JPH10237174A - シリル化ポリメチルシルセスキオキサン、その製造方法、それを用いた組成物 - Google Patents

シリル化ポリメチルシルセスキオキサン、その製造方法、それを用いた組成物

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JPH10237174A
JPH10237174A JP9039473A JP3947397A JPH10237174A JP H10237174 A JPH10237174 A JP H10237174A JP 9039473 A JP9039473 A JP 9039473A JP 3947397 A JP3947397 A JP 3947397A JP H10237174 A JPH10237174 A JP H10237174A
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    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性、柔軟性、熱安定が良く、かつポ
リオルガノシロキサン等のポリマーとの架橋性等の機能
性を有するポリメチルシルセスキオキサン、その製法、
その組成物を提供する。 【解決手段】 ポリスチレン換算分子量Mが380〜2
000で、式:〔CH3SiO3/2 n 〔CH3 Si
(OH)O2/2 m (m,nは上記分子量を与える正の
数で、0.034(M×10-3)≦m/(m+n)≦
0.152/(M×10-3)+0.10〕で示されるポ
リメチルシルセスキオキサンのシラノール基を架橋性炭
素−炭素二重結合を有するシリル基含有化合物でシリル
化して得られ、残留シラノール基がSi原子あたり0.
12以下のシリル化ポリメチルシルセスキオキサン。こ
れとポリオルガノシロキサンとの組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性基をもつポ
リメチルシルセスキオキサン、その製造方法及びそれを
用いた硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメチルシルセスキオキサンは、ケイ
素原子数に対する酸素原子数の比が1.5であるような
シリコーンレジンの総称である。耐熱性、電気絶縁性、
耐炎性等にすぐれ、半導体製造時のレジスト材料、層間
絶縁膜等として使用されている〔伊藤邦雄編「シリコー
ンハンドブック」日刊工業新聞社(1990)等参
照〕。
【0003】ポリメチルシルセスキオキサンの合成法と
しては、メチルトリクロロシランをアミンの存在下でケ
トンとエーテルの混合もしくは単独溶媒中に溶解し、こ
れに水を滴下して加水分解後、加熱縮合させて合成する
方法〔特公昭60−17214号公報、特公平1−43
773号公報、USP4399266参照〕、三官能性
のメチルシランを有機溶剤中に溶解し、これに−20℃
から−50℃の温度で1000〜3000Paの不活性
ガス加圧下、水を滴下して加水分解後、加熱縮合させて
合成する方法〔特公昭62−16212号公報、EP第
0406911A1参照〕、有機溶剤中でメチルトリア
セトキシシラン及びこれと等量の、アルコール及び/又
は水とを反応させアルコキシアセトキシシランを合成
し、これを有機溶剤中で炭酸水素ナトリウム存在下に重
縮合させてプレポリマーを得、さらに該プレポリマーを
アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、ア
ルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物及びト
リエチルアミンの中から選択される少なくとも一種の触
媒の存在下に加熱縮合させて合成する方法〔特開平3−
20331号公報参照〕、及び水と炭化水素溶媒の二層
を形成する混合液にアルカリ金属カルボン酸塩と低級ア
ルコールを溶存させ、これにメチルトリハロシランを滴
下して加水分解し、加熱縮合させて合成する方法〔特開
平3−227321号公報参照〕などが知られている。
【0004】これらの方法によって得られるポリメチル
シルセスキオキサンの特徴は、共通して硬いが脆いこと
である。これらの中にはこの欠点を解決すべく工夫をこ
らしたものがあり、特公平1−43773号公報では、
ポリメチルシルセスキオキサンの15〜30%(重量)
が、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)による標準ポリスチレン換算分子量20000以下
の部分で占められるよう調整しているが、それでも1.
