JP2012144748A - 高い強度及び耐破壊性を有するシルセスキオキサン樹脂並びにそれらの調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い強度及び耐破壊性を有するシリコーン樹脂を提供すること。
【解決手段】(A)シルセスキオキサンコポリマー;
(B)シリル末端炭化水素;並びに
(C)ヒドロシリル化反応触媒;
を含むヒドロシリル化反応硬化性組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)シルセスキオキサンコポリマー;
(B)シリル末端炭化水素;並びに
(C)ヒドロシリル化反応触媒;
を含むヒドロシリル化反応硬化性組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、強度及び耐破壊性が高く、モジュラスが低下しない硬化したシルセスキオキサン樹脂に関する。本発明は、さらに、前記硬化したシルセスキオキサン樹脂を調製するために使用されるヒドロシリル化反応硬化性組成物及び前記硬化したシルセスキオキサン樹脂の調製方法に関する。
シルセスキオキサン樹脂のような架橋密度が高い従来の熱硬化した網目構造体は、典型的には、強度、耐破壊性又はモジュラス等の機械的特性を改良しようとするとした場合に、1つ以上の他の特性に不利益な影響が及ぶという欠点がある。
例えば、種々のシリコーン組成物の靱性を増加させることは、シリコーン樹脂にシリコーン流体を添加することによりすでに行われている。米国特許第5,034,061号には、透明な耐破砕性コーティングを形成するように調製されたシリコーン樹脂/流体ポリマーが開示されている。この組成物は、不飽和オレフィン官能性R基を有するR3SiO1/2及びSiO4/2単位から実質的になるシリコーン樹脂コポリマーと、ビニル官能基を有するポリジオルガノシロキサン流体と、水素官能基を有するオルガノポリシロキサン架橋剤と、触媒を含む。この組成物は白熱ガラス電球のコーティング用に特別に調製されたものであると開示されている。
カナダ国特許第691,206号(1964)には、シリカ充填シリコーン樹脂/流体の組み合わせを防振に使用することが開示されている。開示されているシリコーン樹脂/流体組成物の防振能がG’(剪断弾性率)とG”(損失剪断弾性率)の比の測定値により例示されている。この比の大きさは、材料の振動吸収能に反比例すると示されている。主題の材料のG’/G”の比が、樹脂成分を使用せずに調製された組成物のものと比較されている。
上記の強化されたシリコーン組成物は概してかなり低い弾性率を有する種類のものである。本明細書においてシリコーン樹脂について述べる場合に、「硬質(rigid)」なる用語は、ヤング率が少なくとも0.69GPaであることにより特徴付けられる特定の「剛性(stiffness)」を、その無充填状態で示すことを意味する。本明細書において、「無充填」なる用語は、炭素繊維やガラス繊維又はシリカ粉末等の強化用充填剤が樹脂に添加されていないことを意味する。
シリコーン樹脂の靱性を増加させるための別の方法は、シリコーン樹脂をゴム化合物により変性させることによるものである。米国特許第5,747,608号にはゴム変性樹脂が記載されており、米国特許第5,830,950号には、ゴム変性樹脂の調製方法が記載されている。ゴム変性樹脂は、未硬化のオルガノシリコーン樹脂とシリコーンゴムとを反応させることにより調製される。樹脂とゴムとを、付加反応、縮合反応又は遊離基反応により反応させることができる。得られるゴム変性樹脂は、その無充填状態で少なくとも0.69GPaのヤング率を有する。しかしながら、ゴム変性樹脂の強度及び靱性は強靱な有機ポリマーよりも概して劣り、幾つかの用途に対して依然として不十分である。
硬質シルセスキオキサン樹脂は、それらの耐熱性及び防火性を利用する用途で使用されている。それらの特性から、シルセスキオキサン樹脂は、電気用積層板、自動車部品、航空機及び船舶における構造用途のための繊維強化複合材料において使用するのに魅力のあるものとなっている。従って、モジュラスの著しい低下又は熱安定性の低下を示さずに高い曲げ強さ、曲げ歪み、破壊靱性KIc及び破壊エネルギーGIcを示す硬質シルセスキオキサン樹脂が求められている。さらに、剛性シルセスキオキサン樹脂は低い誘電率を有し、層間絶縁材料として有用である。硬質シルセスキオキサン樹脂は耐摩耗性コーティングとしても有用である。これらの用途は、シルセスキオキサン樹脂が高い強度及び靱性を示すことを必要とする。
従って、本発明の目的は、モジュラスの低下を示さずに高い強度及び破壊靱性を示す硬化したシルセスキオキサン樹脂を調製することに使用できる硬化性組成物を提供することである。本発明のさらなる目的は、硬化したシルセスキオキサン樹脂の調製方法を提供することである。
本発明は、硬化したシルセスキオキサン樹脂及びそれらの調製方法に関する。この硬化したシルセスキオキサン樹脂は周知の樹脂よりも高い強度及び靱性を有する。剛性を著しく低下させずに強度及び靱性の向上が達成された。硬化したシルセスキオキサン樹脂は、架橋剤としてのシリル末端炭化水素によるシルセスキオキサンコポリマーのヒドロシリル化反応により調製される。従来のヒドリドシラン又はヒドリドシロキサン架橋剤の代わりにこの架橋剤を使用した場合には、得られる硬化したシルセスキオキサン樹脂は驚くべきほど高い機械的特性を示す。
