JP6293911B2 - 脂環式樹脂、それを得る方法、および高い耐性のコーティングにおけるその用途 - Google Patents

脂環式樹脂、それを得る方法、および高い耐性のコーティングにおけるその用途 Download PDF

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Description

発明の背景
1.発明の分野
本発明は、エポキシ官能基およびアルコキシ(alcoxy)−シラノール官能基を有するシランを含有する脂環式樹脂の合成、ならびにコーティング配合物、特に全天候型のコーティング配合物におけるその用途に関する。
2.関連技術の説明
エポキシ樹脂は、その極めて良好な耐化学薬品性、接着性、および硬度性が周知であるため、塗装およびコーティング業界において、主に新設物またはメンテナンス用のプライマーとして使用されている。また、エポキシ樹脂、主にエピクロロヒドリンおよびビスフェノールAから作製されたエポキシ樹脂は、日光に曝露されると光沢コーティングの光沢を変化させ、ビスフェノール分子の二重結合の酸化によってコーティングが黄変して、「チョーキング」として公知の表面劣化現象が生じることが公知であるため、屋外用コーティングとして使用されることはまれである。
エポキシ樹脂製造の技術水準の進歩により、水添エポキシ脂環式樹脂の利用が近年可能になり、これは高い耐日光劣化性を示すが、そのアミン硬化剤との反応性は、従来の芳香族樹脂よりもかなり低い。また、エポキシ脂環式樹脂と同様の働きをして、エポキシ樹脂の耐化学薬品性、平滑性、および可撓性、ならびにシランに匹敵する天候安定性をもたらすエポキシ官能基を有するシランが多数存在する。
ポリシロキサン樹脂は、耐高温性のコーティングに使用され、これは、乏しい装飾性を有する非常に硬質であるが非常に脆い皮膜を形成することに加えて、装飾的および工業的メンテナンスにおいて使用されるエポキシ樹脂またはアルキド樹脂よりもはるかに高価である。これらの対照的な特徴から、いずれのタイプの樹脂も、コーティング業界において所望される硬度、平滑性、光沢、および強度の高い性能要件を満たす理想的なコーティングに組み入れるのに十分に良好でなく、近年の開発により、両タイプの対照的な樹脂は、好適な量およびタイプで組み合わせてエポキシ−ポリシロキサンハイブリッド樹脂を形成すると、相互に補完することが見出されている。
米国特許第4,250,074号(Raymond E. Foscanteら、1981年に付与)は、エポキシおよびシランポリマーを混合し、両者がその重合反応を同時に終了し、エポキシポリマーが二官能性アミンと反応し、ポリシロキサンが加水分解重縮合によって内部で反応する、ハイブリダイゼーション手順を開示している。ハイブリッドポリマーは、相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)であり、これは、UV照射に耐性があり、チョーキングがない皮膜を形成し、良好な光沢保持性を有するが、皮膜が脆く、低い耐衝撃性および耐摩耗性を有する。
米国特許第5,618,860号(Norman R. Mowrerら、1997年に付与)は、アミノ−シラン硬化剤および適した有機金属触媒と反応させた、加水分解シランと混合したエポキシ脂環式樹脂の使用を開示している。ハイブリッドポリマーは、純粋なエポキシ皮膜と比較して優れた硬度および耐天候性を有する皮膜を生成するが、残りのラジカルの継続的な反応性に起因して、剛性、可撓性および耐衝撃性の欠如の問題が依然として存在する。
より最近の発明、例えば、米国特許出願公開第2007/0213492号(Norman R. Mowrerら、2007年9月13日に公開)(PPG)では、脂環式樹脂はまた、シラン中間体、例えば、Dow製のメトキシ官能性DC−3074とのハイブリダイゼーションにおいて使用されている。他の例は、シラノール官能化樹脂、例えば、同じくDow Corning製のDC−840およびZ6018を含み、これらもまた、最終的に、中間体からのメトキシラジカルの事前加水分解および大気湿度に由来する水によって促される加水分解重縮合を受ける。この最近の開発では、シラン中間体は、水添エポキシ樹脂またはエポキシ官能基を有するシランと混和することが必ず必要である。
石、金属、木材、プラスチック、セメント、および他の基材を保護する必要性は、恒久的なものである。これには、非常に良好な耐衝撃性、靱性、耐候性、および光沢保持性を有し、かつ性能およびコストの特定の特性を達成するために、エポキシまたは他の樹脂、例えば、アクリル、ポリエステル、もしくはポリシロキサンのいずれかとのハイブリダイゼーションを可能にするコーティングの使用が必要である。
米国特許第4,250,074号明細書 米国特許第5,618,860号明細書 米国特許出願公開第2007/0213492号明細書
発明の要旨
本発明の第1の目的は、コーティング業界において所望される硬度、平滑性、光沢、および強度の高い性能要件を満たす樹脂を提供することにある。
本発明のまた別の目的は、非常に良好な耐衝撃性、靱性、耐候性、および光沢保持性を有するコーティングを提供することにある。
別の目的は、エポキシまたは他の樹脂、例えば、アクリル、ポリエステル、もしくはポリシロキサンのいずれかとのハイブリダイゼーションを可能にするコーティングを提供することにある。
