JP3652151B2 - 硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化して十分な柔軟性等を有する独立したフィルム又は実用上問題となるようなクラック等を有さない塊状物を得ることのできる硬化性ポリメチルシルセスキオキサンに関するものであり、更に、その硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの硬化方法及び硬化して得られるポリメチルシルセスキオキサン硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリシルセスキオキサンは、ケイ素原子数に対する酸素原子数の比が1.5であるようなシリコーンレジンの総称である。耐熱性、電気絶縁性、耐炎性等にすぐれ、半導体製造時のレジスト材料、層間絶縁膜等として使用されている〔伊藤邦雄編「シリコーンハンドブック」日刊工業新聞社(1990)等参照〕。
【0003】
ポリフェニルシルセスキオキサンについては、古くにフェニルトリクロロシランの加水分解物をアルカリ触媒の存在下で平衡化させて得たプレポリマーを、さらに高濃度でアルカリ触媒により平衡化させるという高分子量体の製造法が確立されている〔J.F.Brown,Jr. ら、J.Am.Chem.Soc., 82巻、6194ページ(1960)〕。しかし、可溶性のポリメチルシルセスキオキサンが合成可能となったのは比較的新しく、メチルトリクロロシランをアミンの存在下でケトンとエーテルの混合もしくは単独溶媒中に溶解し、これに水を滴下して加水分解後、加熱縮合させて合成する方法〔特公昭60−17214号公報、特公平1−43773号公報、米国特許No. 4399266参照〕、三官能性のメチルシランを有機溶剤中に溶解し、これに−20℃から−50℃の温度で1000〜3000Paの不活性ガス加圧下、水を滴下して加水分解後、加熱縮合させて合成する方法〔EP第0406911A1参照〕、有機溶剤中でメチルトリアセトキシシラン及びこれと等量の、アルコール及び/又は水とを反応させアルコキシアセトキシシランを合成し、これを有機溶剤中で炭酸水素ナトリウム存在下に重縮合させてプレポリマーを得、さらに該プレポリマーをアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ土類金属フッ化物及びトリエチルアミンの中から選択される少なくとも一種の触媒の存在下に加熱縮合させて合成する方法〔特開平3−20331号公報参照〕、及び水と炭化水素溶媒の二層を形成する混合液にアルカリ金属カルボン酸塩と低級アルコールを溶存させ、これにメチルトリハロシランを滴下して加水分解し、加熱縮合させて合成する方法〔特開平3−227321号公報参照〕などが知られている。
【0004】
これらの方法によって得られるポリメチルシルセスキオキサンの特徴は、共通して硬いが脆いことである。これらの中にはこの欠点を解決すべく工夫をこらしたものがあり、、特公平1−43773号公報では、ポリメチルシルセスキオキサンの15〜30%(重量)が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による標準ポリスチレン換算分子量20000以下の部分で占められるよう調整しているが、それでも1.8〜2.0μm程度の膜厚の塗膜が製造できるに過ぎず、EP第0406911A1でも最大3〜3.5μmの塗膜がクラックなしで得られているに過ぎない。これ以上の厚膜ではクラックが生じ、ましてや独立フィルムが得られるほどの柔軟性はない。
【0005】
ポリメチルシルセスキオキサン硬化物の独立フィルムとしてはメチルトリメトキシシランを出発原料とし、それをメタノールに溶解させ、これに塩酸を含む水を滴下して加水分解後、加熱縮合させてポリマーを得、さらに該ポリマーのアセトン溶液をキャストし80〜120℃で加熱硬化し製造すること〔阿部ら、第12回無機高分子研究討論会要旨集、58ページ(1993)〕が報告されているが、メチルトリクロロシランを出発原料とする方法は知られていない。メチルトリアルコキシシランはメチルトリクロロシランに比べて値段が高く、該ポリマーの合成において、塩酸とメチルトリメトキシシラン及び水とメチルトリメトキシシランの量比を厳密に調整しなければならず、また造膜時間が長いという問題がある。さらに、阿部らが報告している独立フィルムにはOH/OCH3 基が多く残っており、完全硬化したポリメチルシルセスキオキサンではない。また、硬化前のポリマーは部分加水分解物であり、安定に保存できる化合物ではないと考えられる。
【0006】
標準ポリスチレン換算数平均分子量が2000以下という低分子量のポリメチルシルセスキオキサンを含むものとしては、特開平3−20331号公報の請求内容に26〜1340000とあり、EP第0406911A1でもポリスチレン換算重量平均分子量で6700〜1340000と請求項に記載されている。しかし、これらは、ポリメチルシルセスキオキサンが特定の低い分子量範囲にあることによる何等かの効果について、何も開示していない。また、これらの公報は、生成物の水酸基含量については、全くふれていない。
【0007】
シリコーンレジンの水酸基含量を規定している特許としてはいずれも同じ出願人から、カナダ特許No.0868996、英国特許No.1294196、特開昭48−101444(米国特許No.3759867)、特開昭53−10700(米国特許No.4056492)に3〜12重量%程度の水酸基を含むものが開示されているが、いずれも分子量の記述はなく、したがって分子量との相関によって特定の性質を発現することなどにはまったく触れていない。しかもこれらの特許では、硅素上の有機基と硅素のモル比が1〜1.8であり、主としてジオルガノシロキサン単位を含む組成を目的としている。
【0008】