本発明は、硬化したシルセスキオキサン樹脂を調製するために使用されるヒドロシリル化反応硬化性組成物に関する。この硬化性組成物は、(A)シルセスキオキサンコポリマー、(B)架橋剤としてのシリル末端炭化水素、(C)触媒、(D)任意の触媒抑制剤、(E)第1の任意にシリコーンゴム、(F)第2の任意のシリコーンゴム、及び(G)任意の溶剤を含む。
成分(A)は、実験式:R1 aR2 bR3 cSiO(4−a−b−c)/2[式中、0.8≦(a+b+c)≦3.0であり、かつ、成分(A)がR1基を1分子当たり平均して少なくとも2個有することを条件として、aは0又は正の数、bは0又は正の数、cは0又は正の数であり、各R1は水素原子及び脂肪族不飽和を有する1価炭化水素基から独立に選ばれる官能基であり、各R2及び各R3は非官能性基及びR1から独立に選ばれる1価炭化水素基である]により表される単位を含むシルセスキオキサンコポリマーである。好ましくは、R1はビニル又はアリル等のアルケニル基である。典型的には、R2及びR3はアルキル基及びアリール基から選ばれる非官能性基である。適切なアルキル基としては、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル及びイソブチルが挙げられる。適切なアリール基はフェニルにより例示される。成分(A)として適切なシルセスキオキサンコポリマーは(PhSiO3/2)75(ViMe2SiO1/2)25[式中、Phはフェニル基を表し、Viはビニル基を表し、Meはメチル基を表す]により例示される。
成分(B)は、一般式:
成分(B)は、一般式:
[式中、成分(A)中のR1が水素原子である場合に成分(B)中のR1は不飽和一価炭化水素基であり、成分(A)中のR1が不飽和一価炭化水素基である場合に成分(B)中のR1が水素原子であることを条件としてR1及びR2は成分(A)に関する上記の通りであり、R4は二価炭化水素基である]
により表されるシリル末端炭化水素である。R4はアリーレンセグメントとアルキレンセグメントの両方を有していても良い。
により表されるシリル末端炭化水素である。R4はアリーレンセグメントとアルキレンセグメントの両方を有していても良い。
成分(B)は、グリニャール反応プロセスにより調製できる。例えば、本発明に使用するシリル末端炭化水素を調製するための1つの方法は、マグネシウムとジエチルエーテル又はテトラヒドロフラン等の溶剤の組み合わせを好ましくは室温から200℃までの温度、更に好ましくは50〜65℃の温度に加熱することを含む。次に、ジハロゲン化炭化水素、例えばジブロモベンゼンを数時間にわたってマグネシウム及び溶剤に添加する。
ジハロゲン化炭化水素の添加完了後、ハロゲン化シラン、例えばジメチルハイドロジェンクロロシランを添加し、任意の有機溶剤を添加してもよい。次に、得られた混合物を例えば50〜65℃の温度で数時間加熱する。次に、任意の都合のよい手段、例えばNH4Cl飽和水溶液による中和によって、任意の過剰なハロゲン化シランを除去する。次に、得られた生成物を硫酸マグネシウム等の乾燥剤により乾燥させ、次いで蒸留により精製することができる。
成分(B)は、式:
成分(B)は、式:
[式中、R1は上記定義の通りであり、xは1〜6の整数、好ましくは1〜4の整数である]
により表される化合物により例示される。成分(B)として使用するのに適切な化合物は当該技術分野で知られており、商業的に入手できる。例えば、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンはGelest, Inc.[ペンシルヴァニア州タリータウン(Tullytown )所在]から入手できる。
により表される化合物により例示される。成分(B)として使用するのに適切な化合物は当該技術分野で知られており、商業的に入手できる。例えば、p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンはGelest, Inc.[ペンシルヴァニア州タリータウン(Tullytown )所在]から入手できる。
成分(A)及び(B)は、不飽和基(C=C)に対するケイ素結合水素原子(SiH)のモル比(SiH:C=C)が好ましくは1.0:1.0〜1.5:1.0となるような量で組成物に添加される。更に好ましくは、この比は1.1:1.0〜1.5:1.0の範囲内にある。この比が1.0:1.0未満である場合には、硬化が不完全になるため、硬化したシルセスキオキサン樹脂の特性は劣ったものとなるおそれがある。組成物中の成分(A)及び(B)の量は、1分子当たりのC=C及びSi−H基の数に依存する。しかしながら、成分(A)の量は典型的には組成物の50〜98質量%であり、成分(B)の量は典型的には組成物の2〜50質量%である。