本発明の目的はすべて、水添ビスフェノールと、エポキシ官能基およびアルコキシ−シラノール官能基を有するシランとの反応生成物を含有する脂環式樹脂の合成による脂環式樹脂、ならびにコーティング配合物におけるその用途を提供することによって解決される。前記脂環式樹脂は、工業的メンテナンス用の腐食保護コーティングの配合のためのハイブリッド樹脂を製造するために、エポキシ樹脂と官能性アルコキシシランと官能性シラノールとを3種混合し、アミノ−シランと反応させることを回避することができる。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
a)次の式を有するエポキシ官能性シラン
Figure 0006293911
[式中、各R は、メチル、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシから独立して選択され、「X」は、エポキシ−シクロヘキシルまたはグリシドキシ基であってよく、「n」は、1から6の間の整数である]と、
b)次の式を有する水添ビスフェノール
Figure 0006293911
[式中、R は、メチル、エチル、または水素である]と
の反応から得られる脂環式樹脂。
(項目2)
前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から75重量%の間を占め、グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシ−シラン、グリシジルオキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン、およびグリシジルオキシ−プロピル−トリプロポキシ−シランからなる群から選択される、項目1に記載の脂環式樹脂。
(項目3)
前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の50から65重量%の間を占める、項目2に記載の脂環式樹脂。
(項目4)
前記水添ビスフェノールが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から70重量%の間を占め、水添ビスフェノールAまたは水添ビスフェノールFから選択される、項目1に記載の脂環式樹脂。
(項目5)
前記脂環式樹脂の全構成成分の10から40重量%の加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートをさらに含む、項目1に記載の脂環式樹脂。
(項目6)
前記加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートが、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート、およびテトラブチルオルトシリケートからなる群から選択される、項目5に記載の脂環式樹脂。
(項目7)
脂環式樹脂を得るための方法であって、
a)i)次の式を有する水添ビスフェノール
Figure 0006293911
[式中、R は、メチル、エチル、または水素である]、および
ii)次の一般式を有するエポキシ官能性シラン
Figure 0006293911
[式中、各R は、メチル、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシから独立して選択され、「X」は、エポキシ−シクロヘキシルまたはグリシドキシ基であり、「n」は、1から6の間の整数である]
を含むブレンドを調製するステップと、
b)前記ブレンドを、90℃から160℃の範囲で加熱するステップと、
c)有機金属触媒を添加するステップと、
d)アルコールを抽出するステップと、
e)脂環式樹脂を得るステップと
を含む、方法。
(項目8)
前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から75重量%の間であり、グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシ−シラン、グリシジルオキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン、およびグリシジルオキシ−プロピル−トリプロポキシ−シランからなる群から選択される、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の50から65重量%の間である、項目7に記載の方法。
(項目10)
前記水添ビスフェノールが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から70重量%の間を占め、水添ビスフェノールAまたは水添ビスフェノールFから選択される、項目7に記載の方法。
(項目11)
前記有機金属触媒が、オクタン酸亜鉛またはラウリン酸スズから選択される、項目7に記載の方法。
(項目12)
前記エポキシ官能性シランおよび前記水添ビスフェノールの前記ブレンドが、0.7:1.0から2.5:1.0のモル比で行われる、項目7に記載の方法。
(項目13)
前記エポキシ官能性シランおよび前記水添ビスフェノールの前記ブレンドが、1:1のモル比で行われる、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記エポキシ官能性シランおよび前記水添ビスフェノールの前記ブレンドが、2:1のモル比で行われる、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記ブレンドが、前記脂環式樹脂の全構成成分の10から40重量%の加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートを含む、項目7に記載の方法。
