JP2002371186A - 高分子材料、成形品およびその製造方法 - Google Patents

高分子材料、成形品およびその製造方法

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JP2002371186A
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organic
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alkoxide compound
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Manabu Shioyama
学 塩山
Masayuki Shimada
雅之 島田
Yasuyuki Agari
泰幸 上利
Motoomi Arakawa
源臣 荒川
Kazuaki Sugata
一明 須方
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Orient Chemical Industries Ltd
Osaka City
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Orient Chemical Industries Ltd
Osaka City
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能および高機能プラスチック用途に適す
る、有機−無機ハイブリッド高分子材料またはこの成分
を含む高分子材料、これらの高分子材料を加工した成形
品、およびそれらの高生産性、低コスト、簡便かつ実用
的な製造方法を提供すること。 【解決手段】 金属アルコキシ基を有しない有機重合体
および金属アルコキシド化合物(金属アルコキシド化合
物の部分的加水分解および重縮合物を含む)を含有する
樹脂組成物を、混練機を用いて溶融混練して得られる高
分子材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラスチック
材料等に有用な高分子材料、成形品およびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは成形加工性、高生産性、
軽量性、柔軟性、優れた機械的特性や電気的特性等によ
って金属、ガラス、木材、紙等の既存材料と次々と置き
替わっている。その使用範囲は広く、建築資材、電気、
電子製品の構造部品や機構部品、自動車、車両、航空
機、船舶の外装や内装部品、日常雑貨、包装材等、多岐
にわたって用いられている。このためプラスチックの種
類は多く、様々なタイプのものが市販されている。
【0003】しかし、市場からの各種特性の向上やコス
トに対する要求は大きく、異なるプラスチック同士のア
ロイ化や他の材料との複合化が盛んに行われている。例
えば、機械的特性や耐熱性、寸法安定性等の向上につい
ては、ガラス繊維やカーボン繊維をはじめとする固体の
無機材料を配合した有機−無機複合材料が検討され、こ
の技術によって強度や短期における耐熱変形性、寸法安
定性等は改善された。
【0004】しかし、プラスチックと無機材料は一般に
非相溶であり、両者を微分散させることは容易ではない
ため有機−無機複合材料における無機材料の分散粒子系
は一般にマイクロメータオーダーまでである。粒子の大
きさは引張強さのような強度には大きな影響を与え、粒
子が大きくなるにつれて強度は小さくなることより
(L.E.Nielsen著、高分子と複合材料の力学
的性質、253頁)、自ずと上記のような有機−無機複
合材料の強度の改良には、限界が生じてくる。また、プ
ラスチックの種類(ABS樹脂、ポリアミド6−6、ポ
リカーボネート、ポリアセタール、全芳香族ポリエステ
ル等)によっては界面強度が低下し、衝撃強度が低くな
るといった新たな問題も生まれた。
【0005】一方、プラスチックの表面硬度、光沢、耐
汚染性、強度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等の諸物性を
向上させるためにSi、Ti、Zrのような無機元素を
骨格に導入した有機−無機ハイブリッド高分子材料の研
究が行われている。
【0006】有機−無機ハイブリッド高分子材料の各成
分の分散粒子径はサブミクロンからナノメータオーダー
以下であり、分子レベルでの分散も可能である。その調
製方法としては、有機単量体や有機重合体とアルキルシ
ロキサンのような無機骨格含有化合物とをラジカル共重
合させる方法および有機重合体に側鎖としてアルコキシ
シランのような無機官能基を結合させて、その後これを
架橋させる方法等が知られている。
【0007】例えば、特開平5−43679号公報およ
び特開平5−86188号公報には、ビニル重合体とケ
イ素化合物とを反応させた後、ゾル−ゲル法によってこ
れらを架橋して有機−無機ハイブリッド高分子材料を得
る方法が記載されている。特開平8−104710号公
報および特開平8−104711号公報には、アルコキ
シシリル基末端アゾ系開始剤を用いてビニル単量体をラ
ジカル重合させ、得られるアルコキシシリル基末端ビニ
ル重合体を加水分解、縮合して有機−無機ハイブリッド
高分子材料を得る方法が記載されている。また、我々は
特開平11−209596号公報等において、アルコキ
シシリル基末端ポリカーボネートまたはポリアリレート
を合成し、これをゾル−ゲル法により加水分解、重縮合
することによって有機−無機ハイブリッド高分子材料を
得る方法を報告した。
【0008】しかし、これらの有機−無機ハイブリッド
高分子材料は、まず有機単量体や有機重合体と無機化合
物を反応させて中間体となる化合物を合成した後に、導
入した無機成分を再度反応させるという2段階の製造過
程が必要である。また使用される無機化合物は特殊なも
のが多く、一般に高価である。
【0009】また、従来の有機−無機ハイブリッド高分
子材料の製造方法は、ゾル−ゲル法を利用した溶液系で
の方法が大半である。ゾル−ゲル法とは、溶液から出発
して微粒子を含むゾルの状態を通り、更に固体の骨組み
の隙間に液体あるいは空気を含むゲルの状態を経て、ガ
ラスあるいはセラミックスをつくる方法である(作花済
夫著、ゾル−ゲル法の科学、まえがき)。そのため、フ
ィルムやロッドのような単純な構造物は作製できても、
複雑な形状の成形物を作製することは非常に困難であっ
た。溶液系での方法は生産性やコスト面でも不利であ
り、特殊な用途を除いては実用的ではなかった。
【0010】特開2000−327930号公報には、
有機重合体、金属アルコキシ基を有する有機重合体、金
属アルコキシド化合物または金属酸化物をブラベンダー
のような混合機で加熱処理することにより、有機−無機
ハイブリッド高分子材料を製造する方法が記載されてい
る。しかし、このような混合機は、混合部位が一対の短
軸の羽根で構成されていることから混練能力が低い。ま
た、一対の羽根は固定式であり、混練部位の条件を処理
する材料にあわせて自由に設定することが出来ない。そ
のため、非相溶性が高い有機重合体と金属酸化物のよう
な無機成分を相互に微分散させることは困難であり、有
機−無機ハイブリッド高分子材料を作製するためには適
当ではなかった。また、このような混合機はバッチ式の
機器であるため、工業的に使用するためには工程や生産
性等に多くの問題を抱えていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の問題を
解決するものであり、その目的とするところは高性能お
よび高機能プラスチック用途に適する、有機−無機ハイ
ブリッド高分子材料またはこの成分を含む高分子材料、
これらの高分子材料を加工した成形品、およびそれらの
