JP2005097405A - エポキシ樹脂及びそれを用いた塗料用組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂及びそれを用いた塗料用組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005097405A JP2005097405A JP2003332006A JP2003332006A JP2005097405A JP 2005097405 A JP2005097405 A JP 2005097405A JP 2003332006 A JP2003332006 A JP 2003332006A JP 2003332006 A JP2003332006 A JP 2003332006A JP 2005097405 A JP2005097405 A JP 2005097405A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- group
- compound
- epoxy
- curing agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Epoxy Resins (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
【課題】耐候性、耐食性、密着性に優れ、塗料、接着剤、電気・電子材料のコーティング剤等の用途に使用できるエポキシ樹脂とその製造方法を提供する。
【解決手段】分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物、好ましくは芳香族環の含有量が50質量%未満である多価エポキシ化合物(A)と、イソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)とを反応させてなるエポキシ樹脂、及び該エポキシ樹脂と硬化剤よりなる塗料用組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物、好ましくは芳香族環の含有量が50質量%未満である多価エポキシ化合物(A)と、イソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)とを反応させてなるエポキシ樹脂、及び該エポキシ樹脂と硬化剤よりなる塗料用組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐候性、耐食性、密着性に優れ、塗料、接着剤、電気・電子材料のコーティング剤等の用途に使用できるエポキシ樹脂とその製造方法に関する。
エポキシ樹脂とその硬化剤を主成分とする塗料は一般に可撓性、耐衝撃性、密着性、耐食性などに優れており、船舶、橋梁、水門ゲート、プラント及び建築構造物等に広く使用されている。これらに適用される重防食塗料はビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤とからなる2液型常温硬化塗料が一般的に使用される。しかしながら、ビスフェノールAあるいはビスフェノールFとエピハロヒドリンから製造されるエポキシ樹脂を主成分としたこれらの塗料は耐候性が非常に劣るため、耐候性が要求される屋外においては主に下塗り及び中塗りとして使用され、上塗りに適用されることは希であった。
一方、耐候性に優れる材料としてポリウレタン樹脂組成物、アクリルシリコン樹脂組成物、フッ素樹脂組成物等が適用されているが、これらの塗料は密着性、防食性が劣るため鋼板に直接塗布することができず、通常エポキシ樹脂などのプライマー塗膜の上に塗布されており、塗装工程上問題がある。
この耐候性を改良する方法として脂環式または脂肪族骨格を有するエポキシ樹脂を使用することが知られているが、耐食性、密着性、加工性等の物性低下が著しい問題があった。
また、環状テルペン化合物にフェノール類を付加して得られるテルペン構造骨格含有フェノール化合物とエポキシ樹脂を用いた組成物が提案されている(特許文献1)。該エポキシ樹脂組成物は、ターペンに対する溶解性、耐候性、耐食性、耐水性に優れているため各種塗料、接着剤、封止材等の用途に有用であると記載されている。しかし、上述のエポキシ樹脂は、耐食性、耐候性は若干向上するものの、耐候性についても満足し得るものではない。
他に、エポキシ樹脂とポリシロキサンとアルコキシ基を含有する低分子量のオルガノシロキサンと2官能性アミンの組成物が提案されている(特許文献2)。該組成物は、エポキシ樹脂とポリシロキサンとの相溶性が不十分であり、防食性、耐候性が十分でなく、保護と美粧性を満足するまでには至っていない。
さらに、一分子中に水酸基を1個以上含有するエポキシ樹脂成分とアルコキシル基を含有するオルガノポリシロキサンとを加熱して脱アルコール縮合反応させてなる塗料用樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。しかし、この組成物はエポキシ樹脂とポリシロキサンとの相溶性は改良されるものの耐候性、防食性、密着性についてはまだ不十分である。
特開平8−134175号公報
特表平10−509195号公報
特開2000−319582号公報
本発明の目的は、エポキシ樹脂の最大の欠点である耐候性を改良し、優れた耐食性、密着性を有する塗膜を与えることのできるエポキシ樹脂とその製造方法及び該エポキシ樹脂を含有する塗料用組成物を提供することにある。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)とイソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)とを反応させてなるエポキシ樹脂。
(1)分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)とイソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)とを反応させてなるエポキシ樹脂。
(2)分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)が芳香族環の含有量が50質量%未満である多価エポキシ化合物である(1)項に記載のエポキシ樹脂。
(3)分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)が水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂と多価アルコール(a)を付加反応させて得られたものである(1)項又は(2)項に記載のエポキシ樹脂。
(4)多価アルコール(a)がトリメチロールプロパンである(3)項に記載のエポキシ樹脂。
(5)イソシアナト基を有する有機珪素化合物(B)が下記一般式(1)で表される(1)項〜(4)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
OCN(CH2)mSiXnR(3-n) (1)
(但し、Rは水素又は炭素数1〜10の一価炭化水素基、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜20の整数を示す)
OCN(CH2)mSiXnR(3-n) (1)
(但し、Rは水素又は炭素数1〜10の一価炭化水素基、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜20の整数を示す)
