JP2005179401A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 紫外線などの光に対する耐黄変性に優れ、かつ熱による樹脂の酸化によって応変することがない、耐熱性にも優れた硬化樹脂を与えるエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【解決手段】 水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)と加水分解性アルコキシシラン(a2)とを脱アルコール反応させて得られるシラン変性水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)、およびエポキシ硬化剤(B)を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はエポキシ樹脂組成物に関し、さらに詳しくは耐熱性、耐黄変性に優れたエポキシ樹脂に関する。
紫外発光素子と蛍光体とを組み合わせて製造する白色LEDは、既存の白熱電球、蛍光灯などと比較して消費電力が小さいことから置き換えが検討されている。この種の発光ダイオード(可視光発光)はビスフェノールAグリシジルエーテルを主成分とするエポキシ樹脂で封止されているものであるが、ビスフェノールAのベンゼン環は紫外線を吸収するため、そのエネルギーにより発生したラジカルにより該樹脂が酸化され、発光団を形成して該樹脂が黄変する。このため、LED素子から発光する光が該樹脂により吸収され、LED素子の発光強度の低下と色調の変化が生じるという問題点がある。
この問題点を解決するために、ビスフェノールAグリシジルエーテルに水素添加した水添ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキシ樹脂が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2003−12894
しかしながら、該樹脂は耐熱性が低いため、基板などへのはんだ付け時や、高温動作時の信頼性確保に問題が生じるだけでなく、熱による樹脂の酸化により発色団が形成され、上記のビスフェノールAグリシジルエーテルを主成分とするエポキシ樹脂の場合と同様に樹脂に黄変を生じる。このため紫外線による黄変がなく、耐熱性に優れたエポキシ樹脂が要望されている。
本発明は、紫外線などの光に対する耐黄変性に優れ、かつ耐熱性にも優れた硬化樹脂を与えるエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
本発明者等は、上記問題を解決するため鋭意検討し、本発明に到達した。すなわち本発明は、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)と加水分解性アルコキシシラン(a2)とを脱アルコール縮合反応させて得られるシラン変性水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)、およびエポキシ硬化剤(B)を含有してなるエポキシ樹脂組成物であることを要旨とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化樹脂の耐熱性および耐黄変性が優れているという効果を奏する。
本発明におけるシラン変性水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)に使用される水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)としては、ビスフェノールグリシジルエーテル、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテル、ビスフェノールFグリシジルエーテルおよびビスフェノールADグリシジルエーテルなどに水素付加した構造のものが挙げられるが、これらのうちビスフェノールAグリシジルエーテルに水素付加した構造の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に水素添加する方法により製造したもの(例えば、ジャパンエポキシレジン社製のYX8000等)、水素添加ビスフェノールAとエピクロピドリンとの反応により製造されたもの(例えば、東都化成社製「サントートST−3000」、 新日本理化社製「HBE−100」等)がある。これらのうち、いずれの製造法による水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂も使用できる。
本発明における水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a1)は、加水分解性アルコキシシラン(a2)とエステル交換しうる水酸基を有するものである。当該水酸基は、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂を構成する各分子が有する必要はなく、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、水酸基を有していればよい。例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂は一般式(1)で表される2種以上の混合物である。
Figure 2005179401
[式中、mは0または1以上の整数である。]
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂中のエポキシ当量は180(g/eq、以下のエポキシ当量についても同じ)以上、5,000以下、好ましくは200以上、3000以下、さらに好ましくは2000以下、特に好ましくは1000以下である。エポキシ当量が180未満では、エポキシ樹脂中の水酸基が少なくなり、硬化したエポキシ樹脂中にシリカがうまく分散できず、シリカとエポキシ樹脂が相分離した、白濁した硬化物となる傾向がある。一方5,000を超えると、エポキシ樹脂の1高分子鎖中の水酸基の数が多くなりすぎ、多官能のアルコキシシランとの脱アルコール縮合反応時にゲル化しやすくなる。
