる。あるいは、非晶質シリコン薄膜は、少なくとも成長初期に成長雰囲気における酸素および水分の分圧を6.65×10-10 Pa以上2×10-6Pa以下に設定してグラフォエピタキシャル成長させる。
【0029】
この発明において、半導体装置における複数の薄膜トランジスタは、典型的にはスイッチング素子として用いられるが、これらの薄膜トランジスタの用途は必ずしもスイッチング素子に限定されるものではなく、必要に応じて他の用途に用いることができる。この半導体装置には、薄膜半導体装置のほか、バルク基板にトランジスタなどの素子を形成するとともに、このバルク基板上に薄膜トランジスタを形成するものも含まれる。
【0030】
電気光学装置は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、電界放出型表示装置(FED)、プラズマディスプレイ(PD)、発光ポリマー表示装置(LEPD)、発光ダイオード(LED)表示装置などであり、複数の薄膜トランジスタは例えばその走査線のスイッチング素子として用いられるが、これらの薄膜トランジスタの用途は必ずしもスイッチング素子に限定されるものではなく、必要に応じて他の用途に用いることができる。
【0031】
上述のように構成されたこの発明によれば、基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成しているので、非晶質シリコン薄膜への紫外域の波長の光を含むランプ光の照射によるアニールと段差をシードとするシリコン薄膜のグラフォエピタキシャル成長との総合的な効果により、低温プロセスで結晶性の良好な多結晶または単結晶のシリコン薄膜を良好な膜質安定性で形成することができる。
【0032】
そして、例えば、この多結晶または単結晶のシリコン薄膜をパターン化することにより形成された複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタを形成することにより、言い換えれば、単一の単結晶シリコン薄膜の近接した部分を用いて複数の薄膜トランジスタを形成することにより、これらの薄膜トランジスタの特性を極めて均一にすることができる。また、これらの薄膜トランジスタは同一の基板上にモノリシックに形成されることから、これらの薄膜トランジスタの個数が多くなっても、それらが基板上で占有する面積を非常に少なく抑えることができる。また、電気的絶縁性の高い基板を用いることにより、これらの薄膜トランジスタを高耐圧のものとすることができるとともに、薄膜トランジスタ相互間の電気的干渉が原理的に起こりにくい。
【0033】
さらに、非晶質シリコン薄膜を成長させる場合に、少なくとも成長初期に成長雰囲気の全圧を1.33×10-3Pa以上4Pa以下に設定することにより、少なくとも成長初期に成長雰囲気中の酸素および水分の分圧を6.65×10-10 Pa以上2×10-6Pa以下にすることができ、このため成長層への酸素の取り込み量を極めて少なくすることができ、これによって非晶質シリコン薄膜の最大酸素濃度を5×1018原子/cm3 以下と、従来の触媒CVD法により低温で成長される非晶質シリコン薄膜に比べて極めて低くすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの平面図、図2は図1のII−II線に沿っての拡大断面図である。
【0035】
図1および図2に示すように、この第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーにおいては、例えば長方形状のガラス基板1上に長方形状の溝2がそれらの長手方向が互いに平行になるように設けられている。ガラス基板1としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミケイ酸ガラスなどからなるものを用いることができる。溝2は、多結晶または単結晶のシリコン薄膜をグラフォエピタキシャル成長させる際のシードとなる段差があるものであれば、基本的にはどのような平面形状および断面形状であってもよいが、具体的には、例えば深さ50〜150nm、幅2〜10μmである。また、溝2の断面形状については、例えば、その底面と側面とのなす角が90°ないしそれより少し小さいものとする。
【0036】
ガラス基板1の全面に保護膜3が設けられている。この保護膜3は、ガラス基板1からのアルカリイオン(NaイオンやKイオンなど)のような可動イオンによる汚染を防止するためのものである。この保護膜3としては、例えば、厚さ30〜100nmの窒化シリコン(SiN)膜や、厚さ30〜100nmのSiN膜とその上の厚さ30〜150nmの酸化シリコン(SiO2 )膜との複合膜などを用いることができる。
【0037】
この保護膜3上に、溝2をその長手方向と垂直方向にまたぐように、n本(n≦2)の細長い短冊状の多結晶または単結晶シリコン薄膜4が、互いに平行にかつ等間隔に設けられている。これらの多結晶または単結晶シリコン薄膜4は、全体として櫛歯状の形状を有する。この多結晶または単結晶シリコン薄膜4は、溝2による段差をシードとしてグラフォエピタキシャル成長され、その後にパターン化されたものである。この多結晶または単結晶シリコン薄膜4の厚さは例えば40〜50nm、幅は例えば1〜3μm、長さはトランジスタのチャンネル長によっても異なるが、例えば5〜10μmである。また、この多結晶または単結晶シリコン薄膜4の間隔は例えば1〜3μmである。この多結晶または単結晶シリコン薄膜4は、これを用いて形成するTFTがnチャンネルである場合にはp型、pチャンネルである場合にはn型であり、不純物濃度はいずれも例えば1×1014〜1×1017atoms/ccである。
【0038】
これらの多結晶または単結晶シリコン薄膜4の一端部および他端部にはそれぞれソース領域5およびドレイン領域6が形成されている。これらのソース領域5およびドレイン領域6は、多結晶または単結晶シリコン薄膜4に形成するTFTがnチャンネルである場合にはn型、pチャンネルである場合にはp型である。
【0039】
これらの多結晶または単結晶シリコン薄膜4を覆うように全面にゲート絶縁膜7が形成されている。このゲート絶縁膜7としては、例えば、SiO2 膜、SiN膜、SiO2 膜とSiN膜との複合膜、アルミナ(Al2 O3 )膜などを用いることができる。また、溝2の上方の部分におけるゲート絶縁膜7上には、全ての多結晶または単結晶シリコン薄膜4にまたがるようにこの溝2の長手方向に延在してゲート電極8が設けられている。このゲート電極8の一端部にはパッド部が設けられている。このゲート電極8は、例えば、アルミニウム(Al)、Al合金、銅(Cu)などからなる。このゲート電極8と多結晶または単結晶シリコン薄膜4に形成されたソース領域5およびドレイン領域6とにより多結晶または単結晶シリコンTFTが形成されている。この多結晶または単結晶シリコンTFTの実効チャンネル長は例えば1〜5μmである。
【0040】
このようにして、n個の多結晶または単結晶シリコン薄膜4によりn個の多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn が形成されている。ここで、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の閾値電圧Vth1 〜Vthn は、チャンネルドーピングの調節により徐々に少しずつ大きくなっている。より具体的には、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の閾値電圧はそれぞれVth1 、Vth2 =Vth1 +Δ、Vth3 =Vth1 +2Δ、Vth4 =Vth1 +3Δ、・・・、Vthn-1 =Vth1 +(n−2)Δ、Vthn =Vth1 +(n−1)Δに設定されている。ただし、Δは正の微小量である。
【0041】
各多結晶または単結晶シリコン薄膜4の両端のソース領域5およびドレイン領域6の上方におけるゲート絶縁膜7には、開口9、10が設けられている。そして、これらの開口9、10を通じて、ソース領域5およびドレイン領域6にそれぞれプローブ電極Pi 、Pi ´(ただし、i=1〜n)が接続されている。これらのプローブ電極Pi 、Pi ´の他端部にはパッド部が設けられている。これらのプローブ電極Pi 、Pi ´は、例えば、アルミニウム(Al)、Al合金、銅(Cu)などからなる。
【0042】
図3に多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の部分のパターン形状およびレイアウトの詳細を示す。