(6)イソシアナト基を有する有機珪素化合物(B)が、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリメトキシシランから選ばれる1種又は2種以上の化合物である(1)項〜(5)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
(7)分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)100質量部に対しイソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)を1〜100質量部の比率で使用することを特徴とする(1)項〜(6)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
(8)前記(1)項〜(7)項のいずれかに記載のエポキシ樹脂と硬化剤よりなる塗料用組成物。
(9)硬化剤がアミン系硬化剤であることを特徴とする(8)項に記載の塗料用組成物。
(10)アミン系硬化剤が脂肪族ポリアミン類、脂環族ポリアミン類、複素環式ポリアミン類及びそれらのアダクト化合物、マンニッヒ化合物又はケチミン化合物及びアミノ基含有シランカップリング剤(b)の1種又は2種以上から選ばれる(9)項に記載の塗料用組成物。
(11)硬化触媒として有機金属化合物を含んでなる(10)項に記載の塗料用組成物。
本発明の製造方法により得られたエポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂の最大の欠点である耐候性を改良したもので、常温硬化でき、その塗膜は優れた耐食性、密着性、耐候性を有するため各種塗料、接着剤等の用途に有用である。
以下、本発明のエポキシ樹脂及びそれを用いた塗料用組成物について詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、下記多価エポキシ化合物(A)中の水酸基と下記イソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)のイソシアナト基とを反応させてなるものであり、本発明のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂を主鎖とし側鎖にアルコキシ基を有するものである。本エポキシ樹脂を用いた塗料組成物は、樹脂中に導入されたアルコキシル基の加水分解性によって生じるシラノールが分子間で結合して耐候性、耐食性、耐熱性に優れた架橋結合を形成する、またシラノールが基材表面の水酸基或いは酸化面と反応して基材に対する強固な結合をもたらす特徴を有するものである。
(多価エポキシ化合物)
本発明に用いられる水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)は、例えば、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ハロゲン化ビスフェノールA、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン(通称ビスフェノールF)、1,1−ビス(4,4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4,4’−ヒドロキシフェニル)スルフォン(通称ビスフェノールS)等のビスフェノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、二塩基酸、ダイマー酸等のエステル型エポキシ化合物、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ピロカテコール、tert−ブチルカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール型エポキシ化合物、テルペンジフェノール型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂と多価アルコールとを付加させて得られたエポキシ化合物などを挙げることができる。
本発明に用いられる水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)は、例えば、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、ハロゲン化ビスフェノールA、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン(通称ビスフェノールF)、1,1−ビス(4,4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4,4’−ヒドロキシフェニル)スルフォン(通称ビスフェノールS)等のビスフェノール型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、二塩基酸、ダイマー酸等のエステル型エポキシ化合物、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ピロカテコール、tert−ブチルカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール型エポキシ化合物、テルペンジフェノール型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂と多価アルコールとを付加させて得られたエポキシ化合物などを挙げることができる。
多価エポキシ化合物(A)は、好ましくは多価エポキシ化合物(A)中の芳香族環の含有量が50質量%未満の脂環式エポキシ化合物であり、更に好ましくは水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂と多価アルコールとを付加させて得られたエポキシ化合物である。ここで使用される水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、水添ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの付加重合により得られたエポキシ樹脂又は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を直接水素添加し得られたエポキシ樹脂のどちらでも使用できる。
多価エポキシ化合物(A)は、好ましくはエポキシ当量が170〜2000g/eq、さらに好ましくは200〜1500g/eqの範囲内にあることが硬化剤との反応による硬化性の点から好ましい。これらの多価エポキシ化合物(A)は1種でも2種以上を組み合わせて使用しても良い。