8〜2.0μm程度の膜厚の塗膜が製造できるに過ぎ
ず、EP第0406911A1でも最大3〜3.5μm
の塗膜がクラックなしで得られているに過ぎない。これ
以上の厚膜ではクラックが生じ、ましてや独立フィルム
を得られるほどの柔軟性はない。
【0005】発明者らは特願平7−208087および
特願平7−208143に開示したように、特定の分子
量範囲および水酸基含量範囲にあり、好ましくは特定の
方法により製造されたポリメチルシルセスキオキサンを
硬化させることにより柔軟性と高い熱安定性を合わせ持
つ皮膜が得られることを見いだした。
【0006】ポリシルセスキオキサンの残留シラノール
のシリル化は、J. Am. Chem. Soc.,1990, 112, 1931-19
36 等に合成法が開示されている。特開昭61−221
232号公報には上記特公昭62−16212号公報、
EP第0406911A1のポリシルセスキオキサン合
成法において、シリル化剤により反応を停止してシリル
化ポリシルセスキオキサンを得る方法が記載されてい
る。特開平6−279586号公報、特開平6−287
307号公報、特開平7−70321号公報には側鎖有
機基の50〜99.9モル%がメチル基であり、残りの
有機基に架橋性反応基を含むポリシルセスキオキサンの
水酸基をトリメチルシリル化することにより、ゲル化せ
ずに安定にすることが記載されているが、発明者らが特
願平7−208087および特願平7−208143に
開示したポリメチルシルセスキオキサンは、シリル化し
ないでも製造時にもゲル化せず、室温で安定に保存でき
る。特開平5−125187号公報には、数平均分子量
が10万以上で、側鎖有機基の50〜100モル%がメ
チル基であるポリシルセスキオキサンの水酸基をトリア
ルキルシリル化することにより、保存安定性を高めるこ
とが記載されている。上記特公昭62−16212号公
報においても、ポリメチルシルセスキオキサンの水酸基
をシリル化することにより、安定性を高めることが記載
されている。
【0007】上記のほか、種々の架橋性反応基をシルセ
スキオキサンの有機基としてもつシルセスキオキサン
が、Chem. Rev. 1995, 95, 1409-1430等の文献に記載さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】発明者らが特願平7−
208087および特願平7−208143で開示した
ポリメチルシルセスキオキサンは多くのシラノール基を
有し、かつ保存安定性に優れている。その硬化物は、従
来のポリメチルシルセスキオキサン硬化物では達成し難
かった柔軟性を有し、かつ熱安定性が極めて高い。熱安
定性の高いことは硬化後の架橋密度が何らかの理由によ
り高くなることによっても説明できるが、このことと硬
化皮膜の柔軟性は、相反する性質であり、これらの性質
を併せもつことはこのポリメチルシルセスキオキサンの
特異な特徴である。本発明は、このような特徴をもつポ
リメチルシルセスキオキサンに官能基を付与することに
より、機能性(ポリマーへの添加剤、充填剤として用い
たときのマトリックスポリマーとの架橋性、または該ポ
リメチルシルセスキオキサンの重付加もしくは付加重合
による硬化を可能にすること)をもたせる方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また各直線の交点も含むものである。 (式1):m/(m+n)=0.152/(Mn×10-3)+0.10 (式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000 (式3):1/(Mn×10-3)=1000/380 (式4):m/(m+n)=0.034/(Mn×10-3)〕
で示されるポリメチルシルセスキオキサンのシラノール
基をシリル化する、式 〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2
m-k 〔CH3 Si(OSiR1 23 )O2/2 k 〔上記式において、kはmより小さい正の数であり、
(m−k)/(m+n)で表される残留シラノール基の
量は0.12以下、R1 ,R2 及びR3 は置換もしくは
非置換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が
架橋性炭素−炭素二重結合を有する基である〕で示され
るシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法、
このようにして製造されうるシリル化ポリメチルシルセ
スキオキサン及びこのシリル化ポリメチルシルセスキオ
キサンとこれと反応性を有するポリオルガノシロキサン
とから本質的になる組成物である。
【0010】本発明におけるポリメチルシルセスキオキ
サンは、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が38
0から2000の範囲にあり、式 〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2
m 〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+
n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が
1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表され
る図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直
線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また
各直線の交点も含むものである。 (式1):m/(m+n)=0.034/(Mn×10
-3)+0.25 (式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000 (式3):1/(Mn×10-3)=1000/380 (式4):m/(m+n)=0.034/(Mn×10
-3)〕 で示される。このポリメチルシルセスキオキサンは、好
ましくは含酸素有機溶媒を含み、かつこれに対して50
容量%以下の炭化水素溶媒を含むかまたは含まない有機