高生産性、低コスト、簡便かつ実用的な製造方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属アルコキ
シ基を有しない有機重合体と金属アルコキシド化合物を
含有し、金属アルコキシ基を有する有機重合体を含有し
ない樹脂組成物を、混練機を用いて溶融混練することに
より得られる高分子材料、この高分子材料を成形機を用
いて加工することにより得られる高分子成形品、および
それらの製造方法に関するものである。このことにより
上記目的が達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、高性能および高機能プ
ラスチック材料用途に適する、有機−無機ハイブリッド
高分子材料またはこの成分を含む高分子材料、これらの
高分子材料を加工した成形品、およびそれらの簡便かつ
実用的な製造方法を提供するものである。
【0014】これまで有機−無機ハイブリッド高分子材
料は、一般にまず有機単量体や有機重合体と無機化合物
を反応させて中間体となる化合物を合成した後に、導入
した無機成分を再度反応させるという2段階の過程で製
造されてきた。また2段階目の無機成分の反応には、ゾ
ル−ゲル法を利用することが一般的であった。ゾル−ゲ
ル法とは、溶液から出発して微粒子を含むゾルの状態を
通り、固体の骨組みの隙間に液体あるいは空気を含むゲ
ルの状態を経て、ガラスあるいはセラミックスを作る方
法である(作花済夫著、ゾル−ゲル法の科学、まえが
き)。このため、従来の方法は溶媒を使用した溶液系で
の方法であった。しかし、溶液系による方法は大量の溶
媒を使用することからコスト面で不利であり、生産性も
低い。また複雑な形状の成形体を作製することも困難で
あった。これらのことから、有機−無機ハイブリッド高
分子材料を低コストで簡便かつ実用的に製造する方法が
望まれてきた。
【0015】我々はこの要求に応えるべく鋭意研究を進
めてきた結果、有機重合体と金属アルコキシド化合物を
含む樹脂組成物を混練機中で溶融混練することにより、
大量の溶媒を使用せず、かつ1段階の工程で有機−無機
ハイブリッド高分子材料またはこの成分を含む高分子材
料を製造できる方法を開発した。また得られた高分子材
料は成形機による加工が可能であり、有機−無機ハイブ
リッド高分子材料またはこの成分を含む高分子材料の成
形品を作製することが可能である。これらのことから、
本発明は簡便かつ実用的な方法と言える。
【0016】具体的には、原料として必須な成分はある
種の結合を有する有機重合体と金属アルコキシド化合物
であり、これらを含む原料を混練機中で加熱処理するこ
とにより溶融状態で反応させる。この際、金属アルコキ
シド化合物の大部分は、混練機による熱と圧力や系内の
微量な水分等により加水分解反応、縮合反応、脱アルコ
ール反応、脱エーテル反応を生じて金属−酸素−金属の
共有結合を形成し、最終的に金属酸化物を生成する。得
られる金属酸化物のサイズは、原料中の金属アルコキシ
ド化合物の組成比や官能基当量、混練条件等により影響
を受けるが、前述した有機−無機複合材料中の無機材料
の分散粒子系より小さくすることが十分に可能である。
【0017】また、有機重合体が有するある種の結合と
はエステル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウレ
タン結合等であることが好ましい。通常、室温に近い温
度で処理するゾル−ゲル法では、これらの結合と金属ア
ルコキシド化合物の反応は起こりにくい。しかし、高温
と圧力を有する混練機を用いた処理はこれらの反応を可
能とし、有機重合体が前述の結合を有する場合、金属ア
ルコキシド化合物はエステル交換反応によって、有機重
合体と結合できる。前述の結合が、有機重合体の主鎖に
ある場合には(例えばポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等)、その活性は一般に低くなるが、金
属アルコキシド化合物に生成する金属水酸基(例えばシ
ラノール基等)は反応性が高いため、その一部はこれら
の結合とエステル交換反応を生じて、有機重合体と金属
酸化物が共有結合した有機−無機ハイブリッド高分子材
料を形成する。
【0018】混練機による処理は上記のような反応のた
めだけではなく、金属酸化物や無機成分を有機重合体中
に均一に微分散させる効果も併せ持つ。これらのことに
より、混練機による処理は従来の有機−無機複合材料よ
りも無機材料が微分散され、かつ有機重合体と金属酸化
物または無機成分が結合した高分子材料の作製を可能と
する。
【0019】混練機としては、従来使用されている機器
が使用できる。その中でもプラスチック加工用の混練機
が好ましく、1軸あるいは2軸押出機がより好ましい。
これらの押出機は、混練部位にあたるスクリューのセグ
メント等の組換えを自由に行うことができ、処理する材
料に適した条件の設定が可能である。近年注目されてい
るプラスチック加工法である、リアクティブプロセッシ
ングにも使用され、混練能力がたいへん高い機器であ
る。
【0020】温度、混練速度、圧力等の混練条件は使用
される有機重合体によって適宜決定され、有機重合体が
溶融し、他の原料と十分に混練される条件であれば特に
限定されない。複数種の原料を使用する場合には、予め
全ての原料あるいは一部の原料を適当な混合機を使用し
てプレミックスする方が好ましいが、これらの原料が容
易に混合できることが予想される場合にはその必要はな
い。また、混練機がサイドフィーダーや液添装置等の付
帯設備を有する場合にはこれらを利用し、各原料を適当
な順番で順次投入しても良い。一般に金属アルコキシド
化合物は液体であることから、その投入には液添装置の
使用が望ましい。また、一度の処理で混練や反応が不十
分な場合には、排出された混練物を同じ混練機で複数回
処理しても良く、複数の混練機および/または種類が異
なる混練機を使用して処理しても良いが、実用面を考慮
すると使用する原料に応じて混練条件を最適化し、一度
の処理で混練を終了することが望ましい。
【0021】成形の方法としては、押出成形機等を使用
して混練後に直接行っても良く、混練後のストランドを
ペレット等の適当な形状とした後に、射出成形機を使用
して改めて加工しても良い。成形機としては、押出成形
機や射出成形機の他に、従来プラスチック加工用に使用
される各種の成形機が使用できる。使用する成形機は目
的とする成形品の形状に応じて適宜決定すれば良く、例
えばフィルム、シート、ロッド、パイプのような比較的
単純な形状の成形品を得たい場合には、押出成形機が薦
められる。また、複雑な形状の成形品を作製する場合に
は、射出成形機が一般的と考えられる。
【0022】以下に、より具体的な例を示す。 1)エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウ
レタン結合等を有する有機重合体と、金属アルコキシド
化合物を混練機を用いて加熱しながら溶融混練する。こ
の操作によって、金属アルコキシド化合物または金属ア
ルコキシド化合物と有機重合体を反応させる。この際、
有機重合体と金属アルコキシド化合物の組成比、有機重
合体中の前記結合の個数、混練条件等により生成物はコ
ントロールでき、金属酸化物および/または無機成分が
均一に微分散し、かつこれらの成分と有機重合体が結合
した有機−無機ハイブリッド高分子材料、または有機−
無機ハイブリッド高分子材料を成分として含む高分子材
料が作製される。また金属アルコキシド化合物の官能基
当量が2官能であれば直線状、3官能以上であれば3次
元構造の有機−無機ハイブリッド高分子材料が形成され
る割合が多くなる。得られた高分子材料は混練後に直接
成形しても良く、一度取り出した後に改めて成形しても