含酸素有機溶媒としてケトンを用い、水との2層系(2相ではない)でのポリシルセスキオキサンの合成反応は特開昭50−111198号公報に開示されているが、生成物の分子量、水酸基量も特定されていない。さらに特公昭60−17214号公報には、特開昭50−111198号公報の方法を用いてメチルトリクロロシランからポリメチルシルセスキオキサンの合成を行ったところ、生成物には不溶性のゲルが含まれ、可溶性部分も不安定で、3日後には溶媒不溶になったことが記載されている。特開平3−227321号公報も上記したように2層系の反応であるが、特定のアルコールを溶存させた炭化水素溶媒とアルカリ金属カルボン酸塩を溶存させた水との系に限定されている。生成物の分子量はポリスチレン換算数平均分子量で、2000〜6000の範囲で占められる部分が80%以上であり、水酸基量も特定されていない。また、いずれの公報でも、反応時に2層を保つように攪拌速度を調整しなければならないという操作性の悪さがあった。上記カナダ特許No.0868996、英国特許No.1294196、特開昭48−101444(米国特許No.3759867)では水と水に不溶の有機溶媒の混合物に、アセトンを共溶媒として用いた系でハロシランを加水分解・縮合している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、次の(1)〜(4)の特性を有するポリメチルシルセスキオキサン硬化物を得ることを目的とするものであり、そのためにこのポリメチルシルセスキオキサン硬化物を得るために不可欠な原料である特定の硬化性ポリメチルシルセスキオキサン及びこの硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの硬化方法を提供することをも目的とする。
(1)独立したフィルムとして使用するに充分なレベルの柔軟性。
(2)硬化物の膜厚によらず実用上問題となるレベルのクラックを有しない。
(3)引っ張り強度等の物性が優れている。
(4)実際的な硬化条件で(1),(2)及び(3)の特性を有する硬化物が得られる。
【0010】
尚、本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの範囲に入らない、ポリメチルシルセスキオキサンを用いたときは、(1)〜(4)の特性は得られなかったものであり、特に(3)については、本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの範囲に入らないポリメチルシルセスキオキサンでは引っ張り強度測定に供する程度のポリメチルシルセスキオキサン硬化物を得ることも難しかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリメチルシルセスキオキサンの造膜性について鋭意研究した結果、特定の分子量範囲にあり、特定の水酸基含量を有するポリメチルシルセスキオキサンであれば、加熱することにより独立したフィルムとして充分な柔軟性を有するポリメチルシルセスキオキサン硬化物を得ることができることを見出し本発明に到達した。
【0012】
本発明の第1の態様は、ポリスチレン換算数平均分子量(M)が380から2000の範囲にあり、式〔CH3 SiO3/2 〕n 〔CH3 Si(OH)O2/2 〕m(ここに、m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が1/(M×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また各直線の交点も含むものである。
(式1):m/(m+n)=0.152/(M×10-3)+0.10
(式2):1/(M×10-3)=1,000/2,000
(式3):1/(M×10-3)=1,000/380
(式4):m/(m+n)=0.034/(M×10-3))
で示される硬化性ポリメチルシルセスキオキサンである。
【0013】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンが、(イ)含酸素有機溶媒又は(ロ)含酸素有機溶媒とこの溶媒に対して50容量%以下の炭化水素溶媒とを含む混合溶媒のいずれかから選ばれるものと水との2相系中にて、式:MeSiX3 (Me:メチル基、X:F,Cl,Br及びIから選ばれるハロゲン原子)で表されるメチルトリハロシランの加水分解及びその加水分解生成物の縮合反応を行って製造されたものであることである。
【0014】
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを50℃以上、350℃以下の温度で加熱させる前記硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの硬化方法である。
【0015】
本発明の第4の態様は、第1の態様または第2の態様の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを50℃以上、350℃以下の温度で加熱硬化させて得ることのできるポリメチルシルセスキオキサン硬化物である。
【0016】
本発明は、優れた特性を有するポリメチルシルセスキオキサン硬化物を製造するために不可欠な硬化性ポリメチルシルセスキオキサンとその硬化方法を提供するものである。また本発明により得られるポリメチルシルセスキオキサン硬化物は、十分な柔軟性を有しこれまで得られなかった厚膜の塗膜、独立したフィルムあるいは塊状物として実用可能なものである。更に本発明のポリメチルシルセスキオキサン硬化物は優れた柔軟性だけでなく耐熱性、電気絶縁性、耐炎性等の特性を併せ持つため広汎な用途で応用が可能となった。
【0017】
このうち特に本発明のポリメチルシルセスキオキサン硬化物の耐熱性と柔軟性は、通常のシリコーンレジンから得られる硬化物の場合より優れたものであり、これにより従来シリコーン系材料の適用が困難とされていた用途への使用が可能となった。
【0018】
本発明の第1の態様は、ポリスチレン換算数平均分子量(M)が380以上2,000以下の範囲にあり、次式〔CH3 SiO3/2 〕n 〔CH3 Si(OH)O2/2 〕m(ここに、m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域に対応する範囲にある。このA領域は、横軸が1/(M×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1、式2、式3及び式4で表される各直線によって囲まれる領域であり各直線上も含み、また各直線どうしの交点も含むものである。
(式1):m/(m+n)=0.152/(M×10-3)+0.10
(式2):1/(M×10-3)=1,000/2,000
(式3):1/(M×10-3)=1,000/380
(式4):m/(m+n)=0.034/(M×10-3))
で示される硬化性ポリメチルシルセスキオキサンである。
【0019】
ここでM及びm/(m+n)の値が、上記の範囲にあれば、実用的な硬化条件で前記(1),(2),(3)のような特性を有するポリメチルシルセスキオキサン硬化物を得ることができる。
【0020】
前記硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの分子量が上記の範囲外にある場合またはシラノール基含量が上記の上限を超える場合は、それらを出発原料として得られるポリメチルシルセスキオキサン硬化物は、ひび割れ等が生じるため十分な柔軟性を有するフィルムとならない。また、シラノール基含量が上記の下限を下回る場合は、硬化性が不十分となる。