溶媒と水との2相系にて、式:MeSiX3 (Meはメ
チル基、Xはハロゲン原子である。)で示されるメチル
トリハロシランを加水分解およびその加水分解生成物を
縮合せしめて製造される。この製造方法を用いなけれ
ば、分子量とシラノール基含量が前記範囲内にあって
も、このポリメチルシルセスキオキサンの硬化物のフィ
ルムの柔軟性や耐熱性が低下する。すなわち、前述のよ
うに、特徴的なポリメチルシルセスキオキサンとならな
い。
【0011】上記の分子量範囲および水酸基含量のポリ
メチルシルセスキオキサンの好適な合成法として次の例
が挙げられる。 (1)50容量%以下の炭化水素溶媒を含みまたは含ま
ない含酸素有機溶媒と水(必要に応じて水溶性無機塩基
または緩衝能を有する弱酸の塩を溶存させる)との2相
系を形成させ、式MeSiX3 (Meはメチル基、Xは
ハロゲン原子である。)で示されるメチルトリハロシラ
ン、または50容量%以下の炭化水素溶媒を含みまたは
含まない含酸素有機溶媒に前記メチルトリハロシランを
溶解させた溶液を滴下して加水分解し、加水分解生成物
を縮合せしめる方法。 (2)水のみに上記50容量%以下の炭化水素溶媒を含
みまたは含まない含酸素にメチルトリハロシランを溶解
した溶液を滴下することにより結果として2相系反応と
なるようにする方法。それ以外は(1)と同様にする。 (3)上記50容量%以下の炭化水素溶媒を含みまたは
含まない含酸素にメチルトリハロシランを溶解した溶液
と水とを同時に空の反応容器に滴下することにより結果
として2相系反応となるようにする方法。それ以外は
(1)と同様にする。
【0012】ここにXは、好ましくは臭素、塩素、さら
に好ましくは塩素である。水と有機溶媒が2相を形成す
るというのは、水と有機溶媒が混和せず、均一溶液とな
らない状態のことをいい、攪拌を低速にすることにより
有機層と水層が層状態を保つようにしてもよいし、激し
く攪拌して懸濁状態にしてもよい。以下、前者のこと
を、「2層を形成する」と表現する。
【0013】この製造方法において使用される有機溶媒
は、メチルトリハロシランを溶解し、水に多少溶解して
もよいが、水と2相を形成できる含酸素有機溶媒が用い
られ、さらに50容量%以下の炭化水素溶媒を含んでも
よい。炭化水素溶媒の含量がこれより多いとゲルの生成
量が増え、目的生成物の収率が減少し、実用的でなくな
る。この有機溶媒は、水に無制限に溶解する溶媒であっ
ても、水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱酸の塩の
水溶液と混和しないものは使用できる。
【0014】含酸素有機溶媒としては、メチルエチルケ
トン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセ
チルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジ
エチルエーテル、ジノルマルプロピルエーテル、ジオキ
サン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶媒、n−ブ
タノール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒などが挙
げられるがこれらに限定されるものではなく、中でもケ
トン、エーテル、およびアルコール系溶媒がより好まし
い。これら溶媒は二種以上混合して用いてもよい。炭化
水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭
化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩
化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、有機溶剤
の使用量は特に制限されないが、好ましくはメチルトリ
ハロシラン100重量部に対して50〜2000重量部
の範囲である。これは有機溶剤がメチルトリハロシラン
100重量部に対して50重量部未満であると生成した
ポリメチルシルセスキオキサンを溶解させるには不十分
であり、場合により高分子量化のため目的とする分子量
範囲のポリメチルシルセスキオキサンが得られず、また
2000重量部を超えるとメチルトリハロシランの加水
分解、縮合が速やかに進行せず目的とする分子量範囲の
ポリメチルシルセスキオキサンが得られないからであ
る。水の使用量も特に制限されないが、好ましくはメチ
ルトリハロシラン100重量部に対して10〜3000
重量部の範囲である。
【0015】水相には何も加えない水を用いても反応は
可能であるが、生成するポリメチルシルセスキオキサン
の分子量は高めになる。これはクロロシランから生成す
る塩化水素により反応が促進されるためで、このため酸
性度を抑制する水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱
酸の塩を加えることにより、より分子量の低いポリメチ
ルシルセスキオキサンを合成できる。
【0016】水溶性無機塩基としては、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム等の水溶性アルカリ等が挙げ
られ、緩衝能を有する弱酸の塩としては炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
等の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等
の炭酸水素塩、ビス(シュウ酸)三水素カリウム等のシ
ュウ酸塩、フタル酸水素カリウム、酢酸ナトリウム等の
カルボン酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素
カリウム等のリン酸塩、四ホウ酸ナトリウム等のホウ酸
塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、これらの使用量は、トリハロシラン1分子中
のハロゲン原子1モルに対して、1.8グラム当量以下
が望ましい。即ち、ハロシランが完全に加水分解された
場合に生じるハロゲン化水素をちょうど中和する量の
1.8倍以下が望ましい。これより多いと不溶性のゲル
が生じやすくなる。これら水溶性無機塩基または緩衝能
を有する弱酸の塩は、上記の量的範囲内であれば二種以