(項目16)
前記加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートが、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート、およびテトラブチルオルトシリケートからなる群から選択される、項目15に記載の方法。
(項目17)
a)i)次の式を有するエポキシ官能性シラン
Figure 0006293911
[式中、各R は、メチル、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシから独立して選択され、「X」は、エポキシ−シクロヘキシルまたはグリシドキシ基であり、「n」は、1から6の間の整数である]と、
ii)次の式を有する水添ビスフェノール
Figure 0006293911
[式中、R は、メチル、エチル、または水素である]と
の反応から得られる脂環式樹脂、および
b)多官能性脂肪族アミンもしくはアミノ−シランまたはそれらの混合物を含む硬化剤
を含む、エポキシ−ポリシロキサンコーティング。
(項目18)
前記コーティングの全構成成分の最大で5重量%の、オクタン酸亜鉛、ラウリン酸スズ、およびチタン酸ジブチルからなる群から選択される有機金属触媒をさらに含む、項目17に記載のコーティング。
(項目19)
レオロジー改質剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、顔料、骨材、および溶剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分をさらに含む、項目17に記載のコーティング。
(項目20)
前記脂環式樹脂が、前記コーティングの全構成成分の15重量%から60重量%の間を占める、項目17に記載のコーティング。
(項目21)
前記硬化剤が、脂肪族アミン、アミン付加物、ポリアミドアミン、脂環式アミン、芳香族アミンマンニッヒ塩基、アミノ−シラン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目17に記載のコーティング。
(項目22)
前記硬化剤が、アミノプロピルトリメトキシシランである、項目21に記載のコーティング。
(項目23)
前記コーティングの全構成成分の15から45重量%の間の少なくとも1種の非芳香族エポキシ樹脂、もしくは前記コーティングの全構成成分の10から30重量%の間の少なくとも1種のヒドロキシル化アクリル樹脂、またはそれらの混合物をさらに含む、項目17に記載のコーティング。
(項目24)
前記ヒドロキシル化アクリル樹脂が、ヒドロキシル1当量あたり600から1000グラムの範囲の当量を含む、項目23に記載のコーティング。
発明の詳細な説明
本発明の第1の実施形態は、水添ビスフェノールと、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシ末端基を有するエポキシ官能性シランとの反応から、エポキシ官能基およびアルコキシ−シラノール官能基を有するシランを含む脂環式樹脂を得ることを記載している。
脂環式樹脂は、次の一般式を有するエポキシ官能性シラン:
Figure 0006293911
(式中、各Rは、メチル、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシから独立して選択され、「X」は、エポキシ−シクロヘキシルまたはグリシドキシ基であってよく、「n」は、1から6の間の整数である)と、
次の式を有する水添ビスフェノール
Figure 0006293911
(式中、Rは、メチル、エチル、または水素であってよい)と
のエーテル化反応によって得られる。
エポキシ官能性シランは、脂環式樹脂の全構成成分の30から75重量%の間、好ましくは50から65重量%である。
また、水添ビスフェノールは、脂環式樹脂の全構成成分の30から70重量%、好ましくは35から65重量%である。
好ましくは、水添ビスフェノールは、水添ビスフェノールAまたは水添ビスフェノールFから選択される。
好ましくは、エポキシ官能性シランは、3−グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシ−シラン、3−グリシジルオキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン、γ−グリシドキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン、3−グリシジルオキシ−プロピル−トリプロポキシ−シラン、3−グリシドキシ−プロピル−メチル−ジエトキシ−シラン、2−(3,4エポキシ−シクロヘキシル)エチル−トリメトキシ−シラン、β−(3,4エポキシ−シクロヘキシル)エチル−トリエトキシ−シランであってよく、より好ましくは、エポキシ官能性シランは、3−グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシ−シランである。
エポキシ官能性シランは、エポキシ官能性シランの一方の末端のグリシジル官能基、およびケイ素に連結したメトキシ、エトキシ、またはプロポキシラジカルを含む。反応は、90℃から160℃の範囲の低温で、有機金属触媒の存在下で行う。この反応の生成物として、使用するエポキシ官能性シランのタイプに対応するアルコールが発生し、予測される理論化学量論値の70から90%が抽出されるが、メトキシ官能化シランが、より良好な収率が得られることから好ましい。