【0021】
本発明の第2の態様の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンは、(イ)含酸素有機溶媒又は(ロ)含酸素有機溶媒とこの溶媒に対して50容量%以下の炭化水素溶媒とを含む混合溶媒のいずれかから選ばれるものと水との2相系中にて、式:MeSiX3 (Me:メチル基、X:F,Cl,Br及びIから選ばれるハロゲン原子)で表されるメチルトリハロシランの加水分解及びその加水分解生成物の縮合反応を行うことにより製造され、前記分子量範囲及びシラノール基含量範囲にあるものである。この硬化性ポリメチルシルセスキオキサンは、硬化して極めて優れた柔軟性や耐熱性を発揮するものである。
【0022】
本発明の第3の態様は、前記第1の態様または第2の態様の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを50℃以上、350℃以下の温度で加熱することにより前記(1)〜(4)の特性を有するポリメチルシルセスキオキサン硬化物を得ることができる。ここで加熱温度は、好適には80℃以上、250℃以下の温度が選択される。50℃未満では反応が充分に進行しない。350℃を超えるとシロキサンの分解が起こるおそれがある。
【0023】
加熱硬化を行う場合、本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサン自体を所定の温度で加熱することにより硬化させることができるが、本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンは有機溶媒に対して可溶なものであるので、該硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを有機溶媒に溶解させた後、キャストして溶媒蒸発後に加熱することも可能である。本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを溶解する溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ブタノール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒等が例示される。
【0024】
尚、本願発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを加熱硬化させる場合、硬化用の触媒を添加して、硬化反応を促進することも可能である。
【0025】
本発明の第4の態様は、ポリメチルシルセスキオキサン硬化物で、第1の態様又は第2の態様の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを第3の態様の方法で加熱して得られるものであり、このポリメチルシルセスキオキサン硬化物は前記(1)〜(4)の特性を有するものである。
【0026】
上記の分子量範囲および水酸基含量のポリメチルシルセスキオキサンの好適な合成法として次の例が挙げられる。
(1)(イ)含酸素有機溶媒又は(ロ)含酸素有機溶媒とこの溶媒に対して50容量%以下の炭化水素溶媒とを含む混合溶媒のいずれかから選ばれるものと水との2相系を形成させ、これに下記(A)又は(B)を滴下させて該メチルトリハロシランの加水分解及びその加水分解生成物の縮合反応を行なう方法。
(A)MeSiX3 (Meはメチル基であり、XはF,Cl,Br及びIから選ばれるハロゲン原子である)で表されるメチルトリハロシラン(B)該メチルトリハロシランを(イ)含酸素有機溶媒又は(ロ)含酸素有機溶媒とこの溶媒に対し50容量%以下の炭化水素溶媒とを含む混合溶媒のいずれかから選ばれるものに溶解させた溶液
【0027】
(2)水のみに、上記(1)の(B)に示した溶液を滴下することにより結果として2相系で反応させる以外は、上記(1)と同様である方法。
【0028】
(3)空の反応容器に水と上記(1)の(B)に示した溶液とを同時に滴下させて、結果として2相系で反応させる以外は、上記(1)と同様である方法。
【0029】
ここにXは、好ましくは臭素、塩素、さらに好ましくは塩素である。ここに、水と有機溶媒が2相を形成するというのは、水と有機溶媒が混和せず、均一溶液とならない状態のことをいい、攪拌を低速にすることにより有機層と水層が層状態を保つようにしてもよいし、激しく攪拌して懸濁状態にしてもよい。以下、前者のことを、「2層を形成する」と表現する。
【0030】
この製造方法において使用される有機溶剤は、メチルトリハロシランを溶解し、水に多少溶解してもよいが、水と2相を形成できる含酸素有機溶媒が用いられ、さらに50容量%以下の炭化水素溶媒を含んでもよい。炭化水素溶媒の含量がこれより多いとゲルの生成量が増え、目的生成物の収率が減少し、実用的でなくなる。特開平3−227321号公報にも炭化水素溶媒に少量の特定の低級アルコールを添加した系でのポリメチルシルセスキオキサンの製造が記載されているが、反応は2層系に限られており、かつアルコール量が多量になると生成したポリメチルシルセスキオキサンの保存安定性が悪化すると記載されている。そこでのアルコールの役割は、炭化水素溶媒と水との共溶媒である。しかし、本発明の有機溶媒組成はこれとは逆で、含酸素有機溶媒を主成分とした反応系であり、水との界面での加水分解・縮合反応とともに、生成物の有機溶媒層への溶解度等により生成物の分子量と水酸基含量が制御される。炭化水素溶媒の混入は、顕著なゲル化を起こさない範囲で許されるものである。本発明の有機溶媒、水に無制限に溶解する溶媒であっても、水溶性無機塩基又は緩衝能を有する弱酸の塩の水溶液とは2相を形成するものは使用できる。
【0031】
含酸素有機溶媒としては、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジノルマルプロピルエーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系溶媒、n−ブタノール、ヘキサノール等のアルコール系溶媒などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。中でもケトン、エーテル、およびエステル系溶媒がより好ましい。これら溶媒は二種以上混合して用いてもよい。炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒、クロロホルム、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、有機溶剤の使用量は特に制限されないが、好ましくはメチルトリハロシラン100重量部に対して50〜2000重量部の範囲である。これは有機溶剤がメチルトリハロシラン100重量部に対して50重量部未満であると生成したポリメチルシルセスキオキサンを溶解させるには不十分であり、場合により高分子量化のため目的とする分子量範囲のポリメチルシルセスキオキサンが得られず、また2000重量部を超えるとメチルトリハロシランの加水分解、縮合が速やかに進行せず目的とする分子量範囲のポリメチルシルセスキオキサンが得られないからである。水の使用量も特に制限されないが、好ましくはメチルトリハロシラン100重量部に対して10〜3000重量部の範囲である。