図示は省略するが、プローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´およびゲート電極8を覆うように全面にパッシベーション膜が形成されている。このパッシベーション膜としては、例えば、SiO2 膜、SiN膜、SiO2 膜とSiN膜との複合膜などを用いることができる。このパッシベーション膜には、プローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´のパッド部およびゲート電極8のパッド部の上の部分に開口が形成されており、これらの開口を通じてプローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´およびゲート電極8を外部配線と接続することができるようになっている。
【0043】
この連続閾値TFTスイッチャーを例えばLCDの水平または垂直または水平/垂直走査用スイッチング素子として用いる場合には、短冊状の多結晶または単結晶シリコン薄膜4の数、したがって多結晶または単結晶シリコンTFTの数nはその走査線と同じ数に選ばれる。そして、走査線と駆動回路との間にこの連続閾値TFTスイッチャーが配置され、各走査線の一端がプローブ電極Pi と接続され、駆動回路の端子がプローブ電極Pi ´と接続される。ゲート電極8には、駆動回路と同期したゲート電圧が印加される。短冊状の多結晶または単結晶シリコン薄膜4の数、したがって多結晶または単結晶シリコンTFTの数nの具体例を挙げると、LCDを走査線の数が1125本のHDTV(High Definition Television)対応とする場合、1125となる。
【0044】
次に、上述のように構成された連続閾値TFTスイッチャーの製造方法について説明する。
まず、この製造方法において非晶質シリコン薄膜の形成に使用する触媒CVD装置について説明する。図4は触媒CVD装置の一例を示す。
【0045】
図4に示すように、この触媒CVD装置においては、成長チャンバー51の側壁に真空排気管52を介してターボ分子ポンプ(TMP)が接続されており、このTMPにより成長チャンバー51内を例えば1×10-6Pa程度の圧力に真空排気することができるようになっている。この成長チャンバー51の底部にはガス供給管53が取り付けられており、このガス供給管53を通じて成長に使用する反応ガスを成長チャンバー51内に供給することができるようになっている。非晶質シリコン薄膜を成長させる基板54は、図示省略したロードロックチャンバーを経由して、成長チャンバー51の内部の上部中央に設けられた試料ホルダー部55に取り付けられる。この試料ホルダー部55は例えばSiCでコーティングされたグラファイトサセプターからなり、大気側からヒーター56により加熱することができるようになっている。ガス供給管53の先端のガス吹き出しノズル57と試料ホルダー部55との間に触媒体58が設置されている。この触媒体58としては、例えばW線をコイル状に巻き、そのコイル状のW線を何度か往復させて、基板54の全体をカバーする面積を張るように、かつ、その張る面が試料ホルダー55の面と平行になるように形成したものが用いられる。この触媒体58は、直接通電することにより加熱されている。なお、触媒体58の形状は必ずしも線状に限るものではない。基板54の温度は、基板ホルダー部55の基板54の横に取り付けられた熱電対59により測定することができるようになっている。
【0046】
この製造方法においては、まず、図5Aに示すように、ガラス基板1の表面を例えば反応性イオンエッチング(RIE)法などのドライエッチング法により選択的にエッチングして溝2を形成する。
【0047】
次に、図5Bに示すように、例えばプラズマCVD法などにより例えば200〜300℃の低温で基板全面に例えば厚さが30〜100nmのSiN膜を形成し、あるいは厚さが30〜100nmのSiN膜と厚さが30〜150nmのSiO2 膜とを順次形成して保護膜3を形成する。ここで、SiN膜の形成時には例えば水素をキャリアガスとし、モノシランまたはジクロルシランにアンモニアを混合したものを原料ガスとして用い、SiO2 膜の形成時には例えば水素をキャリアガスとし、モノシランにヘリウム希釈酸素を混合したものを原料ガスとして用いる。
次に、図5Cに示すように、図4に示す触媒CVD装置を用いて触媒CVD法により非晶質シリコン薄膜11を成長させる。
【0048】
この触媒CVD法による成長は次のような手順で行う。すなわち、まず、保護膜3を形成したガラス基板1を希釈フッ酸(1〜5%水溶液)などで洗浄してから、純水で洗浄し、その後乾燥を行う。
【0049】
次に、このガラス基板1を、図示省略したロードロックチャンバーを経由して図4に示す触媒CVD装置の成長チャンバー51内の試料ホルダー部55のサセプターに取り付ける。この試料ホルダー部55のサセプターは、あらかじめヒーター56により成長温度、例えば200〜300℃に設定しておく。
【0050】
次に、成長チャンバー51内をTMPにより例えば(1〜2)×10-6Pa程度まで減圧し、特に成長チャンバー51内に外部から持ち込まれた酸素および水分を排気する。この排気に要する時間は例えば約5分である。
【0051】
次に、成長チャンバー51内にガス供給管53から水素を流し、その流量、圧力およびサセプター温度を所定の値に制御する。成長チャンバー51内圧力は、1.33×10-3Pa〜4Pa(0.01mTorr〜30mTorr以下)に設定する。水素流量は30sccm/minに設定する。
【0052】
次に、触媒体58に通電して1800℃に加熱し、この温度に例えば10分間保持する。なお、上述のように成長チャンバー51内に水素を流しておくのは触媒体58の加熱時の酸化を防止するためである。
【0053】
次に、成長チャンバー51内にガス供給管53から水素に加えてモノシランを流し、所定の厚さ、例えば厚さ約40〜50nmのシリコン薄膜を成長させる。水素流量は例えば30sccm/min、モノシラン流量は例えば0.3〜2sccm/min(100%モノシランを使用)に設定する。このようにして、図5Cに示すように、非晶質シリコン薄膜11が成長する。
【0054】
成長終了後、成長チャンバー51に流すモノシラン流量をゼロにし、例えば約5分後に触媒体58への電力供給を遮断して、その温度を下げる。
次に、成長チャンバー51に流す水素流量をゼロにして、(1〜2)×10-6Pa程度まで減圧し、特に成長チャンバー51内に導入したモノシランを排気する。この排気には例えば約5分かかる。
この後、非晶質シリコン薄膜11を成長させたガラス基板1を、図示省略したロードロックチャンバーを経由して、成長チャンバー51の外部に取り出す。
【0055】
次に、このガラス基板1を後述の光照射装置の処理室内に入れ、非晶質シリコン薄膜11に高圧水銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光を集光して照射することにより加熱または溶融して再結晶化を行い、図5Dに示すように、溝2による段差をシードとして多結晶または単結晶シリコン薄膜4をグラフォエピタキシャル成長させる。
次に、このようにして得られた多結晶または単結晶シリコン薄膜4に、形成するTFTがnチャンネルであるかpチャンネルであるかに応じてp型またはn型の不純物をイオン注入などにより導入し、p型化またはn型化する。
【0056】
次に、図6Aおよび図6Bに示すように、多結晶または単結晶シリコン薄膜4上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとして多結晶または単結晶シリコン薄膜4をRIE法などによりエッチングして短冊形状にパターン化する。
【0057】
次に、図7Aに示すように、例えばプラズマCVD法により基板全面にゲート絶縁膜5を形成する。
次に、図7Bに示すように、ゲート絶縁膜5上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン12を形成した後、これをマスクとして多結晶または単結晶シリコン薄膜4に不純物のイオン注入を十分に高濃度に行い、ソース領域5およびドレイン領域6を形成する。このイオン注入の不純物としては、形成するTFTがnチャンネルであるかpチャンネルであるかに応じてn型またはp型の不純物を用いる。この後、レジストパターン12を除去する。
【0058】