水添ビスフェノールの脂環式環は、エポキシ官能性シランと組み合わせると、水添ビスフェノールのヒドロキシル末端基とエポキシ官能性シランのメトキシ、エトキシ、またはプロポキシ末端基との間の加アルコール分解によって、分子に優れた機械的および化学的性質を付与し、加アルコール分解は、分子にオキシラン末端基を与え、これはアミンまたはアミノ−シラン硬化剤と反応することができ、1つまたは複数のメトキシまたはエトキシ部分は、例えば、ポリシロキサン、アクリル、またはエポキシとのハイブリッドを形成することを可能にする他の官能基との組合せに利用可能である。
エーテル化反応は、エポキシ官能性シランと水添ビスフェノールとの間で0.7:1.0から2.5:1.0のモル比で行うことができ、水添ビスフェノール1molあたりエポキシ官能性シランの分子1個または2個が好ましく、より高いモル比のエポキシ官能性シランを使用することによってより多くの末端基が利用可能となり、より密でより強力な連結が形成され、他のタイプの樹脂とのハイブリッドを形成する選択肢を有するという汎用性を有する。
好ましくは、エポキシ官能性シランは、少なくとも2個の利用可能なメトキシ、エトキシ、またはプロポキシ末端基を分子中に有していなければならず、それらのうち少なくとも1個は、水添ビスフェノールのヒドロキシル基と反応することができる。この反応において、使用するエポキシ官能性シランのタイプに対応するアルコールが発生し、このアルコールは、反応が可逆的であることから抽出しなければならない。
発生するアルコールの量は、水添ビスフェノールのヒドロキシル末端基の量によって決まることから、すべての場合において同じである。
脂環式樹脂を得るための反応は、有機金属触媒、例えば、オクタン酸亜鉛またはラウリン酸(laureate)スズによって促進される。
脂環式樹脂を得るのに使用される構成成分のタイプに起因して、水の添加は必要でない。
任意選択で、脂環式樹脂を得るプロセス中にアルキルシリケートを添加してもよく、アルキルシリケートは、水添ビスフェノールとエポキシ官能性シランとの間のエーテル化反応の未反応のメトキシ、エトキシ、またはプロポキシ末端基とより容易に反応することができる、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはヒドロキシル末端基を有する。
好ましくは、アルキル−シリケート(alkyd−silicate)は、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート、またはテトラブチルオルトシリケートからなる群から選択され、アルキル−シリケートは、加水分解または部分加水分解されていてよい。
この場合、脂環式樹脂は、
(a)脂環式樹脂の全構成成分の30から60重量%、好ましくは35から50重量%の水添ビスフェノール、
(b)脂環式樹脂の全構成成分の30から70重量%、好ましくは30から65重量%のエポキシ官能性シラン、
(c)脂環式樹脂の全構成成分の10から40重量%のアルキル−シリケート、および
(d)脂環式樹脂の全構成成分の最大で5重量%の有機金属触媒、例えば、オクタン酸亜鉛またはラウリン酸スズ
から得られる。
脂環式樹脂の硬化機構は、グリシジルと反応することができる多官能性アミンまたはアミノ−シランによって、およびエポキシオキシランとアミンとの反応によって生成されたヒドロキシル基と、未反応のメトキシ末端基との反応によって行うことができる。この脂環式樹脂は、単独で配合してエポキシポリシロキサンを形成する可能性を有し、または主にその耐化学薬品性を強化するために、他の樹脂、例えばエポキシと混合することができる。これはまた、他の樹脂、例えばアクリルで変性することができ、この場合、高い耐化学薬品性および機械的耐性ならびに高い屋外安定性を有するアクリル−エポキシ−ポリシロキサン三元ハイブリッド樹脂を得ることが可能である。
本発明の第2の実施形態では、2液性のポリシロキサン−エポキシコーティングが、第1の実施形態の樹脂の場合と同様に配合される。適切に配合されたコーティングは、耐衝撃性、靱性、可撓性、耐候性、および光沢保持性を有し、配合されたコーティングは、
(a)15から55重量%の本発明の第1の実施形態に従って得られる脂環式樹脂、
(b)10から20重量%のアミノ多官能性硬化剤またはメトキシもしくはエトキシ末端基を有するアミノ−シラン、
(c)最大で5重量%の有機金属触媒、ならびに
(d)顔料および骨材
を含有する。
脂環式樹脂の組成に起因して、コーティング配合物またはそれを得るためのプロセスにおいて水の添加は必要でない。
硬化剤は、アミノ多官能性分子、例えば、脂肪族アミン、アミン付加物、ポリアミドアミン、脂環式アミン、芳香族アミンマンニッヒ塩基であってよく、これらは、次の一般式を有するアミノシラン:
y−Si−(O−Z)
[式中、「Z」は、アルキル(alkyd)、ヒドロキシアルキル(hydroxyalkyd)、アルコキシアルキルであってよく、ここで、炭素数は約6個未満であり、「y」は、H(HNR)n(式中、「R」は、アリール、アルキル、アルコキシアルキル、またはシクロアルキルであり、「n」は、2から6の間の整数である)である]で完全にまたは部分的に置換されていてもよい。「R」は、各「y」分子内で異なり得る。
有機金属触媒は、オクタン酸亜鉛、ラウリン酸スズ、または有機チタネート、好ましくはチタン酸ジブチルから選択される。
組成物はまた、所望の強度および塗布性を達成するために、他の化合物、例えば、レオロジー改質剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、および溶剤を含有し得る。