【0032】
水相には何も加えない水を用いても反応は可能であるが、生成するポリメチルシルセスキオキサンの分子量は高めになる。これはクロロシランから生成する塩化水素により反応が促進されるためで、このため酸性度を抑制する水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱酸の塩を加えることにより、より分子量の低いポリメチルシルセスキオキサンを合成できる。また、アミンを用いても酸性度を抑制することができるが、特公昭60−17214号公報において述べられているように、特開昭50−111198号公報の方法を用いてケトンとアミンを含む水の2層系でメチルトリクロロシランからポリメチルシルセスキオキサンの合成を行うと、生成物には不溶性のゲルが含まれ、可溶性部分も不安定で、3日後には溶媒不溶になってしまうという欠点がある。
【0033】
水溶性無機塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水溶性アルカリ等が挙げられ、緩衝能を有する弱酸の塩としては炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩、ビス(シュウ酸)三水素カリウム等のシュウ酸塩、フタル酸水素カリウム、酢酸ナトリウム等のカルボン酸塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム等のリン酸塩、四ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの使用量は、トリハロシラン1分子中のハロゲン原子1モルに対して、1.8グラム当量以下が望ましい。即ち、ハロシランが完全に加水分解された場合に生じるハロゲン化水素をちょうど中和する量の1.8倍以下が望ましい。これより多いと不溶性のゲルが生じやすくなる。これら水溶性無機塩基または緩衝能を有する弱酸の塩は、上記の量的範囲内であれば二種以上混合して用いてもよい。
【0034】
メチルトリハロシランの加水分解において、反応液の攪拌速度は水相と有機溶剤の2層を保持することができる程度に低速にしてもよいし、また強く攪拌して懸濁状態にしてもさしつかえない。反応温度は室温(20℃)〜120℃の範囲内が適当であるが、40〜100℃程度が望ましい。
【0035】
尚、本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンは、原料物質に含まれる不純物に原因して、前記第1の態様で規定する構造に含まれない単位を若干含むことが有り得る。この様な例の中には、例えばメチル基以外の低級アルキル基を有する単位、R3 SiO1/2 (Rは低級アルキル基)で表される様な1官能性単位、R2 SiO2/2 (Rは低級アルキル基)で表される様な2官能性単位、SiO4/2 で表される様な4官能性単位等が含まれる。また該硬化ポリメチルシルセスキオキサンはOH基を含むものであり、その構造は前記構造式で示されている通りであるが、極微量のレベルでこれ以外の構造にてOH基を有する単位が存在することも有り得る。本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンは前記第1の態様で述べた条件を満たす構造を有するものであるが、上記のような原因等で発生する構造単位については、本発明の効果を阻害しないレベルであれば、その存在を否定するものではない。
【0036】
本発明においては次の様な実施態様が推奨される。
(推奨例1)
ポリスチレン換算数平均分子量(M)が380以上1,800以下の範囲にあり、次式〔CH3 SiO3/2 〕n 〔CH3 Si(OH)O2/2 〕m(ここに、m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は、図1のA領域に対応する範囲にある。)で示される硬化性ポリメチルシルセスキオキサン。
【0037】
(推奨例2)
前記硬化性ポリメチルシルセスキオキサンが、(イ)含酸素有機溶媒又は(ロ)含酸素有機溶媒とこの溶媒に対して50容量%以下の炭化水素溶媒とを含む混合溶媒のいずれかから選ばれるものと水との2相系中にて、式:MeSiX3 (Me:メチル基、X:F,Cl,Br及びIから選ばれるハロゲン原子)で表されるメチルトリハロシランの加水分解及びその加水分解生成物の縮合反応を行って製造されたものである前記推奨例1の硬化性ポリメチルシルセスキオキサン。
【0038】
(推奨例3)
前記推奨例1または推奨例2の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンを50℃以上、350℃以下の温度で加熱することを特徴とするポリメチルシルセスキオキサン硬化物の製造方法。
【0039】
【実施例】
次に実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、この発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0040】
(参考例1)