次に、図8Aおよび図8Bに示すように、フォトリソグラフィーにより各多結晶または単結晶シリコン薄膜4のチャンネル領域に対応する部分が開口したレジストパターン13を形成した後、これをマスクとして、ソース領域5およびドレイン領域6の間の部分の多結晶または単結晶シリコン薄膜4、すなわちチャンネル領域にゲート絶縁膜7を介して閾値電圧制御用の不純物のドーピング(チャンネルドーピング)を行う。この不純物ドーピング量は、多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の閾値電圧がそれぞれVth1 、Vth2 =Vth1 +Δ、Vth3 =Vth1 +2Δ、Vth4 =Vth1 +3Δ、・・・、Vthn-1 =Vth1 +(n−2)Δ、Vthn =Vth1 +(n−1)Δに設定されるように、各多結晶または単結晶シリコン薄膜4毎に少しずつ異なるドーズ量に設定する。この各多結晶または単結晶シリコン薄膜4への不純物ドーピングは、原理的には、レジストパターンを形成しては、これをマスクとして閾値電圧制御用の不純物(リンやホウ素など)のイオン注入を行う工程を繰り返し行うことにより可能であるが、nが大きい場合には、好適には例えば集束イオンビーム(FIB)装置を用いて不純物のイオンビーム描画を行う。このイオンビーム描画はマスクレスで行うことができることから、レジストパターン13の形成を省略することができ、製造プロセスの簡略化を図ることができる。
【0059】
次に、レジストパターン13を除去した後、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)やELA(Eximer Laser Annealing) などにより、各多結晶または単結晶シリコン薄膜4に導入された不純物の活性化を行う。
【0060】
次に、図9Aおよび図9Bに示すように、フォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとしてゲート絶縁膜7をエッチング除去することによりソース領域5およびドレイン領域6上にそれぞれ開口9、10を形成する。
【0061】
次に、図10Aおよび図10Bに示すように、例えば真空蒸着法、スパッタリング法などにより基板全面にアルミニウム、アルミニウム合金、銅などを形成した後、この金属膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとしてこの金属膜をエッチングすることにより、ゲート電極8およびプローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´を形成する。
【0062】
次に、ソース領域5およびドレイン領域6とプローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´とのコンタクト部のオーミック性を良好にするために、例えば、窒素ガス、水素ガスまたは水素ガス混合の窒素ガス(フォーミングガス)中において350〜450℃の温度の熱処理を行う。
【0063】
次に、例えばプラズマCVD法などにより基板全面にSiO2 膜、SiN膜などを適当な厚さに形成してパッシベーション膜を形成する。次に、このパッシベーション膜の所定部分をエッチング除去して、ゲート電極8およびプローブ電極P1 〜Pn 、P1 ´〜Pn ´のパッド部を露出させる。ここで、パッシベーション膜として特に、Si−H基を多く含むSiN膜をプラズマCVD法などにより200〜300℃の温度で400〜700nm程度の厚さに形成し、窒素ガスなどの不活性ガス中において400〜430℃で20分以上の熱処理を行ってSi−H基を分解させると、それにより発生する水素による多結晶または単結晶シリコン薄膜4中のダングリングボンドの終端処理効果を得ることができ、多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の電気的特性の顕著な改善を図ることができる。
以上により、目的とする連続閾値TFTスイッチャーが製造される。
【0064】
次に、この連続閾値TFTスイッチャーの動作方法について説明する。
上述のように、この連続閾値TFTスイッチャーを構成するn個の多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn の閾値電圧はそれぞれVth1 、Vth2 =Vth1 +Δ、Vth3 =Vth1 +2Δ、Vth4 =Vth1 +3Δ、・・・、Vthn-1 =Vth1 +(n−2)Δ、Vthn =Vth1 +(n−1)Δに設定されている。そこで、ゲート電極8に、図11Aに示すような周期Tの鋸歯状波形のゲート電圧を印加する。すると、ゲート電圧が0から徐々に上昇して時刻t1 にVth1 に達すると、まず単結晶シリコンTFTQ1 がオンしてプローブ電極P1 、P1 ´間が導通し、続いて時刻t2 にVth2 に達すると、単結晶シリコンTFTQ2 もオンしてプローブ電極P2 、P2 ´間が導通するというように、図11Aに示す鋸歯状波形の一周期で多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn が順次オンし、対応するプローブ電極Pi 、Pi ´間が順次導通状態となり、各周期毎にこれが繰り返される。このように、ゲート電極8に周期Tの鋸歯状波形のゲート電圧が印加されることによって、各多結晶または単結晶シリコンTFTQi が周期T毎に順次スイッチングを行う。
【0065】
以上のように、この第1の実施形態によれば、溝2が形成され、それにより段差が形成されたガラス基板1の主面上に非晶質シリコン薄膜4を形成し、この非晶質シリコン薄膜4に高圧水銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光を集光して照射し、アニールを行うことにより、溝2による段差をシードとして多結晶または単結晶シリコン薄膜4をグラフォエピタキシャル成長させ、これをパターン化することにより形成されるn個の短冊状の多結晶または単結晶シリコン薄膜4を用いてn個の多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn を形成し、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn により連続閾値TFTスイッチャーを形成しているので、次のような種々の利点を得ることができる。すなわち、良好な結晶性の多結晶または単結晶シリコン薄膜4を良好な膜質均一性および膜質安定性で形成することができる。そして、この一つの多結晶または単結晶シリコン薄膜4の近接した部分を用いて多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn を形成しているので、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTの特性を極めて均一にすることができ、スイッチング特性のばらつきを非常に少なくすることができる。また、特に、多結晶または単結晶シリコン薄膜4が単結晶シリコン薄膜の場合には、電子移動度として400〜550cm2 /V・sと単結晶シリコン基板並の大きな値を得ることが可能であるため、動作速度が極めて高い単結晶シリコンTFTを得ることができる。また、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn は同一のガラス基板1上にモノリシックに形成されることから、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTの個数nが多くなっても、それらが基板上で占有する面積を非常に少なく抑えることができ、したがってLCDの大画面化を図ることができる。また、ガラス基板1は電気的絶縁性が高いことにより、これらの多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn を高耐圧にすることができるとともに、それらの間の電気的干渉が原理的に起こりにくく、誤作動が生じにくい。したがって、この連続閾値TFTスイッチャーを、例えばLCDの垂直または水平または垂直/水平の走査用スイッチング装置として用いることにより、走査線毎にスイッチング素子を配置していた従来のLCDの問題を一挙に解決することができる。
【0066】
さらに、触媒CVD法により非晶質シリコン薄膜11を成長させる際の成長圧力を十分に低く、具体的には例えば0.13Pa(1mTorr)前後に設定していることにより、最大酸素濃度が3×1018atoms/cc以下と極めて低い非晶質シリコン薄膜11を得ることができる。そして、この低酸素濃度の非晶質シリコン薄膜11を結晶化させることにより形成される低酸素濃度の多結晶または単結晶シリコン薄膜4を用いて、高性能の多結晶または単結晶シリコンTFTQ1 〜Qn を形成することができる。
【0067】