本発明の第3の実施形態では、少なくとも1種の非芳香族エポキシ樹脂および/または少なくとも1種のアクリル樹脂を含む2液性コーティングが、第1の実施形態の脂環式樹脂の場合と同様に配合される。コーティングは、所望の機械的特性、耐候特性、および光沢保持特性を有する。
その特性およびその組成に起因して、本発明の第1の実施形態による脂環式樹脂は、米国特許第4,250,074号、米国特許第5,618,860号、および米国特許第6,639,025号(Haruji Sakugawa)に記載された混合物の代替となることができ、そこでは、水添エポキシおよびポリシロキサン樹脂をオルガノ−オキシシラン(oxisilano)樹脂に一緒に添加し、続いて、アミノ−シランで硬質化し、ポリシロキサンおよびオルガノ−オキシシラン(oxisilane)樹脂を水を添加して加水分解し、生成されたシラノールを重縮合させて、エポキシ樹脂との線形複合ポリマーを形成している。
脂環式樹脂の組成に起因して、コーティング配合物またはそれを得るプロセスにおいて水の添加は必要でない。
第3の実施形態によるコーティング配合物は、それぞれその対応する硬化剤と反応し、架橋して化学結合の複雑なネットワークを形成する2種のポリマーを同時に形成することを可能にし、それにより、一般的なエポキシタイプの皮膜と比較して優れた強度を有する皮膜が形成され、皮膜は同様に、より良好な耐化学薬品性および硬度、靱性、可撓性、接着力、光沢保持性、日光からの紫外線による劣化に対する耐性などの物性を有し、これは、脂環式コアの存在、複合ハイブリッド分子を保護するのに十分なケイ素基、ならびに脂環式エポキシ樹脂とポリシロキサンアミンとの線状ポリマーの形成に起因する。
本発明の第3の実施形態によるハイブリッドコーティングは、
少なくとも1種の非芳香族エポキシ樹脂および/または少なくとも1種のヒドロキシル化アクリル樹脂、
(a)本発明の第1の実施形態に従って得られる脂環式樹脂、
(b)硬化剤化合物、
(c)有機金属触媒、ならびに
(d)顔料および骨材
を含有して調製される。
組成物はまた、所望の強度および塗布性を達成するために、他の化合物、例えば、レオロジー改質剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、および溶剤を含有し得る。
非芳香族エポキシ樹脂は、1分子あたり1個超、好ましくは2個のエポキシ基を含有する脂環式または脂肪族のタイプであり、好ましくは、液体であり、エポキシ基1個あたり150から2000、好ましくは150から500の当量を有するべきである。好ましい脂環式エポキシ樹脂は、水添ビスフェノールA型のジグリシジルエーテルおよび水添ビスフェノールF型のジグリシジルエーテルである。好ましい脂肪族エポキシ樹脂は、ポリプロピレングリコールとエピクロロヒドリンとの反応から得られるタイプである。好ましいエポキシ樹脂の比は、全樹脂の15から45重量%の範囲であり、好ましい比は少なくとも25重量%である。
硬化剤は、多官能性アミン、例えば、脂肪族アミン、アミン付加物、ポリアミドアミン、脂環式アミン、芳香族アミンマンニッヒ塩基であってよく、これらは、次の一般式を有するアミノシラン:
y−Si−(O−Z)
[式中、「Z」は、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルであってよく、ここで、炭素数は約6個未満の炭素であり、「y」は、H(HNR)nラジカル(式中、「R」は、アリール、アルキル、アルコキシアルキル、またはシクロアルキルラジカルであり、「n」は、2から6の間の整数である)である]で完全にまたは部分的に置換されていてもよい。「R」は、各「y」分子内で異なり得る。
好ましくは、エポキシ1当量あたり少なくとも0.7当量のアミンが硬化剤構成成分中に存在してよく、アミンは、二官能性または多官能性であり得る。
少なくとも1種のエポキシ樹脂および第1の実施形態の脂環式樹脂を含有する場合のコーティングの硬化化学反応は、エポキシ樹脂とアミンとの付加反応に本質があり得、これは、混合物中に存在する脂環式樹脂の未反応のメトキシ、エトキシ、またはプロポキシ末端基に付加され得るヒドロキシル末端置換基を残す。エポキシ樹脂とアミノ−シランとの間の同じ反応を、脂環式樹脂のオキシランラジカルで実施することもできる。
アミンとエポキシラジカルとの各組合せにおいて、ヒドロキシル基が形成され得、これがメトキシ、エトキシ、またはプロポキシ基と化合することにより、対応するアルコールが発生し得る。
本発明の第3の実施形態に従って配合されたコーティングは、
(a)15から55重量%の本発明の第1の実施形態に従って得られる脂環式樹脂、
(b)15から45重量%の1分子あたり少なくとも2個のエポキシ基を有する非芳香族エポキシ樹脂、
(c)10から20重量%のアミノ多官能性硬化剤またはメトキシもしくはエトキシ末端基を有するアミノ−シラン硬化剤、
(d)最大で5重量%の有機金属触媒、ならびに
(e)顔料および骨材
を含有し得る。
本発明の第2および第3の実施形態の変形物および組成物は、すべての場合において、使用前に一緒に混合される2つの別々の容器に包装された2液型樹脂コーティング系である。
この第3の実施形態では、配合されたコーティングはまた、
(a)20〜60重量%の本発明の第1の実施形態に従って得られる脂環式樹脂、
(b)10〜30重量%の、ヒドロキシル1当量あたり600から1000グラムの範囲の当量を有するヒドロキシル化アクリル樹脂、
(c)10〜30重量%のポリアミンまたはアミノ−シランの硬化剤、