成分(C)はヒドロシリル化反応触媒である。典型的には、成分(C)は、組成物の質量を基準にして白金1〜10ppmの白金を提供するのに十分な量で組成物に加えられる白金触媒である。成分(C)は、クロロ白金酸、クロロ白金酸のアルコール溶液、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)、塩化白金、酸化白金、白金化合物とオレフィン等の不飽和有機化合物との錯体、白金化合物と不飽和炭化水素基を含有するオルガノシロキサンとの錯体、例えばカルステット触媒(すなわち、クロロ白金酸と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン及び1,3−ジエテニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの錯体)、並びに白金化合物とオルガノシロキサンの錯体(錯体はオルガノシロキサン樹脂内に埋め込まれる)等の白金触媒により例示される。適切なヒドロシリル化反応触媒は米国特許第3,419,593号に記載されている。
成分(A)、(B)及び(C)は好ましくは組成物の10〜100質量%を構成する。組成物は、1つ以上の任意成分をさらに含んでもよい。
成分(D)は任意の触媒抑制剤である。この任意の触媒抑制剤は典型的には1液型組成物(one part composition)が調製される場合に添加される。適切な触媒抑制剤は米国特許第3,445,420号に開示されている。成分(D)は好ましくは、メチルブチノール又はエチニルシクロヘキサノール等のアセチレン系アルコールである。成分(D)はより好ましくはエチニルシクロヘキサノールである。抑制剤の他の例として、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ビス(2−メトキシ−1−メチルエチル)マレエート、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、ジフェニルホスフィン、ジフェニルホスファイト、トリオクチルホスフィン、ジエチルフェニルホスホナイト及びメチルジフェニルホスフィナイトが挙げられる。
成分(D)は任意の触媒抑制剤である。この任意の触媒抑制剤は典型的には1液型組成物(one part composition)が調製される場合に添加される。適切な触媒抑制剤は米国特許第3,445,420号に開示されている。成分(D)は好ましくは、メチルブチノール又はエチニルシクロヘキサノール等のアセチレン系アルコールである。成分(D)はより好ましくはエチニルシクロヘキサノールである。抑制剤の他の例として、ジエチルマレエート、ジエチルフマレート、ビス(2−メトキシ−1−メチルエチル)マレエート、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、ジフェニルホスフィン、ジフェニルホスファイト、トリオクチルホスフィン、ジエチルフェニルホスホナイト及びメチルジフェニルホスフィナイトが挙げられる。
成分(D)は好ましくは、ヒドロシリル化反応硬化性組成物の0〜0.05質量%で存在する。成分(D)は典型的には硬化性組成物の0.0001〜0.05質量%で存在する。成分(D)は更に好ましくは硬化性組成物の全量の0.0005〜0.01質量%で存在する。成分(D)は更に好ましくは硬化性組成物の全量の0.001〜0.004質量%で存在する。
成分(E)は任意のシリコーンゴムである。ヒドロシリル化反応硬化性組成物中の成分(E)の量は好ましくは0〜30質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。成分(E)として適切なシリコーンゴム及びそれらを硬化性組成物に含める方法は米国特許第5,747,608号及び第5,830,950号に開示されている。シリコーンゴムは、実験式:
[式中、各R1は上記の通りであり、pは1、2又は3であり、qは1又は2であり、zは6以上の整数であり、yは0又は10以下の整数である]
により表される。各R1は、上記のような本発明の硬化したシルセスキオキサンを形成するように硬化反応に関与する官能基である。成分(E)中の各R5基は、R2についての上記の非官能性基から独立に選ばれる。
により表される。各R1は、上記のような本発明の硬化したシルセスキオキサンを形成するように硬化反応に関与する官能基である。成分(E)中の各R5基は、R2についての上記の非官能性基から独立に選ばれる。
前記実験式において、zはシリコーンゴムの平均的な非官能性線状鎖長、すなわちR1基間の平均鎖長を表す。従って、成分(E)は種々の重合度を有するシリコーンゴムの混合物であることができる。この場合の種々の重合度を有するシリコーンゴムは全て上記実験式により表されるものである。本発明に関して使用されるほとんどのシリコーンゴムは、鎖の末端基にのみR1基を有する。そのような場合において、本明細書では、「重合度」(「DP」)はzの値と同じである。DPは、末端の官能性シロキシ基を含まない。