また、高圧水銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光の照射により非晶質シリコン薄膜4の結晶化を行っているので、ELAを用いて結晶化を行う場合に比べて処理装置が安価で済み、これは連続閾値TFTスイッチャーの製造コストの低減につながる。
【0068】
また、これに加えて、非晶質シリコン薄膜11の成長に触媒CVD法を用いていることにより、モノシランなどの反応ガスの反応効率が数10%と高いため、省資源で環境への負荷が小さく、また、成長コストの低減を図ることができる。
【0069】
さらに、成長温度が上述のように200〜300℃と低温で済むため、成長装置の加熱電源を小電力とすることができ、冷却機構も簡単になるため、非晶質シリン薄膜の成長装置が安価になる。
【0070】
ここで、ランプ光を非晶質シリコン薄膜に照射することにより結晶化を行った実験結果について説明する。光照射に使用した集光型ランプ光照射装置を図12に示す。図12に示すように、この集光型ランプ光照射装置においては、容器31の下部にランプ32および楕円ミラー33が設けられている。ランプ32から発生する光34は楕円ミラー33により上方に集められ、容器31の上部に設けられた反射ミラー35に入射する。この反射ミラー35により反射された光34は試料ホルダー36に保持された試料37に集光される。試料ホルダー36は、図示省略した駆動機構により、試料37への光入射方向から見て上下左右に移動可能に構成されており、これらの移動により試料37の全面に光を照射することができるようになっている。
【0071】
図13Aおよび図13Bに示すように、試料ホルダー36は、例えばアルミニウム製の支持棒38に例えば同じくアルミニウム製のL字型の保持具39を取り付けたものである。保持具39の水平板部39aの上面には溝(図示せず)が形成されており、この溝に試料37の最下部を差し込むことにより試料37を保持するようになっている。ここで、必要に応じて、試料37の裏面を保持具39の垂直板部39bに密着させることができるようになっている。この垂直板部39bには多数の微小な穴(図示せず)が設けられており、これらの穴を通して試料37の裏面に例えば窒素、アルゴンなどのガスを吹き付けることにより試料37を冷却することができるようになっている。
【0072】
ランプ32としては、例えば高圧水銀ランプまたは高圧キセノン−水銀ランプを使用する。図14および図15にそれぞれ高圧水銀ランプおよび高圧キセノン−水銀ランプの出力分光分布を示す。
【0073】
表1に、厚さ0.7mmのアルミケイ酸ガラス基板上に厚さ300nmの非晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に高圧水銀ランプ光を集光して照射し、結晶化した結果を示す。ただし、ここでは非晶質シリコン薄膜はプラズマCVD法により形成した。照射時間は5〜30秒間とし、試料位置を種々に変化させた。
【0074】
【0075】
その結果、非晶質シリコン薄膜は、10秒以上の高圧水銀ランプ光照射によって色とラマン特性とが変化し、これにより多結晶シリコン薄膜に変化したことが確認できた。図16〜図19にラマン特性の変化を示す。ここで、図16は試料1の未照射領域のラマン特性、図17は試料1の照射領域のラマン特性、図18は試料2の照射領域のラマン特性、図19は試料3〜8の照射領域のラマン特性を示す。参考のために、単結晶シリコン基板のラマン特性を図20に示す。ガラス基板の裏面は保持具39の垂直板部39bに密着させ、ガラス基板の温度上昇を抑制しようと試みたが、10秒間以上照射したら、ガラス基板に明らかに歪みが発生した。上記光照射実験の際に保持具39の一部が溶融した。また、時折、ガラス基板が割れることもあった。
【0076】
ガラス基板裏面のガス冷却による歪み発生の抑制を試みた結果を表2、表3に示す。試料の作製は表1のものと同様に行った。ここで、表2の試料11〜14は、ガラス基板を保持具39に密着させずに光照射を行った。また、表3の試料16〜19は、ガラス基板の裏面に空気を風速5m/秒で吹き付けた。表2の試料12〜14ではガラス基板に歪みが発生したが、光照射時にガラス基板裏面に空気を風速5m/秒で吹き付けた表3の試料16〜19の場合、ガラス基板に歪みは発生せず、ガラス基板が割れることも見られなかった。
【0077】
【0078】
【0079】
図19のラマン特性を図20の単結晶シリコンのラマン特性と比較すると、特性の差異が明らかに見られる。特に感度が低いことから、多結晶シリコンの粒径が小さく、1μm以下であることが推定される。これは、光照射強度が小さく、シリコン薄膜が溶融していないこと、および、当然横方向結晶成長が起こっていないためである。
【0080】
表4に、厚さ0.7mmのアルミケイ酸ガラス基板上にプラズマCVD法により厚さ50nmの非晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に高圧水銀ランプ光を集光して照射し、結晶化した結果を示す。照射時間は10〜40秒間とした。
【0081】
【0082】
その結果、非晶質シリコン薄膜は、20秒以上の照射によって色とラマン特性とが変化し、多結晶シリコン薄膜に変化したことが確認できた。図21〜図23にラマン特性の変化を示した。非晶質シリコン薄膜が薄い場合、長い照射時間が必要であることがわかった。
【0083】
ガラス基板裏面は、保持具39の垂直板部39aに密着させ、ガラス基板の温度上昇を抑制しようと試みたが、20秒以上照射したら、ガラス基板に明らかに歪みが発生した。
試料25についてホール(Hall)効果電子移動度を測定評価したところ、5〜6cm2 /V・secが得られた。
【0084】
厚さ0.7mmのアルミケイ酸ガラス基板上にプラズマCVD法により厚さ300nmの非晶質シリコン薄膜を形成し、これに高圧水銀ランプ光を集光して照射した。照射時間は10〜40秒間とした。ランプ光はφ3mm×0.1mmに集光し、強度を向上させた。この結果、ガラス基板に歪みを発生させることなく非晶質シリコン薄膜の結晶化を行って、粒径が1μm以上の結晶性が良好な多結晶シリコン薄膜を形成することができた。
【0085】
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
図24はこの発明の第2の実施形態による透過型CCDイメージセンサー装置の回路構成を示す。この透過型CCDイメージセンサー装置においては、光透過性のガラス基板上に画素70がマトリクス状に配列されて構成されている。各画素70は、フォトセンサーを構成するフォトダイオード71と、フォトダイオード71を制御するフォトゲート72と、転送トランジスタ73と、リセットトランジスタ74と、増幅トランジスタ75と、垂直選択トランジスタ76とを有する。ここで、フォトダイオード71は多結晶または単結晶シリコン薄膜により形成され、転送トランジスタ73、リセットトランジスタ74、増幅トランジスタ75、垂直選択トランジスタ76および後述の水平選択トランジスタ83は多結晶または単結晶シリコンTFTにより形成される。
【0086】
フォトゲート72は、対向する二つの電極、すなわちフォトゲート電極およびその下の多結晶または単結晶シリコン薄膜を有する容量素子により構成され、その一方(多結晶または単結晶シリコン薄膜側)がフォトダイオード71のカソードに接続され、他方(フォトゲート電極側)が配線77に接続されている。
【0087】
転送トランジスタ73のソース領域およびドレイン領域の一方はフォトダイオード71のカソードおよびフォトゲート72の一方の電極に接続され、ゲートは垂直読み出し線78に接続されている。
【0088】
リセットトランジスタ74のソース領域およびドレイン領域の一方は転送トランジスタ73のソース領域およびドレイン領域の他方に接続されている。また、リセットトランジスタ74のソース領域およびドレイン領域の他方は電源電圧VDD供給線と接続され、ゲートはリセット線79に接続されている。このリセットトランジスタ74は、転送トランジスタ73により転送されてくる電荷を排出してリセットするためのものである。
【0089】
増幅トランジスタ75のソース領域およびドレイン領域の一方は電源電圧VDD供給線と接続され、ゲートは転送トランジスタ73のソース領域およびドレイン領域の他方ならびにリセットトランジスタ74のソース領域およびドレイン領域の一方に接続されている。この増幅トランジスタ75は、転送トランジスタ73により転送される電荷を増幅して信号とするためのものである。
【0090】
垂直選択トランジスタ76のソース領域およびドレイン領域の一方は増幅トランジスタ75のソース領域およびドレイン領域の他方と接続されている。垂直選択トランジスタ76のソース領域およびドレイン領域の他方は垂直信号線80に接続され、ゲートは垂直選択線81に接続されている。この垂直選択トランジスタ76は、増幅トランジスタ75により生成される信号を垂直信号線80に送るためのものである。