良い。
【0023】2)エステル結合、カーボネート結合、ア
ミド結合、ウレタン結合等を有する有機重合体、これら
の結合を有さない有機重合体、および金属アルコキシド
化合物を混練機を用いて加熱しながら溶融混練する。こ
の操作によって、金属アルコキシド化合物または金属ア
ルコキシド化合物と前記の結合を有する有機重合体を反
応させる。前記の結合を有さない有機重合体は、高分子
材料中でマトリックスを形成する目的で使用する。その
ため、使用される有機重合体は全て相溶性を示すもので
なければならない。このことにより、金属酸化物および
/または無機成分が均一に微分散し、かつこれらの成分
と有機重合体が結合した有機−無機ハイブリッド高分子
材料を成分として含む高分子材料が作製される。この高
分子材料において、有機−無機ハイブリッド高分子材料
は界面改質剤として作用し、通常は非相溶な有機重合体
と金属酸化物および/または無機成分に親和性を付与す
る。得られた高分子材料は混練後に直接成形しても良
く、一度取り出した後に改めて成形しても良い。
【0024】有機重合体 本発明において、有機重合体は次の二つの目的で使用さ
れる。
【0025】その一つは、金属アルコキシド化合物と反
応させて有機−無機ハイブリッド高分子材料を合成する
ことである。このためには、有機重合体に反応部位が存
在する必要があり、具体的にはエステル結合、カーボネ
ート結合、アミド結合、ウレタン結合等を有する有機重
合体でなければならない。但し、これらの結合は有機重
合体の主鎖や側鎖にあっても、官能基の一部にあっても
良い。
【0026】有機重合体の具体例としては、前記の結合
を主骨格に有するポリエステル、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、
ポリアミド、ポリフタルアミド等が挙げられる。また、
前記の結合を側鎖に有する例としては、ポリアクリレー
ト(アクリル樹脂)が挙げられる。ポリアクリレートと
は、メタクリル酸及びアクリル酸のエステル類の重合体
を指す(栗原福次著、高分子材料大百科、212ペー
ジ)。更に、これらの有機重合体やポリエチレン、ポリ
プロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアセ
タール、ポリフェニレンエーテル、ポリメチルペンテ
ン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を主骨格
とする熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマー前駆体、ま
たはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メ
ラミン樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹
脂等を主骨格とする熱硬化性樹脂前駆体を何らかの方法
で修飾し、分子内に上記の結合を導入したものでも良
い。
【0027】1分子の有機重合体における前記結合の当
量数は特に限定されないが、好ましくは1〜1000、
より好ましくは2〜100である。前記結合の当量数が
1を下回ると、有機−無機ハイブリッド高分子材料が合
成できないおそれがあり、極端に多すぎると有機−無機
ハイブリッド高分子材料中の架橋点が多くなりすぎて、
高分子材料がもろくなるおそれがある。
【0028】有機重合体のもう一つの目的は、高分子材
料中でマトリックスを形成することである。この目的に
おいては、有機重合体の構造は特に限定されず、高分子
材料のマトリックスとした場合に、各種プラスチック材
料として十分な強度を提供できるものであれば良い。
【0029】その主骨格としては、具体的には、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレ
ン、メタクリル酸メチル樹脂、ポリアミド、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリメチルペンテン、ポリサルホン、ポリ
エーテルサルホン、ポリフタルアミド、ポリフェニレン
サルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエー
テルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性
樹脂や熱可塑性エラストマー前駆体、またはフェノール
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ア
ルキッド樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性
樹脂前駆体が挙げられる。この中でも熱可塑性樹脂が好
ましく、高性能という点ではポリアミド、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリアリレート
等のエンジニアリングプラスチックがより好ましい。
【0030】本発明においては、有機−無機ハイブリッ
ド高分子材料のみで構成される高分子材料を得たい場合
には、上記の目的の内、前者のみを満足させる有機重合
体を用いれば良い。この場合、使用される有機重合体は
単独でも複数種の混合物でも構わない。また、コスト面
や物性等の理由で有機−無機ハイブリッド高分子材料を
成分として含む高分子材料を得たい場合には、上記のそ
れぞれの目的を満足させる単独あるいは複数の有機重合
体を用いれば良い。これらのことは、その目的に応じて
適宜決定される。但し、複数種の有機重合体を使用する
場合には、高分子材料中でのマクロな相分離を防止する
ために、全ての有機重合体が相溶性を示さなければなら
ない。
【0031】本発明で使用される有機重合体は、前述し
たような重合体や前駆体の1成分を主骨格としたもので
も良く、これら多成分の共重合体骨格でも良い。全ての
有機重合体が相溶性を示せば複数種を混合したものでも
良い。また、分岐状、線状いずれの形状でも良い。もち
ろん、市販されている製品を使用しても良く、いかなる
方法で合成されたものであっても良い。有機重合体の分
子量は特に限定されないが、好ましくは数平均分子量で
約500〜100000、より好ましくは約1000〜
50000である。金属アルコキシ基以外の官能基は有
していてもいなくても良い。
【0032】金属アルコキシド化合物 本発明において、金属アルコキシド化合物としてはあら
ゆるタイプのものも用いることができる。その中でも好
ましいものは、式(1)
【0033】
【化1】ApM 式(1)
【0034】(Aは炭素数1〜8、好ましくは1〜4の
アルコキシ基、MはSi、Ti、Zr、Fe、Cu、S
n、B、Al、Ge、Ce、TaおよびW等からなる
群、好ましくはSi、Ti、Zrからなる群から選択さ
れる金属元素、pは2〜6の整数を示す。)で表される
化合物である。
【0035】具体的には、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テト
ラブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類、テト
ラn−プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタ
ン、テトラブトキシチタン等のテトラアルコキシチタン
類、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソプ
ロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等
のテトラアルコキシジルコニウム類、およびジメトキシ
銅、ジエトキシバリウム、トリメトキシホウ素、トリエ