還流冷却管、滴下ロート、及び攪拌器を備えた反応容器に、炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)と水80mlを入れて攪拌し、これにメチルイソブチルケトン80mlを加えた。攪拌速度は有機層と水層が保持できる程度に低速にした。次いで、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を滴下ロートから30分かけてゆっくり滴下した。この際反応混合物の温度は60℃まで上昇した。さらに60℃の油浴上で、反応混合物を24時間加熱攪拌した。反応終了後、有機層を洗浄水が中性になるまで洗浄し、次いで有機層を乾燥剤を用いて乾燥した。乾燥剤を除去した後、溶媒を減圧で留去し、一夜真空乾燥を行ないポリメチルシルセスキオキサンを白色の固体として得た。このポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布をGPC〔東ソー(株)製HLC−8020〕(カラムは、東ソー(株)製TSKgelGMHHR−L(商標)を2本使用し、ポリマーの溶媒としてクロロホルムを用いた)により測定したところ、標準ポリスチレン換算での重量平均分子量は2700であり、数平均分子量は870であった。また29Si NMRスペクトル〔ブルカー製ACP−300により測定〕から求めた水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.18個であった(この0.18がm/(m+n)の値に相当する)。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0041】
このポリメチルシルセスキオキサン1gを、クロロホルム5gに溶解し、これに5mgのジオクチル酸錫を加え、得られた溶液をガラス板上に塗布し室温で2時間放置した。形成された透明フィルムをガラス板からはがし、次に100℃で10分間加熱架橋を行なった。このようにして得られた長さ50mm、幅10mm、厚さ約280μmの独立フィルムについて引張試験を行った。インストロン社製4301型万能材料試験機を用い、引張速度20mm/min で、5個の試験片について測定したところ、引張強度は、15〜20MPa であった。さらに、70μmの厚さの独立フィルムについてJIS K−5400の屈曲試験機を用いて屈曲試験を行ったところ、最小径の直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。また、この独立フイルムを粉砕し、示差熱天秤〔(株)リガク製TG8101D型、空気中、昇温速度10℃/分にて測定〕を用いて熱重量減少を測定したところ、重量減少開始温度は470℃、5%重量減少温度は523℃であった。
【0042】
(参考例2)
参考例1と同様の、有機層と水層が2層を形成する反応系で、しかし炭酸ナトリウムの代わりに水酸化カリウム13.5g(0.24モル)を用い、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は2150であり、数平均分子量は730であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.22個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0043】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は10〜11MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0044】
(参考例3)
参考例1と同様の、有機層と水層が2層を形成する反応系で、しかし塩基等を使用せずに、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は6520であり、数平均分子量は1180であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.15個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0045】
このようにして得たポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は16〜19MPaであった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0046】
(実施例1)
参考例1と同様の反応手順で、炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用い、しかし有機相と水相が二層を形成しないよう攪拌を激しく行なって反応させ、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は950であり、数平均分子量は560であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.23個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0047】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は15〜19MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。また、この独立フイルムを粉砕し、参考例1と同様の方法で熱重量減少を測定したところ、重量減少開始温度は478℃、5%重量減少温度は519℃であった。
【0048】
(参考例4)
参考例1と同様の方法で、しかし有機溶媒としてテトラヒドロフラン80mlを用い、炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)、水80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。反応中、有機層と水層は、参考例1と同様に2層を形成した。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は5740であり、数平均分子量は890であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.15個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0049】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は15〜21MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0050】
(参考例5)
参考例1と同様の、有機層と水層が2層を形成する反応系で、しかし有機溶媒として1−ブタノール80mlを用い、炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)、水80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、クロロシラン滴下後の反応を30℃で2時間とすることにより、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は770であり、数平均分子量は570であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.28個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0051】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は14〜17MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0052】