本発明の好ましい態様において、R5基はメチル基、フェニル基、又はそれらの組み合わせである。成分(A)、すなわちシルセスキオキサンコポリマーのR2基及び成分(E)、すなわち第1のシリコーンゴムのR5基が高い百分率で主としてメチル又は主としてフェニルである場合には、(A)シルセスキオキサンコポリマー及び(E)第1のシリコーンゴムは概して混和性である。この混和性によって、硬化したシルセスキオキサン樹脂構造全体にわたって比較的均質な状態でゴムを分散させることができる。
成分(F)、すなわち第2の任意のシリコーンゴムは、実験式:R5 2R6SiO(R5 2SiO)m(R5R6SiO)nSiR6R5 2[式中、各R5は上記の通りであり、1分子当たり少なくとも2個のR6基がR1でなくてはならないことを条件として各R6はR1及びR5から選ばれ、mは150〜1,000、好ましくは246〜586であり、nは1〜10である]
により表されるポリジオルガノシロキサンである。硬化性組成物中の成分(F)の量は、好ましくは0〜15質量%、更に好ましくは2〜8質量%である。
により表されるポリジオルガノシロキサンである。硬化性組成物中の成分(F)の量は、好ましくは0〜15質量%、更に好ましくは2〜8質量%である。
成分(A)、(B)及び(C)並びに任意成分を含むヒドロシリル化反応硬化性組成物を、成分(G)、すなわち任意の溶剤に溶解させることができる。典型的には、溶剤の量は好ましくは硬化性組成物の0〜90質量%、更に好ましくは0〜50質量%である。溶剤は、メチルアルコール、エチルエルコール、イソプロピルアルコール及びt−ブチルアルコール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン及びオクタン等の脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル及びエチレングリコールn−ブチルエーテル等のグリコールエーテル;ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン及び塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素;クロロホルム;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド;アセトニトリル及びテトラヒドロフランであることができる。トルエンが好ましい。
本発明は、さらに、上記ヒドロシリル化反応硬化性組成物の調製方法に関する。この方法は、上記成分(A)〜(G)を含んでなる組成物を混合することを含む。混合は任意の適切な手段により行うことができる。硬化性組成物は、1液型組成物又は多液型組成物(multi part composition)、例えば2液型組成物(two part composition)として調製できる。
硬化性組成物を1液型組成物をして配合される場合に、1液型組成物の調製方法は概して、(I)(C)触媒及び(D)抑制剤を予備混合して錯体を形成し、そして(II)前記錯体と成分(A)、(B)及び望ましい任意成分(E)〜(G)を混合することを含む。
本発明の別の態様において、1液型組成物を、(i)(C)触媒及び(D)抑制剤を予備混合して錯体を形成する工程、(ii)成分(A)、(B)、(E)、(F)及び(G)を混合する工程、(iii)工程(ii)の生成物から溶剤を除去して低粘度液状組成物を形成する工程、その後に(iv)前記錯体と工程(iii)の生成物を混合する工程により調製できる。
2液型組成物は、(1)成分(A)を含む第1液を調製し、(2)成分(B)を含む第2液を調製し、成分(C)を第1液又は第2液と混合し、その後に第1液と第2液を別々にしておくことにより調製できる。第1及び第2液は使用直前に混合される。
好ましくは、2液型組成物は、(1’)成分(A)、(E)、(F)及び(G)を混合して第1液を形成し、(2’)成分(C)と第1液及び成分(B)を含む第2液からなる群から選ばれる液とを混合することにより調製される。第1及び第2液を、その後、使用直前に混合されるまで別々にしておく。
上記方法のそれぞれは、硬化前に組成物を脱気する工程をさらに含んでもよい。脱気は典型的には、組成物を軽度の減圧下に置くことにより行われる。
上記方法のそれぞれは、硬化前に組成物を脱気する工程をさらに含んでもよい。脱気は典型的には、組成物を軽度の減圧下に置くことにより行われる。
本発明は、さらに、硬化したシルセスキオキサン樹脂の調製方法に関する。この方法は、上記ヒドロシリル化反応硬化性組成物を硬化させるのに十分な温度及び時間で上記ヒドロシリル化反応硬化性組成物を加熱することを含む。硬化性組成物を硬化前に脱気することができ、硬化の前又は間に任意の溶剤を除去することができる。例えば硬化性組成物を穏やかに加熱するか又は軽度の減圧下におくことによる任意の都合のよい手段によって溶剤を除去できる。
ヒドロシリル化硬化プロセスの1つの例において、ヒドロシリル化反応硬化性組成物を脱気した後、そのヒドロシリル化反応硬化性組成物を次に60℃の空気循環炉内で加熱した。空気循環炉内で30分後に混合物はゲル化していた。残留溶剤が抜け出るように、例えば、60℃でさらに24時間加熱を続けた後、温度を次に100℃(6時間)に上昇させ、160℃(6時間)に上昇させ、200℃(4時間)に上昇させ、260℃(8時間)に上昇させた。次にオーブンの運転を止め、キャストプレートをオーブン内で放冷した。この硬化サイクルは、硬化前に溶剤をより完全に除去することによって、かなり短くすることができる。