上混合して用いてもよい。
【0017】メチルトリハロシランの加水分解におい
て、反応液の攪拌速度は水相と有機溶剤の2層を保持す
ることができる程度に低速にしてもよいし、また強く攪
拌して懸濁状態にしてもさしつかえない。反応温度は室
温(20℃)〜120℃の範囲内が適当であるが、40
〜100℃程度が望ましい。
【0018】なお、本発明のポリメチルシルセスキオキ
サンは、原料物質に含まれる不純物に起因して、メチル
基以外の低級アルキル基等を有する単位や、1官能性
(R3SiO1/2 )、2官能性(R2 SiO2/2 )、4
官能性(SiO4/2 )単位等を若干含むことがあっても
よい。また該ポリメチルシルセスキオキサンはOH基を
含むものであり、その構造は前記構造式で示されている
通りであるが、極微量のレベルでこれ以外の構造にてO
H基を有する単位が存在してもよい。本発明のポリメチ
ルシルセスキオキサンは本質的に先に記載した条件を満
たした構造を有するものであるが、上記のような原因等
で発生する構造単位については、該ポリメチルシルセス
キオキサンの特徴的性質を阻害しない範囲であれば、そ
れらが存在してもよい。
【0019】ポリメチルシルセスキオキサンの水酸基を
シリル化するシリル基のR1 〜R3は置換もしくは非置
換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が架橋
性炭素−炭素二重結合を含むものである。架橋性炭素−
炭素二重結合を含む基としては、ビニル基、(メタ)ア
クリロイル基、アルケニル基などが例示される。残りの
非反応性基としてはメチル基、エチル基、プロピル基な
どのアルキル基、フェニル基などのアリール基、および
それらのハロゲン置換有機基等が例示される。
【0020】ポリメチルシルセスキオキサンの水酸基
の、反応性の置換基をもつシリル基によるシリル化法と
しては、いずれも上記R1 〜R3 三置換のハロシランと
反応させる方法、N,N−ジエチルアミノシラン、N−
シリルアセトアミド、さらに六置換ジシラザン等の窒素
含有シリル化剤を用いる方法、三置換シラノールと反応
させる方法、及び六置換ジシロキサンと弱酸性下で反応
させる方法が例示される。ハロシランを用いる場合に
は、塩基を共存させて、副生するハロゲン化水素を中和
してもよい。窒素含有シリル化剤を用いる場合はトリメ
チルクロロシラン、硫酸アンモニウム等の触媒を添加し
てもよい。シリル化の反応は溶媒中でも行なえるが、溶
媒を省略することもできる。適当な溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘ
キサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、ト
リクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
溶媒、さらには、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド等が例示される。
【0021】このシリル化反応の温度は0〜200℃が
適切であり、好ましくは0〜140℃である。
【0022】上記のようにして得られるシリル化ポリメ
チルシルセスキオキサンは一定のポリオルガノシロキサ
ンと良好な相溶性をもって組成物を作ることができ、更
に硬化用触媒の存在下に反応させて良好な物性の硬化物
を得ることができる。このポリオルガノシロキサンの例
としては次のものが挙げられるが、これらに限定される
ものではない:
【0023】(i)アルケニル基を有するオルガノポリ
シロキサン 一般式:R4 a 5 b SiO(4-a-b)/2 (ここに、R4
はアルケニル基であり、R5 は炭素原子数1〜3のアル
キル基であり、aは1分子中にR4 が少なくとも2個以
上存在するのに必要な数であり、1.8≦a+b≦2.
3である)で表される温度25℃における粘度が、10
0cp〜100,000cpであるオルガノポリシロキサ
ン。粘度は、好適には、100cp〜50,000cp、更
に好適には、300cp〜10,000cpのものが使用さ
れる。その例を示すと次のようなものがある。
【0024】
【化1】
【0025】(ii)オルガノハイドロジェンポリシロキ
サン 一般式:R6 a b SiO(4-a-b)/2 (ここに、R6
炭素原子数1〜3のアルキル基であり、bは1分子中に
水素原子が少なくとも3個以上存在するのに必要な数で
あり、1.8≦a+b≦2.3である)で表される温度
25℃における粘度が、1cp〜100,000cpである
オルガノハイドロジェンポリシロキサン。粘度は、好適
には、100cp〜50,000cp、更に好適には、10
00cp〜10,000cpのものが使用される。その例を
示すと次のようなものがある。
【0026】
【化2】
【0027】またジメチルポリシロキサンやフェニル基
を有するポリシロキサンも例示できる。これらのポリオ
ルガノシロキサンは、同じく上記相溶性が良好であると
いう条件を満たす限り、ポリエチレンオキサイドやポリ
プロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド等
との共重合体であってもよく、また4官能性単位や3官
能性単位を含むものであっても構わない。
【0028】本発明の組成物の好ましいものは、下記成
分、及びを含む硬化性組成物である。 成分 請求項1、請求項2又は請求項3記載のシリル
化ポリメチルシルセスキオキサン 成分 Si原子に直接結合した水素原子を1分子中に
平均2個以上有するポリシロキサン化合物 成分 硬化用触媒
【0029】前記硬化性組成物は更に下記成分を含ん
でもよい。 成分 架橋性炭素−炭素二重結合を1分子中に平均2
個以上有するオルガノポリシロキサン
【0030】この硬化性組成物は成分と反応性を有す
る成分及び硬化用触媒を含むものであるが目的に応じ
て、更に成分のオルガノポリシロキサンを含んでいて
も構わないのである。成分のオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンは、少なくとも成分と反応して硬化性
組成物が得られるものであれば格別限定されるものでは
ない。具体的には直鎖状のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサン、分岐状のオルガノハイドロジェンポリシロ