(実施例2)
実施例1と同様の有機相と水相が二層を形成しないような高速攪拌の反応で、反応容器中の炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)、水80ml、メチルイソブチルケトン60mlの混合物に、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)をメチルイソブチルケトン20mlに溶解させて滴下する方法により、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は580であり、数平均分子量は500であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.29個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0053】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法で触媒量を12mgとしてフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は7〜13MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
(参考例6)
参考例1と同様の、有機層と水層が2層を形成する反応系で、炭酸ナトリウム15.9g(0.15モル)、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は2090であり、数平均分子量は860であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.19個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0059】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は14〜16MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0060】
(参考例7)
参考例1と同様の、有機層と水層が2層を形成する反応系で、炭酸ナトリウム19.1g(0.18モル)、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は2470であり、数平均分子量は890であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.19個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0061】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法で触媒量を12mgとしてフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は17〜20MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0062】
(参考例8)
参考例1と同様の、有機層と水層が2層を形成する反応系で、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用い、しかし炭酸ナトリウム量を3.18g(0.03モル)とし、さらに反応温度を90℃、反応時間を24時間とすることにより、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は13360であり、数平均分子量は1350であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.14個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0063】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法で触媒量を12mgとしてフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は16〜18MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0064】
(参考例9)
参考例1と同様の、有機層と水層が2層を形成する反応系で、しかし有機溶媒としてメチルイソブチルケトン64mlとトルエン16mlからなる混合溶媒を用い、炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)、水80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、クロロシランを滴下した後の反応を30℃で2時間とすることにより、ポリメチルシルセスキオキサンを白色固体として得た。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は2970であり、数平均分子量は930であった。また水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.20個であった。このポリメチルシルセスキオキサンは、クロロホルム、ジクロロメタン、メチルイソブチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等に可溶で、室温で空気中、5カ月間放置しても分子量分布、溶解性に変化はなかった。
【0065】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は19〜21MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0066】
(参考例10)
参考例1で得た硬化フィルムをさらに100℃で1時間、250℃で3日間加熱架橋を行なった。このようにして完全硬化を行ったフィルムも引張試験に供するに十分な柔軟性を有しており、引張強度は、8〜10MPa であった、屈曲性についても、参考例1と同様70μmの厚さの独立フィルムについて測定したところ、直径4mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。直径2mmの心棒を用いた場合にも、100°までクラックははいらなかった。
