JP2008038000A - 有機無機ハイブリッドガラス状物質 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学用途に使用可能な透明材料で、無機ガラスの低吸水性とプラスチックの低温での成型可能性の両方の性質をもち、なおかつ通常の使用に耐えうるような強度を持った材料が得られていない。
【解決手段】有機無機ハイブリッドガラス状物質の作成法において、R1 Si(OR24−n(R1は有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1〜2)で表されるオルガノアルコキシシランの重縮合物と有機ポリマーを溶媒内で混合し、さらにそれらの混合物に対して、架橋剤兼相容化剤となるフルオレン化合物を混合した後、溶媒留去することによって、有機無機ハイブリッドガラス状物質を作成する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明材料として、無機ガラスとプラスチックの特性を併せ持ち、それらの代替として使用可能な、有機無機ハイブリッドガラス状物質の作成法に関する。
従来透明材料として、無機ガラスもしくはプラスチックが使用されてきた。無機ガラスは透明性に優れ、低吸水性で非常に安定性があることより、汎用光学材料として広範囲に使用されてきた。しかしながら、比重が2.5と非常に重いという問題があった。
また、プラスチックであれば,100℃から250℃と比較的低温で成型が可能となるが、無機ガラスを使用する場合は、低いものでも350℃以上の加熱が必要となり、成型工程の煩雑化および製造コストが高くなるなどの問題がある。そのため、より軽量のものを求め、プラスチックの使用が検討され、一部用途については代替が進んでいる。
しかし、精密光学材料に対しては、現行のプラスチックでは、吸水率が低いものでも無機ガラスと比較して1桁高いものであり、吸水することで膨潤し、形状の変化、および屈折率の変動が起こるため、現在のところ、無機ガラスを使用せざるを得ないのが現状である。
これらの問題を解決するため、オルガノアルコキシシランの重縮合によって得られる、低温成型が可能であり、かつ低吸水率であるような有機無機ハイブリッドガラス状物質が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−146222号公報
前述した例えば特開2005−146222号公報に記載のものは、比較的低温で成型可能であり、吸水率も低いが、物理的強度が低く、脆くて割れやすいという問題がある。これは、物質内の分子結合が少ないのが原因であり、作成条件により改善可能であるが、結合を増やすと性質が無機ガラスに近くなり、低温で成型可能であるという利点が失われる。
このように、無機ガラスの低吸水性とプラスチックの低温での成型可能性の両方の性質をもち、なおかつ通常の使用に耐えうるような強度を持った材料は未だに得られているとはいえない。
本発明は、有機無機ハイブリッドガラス状物質の作成法において、R1 Si(OR24−n(R1は有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1〜2)で表されるオルガノアルコキシシランの重縮合物と有機ポリマーを溶媒内で混合し、さらにそれらの混合物に対して、架橋剤兼相容化剤となるフルオレン化合物を混合して重縮合させた後、溶媒留去することによって、有機無機ハイブリッドガラス状物質を作成する方法である。
また本発明は、上記の方法により作成した有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらに本発明は、JIS R3106による可視光線透過率が厚さ2mmに対して85%以上を有する上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
また本発明は、軟化温度が100℃から200℃であることを特徴とする、上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
本発明によれば、光学用途に使用可能な透明材料で、無機ガラスの低吸水性とプラスチックの低温での成型可能性の両方の性質をもち、なおかつ通常の使用に耐えうるような強度を持った材料を得ることが出来る。