(d)最大で5重量%の有機金属触媒、ならびに
(e)10から40重量%の顔料、フィラー、添加剤、および溶剤
を含有し得る。
この場合、第1の実施形態の脂環式樹脂は、脂環式樹脂の末端基および/または硬化剤の末端基と化学的に反応する、官能性アクリル樹脂と組み合わせて加水分解される。
有機金属触媒は、脂環式樹脂とヒドロキシル化アクリル樹脂との間の加アルコール分解反応を促進し、有機金属触媒は、官能性アクリル樹脂のアミン−グリシジル(glycidylo)ヒドロキシルラジカルとアルキル−シリケートの遊離ヒドロキシルラジカルとの間の反応によって形成され得るシラノールラジカル複合体の加水分解縮合を促進し、加水分解は、環境湿度の存在によって完了して、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシ基をヒドロキシルラジカルに変換する。
有機金属触媒は、オクタン酸亜鉛、ラウリン酸スズ、または有機チタネート、好ましくはチタン酸ジブチルから選択される。
その特性によって好ましいいくつかのアミノ−シラン硬化剤は、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン;N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ジエチレントリアミン;N,N−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,2−エタンジアミン;N,N’−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)−1,2−エタンジアミン;ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン;ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン;アミノプロピルトリメトキシシラン;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン;アミノプロピルトリエトキシシラン;3−アミノプロピルトリエトキシシラン;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン;トリアミノプロピルトリメトキシシラン(triaminopropytrimethoxysilane);N(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン;N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン;N(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシ−シラン;4−(アミノ)−3,3(ジメチル−ブチル)トリメトキシシラン;N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン;N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン;3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン;N−ベンジル−N−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン−塩酸塩(chlorhydrate)、メトキシ末端3−(2−アミノエチル)アミノプロピルフェニルシルセスキオキサン;アミノアルキル(aminoalkyd)基を有するポリジメチルシロキサン;シリル化ポリアザミド;アミノ官能性メチルフェニルシリコーン樹脂溶液;オリゴマー性ジアミノ−シランである。
アミノプロピルトリメトキシシランが、その官能基特性によってとりわけ好ましく、一般的には、二官能性アミノ−シランが好ましく、その理由は、改変された配合の非芳香族エポキシ樹脂のオキシランラジカルと、またはさらに本発明の第1の実施形態による脂環式樹脂のオキシランラジカルと反応する2個の水素ラジカルの存在を併せ持ち、環境条件に対する改善された耐性を示す線状非架橋ポリマーを形成するからである。
(実施例1)
グリシドキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン約130グラムに溶解した水添ビスフェノールA約150グラムを反応させ、加熱を開始し、約140℃の温度で水添ビスフェノールAの溶解に達するまで維持することによって、脂環式樹脂を調製した。透明な溶液に、オクタン酸亜鉛1.2グラムを添加して、大量のメチルアルコールを発生させた。アルコール約28〜30グラムが得られるまでアルコールを抽出した。この時点で、反応が完了したと考えられ、透明な樹脂が得られた。
(実施例2)
1種の樹脂のエポキシ−シランコーティング(本発明の主目的)を調製した。実施例1に従って調製した脂環式樹脂530グラム、分散剤としての酸基を有するアルキルアミドの塩2.65グラム、二酸化チタン113グラム、酢酸ブチル50グラム、ジブチルスズラウレート5.3グラム、および水5.3グラムを、撹拌槽に添加した。均一な混合物が得られるまでブレンドを分散させ、続いて、チタン酸ジブチル4グラムを添加し、30分間撹拌を続けた。ブレンドを、230の当量を有するアミンポリエステル60グラムで硬化した。ブレンドは、従来のスプレー、刷毛、またはローラーによる塗布方法を用いて室温で塗布することができ、高い耐紫外線性を有し、太陽への曝露によるチョーキング形成がなく、極めて良好な可撓性を有する、平滑でつやのある硬質皮膜が得られる。
