JP2008150404A - 高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定であり、ゲル化が起こり難く、厚膜としてもクラックが生じ難い官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法を提供する。
【解決手段】加水分解性基を有するシラン化合物を第一次の加水分解および縮合に供してオルガノポリシロキサンを得ることと、該オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供することとを含む、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上である高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】加水分解性基を有するシラン化合物を第一次の加水分解および縮合に供してオルガノポリシロキサンを得ることと、該オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供することとを含む、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上である高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、オルガノアルコキシシラン等の加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解および縮合反応において、二段階の加水分解および縮合反応を行うことにより、官能性基を含有する高分子量オルガノポリシロキサンを製造する方法に関する。
オルガノアルコキシシランの加水分解および縮合によるオルガノポリシロキサンの製造方法は、シリコ−ン製造業界において広く採用されている。オルガノアルコキシシランの加水分解をするために一般的によく採用される方法は、酢酸、塩酸、硫酸等の酸触媒または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の塩基触媒を用いて加水分解および縮合反応を行うものである。
しかし、例えば、ゲル化しやすいメチルトリメトキシシラン等の加水分解性基を3個以上有するオルガノアルコキシシランが多量に存在する系において、酢酸、塩酸、硫酸等の酸触媒または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の塩基触媒を用いて加水分解、縮合を行うと、得られるオルガノポリシロキサンの高分子量体は、不安定ですぐにゲル化しやすいという問題点がある。
また、オルガノトリアルコキシシランを加水分解縮合して得られる従来のオルガノポリシロキサンを含有する組成物を硬化させてなる被膜は、硬度が高いので、例えば、眼鏡に使用されるプラスチックレンズや自動車部品のサンル−フなどのプラスチック表面を保護する為に用いられている。ところが、この被膜は、通常、厚さが2〜3μmであり、10μm以上にするとクラックが発生する問題点がある。また、機械的特性、耐熱性および電気絶縁性が高いので、電子部品や半導体の保護膜や層間絶縁層用材料、感光性材料、ペリクル材料、塗料材料などとしては利用されているが、硬い厚膜としては利用されていない。
しかし、オルガノトリアルコキシシランを主成分とするシラン化合物を加水分解および縮合して得られるオルガノポリシロキサンを含有する組成物を硬化させた被膜は、硬く、熱安定性が高く、ガラスの代替材料になる可能性があるため、上記問題点を解決した高分子量オルガポリシロキサンの製造方法の開発が望まれている。
特願2005−312503
特願2005−312504
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、安定であり、ゲル化が起こり難く、かつ厚膜としてもクラックが生じ難い官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法を提供することを課題とする。具体的には、オルガノアルコキシシラン等の加水分解性基を有するシラン化合物の二段階の加水分解および縮合反応を行うことにより官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンを製造する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究の結果、本発明を成すに至った。即ち、本発明は、
加水分解性基を有するシラン化合物を第一次の加水分解および縮合に供してオルガノポリシロキサンを得ることと、該オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供することとを含む、下記平均組成式(1):
R1 aR2 b (OX)cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の官能性基含有一価炭化水素基であり、R2は独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、Xは独立に、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基またはアシル基であり、aは正数であり、bは0又は正数であり、a+bは1.00〜1.5の数であり、cは0<c<2を満たす数であり、但し、a+b+cは1<a+b+c<2を満たす数である。)
で表されるポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上である高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法を提供する。
加水分解性基を有するシラン化合物を第一次の加水分解および縮合に供してオルガノポリシロキサンを得ることと、該オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供することとを含む、下記平均組成式(1):