上述の、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂と多価アルコールとを反応させる方法としては、触媒の存在下50℃〜250℃、0.5時間〜10時間の間で反応させて製造することができる。ここで使用される多価アルコールは炭素数5〜12の2価又は3価の脂肪族第一級アルコールであり、例えば1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、1,1,2−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、1,2,3−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、1,1,3−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシメチル)エタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ブタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシメチル)ブタン、1,3,4−トリス(ヒドロキシメチル)ブタン、2,2,3−トリス(ヒドロキシメチル)ブタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ペンタン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ヘキサン、1,2,3−トリス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、1,2,5−トリス(ヒドロキシメチル)オクタン、2,2,4−トリス(ヒドロキシメチル)ノナン、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)ノナン、1−ヒドロキシ−3−オキサ−5,5'−ビス(ヒドロキシメチル)ヘプタン、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水添ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテルなどを挙げることができる。その中でも1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン(通称トリメチロールプロパン)が好適に用いられる。
この反応に用いられるエーテル化触媒としては、エポキシ基と多価アルコールとの反応を進めるような触媒機能を有する化合物であればどのようなものでもよい。例えば、ルイス酸類、アルカリ金属化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、イミダゾール類等が挙げられる。ルイス酸類の具体例としては、塩化第一錫、オクチル酸錫等が挙げられる。アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化リチウム、水酸化リチウム、メトキシナトリウム、水素化ナトリウム等が挙げられる。
有機リン化合物の具体例としては、トリフェニルフォスフィン、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウムアイオダイド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルエチルホスホニウムクロライド等が挙げられる。第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。イミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
その中でもルイス酸類が好適に用いられる。これらの触媒は併用することができる。通常、触媒量は固形分中0.001〜10質量%、好ましくは0.005〜5質量%である。
反応は、無溶剤でも溶媒中でも実施することができる。使用できる溶媒は、例えば、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。芳香族系溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。ケトン系溶媒の具体例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。アミド系溶媒の具体例としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は併用することができる。製造時の合成反応時における固形分濃度は50%〜98質量%が好ましい。
(有機珪素化合物)
本発明に用いられるイソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)は、下記一般式(1)
OCN(CH2)mSiXnR(3-n) (1)
(但し、Rは水素又は炭素数1〜10の一価炭化水素基、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜20の整数を示す)で示される化合物であり、これらの一種又は二種以上が使用されるが、これらのうちでγ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリメトキシシランが好適に用いられる。
本発明に用いられるイソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)は、下記一般式(1)
OCN(CH2)mSiXnR(3-n) (1)
(但し、Rは水素又は炭素数1〜10の一価炭化水素基、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜20の整数を示す)で示される化合物であり、これらの一種又は二種以上が使用されるが、これらのうちでγ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリメトキシシランが好適に用いられる。
有機珪素化合物(B)の使用比率は、好ましくは多価エポキシ化合物(A)100質量部に対し、有機珪素化合物(B)1〜100質量部、更に好ましくは多価エポキシ化合物(A)100質量部に対し、有機珪素化合物(B)5〜70質量部が耐候性、塗膜物性などの点から好適に用いられる。
(エポキシ樹脂の製造方法)
本発明の変性エポキシ樹脂は、上述の多価エポキシ化合物(A)中の水酸基と上述のイソシアナト基と珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)のイソシアナト基との反応によって得られるが、この場合反応に際しては無触媒で実施することができるが、錫、チタン等の金属触媒、ジブチルスズラウレート等の有機金属化合物を使用することができる。これらのうちでは、錫、チタン及びこれらの有機金属化合物が上記反応を効率的に促進するほか、反応により得られたアルコキシシリル基の加水分解及び加水分解により得られたシラノールによる縮合架橋や基材への化学結合による接着をも促進し得る点から好適に用いられる。尚、上述の水酸基とイソシアナト基以外の副反応としては、加水分解性基と水酸基の脱アルコール反応及びエポキシ基とイソシアナト基の反応が考えられる。
本発明の変性エポキシ樹脂は、上述の多価エポキシ化合物(A)中の水酸基と上述のイソシアナト基と珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)のイソシアナト基との反応によって得られるが、この場合反応に際しては無触媒で実施することができるが、錫、チタン等の金属触媒、ジブチルスズラウレート等の有機金属化合物を使用することができる。これらのうちでは、錫、チタン及びこれらの有機金属化合物が上記反応を効率的に促進するほか、反応により得られたアルコキシシリル基の加水分解及び加水分解により得られたシラノールによる縮合架橋や基材への化学結合による接着をも促進し得る点から好適に用いられる。尚、上述の水酸基とイソシアナト基以外の副反応としては、加水分解性基と水酸基の脱アルコール反応及びエポキシ基とイソシアナト基の反応が考えられる。