また、本発明における加水分解性アルコキシシラン(a2)としては、一般にゾル−ゲル反応に用いられるものを使用できる。例えば、一般式(2)
R1pSi(OR2)4−p (2)
[式中、pは0または1の整数を示す。R1は炭素原子に直結した官能基を持っていてもよい低級アルキル基、アリール基または不飽和脂肪族残基を示す。R2は水素原子または炭素数6以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示し、R2同士はそれぞれ同一でも異なっていても良い。]で表される化合物またはこれらの部分縮合物等を例示できる。R1の炭素原子に直結した官能基としては、ビニル基、メルカプト基、エポキシ基、グリシドキシ基等をあげることができる。
このような加水分解性アルコキシシランの具体例としては、
トリアルコキシシラン(例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等);
テトラアルコキシシラン(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等);
または、これらの部分縮合物等が挙げられる。これらのうち、テトラアルコキシシラン(例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等)またはこれらの部分縮合物等が好ましい。特に一般式(3)で表されるテトラメトキシシランの部分縮合物であるポリテトラメトキシシランが好ましい。
Figure 2005179401
[式中、Meはメチル基を示し、nは0または1以上の整数であり、nの平均繰り返し単位数は1〜7である。]
一般式(3)において、平均繰り返し単位数が7を超えると、溶解性が悪くなり、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂や有機溶媒に不溶化しやすくなるため、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応性が低下する傾向がある。また、繰り返し単位数が小さいと、硬化したエポキシ樹脂中への無機成分の硬化を十分に付与することが困難であるため、特に好ましいnの範囲は4〜5である。
加水分解性アルコキシシランとしては、前記例示のものを特に制限なく使用できるが、トリアルコキシシランまたはこれらの部分縮合物を使用する場合は、通常、加水分解性アルコキシシランのうち40重量%以下の割合にて、テトラアルコキシシランまたはこれらの部分縮合物と併用するのが好ましい。
本発明における(A)は、前記(a1)と(a2)との脱アルコール縮合反応により得られる。(a1)と(a2)との反応比率は、得られる(A)中にアルコキシ基が実質上残存するような割合であれば特に制限されないが、(a2)のシリカ換算重量/(a1)樹脂の重量(重量比)を、0.01~3の範囲にするのが好ましい。生成するシリカが少なくなると、本発明の効果を得がたくなるため、重量比は0.1以上とするのがより好ましい。また、生成するシリカが多くなると不透明化したり、脆くなったりなるため、重量比は1.5以下とするのがより好ましい。特に好ましくは、0.2以上1.0以下である。
ただし、(a1)がエポキシ当量800以上の高分子樹脂であって、かつ(a2)のアルコキシ基の当量/(a1)の水酸基の当量(当量比)が、1付近(化学量論的に当量付近)であると、脱アルコール縮合反応の進行によって溶液の高粘度化やゲル化を招きやすいため、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂の水酸基の当量または加水分解性アルコキシシランのアルコキシ基の当量のいずれか一方が多くなるように前記当量比を1未満または1を超えるように調整するのが好ましい。特に、前記当量比は、0.2〜0.8、または1.2〜100に調整するのが好ましい。より好ましくは0.2〜0.7、または1.3〜50、特に好ましくは0.4〜0.6、または1.4〜25である。
かかる(A)の製造は、たとえば、前記各成分を仕込み、加熱して生成するアルコールを留去しながら脱アルコール縮合反応することにより、行われる。反応温度は50~130℃程度、好ましくは、70~110℃であり、反応時間は1~15時間程度である。この反応は、(a2)自体の重縮合反応を防止するため、実質的に無水条件下で行うのが好ましい。
また、(a1)としてエポキシ当量400以上の高分子量のもの、また(a2)として前記一般式(3)のポリテトラエトキシシランを使用原料とする場合や、上記当量比が1付近の条件を採用する場合には、(a1)の水酸基または(a2)のアルコキシ基のどちらかが完全に消失するまで、脱アルコール反応を行うと、反応系中で生成物の分子量が上がりすぎ、高粘度化、ゲル化する傾向がみられる場合がある。このような場合には、脱アルコール反応を反応途中で、停止させるなどの方法により高粘度化、ゲル化を防ぐ。たとえば、高粘度化した時点で、反応系を環流系にして、反応系からメタノールの留去量を調整したり、反応系を冷却し反応を終了させる方法等を採用できる。
