JP6264926B2 - シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、シリコーン樹脂組成物に関する。
近年、半導体発光素子の封止材としてシリコーン樹脂組成物の硬化物を用いることが提案されている。しかしながら、シリコーン樹脂組成物の硬化物は、ガス透過性が高く、空気中の硫化水素ガスのバリア性が低い。このため、シリコーン樹脂組成物の硬化物を用いて封止した場合、封止された半導体発光素子の背面反射板である銀膜が空気中の硫化水素によって腐食され、半導体発光素子の輝度が低下するという問題があった。
上記問題を解決するシリコーン樹脂組成物として、硬化後のシリコーン樹脂組成物の屈折率が1.50〜1.55のシリコーン樹脂と、シリコーン樹脂中に1〜30質量%の濃度で均一に分散された平均粒子径1〜10μmの酸化ケイ素フィラーからなることを特徴とする硬化性シリコーン樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照。)。
特開2012−41496号公報
しかしながら、特許文献1に記載のシリコーン樹脂組成物は、耐クラック性が十分ではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、半導体発光素子の封止材として、基板やパッケージとの界面におけるクラックが抑制される耐クラック性が高い新規なシリコーン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記式で表されるオルガノポリシロキサン構造をそれぞれ有する樹脂Aと樹脂Bとを含むシリコーン樹脂組成物であれば、基板やパッケージとの界面におけるクラックの発生が抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、下記式(1)
Figure 0006264926
(式(1)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Rはアルコキシ基又は水酸基を表し、p、q、a、及びbは、[p+b×q]/[(p+b×q)+(a×q)]=0.1〜0.34となる任意の正数を表す。)
で表されるオルガノポリシロキサン構造を有し、かつ質量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂Aと、下記式(2)
Figure 0006264926
(式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Rはアルコキシ基又は水酸基を表し、p、q、r、a、及びbは、(r+q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.01〜0.05かつ(p+b×q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.35〜0.7となる任意の正数を表す。Rのうち80%以上が水酸基である。)
で表されるオルガノポリシロキサン構造を有し、かつ質量平均分子量が1000以上3000以下である樹脂Bとを含むことを特徴とする。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物の硬化物は、他の基材との界面においてクラックや密着不良が発生し難い。このため、本発明に係るシリコーン樹脂組成物の硬化物は、半導体発光素子用封止材として好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[シリコーン樹脂組成物]
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有し、かつ質量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂Aと、下記式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有し、かつ質量平均分子量が1000以上3000以下である樹脂Bと、を含むことを特徴とする。樹脂Aと樹脂Bとの混合比率は樹脂A:樹脂B=100:0.1〜30(質量比)であることが好ましい。
Figure 0006264926
(式(1)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Rはアルコキシ基又は水酸基を表し、p、q、a、及びbは、[p+b×q]/[(p+b×q)+(a×q)]=0.1〜0.34となる任意の正数を表す。)
Figure 0006264926
(式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Rはアルコキシ基又は水酸基を表し、p、q、r、a、及びbは、(r+q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.01〜0.05かつ(p+b×q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.35〜0.7となる任意の正数を表す。Rのうち80%以上が水酸基である。)
以下、式(1)及び式(2)中の、他のケイ素原子と結合している酸素原子2個とRとRと結合しているケイ素原子を含む繰り返し単位を、繰り返し単位T2という。同じく式(1)及び式(2)中の、他のケイ素原子と結合している酸素原子3個とRと結合しているケイ素原子を含む繰り返し単位を、繰り返し単位T3という。また、式(2)中に存在する、他のケイ素原子と結合している酸素原子1個とRと2個のRと結合しているケイ素原子を含む繰り返し単位を、繰り返し単位T1という。以下、繰り返し単位T1、繰り返し単位T2及び繰り返し単位T3に含まれるケイ素原子を、それぞれ「T1ケイ素原子」、「T2ケイ素原子」及び「T3ケイ素原子」と記載することがある。