反応は、無溶剤でも溶媒中でも実施することができる。溶媒としては、イソシアナト基と反応する活性水素をもたないものが使用され、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒が挙げられる。
反応は、通常20℃〜250℃、0.5時間〜30時間の間で反応させて製造する事が出来るが、この際窒素等の不活性ガス雰囲気で反応を行わせるのが好ましい。
(塗料用樹脂組成物)
上記のようにして得られる本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤と組み合わせることにより本発明の塗料用組成物を得ることができる。
上記のようにして得られる本発明のエポキシ樹脂は、硬化剤と組み合わせることにより本発明の塗料用組成物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂に用いられるアミン系硬化剤としては、従来からエポキシ樹脂用硬化剤として通常使用されているものが特に制限無く利用できるが、例えば、ポリアミドアミン類、複素環式ポリアミン類、脂環式ポリアミン類、脂肪族ポリアミン類、変性ポリアミン、ケチミン類、芳香族アミン類、第3級アミン類、イミダゾール類、等を挙げることが出来る。これらの硬化剤の中でも、特に、脂肪族ポリアミン類、脂環族アミン類、複素環式ポリアミン類及びそれらのアダクト化合物、マンニッヒ化合物又はケチミン化合物及びアミノ基含有シランカップリング剤は耐候性が良好なことから好ましい。これらの硬化剤は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
脂肪族アミン類又は脂環式ポリアミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メタキシレンジアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、メタアンジアミン、ノルボルナンジアミン等が挙げられ、これらのアミンアダクトとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテルなどのグリシジル型エポキシ化合物又は、エチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドとのアダクト類、また、それらのマンニッヒ化合物としては、フェノール類とホルムアルデヒドとを反応させて得られるマンニッヒ化合物等を挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂に用いられる上記アミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−シクロヘキシル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらの硬化剤は一種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(硬化触媒)
本発明の塗料用組成物の硬化を促進させるため用いられる硬化触媒としては、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オルガノチタネート、酢酸ナトリウム等の有機金属化合物、及びプロピルアミン、エチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の脂肪族ポリアミン類が挙げられる。これらの硬化触媒の中でもジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物が好適に用いられる。これらの硬化促進剤はアルコキシシリル基の加水分解を促進させるために単独又は2種類以上が使用される。
本発明の塗料用組成物の硬化を促進させるため用いられる硬化触媒としては、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、オルガノチタネート、酢酸ナトリウム等の有機金属化合物、及びプロピルアミン、エチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の脂肪族ポリアミン類が挙げられる。これらの硬化触媒の中でもジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物が好適に用いられる。これらの硬化促進剤はアルコキシシリル基の加水分解を促進させるために単独又は2種類以上が使用される。
本発明のエポキシ樹脂を塗料として用いる場合には、通常溶剤が配合される。この溶剤としては従来からエポキシ樹脂塗料用に用いられる溶剤が特に制限無く利用できるが、例えば、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、グリコール系溶剤、アルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、芳香族含有の炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット、ターペン等が挙げられる。これらの溶剤は任意に2種以上の混合溶剤として用いることもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてキシレン樹脂、石油樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類、モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の反応性または非反応性の希釈剤、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄などの充填剤もしくは顔料、増粘剤、チキソトロピック剤、着色剤、流れ調整剤、触媒、硬化促進剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料分散剤、可塑剤、各種溶剤等の常用の添加物を併用することもできる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を使用して、塗料を調整する方法としては、硬化剤成分を除く前記成分の混合物をロールミル、ボールミル、サンドグラインドミル等の分散装置にて混合分散することにより塗料を調整することができる。これを塗装前に硬化剤と混合し、吹き付け塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等の通常の塗装手段により塗装し、自然乾燥、強制乾燥により硬化塗膜が形成される。
以下実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものとする。
以下に実施例で得られた樹脂の分析方法を記述する。
(1)エポキシ当量の測定は、JIS規格分析法K7236に準拠して測定した。
(2)固形分は、熱風乾燥機を使用し、160℃で90分の条件下で加熱減量法にて測定した。
(1)エポキシ当量の測定は、JIS規格分析法K7236に準拠して測定した。
(2)固形分は、熱風乾燥機を使用し、160℃で90分の条件下で加熱減量法にて測定した。
多価エポキシ化合物(A)の製造例1