トキシガリウム、トリブトキシアルミニウム、テトラエ
トキシゲルマニウム、テトラブトキシ鉛、ペンタn−プ
ロポキシタンタル、ヘキサエトキシタングステン等の金
属アルコキシド類が挙げられる。
【0036】金属アルコキシド化合物の他の例は、式
(2)
【0037】
【化2】RklM(R’mX)n 式(2)
【0038】(Rは水素か炭素数1〜12、好ましくは
1〜5のアルキル基またはフェニル基、Aは炭素数1〜
8、好ましくは1〜4のアルコキシ基、MはSi、T
i、Zr、Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、
TaおよびW等からなる群、好ましくはSi、Ti、Z
rからなる群から選択される金属元素、R’は炭素数1
〜4、好ましくは2〜4のアルキレン基またはアルキリ
デン基、Xはイソシアネート基、エポキシ基、カルボキ
シル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、アミノ基、チ
オール基、ビニル基、メタクリル基、ハロゲン基等の一
般的な官能基、kは0〜5の整数、lは1〜5の整数、
mは0または1、nは0〜5の整数を示す)で表される
化合物である。
【0039】Siを例に取り、具体的に例示すれば、ト
リメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリn−プロ
ポキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、
ジイソプロポキシシラン、モノメトキシシラン、モノエ
トキシシラン、モノブトキシシラン、メチルジメトキシ
シラン、エチルジエトキシシラン、ジメチルメトキシシ
ラン、ジイソプロピルイソプロポキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プ
ロピルトリn−プロポキシシラン、ブチルトリブトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ
ブチルジブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、
トリエチルエトキシラン、トリn−プロピルn−プロポ
キシシラン、トリブチルブトキシシラン、フェニルトリ
メトキシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェ
ニルメトキシシラン等の(アルキル)アルコキシシラ
ン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、
2−イソシアネートエチルトリn−プロポキシシラン、
3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、
2−イソシアネートエチルエチルジブトキシシラン、3
−イソシアネートプロピルジメチルイソプロポキシシラ
ン、2−イソシアネートエチルジエチルブトキシシラ
ン、ジ(3−イソシアネートプロピル)ジエトキシシラ
ン、ジ(3−イソシアネートプロピル)メチルエトキシ
シラン、エトキシシラントリイソシアネート等のイソシ
アネート基を有する(アルキル)アルコキシシラン、3
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシ
ドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、3,4−エポキシブチルトリメトキシシラン等のエ
ポキシ基を有する(アルキル)アルコキシシラン、カル
ボキシメチルトリエトキシシラン、カルボキシメチルエ
チルジエトキシシラン、カルボキシエチルジメチルメト
キシシラン等のカルボキシル基を有する(アルキル)ア
ルコキシシラン3−(トリエトキシシリル)−2−メチ
ルプロピルコハク酸無水物等の酸無水物基を有するアル
コキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニ
ル)エチルトリエトキシシラン等の酸ハロゲン化物基を
有するアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有す
る(アルキル)アルコキシシラン、3−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキ
シシラン等のチオール基を有する(アルキル)アルコキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン等のビニル
基を有する(アルキル)アルコキシシラン3−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシピ
ロピルメチルジメチルシラン等のメタクリル基を有する
(アルキル)アルコキシシラン、トリエトキシフルオロ
シラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−
ブロモプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチル
メチルジメトキシシラン等のハロゲン基を有する(アル
キル)アルコキシシランを挙げることができる。
【0040】もちろんSiだけではなく、Ti、Zr、
Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、TaやW等
の他の金属においても同様の化合物を例示することがで
きる。
【0041】これらの金属アルコキシド化合物は1種類
だけでも良く、2種以上を併用しても良い。また、Mg
[Al(iso-OC3742、Ba[Zr2(OC
259 2、(C37O)2Zr[Al(OC374
2等の1分子内に2種以上の金属元素が含まれているよ
うな金属アルコキシド化合物やテトラメトキシシランオ
リゴマーやテトラエトキシシランオリゴマー等の1分子
内に2個以上の繰り返し単位を有するオリゴマータイプ
の金属アルコキシド化合物あるいはポリメチルシルセス
キオキサンやポリフェニルシルセスキオキサンなどの三
次元構造の金属アルコキシド化合物を用いても良い。ま
た、アルコキシ基がアセトキシ基やアセチルアセトキシ
基であっても良い。更に、金属アルコキシド化合物は部
分的に加水分解や重縮合を生じていても良い。
【0042】高分子材料 本発明の高分子材料は、有機重合体と金属アルコキシド
化合物を含む樹脂組成物を、混練機を用いて溶融混練す
ることにより得られる。この処理によって、金属アルコ
キシド化合物の大部分は金属酸化物へ変化するが、エス
テル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウレタン結
合等を有する有機重合体を用いることにより、金属アル
コキシド化合物の一部はこの有機重合体と反応し、有機
重合体と金属酸化物および/または無機成分が結合し、
これらの成分が微分散した有機−無機ハイブリッド高分
子材料を生成する。また、有機重合体と金属アルコキシ
ド化合物の組成比、有機重合体中の前記結合の個数、混
練条件等をコントロールしたり、前記の結合を有さない
有機重合体を併用することにより、有機−無機ハイブリ
ッド高分子材料を成分として含む高分子材料を得ること
もできる。このような高分子材料の場合、含まれる有機
−無機ハイブリッド高分子材料は界面改質剤として作用
し、一般には非相溶な有機重合体と金属酸化物に親和性
を付与する。これらのことから、本発明で得られる高分
子材料には優れた特性や新しい機能が期待できる。
【0043】有機重合体と金属アルコキシド化合物の組
成比は、目的とする特性や機能に応じて任意の割合で設
定できる。しかし、処理時の操作性や得られる材料の特
性を考慮すると、これらの重量比は1:99〜99.