本発明のヒドロシリル化反応硬化性組成物を硬化させることにより調製した硬化したシルセスキオキサン樹脂は、従来のシルセスキオキサン樹脂の機械的特性よりも非常に優れた機械的特性を有する。典型的には、硬化したシルセスキオキサン樹脂について、曲げ歪みが14%以下、曲げ強さは7,000psi以下、曲げ弾性率は220ksi以下、KIcは1.08MPam1/2以下、GIcは788N/m以下である。
参考例1:p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンの調製
5リットルの3つ口丸底フラスコに84gのマグネシウム(Mg)及び406gのテトラヒドロフラン(THF)を入れた。このフラスコに、攪拌機、コンデンサー、2基の滴下漏斗及び温度計を備え付け、加熱用マントルにより加熱し、乾燥窒素によりパージした。10gのBrCH2CH2Brを添加してマグネシウムを活性化した。526gのTHF中に270gのジブロモベンゼンを含む溶液を一方の滴下漏斗に加え、400gのTHFを他方の滴下漏斗に加えた。
フラスコを50〜60℃に加熱し、次に200mlのTHFを添加し、ジブロモベンゼン溶液を徐々に加えた。約20分後、強い発熱が観察され、加熱を停止した。THFを添加して発熱を調節した。ジブロモベンゼンの添加を停止して発熱の調節を助けた。
発熱が制御されている状態にある場合、ジブロモベンゼンの添加速度を調節して良好な量の還流を維持した。ジブロモベンゼンの添加を完了するまでに約1時間30分を要した。
発熱が制御されている状態にある場合、ジブロモベンゼンの添加速度を調節して良好な量の還流を維持した。ジブロモベンゼンの添加を完了するまでに約1時間30分を要した。
500mlのTHFを添加してフラスコを65℃で5時間加熱した後、加熱器を止め、フラスコを窒素中で攪拌しながら一晩冷却した。フラスコが室温に冷めたら、さらに500mlのTHFを添加し、そして氷水浴によりフラスコを冷却しながらジメチルクロロシランを徐々に添加した。ジメチルクロロシランの損失を最低限に抑えるのを助けるために、ドライアイスコンデンサーをコンデンサーの上部に取り付けた。良好な還流が維持されるようにジメチルクロロシランの添加を調節した。ジメチルクロロシランの添加後、フラスコを60℃で一晩加熱した。
フラスコを室温に冷却し、そして1000mlのトルエンを添加した。飽和NH4Cl水溶液を徐々に添加して過剰のジメチルクロロシランを加水分解及び濃縮させ、次に、いくぶん透明な下相が得られるまで混合物を多量の水で洗浄した。
フラスコを室温に冷却し、そして1000mlのトルエンを添加した。飽和NH4Cl水溶液を徐々に添加して過剰のジメチルクロロシランを加水分解及び濃縮させ、次に、いくぶん透明な下相が得られるまで混合物を多量の水で洗浄した。
上方の有機相を集め、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、そしてフラスコ内の温度が150℃に達するまで溶剤のほとんどを蒸留により除去した。濃縮された粗生成物を減圧蒸留によりさらに精製した。
蒸留によって、純度>96%のp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン140gが得られた。THFとトルエンの混合溶剤中に純度80%で28g、純度41.5%で25g、及び純度16%で15gの生成物が得られた。全収率は約55%であった。
蒸留によって、純度>96%のp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン140gが得られた。THFとトルエンの混合溶剤中に純度80%で28g、純度41.5%で25g、及び純度16%で15gの生成物が得られた。全収率は約55%であった。
生成物HMe2SiC6H4SiMe2Hの形成を、分子量194の主たる化学種を観察することによりGC−MSから確認した。FT−IR及びNMRを使用して生成物の構造をさらに確認した。生成物の赤外スペクトルは、強いSiH吸収を2125cm−1付近に、メチルCH伸縮を2800〜3000cm−1に、メチル傘状変形を1260cm−1付近及び1415cm−1に、Si−Ph振動を1120cm−1付近及び1440cm−1に示した。シロキサンはほとんど確認されなかった。生成物の1H−NMRスペクトルから3種のプロトンが示され、それらの比は芳香環上の水素とSiHとCH3に対応する2:1:6であった。メチルプロトンとSiHプロトンの分裂パターンは、予想した構造と整合していた。13C−NMRからおよその比が1:2:2で3種の炭素が示された。これも予想した構造と整合していた。CDCl3中で29Siは7.9ppmに1つのピークを示した。
参考例2:3点曲げ試験