本発明における、有機無機ハイブリッドガラス状物質の作成法は、R1 Si(OR24−n(R1は有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1〜2)で表されるオルガノアルコキシシランの重縮合物と有機ポリマーを溶媒中で混合し、さらにそれらの混合物に対して、架橋剤兼相容化剤となるフルオレン化合物とチタン錯体を混合した後、溶媒留去することによって、有機無機ハイブリッドガラス状物質を作成する方法である。
最終的に生成される有機無機ハイブリッドガラス状物質はオルガノアルコキシシランの重縮合物と有機ポリマーの複合物であるが、有機ポリマーが全固形分中に30%以上、60%以下であることが望ましい。
オルガノアルコキシシランの重縮合物の割合が多くなると、吸水性を低くするのには有利であるが、得られる有機無機ハイブリッドガラス状物質が脆く割れやすくなる。有機ポリマーの割合が多くなると、吸水性が高くなる。その他の性質においても、この範囲を外れると、単独で使用した場合の性質と変わらず、混合の効果が得られないからである。
本発明に使用するオルガノアルコキシシランの重縮合物は下記に示す方法で合成することができる。出発原料として、オルガノアルコキシシリカを使用し、水、触媒及びアルコールを適量混合した後、加熱加水分解反応工程、溶融部分重縮合工程、高温重縮合完結工程を経て製造されることが好ましい。
触媒は、酸触媒として酢酸、硝酸、塩酸等を、アルカリ触媒としてアンモニアを使用することができる。
出発原料となるオルガノアルコキシシランは、R1 Si(OR24−n(式中R1は有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1〜2)で示されるように一部が有機基で置換されたものであり、R1の有機基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、あるいは、メチル基、エチル基、プロピル基(n−,i−)、ブチル基(n−,i−,t−)などのアルキル基、メタクリロキシ基、ビニル基、グリシル基、R2としてはメチル基、エチル基、プロピル基(n−、i−)等から成るオルガノアルコキシシリカから選ばれることが特に好ましい。
また、これらの中で、低融点でかつ軟化点を下げるためにフェニル基が含有されていることが特に望ましい。
混合工程で用いる水はモル比でオルガノアルコキシシランのアルコキシ基の3倍以上であることが好ましい。従来のゾルゲル法では、アルコールの種類にもよるが、水は加水分解に必要な最小限とされていた。これは、急速な加水分解及び不安定ゾルの生成を抑制するという基本的な問題に発している。薄膜状ゾルゲル膜を形成させるときに多めの水を使うことはあるが、バルク状とする場合はできるだけ少なくする、例えばアルコキシ基の2倍程度が従来の方法であった。しかし、熟成工程を有する場合には、混合工程で用いる水がアルコキシ基の2倍未満であると、熟成工程に多大の時間を要するという問題が発生する。しかし、水の量が多すぎても、熟成工程で多くの時間を要することにもなるので、より好ましくは、アルコキシ基の5倍以上20倍以下である。なお、混合工程において、酸化物前駆体に水、エタノール、触媒である酢酸を加えて撹拌しながら混合するが、この順序には限定されない。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノ-ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノ-ル、2−ブタノール、1.1−ジメチル−1−エタノール等が代表的であるが、これらに限定されるものではない。
溶融工程に入る前、すなわち、出発原料の混合工程と加熱による溶融工程との間に、加熱反応工程を有することが好ましい。この加熱反応工程は40℃以上100℃以下の温度で行われる。この温度域以外では、その構造中に有機官能基Rを持つユニット、例えば(RSiO(4−n)/2)(n=1、2から選択)で表されるオルガノシロキサン、さらに、詳細には、オルガノ基がフェニル基であるフェニルシロキサン(PhSiO(4−n)/2)、メチル基であるメチルシロキサン(MeSiO(4−n)/2)、エチル基であるエチルシロキサン(EtSiO(4−n)/2)、ブチル基であるブチルシロキサン(BtSiO(4−n)/2)(n=1〜2)などを適切に含有させることができないため、ガラス溶融のできるシリカ重縮合物を得ることは極めて難しくなる。