9:0.1の範囲が好ましく、10:90〜99:1が
より好ましい。有機重合体の使用量が少なすぎると混練
処理が困難となる。また金属アルコキシド化合物はその
全てが有機重合体と反応するわけではなく、その種類に
よっては混練時の熱によりロスを生じる可能性もある。
これらのことから、金属アルコキシド化合物の使用量が
少なすぎると有機−無機ハイブリッド高分子材料の生成
量が少なくなり、材料の特性が向上しないおそれがあ
る。
【0044】また、エステル結合、カーボネート結合、
アミド結合、ウレタン結合等を有する有機重合体と、こ
れらの結合を有さない有機重合体を併用する場合、前記
の結合を有する有機重合体の含有率は1%以上が好まし
く、5%以上がより好ましい。前記の結合を有する有機
重合体の含有率が少なすぎると、生成する有機−無機ハ
イブリッド高分子材料の含有率が少なくなり、材料の特
性が向上しないおそれがある。また前記の結合を有さな
い有機重合体と、金属酸化物および/または無機成分が
マクロな相分離を生じやすくなり、高分子材料の特性が
低下するおそれもある。
【0045】高分子材料および成形品の製造方法 本発明における高分子材料の製造方法は、有機重合体と
金属アルコキシド化合物を含む樹脂組成物を混練機を用
いて溶融混練し、金属アルコキシド化合物および/また
は金属アルコキシド化合物と有機重合体を反応させるこ
とを特徴とする。このことによって、一般に非相溶な有
機重合体と金属酸化物および/または無機成分が共有結
合し、かつこれらの成分が有機重合体中に均一に微分散
した高分子材料を高生産性、低コストで簡便に製造する
ことができる。また得られた高分子材料は成形が可能で
あり、複雑な形状の成形品も作製することができる。成
形は混練後の溶融状態から直接行っても良く、混練機か
ら排出されたストランドをペレット等の適当な形状とし
た後に、改めて加工しても良い。
【0046】本発明の高分子材料および成形品の製造方
法の具体例を以下に示す。 1)エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、ウ
レタン結合の何れかを有する有機重合体を、1軸または
2軸押出機のフィーダーから投入して加熱処理し、溶融
状態とする。次に、金属アルコキシド化合物を液添装置
を用いて投入しながら溶融混練することによって、金属
アルコキシド化合物および/または金属アルコキシド化
合物と有機重合体を反応させる。この際、例えば金属ア
ルコキシド化合物の投入速度をコントロールすることに
よって、高分子材料中の有機−無機ハイブリッド高分子
材料の含有率を調整できる。その後、溶融混練物を押出
機から排出しながら押出成形機等を使用してフィルム、
シート、ロッド、パイプ等に直接成形する。また押出機
から排出されるストランドをペレット等の適当な形状と
した後に、射出成形機等を使用して改めて所望の形状に
成形しても良い。得られる成形品は、有機重合体と金属
酸化物および/または無機成分が結合した有機−無機ハ
イブリッド高分子材料、または有機−無機ハイブリッド
高分子材料が有機重合体中に均一に微分散した高分子材
料で成る。
【0047】2)エステル結合、カーボネート結合、ア
ミド結合、ウレタン結合の何れかを有する有機重合体
を、1軸または2軸押出機のフィーダーから投入して加
熱処理し、溶融状態とする。次に、予め適当な溶媒に溶
解し、微量の水分を添加することによって部分的に加水
分解・重縮合させた金属アルコキシド化合物を含む溶液
を、液添装置を用いて投入しながら溶融混練することに
よって、金属アルコキシド化合物の反応を更に進めなが
ら、金属アルコキシド化合物と有機重合体も反応させ
る。この際、例えば金属アルコキシド化合物の投入速度
をコントロールすることによって、高分子材料中の有機
−無機ハイブリッド高分子材料の含有率を調整できる。
その後、溶融混練物を押出機から排出しながら押出成形
機等を使用してフィルム、シート、ロッド、パイプ等に
成形する。また押出機から排出されるストランドをペレ
ット等の適当な形状とした後に、射出成形機等を使用し
て改めて所望の形状に成形しても良い。得られる成形品
は、有機重合体と金属酸化物および/または無機成分が
結合した有機−無機ハイブリッド高分子材料、有機−無
機ハイブリッド高分子材料が有機重合体中に均一に微分
散した高分子材料で成る。
【0048】3)エステル結合、カーボネート結合、ア
ミド結合、ウレタン結合の何れかを有する有機重合体
を、1軸または2軸押出機のフィーダーから投入して加
熱処理し、溶融状態とする。次に、金属アルコキシド化
合物を液添装置を用いて投入しながら溶融混練すること
によって、金属アルコキシド化合物および/または金属
アルコキシド化合物と有機重合体を反応させる。その
後、前記の結合を有さない有機重合体をサイドフィーダ
ーから投入し、更に溶融混練する。最終的に得られる溶
融混練物を押出機から排出しながら押出成形機等を使用
してフィルム、シート、ロッド、パイプ等に成形する。
また押出機から排出されるストランドをペレット等の適
当な形状とした後に、射出成形機等を使用して改めて所
望の形状に成形しても良い。得られる成形品は、有機−
無機ハイブリッド高分子材料が有機重合体中に均一に微
分散した高分子材料で成る。
【0049】上記の製造例において、有機重合体と金属
アルコキシド化合物の組成比は、目的とする特性や機能
に応じて任意の割合で設定できる。しかし、処理時の操
作性や得られる材料の特性を考慮すると、これらの重量
比は、例えば1:99〜99.9:0.1、好ましくは
10:90〜99:1、より好ましくは50:50〜9
9:1の範囲とすることができる。
【0050】また、エステル結合、カーボネート結合、
アミド結合、ウレタン結合の何れかを有する有機重合体
と、これらの結合を有さない有機重合体を併用する場
合、前記の結合を有する有機重合体の含有率は1%以上
が好ましく、5%以上がより好ましい。前記の結合を有
する有機重合体の含有率が少なすぎると、高分子材料の
特性が向上しなかったり、低下するおそれがある。
【0051】温度、速度、圧力等の混練および成形条件
は使用される有機重合体によって適宜決定され、有機重
合体が溶融し、他の原料と十分に混練される条件であれ
ば特に限定されない。一度の処理で混練が不十分な場合
には排出された混練物を同じ混練機で複数回処理しても
良く、複数の混練機および/または種類が異なる混練機
を使用して処理しても良いが、実用面を考慮すると混練
条件を最適化し、一度の処理で終了するほうが望まし
い。
【0052】本発明における混練工程においては、金属
アルコキシド化合物および/または金属アルコキシド化
合物と有機重合体の反応性をより高める目的で、少量の
水分や触媒を添加しても良い。水分の量は特に限定され
ず、使用原料の物性に応じて適宜設定すれば良いが、極
端に水分量を多くすると水蒸気の噴出等による事故の危
険性が生じる。また、使用する有機重合体の種類によっ
ては、加水分解のおそれも生じるため慎重に設定する必
要がある。また、触媒としては各種の酸性触媒、塩基性
触媒および金属触媒の使用が可能であるが、有機重合体
の種類によっては触媒により分解する可能性があるた
め、適切な触媒の種類と量の選択が必要である。
【0053】本発明における全ての工程において強度、
硬度、耐候性、耐薬品性、難燃性、帯電防止性等の機能
を向上または新たに付与する目的で、無機物含有量や重
合体間の架橋密度を調整するためにSi、Ti、Zr、
Fe、Cu、Sn、B、Al、Ge、Ce、Ta、W等
の金属、金属酸化物、金属錯体、無機塩等を共存させて
も良い。また、使用する有機重合体の種類に応じて、一