R1 aR2 b (OX)cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の官能性基含有一価炭化水素基であり、R2は独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、Xは独立に、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基またはアシル基であり、aは正数であり、bは0又は正数であり、a+bは1.00〜1.5の数であり、cは0<c<2を満たす数であり、但し、a+b+cは1<a+b+c<2を満たす数である。)
で表されるポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上である高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法を提供する。
本発明の製造方法を適用することにより、安定であり、ゲル化が起こり難い、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上である官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンを製造することができる。こうして製造された高分子量オルガノポリシロキサンは、縮合触媒と共に混合して組成物を製造することができる。この組成物は、厚膜(例えば、50μm以上の厚膜)としてもクラックが生じ難い(即ち、耐クラック性が優れる)だけではなく、接着性、耐熱性、透明性、硬度および可撓性が優れた硬化物の製造に有用である。したがって、この組成物は、特に光関連デバイス封止用として好適であり、光半導体装置の製造に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「室温」とは、24±2℃を意味する。また、「ポリスチレン換算の重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析による分子量分布における重量平均分子量であり、この分子量分布においてピークが2個以上ある分布形状を示す場合には、該分布形状における最大分子量のピークについての重量平均値を意味する。
<高分子量オルガノポリシロキサン>
本発明の製造方法により製造される官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンは、上記平均組成式(1)で表される、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上、典型的には5×104〜6×105、より典型的には6×104〜5×105であるものである。重量平均分子量が3×104未満の場合には、官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンを縮合触媒と混合して被膜を作製した際にクラックが入りやすく、50μm以上の厚さの被膜が得られないことがある。
本発明の製造方法により製造される官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンは、上記平均組成式(1)で表される、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上、典型的には5×104〜6×105、より典型的には6×104〜5×105であるものである。重量平均分子量が3×104未満の場合には、官能性基含有高分子量オルガノポリシロキサンを縮合触媒と混合して被膜を作製した際にクラックが入りやすく、50μm以上の厚さの被膜が得られないことがある。
上記平均組成式(1)中、R1は、官能性基含有一価炭化水素基を示し、その例としては、官能性基を含有する、炭素原子数が、通常、1〜30、好ましくは1〜10の一価炭化水素基が挙げられる。
上記R1中に存在する官能性基としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、イソシアノ基およびこれらの2種以上の組合せなどを挙げることができる。オキセタニル基およびアミノ基は置換基により置換されていてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルプロチル基、シクロヘキシルブチル基等のシクロアルキルアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;これらの一価炭化水素基の水素原子の一部または全部をアミノ基等で置換した基、例えば、β−アミノエチル基等が挙げられる。置換されたオキセタニル基としては、例えば、2−エチルオキセタン―3−イル基等が挙げられる。置換されたアミノ基としては、例えば、β―アミノエチルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられる。
官能性基がエポキシ基である場合、R1においては、母体となる非置換の一価炭化水素基中の隣接する二つの炭素原子各々に結合する水素原子が同一の酸素原子で置換されて該炭素原子間に−O−で表される結合が形成されていてもよいし、母体となる非置換の一価炭化水素基の水素原子がエポキシ基含有基(例えば、グリシドキシ基)で置換されていてもよい。官能性基がエポキシ基以外のもの、例えば、オキセタニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、またはイソシアノ基である場合、R1においては、母体となる非置換の一価炭化水素基の水素原子がこれらの官能基によって置換されている。
R1の母体となる非置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルプロチル基、シクロヘキシルブチル基等のシクロアルキルアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基;シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記R1の具体例としては、エポキシ基を有するアルキル基、エポキシ基を有するシクロアルキルアルキル基、オキセタニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基を有するアルキル基、メタクリロイルオキシ基を有するアルキル基、メルカプト基を有するアルキル基、アミノ基を有するアルキル基、シアノ基を有するアルキル基、イソシアノ基を有するアルキル基等が挙げられる。