この有機官能基Rは、アルキル基やアリール基が代表的である。アルキル基としては、直鎖型でも分岐型でもさらには環状型でも良い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−、i−)、ブチル基(n−、i−、t−)などが挙げられ、特に好ましいのはメチル基とエチル基である。さらに、アリール基としては、フェニル基、ピリジル基、トリル基、キシリル基などがあり、特に好ましいのはフェニル基である。当然ながら、有機官能基は上述のアルキル基やアリール基に限定されるものではない。
加熱反応工程の上限温度は沸点が100℃を越すアルコール、例えば沸点が118℃の1−ブタノールを用いる場合では100℃以下であるが、沸点が100℃以下のアルコールでは沸点も考慮する方が望ましい。例えば、エタノールを用いる場合は、その沸点の80℃以下とした方が良い結果となる傾向にある。これは、沸点を越えると、アルコールが急激に蒸発するので、アルコール量や状態変化から均一反応が達成されにくくなるためであると考えられる。
加熱による溶融工程は30℃以上400℃以下の温度で処理される。30℃よりも低い温度では、実質上溶融できない。また、400℃を超えると、網目を形成する金属元素と結合する有機基が燃焼するために所望の重縮合物を得られないばかりか、破砕したり、気泡を生じて不透明になったりする。望ましくは、100℃以上150℃以下である。
溶融工程後、水酸基(−OH)が残存する状態で、有機ポリマー、架橋剤兼相容化剤となるフルオレン化合物を添加し、両溶媒に溶解させた後、溶媒を留去し、これらの混合物である粘性白色固体を得る。
オルガノアルコキシシラン重縮合物単体については、溶融工程及び熟成工程を経ることにより、安定化した重縮合物を得ることができる。従来から行われてきたゾルゲル法では、前記の溶融工程がないため、当然ながらその後の熟成工程もない。混合物の安定性はオルガノアルコキシシラン重縮合物の安定性に依存するため、熟成工程は安定性を得るため、及び架橋剤兼相容化剤反応のために必要な工程である。
熟成工程では30℃以上400℃以下の温度で処理する。30℃よりも低い温度では、実質上熟成できない。400℃を超えると、熱分解することがあり、安定したガラス状物質を得ることは難しくなる。望ましくは、100℃以上300℃以下である。さらに、この熟成温度は、溶融下限温度よりも低い温度ではその効果が極めて小さくなる。熟成に要する時間は5分以上必要である。熟成時間は、その処理量、処理温度及び反応活性な水酸基(−OH)の許容残留量により異なるが、一般的には5分未満では満足できるレベルに到達することは極めて難しい。また、長時間では生産性が下がってくるので、望ましくは10分以上1週間以内である。
なお、加熱による溶融工程若しくは熟成工程において、不活性雰囲気下で行ったり、加圧下又は減圧下で行なうことにより時間を短縮できる傾向にある。また、マイクロ波加熱も有効である。さらには、加熱反応工程、溶融工程及び熟成工程を連続して行っても良い。
このオルガノアルコキシシランの重縮合物と複合させた場合、均一にさせるような有機ポリマーとしては、熱可塑性を示すことが望ましい。また、最終的に得られる有機無機ハイブリッドガラス状物質を光学用途に使用する場合は、芳香族環を含有する透明ポリマーであることが透明化しやすいために望ましい。
このような有機ポリマーとしては、例えばポリエステルがある。ポリエステルは一般に、高い光透過率を持つために、光学用途においても望ましい。
ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールの重縮合によって得られるが、本発明に使用できるものとしては、ジカルボン酸にテレフタル酸、ジオールにエチレングリコールを使用したポリエチレンテレフタレート(PET)を始めとして、溶媒に溶解させて、オルガノアルコキシシランの重縮合物と混合できるものであれば特に制限はない。
例えば、ジカルボン酸にはテレフタル酸の他2,6−ナフタレンジカルボン酸等を使用しても良い。
また、ジオールには、エチレングリコールの他、1,3−プロパンジオールや1,4−ブタンジオール等、鎖の長さの異なるものが使用できる。一般に長鎖のものほど硬度が上がる傾向にあり、用途によって適宜選択すればよい。もちろんベンゼンジオールのような芳香族環を持つものでもかまわない。