キサン、ヒドリドジメチルシリル化ポリメチルシルセス
キオキサン、ヒドロシリル基を有するシリコーンレジン
等が挙げられる。
【0031】前記シリル化ポリメチルシルセスキオキサ
ンとポリオルガノシロキサンとを含む組成物は、ポリオ
ルガノシロキサンの粘度が低い場合には両者を単純に混
合することにより、ポリオルガノシロキサンの粘度が高
い場合には練り機を用いた練りブレンド法、さらに両成
分を有機溶媒に溶解すること等により得られる。この有
機溶剤は両成分を均一に溶解することのできるものであ
れば特に限定されず、上記の芳香族炭化水素溶媒、脂肪
族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、ケトン系溶
媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が例示される。
【0032】
【実施例】次に実施例、比較例により本発明をさらに詳
しく説明するが、この発明はこれらの例によってなんら
限定されるものではない。
【0033】(参考例1)還流冷却管、滴下ロート、及
び攪拌器を備えた反応容器に、炭酸ナトリウム63.5
g(0.60mol )と水400mlを入れて攪拌し、これ
にメチルイソブチルケトン400mlを加えた。攪拌速度
は有機層と水層が保持できる程度に低速にした。次い
で、メチルトリクロロシラン74.7g(0.5mol )
を滴下ロートからゆっくり滴下した。この際反応混合物
の温度は50℃まで上昇した。さらに60℃の油浴上
で、反応混合物を24時間加熱攪拌した。反応終了後、
有機層を洗浄水が中性になるまで洗浄し、次いで有機層
を乾燥剤を用いて乾燥した。乾燥剤を除去した後、溶媒
を減圧で留去し、一夜真空乾燥を行ないポリメチルシル
セスキオキサンを白色の固体として得た。このポリメチ
ルシルセスキオキサンの分子量分布をGPC〔東ソー
(株)製HLC−8020、カラムは東ソー製 TSKgelG
MHHR-L(商標)を2本使用し、溶媒としてクロロホルム
を用いた〕により測定したところ、標準ポリスチレン換
算での重量平均分子量は3270であり、数平均分子量
は920であった。また29SiNMRスペクトル〔ブル
カー製ACP−300により測定〕から求めた水酸基の
量は、ケイ素1原子当たり0.22個〔この値がm/
(m+n)に相当する〕であった。
【0034】(参考例2)参考例1と同様の反応装置
で、水2Lとメチルイソブチルケトン1.5Lを二層を
形成しないよう激しく攪拌しておき、メチルイソブチル
ケトン0.5Lに溶解したメチルトリクロロシラン74
5g(5.0mol )を、反応混合物の温度が50℃を超
えないようにゆっくり滴下した。さらに50℃の油浴上
で、反応混合物を2時間加熱攪拌し、参考例1と同様の
処理を行ってポリメチルシルセスキオキサンを白色固体
として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキ
オキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析し
たところ、重量平均分子量は9180であり、数平均分
子量は1060であった。また水酸基の量は、ケイ素1
原子当たり0.22個であった。
【0035】(実施例1)還流冷却管、滴下ロート、及
び攪拌器を備えた反応容器内をアルゴンで置換し、参考
例1のポリメチルシルセスキオキサン3.0gを加え、
9mLのメチルイソブチルケトンに溶解し、さらにトリエ
チルアミン1.47gを加えた。攪拌しながらビニルジ
メチルクロロシラン1.83gを1分で滴下し、室温で
2時間反応させた。水を加えて反応を停止させた後、有
機層を洗浄水が中性になるまで洗浄し、次いで有機層を
乾燥剤を用いて乾燥した。乾燥剤を除去した後、溶媒を
減圧で留去し、2昼夜真空乾燥を行ないビニルジメチル
シリル化ポリメチルシルセスキオキサン2.37gをご
くわずかに流動性のある固体として得た。29SiNMR
スペクトルから求めた残留水酸基の量は、シルセスキオ
キサン骨格に属するケイ素1原子当たり0.06個〔こ
の値が(m−1)/(m+n)に相当する〕であった。
【0036】このビニルジメチルシリル化ポリメチルシ
ルセスキオキサン0.88gと両末端にビニル基を有す
る(ビニル基の重量含量0.12wt%、粘度9000cS
t )ポリジメチルシロキサン3.5gを用い(重量比2
0:80)、これらを4.4gのトルエンに溶解し十分
に攪拌した後、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン錯体をビニル基に対して白金原子の量で200ppm 、
2−メチル−3−ブチン−2−オールを0.00028
g、次式
【0037】
【化3】
【0038】で示される架橋剤0.21gを加え溶媒除
去後、100℃で12時間加熱硬化を行ない、ポリメチ
ルシルセスキオキサンを含むシリコーンゴムフィルムを
得た。このフィルムは透明性が良好で、シリル化ポリメ
チルシルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンとの
相溶性がよいことを示した。
【0039】(実施例2)実施例1と同様の反応装置を
用い、参考例2のポリメチルシルセスキオキサン70g
を210mLのメチルイソブチルケトンに溶解した。アミ
ンは用いなかった。氷浴上にてビニルジメチルクロロシ
ラン41.0gを3分で滴下し、室温で1時間反応さ
せ、実施例1と同様に後処理をしてビニルジメチルシリ
ル化ポリメチルシルセスキオキサン71.6gをごくわ
ずかに流動性のある固体として得た。 29SiNMRスペ
クトルから求めた残留水酸基の量は、シルセスキオキサ
ン骨格に属するケイ素1原子当たり0.05個であっ
た。
【0040】このビニルジメチルシリル化ポリメチルシ
ルセスキオキサンと実施例1と同様の両末端にビニル基
を有するポリジメチルシロキサンを重量比20:80の
比を用い、実施例1と同様に硬化してポリジメチルシロ
キサンを含む均一なシリコーンゴムフィルムを得た。
【0041】このフィルムの引張試験をJIS K 6
301に準じて行なったところ、応力歪曲線は降伏を示
さず、10%弾性率(歪が10%のときの応力を歪で割
った値)は1.3MPa であり、シリル化ポリメチルシル