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた2L丸底フラスコに、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコートRXE21」、エポキシ当量=214g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)900g、トリメチロールプロパン119g、キシレン54g及び触媒として塩化第一錫0.1gを仕込み、190℃まで系内の温度を上げて7時間反応させた。その後383gのキシレンを投入し、エポキシ当量631g/eq、固形分70%のエポキシ樹脂A−1を得た。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた2L丸底フラスコに、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコートRXE21」、エポキシ当量=214g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)900g、トリメチロールプロパン119g、キシレン54g及び触媒として塩化第一錫0.1gを仕込み、190℃まで系内の温度を上げて7時間反応させた。その後383gのキシレンを投入し、エポキシ当量631g/eq、固形分70%のエポキシ樹脂A−1を得た。
多価エポキシ化合物(A)の製造例2
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた2L丸底フラスコに、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコートRXE21」、エポキシ当量=214g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)900g、ネオペンチルグリコール112g、キシレン54g及び触媒として塩化第一錫0.3gを仕込み、190℃まで系内の温度を上げて6時間反応させた。その後383gのキシレンを投入し、エポキシ当量664g/eq、固形分70%のエポキシ樹脂A−2を得た。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた2L丸底フラスコに、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコートRXE21」、エポキシ当量=214g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)900g、ネオペンチルグリコール112g、キシレン54g及び触媒として塩化第一錫0.3gを仕込み、190℃まで系内の温度を上げて6時間反応させた。その後383gのキシレンを投入し、エポキシ当量664g/eq、固形分70%のエポキシ樹脂A−2を得た。
実施例1
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)500g、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)87.5gを仕込み、80℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で20時間反応させ、エポキシ当量714g/eq、固形分74%のエポキシ樹脂B−1を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、図1に示すように、イソシアナト基の吸収帯に観測された吸収ピークは消失し、逆にウレタン結合の吸収帯に大きな吸収ピークが観測され、本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)500g、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)87.5gを仕込み、80℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で20時間反応させ、エポキシ当量714g/eq、固形分74%のエポキシ樹脂B−1を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、図1に示すように、イソシアナト基の吸収帯に観測された吸収ピークは消失し、逆にウレタン結合の吸収帯に大きな吸収ピークが観測され、本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
実施例2
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)300g、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)165gを仕込み、110℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で9時間反応させ、エポキシ当量951g/eq、固形分80%のエポキシ樹脂B−2を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルの測定を行った。この結果、実施例1と同様に本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)300g、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)165gを仕込み、110℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で9時間反応させ、エポキシ当量951g/eq、固形分80%のエポキシ樹脂B−2を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルの測定を行った。この結果、実施例1と同様に本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
実施例3
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)300g、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)165gを仕込み、110℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で9時間反応させ、エポキシ当量940g/eq、固形分80%のエポキシ樹脂B−3を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルの測定を行った。この結果、実施例1と同様に本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例1で得られたエポキシ樹脂(A−1)300g、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)165gを仕込み、110℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で9時間反応させ、エポキシ当量940g/eq、固形分80%のエポキシ樹脂B−3を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルの測定を行った。この結果、実施例1と同様に本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
実施例4