3点曲げ試験をASTM標準D 790 に従ってInstron 8562により行った。下記例で作製した硬化した樹脂の試験片を平滑で視認できる引っ掻き傷のない表面が得られるまで磨いた。全ての試料を、同じ表面状態となるように同じ手順で磨いた。磨かれた試料を80℃で一晩乾燥させ、そして試験前に試験温度及び湿度で少なくとも24時間状態調節した。試験温度は21℃であった。各試料に対し、少なくとも3つの試験片を試験した。
3点曲げ試験をASTM標準D 790 に従ってInstron 8562により行った。下記例で作製した硬化した樹脂の試験片を平滑で視認できる引っ掻き傷のない表面が得られるまで磨いた。全ての試料を、同じ表面状態となるように同じ手順で磨いた。磨かれた試料を80℃で一晩乾燥させ、そして試験前に試験温度及び湿度で少なくとも24時間状態調節した。試験温度は21℃であった。各試料に対し、少なくとも3つの試験片を試験した。
試験の間に、力−変位曲線を記録した。硬化した樹脂の靱性を、応力−歪曲線下の面積として得た。ピーク力を使用して曲げ強さを、
[式中、Sは中間区間の外側表面での応力、Pは最大荷重、Lは支点間距離、b及びdは試験片の幅及び厚さである]
のように計算した。最大歪は、最大変位を使用して、
のように計算した。最大歪は、最大変位を使用して、
[式中、εは破断歪であり、Dは最大変位である]
のように計算した。荷重−変位曲線の最も急勾配の初期直線部分の傾きをヤング率とした。
のように計算した。荷重−変位曲線の最も急勾配の初期直線部分の傾きをヤング率とした。
参考例3:破壊靱性試験
ASTM D 5045 に従って平面歪破壊靱性KIcを得、臨界歪エネルギー開放速度GIcを線形弾性破壊機構(Linear Elastic Fracture Mechanism (LEFM))を仮定してKIcから計算した。各試料について6つの試験片を得た。試験片の中央部にノッチを刻み、鋭い安全剃刀の刃を軽くたたいてノッチに打ちこむことによりノッチの谷部から幅の約半分まで延びる自然な亀裂を生じさせた。試料を試験前に室温で少なくとも24時間状態調節し、変形を完全に解消させた。図1は、破壊靱性試験のために使用した硬化したシルセスキオキサン樹脂の試験片を表す。図1において、Pは最大荷重を表し、aは事前亀裂(pre-crack)の幅を表し、Wは9.525mmである試験片の幅を表し、L1は38mmであり、L2は51mmである。この試験の変位速度は10mm/分であった。図1に示されている幾何学的条件及び荷重条件に対し、支点間距離と幅の比が4であると、
ASTM D 5045 に従って平面歪破壊靱性KIcを得、臨界歪エネルギー開放速度GIcを線形弾性破壊機構(Linear Elastic Fracture Mechanism (LEFM))を仮定してKIcから計算した。各試料について6つの試験片を得た。試験片の中央部にノッチを刻み、鋭い安全剃刀の刃を軽くたたいてノッチに打ちこむことによりノッチの谷部から幅の約半分まで延びる自然な亀裂を生じさせた。試料を試験前に室温で少なくとも24時間状態調節し、変形を完全に解消させた。図1は、破壊靱性試験のために使用した硬化したシルセスキオキサン樹脂の試験片を表す。図1において、Pは最大荷重を表し、aは事前亀裂(pre-crack)の幅を表し、Wは9.525mmである試験片の幅を表し、L1は38mmであり、L2は51mmである。この試験の変位速度は10mm/分であった。図1に示されている幾何学的条件及び荷重条件に対し、支点間距離と幅の比が4であると、
である。この式中、Pは最大荷重であり、そして
(式中、xは事前亀裂の幅と試験片の幅の比a/Wである)
である。試験後、事前亀裂の長さを求めた。0.45〜0.55の間の値を有する試験片のみを有効であると見なした。厚さによるxの変動は10%未満であった。試料の寸法を、大きさを約50倍に拡大した概算したプラスチックゾーンと比較することにより試験の有効性をさらに確保した:
である。試験後、事前亀裂の長さを求めた。0.45〜0.55の間の値を有する試験片のみを有効であると見なした。厚さによるxの変動は10%未満であった。試料の寸法を、大きさを約50倍に拡大した概算したプラスチックゾーンと比較することにより試験の有効性をさらに確保した:
[式中、σyは試料の降伏応力である]。KIcからGIcを式:
[式中、νは樹脂のポアソン比であるが、実験を単純化するために無視した]
により計算した。ポアソン比が0.3であるガラス状ポリマーに対し、GIcは約9%分大きくなる。しかしながら、ポアソン比の2乗の変動は同様な剛性の樹脂の間で通常小さいため、GIc値のこの相対的評価は分かりにくくはないであろう。
により計算した。ポアソン比が0.3であるガラス状ポリマーに対し、GIcは約9%分大きくなる。しかしながら、ポアソン比の2乗の変動は同様な剛性の樹脂の間で通常小さいため、GIc値のこの相対的評価は分かりにくくはないであろう。
実施例1