【0091】
垂直読み出し線78は垂直走査回路82に接続され、この垂直走査回路82から駆動パルスφTX(φTX1 、・・・、φTXm 、・・・)が供給されるようになっている。例えば、m行の垂直読み出し線78には垂直走査回路82から駆動パルスφTXm が供給される。
【0092】
垂直選択線81は同様に垂直走査回路82に接続され、この垂直走査回路82から駆動パルスφVS(φVS1 、・・・、φVSm 、・・・)が供給されるようになっている。例えば、m行の垂直選択線71には垂直走査回路82から駆動パルスφVSm が供給される。
【0093】
リセット線79は同様に垂直走査回路82に接続され、この垂直走査回路82から駆動パルスφRST(φRST1 、・・・、φRSTm 、・・・)が供給されるようになっている。例えば、m行のリセット線79には垂直走査回路82から駆動パルスφRSTm が供給される。
【0094】
フォトゲート72に接続された配線77は同様に垂直走査回路82に接続され、駆動パルスφPG(φPG1 、・・・、φPGm 、・・・)が供給されるようになっている。例えば、m行の配線77には垂直走査回路82から駆動パルスφPGm が供給される。
【0095】
垂直信号線80は、水平選択トランジスタ83を介して水平信号線84に接続されている。
水平選択トランジスタ83のゲートは水平走査回路85に接続され、駆動パルスφH(φH1 、・・・、φHn 、・・・)が供給されるようになっている。例えば、n列の水平選択トランジスタ83のゲートには水平走査回路85から駆動パルスφHn が供給される。
【0096】
水平信号線84の一端には出力端子86が設けられ、この出力端子86から信号が出力されるようになっている。
【0097】
この透過型CCDイメージセンサー装置の駆動方法について、図24におけるm行n列の画素70の駆動を例にとり説明する。
まず、m行が選択される水平走査期間のうちの例えば水平ブランキング期間内において、m行の垂直選択線81の駆動パルスφVSm を高レベルにして、m行の画素70の垂直選択トランジスタ76をオンにするとともに、m行の垂直読み出し線78の駆動パルスφTXm を高レベルにして、m行の画素70の転送トランジスタ73をオンにする。
【0098】
これにより、フォトダイオード71に電荷が蓄積されていると、この電荷が増幅トランジスタ75のゲート側に転送される。このようにゲートに電荷が転送されて蓄積されることにより、増幅トランジスタ75がオンになり、蓄積された電荷の量に対応した信号が増幅トランジスタ75から垂直選択トランジスタ76に送られる。このとき垂直選択トランジスタ76もオンになっているため、信号はこの垂直選択トランジスタ76を経て垂直信号線80に伝送される。このとき水平選択トランジスタ83をオフにしておくと、信号は垂直信号線80に保持されている。
【0099】
その後、m行の垂直読み出し線78に供給する駆動パルスφTXm を低レベルにすると、転送トランジスタ73がオフになる。そして、垂直走査回路82から配線77を通じて駆動パルスφPGを印加することにより、フォトゲート72を動作させてフォトダイオード71に光電変換した電荷の蓄積を行うことが可能となる。
【0100】
続いて、1列から順次、水平走査回路85からの駆動パルスφHを印加していく。そして、n行の駆動パルスφHn を高レベルにすると、n行の水平選択トランジスタ83がオンになり、n列の垂直信号線80に保持されていた信号が水平信号線84に伝送され、出力端子86から出力される。
【0101】
同様の動作をマトリクス状に配列された画素70に対して繰り返し行うことにより、撮像した画像信号を得ることができる。
また、垂直走査回路82からm行のリセット線79に駆動パルスφRSTm を印加すれば、増幅トランジスタ75のゲート側に転送された電荷を排出してリセットを行うことができる。
【0102】
図25は、この第2の実施形態による透過型CCDイメージセンサー装置の受光部の画素70におけるフォトダイオード71および転送トランジスタ73の部分ならびに周辺回路を構成するCMOS回路部の断面図を示す。周辺回路には、駆動回路(垂直走査回路、水平走査回路)や選択回路などが含まれる。
【0103】
図25に示すように、画素部においては、光透過性のガラス基板101上にSiO2 膜102が形成され、その上にシリコン薄膜のグラフォエピタキシャル成長に用いられる段差を形成するSiN膜103およびSiO2 膜104が所定形状に形成され、これらの上に低不純物濃度のp型の多結晶または単結晶シリコン薄膜105が所定パターンで形成されている。ガラス基板101としては、例えば、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミケイ酸ガラスなどからなるものを用いることができる。SiN膜103は、ガラス基板101からのアルカリイオン(NaイオンやKイオンなど)のような可動イオンの拡散による多結晶または単結晶シリコン薄膜105の汚染防止のための保護膜用として形成している。このSiN膜103の厚さは例えば30〜100nmである。また、SiO2 膜104の厚さは例えば30〜150nmである。多結晶または単結晶シリコン薄膜105の上に、例えばSiO2 膜106およびSiN膜107を介して、例えばAl膜からなるフォトゲート電極108および転送ゲート電極109が形成されている。SiO2 膜106の厚さは例えば50〜100nm、SiN膜107の厚さは例えば100〜200nmである。
【0104】
転送ゲート電極109の両側の部分におけるp型の多結晶または単結晶シリコン薄膜105中には、ソース領域またはドレイン領域を構成する高不純物濃度のn型領域110、111が形成されている。これらの転送ゲート電極109、SiO2 膜106およびSiN膜107からなるゲート絶縁膜、n型領域110、111により、nチャンネルTFTからなる転送トランジスタ73が構成されている。
【0105】
フォトダイオード71では、フォトゲート電極108に駆動パルスφPSを印加して電圧を供給することにより、その下の部分のp型の多結晶または単結晶シリコン薄膜105に空乏層を形成することができる。この多結晶または単結晶シリコン薄膜105に形成された空乏層において、ガラス基板101を通して入射した光を光電変換して電荷を発生させ、この発生した電荷を蓄積することができる。そして、この光電変換により発生した電荷のうち、電子は各画素に設けられたフォトダイオード71から転送トランジスタ73のn型領域110に送られ、蓄積される。
【0106】
ここで、フォトゲート電極108はAl膜により形成されていることにより、ガラス基板101の反対側から入射する光を遮断することができ、雑音の発生を防止することができるとともに、ガラス基板101の裏面側から入射して多結晶または単結晶シリコン薄膜105を透過した光を反射させてこの多結晶または単結晶シリコン薄膜105に戻すことができ、フォトダイオード71における光電変換の効率を向上させることができる。
【0107】
転送トランジスタ73では、転送ゲート電極109に駆動パルスφTXが印加されることにより、所定の電圧が供給されて転送トランジスタ73がオン状態になり、電荷(電子)がn型領域110からn型領域111に流れる。そして、n型領域111に接続された配線112を通じて、信号として出力される。
【0108】
一方、図25に示す周辺回路部においては、ガラス基板101上にMo/Taの2層構造のゲート電極113、114が形成されている。これらのゲート電極113、114を覆うようにSiO2 膜102およびSiN膜103が形成され、その上にシリコン薄膜のグラフォエピタキシャル成長に用いられる段差を形成するSiO2 膜104が所定パターンで形成されている。そして、これらの上に多結晶または単結晶シリコン薄膜105が所定パターンで形成されている。
【0109】
pチャンネルTFTの部分における多結晶または単結晶シリコン薄膜105は低不純物濃度のn型であり、ゲート電極113の両側の部分におけるこの多結晶または単結晶シリコン薄膜105中にソース領域またはドレイン領域を構成する高不純物濃度のp型領域115、116が形成されている。これらのゲート電極113、SiO2 膜102およびSiN膜103からなるゲート絶縁膜、p型領域115、116により、ボトムゲート型のpチャンネルTFTが構成されている。多結晶または単結晶シリコン薄膜105上には例えばSiO2 膜106およびSiN膜107が形成されている。これらのSiO2 膜106およびSiN膜107には、p型領域115、116の上の部分にそれぞれ開口117、118が形成されており、これらの開口117、118を通じてp型領域115、116上にそれぞれ電極119、120が形成されている。