般に使用されるような可塑剤を適宜使用しても良い。
【0054】本発明の方法で製造される高分子材料に
は、無機材料が有する機械的強度、耐熱性、耐候性、表
面硬度、剛性、耐水性、耐薬品性、耐汚染性、難燃性等
の特性が有機重合体に良好に付与されている。言い換え
れば、有機重合体が有する耐衝撃性、柔軟性、加工性お
よび軽量性等の特性が無機材料に良好に付与されてい
る。
【0055】
【発明の効果】本発明により、フィルム、構造材料、光
学材料、表面改質材、電気・電子材料、医療材料等の高
性能および高機能が要求される高分子材料、およびその
低コストで簡便かつ、実用的な製造方法が提供される。
また、本発明の製造方法は射出成形機や押出成形機等の
一般的なプラスチック用成形機が使用可能であるため、
複雑な形状を有する上記高性能および高機能高分子材料
の成形も可能である。
【0056】
【実施例】実施例1 1500gの三菱エンジニアリングプラスチックス製ポ
リカーボネート(ユーピロン)と、16.6gの三菱化
学製MKCシリケートMS−56を、三井三池化工機製
ヘンシェルミキサーFM10B型を用いて均一に混合し
た。この混合物をテクノベル製小型高速2軸押出機KZ
W15−45MG型に投入し、フィーダー回転数50r
pm、スクリュー回転数200rpm、温度280℃で
溶融混練した。排出されたストランドは冷却し、ペレタ
イザーを用いてペレット化した。得られたペレットは日
精樹脂工業製小型射出成形機HM−7DENKEY型を
用いて、溶融温度300℃の基本条件で処理し、各種試
験片を作製した。(有機重合体:金属アルコキシド=9
8.9:1.1≒99:1)
【0057】実施例2 1500gの三菱エンジニアリングプラスチックス製ポ
リカーボネート(ユーピロン)を、テクノベル製小型高
速二軸押出機KZW15−45MG型に投入し、フィー
ダー回転数50rpm、スクリュー回転数200rp
m、温度280℃で処理しながら、液添装置を用いて1
56gのテトラエトキシシランを徐々に投入し、溶融混
練した。排出されたストランドは冷却し、ペレタイザー
を用いてペレット化した。得られたペレットは日精樹脂
工業製小型射出成形機HM−7DENKEY型を用い
て、溶融温度300℃の基本条件で処理し、各種試験片
を作製した。(有機重合体:金属アルコキシド=90.
6:9.4≒90:10)
【0058】実施例3 1500gのアルドリッチ製ポリサルホンと、16.6
gの三菱化学製MKCシリケートMS−56を、三井三
池化工機製ヘンシェルミキサーFM10B型を用いて均
一に混合した。この混合物をテクノベル製小型高速2軸
押出機KZW15−45MG型に投入し、フィーダー回
転数60rpm、スクリュー回転数200rpm、温度
330℃で溶融混練した。排出されたストランドは冷却
し、ペレタイザーを用いてペレット化した。得られたペ
レットは日精樹脂工業製小型射出成形機HM−7DEN
KEY型を用いて、溶融温度350℃の基本条件で処理
し、各種試験片を作製した。(有機重合体:金属アルコ
キシド=98.9:1.1≒99:1)
【0059】実施例4 1500gのユニチカ製ポリアリレート(U−ポリマ
ー)を、テクノベル製小型高速二軸押出機KZW15−
45MG型に投入し、フィーダー回転数60rpm、ス
クリュー回転数150rpm、温度300℃で処理しな
がら、液添装置を用いて156gのテトラエトキシシラ
ンを徐々に投入し、溶融混練した。排出されたストラン
ドは冷却し、ペレタイザーを用いてペレット化した。得
られたペレットは日精樹脂工業製小型射出成形機HM−
7DENKEY型を用いて、溶融温度320℃の基本条
件で処理し、各種試験片を作製した。(有機重合体:金
属アルコキシド=90.6:9.4≒90:10)
【0060】実施例5 1500gのアルドリッチ製ポリエチレンテレフタレー
トと、16.6gの三菱化学製MKCシリケートMS−
56を、三井三池化工機製ヘンシェルミキサーFM10
B型を用いて均一に混合した。この混合物をテクノベル
製小型高速2軸押出機KZW15−45MG型に投入
し、フィーダー回転数60rpm、スクリュー回転数2
00rpm、温度280℃で溶融混練した。排出された
ストランドは冷却し、ペレタイザーを用いてペレット化
した。得られたペレットは日精樹脂工業製小型射出成形
機HM−7DENKEY型を用いて、溶融温度280℃
の基本条件で処理し、各種試験片を作製した。(有機重
合体:金属アルコキシド=99:1)
【0061】実施例6 1500gのアルドリッチ製ポリアミド(ナイロン6/
6)を、テクノベル製小型高速二軸押出機KZW15−
45MG型に投入し、フィーダー回転数80rpm、ス
クリュー回転数200rpm、温度280℃で処理しな
がら、液添装置を用いて156gのテトラエトキシシラ
ンを徐々に投入し、溶融混練した。排出されたストラン
ドは冷却し、ペレタイザーを用いてペレット化した。得
られたペレットは日精樹脂工業製小型射出成形機HM−
7DENKEY型を用いて、溶融温度290℃の基本条
件で処理し、各種試験片を作製した。(有機重合体:金
属アルコキシド=90.6:1.1≒90:10)
【0062】実施例7 1500gのアルドリッチ製ポリメチルメタクリレート
を、テクノベル製小型高速二軸押出機KZW15−45
MG型に投入し、フィーダー回転数80rpm、スクリ
ュー回転数200rpm、温度210℃で処理しなが
ら、液添装置を用いて156gのテトラエトキシシラン
を徐々に投入し、溶融混練した。排出されたストランド
は冷却し、ペレタイザーを用いてペレット化した。得ら
れたペレットは日精樹脂工業製小型射出成形機HM−7
DENKEY型を用いて、溶融温度220℃の基本条件
で処理し、各種試験片を作製した。
【0063】比較例1〜6 実施例1〜7で使用したものと同じポリカーボネート
(比較例1)、ポリサルホン(比較例2)、ポリアリレ
ート(比較例3)、ポリエチレンテレフタレート(比較
例4)、ポリアミド(比較例5)、ポリメチルメタクリ
レート(比較例6)をテクノベル製小型高速二軸押出機
KZW15−45MG型にそれぞれ投入し、適当な条件
下で溶融混練した。排出されたストランドは冷却し、ペ
レタイザーを用いてペレット化した。得られたペレット
は日精樹脂工業製小型射出成形機HM−7DENKEY
型を用いて、適当な条件下でそれぞれ処理することによ
り各種試験片を作製した。
【0064】比較例7 45gの三菱エンジニアリングプラスチックス製ポリカ
ーボネート(ユーピロン)と、0.5gの三菱化学製M
KCシリケートMS−56を、ハーケ製ブラベンダーH
BIシステム90型に投入し、280℃で10分間混合
した。混合物は取り出して冷却した後、粗砕機を用いて
粗砕した。得られた粗砕物は日精樹脂工業製小型射出成
形機HM−7DENKEY型を用いて、溶融温度300
℃の基本条件で処理し、各種試験片を作製した。(有機
重合体:金属アルコキシド=99:1)
【0065】比較例8 1500gの三菱エンジニアリングプラスチックス製ポ
リカーボネート(ユーピロン)と、3.0gの微粒子状
シリカを、三井三池化工機製ヘンシェルミキサーFM1
0B型を用いて、均一に混合した。この混合物をテクノ
ベル製小型高速二軸押出機KZW15−45MG型に投
入し、フィーダー回転数50rpm、スクリュー回転数
200rpm、温度280℃で溶融混練した。排出され
たストランドは冷却し、ペレタイザーによりペレット化
した。得られたペレットは日精樹脂工業製小型射出成形
機HM−7DENKEY型を用いて、溶融温度300℃
の基本条件で処理することにより各種試験片を作製し
た。(有機重合体:微粒子状シリカ=99.8:0.