特に光学的な利用を目的とし、高透過率が必要な用途では、フルオレン系のポリエステルが使用できる。この場合、ジオールにフルオレン構造を含むものを使用すればよい。代表的なものに9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン
Figure 2008038000
(BHEPF)がある。BHEPFは光学特性に優れるとともに、生成されるポリエステルを溶媒に溶解させやすくするという利点もある。例えばPETはテトラヒドロキシフランやクロロホルムに殆ど溶解しないが、BHEPFを使用したものはどちらの溶媒にも溶解する。これは、溶媒に溶解させて、オルガノアルコキシシランの重縮合物と混合させるために特に有利である。
ジオールとして例えばエチレングリコールとこのBHEPFを適当量混合したものを利用することも可能であり、この場合、得られるポリエステルは
Figure 2008038000
のようになる。エチレングリコールとBHEPFの比を変えることで、得られるポリエステルの性質を適宜変えることが出来、オルガノアルコキシシランの重縮合物との混合のし易さや最終的に得られる有機無機ハイブリッドガラス状物質の性質を調整することが可能である。例えば、BHEPFの量が増えると、ポリエステルが溶媒に溶解しやすくなり、オルガノアルコキシシランの重縮合物との混合はし易くなるが、ガラス転移点は徐々に高くなり、最終物の成形がしにくくなる。
本発明では、モル比において、エチレングリコール:BHEPF=0.2:0.8〜0.8:0.2程度が望ましい。
最終的に本発明の低融点有機無機ハイブリッドガラス状物質を得るには、特に限定されないが、通常は、オルガノアルコキシシランの重縮合物合成工程で溶融工程が完了したものに対して、必要量の上記有機ポリマーとフルオレン化合物を加えて、完全に溶解させ均一分散させる方法が採用される。
フルオレン化合物は、相容化剤として使用する場合、上記ジオールと相容性があることが望ましいのはもちろんであるが、さらに架橋剤として使用する場合、このフルオレン化合物自体がジオールであることが望ましい。そうすると、重縮合反応により、架橋が行われることになる。
このようなフルオレン化合物は、上記BHEPFや類似構造のもの(例えばBHEPFの−OC2H4OHを他の−OROHに換えたものなど)が使用できる。
使用可能な溶媒としては、シリカ重縮合物、有機ポリマー、フルオレン化合物とも溶解させる必要があり、テトラヒドロキシフラン、キシレン、トルエン、クロロホルム等が該当するが、溶解後の除去を考慮した場合、テトラヒドロキシフランが特に好ましい。
さらに、オルガノアルコキシシランの重縮合物と有機ポリマーとの相容化剤として、チタン錯体を加えることも有効である。チタン錯体としては、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクタンジオレート等があり、これらの中で、加熱成型温度での熱安定度の面でチタンオクタンジオレートが好適である。
また、添加量としては、オルガノアルコキシシランの重縮合物と有機ポリマーを合わせた主成分に対して、0.1重量%以上、0.5重量%以下で、0.2〜0.4重量%が好ましく、0.1重量%未満の場合は、添加効果が無く透明体を得ることができず、0.5重量%を超えると、黄色から褐色に着色しやすくなるとともに、熱硬化体になりやすくなる。
このようにして、溶解均一分散させた後、溶媒が熱処理により除去させることで、有機無機ハイブリッドガラス状物質となる。
本発明の有機無機ハイブリッドガラス状物質は、シリカ重縮合物の出発原料により、融点は異なるものの、融点以上の温度で溶融状態とさせた後、所定の形状をしたモールドに流し込んで最終成型体とする場合と前駆体として溶融成型した後、軟化温度以上の温度でプレス成型して最終成型体とする、研磨により最終成型体とする等、目的とする形状に合わせて適時、選択することが可能である。
上記したような方法によって成形された成形体は、その低融点有機無機ハイブリッドガラス状物質が持つ透明性、低吸水性などの各種特性をそのまま生かした用途に用いられる。
以下、実施例により説明する。
(オルガノアルコキシシランの重縮合物の合成)