参考例1で調製されたp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンと式:(PhSiO3/2)75(ViMe2SiO1/2)25[式中、Phはフェニル基であり、Viはビニル基を表し、Meはメチル基を表す]により表されるシルセスキオキサンコポリマーとを付加反応により反応させた。樹脂コポリマーはトルエン溶液の状態にあった。実験室でこの樹脂溶液を130℃で4時間、次に140℃で2時間乾燥させ、質量変化を追跡することにより求めたところ、この樹脂溶液の固形分は81.54質量%であった。SiH:C=C比が1.1:1.0となるように67.5gの樹脂溶液を12.87gのp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンと混合し、そして10ppmのクロロ白金酸を添加した。混合物中のこのPt濃度は全質量を基準にしたものである。混合物を、開放式の平らな金型に注ぎ入れ、減圧オーブン内50℃で15分間脱気した。次に、金型を60℃の空気循環炉に移した。空気循環炉内で30分後、混合物はゲル化しており、温度を60℃に24時間保ってトルエンを逃がした。次に、温度を100℃(6時間)に、160℃(6時間)に、200℃(4時間)に、260℃(8時間)に上昇させた。次に、空気循環炉の運転を止め、キャストプレートを炉内で放冷した。
得られた硬化したシルセスキオキサン樹脂を、参考例2〜3に記載の試験方法により評価した。ヤング率、破断歪、曲げ強さ、KIc及びGIc値を表1に示す。
参考例1で調製されたp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンと式:(PhSiO3/2)75(ViMe2SiO1/2)25[式中、Phはフェニル基であり、Viはビニル基を表し、Meはメチル基を表す]により表されるシルセスキオキサンコポリマーとを付加反応により反応させた。樹脂コポリマーはトルエン溶液の状態にあった。実験室でこの樹脂溶液を130℃で4時間、次に140℃で2時間乾燥させ、質量変化を追跡することにより求めたところ、この樹脂溶液の固形分は81.54質量%であった。SiH:C=C比が1.1:1.0となるように67.5gの樹脂溶液を12.87gのp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンと混合し、そして10ppmのクロロ白金酸を添加した。混合物中のこのPt濃度は全質量を基準にしたものである。混合物を、開放式の平らな金型に注ぎ入れ、減圧オーブン内50℃で15分間脱気した。次に、金型を60℃の空気循環炉に移した。空気循環炉内で30分後、混合物はゲル化しており、温度を60℃に24時間保ってトルエンを逃がした。次に、温度を100℃(6時間)に、160℃(6時間)に、200℃(4時間)に、260℃(8時間)に上昇させた。次に、空気循環炉の運転を止め、キャストプレートを炉内で放冷した。
得られた硬化したシルセスキオキサン樹脂を、参考例2〜3に記載の試験方法により評価した。ヤング率、破断歪、曲げ強さ、KIc及びGIc値を表1に示す。
比較例1
p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンをテトラキス(ジメチルシロキシ)シランに置き換えたことを除き、実施例1に記載の方法によって、付加反応により硬化したシルセスキオキサン樹脂を調製した。
得られた硬化したシルセスキオキサン樹脂を参考例4〜5に記載の方法により評価した。ヤング率、破断歪、曲げ強さ、KIc及びGIc値を表1に示す。
p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンをテトラキス(ジメチルシロキシ)シランに置き換えたことを除き、実施例1に記載の方法によって、付加反応により硬化したシルセスキオキサン樹脂を調製した。
得られた硬化したシルセスキオキサン樹脂を参考例4〜5に記載の方法により評価した。ヤング率、破断歪、曲げ強さ、KIc及びGIc値を表1に示す。
比較例2
p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンをフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランに置き換えたことを除き、実施例1に記載の方法によって、付加反応により硬化したシルセスキオキサン樹脂を調製した。
得られた硬化したシルセスキオキサン樹脂を参考例2〜3に記載の方法により評価した。ヤング率、破断歪、曲げ強さ、KIc及びGIc値を表1に示す。
p−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンをフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランに置き換えたことを除き、実施例1に記載の方法によって、付加反応により硬化したシルセスキオキサン樹脂を調製した。
得られた硬化したシルセスキオキサン樹脂を参考例2〜3に記載の方法により評価した。ヤング率、破断歪、曲げ強さ、KIc及びGIc値を表1に示す。
Claims (20)
- (A)実験式:R1 aR2 bR3 cSiO(4−a−b−c)/2[式中、0.8≦(a+b+c)≦3.0であり、かつ、成分(A)がR1基を1分子当たり平均して少なくとも2個有することを条件として、aは0又は正の数、bは0又は正の数、cは0又は正の数であり、各R1は水素原子及び脂肪族不飽和を有する1価炭化水素基から独立に選ばれる官能基であり、各R2は非官能性基及びR1から選ばれる1価炭化水素基であり、各R3は非官能性基及びR1から選ばれる1価炭化水素基である]により表される単位を含むシルセスキオキサンコポリマー;