【0110】
nチャンネルTFTの部分における多結晶または単結晶シリコン薄膜105は低不純物濃度のp型であり、ゲート電極114の両側の部分におけるこの多結晶または単結晶シリコン薄膜105中にソース領域またはドレイン領域を構成する高不純物濃度のn型領域121、122が形成されている。これらのゲート電極114、SiO2 膜102およびSiN膜103からなるゲート絶縁膜、n型領域121、122により、ボトムゲート型のnチャンネルTFTが構成されている。多結晶または単結晶シリコン薄膜105上には例えばSiO2 膜106およびSiN膜107が形成されている。これらのSiO2 膜106およびSiN膜107には、n型領域121、122の上の部分にそれぞれ開口123、124が形成されており、これらの開口123、124を通じてn型領域121、122上にそれぞれ電極125、126が形成されている。
【0111】
上述のようにpチャンネルTFTのゲート電極113およびnチャンネルTFTのゲート電極114をMo/Ta膜により形成していることにより、これらのゲート電極113、114を低抵抗とすることができるとともに、基板101側から入射する光に対して遮光膜として作用させることができるため、光の入射による、これらのpチャンネルTFTおよびnチャンネルTFTからなるCMOSトランジスタの誤動作を防止することができる。
【0112】
図示は省略するが、フォトゲート電極108、転送ゲート電極109、電極119、120、125、126を覆うように全面にパッシベーション膜が形成されている。このパッシベーション膜としては、例えば、SiO2 膜、SiN膜、SiO2 膜とSiN膜との複合膜などを用いることができる。
次に、上述のように構成された透過型CCDイメージセンサー装置の製造方法について説明する。
【0113】
図26に示すように、まず、ガラス基板101の全面に例えばスパッタリング法によりMo/Ta膜を例えば300〜400nmの厚さに形成した後、その上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてMo/Ta膜を例えば側面が30〜45°のテーパを有するようにエッチングすることにより、周辺回路部を構成するCMOS回路のpチャンネルTFTおよびnチャンネルTFTのゲート電極113、114を形成する。
【0114】
次に、図27に示すように、全面にSiO2 膜102、SiN膜103、SiO2 膜104を順次形成する。これらの膜の形成には、膜形成時にガラス基板101に熱の影響が及ばないように、触媒CVD法やプラズマCVD法などの低温で膜形成が可能な方法を用いる。
【0115】
次に、図28に示すように、フォトリソグラフィーによりSiO2 膜104上に所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとしてSiO2 膜104をエッチングすることにより、画素部におけるフォトセンサーおよび転送トランジスタとなる部分ならびに周辺回路部におけるCMOS回路を構成するpチャンネルTFTおよびnチャンネルTFTとなる部分のSiO2 膜104を除去し、除去せずに残したSiO2 膜104との間で段差部を形成する。
【0116】
次に、図29に示すように、画素部におけるフォトセンサーおよび転送トランジスタとなる部分の光透過性を高めるために、フォトリソグラフィーによりレジストパターン127を形成して周辺回路部の表面を覆い、この状態で、画素部におけるフォトセンサーおよび転送トランジスタとなる部分におけるSiN膜103を除去する。
【0117】
次に、レジストパターン127を除去した後、図30に示すように、全面に多結晶または単結晶シリコン薄膜105を形成する。この多結晶または単結晶シリコン薄膜105は、第1の実施形態と同様な方法により形成する。すなわち、基板全面に非晶質シリコン薄膜を形成した後、この非晶質シリコン薄膜に集光した高圧水銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光を照射してSiO2 膜104あるいはSiN膜103およびSiO2 膜104の段差をシードとしてグラフォエピタキシャル成長させることにより結晶化し、多結晶または単結晶シリコン薄膜105を形成する。この多結晶または単結晶リコン薄膜105の膜厚は例えば40〜60nmとする。
【0118】
次に、図31に示すように、フォトリソグラフィーによりレジストパターン128を形成して画素部のフォトセンサーおよび転送トランジスタの部分ならびに周辺回路のnチャンネルTFTの部分の表面を除いた表面を覆い、このレジストパターン128をマスクとして多結晶または単結晶リコン薄膜105にp型不純物として例えばホウ素(B)をイオン注入することによりp型化する。
【0119】
次に、レジストパターン128を除去した後、図32に示すように、再びフォトリソグラフィーによりレジストパターン129を形成して周辺回路部のpチャンネルTFTの部分の表面を除いた表面を覆い、このレジストパターン129をマスクとして多結晶または単結晶リコン薄膜105にn型不純物として例えばリン(P)をイオン注入することによりn型化する。
【0120】
次に、図33に示すように、フォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン130を形成した後、このレジストパターン130をマスクとして画素部の転送トランジスタおよび周辺回路部のnチャンネルTFTの部分のp型の多結晶または単結晶シリコン薄膜105にn型不純物、例えばリン(P)をイオン注入することにより、ソース領域またはドレイン領域となるp型領域110、111、121、122を形成する。
【0121】
次に、レジストパターン130を除去した後、図34に示すように、再びフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン131を形成した後、このレジストパターン131をマスクとして周辺回路部のpチャンネルTFTの部分のn型の多結晶または単結晶シリコン薄膜105にp型不純物、例えばホウ素(P)をイオン注入することにより、ソース領域またはドレイン領域となるn型領域115、116を形成する。
【0122】
次に、図35に示すように、全面にSiO2 膜106およびSiN膜107を順次形成する。次に、例えばRTAやELAなどにより、多結晶または単結晶シリコン薄膜105に導入された不純物の活性化を行う。次に、SiN膜107上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとしてSiN膜107およびSiO2 膜106を順次エッチングすることにより開口117、118、123、124を形成する。
【0123】
次に、レジストパターンを除去した後、例えばスパッタリング法や真空蒸着法などにより全面に例えば厚さ0.5〜1.2μmのAl膜を形成し、このAl膜上にフォトリソグラフィーにより所定形状のレジストパターン(図示せず)を形成した後、このレジストパターンをマスクとしてAl膜をエッチングし、フォトゲート電極108、転送ゲート電極109、電極119、120、125、126を形成するとともに、データラインおよびゲートラインを形成する。次に、p型領域115、116およびn型領域121、122と電極119、120、125、126とのコンタクト部のオーミック性を良好にするために、例えば、窒素ガス、水素ガスまたは水素ガス混合の窒素ガス(フォーミングガス)中において350〜420℃の温度で30〜60分の熱処理(シンター処理)を行う。
【0124】
次に、例えばプラズマCVD法などにより基板全面にオーバーコート膜としてSiO2 膜、SiN膜などを適当な厚さに形成する。次に、このオーバーコート膜の所定部分をエッチング除去して電極取り出し部分の窓開けを行う。ここで、オーバコート膜として特に、Si−H基を多く含むSiN膜をプラズマCVD法などにより200〜300℃の温度で400〜700nm程度の厚さに形成し、窒素ガスなどの不活性ガス中において350〜420℃で20分以上の熱処理を行ってSi−H基を分解させると、それにより発生する水素による多結晶または単結晶シリコン薄膜105中のダングリングボンドの終端処理効果を得ることができ、この多結晶または単結晶シリコン薄膜105を用いて形成されたフォトダイオード71やpチャンネルTFTおよびnチャンネルTFTの電気的特性の顕著な改善を図ることができる。