また、上記脱アルコール縮合反応においては、触媒を使用するのが好ましい。触媒としては、有機触媒(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸など);有機金属触媒(例えば、ジブチル錫ジラウレートおよびオクチル酸錫など);アルカリ系(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムおよびアンモニアなど);などの触媒があげられる。これらのうち、オクチル酸錫やジブチル錫ジラウレートが活性が高く、しかも溶解性に優れており特に好ましい。触媒の使用量は使用する触媒の活性、膜厚、潜在性エポキシ樹脂硬化剤の種類により適宜決めることができる。通常、使用するアルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂のアルコキシ基に対し、モル比率で、触媒能力の高いパラトルエンスルホン酸やオクチル酸錫などで0.01~5モル%程度、触媒能力の低いギ酸、酢酸などで0.1~50モル%程度使用される。
上記脱アルコール縮合反応は溶剤中でも、無溶剤でも行うことができる。溶剤としては、(a1)および(a2)を溶解し、かつこれらに対し非活性である有機溶剤であれば特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンなどの非プロトン性極性溶媒が例示できる。
本発明における(A)の中には、未反応の(a1)や(a2)が含有されていても良い。なお、未反応の(a2)は、加水分解、重縮合によりシリカとすることができる。
(A)のアルコキシ基の含有量は、特に限定されないが、このアルコキシ基は溶剤の蒸発や加熱処理により、または水分(湿気)との反応により、ゾルーゲル反応や脱アルコール縮合して、相互に結合した硬化物を形成する。(A)は通常、反応原料となる(a2)のアルコキシ基の50~95モル%、好ましくは60~95モル%を未反応のままで保持しておくのがよい。かかる硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物に、脂環式エポキシ樹脂(C)を配合することができる。(C)はエポキシ組成物を硬化させたとき、硬化物のガラス転移温度をさらに向上させるのに有効である。
(C)としては、例えば、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソーエキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシシクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リノール酸二量体のジグリシジルエーテル、リモネンジオキシド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2−エポキシ−6−(2,3−エポキシプロポキシ)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、p−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1−(2,3−エポキシプロピル)フェニル−5,6−エポキシヘキサヒドロー4,7−メタノインダン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1,2−ビス[5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダンキシル]エタン、シクロペンテニルフェニルグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびジグリシジルヘキサヒドロフタレート等があげられる。 これらの中では、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが原料の入手の容易さ、および、本発明組成物のガラス点転移温度向上の改良効果に優れるという点で好ましい。また、(C)の使用割合は、(A)成分のエポキシ樹脂100重量部に対し、5〜100重量部であり、好ましくは、5〜50重量部、特に好ましくは10〜30重量部である。脂環式エポキシ樹脂が10重量部未満であると、ガラス点転移温度の改良効果が不十分となり、100重量部を超えると、硬化物がもろくなり、クラックが入りやすくなるため好ましくない。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の有する耐熱性、耐光性を損なわない範囲で、各種のエポキシ樹脂を併用することもできる。併用しうるエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;フタル酸、ダイマー酸などの多塩素酸類およびエピクロロヒドリンを反応させて得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミン類とエピクロロヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂などがあげられる。
本発明における(B)としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されている、フェノール樹脂系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリカルボン酸系硬化剤等を特に制限なく使用できる。これら硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤(例えば、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリp−ビニルフェノール等);
ポリアミン系硬化剤[例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン(ポリアミド樹脂)、ケチミン化合物、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等];
ポリカルボン酸系硬化剤(例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸);等が挙げられる。