(B)一般式:
により表されるシリル末端炭化水素;並びに
(C)ヒドロシリル化反応触媒;
を含むヒドロシリル化反応硬化性組成物。 - (D)ヒドロシリル化反応触媒抑制剤;
(E)実験式:
により表される第1のシリコーンゴム;
(F)0〜15質量%の、実験式:
により表される第2のシリコーンゴム;並びに
(G)溶剤;
からなる群から選ばれる1つ以上の成分をさらに含む請求項1記載の組成物。 - 成分(A)及び(B)が、成分(A)及び(B)中のケイ素結合水素原子(SiH)及び不飽和炭化水素基(C=C)が1.0:1.0〜1.5:1.0の範囲のSiH:C=Cモル比で硬化性組成物中に存在するような量で、硬化性組成物に加えられている請求項1又は2記載の硬化性組成物。
- SiH:C=Cモル比が1.1:1.0〜1.5:1.0の範囲である請求項3記載の硬化性組成物。
- 成分(B)がp−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンである請求項5記載の硬化性組成物。
- 成分(C)が白金触媒である請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 成分(C)が硬化性組成物の質量を基準にして1〜10ppmの白金金属を提供するのに十分な量で硬化性組成物に添加されている請求項7記載の硬化性組成物。
- 成分(D)が0.0001〜0.05質量%の量で硬化性組成物に添加されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 成分(E)が5〜20質量%の量で硬化性組成物に添加されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 成分(F)が2〜8質量%の量で硬化性組成物に添加されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- (A)実験式:R1 aR2 bR3 cSiO(4−a−b−c)/2[式中、0.8≦(a+b+c)≦3.0であり、かつ、成分(A)がR1基を1分子当たり平均して少なくとも2個有することを条件として、aは0又は正の数、bは0又は正の数、cは0又は正の数であり、各R1は水素原子及び脂肪族不飽和を有する1価炭化水素基から独立に選ばれる官能基であり、各R2は非官能性基及びR1から選ばれる1価炭化水素基であり、各R3は非官能性基及びR1から選ばれる1価炭化水素基である]により表される単位を含むシルセスキオキサンコポリマー;
(B)一般式:
により表されるシリル末端炭化水素;並びに
(C)ヒドロシリル化反応触媒;
を混合することを含むヒドロシリル化反応硬化性組成物の調製方法。 - ヒドロシリル化反応硬化性組成物が、
(D)ヒドロシリル化反応触媒抑制剤;
(E)実験式:
により表される第1のシリコーンゴム;
(F)0〜15質量%の、実験式:R5 2R6SiO(R5 2SiO)m(R5R6SiO)nSiR6R5 2[式中、各R5は上記の通りであり、1分子当たり少なくとも2個のR6基がR1でなくてはならないことを条件として各R6はR1及びR5から選ばれ、mは150〜1,000であり、nは1〜10である]により表される第2のシリコーンゴム;並びに
(G)溶剤;
からなる群から選ばれる1つ以上の任意成分をさらに含む請求項12記載の方法。 - (II)硬化に十分な温度及び時間で工程(I)の生成物を加熱することにより硬化したシルセスキオキサン樹脂を形成する工程をさらに含む請求項12又は13に記載の方法。
- 工程(I)の生成物を工程(II)の前に脱気する工程をさらに含む請求項14記載の方法。
- ヒドロシリル化反応硬化性組成物が1液型ヒドロシリル化反応硬化性組成物であり、成分(C)及び(D)を予備混合することにより錯体を形成し、その後にその錯体を工程(I)の組成物に混合する請求項15記載の方法。
- 工程(I)の組成物が成分(G)を含み、工程(I)の組成物に前記錯体が混合される前に前記組成物から成分(G)が除去される請求項16記載の方法。
- ヒドロシリル化反応硬化性組成物が2液型ヒドロシリル化反応硬化性組成物であり、この2液型組成物が、(1)成分(A)を含む第1液を調製すること及び(2)成分(B)を含む第2液を調製することを含んで成り、成分(C)が工程(I)に先立って前記第1液及び第2液から選ばれる液と混合される請求項15記載の方法。
- 前記第1液が、成分(A)、(E)、(F)及び(G)を混合することにより調製され、成分(C)が前記第1液と成分(B)を含む前記第2液とからなる群から選ばれる液と混合される請求項18記載の方法。
- 請求項12〜19のいずれか1項に記載の方法により得られる硬化したシルセスキオキサン樹脂。
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