(実施例3)
実施例1に従って調製した脂環式樹脂530グラム、225の当量を有する脂環式エポキシ樹脂約480グラムをブレンドし、二酸化チタン約300グラムを、分散添加剤としてのアルキルアミドの塩とともに、粉砕物において6Hegmanの分散度(fineness)が得られるまでブレンドに分散させることによって、ハイブリッドコーティングを調製した。得られたペーストを、230の当量を有するアミン官能性樹脂500グラムと反応させ、湿潤膜厚0.15から0.18mm(6から7ミル)に容易にスプレー塗布するために酢酸ブチル150グラムで薄めた。指触乾燥が約5時間で実現され、98%のGardnerグロスユニットを有する平滑な皮膜が翌日に得られた。BYK−Gardner鉛筆硬度試験に従って硬度Hが達成され、皮膜はまた、極めて良好な可撓性を示した。厚さ0.10から0.13mm(4から5ミル)の乾燥皮膜は、極めて良好な耐衝撃性および耐紫外光性を有していた。
(実施例4)
変性シラン−エポキシ樹脂を調製した。抽出凝縮システムを装着した撹拌フラスコに、グリシドキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン250グラムを添加し、次いで、撹拌および加熱を開始した。水添ビスフェノールA140グラムおよびオクタン酸亜鉛2グラムを60分で添加した。温度が100から105℃に達すると、アルコールが発生し、水添ビスフェノールAが系に溶解し始めた。温度を150℃で2時間維持し、その後、温度は上昇傾向を示し、アルコール発生が終了し、メチルアルコール64グラムを抽出した。この時点で、反応が完了した。調製した樹脂40グラムを、600から800グラムの間のOH当量を有するヒドロキシル化アクリル樹脂20グラムと混合し、次いで、ブレンドを、従来のスプレー、刷毛、またはローラーによる方法によって清浄な金属パネルに塗布した。約2時間乾燥した後、極めて良好な耐光性を有する平滑で透明な可撓性の硬質皮膜が得られる。シラン−エポキシ樹脂は、最大で260℃の継続的な耐熱性を有する高い耐天候性および耐高温性のコーティングを配合するのに非常に適していた。
本発明を、そのある特定の好ましい変形例を参照してかなり詳細に説明したが、他の変形例も可能である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、本明細書に記載された好ましい変形例に限定されるべきではない。
こうして説明された本発明は、当業者にとって多くの様式で変形することが可能である。そのような変形は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、当業者にとって明らかであると思われるすべての改変は、以下の特許請求の範囲の範囲内に含まれると考えられる。

Claims (24)

  1. a)次の式を有するエポキシ官能性シラン
    Figure 0006293911

    [式中、各Rは、メチル、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシから独立して選択され、 のうちメチルであるのは、多くても1つであり、「X」は、エポキシ−シクロヘキシルまたはグリシドキシ基であってよく、「n」は、1から6の間の整数である]と、
    b)次の式を有する水添ビスフェノール
    Figure 0006293911

    [式中、Rは、メチル、エチル、または水素である]と
    の反応から得られる、エポキシ官能基およびアルコキシ−シラノール官能基を有するシランを含有する脂環式樹脂。
  2. 前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から75重量%の間を占め、グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシ−シラン、グリシジルオキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン、およびグリシジルオキシ−プロピル−トリプロポキシ−シランからなる群から選択される、請求項1に記載の脂環式樹脂。
  3. 前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の50から65重量%の間を占める、請求項2に記載の脂環式樹脂。
  4. 前記水添ビスフェノールが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から70重量%の間を占め、水添ビスフェノールAまたは水添ビスフェノールFから選択される、請求項1に記載の脂環式樹脂。
  5. 前記脂環式樹脂の全構成成分の10から40重量%の加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートをさらに含む、請求項1に記載の脂環式樹脂。
  6. 前記加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートが、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート、およびテトラブチルオルトシリケートからなる群から選択される、請求項5に記載の脂環式樹脂。
  7. エポキシ官能基およびアルコキシ−シラノール官能基を有するシランを含有する脂環式樹脂を得るための方法であって、
    a)i)次の式を有する水添ビスフェノール
    Figure 0006293911