セスキオキサンを含まない場合の値が0.5MPa であっ
たので、補強効果が見られた。
【0042】また、JIS K 6394に基づいて動
的性質試験を行ったところ、試験温度20℃、試験振動
数1Hzにおけるせん断弾性率は、ビニルジメチルシリル
化ポリメチルシルセスキオキサンを含むフィルムで33
MPa であり、ビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセ
スキオキサンを含まない場合の値13MPa に比べ2.5
倍となった。
【0043】(実施例3)実施例2で用いたのと同じビ
ニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサンと
実施例1で用いたのと同じ両末端にビニル基を有するポ
リジメチルシロキサンを重量比40:60で用い、実施
例1と同様に硬化してポリメチルシルセスキオキサンを
含む透明性の良好なシリコーンゴムフィルムを得た。こ
のフィルムの引張試験を実施例2と同様にして行ったと
ころ、10%弾性率は8.0MPa であり、シリル化ポリ
メチルシルセスキオキサンを含まない場合に比べ16
倍、シルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンを重
量比20:80で用いた場合の値の6倍となり、さらに
補強効果が高まった。
【0044】また、実施例2と同様にして動的性質試験
を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにお
けるせん断弾性率は、ビニルジメチルシリル化ポリメチ
ルシルセスキオキサンを含むフィルムで82MPa とな
り、引張試験の場合と同様、さらに高い補強効果がみら
れた。
【0045】(実施例4)実施例2で用いたのと同じビ
ニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン
1.75gと実施例1で用いたのと同じ架橋剤0.38
gを1.8gのトルエンに溶解し、白金−ジビニルテト
ラメチルジシロキサン錯体をビニル基に対して白金原子
の量で200ppm 、2−メチル−3−ブチン−2−オー
ル0.00042gを加え、100℃で12時間、13
0℃で2時間加熱硬化させてポリメチルシルセスキオキ
サン硬化物フィルムを得た。このフィルムについて引張
モードで動的粘弾性試験を行ったところ、試験温度20
℃、試験振動数1Hzにおける貯蔵弾性率は0.9から
1.0GPa であった。この硬化物フィルムは、発明者ら
が特願平7−208087および特願平7−20814
3で開示したポリメチルシルセスキオキサンのシラノー
ル縮合による硬化物と同様に柔軟で、200μmの厚さ
の独立フィルムについてJIS K−5400の屈曲試
験機を用いて屈曲試験を行ったところ、直径10mmの心
棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、ク
ラックもはいらなかった。
【0046】(参考例3)実施例1と同様の反応装置を
用い、参考例2のポリメチルシルセスキオキサン10.
8gを30mLのメチルイソブチルケトンに溶解し、氷浴
上で攪拌しながらジメチルクロロシラン5.02gを1
分で滴下し、室温で2時間反応させた。水を加えて反応
を停止させた後、有機層を洗浄水が中性になるまで洗浄
し、次いで有機層を乾燥剤を用いて乾燥した。乾燥剤を
除去した後、溶媒を減圧で留去し、2昼夜真空乾燥を行
ないヒドリドジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオ
キサン11.3gを高粘度の液体として得た。29SiN
MRスペクトルから求めた残留水酸基の量は、シルセス
キオキサン骨格に属するケイ素1原子当たり0.05個
であった。
【0047】(実施例5)実施例4と同様にして、実施
例2のビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオ
キサン1.70gと参考例3のヒドリドジメチルシリル
化ポリメチルシルセスキオキサン1.56gを用い、実
施例4と同様の比率で白金−ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン錯体、2−メチル−3−ブチン−2−オールを
加え、同様に加熱してポリメチルシルセスキオキサン硬
化物フィルムを得た。実施例4と同様に動的粘弾性試験
を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにお
ける貯蔵弾性率は2GPa であった。この硬化物フィルム
も、発明者らが特願平7−208087および2081
43で開示したポリメチルシルセスキオキサンのシラノ
ール縮合による硬化物と同様に柔軟で、90μmの厚さ
の独立フィルムについてJIS K−5400の屈曲試
験機を用いて屈曲試験を行ったところ、直径2mmの心棒
を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラ
ックもはいらなかった。
【0048】(比較例1)参考例2のシリル化していな
いポリメチルシルセスキオキサンと実施例1で用いたの
と同じ両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサ
ンを重量比20:80および重量比40:60で用い、
実施例1と同様に硬化してポリメチルシルセスキオキサ
ンを含むシリコーンゴムフィルムを得ようと試みたが、
ビニルジメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン
のように容易に分散しなかった。得られた硬化物ブレン
ドフィルムは不透明であり、機械的性質の測定に供する
ことのできるものではなかった。
【0049】(参考例4)実施例1と同様の反応装置を
用い、参考例2のポリメチルシルセスキオキサン70g
を210mLのメチルイソブチルケトンに溶解し、さらに
トリエチルアミン35.4gを加えた。トリメチルクロ
ロシラン38.3gを17分かけて滴下し、室温で2時
間反応させ、実施例1と同様に後処理をしてトリメチル
シリル化ポリメチルシルセスキオキサン72.1gを白
色の固体として得た。29SiNMRスペクトルから求め