これらのうち、環状脂肪族酸無水物が好ましく、特に飽和脂肪族であるヘキサヒドロフタル酸類が好ましい。また、(B)は、エポキシ環と反応して開環硬化させるだけではなく、アルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂中のアルコキシシリル部位やアルコキシ基が互いにシロキサン縮合していく反応の触媒ともなる。(B)は単独使用の他、2種以上を併用することができる。
(B)の使用割合は、全硬化剤中に占める芳香環の割合が、10重量%以下になるように調整するのが好ましい。硬化剤の使用量は、(A)100重量部に対し、通常0.01〜200重量部、好ましくは0.1〜150重量部である。
本発明において、(A)と(B)との硬化反応を促進するために硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、3級アミン(例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレントリアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等);
イミダゾール(例えば、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等);
有機ホスフィン(例えば、トリブリルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等);
ホスフォニウム(例えば、テトラブチルホスフォニウムブロマイド、テトラブチルホスフォニウムジエチルホスフォロジチオレート等);
テトラフェニルボロン塩(例えば、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−メチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等);等をあげることができる。これらの内、硬化促進剤としては、紫外線劣化が少ないホスフォニウム系のテトラブチルホスフォニウムジエチルホスフォロジチオレートが好ましい。硬化促進剤はエポキシ樹脂の100重量部に対し、0.1~5重量部の割合で使用するのが好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、溶剤により適宜に濃度を調整できる。溶剤としては、アルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の製造に用いたものと同様のものを使用できる。
その他、前記エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調整剤、可塑剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合しても良い。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させる場合は、例えば、80〜90℃×1時間の一次硬化処理でアルコキシシリル基のゾル−ゲル硬化を行い、150〜200℃×2時間の二次硬化処理でエポキシ基の硬化反応を行うことで、エポキシ樹脂−シリカハイブリット硬化物を得ることができる。硬化物のガラス転移温度は、100℃以上、170℃以下が好ましく、さらに好ましくは120℃以上、160℃以下、特に好ましくは130℃以上、150℃以下である。ガラス転移温度が100℃未満であると、例えば、温度が上昇した雰囲気でLEDを使用するとエポキシ樹脂が劣化、着色し、発光輝度が低下するため好ましくない。
上記のようにして得られた硬化物は、無色透明で耐熱性、耐光性に優れるため、屋外用途において有利に使用できる。接着剤、塗料、土木建築用材料、LED用封止材等の電気、電子部品の絶縁材料等、様々な分野で使用できる。
以下、実施例および比較例をあげて本説明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[製造例1]
攪拌機、冷却管、温度計を備えた反応装置に、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製「サントートST−3000」、エポキシ当量:231)400gおよびジメチルホルムアミド400gを加え、90℃で溶解した。更にポリ(テトラメトキシシラン)(多摩化学社製「メチルシリケート51」)20
0gと触媒としてジブチル錫ラウレート1gを加え、90℃で5時間、脱メタノール反応させて、有効成分が50%のアルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂溶液を得た。
[実施例1]
製造例1で得られた樹脂溶液100gに、硬化剤として無水メチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化社製「MH−700」)70g、硬化促進剤として、テトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオレート(日本化学社製「ヒシコーリンPX−4ET」)1gを加え、エポキシ樹脂組成物とした。
[実施例2]
製造例1で得られた樹脂溶液70gに、脂環式エポキシ樹脂として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート171D」、エポキシ当量:130)30g、硬化剤として無水メチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化社製「MH−700」)70g、硬化促進剤として、テトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオレート(日本化学社製「ヒシコーリンPX−4ET」)1gを加え、エポキシ樹脂組成物とした。