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例2で得られたエポキシ樹脂(A−2)300g、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)165gを仕込み、110℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で9時間反応させ、エポキシ当量940g/eq、固形分80%のエポキシ樹脂B−4を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルの測定を行った。この結果、実施例1と同様に本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、製造例2で得られたエポキシ樹脂(A−2)300g、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン(「KBE−9007」、信越化学工業株式会社製)165gを仕込み、110℃まで系内の温度を上げて窒素雰囲気下で9時間反応させ、エポキシ当量940g/eq、固形分80%のエポキシ樹脂B−4を得た。この溶液の赤外線吸収スペクトルの測定を行った。この結果、実施例1と同様に本発明のエポキシ樹脂の生成が確認された。
実施例5
実施例1〜4で得られたエポキシ樹脂(B−1)、(B−2)、(B−3)及び(B−4)と比較例1〜4で得られたエポキシ樹脂(C−1)、(C−2)、(C−3)及び(C−4)を用い、硬化剤の活性水素当量とエポキシ樹脂のエポキシ当量の比が1:1になるように配合し、塗料組成物とした。次いで、得られた塗料組成物を乾燥膜厚80〜100ミクロンになるようにバーコーターを使用し金属板上に塗布した。その後23℃で7日放置し硬化させた試験片の塗膜物性を下記のごとく評価し、それらの結果を表1に示す。
実施例1〜4で得られたエポキシ樹脂(B−1)、(B−2)、(B−3)及び(B−4)と比較例1〜4で得られたエポキシ樹脂(C−1)、(C−2)、(C−3)及び(C−4)を用い、硬化剤の活性水素当量とエポキシ樹脂のエポキシ当量の比が1:1になるように配合し、塗料組成物とした。次いで、得られた塗料組成物を乾燥膜厚80〜100ミクロンになるようにバーコーターを使用し金属板上に塗布した。その後23℃で7日放置し硬化させた試験片の塗膜物性を下記のごとく評価し、それらの結果を表1に示す。
<塗膜性能評価方法>
1.耐候性;メタリングバーチカルウェザーメーター「MV3000」を用いて促進試験を実施し、100時間後の光沢保持率を光沢計(鏡面反射率60度)で測定し、黄変度合いを色差計にて測定した。
2.耐食性;塗膜面に基材に達する傷をクロスカット入れた試験片を23℃の5%NaOH水溶液に500時間浸漬し、その塗膜状態を観察し下記基準にて評価した。
○;変化無し △;わずかに発錆 ×;著しい発錆
3.耐衝撃性;JIS K5400に規定のように、デュポン式衝撃試験機により、ポンチ径1/4インチ、錘の重量1Kgを使用して塗膜の耐衝撃高さを確認した。(単位cm)
4.密着性;塗膜の碁盤目セロハンテープ剥離試験(2mm間隔、100目)「残存目数/100」を実施した。
1.耐候性;メタリングバーチカルウェザーメーター「MV3000」を用いて促進試験を実施し、100時間後の光沢保持率を光沢計(鏡面反射率60度)で測定し、黄変度合いを色差計にて測定した。
2.耐食性;塗膜面に基材に達する傷をクロスカット入れた試験片を23℃の5%NaOH水溶液に500時間浸漬し、その塗膜状態を観察し下記基準にて評価した。
○;変化無し △;わずかに発錆 ×;著しい発錆
3.耐衝撃性;JIS K5400に規定のように、デュポン式衝撃試験機により、ポンチ径1/4インチ、錘の重量1Kgを使用して塗膜の耐衝撃高さを確認した。(単位cm)
4.密着性;塗膜の碁盤目セロハンテープ剥離試験(2mm間隔、100目)「残存目数/100」を実施した。
比較例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート1001」、エポキシ当量=475g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)75部をキシレン25部で溶解し、エポキシ当量679g/eqで、固形分75%のエポキシ樹脂C−1を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート1001」、エポキシ当量=475g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)75部をキシレン25部で溶解し、エポキシ当量679g/eqで、固形分75%のエポキシ樹脂C−1を得た。
比較例2
水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(「エピコートRXE21」、エポキシ当量=213g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)100g、メトキシ基含有シリコーン樹脂(「DC3074」、東レダウコーニング社製)112.2g、メチルトリメトキシシラン6.5gを均一になるまで混合し、樹脂組成物C−2を得た。
水添ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(「エピコートRXE21」、エポキシ当量=213g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)100g、メトキシ基含有シリコーン樹脂(「DC3074」、東レダウコーニング社製)112.2g、メチルトリメトキシシラン6.5gを均一になるまで混合し、樹脂組成物C−2を得た。
比較例3
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート834」、エポキシ当量=250g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)60g、メトキシ基含有シリコーン樹脂(「DC3074」、東レダウコーニング社製)40g、キシレン40g、テトライソプロポキシチタン0.1gを仕込み、溶剤を除去しながら、6時間撹拌を継続し、樹脂組成物C−3を得た。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート834」、エポキシ当量=250g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)60g、メトキシ基含有シリコーン樹脂(「DC3074」、東レダウコーニング社製)40g、キシレン40g、テトライソプロポキシチタン0.1gを仕込み、溶剤を除去しながら、6時間撹拌を継続し、樹脂組成物C−3を得た。
比較例4
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート」、エポキシ当量=186g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)186g、テルペン骨格含有フェノール化合物(「YP−90J」、水酸基当量=約200g/eq、ヤスハラケミカル株式会社製)71.5g、キシレン13.6g及び触媒としてテトラメチルアンモニウムブロマイド0.1gを仕込み、160℃まで系内の温度を上げて4時間反応させた。その後96.8gのキシレンを投入し、エポキシ当量643g/eq、固形分70%のエポキシ樹脂C−4を得た。