エポキシ基を有するアルキル基としては、例えば、グリシジル基、β―グリシドキシエチル基、α―グリシドキシプロピル基、β―グリシドキシプロピル基、γ―グリシドキシプロピル基、α―グリシドキシブチル基、β―グリシドキシブチル基、γ―グリシドキシブチル基、δ―グリシドキシブチル基等を挙げることができる。
エポキシ基を有するシクロアルキルアルキル基としては、例えば、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル基、β―(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基、δ―(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチル基等を挙げることができる。
オキセタニル基を有するアルキル基としては、例えば、(2−エチルオキセタン―3−イル)プロピル基等を挙げることができる。
アクリロイルオキシ基を有するアルキル基としては、例えば、アクリロイルオキシメチル基、β―アクリロイルオキシエチル基、β―アクリロイルオキシプロピル基、γ―アクリロイルオキシプロピル基等を挙げることができる。
メタクリロイルオキシ基を有するアルキル基としては、例えば、メタクリロイルオキシメチル基、β―メタクリロイルオキシエチル基、β―メタクリロイルオキシプロピル基、γ―メタクリロイルオキシプロピル基等を挙げることができる。
メルカプト基を有するアルキル基としては、例えば、メルカプトメチル基、β―メルカプトエチル基、β―メルカプトプロピル基、γ―メルカプトプロピル基等を挙げることができる。
アミノ基を有するアルキル基としては、例えば、アミノメチル基、β―アミノエチル基、β―アミノプロピル基、γ―アミノプロピル基、N−(β―アミノエチル)γ―アミノプロピル基、N―フェニル―γ―アミノプロピル基等を挙げることができる。
シアノ基を有するアルキル基としては、例えば、シアノメチル基、β―シアノエチル基、β―シアノプロピル基、γ―シアノプロピル基等を挙げることができる。
イソシアノ基を有するアルキル基としては、例えば、イソシアノメチル基、β―イソシアノエチル基、β―イソシアノプロピル基、γ―イソシアノプロピル基等を挙げることができる。
上記平均組成式(1)中、官能基を有しない、R2で表されるアルキル基、アルケニル基およびアリール基は、通常、炭素原子数が1〜6のものである。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、アリル基、ビニル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
上記平均組成式(1)中、Xで表されるアルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基およびアシル基は、炭素原子数が1〜6のものである。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、アリル基、ビニル基等が挙げられる。アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基等が挙げられる。アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられる。Xとしては、水素原子、メチル基、イソブチル基が特に好ましい。
上記平均組成式(1)中、aは正数であり、bは0又は正数であり、a+bは1.00〜1.5の数であり、好ましくは1.05〜1.3、特に好ましくは1.1〜1.2の数であり、cは0<c<2を満たす数であり、好ましくは0.01〜1.0、特に好ましくは0.05〜0.3の数である。a+bが1.00未満である場合には、得られる被膜はクラックが入り易いものとなることがある。a+bが1.5を超える場合には、得られる被膜は強靭性がなく、脆くなり易いものとなることがある。cが0である場合には、得られる被膜の基材に対する接着性が劣ることがある。cが2以上の場合には、硬化被膜が得られないことがある。また、a+b+cは1.00<a+b+c<2を満たす数であり、好ましくは1.00<a+b+c≦1.5を満たす数であり、より好ましくは1.05〜1.5の数、特に好ましくは1.1〜1.3の数である。
<製造方法>
上記官能性基を有する高分子量オルガノポリシロキサンは、
(i)加水分解性基を有するシラン化合物を第一次の加水分解および縮合に供してオルガノポリシロキサンを得ること(工程(i))と、
(ii)該オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供すること(工程(ii))と、
を含む方法により製造される。
上記官能性基を有する高分子量オルガノポリシロキサンは、
(i)加水分解性基を有するシラン化合物を第一次の加水分解および縮合に供してオルガノポリシロキサンを得ること(工程(i))と、
(ii)該オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供すること(工程(ii))と、
を含む方法により製造される。
<工程(i)>
工程(i)の出発原料として使用される上記加水分解性基を有するシラン化合物としては、例えば、下記一般式(2):
R3Si(OX1)3 (2)
(式中、R3は前記で定義したR1と同じであり、X1は前記で定義したXと同じである)
で表される官能性基と加水分解性基とを有するシラン化合物、下記一般式(3):
R4 dSi(OX2)4-d (3)
(式中、R4は独立に、前記で定義したR2と同じであり、X2は独立に、前記で定義したXと同じであり、dは0〜3の整数である。)
で表されるシラン化合物(d=1〜3)およびシリケート(d=0)ならびに該シリケートの縮重合物(即ち、ポリシリケート)(以下、上記一般式(3)で表されるシリケートとポリシリケートとを併せて「(ポリ)シリケート」という。)が挙げられる。上記加水分解性基を有するシラン化合物は、好ましくは上記一般式(2)で表されるシラン化合物のみであるか、上記一般式(2)で表されるシラン化合物と上記一般式(3)で表されるシラン化合物および/または上記(ポリ)シリケートとの組み合わせである。上記一般式(2)で表されるシラン化合物、上記一般式(3)で表されるシラン化合物および上記(ポリ)シリケートは、それぞれ一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