シリカアルコキシドとしてフェニルトリエトキシシランとジフェニルジエトキシシランを用いて,混合工程として、フェニルトリエトキシラン7.2g(30mmol)とジフェニルジエトキシシラン19.04g(70mmol)を水90g(5mol)、エタノール87.4g(1.9mol)、触媒である酢酸を0.6g(10mmol)の混合溶液中に撹拌しながら滴下し、反応工程として60℃で3時間加熱することにより加水分解させた後、150℃に上げ、溶融させながら5時間加熱することにより部分重縮合を行った。このオルガノアルコキシシランの重縮合物の軟化点は151℃であった。
テレフタル酸、エチレングリコール、BHEPFからなる共重合体は、エチレングリコールとBHEPFのモル比が6:4となるように混合し、ポリエステルを合成した。得られたポリエステルの数平均分子量は約49800であった。
上記で合成した重縮合体0.5gに対して、ポリエステルを0.5g、フルオレン化合物としてBHEPF0.2g、チタン錯体としてチタンオクタンジオレート0.006gを調合した後、溶媒としてテトラヒドロフラン4gに溶解させ、150℃で溶媒留去を行うことにより、白濁した有機無機ハイブリッドガラス状物質を得た。
架橋反応及び成型のため、上記で作製した有機無機ハイブリッドガラス状物質をシリコンモールドに所定量添加した後、真空オーブンを使用して、減圧下250℃雰囲気で2時間保持することにより、溶融し、モールド形状に追従することが可能となり、その後、常温まで冷却することにより直径18mmで厚み2mmの円形の供試体を作製した。
この供試体について、可視光透過率は日立製作所製分光光度計U−4000を用いて、JIS R3106に基づき測定した。軟化温度は、理学製熱膨張測定器TMA8310を用いて、1g加重でのたわみ温度を測定した。硬度は、TECLOCK製デュロメータ(スプリング式硬度計)GS−702GのタイプDを用いて、JIS K 6253に準拠して、スプリング荷重値を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例1で作製したシリカ重縮合物を60gとし、フルオレン含有ポリエステルを40gとした以外は、実施例1と同様の操作で供試体を作製し、評価した。
実施例1で作製したシリカ重縮合物を40gとし、フルオレン含有ポリエステルを60gとした以外は、実施例1と同様の操作で供試体を作製し、評価した。
実施例1でフルオレン化合物を0.1gとした以外は、実施例1と同様の操作で供試体を作成し、評価した。
(比較例1)
実施例1で合成した、シリカ重縮合物のみを使用した以外は、実施例1と同様の操作で試供体を作製し、評価した結果、硬度試験において、細かく割れてしまった。
(比較例2)
BHEPF無添加であること以外は、実験例1と同様の仕込み比及び実験条件で反応及び成型を行った結果、相容性が得られず、白濁固体を得た。
Figure 2008038000
(結果)
表1からわかるように、本発明の実施例のものは、可視光透過率85%以上、軟化温度が100〜200℃であり、硬度の点からも光学材料への応用が十分可能なものであった。これに対して、比較例のものは、硬度が低い、着色しているなどの問題があった。
本発明は、PDPを始めとするディスプレイ部品の封着・被覆用材料、光スイッチや光結合器を始めとする光情報通信デバイス材料、LEDチップを始めとする光学機器材料、光機能性(非線形)光学材料、接着材料等、低融点ガラスが使われている分野、エポキシ等の有機材料が使われている分野など光学材料の広い分野に利用可能である。

Claims (4)

  1. 有機無機ハイブリッドガラス状物質の作成法において、R1 Si(OR24−n(R1は有機基、R2は炭素数1〜5のアルキル基、nは1〜2)で表されるオルガノアルコキシシランの重縮合物と有機ポリマーを溶媒内で混合し、さらにそれらの混合物に対して、架橋剤兼相容化剤となるフルオレン化合物を混合した後、溶媒留去することによって、有機無機ハイブリッドガラス状物質を作成する方法。
  2. 請求項1に記載の方法により作成した有機無機ハイブリッドガラス状物質。
  3. JIS R3106による可視光線透過率が厚さ2mmに対して85%以上を有する請求項2に記載の低融点有機無機ハイブリッドガラス状物質。
  4. 軟化温度が100℃から200℃であることを特徴とする請求項2または3に記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質。
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