    [式中、Rは、メチル、エチル、または水素である]、および
    ii)次の一般式を有するエポキシ官能性シラン
    Figure 0006293911

    [式中、各Rは、メチル、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシから独立して選択され、 のうちメチルであるのは、多くても1つであり、「X」は、エポキシ−シクロヘキシルまたはグリシドキシ基であり、「n」は、1から6の間の整数である]
    を含むブレンドを調製するステップと、
    b)前記ブレンドを、90℃から160℃の範囲で加熱するステップと、
    c)有機金属触媒を添加するステップと、
    d)アルコールを抽出するステップと、
    e)脂環式樹脂を得るステップと
    を含む、方法。
  8. 前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から75重量%の間であり、グリシジルオキシ−プロピル−トリメトキシ−シラン、グリシジルオキシ−プロピル−トリエトキシ−シラン、およびグリシジルオキシ−プロピル−トリプロポキシ−シランからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記エポキシ官能性シランが、前記脂環式樹脂の全構成成分の50から65重量%の間である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記水添ビスフェノールが、前記脂環式樹脂の全構成成分の30から70重量%の間を占め、水添ビスフェノールAまたは水添ビスフェノールFから選択される、請求項7に記載の方法。
  11. 前記有機金属触媒が、オクタン酸亜鉛またはラウリン酸スズから選択される、請求項7に記載の方法。
  12. 前記エポキシ官能性シランおよび前記水添ビスフェノールの前記ブレンドが、0.7:1.0から2.5:1.0のモル比で行われる、請求項7に記載の方法。
  13. 前記エポキシ官能性シランおよび前記水添ビスフェノールの前記ブレンドが、1:1のモル比で行われる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記エポキシ官能性シランおよび前記水添ビスフェノールの前記ブレンドが、2:1のモル比で行われる、請求項12に記載の方法。
  15. 前記ブレンドが、前記脂環式樹脂の全構成成分の10から40重量%の加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートを含む、請求項7に記載の方法。
  16. 前記加水分解または部分加水分解されたアルキルシリケートが、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート、およびテトラブチルオルトシリケートからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. a)i)次の式を有するエポキシ官能性シラン
    Figure 0006293911

    [式中、各Rは、メチル、メトキシ、エトキシ、またはプロポキシから独立して選択され、 のうちメチルであるのは、多くても1つであり、「X」は、エポキシ−シクロヘキシルまたはグリシドキシ基であり、「n」は、1から6の間の整数である]と、
    ii)次の式を有する水添ビスフェノール
    Figure 0006293911

    [式中、Rは、メチル、エチル、または水素である]と
    の反応から得られる、エポキシ官能基およびアルコキシ−シラノール官能基を有するシランを含有する脂環式樹脂、および
    b)多官能性脂肪族アミンもしくはアミノ−シランまたはそれらの混合物を含む硬化剤
    を含む、エポキシ−ポリシロキサンコーティング組成物
  18. 前記コーティング組成物の全構成成分の最大で5重量%の、オクタン酸亜鉛、ラウリン酸スズ、およびチタン酸ジブチルからなる群から選択される有機金属触媒をさらに含む、請求項17に記載のコーティング組成物
  19. レオロジー改質剤、分散剤、湿潤剤、可塑剤、消泡剤、顔料、骨材、および溶剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分をさらに含む、請求項17に記載のコーティング組成物
  20. 前記脂環式樹脂が、前記コーティング組成物の全構成成分の15重量%から60重量%の間を占める、請求項17に記載のコーティング組成物
  21. 前記硬化剤が、脂肪族アミン、アミン付加物、ポリアミドアミン、脂環式アミン、芳香族アミンマンニッヒ塩基、アミノ−シラン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載のコーティング組成物
  22. 前記硬化剤が、アミノプロピルトリメトキシシランである、請求項21に記載のコーティング組成物
  23. 前記コーティング組成物の全構成成分の15から45重量%の間の少なくとも1種の非芳香族エポキシ樹脂、もしくは前記コーティング組成物の全構成成分の10から30重量%の間の少なくとも1種のヒドロキシル化アクリル樹脂、またはそれらの混合物をさらに含む、請求項17に記載のコーティング組成物
  24. 前記ヒドロキシル化アクリル樹脂が、00から1000グラムの範囲のヒドロキシル当量を有する、請求項23に記載のコーティング組成物
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