以上により、目的とする透過型CCDイメージセンサー装置が製造される。
【0125】
以上のように、この第2の実施形態によれば、SiN膜103およびSiO2 膜104あるいはSiO2 膜104による段差が形成されたガラス基板101の主面上に非晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に高圧水銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光を集光して照射し、アニールを行うことにより、上記の段差をシードとして多結晶または単結晶シリコン薄膜105をグラフォエピタキシャル成長させ、この多結晶または単結晶シリコン薄膜105を用いて画素部のフォトセンサー、すなわちフォトダイオード73ならびに周辺回路を構成するCMOS回路のpチャンネルTFTおよびnチャンネルTFTを形成しているので、次のような種々の利点を得ることができる。すなわち、グラフォエピタキシャル成長により結晶性の良好な多結晶または単結晶シリコン薄膜105を得ることができるので、この多結晶または単結晶シリコン薄膜105の電子移動度が高い。また、触媒CVD法により非晶質シリコン薄膜を成長させる際の成長圧力を十分に低く、具体的には例えば0.13Pa(1mTorr)前後に設定していることにより、最大酸素濃度が3×1018atoms/cc以下と極めて低い非晶質シリコン薄膜を得ることができ、したがってこの低酸素濃度の非晶質シリコン薄膜を結晶化させることにより形成される多結晶または単結晶シリコン薄膜105も低酸素濃度となり、この意味でもこの多結晶または単結晶シリコン薄膜105の結晶性は良好となる。これによって、フォトダイオード73および周辺回路部のCMOSトランジスタとも良好な特性を有することから、高性能の周辺回路一体型の透過型CCDイメージセンサー装置を実現することができる。特に、多結晶または単結晶シリコン薄膜105が単結晶シリコン薄膜の場合には、電子移動度として400〜550cm2 /V・sと単結晶シリコン基板並の大きな値を得ることが可能であるため、高速で高感度の透過型CCDイメージセンサー装置を実現することができる。
【0126】
また、この透過型CCDイメージセンサー装置の製造に必要なプロセス温度は500〜600℃程度以下と低温で済むため、安価な低融点のガラス基板などを用いることができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、単結晶シリコン基板を用いた従来の固体撮像装置では、900℃以上の高温プロセスにより発生する結晶欠陥を低減するために1000℃以上の高温中でリンゲッタリングなどを行う必要があるが、この第2の実施形態によれば、適度なラジカル水素処理により多結晶または単結晶シリコン薄膜105のゲッタリング効果を得ることができるため、上述のような高温ゲッタリング処理は不要である。
【0127】
また、これに加えて、非晶質シリコン薄膜の成長に触媒CVD法を用いていることにより、モノシランなどの反応ガスの反応効率が数10%と高いため、省資源で環境への負荷が小さく、また、成長コストの低減を図ることができる。
【0128】
さらに、非晶質シリコン薄膜の成長温度が上述のように200〜300℃と低温で済むため、成長装置の加熱電源を小電力とすることができ、冷却機構も簡単になるため、成長装置が安価になる。
【0129】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0130】
すなわち、上述の実施形態において用いた数値、構造、形状、プロセス、反応ガス、基板材料などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、構造、形状、プロセス、反応ガス、基板材料などを用いることも可能である。また、上述の実施形態において用いた触媒CVD装置も単なる一例に過ぎず、必要に応じて、これと異なる構成の触媒CVD装置を用いることも可能であり、さらには、触媒体もW以外のものを用いることも可能である。
【0131】
また、耐圧の向上を図る観点からは、上述の第1の実施形態における多結晶または単結晶シリコンTFTの代わりに、ドレイン領域に低不純物濃度部を設けてドレイン領域近傍の電界を緩和するLDD(Lightly Doped Drain)構造の多結晶または単結晶シリコンTFTを用いてもよい。
【0132】
また、第2の実施形態において、非晶質シリコン薄膜を結晶化させるための高圧水銀ランプ光の照射による加熱は、図35に示す工程で行う注入不純物の活性化のための熱処理と兼用するようにしてもよい。また、受光部のフォトセンサー部分のSiN膜103を除去したが、必ずしも除去しなくてもよい。
【0133】
さらに、第2の実施形態において、遮光材となるAl膜により、アクティブ方式とする電極、すなわち増幅トランジスタ75のゲートを兼用することができるように回路構成を行うことができる。例えば、転送トランジスタ73のn型領域112に接続された配線112をAl膜により形成し、この配線112のAl膜を増幅トランジスタ75のゲートとして用いるようにすればよい。
【0134】
また、上述の第1および第2の実施形態において、非晶質シリコン薄膜の成長時にp型不純物またはn型不純物をドーピングしてp型またはn型の非晶質シリコン薄膜を成長させ、これを結晶化するようにしてもよい。
【0135】
また、上述の第1および第2の実施形態において用いた各種の絶縁膜の代わりに、必要に応じて、例えば酸窒化シリコン(SiON)膜、窒化アルミニウム(AlN)膜、酸化アルミニウム(Al2 O3 )膜、酸化タンタル(Ta2 O5 )膜などを用いてもよい。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成し、この非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して上記の段差をシードとしてグラフォエピタキシャル成長により結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成し、これをパターン化することにより形成された複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに薄膜トランジスタを形成しているので、これらの薄膜トランジスタの特性を極めて均一にすることができる。また、これらの薄膜トランジスタは同一の基板上にモノリシックに形成されることから、これらの薄膜トランジスタの個数が多くなっても、それらが基板上で占有する面積を非常に少なく抑えることができる。また、電気的絶縁性の高い基板を用いることにより、これらの薄膜トランジスタを高耐圧のものとすることができるとともに、薄膜トランジスタ相互間の電気的干渉が原理的に起こりにくい。
【0137】
さらに、非晶質シリコン薄膜を触媒CVD法により成長させる場合に、少なくとも成長初期に成長雰囲気の全圧を1.33×10-3Pa以上4Pa以下に設定することにより、少なくとも成長初期に成長雰囲気中の酸素および水分の分圧を6.65×10-10 Pa以上2×10-6Pa以下にすることができ、このため成長層への酸素の取り込み量を極めて少なくすることができる。そして、この非晶質シリコン薄膜の結晶化により得られる多結晶または単結晶のシリコン薄膜の最大酸素濃度は3×1018原子/cm3 以下と比べて極めて低くなり、高品質の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を得ることができ、この高品質の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いて高性能の薄膜トランジスタを形成することができる。
【0138】
特に、上記の高品質の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を用いて特性の良好な受光素子および周辺回路の薄膜トランジスタを形成することができることにより、低温プロセスで固体撮像装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーを示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿っての拡大断面図である。
【図3】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの要部のレイアウトを示す平面図である。
【図4】この発明の第1の実施形態において用いる触媒CVD装置の一例を示す略線図である。