工程(i)の出発原料として使用される上記加水分解性基を有するシラン化合物としては、例えば、下記一般式(2):
R3Si(OX1)3 (2)
(式中、R3は前記で定義したR1と同じであり、X1は前記で定義したXと同じである)
で表される官能性基と加水分解性基とを有するシラン化合物、下記一般式(3):
R4 dSi(OX2)4-d (3)
(式中、R4は独立に、前記で定義したR2と同じであり、X2は独立に、前記で定義したXと同じであり、dは0〜3の整数である。)
で表されるシラン化合物(d=1〜3)およびシリケート(d=0)ならびに該シリケートの縮重合物(即ち、ポリシリケート)(以下、上記一般式(3)で表されるシリケートとポリシリケートとを併せて「(ポリ)シリケート」という。)が挙げられる。上記加水分解性基を有するシラン化合物は、好ましくは上記一般式(2)で表されるシラン化合物のみであるか、上記一般式(2)で表されるシラン化合物と上記一般式(3)で表されるシラン化合物および/または上記(ポリ)シリケートとの組み合わせである。上記一般式(2)で表されるシラン化合物、上記一般式(3)で表されるシラン化合物および上記(ポリ)シリケートは、それぞれ一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
上記一般式(2)で表される官能性基と加水分解性基とを有するシラン化合物としては、例えば、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、(2−エチルオキセタン−3−イル)プロピルトリメトキシシラン、3−エチル−(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
上記一般式(3)で表されるシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のオルガノトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン等が挙げられる。
上記一般式(3)で表されるシリケートとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピルオキシシラン等のテトラアルコキシシラン(即ち、アルキルシリケート)等が挙げられる。上記ポリシリケートとしては、例えば、アルキルシリケートの縮重合物(アルキルポリシリケート)が挙げられ、その具体例としては、メチルポリシリケート、エチルポリシリケート等が挙げられる。
上記加水分解性基を有するシラン化合物は、加水分解性基を一分子中に3個有するシラン化合物(即ち、上記一般式(2)で表されるシラン化合物およびd=1である場合の上記一般式(3)で表されるシラン化合物)を合計で50モル%以上、特に70モル%以上、とりわけ75モル%以上含有するものであることが好ましい。加水分解性基を一分子中に3個有するシラン化合物の具体例としては、上記オルガノトリアルコキシシラン等のオルガノトリヒドロカルビルオキシシラン等が挙げられる。前記加水分解性基を一分子中に3個有するシラン化合物は、オルガノトリアルコキシシランであることが特に好ましい。
上記加水分解性基を有するシラン化合物の加水分解および縮合は、通常の方法で行えばよいが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の塩基触媒の存在下で行うことが好ましい。特に水酸化テトラメチルアンモニウム触媒を用いた場合には、上記加水分解性基を有するシラン化合物をアルコール性有機溶剤中で加水分解し、その後、芳香族化合物類等の有機溶剤で平衡化反応を行うことにより、目的とする適切な分子量の加水分解縮合物を得ることができる。塩基触媒を使用する場合、その使用量は、例えば、加水分解性基を有するシラン化合物中の加水分解性基の合計1モル当り、0.001〜0.1モル、好ましくは0.005〜0.05モル程度とすることができる。該使用量が上記範囲を満足する場合、目的とする適切な分子量の加水分解縮合物を得ることができる。
工程(i)の加水分解および縮合の際に添加される水の量は、上記加水分解性基を有するシラン化合物中の加水分解性基(通常、アルコキシ基等のヒドロカルビルオキシ基)の合計量1モル当り、通常、1.5〜2.0モルであり、好ましくは1.6〜1.8モルである。この添加量が1.5〜2.0モルの範囲を満たすと、後述の組成物は作業性が優れ、その硬化物は強靭性が優れたものとなる。
上記加水分解性基を有するシラン化合物は、通常、アルコール類、芳香族化合物類等の有機溶剤に溶解して使用することが好ましい。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール等が挙げられる。芳香族化合物類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。より具体的には、例えば、まず、イソプロピルアルコール中で上記加水分解性基を有するシラン化合物を加水分解し、その後、溶剤をトルエンと置換することが好ましい。アルコール中ではランダムな加水分解が起こり、その後、芳香族化合物中では平衡化反応が起こる結果、目的とする適切な分子量の加水分解縮合物を得ることができる。
工程(i)の加水分解および縮合の反応温度は、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜30℃である。反応温度がかかる範囲を満たすと、ゲル化することなく、次の工程に使用可能な分子量の加水分解縮合物が得られる。
こうして工程(i)で目的とするオルガノポリシロキサンが得られる。このオルガノポリシロキサンは、上記有機溶剤を使用した場合には溶液の状態で得られる。該オルガノポリシロキサンは、溶液の状態で工程(ii)に用いても、溶剤を留去して不揮発分のみとしてから工程(ii)に用いてもよい。通常、該オルガノポリシロキサンは、工程(ii)に供するときには、溶剤等の揮発分が5質量%以上であることが好ましく、10〜35質量%であることがより好ましい。揮発分が5質量%未満ではゲル化し易くなることがあり、35質量%を超えると反応性が低下することがある。工程(i)で得られるオルガノポリシロキサンのポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは5×102〜1×104、より好ましくは8×102〜8×103、特に好ましくは1×103〜4×103である。該重量平均分子量がかかる範囲を満たすと、工程(ii)において、該オルガノポリシロキサンを高分子量化し易くなり、目的とする適切な高分子量のオルガノポリシロキサンを得ることができる。