【0067】
(参考例11)
参考例1で得たポリメチルシルセスキオキサン1gを、クロロホルム5gに溶解し、これに触媒としてジオクチル酸錫の代わりに22mgのジラウリル酸ジブチル錫を用いて、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は9〜13MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0068】
(参考例12)
参考例1で得たポリメチルシルセスキオキサン1gを、クロロホルム5gに溶解し、これに触媒としてジオクチル酸錫の代わりに22mgの二酢酸ジブチル錫を用いて、参考例1と同様の方法でフィルムを作成し、引張試験を行ったところ、引張強度は11〜19MPa であった。屈曲性についても、参考例1と同様、70μmの厚さの独立フィルムについて、直径2mmの心棒を用いて180°折り曲げてもフィルムは折れず、クラックもはいらなかった。
【0069】
(参考例13)
参考例1で得たポリメチルシルセスキオキサン2.5gを、クロロホルム2.5gに溶解し、これに25mgのジオクチル酸錫を加え、得られた溶液を金属製の型に流し込み室温で2日間放置した。このようにして幅及び厚さ4mm、長さ4.5cmの硬化体が得られた。インストロン社製4301型万能材料試験機を用い、JIS K−7203に準じて試験速度20mm/min で3点曲げ試験を行ったところ、その曲げ弾性と強度は、500及び16MPa であった。
【0070】
(比較例1)
参考例1と同様の方法で、炭酸ナトリウム31.8g(0.3モル)、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させたところ、不溶性ゲルを含む白色固体が得られた。
【0071】
(比較例2)
参考例2と同様の方法で、水酸化カリウム33.7g(0.6モル)、水80ml、メチルイソブチルケトン80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させたところ、不溶性ゲルを含む白色固体が得られた。
【0072】
(比較例3)
参考例1と同様の方法で、しかしクロロシランの滴下を氷浴上で行い、その後の反応を0℃で1時間とすることにより、重量平均分子量が350で、数平均分子量は320のポリメチルシルセスキオキサンを得た。水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.33個であった。
【0073】
このようにして得たポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様にしてフィルムの作成を行ったところ、フィルムにクラックが生じ、独立フィルムを形成しなかった。
【0074】
(比較例4)
参考例9と同様の方法で、しかし有機溶媒としてメチルイソブチルケトン16mlとトルエン64mlからなる混合溶媒を用い、炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)、水80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させ、クロロシランを滴下した後の反応を30℃で1時間としたがゲル化が起こり、ポリメチルシルセスキオキサンは白色固体として25%の収率で得られたのみであった。このポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は2740であり、数平均分子量は670であったが、水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.35個であった。
【0075】
このようにして得たポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様にしてフィルムの作成を行ったところ、フィルムにクラックが生じ、独立フィルムを形成しなかった。
【0076】
(比較例5)
特公昭60−17214号公報の実施例1に準じて、溶媒としてメチルイソブチルケトン50mlとテトラヒドロフラン50mlの混合溶媒を用い、その混合溶媒にメチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)、トリエチルアミン4.8g(0.047モル)を加え、得られた均一溶液に水16.7gを氷浴上で滴下した。さらに100℃の油浴上で反応混合物を4時間加熱攪拌した。参考例1と同様の方法で反応混合物を処理し、重量平均分子量は59100であり、数平均分子量は5010である可溶性の高分子量ポリメチルシルセスキオキサンを合成した。水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.16個であった。
【0077】
このようにして得たポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様にしてフィルムの作成を行ったところ、フィルムにクラックが生じ、独立フィルムを形成しなかった。また、この硬化物を粉砕し、参考例1と同様の方法で熱重量減少を測定したところ、重量減少開始温度は407℃、5%重量減少温度は471℃であり、熱安定性が参考例の硬化物より低かった。
【0078】
(比較例6)
比較例5と同様の方法で、しかし溶媒としてメチルイソブチルケトン200mlを用い、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)、トリエチルアミン15.2g(0.15モル)、水5.4gを用い、水を滴下後の反応を0℃で1時間とすることにより、重量平均分子量は650であり、数平均分子量は480であるポリメチルシルセスキオキサンを合成した。水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.44個であった。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様にしてフィルムの作成を行ったところ、フィルムにクラックが生じ、独立フィルムを形成しなかった。
【0079】
(比較例7)