2)
【0066】灰化試験(JIS K 7052に準拠) 高分子材料中の金属酸化物含有量を確認する目的で試験
した。試料3〜5gを磁製るつぼに入れ、ガスバーナー
を用いて蒸発成分を除去、および低温分解成分を燃焼し
た。次にマッフル電気炉に移し、630℃で3時間以上
加熱して試料を灰化した。得られた白色灰の重量から、
材料中の金属酸化物含有量を求めた。試験結果を表1に
示す。試験の結果、実施例の高分子材料中には約0.2
%の金属酸化物および無機成分が含まれていることが確
認された。
【0067】ロックウエル硬度試験(JIS K 7202に準
拠) 高分子材料の硬度を確認する目的で試験した。試験に際
しては、試験片を24℃、湿度58%の恒温室内で48
時間以上放置し、状態調整を行った。装置は明石製作所
製 Model ORK を使用し、試験荷重やスケールは有機重
合体の種類に応じて適宜決定した。試験結果を表1に示
す。
【0068】それぞれの実施例で作製した高分子材料の
硬度を、マトリックスとなるプラスチック(比較例1〜
6)と比較した結果、全ての実施例で硬度の向上が確認
された。これらの結果は、高分子材料中の金属酸化物お
よび無機成分に起因すると考えられる。また、ポリカー
ボネート系の高分子材料(実施例1、2)については比
較例7とも比較した結果、本発明の高分子材料の方が優
れた硬度を有していた。比較例7の材料は十分な処理時
間であったにも拘わらず、装置の混練能力が低いために
金属アルコキシド化合物の反応が不十分だったものと考
えられる。これらのことから、本発明の製造方法で作製
した高分子材料には、金属酸化物および無機成分がほぼ
均一かつ良好に存在していると考えられる。
【0069】引張試験(JIS K 7113に準拠) 高分子材料の機械的特性を確認する目的で試験した。試
験片は JIS K 7113 1号試験片の1/2サイズを使用し
た。試験に際しては、試験片を24℃、湿度58%の恒
温室内で48時間以上放置し、状態調整を行った。装置
は島津製作所製 AUTOGRAPH DSS-5000 を使用し、ロード
セルは500kgf、テストスピードは10mm/分とした。
試験結果を表2に示す。
【0070】それぞれの実施例で作製した高分子材料の
引張降伏強度、引張弾性率、引張破断時伸び率をマトリ
ックスとなるプラスチック(比較例1〜6)と比較した
結果、全ての実施例で降伏強度と弾性率の向上が確認さ
れた。これらの結果は、高分子材料中の金属酸化物およ
び無機成分に起因すると考えられる。また、ポリカーボ
ネート系の高分子材料(実施例1、2)については比較
例7とも比較した結果、本発明の高分子材料の方が優れ
た強度と弾性率を有していた。これらのことから、本発
明の高分子材料には金属酸化物および無機成分がほぼ均
一かつ良好に存在し、優れた機械的特性を有することが
確認された。
【0071】曲げ試験(JIS K 7171に準拠) 高分子材料の機械的強度を確認する目的で試験した。試
験片は JIS K 7171 標準試験片を使用した。試験に際し
ては、試験片を24℃、湿度58%の恒温室内で48時
間以上放置し、状態調整を行った。装置は島津製作所製
AUTOGRAPH DSS-5000 を使用し、ロードセルは100kg
f、テストスピードは2mm/分とした。試験結果を表2に
示す。
【0072】それぞれの実施例で作製した高分子材料の
曲げ強度を、マトリックスとなるプラスチック(比較例
1〜6)と比較した結果、全ての実施例で曲げ強度の向
上が確認された。また、ポリカーボネート系の高分子材
料(実施例1、2)については比較例7とも比較した結
果、本発明の高分子材料の方が優れた強度を有してい
た。これらの傾向は引張試験と同様であり、高分子材料
中の金属酸化物および無機成分に起因すると考えられ
る。
【0073】アイゾット衝撃試験(JIS K 7110に準拠) 高分子材料の耐衝撃性を確認する目的で、一部の材料に
ついて評価した。試験片は JIS K 7110 2号試験片A切
欠きタイプを使用した。試験に際しては、試験片を24
℃、湿度58%の恒温室内で48時間以上放置し、状態
調整を行った。装置は東洋精機製アイゾット試験機を使
用した。試験結果を表2に示す。
【0074】実施例1と2で作製したポリカーボネート
系の高分子材料について評価し、ポリカーボネート(比
較例1)および比較例8と比較した。その結果、本発明
の高分子材料はポリカーボネートと同等の衝撃強度を有
していた。また、ポリカーボネートに微粒子状シリカを
単に分散させた比較例8の材料は、衝撃強度が大きく低
下していた。これらの結果は、高分子材料中の金属酸化
物および無機成分の状態に起因し、本発明の高分子材料
は有機−無機ハイブリッド高分子材料を成分として含む
ことから、耐衝撃性が損なわれなかったものと考えられ
る。
【0075】ヘイズ試験 高分子材料の透明性を確認する目的で、一部の材料につ
いて評価した。試験片は JIS K 7110 2号試験片を用
い、装置は日本電色工業製 Haze Meter NDH2000を使用
した。試験結果を表3に示す。
【0076】実施例1と2で作製したポリカーボネート
系の高分子材料について評価し、ポリカーボネート(比
較例1)および比較例8と比較した。その結果、ポリカ
ーボネートに微粒子状シリカを分散させた比較例8の材
料は透明性が低下したものの、本発明の高分子材料はポ
リカーボネートと同等以上の透明性を示した。これらの
ことから、本発明の高分子材料中のシリカのサイズは、
市販の微粒子状シリカよりはるかに小さく、高分子材料
の透明性については悪影響を及ぼさないと考えられる。
【0077】動的粘弾性試験 高分子材料の耐熱性を確認する目的で、一部の材料につ
いて評価した。試験片はJIS K 7110 2号試験片を適当
な長さに切断して用い、装置はセイコー電子工業製粘弾
性スペクトロメーターSDM5600を使用して、曲げモード
で試験した。また、昇温速度は2℃/分、試験温度は2
0〜210℃、周波数は1Hzとした。貯蔵弾性率曲線よ
り試験片の軟化溶融温度を求め、材料の耐熱性を評価し
た。試験結果を表4に示す。
【0078】実施例1と2で作製したポリカーボネート
系の高分子材料について評価し、ポリカーボネート(比
較例1)および比較例8と比較した。その結果、ポリカ
ーボネートに微粒子状シリカを分散させた比較例8の材
料の耐熱性はポリカーボネートと同等であったものの、
本発明の高分子材料では耐熱性の向上が確認された。実
施例1と2および比較例8の差は、高分子材料中の金属
酸化物および無機成分の存在状態の違いに起因している
ものと考えられる。
【0079】
【表1】高分子材料の金属酸化物含有量と硬度
【0080】
【表2】高分子材料の機械的特性
【0081】
【表3】高分子材料の透明性
【0082】
【表4】高分子材料の耐熱性