・工程(ii)
工程(ii)は、工程(i)で得られた上記オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供するものである。
工程(ii)は、工程(i)で得られた上記オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供するものである。
この第二次の加水分解および縮合は加水分解縮合触媒である陰イオン交換樹脂の存在下で行われることが好ましい。この陰イオン交換樹脂としては、ポリスチレン系陰イオン交換樹脂が好ましい。この陰イオン交換樹脂は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。ポリスチレン系陰イオン交換樹脂の具体例としては、商品名で、ダイヤイオンSAシリ−ズ(SA10A,SA10AOH,SA11A,SA12A,NSA100,SA20A,SA21A)、ダイヤイオンPAシリ−ズ(PA308,PA312,PA316,PA406,PA412,PA418)、ダイヤイオンHPAシリ−ズ(HPA25)、およびダイヤイオンWAシリ−ズ(WA10,WA20,WA21J,WA30)(三菱化学(株)製);アンバーライトIRA-400,IRA-401,IRA-402およびアンバーリストA-26,A-27,A-21(オルガノ(株)製);デユオライトA-101D,A-102D,A-104,A-109,A-132,A-143,A-161,A-161T,A-162,A-171P,A-7,A-30,A-340,A-375,A-377,A-378,A-561(住友化学(株)製)等を挙げることができる。
前記陰イオン交換樹脂の中でも、下記構造式(3):
(4)
で表される分子構造を有する水分含有ポリスチレン系陰イオン交換樹脂が好ましく、この樹脂中に30〜70質量%、とりわけ40〜50質量%の水分を含有するポリスチレン系陰イオン交換樹脂が特に好ましい。上記具体例のうち、SA10AOHは上記構造式(4)で表される分子構造を有し、樹脂中に43〜47質量%の水分を含有するポリスチレン系陰イオン交換樹脂であるので、特に好適に使用される。水分含有ポリスチレン系陰イオン交換樹脂等の陰イオン交換樹脂を用いた場合には、該触媒中の水分が作用して反応が進行する。なお、水分含有ポリスチレン系陰イオン交換樹脂とは、最も一般的なものは、ゲル型のイオン交換樹脂であり、該樹脂粒子内部が均一な架橋高分子で構成されているもので、透明感のある外観である。該樹脂粒子の内部は橋架けされた高分子が均一な網目状の構造となっており、この網目の隙間を通って水分等が粒子内部まで自由に拡散しているものである。水分含有陰イオン交換樹脂を用いない場合には、別途、水を添加する必要がある。その際、水は、樹脂中に30〜70質量%の割合で添加することが好ましい。水がない場合や少なすぎる場合には陰イオンの塩基性が弱くなり、反応性が低下する場合がある。上記適切な割合の水分が存在することによって塩基性が強くなり、反応が良好に進行する。
この陰イオン交換樹脂の使用量は、工程(ii)の出発物質であるオルガノポリシロキサンの不揮発分に対して、通常、1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%である。かかる範囲を満たすと、反応速度が良好であり、かつ得られる高分子量オルガノポリシロキサンはより安定したものとなる。
工程(ii)の加水分解および縮合の反応温度は、0〜40℃が好ましく、特に15〜30℃が好ましい。反応温度がかかる範囲を満たすと、反応速度が良好であり、かつ得られる高分子量オルガノポリシロキサンはより安定したものとなる。
工程(ii)の加水分解および縮合は、溶剤中で行うことが好ましく、有機固形成分の濃度が、特には50〜95質量%、とりわけ65〜90質量%の条件で行うことが好ましい。該濃度がかかる範囲を満たすと、反応速度が良好であり、かつ得られる高分子量オルガノポリシロキサンはより安定したものとなる。
前記溶剤としては、特に限定されないが、沸点が64℃以上であるものが好ましく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール系溶媒;オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられ、更にセロソルブアセテート、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、シクロヘキサノール、ジグライム、トリグライム等の沸点150℃以上の有機溶媒等が挙げられ、好ましくはキシレン、イソブチルアルコール、ジグライム、トリグライム、特に好ましくはイソブチルアルコールである。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
こうして本発明の目的とする、上記平均組成式(1)で表され、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上、典型的には5×104〜6×105、より典型的には6×104〜5×105である高分子量オルガノポリシロキサンが得られる。工程(ii)の加水分解および縮合を溶剤中で行った場合には、該高分子量オルガノポリシロキサンは溶液の状態で得られる。該高分子量オルガノポリシロキサンは、溶液の状態で保存・使用してもよいし、溶媒を留去して不揮発分のみとしてから保存・使用してもよい。該高分子量オルガノポリシロキサンは、溶媒がない状態では容易にゲル化する傾向が強くなるため、保存安定性の観点から、溶液の状態で保存することが好ましく、特に溶液の状態で5℃以下の温度で保存することがより好ましい。
以下、実施例を用いて本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、合成例で用いたメチルトリメトキシシランは信越化学工業(株)製のKBM13(商品名)であり、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシランは信越化学工業(株)製のKBM403(商品名)である。
<実施例1>