温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入口を備えた1L丸底フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート」、エポキシ当量=186g/eq、ジャパンエポキシレジン株式会社製)186g、テルペン骨格含有フェノール化合物(「YP−90J」、水酸基当量=約200g/eq、ヤスハラケミカル株式会社製)71.5g、キシレン13.6g及び触媒としてテトラメチルアンモニウムブロマイド0.1gを仕込み、160℃まで系内の温度を上げて4時間反応させた。その後96.8gのキシレンを投入し、エポキシ当量643g/eq、固形分70%のエポキシ樹脂C−4を得た。
比較例5
実施例5と同様の方法で塗料及び試験片を作成し、同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
実施例5と同様の方法で塗料及び試験片を作成し、同様の評価を実施した。結果を表1に示した。
表1中の(*1)及び(*2)はそれぞれ下記の内容を有する。
(*1)NBDA:ノルボルナンジアミン、活性基水素当量38.6。
(*2)ダイトクラールB1969:大都産業(株)製、脂環族アミンアダクト、活性水素当量100。
(*1)NBDA:ノルボルナンジアミン、活性基水素当量38.6。
(*2)ダイトクラールB1969:大都産業(株)製、脂環族アミンアダクト、活性水素当量100。
Claims (11)
- 分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)とイソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)とを反応させてなるエポキシ樹脂。
- 分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)が芳香族環の含有量が50質量%未満である多価エポキシ化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂。
- 分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)が水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂と多価アルコール(a)を付加反応させて得られたものである請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。
- 多価アルコール(a)がトリメチロールプロパンである請求項3に記載のエポキシ樹脂。
- イソシアナト基を有する有機珪素化合物(B)が下記一般式(1)で表される請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
OCN(CH2)mSiXnR(3-n) (1)
(但し、Rは水素又は炭素数1〜10の一価炭化水素基、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基、nは1〜3の整数、mは1〜20の整数を示す) - イソシアナト基を有する有機珪素化合物(B)が、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルトリメトキシシランから選ばれる1種又は2種以上の化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
- 分子中に水酸基を有する多価エポキシ化合物(A)100質量部に対しイソシアナト基及び珪素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機珪素化合物(B)を1〜100質量部の比率で使用することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法により得られるエポキシ樹脂と硬化剤よりなる塗料用組成物。
- 硬化剤がアミン系硬化剤であることを特徴とする請求項8に記載の塗料用組成物。
- アミン系硬化剤が脂肪族ポリアミン類、脂環族ポリアミン類、複素環式ポリアミン類及びそれらのアダクト化合物、マンニッヒ化合物又はケチミン化合物及びアミノ基含有シランカップリング剤(b)の1種又は2種以上から選ばれる請求項9に記載の塗料用組成物。
- 硬化触媒として有機金属化合物を含んでなる請求項10に記載の塗料用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003332006A JP2005097405A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | エポキシ樹脂及びそれを用いた塗料用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003332006A JP2005097405A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | エポキシ樹脂及びそれを用いた塗料用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005097405A true JP2005097405A (ja) | 2005-04-14 |
Family
ID=34460482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003332006A Pending JP2005097405A (ja) | 2003-09-24 | 2003-09-24 | エポキシ樹脂及びそれを用いた塗料用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005097405A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008545861A (ja) * | 2005-06-08 | 2008-12-18 | エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 二成分錆止め塗料、その使用、およびその製造方法 |
KR100970580B1 (ko) | 2010-01-20 | 2010-07-16 | (주)한국방식엔지니어링 | 원자력 발전소용 에폭시 방호도장재 조성물 |
CN103402757A (zh) * | 2011-03-01 | 2013-11-20 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | 基于液晶聚合物薄膜的覆铜箔层压板及其制造方法 |
US8709195B2 (en) | 2008-11-07 | 2014-04-29 | Lord Corporation | Powdered primer for rubber to metal bonding |
US9028968B2 (en) | 2007-08-09 | 2015-05-12 | Akzo Nobel Coatings International B.V. | High solids epoxy coating composition |