た残留水酸基の量は、シルセスキオキサン骨格に属する
ケイ素原子1個当り、0.06個であった。
【0050】(比較例2)参考例4のトリメチルシリル
化ポリメチルシルセスキオキサンと実施例1で用いたの
と同じ両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサ
ンを重量比20:80および重量比40:60で用い、
実施例1と同様に硬化してポリメチルシルセスキオキサ
ンを含むシリコーンゴムフィルムを2種類得た。これら
のフィルムは透明性が良好で、シリル化ポリメチルシル
セスキオキサンとポリジメチルシロキサンとの相溶性が
よいことを示した。これらのフィルムの引張試験を実施
例2と同様にして行ったところ、シリル化ポリメチルシ
ルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンの重量比2
0:80で作成されたフィルムの10%弾性率は1.0
MPa (破断伸び190%)であり、実施例2での値1.
3MPa (破断伸び190%)に近い値となった。しか
し、実施例2の試験片が破断するまで透明であったのに
対し、本比較例のトリメチルシリル化シルセスキオキサ
ンを含む試験片では歪が50%を超えると白化するとい
う、実用上の問題を生じた。さらに、トリメチルシリル
化シルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンの重量
比を40:60としたところ、10%弾性率は0.5MP
a と重量比20:80の場合よりも低くなり、シリル化
ポリメチルシルセスキオキサンを含まない場合の値0.
5MPa と同じ、すなわちまったく補強効果が見られなく
なった。実施例3ではこの値は8.0MPa である。これ
は、本比較例のトリメチルシリル化シルセスキオキサン
とポリメチルシルセスキオキサンの間に架橋がないた
め、少量では充填効果がみられたものの、シルセスキオ
キサンを多くすると可塑剤としての効果が現れたためと
考えられる。
【0051】また、実施例2と同様にして動的性質試験
を行ったところ、試験温度20℃、試験振動数1Hzにお
けるせん断弾性率は、トリメチルシリル化ポリメチルシ
ルセスキオキサンとポリジメチルシロキサンの重量比が
20:80の場合で17MPa、40:60のでは30MPa
となり、実施例2,3に記したビニルジメチルシリル
化ポリメチルシルセスキオキサンの場合よりも低い値と
なった。上記静的引張試験に比べ動的試験での実施例
2,3のデータとの差が小さいのは、試験時の変形が線
形領域にあるためにシルセスキオキサンとポリジメチル
シロキサンの間に架橋がないことが明確に反映されなか
ったためと考えられる。
【0052】
【発明の効果】本発明は、特定のポリメチルシルセスキ
オキサンをポリジメチルシロキサン等のポリマーに添加
し、添加効果を与えることができるように、該ポリメチ
ルシルセスキオキサンにこれらのポリマーとの相溶性を
もたせ、かつこれらのポリマーとの架橋を行える反応点
を与えるものである。これにより、該ポリメチルシルセ
スキオキサンの、ゴムの補強充填剤などとしての広範な
用途での応用を可能にするものである。さらに、本発明
の反応性ポリメチルシルセスキオキサンは、該ポリメチ
ルシルセスキオキサンの重付加または付加重合による硬
化を可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における〔CH3 SiO3/2 n 〔CH
3 Si(OH)O2/2 m で示されるポリメチルシルセ
スキオキサンのm,nの範囲を示すグラフ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明におけるポリメチルシルセスキオキ
サンは、ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が38
0から2000の範囲にあり、式 〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2
m 〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+
n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が
1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表され
る図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直
線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また
各直線の交点も含むものである。 (式1):m/(m+n)=0.034/(Mn×10
-3)+0.10 (式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000 (式3):1/(Mn×10-3)=1000/380 (式4):m/(m+n)=0.034/(Mn×10
-3)〕 で示される。このポリメチルシルセスキオキサンは、好
ましくは含酸素有機溶媒を含み、かつこれに対して50
容量%以下の炭化水素溶媒を含むかまたは含まない有機
溶媒と水との2相系にて、式:MeSiX3 (Meはメ
チル基、Xはハロゲン原子である。)で示されるメチル
トリハロシランを加水分解およびその加水分解生成物を
縮合せしめて製造される。この製造方法を用いなけれ
ば、分子量とシラノール基含量が前記範囲内にあって
も、このポリメチルシルセスキオキサンの硬化物のフィ
ルムの柔軟性や耐熱性が低下する。すなわち、前述のよ
うに、特徴的なポリメチルシルセスキオキサンとならな
い。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)
    が380から2000の範囲にあり、式 〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2
    m 〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+
    n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が