イソプロピルアルコール900g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液13g、水91gを3リットルフラスコに仕込んだ後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン255gを添加し、室温で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、系内にトルエン1200gを添加し、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。分液漏斗を用いて、残渣を熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下でトルエンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.7×104であった。
イソプロピルアルコール900g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液13g、水91gを3リットルフラスコに仕込んだ後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン255gを添加し、室温で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、系内にトルエン1200gを添加し、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。分液漏斗を用いて、残渣を熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下でトルエンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.7×104であった。
上記樹脂25gとポリスチレン系陰イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSA10AOH、三菱化学(株)製、水分含有量:43〜47質量%)7.5gとを0.3リットルフラスコに仕込み、室温で48時間、攪拌混合して反応させた。反応終了後、系内にキシレン100gを添加した。この際、キシレン中に不溶のゲルは観察されなかった。イオン交換樹脂をろ別し、減圧下でキシレンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂はポリスチレン換算の重量平均分子量が2.8×105である高分子量体であった。
<実施例2>
イソプロピルアルコール900g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液13g、水91gを3リットルフラスコに仕込んだ後、あらかじめ混合しておいたγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン128gおよびメチルトリメトキシシラン74gを添加し、室温で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、系内にトルエン1200gを添加し、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。分液漏斗を用いて、残渣を熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下でトルエンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.6×104であった。
イソプロピルアルコール900g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液13g、水91gを3リットルフラスコに仕込んだ後、あらかじめ混合しておいたγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン128gおよびメチルトリメトキシシラン74gを添加し、室温で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、系内にトルエン1200gを添加し、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。分液漏斗を用いて、残渣を熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下でトルエンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.6×104であった。
上記樹脂25gとポリスチレン系陰イオン交換樹脂(商品名:ダイヤイオンSA10A、三菱化学(株)製、水分含有量:43〜47質量%)5gとを0.3リットルフラスコに仕込み、室温で48時間、攪拌混合して反応させた。反応終了後、系内にキシレン100gを添加した。この際、キシレン中に不溶のゲルは観察されなかった。イオン交換樹脂をろ別し、減圧下でキシレンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂はポリスチレン換算の重量平均分子量が2.5×105である高分子量体であった。
<比較例1>
イソプロピルアルコール900g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液40g、水183gを3リットルフラスコに仕込んだ後、あらかじめ混合しておいたγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン128gおよびメチルトリメトキシシラン74gを添加し、室温で72時間攪拌して反応させた。反応終了後、系内にトルエン1200gを添加し、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。分液漏斗を用いて、残渣を熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下でトルエンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は2.2×104であった。