繰り返し単位T3は、1又は2本のオルガノポリシロキサン鎖による分岐鎖構造を構成している。つまり、繰り返し単位T3を有することにより、樹脂は、網目構造や環構造を形成し得る。
樹脂A及び樹脂Bをはじめとする樹脂における、ケイ素原子に結合する官能基の種類及び存在比率については、例えば核磁気共鳴分光法(NMR法)により測定することができる。当該測定法については各種文献等に詳述されており、専用の測定装置も広く市販されている。具体的には、測定対象の樹脂を特定の溶媒に溶解させ、樹脂中の水素原子核又は硅素原子核に強力な磁場と高周波のラジオ波を与え、原子核中の核磁気モーメントを共鳴させることによって、当該樹脂中の各官能基の種類及び存在比率が測定できる。水素原子核を測定する方法をH−NMR、ケイ素原子核を測定する方法を29Si−NMRと呼ぶ。溶媒としては重クロロホルム、重ジメチルスルホキシド、重メタノール、重アセトン、重水等を各種官能基の種類によって選択すればよい。
[樹脂A]
式(1)中、Rはアルキル基又はアリール基を表す。繰り返し単位T2中のRと繰り返し単位T3中のRとは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。同様に、式(1)中の2以上の繰り返し単位T2中のRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。式(1)中の2以上の繰り返し単位T3中のRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。
がアルキル基の場合、当該アルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を有していてもよいが、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。また、当該アルキル基の炭素数は特に限定されるものではないが、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。
当該アルキル基は、当該基を構成する1又は2以上の水素原子が、他の基で置換されていてもよい。当該アルキル基の置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の無置換のアルキル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基が好ましく、メチル基、エチル基又はイソプロピル基がより好ましい。
がアリール基の場合、当該アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。また、当該アリール基は、当該基を構成する1又は2以上の水素原子が、他の基で置換されていてもよい。当該アリール基の置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
のアリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフチル基等の無置換のアリール基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基等のアルキルフェニル基のようなアルキルアリール基等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
式(1)中、Rは、アルコキシ基又は水酸基を表す。式(1)中の2以上の繰り返し単位T2中のRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。
がアルコキシ基の場合、当該アルコキシ基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状構造を有していてもよいが、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基が好ましく、直鎖状のアルコキシ基がより好ましい。また、当該アルコキシ基の炭素数は特に限定されるものではないが、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基がより好ましい。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物が含む樹脂Aとしては、式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとして、アルキル基又はアリール基として前記で好ましい基として挙げられた基のいずれかを有し、Rとして、アルコキシ基又は水酸基として前記で好ましい基として挙げられた基のいずれかを有するものが好ましい。樹脂Aとしては、特に、式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとしてメチル基、エチル基、及びフェニル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ビニル基、水素原子、及び水酸基からなる群より選択される1種以上を有しているものが好ましく、Rとしてメチル基及びエチル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、及び水酸基からなる群より選択される1種以上を有しているものがより好ましく、Rとしてメチル基及びエチル基からなる群より選択される1種以上を有しており、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、及びイソプロポキシ基からなる群より選択される1種以上と水酸基とを有しているものがさらに好ましい。
式(1)中、T2ケイ素原子の数をxとし、T3ケイ素原子の数をyとした場合、xは繰り返し単位T2の数に相当し、yは繰り返し単位T3の数に相当する。ここで、式(1)で表される樹脂中の各繰り返し単位の存在比は、理論上、繰り返し単位T2(x):繰り返し単位T3(y)=[p+b×q]:[a×q]である。つまり、樹脂A中の繰り返し単位T2及び繰り返し単位T3の存在比率は、p、q、a、及びbの数値を適宜調整することによって調整される。