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 85/00 C08G 85/00 C08J 5/00 CEZ C08J 5/00 CEZ C08K 5/057 C08K 5/057 C08L 101/00 C08L 101/00 // B29K 67:00 B29K 67:00 69:00 69:00 77:00 77:00 (72)発明者 島田 雅之 大阪府堺市高倉台3丁11番6号 (72)発明者 上利 泰幸 大阪府大阪市中央区東平1丁目1番53の 1001号 (72)発明者 荒川 源臣 大阪府寝屋川市讃良東町8番1号 オリヱ ント化学工業株式会社内 (72)発明者 須方 一明 大阪府寝屋川市讃良東町8番1号 オリヱ ント化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA33 AA43 AA48 AA50 AA54 AA64 AA66 AA68 AA78 BA01 BB05 BB06 4F201 AA24 AA27 AA28 BA01 BC01 BC12 BD04 BD05 BK02 BK13 BK26 BN01 4J002 BB03W BB12W BB17W BC03W BD04W BG02W BG06W CB00W CC02W CC18W CD00W CE00W CF00W CF16W CG00W CH07W CH09W CK01W CL00W CM04W CN02W CN03W CP02X CP03W CQ03X 4J031 AA20 AA49 AA52 AA55 AA58 AA59 AA60 AB01 AB04 AC05 AC13 AC15 AD01 AE19 CA06 CA69 CD26 CD28 4J035 AA02 AB02 LB20

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルコキシ基を有しない有機重合体
    および金属アルコキシド化合物(金属アルコキシド化合
    物の部分的加水分解および重縮合物を含む)を含有し、
    金属アルコキシ基を有する有機重合体を含有しない樹脂
    組成物を、混練機を用いて溶融混練して得られる高分子
    材料。
  2. 【請求項2】 金属アルコキシ基を有しない有機重合体
    および金属アルコキシド化合物(金属アルコキシド化合
    物の部分的加水分解および重縮合物を含む)を含有し、
    金属アルコキシ基を有する有機重合体を含有しない樹脂
    組成物を、混練機を用いて溶融混練し、金属アルコキシ
    ド化合物を反応させることによって得られる高分子材
    料。
  3. 【請求項3】 金属アルコキシ基を有しない有機重合体
    および金属アルコキシド化合物(金属アルコキシド化合
    物の部分的加水分解および重縮合物を含む)を含有し、
    金属アルコキシ基を有する有機重合体を含有しない樹脂
    組成物を、混練機を用いて溶融混練し、有機重合体と金
    属アルコキシド化合物を反応させることによって得られ
    る高分子材料。
  4. 【請求項4】 前記混練機が、1軸押出機または2軸押
    出機である請求項1〜3記載の高分子材料。
  5. 【請求項5】 前記有機重合体が、エステル結合、カー
    ボネート結合、アミド結合、ウレタン結合を有する有機
    重合体を少なくとも含有するものである請求項1〜3記
    載の高分子材料。
  6. 【請求項6】 前記有機重合体が、ポリエステル、ポリ
    カーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリア
    ミド、ポリアクリレートからなる群から選択される少な
    くとも1種の有機重合体を含有するものである請求項1
    〜3記載の高分子材料。
  7. 【請求項7】 前記有機重合体が、少なくともポリカー
    ボネートを含有するものである請求項1〜3記載の高分
    子材料。
  8. 【請求項8】 前記金属アルコキシド化合物の金属元素
    が、Si、Ti、Zrからなる群から選択される少なく
    とも1種である請求項1〜3記載の高分子材料。
  9. 【請求項9】 前記金属アルコキシド化合物の金属元素
    が、Siである請求項1〜3記載の高分子材料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の高分子材料を、成形機
    を用いて加工することにより得られる成形品。
  11. 【請求項11】 前記成形機が、射出成形機または押出
    成形機である請求項10記載の成形品。
  12. 【請求項12】 金属アルコキシ基を有しない有機重合
    体および金属アルコキシド化合物(金属アルコキシド化
    合物の部分的加水分解および重縮合物を含む)を含有
    し、金属アルコキシ基を有する有機重合体を含有しない
    樹脂組成物を、混練機を用いて溶融混練する工程を包含
    する高分子材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記混練機が、1軸押出機または2軸
    押出機である請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記有機重合体が、エステル結合、カ
    ーボネート結合、アミド結合、ウレタン結合を有する有
    機重合体を少なくとも含有するものである請求項12記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 前記有機重合体が、ポリエステル、ポ
    リカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリ
    アミド、ポリアクリレートからなる群から選択される少
    なくとも1種の有機重合体を含有するものである請求項
    12記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記有機重合体が、少なくともポリカ
    ーボネートを含有するものである請求項12記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記金属アルコキシド化合物の金属元
    素が、Si、Ti、Zrからなる群から選択される少な
    くとも1種である請求項12記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記金属アルコキシド化合物の金属元
    素が、Siである請求項12記載の方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜9の高分子材料を、成形機
    を用いて加工する工程を包含する成形品の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記成形機が、射出成形機または押出
    成形機である請求項19記載の方法。
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