【図5】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの製造方法を説明するための断面図である。
【図6】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの製造方法を説明するための断面図および平面図である。
【図7】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの製造方法を説明するための断面図である。
【図8】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの製造方法を説明するための断面図および平面図である。
【図9】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの製造方法を説明するための断面図および平面図である。
【図10】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの製造方法を説明するための断面図および平面図である。
【図11】この発明の第1の実施形態による連続閾値TFTスイッチャーの動作方法を説明するための略線図である。
【図12】この発明の第1の実施形態において非晶質シリコン薄膜の結晶化に用いる集光型ランプ光照射装置を示す略線図である。
【図13】図12に示す集光型ランプ光照射装置の試料ホルダーを示す正面図および側面図である。
【図14】高圧水銀ランプの出力分光分布を示す略線図である。
【図15】高圧キセノン−水銀ランプの出力分光分布を示す略線図である。
【図16】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行った試料のラマン特性を示す略線図である。
【図17】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行った試料のラマン特性を示す略線図である。
【図18】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行った試料のラマン特性を示す略線図である。
【図19】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行った試料のラマン特性を示す略線図である。
【図20】単結晶シリコン基板のラマン特性を示す略線図である。
【図21】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行った試料のラマン特性を示す略線図である。
【図22】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行った試料のラマン特性を示す略線図である。
【図23】高圧水銀ランプ光の照射により結晶化を行った試料のラマン特性を示す略線図である。
【図24】この発明の第2の実施形態による透過型CCDイメージセンサー装置を示す回路図である。
【図25】この発明の第2の実施形態による透過型CCDイメージセンサー装置の要部を示す断面図である。
【図26】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図27】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図28】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図29】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図30】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図31】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図32】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図33】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図34】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【図35】この発明の第2の実施形態によるCCDイメージセンサー装置の製造方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1・・・ガラス基板、2・・・溝、3・・・保護膜、4・・・多結晶または単結晶シリコン薄膜、5・・・ソース領域、6・・・ドレイン領域、7・・・ゲート絶縁膜、8・・・ゲート電極、Q1 〜Qn ・・・単結晶シリコンTFT、101・・・ガラス基板、102、106・・・SiO2 膜、103、107・・・SiN膜、105・・・多結晶または単結晶シリコン薄膜、108・・・フォトゲート電極、113、114・・・ゲート電極
Claims (11)
- 基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
上記非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して、互いにほぼ平行に配列した短冊状の形状を有する複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに、上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜の配列順序にしたがって閾値電圧が増加するように薄膜トランジスタを形成する工程とを有するスイッチング素子の製造方法。 - 上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれの一端部および他端部にそれぞれソース領域およびドレイン領域を形成し、これらのソース領域およびドレイン領域にそれぞれ第1の電極および第2の電極を接続する請求項1記載のスイッチング素子の製造方法。
- 上記ランプ光は高圧水銀ランプ光または高圧キセノン−水銀ランプ光である請求項1記載のスイッチング素子の製造方法。
- 上記ランプ光を集光して上記非晶質シリコン薄膜に照射する請求項1記載のスイッチング素子の製造方法。
- 上記非晶質シリコン薄膜をプラズマCVD法により形成する請求項1記載のスイッチング素子の製造方法。
- 上記非晶質シリコン薄膜を触媒CVD法により形成する請求項1記載のスイッチング素子の製造方法。
- 少なくとも成長初期に成長雰囲気の全圧を1.33×10 -3 Pa以上4Pa以下に設定して上記非晶質シリコン薄膜を成長させる請求項6記載のスイッチング素子の製造方法。
- 少なくとも成長初期に成長雰囲気における酸素および水分の分圧を6.65×10 -10 Pa以上2×10 -6 Pa以下に設定して上記非晶質シリコン薄膜を成長させる請求項6記載のスイッチング素子の製造方法。
- 上記基板は電気的絶縁性を有する請求項1記載のスイッチング素子の製造方法。
- 基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
上記非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して、互いにほぼ平行に配列した短冊状の形状を有する複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに、上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜の配列順序にしたがって閾値電圧が増加するように薄膜トランジスタを形成する工程とを有する半導体装置の製造方法。 - 基板の段差を有する主面上に非晶質シリコン薄膜を形成する工程と、
上記非晶質シリコン薄膜に少なくとも紫外域の波長の光を含むランプ光を照射して結晶化することにより多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
上記多結晶または単結晶のシリコン薄膜を所定形状にパターン化して、互いにほぼ平行に配列した短冊状の形状を有する複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜を形成する工程と、
上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜のそれぞれに、上記複数の多結晶または単結晶のシリコン薄膜の配列順序にしたがって閾値電圧が増加するように薄膜トランジスタを形成する工程とを有する電気光学装置の製造方法。
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