式(1)中、p、q、a、及びbは、[p+b×q]/[(p+b×q)+(a×q)]=0.1〜0.34となる任意の正数を表す。つまり、本発明において用いられる樹脂Aとしては、式(1)中のp、q、a、及びbは、繰り返し単位T2とT3の存在比が[(x/x+y)]=0.1〜0.34の範囲内となるように、適宜調整される。
すなわち、本発明に係るシリコーン樹脂組成物が含む樹脂Aは、前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂であって、樹脂全体に対する繰り返し単位T3の存在比率[y/(x+y)]が、0.66〜0.90の範囲内である。樹脂Aは、繰り返し単位T3の存在比率が高いため、樹脂Aを硬化させることによって、オルガノポリシロキサン鎖が網目状に構成された硬化物が得られる。繰り返し単位T3の存在比率が当該範囲より高くなった場合、硬化後の樹脂の耐クラック性が低くなる場合があり、当該範囲より低くなった場合、硫化水素等に対するガスバリア性が劣る場合がある。樹脂Aは、前記式(1)における繰り返し単位T3の存在比率が前記範囲内であるオルガノポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂であるため、樹脂Aの硬化物は、硫化水素等のガスに対するバリア性が非常に高い。樹脂Aとしては、[y/(x+y)]が0.660〜0.85の範囲内であるものが好ましい。
樹脂Aの一分子当たりの繰り返し単位T2及びT3の数は、式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂が、所望の分子量となるように適宜調整される。
本発明においては、樹脂Aの一分子当たりの繰り返し単位T2の数と繰り返し単位T3の数の和は、5以上であることが好ましい。
当該樹脂Aの質量平均分子量(Mw)は、1500以上8000以下である。樹脂Aの質量平均分子量が小さすぎる場合には、得られた硬化物の硫化水素等のガスに対するバリア性が劣るおそれがある。樹脂Aの質量平均分子量が当該範囲内であることにより、ガスバリア性が優れた硬化物が得られる。樹脂Aの質量平均分子量は、1500〜7000が好ましく、2000〜5000がより好ましい。
[樹脂B]
式(2)中、R及びRは上記と同じ意味を表す。式(1)中のR及びRと、式(2)中のR及びRとは、互いに独立である。
式(2)中の繰り返し単位T1中のRと繰り返し単位T2中のRと繰り返し単位T3中のRとは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。同様に、式(2)中の2以上の繰り返し単位T2中のRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。式(2)中の2以上の繰り返し単位T3中のRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。
式(2)中の繰り返し単位T1中のRと繰り返し単位T2中のRとは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。同様に、式(2)中の2以上の繰り返し単位T1中のRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。式(2)中の2以上の繰り返し単位T2中のRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。また、式(2)中の繰り返し単位T1に含まれる2つのRは、それぞれ同種の基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。Rのうち80%以上は水酸基であり、好ましくは85%以上が水酸基であり、さらに好ましくは90%以上が水酸基である。Rとして反応性が高い水酸基を多く含むことにより、樹脂Aとの架橋がより進行し、クラック耐性が向上する。
樹脂Bとしては、式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとして、アルキル基及びアリール基として前記で好ましい基として挙げられた基のうちのいずれかを有し、Rとして、アルコキシ基及び水酸基として前記で好ましい基として挙げられた基のうちのいずれかを有するものが好ましい。樹脂Bとしては、特に、式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂であって、Rとしてメチル基、エチル基及びフェニル基からなる群より選択される1種以上の基を有しており、かつ、Rとして、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基及び水酸基からなる群より選択される1種以上の基を有しているものが好ましく、Rとしてメチル基及びエチル基からなる群より選択される1種以上の基を有しており、かつ、Rとしてメトキシ基、エトキシ基、及びイソプロポキシ基からなる群より選択される1種以上の基を有しているものがより好ましい。
式(2)で表される樹脂の各繰り返し単位の存在比は、T1ケイ素原子、T2ケイ素原子及びT3ケイ素原子の存在比で表すことができる。つまり、理論上、T1ケイ素原子:T2ケイ素原子:T3ケイ素原子=[r+q]:[p+b×q]:[a×q]である。すなわち、樹脂B中の各ケイ素原子の存在比は、p、q、r、a、及びbの数値を適宜調整することによって調整できる。
また、式(2)中、T2ケイ素原子の数をxとし、T3ケイ素原子の数をyとし、T1ケイ素原子の数をzとした場合、式(2)中の繰り返し単位T3ケイ素原子の存在比は、[y/(x+y+z)]で表される。