JP2017509734A (ja) * | 2014-01-09 | 2017-04-06 | コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー | アルコキシシリル基を有する新規ノボラック硬化剤、その製造方法、それを含む組成物、及び硬化物、並びにその用途 |
CN115260890A (zh) * | 2022-08-19 | 2022-11-01 | 张滨 | 硅烷改性环氧基水性聚氨酯钢构防腐涂料 |
CN115746703A (zh) * | 2022-11-21 | 2023-03-07 | 东莞市雄驰电子有限公司 | 一种基于环氧基氟苯硅树脂所制备的光固化涂料组合物和涂层的方法及应用 |
CN115895395A (zh) * | 2022-07-05 | 2023-04-04 | 衡水新光新材料科技有限公司 | 一种耐候性单组分环氧乳液及其制备方法 |
CN117586731A (zh) * | 2023-12-11 | 2024-02-23 | 旭派电源有限公司 | 一种用于铅酸电池的耐酸黏合剂及其制备方法 |
-
2003
- 2003-09-24 JP JP2003332006A patent/JP2005097405A/ja active Pending
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008545861A (ja) * | 2005-06-08 | 2008-12-18 | エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 二成分錆止め塗料、その使用、およびその製造方法 |
US9028968B2 (en) | 2007-08-09 | 2015-05-12 | Akzo Nobel Coatings International B.V. | High solids epoxy coating composition |
US8709195B2 (en) | 2008-11-07 | 2014-04-29 | Lord Corporation | Powdered primer for rubber to metal bonding |
KR100970580B1 (ko) | 2010-01-20 | 2010-07-16 | (주)한국방식엔지니어링 | 원자력 발전소용 에폭시 방호도장재 조성물 |
CN103402757A (zh) * | 2011-03-01 | 2013-11-20 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | 基于液晶聚合物薄膜的覆铜箔层压板及其制造方法 |
US10519274B2 (en) | 2014-01-09 | 2019-12-31 | Korea Institute Of Industrial Technology | Novolac curing agent with alkoxysilyl group, method for preparing the same, composition containing the same, the cured product, and use thereof |
JP2017509734A (ja) * | 2014-01-09 | 2017-04-06 | コリア インスティチュート オブ インダストリアル テクノロジー | アルコキシシリル基を有する新規ノボラック硬化剤、その製造方法、それを含む組成物、及び硬化物、並びにその用途 |
CN115895395A (zh) * | 2022-07-05 | 2023-04-04 | 衡水新光新材料科技有限公司 | 一种耐候性单组分环氧乳液及其制备方法 |
CN115895395B (zh) * | 2022-07-05 | 2023-07-25 | 衡水新光新材料科技有限公司 | 一种耐候性单组分环氧乳液及其制备方法 |
CN115260890A (zh) * | 2022-08-19 | 2022-11-01 | 张滨 | 硅烷改性环氧基水性聚氨酯钢构防腐涂料 |
CN115746703A (zh) * | 2022-11-21 | 2023-03-07 | 东莞市雄驰电子有限公司 | 一种基于环氧基氟苯硅树脂所制备的光固化涂料组合物和涂层的方法及应用 |
CN115746703B (zh) * | 2022-11-21 | 2023-11-10 | 东莞市雄驰电子有限公司 | 一种基于环氧基氟苯硅树脂所制备的光固化涂料组合物和涂层的方法及应用 |
CN117586731A (zh) * | 2023-12-11 | 2024-02-23 | 旭派电源有限公司 | 一种用于铅酸电池的耐酸黏合剂及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2442801C2 (ru) | Композиция покрытия, содержащая силиконовую смолу, и подложка с нанесенным покрытием | |
US6639025B2 (en) | Elastomer-modified epoxy siloxane compositions | |
US7118621B2 (en) | Organo-functional polysiloxanes | |
US9273177B2 (en) | Curing agents providing a low ratio of thin-film cure time to gel time | |
US6054535A (en) | Acetoacetate functional polysiloxanes | |
ZA200408665B (en) | Epoxy modified organopolysiloxane resin based compositions useful for protective coatings | |
KR101919308B1 (ko) | 경화성 수지 시스템용 수계 아민 경화제 | |
JP6320410B2 (ja) | 反応性エポキシ系における置換されたベンジルアルコールの使用 | |
CN106715535B (zh) | 硅烷官能化的化合物及其组合物 | |
JP3539486B2 (ja) | コーティング組成物 | |
EP3625282B1 (en) | Compositions | |
JP2005097405A (ja) | エポキシ樹脂及びそれを用いた塗料用組成物 | |
JP3954582B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物 | |
KR20160102981A (ko) | 에폭시 수지 조성물 | |
JP6293911B2 (ja) | 脂環式樹脂、それを得る方法、および高い耐性のコーティングにおけるその用途 | |
US20230407102A1 (en) | Polysiloxane-based coating composition | |
EP2920224A1 (en) | Epoxy resin compositions | |
WO2019108630A1 (en) | Single component system | |
JP2003041183A (ja) | コーティング組成物およびその硬化膜 | |
JP2003026990A (ja) | コーティング組成物およびその硬化膜 | |
WO2016053641A1 (en) | Adduct composition |