[比較例1]
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製「サントートST−3000」、エポキシ当量:231)100gに、硬化剤として無水メチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化社製「MH−700」)80g、硬化促進剤として、テトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオレート(日本化学社製「ヒシコーリンPX−4ET」)1gを加え、エポキシ樹脂組成物とした。
[比較例2]
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製「サントートST−3000」、エポキシ当量:130)に70gに、脂環式エポキシ樹脂として3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート171D」、エポキシ当量:130)30g、硬化剤として無水メチルヘキサヒドロフタル酸(新日本理化社製「MH−700」)70g、硬化促進剤として、テトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオレート(日本化学社製「ヒシコーリンPX−4ET」)1gを加え、エポキシ樹脂組成物とした。
実施例1,2および比較例1,2で得られた各エポキシ樹脂溶液は厚さ50μmのPETフィルム(600mm×600mm)に、乾燥後の樹脂厚が50μmになるようにロールコーターにて全面塗布した後、90℃で7分乾燥し、硬化性樹脂フィルム(残留溶剤2.0重量%)を得た。80℃で1時間の一次硬化処理と170℃で2時間の2次硬化処理を行うことで、完全硬化物を得た。性能評価は以下のようにして行った。
<耐光性評価>
厚さ5mmのエポキシ樹脂片を、ピーク波長が340nmの紫外蛍光ランプを光源とするQ−Panel社製のQ−UV促進耐光試験機を用いて評価した。55℃においてエポキシ樹脂片に紫外線を300時間照射する。照射後、島津製作所製のUV−2400分光光度計をもちいて、380nmから780nmまでの波長領域で測定を行い400nmでの透過率を比較することで耐光性の評価を行った。
<耐熱性評価>
本発明のガラス転移温度の測定方法は、熱機械分析装置(TMA)を用いる。
測定サンプルは、25℃において(長さ)15mm×(巾)2mm×(厚さ)0.040mmの大きさの硬化性樹脂フィルムを1を使用した。その硬化後フィルムの長さと幅はノギスにて測定し、厚さは膜厚計にて測定し、それぞれ0.001mmの桁まで測定した。セイコーインスツルメンツ社製のTMA/SS6100を使用して、測定サンプルに49mNの荷重をかけ、測定セル内を30℃で30分間保持した後、測定セル温度を30℃から230℃まで10℃/minで昇温した。
また、150℃72時間の熱処理を行った後の変色具合を観測した。
(性能判定)○:透明である
×:黄変している
測定結果を表1に示す。実施例2で得られたエポキシ樹脂硬化物は、耐熱性が改良され、耐紫外線性も良好であることがわかる。
[表1]
┌───────┬─────┬────────┬───────┐
│ │ │ 耐候性(UV)│耐熱性(150℃)|
│ │Tg(℃)| 300h照射後 │ 72h処理後 │
├───────┼─────┼────────┼───────┤
│ 実施例1 │ 125 │ ○ │ ○ │
├───────┼─────┼────────┼───────┤
│ 実施例2 │ 135 │ ○ │ ○ │
├───────┼─────┼────────┼───────┤
│ 比較例1 │ 100 │ ○ │ × │
├───────┼─────┼────────┼───────┤
│ 比較例2 │ 110 │ ○ │ × │
└───────┴─────┴────────┴───────┘
○:透明である ×:黄変している
本発明のエポキシ樹脂組成物はからの硬化物は、透明で、耐熱性、耐光性に優れているため、熱や光に曝される用途に使用できる。特に塗料、接着剤、LED用封止材、電気・電子用部品の材料などに好適である。

Claims (7)

  1. 水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)および加水分解性アルコキシシラン(a2)とを脱アルコール縮合反応させて得られるシラン変性水添ビスフェノール型エポキシ樹脂(A)、およびエポキシ硬化剤(B)を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(a1)が、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(a2)が、ポリテトラメトキシシランである請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(B)が脂環式カルボン酸無水物である請求項1〜3のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. さらに、脂環式エポキシ樹脂(C)を前記(A)の100重量部に対して5〜100重量部含有してなる請求項1〜4のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記(C)が3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである請求項5記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物を80〜170℃で硬化させて得られてなる硬化物。
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