比較例5と同様の方法で、しかし溶媒としてメチルイソブチルケトン200mlを用い、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)、トリエチルアミン10.1g(0.1モル)、水5.4gを用い、水を滴下後の反応を20℃で2時間とすることにより、重量平均分子量が3520であり、数平均分子量が950であるポリメチルシルセスキオキサンを合成した。水酸基の量は、ケイ素1原子当たり0.29個であった。このようにして得たポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様にしてフィルムの作成を行ったところ、フィルムにクラックが生じ、独立フィルムを形成しなかった。
【0080】
(比較例8)
参考例1と同様の方法で、しかし溶媒としてメチルイソブチルケトンの代わりにテトラヒドロフラン80mlを用い、かつ塩基等を用いなかったところ反応系は均一溶液となり、ゲル化した。
【0081】
(比較例9)
参考例1と同様の方法で、しかし溶媒としてメチルイソブチルケトンの代わりにトルエン80mlを用い、それ以外は参考例1と同様に炭酸ナトリウム12.7g(0.12モル)、水80ml、メチルトリクロロシラン14.9g(0.1モル)を用いて反応させたところ、ゲル化した。
【0082】
(比較例10)
文献(S. Nakahama ら、Contemp. Top. Polym. Sci. 、1984年、4巻、 105ページ;Y. Abeら、J. Polym. Sci. Part A Polym. Chem.、1995年、33巻、 751ページ等)記載の方法でメチルトリメトキシシランを塩酸を用いて加水分解・縮合させることにより、ポリメチルシルセスキオキサンを得た。このポリメチルシルセスキオキサンの分子量分布を参考例1と同様の方法で分析したところ、重量平均分子量は2150であり、数平均分子量は660であった。このポリメチルシルセスキオキサンは水酸基とメトキシ基をもっおり、29SiNMRスペクトルと1HNMRスペクトルから求めた水酸基およびメトキシ基の量は、それぞれケイ素1原子当たり0.216個および0.057個であった。
【0083】
このポリメチルシルセスキオキサン1gから、参考例1と同様の方法でフイルムを作成すると、クラックのない独立フイルムを得ることができた。しかし、参考例1と同様に70μmの厚さの独立フイルムについて屈曲性試験を行ったところ、直径10mmの心棒を用いても180°折り曲げることは困難であった。引張強度も2〜6MPaと低かった。また、この独立フイルムを粉砕し、参考例1と同様の方法で熱重量減少を測定したところ、重量減少開始温度は348℃、5%重量減少温度は469℃であり、熱安定性が実施例の硬化物より極めて低かった。
【0084】
(参考例14)
参考例1で得た硬化性ポリメチルシルセスキオキサン1gを、クロロホルム4gに溶解し、得られた溶液をテフロン製のフィルムに塗布し室温で1時間放置し、50℃及び80℃で1時間、さらに100℃で24時間加熱硬化を行った。このようにして3〜5MPa の引張強度を有する、厚さ約120μmの独立フィルムが得られた。さらに直径8mmの軸を用いて独立フィルムの曲げ試験を行ったところ、180°曲げが可能であった。
【0085】
(参考例15)
参考例1で得た硬化性ポリメチルシルセスキオキサン1gを、クロロホルム4gに溶解し、参考例14と同様にして形成された透明フィルムをテフロン製のフィルムからはがし、さらに200℃で2時間加熱硬化を行なった。このようにして厚さ約120μmの独立フィルムが得られ、引張強度は、1〜3MPa であった。さらに直径10mmの軸を用いて独立フィルムの曲げ試験を行ったところ、180°曲げが可能であった。
【0086】
(実施例3)
実施例1で得た硬化性ポリメチルシルセスキオキサン1gを、クロロホルム4gに溶解し、得られた溶液をテフロン製のフィルムに塗布し参考例14と同様にして加熱硬化を行った。このようにして2〜3MPa の引張強度を有する、厚さ約90μmの独立フィルムが得られた。さらに直径8mmの軸を用いて独立フィルムの曲げ試験を行ったところ、180°曲げが可能であった。
【0087】
(実施例4)
実施例1で得た硬化性ポリメチルシルセスキオキサン1gを、クロロホルム4gに溶解し、参考例15と同様にして加熱硬化を行なった。このようにして厚さ約90μmの独立フィルムが得られ、引張強度は、1〜2MPa であった。さらに直径10mmの軸を用いて独立フィルムの曲げ試験を行ったところ、180°曲げが可能であった。
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【産業上の利用の可能性】
本発明の硬化性ポリメチルシルセスキオキサンは、硬化して、優れた物理的及び化学的特性を有し、各種材料の表面保護コーティングや耐熱性コーティングとするための原料として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の〔CH3 SiO3/2 〕n 〔CH3 Si(OH)O2/2 〕m で示される硬化性シルセスキオキサンの前記式におけるm,nの範囲を示すグラフである。
Claims (2)
- ポリスチレン換算数平均分子量(M)が380から2000の範囲にあり、式
〔CH3 SiO3/2 〕n 〔CH3 Si(OH)O2/2 〕m
(m,nは上記分子量を与える正の数で、m/(m+n)の値は図1のA領域にある。このA領域は、横軸が1/(M×10-3)、縦軸がm/(m+n)で表される図1のグラフにおいて、次の式1〜4で表される各直線によって囲まれる領域であり、各直線上も含み、また各直線の交点も含むものである。
(式1):m/(m+n)=0.152/(M×10-3)+0.10
(式2):1/(M×10-3)=1,000/2,000
(式3):1/(M×10-3)=1,000/380
(式4):m/(m+n)=0.034/(M×10-3))
で示される硬化性ポリメチルシルセスキオキサンの製造方法であって、(イ)含酸素有機溶媒又は(ロ)含酸素有機溶媒とこの有機溶媒に対し50容量%以下の炭化水素溶媒とを含む混合溶媒と、水とを反応器に装填して、前記(イ)含酸素有機溶媒又は(ロ)混合溶媒の2相系を形成させ、この2相系が懸濁状態となる程度の攪拌を行い、式:MeSiX3 (ここに、Meはメチル基であり、XはF,Cl,Br及びIから選ばれるハロゲン原子である)で表されるメチルトリハロシラン、又は前記(イ)含酸素有機溶媒又は前記(ロ)混合溶媒に溶解させた前記メチルトリハロシランを、前記2相系に滴下して、この2相系中で加水分解及び縮合を行うことを含む前記製造方法。 - 前記水が、更に前記メチルトリハロシラン1分子中のハロゲン原子1モルに対して、1.8グラム当量以下の水溶性無機塩基又は緩衝能を有する弱酸の塩を溶解して含んでいる請求項1の方法。
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