式(2)中、p、q、r、a、及びbは、(r+q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.01〜0.05及び、(p+b×q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.35〜0.7となる任意の正数を表す。ここで、[(p+b×q)]/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]は、式(2)中の繰り返し単位T2ケイ素原子の存在比[x/(x+y+z)]に等しく、[(r+q)]/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]は、式(2)中の繰り返し単位T1ケイ素原子の存在比[z/(x+y+z)]に等しい。
樹脂Bの質量平均分子量(Mw)は、1000以上3000以下であり、1500以上3000以下が好ましい。樹脂Bの質量平均分子量が大きすぎる場合には、十分に架橋反応が進行せず、クラック耐性が劣る可能性がある。
前記樹脂Aに、前記樹脂Bを配合したものを硬化させることにより、樹脂Aの高いガスバリア性を損なうことなく、耐クラック性が改善された硬化物を得ることができる。樹脂Bの添加により、樹脂Aを含む樹脂組成物の耐クラック性が向上する理由は明らかではないが、樹脂Bが反応性の高い水酸基を多く有していることにより、樹脂Aの高分子間の架橋がより密になる結果、可とう性が向上するためと推察される。
このように、本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、オルガノポリシロキサンを主鎖とする樹脂のうち、繰り返し単位T3の存在比率[y/(x+y)]が高く、かつ分子量が特定の範囲内である高分子樹脂(樹脂A)と、繰り返し単位T3の存在比率[y/(x+y+z)]が低く、かつ反応性の高い水酸基を官能基として多く有する樹脂(樹脂B)とを含む。このように、本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、分岐鎖構造に寄与する繰り返し単位T3の構成割合の異なる少なくとも2種類のオルガノポリシロキサン樹脂を含むため、これを硬化させることにより、硫化水素等に対するバリア性と、他の部材との界面における耐クラック性において優れている硬化物が得られる。なお、当該他の部材とは、例えば、半導体発光素子の封止材として使用した場合の、基板やパッケージが挙げられる。
なお、本発明及び本願明細書において、質量平均分子量(Mw)は、一般的にゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を用いることができる。具体的には、樹脂を可溶性の溶媒に溶かした後、細孔(ポア)が数多く存在する充てん剤を用いたカラム内に移動相溶液と共に通液し、カラム内で分子量の大小によって分離させ、それを示差屈折率計やUV計、粘度計、光散乱検出器等を検出器として用いて検出する。実際にはGPC専用装置が広く市販されており、標準ポリスチレン換算によって測定することが一般的であり、本発明における質量平均分子量(Mw)は、この標準ポリスチレン換算によって測定されたものである。
樹脂を溶解させるために使用する溶媒としては、GPC測定に用いる移動相溶媒と同一溶媒が好ましく、具体的にはテトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が用いることができる。
使用するカラムとしても、その多くは市販されており、想定される分子量に従って特定のカラムを用いればよい。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、樹脂Aと樹脂Bとを任意の割合で混合することにより得られる。樹脂Aに対して、樹脂Aよりも少量の樹脂Bを混合することが好ましい。特に、本発明に係るシリコーン樹脂組成物の樹脂Aと樹脂Bとの混合比率を、樹脂A:樹脂B=100:0.1〜30(質量比)とすることにより、硫化水素に対するバリア性及び耐クラック性により優れた硬化物を得ることができる。樹脂Aと樹脂Bとの混合比率は、樹脂A:樹脂B=100:0.2〜20(質量比)であることが好ましい。
樹脂Aと樹脂Bとの混合方法は特に限定されるものではなく、2種類以上の高分子を混合する際に通常行われる公知の方法のいずれを用いてもよい。例えば、樹脂Aと樹脂B(必要に応じてその他の樹脂)とを有機溶媒に溶解することで混合することができる。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物の調製においては、より均一に混合させることができ、かつその後の樹脂溶液の安定性を向上させられるため、樹脂A等を一旦揮発性の高い有機溶媒中で混合した後、別の溶媒に置換して溶解させてもよい。
溶媒としては、沸点が100℃以上の有機溶媒が好ましい。具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノベンジルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノベンジルエーテル等のグリコールエーテル溶媒;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールモノベンジルエーテルアセテート等の、前記記載のグリコールエーテル溶媒に酢酸基を付加させた、グリコールエステル溶媒等が好ましく、中でもエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートがより好ましい。
中でも、エステル結合及び/又はエーテル結合を有し、ヒドロキシ基を有さず、且つ、1気圧下の沸点が100℃以上、200℃以下である溶媒であり、130℃以上、200℃以下であることが好ましい。沸点が100℃以上、好ましくは130℃以上であれば、秤量、混合、ポッティング等の操作中に溶媒が揮発し難く、操作性が良くなる傾向にあり、沸点が200℃以下であれば、硬化後にも溶媒が残留し難く、紫外線LEDのような350nm以下の短波長領域の光を透過しやすくなり好適である。