    1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表され
    る図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直
    線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また
    各直線の交点も含むものである。 (式1):m/(m+n)=0.152/Mn×1
    -3)+0.10 (式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000 (式3):1/(Mn×10-3)=1000/380 (式4):m/(m+n)=0.034/(Mn×10
    -3)〕 で示されるポリメチルシルセスキオキサンのシラノール
    基をシリル化して得られ、式 〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2
    m-k 〔CH3 Si(OSiR1 23 )O2/2 k 〔上記式において、kはmより小さい正の数であり、
    (m−k)/(m+n)で表される残留シラノール基の
    量は0.12以下、R1 ,R2 及びR3 は置換もしくは
    非置換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が
    架橋性炭素−炭素二重結合を有する基である〕で示され
    るシリル化ポリメチルシルセスキオキサン。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したポリメチルシルセス
    キオキサンが、含酸素有機溶媒を含み、かつこれに対し
    て50容量%以下の炭化水素溶媒を含むかまたは含まな
    い有機溶媒と水との2相系にて、式:MeSiX3 (M
    eはメチル基、Xはハロゲン原子である。)で示される
    メチルトリハロシランを加水分解およびその加水分解生
    成物の縮合を行うことにより製造されたものである請求
    項1のシリル化ポリメチルシルセスキオキサン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載したシリル化ポリ
    メチルシルセスキオキサンのR1 〜R3 が、次の組み合
    わせ、(a)又は(b)、から選ばれる1種以上であ
    る、請求項1又は2のシリル化ポリメチルシルセスキオ
    キサン。 (a)R1 =R2 =メチル基、R3 =ビニル基 (b)R1 =R2 =メチル基、R3 =5−ヘキセニル基
  4. 【請求項4】 ポリスチレン換算数平均分子量(Mn)
    が380から2000の範囲にあり、式 〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2
    m 〔m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+
    n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が
    1/(Mn×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表され
    る図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直
    線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また
    各直線の交点も含むものである。 (式1):m/(m+n)=0.152/(Mn×10
    -3)+0.10 (式2):1/(Mn×10-3)=1000/2000 (式3):1/(Mn×10-3)=1000/380 (式4):m/(m+n)=0.034/Mn×1
    -3)〕 で示されるポリメチルシルセスキオキサンのシラノール
    基をシリル化する、式 〔CH3 SiO3/2 n 〔CH3 Si(OH)O2/2
    m-k 〔CH3 Si(OSiR1 23 )O2/2 k 〔上記式において、kはmより小さい正の数であり、
    (m−k)/(m+n)で表される残留シラノール基の
    量は0.12以下、R1 ,R2 及びR3 は置換もしくは
    非置換の1価の炭化水素基であり、そのうち1個以上が
    架橋性炭素−炭素二重結合を有する基である〕で示され
    るシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載したポリメチルシルセス
    キオキサンが、含酸素有機溶媒を含み、かつこれに対し
    て50容量%以下の炭化水素溶媒を含むかまたは含まな
    い有機溶媒と水との2相系にて、式:MeSiX3 (M
    eはメチル基、Xはハロゲン原子である。)で示される
    メチルトリハロシランを加水分解およびその加水分解生
    成物の縮合を行うことにより製造されたものである請求
    項4のシリル化ポリメチルシルセスキオキサンの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5のシリル化ポリメチルシ
    ルセスキオキサンのR1 ,R2 及びR3 が、次の組み合
    わせ、(a)及び(b)、から選ばれる1種以上であ
    る、請求項4又は5のシリル化ポリメチルシルセスキオ
    キサンの製造方法。 (a)R1 =R2 =メチル基、R3 =ビニル基 (b)R1 =R2 =メチル基、R3 =5−ヘキセニル基
  7. 【請求項7】 下記成分、及びを含む硬化性組成
    物。 成分 請求項1、請求項2又は請求項3記載のシリル
    化ポリメチルシルセスキオキサン 成分 Si原子に直接結合した水素原子を1分子中に
    平均2個以上有するポリシロキサン化合物 成分 硬化用触媒
  8. 【請求項8】 前記硬化性組成物が更に下記成分を含
    むものである請求項7記載の硬化性組成物。 成分 架橋性炭素−炭素二重結合を1分子中に平均2
    個以上有するオルガノポリシロキサン
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