イソプロピルアルコール900g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液40g、水183gを3リットルフラスコに仕込んだ後、あらかじめ混合しておいたγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン128gおよびメチルトリメトキシシラン74gを添加し、室温で72時間攪拌して反応させた。反応終了後、系内にトルエン1200gを添加し、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。分液漏斗を用いて、残渣を熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下でトルエンを除去して樹脂を得た。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は2.2×104であった。
<比較例2>
イソプロピルアルコール1200g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液19g、水75gを3リットルフラスコに仕込んだ後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン363gを添加し、25℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。残渣をトルエンに溶解して、分液漏斗を用いて、熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、樹脂トルエン溶液を得た(樹脂分255g)。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は2.4×104であった。
イソプロピルアルコール1200g、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液19g、水75gを3リットルフラスコに仕込んだ後、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン363gを添加し、25℃で20時間攪拌して反応させた。反応終了後、減圧下でイソプロピルアルコール等を除去した。残渣をトルエンに溶解して、分液漏斗を用いて、熱水にて洗浄した。水層が中性になるまで、洗浄を行った後、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、樹脂トルエン溶液を得た(樹脂分255g)。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は2.4×104であった。
上記樹脂トルエン溶液(樹脂分255g)を2リットルフラスコに仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウム15g、水22gを添加し、室温で攪拌混合して反応させた。2時間経過後、トルエン不溶のゲルが生成した。
<評価>
実施例1および2に示したとおり、特にイオン交換樹脂を用いて第二次の加水分解および縮合を行う本発明の方法により、ゲル生成を伴うことなく、所望の官能性基を含有する高分子量オルガノポリシロキサンが得られた。一方、比較例1に示したとおり、長時間の一次加水分解縮合だけを行い、二次加水分解縮合を行わなかった場合には、触媒量を増やしても、分子量が十分に高いオルガノポリシロキサンは得られなかった。また、比較例2に示したとおり、二次加水分解法として、従来の塩基触媒法を用いると、ゲルが生成してしまった。
実施例1および2に示したとおり、特にイオン交換樹脂を用いて第二次の加水分解および縮合を行う本発明の方法により、ゲル生成を伴うことなく、所望の官能性基を含有する高分子量オルガノポリシロキサンが得られた。一方、比較例1に示したとおり、長時間の一次加水分解縮合だけを行い、二次加水分解縮合を行わなかった場合には、触媒量を増やしても、分子量が十分に高いオルガノポリシロキサンは得られなかった。また、比較例2に示したとおり、二次加水分解法として、従来の塩基触媒法を用いると、ゲルが生成してしまった。
Claims (7)
- 加水分解性基を有するシラン化合物を第一次の加水分解および縮合に供してオルガノポリシロキサンを得ることと、該オルガノポリシロキサンをさらに第二次の加水分解および縮合に供することとを含む、下記平均組成式(1):
R1 aR2 b (OX)cSiO(4-a-b-c)/2 (1)
(式中、R1は同一または異種の官能性基含有一価炭化水素基であり、R2は独立に、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基またはアリール基であり、Xは独立に、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アルケニル基、アルコキシアルキル基またはアシル基であり、aは正数であり、bは0又は正数であり、a+bは1.00〜1.5の数であり、cは0<c<2を満たす数であり、但し、a+b+cは1<a+b+c<2を満たす数である。)
で表されるポリスチレン換算の重量平均分子量が3×104以上である高分子量オルガノポリシロキサンの製造方法。 - 前記R1中に存在する官能性基が、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、およびイソシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に係る製造方法。
- 前記加水分解性基を有するシラン化合物が、加水分解性基を一分子中に3個有するシラン化合物を50モル%以上含有するものである請求項1又は2に係る製造方法。
- 前記加水分解性基を一分子中に3個有するシラン化合物が、オルガノトリアルコキシシランである請求項3に係る製造方法。
- 前記第二次の加水分解および縮合が、陰イオン交換樹脂の存在下で行われる請求項1〜4のいずれか一項に係る製造方法。
- 前記陰イオン交換樹脂がポリスチレン系陰イオン交換樹脂である請求項5に係る製造方法。
- 前記ポリスチレン系陰イオン交換樹脂が水酸化物イオンを含有する請求項6に係る製造方法。
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-
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