具体的には酢酸ブチル、酪酸ブチル等のエステル溶媒;ジオキサン等のエーテル溶媒;エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル溶媒;酢酸2−エトキシエチル、酢酸2−ブトキシエチル等のグリコールエステル溶媒;等が挙げられる。
また、硬化後の封止材のクラック耐性を抑制する目的としては、ヒドロキシ基を有し、1気圧下の沸点が100℃以上であり、且つ、融点が25℃以下である溶媒が有効である。
具体的には、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等のアルコール溶媒;ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコール溶媒;等が挙げられる。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、これら溶媒を含んでいてもよい。本発明に係るシリコーン樹脂組成物と溶媒との混合比率は、特に限定されるものではないが、得られる溶液の粘度が10mPasから10000mPasになるように調整するとよい。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物を半導体発光素子の封止材として利用する場合、発光素子からの光をそのまま利用するために、樹脂A及び樹脂Bからなる樹脂組成物をそのまま用いることもできる。また、発光素子からの光の強度を高めるためには、本発明に係るシリコーン樹脂組成物に樹脂A及び樹脂Bに加えてさらに、光によって蛍光を発する蛍光体及び無機粒子を含有させることができる。当該無機粒子は、樹脂中でより光を散乱させて蛍光体を効果的に励起させると共に、蛍光体が樹脂中で沈降することを防止することができる。
但し、本発明に係るシリコーン樹脂組成物に蛍光体や無機粒子を混合させる場合、沈降しやすい蛍光体を混合する前に、あらかじめ無機粒子を混合させておき、その後蛍光体を混合した後には、速やかに半導体発光素子の封止に供することが、蛍光体の沈降をより防止するためには有効である。
当該無機粒子としては、ケイ素、チタン、ジルコニア、アルミニウム、鉄、亜鉛等の酸化物、カーボンブラック、チタン酸バリウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等が好ましい。中でもケイ素、チタン、ジルコニア、アルミニウム等の酸化物よりが好ましい。
当該無機粒子の形状としては、略球状、板状、柱状、針状、ウィスカー状、繊維状が挙げられ、これらのいずれでもよい。より均一な樹脂組成物が得られることから、略球状であることが好ましい。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物に含まれる無機粒子は、組成の種類としては1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよいが、粒子の大きさについては2種類以上の粒径の無機粒子を含むことが好ましく、一次粒子の平均粒子径が100nm以上500nm以下である無機粒子Aと、同じく一次粒子の平均粒子径が100nm未満である無機粒子Bの少なくとも2種類を含むことがより好ましい。一次粒子の平均粒径が異なる2種類以上の無機粒子を含むことにより、光の散乱による蛍光体の励起効率がより向上し、蛍光体の沈降防止に効果を発揮することができる。
ここで一次粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡等により直接粒子を観察する画像イメージング法等により求めることができる。具体的には、測定対象となる無機粒子を任意の溶媒に、超音波等を照射して充分に分散させた液をスライドガラス等に滴下乾燥させたもの、又は接着テープの接着面に直接無機粒子を振りかける等により付着させたものを、走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)等により直接粒子を観察し、その形状から寸法を割り出すことによって得られる。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物と無機粒子の混合比率は、特に限定されるものではないが、シリコーン樹脂成分(樹脂A、樹脂B)の総含有量100質量部に対して、無機粒子の総含有量が0.01〜100質量部、好ましくは0.1〜50質量部となるように混合させることが好ましい。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物に含ませる蛍光体の組成や種類については特に制限はなく、波長570nmから700nmの範囲で蛍光を発する赤色蛍光体、490nmから570nmの範囲で蛍光を発する緑色蛍光体、420nmから480nmの範囲で蛍光を発する青色蛍光体等を含むことができる。また、明るさや色度によって複数の蛍光体を混合させることもできる。本発明に係るシリコーン樹脂組成物と蛍光体の混合比率も、特に限定されるものではなく、発光素子の光量や、半導体発光装置として必要な色度や明るさによって適時比率は調整することができる。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、樹脂A、樹脂B、溶媒、及び無機粒子や蛍光体の他に、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて各種添加剤等を加えることが出来る。当該添加剤としては、具体的には、シリコーン樹脂と無機粒子間の結合を調整するためのシランカップリング剤や、組成物混合時に発生する気泡を抑制させるための消泡剤等が挙げられる。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物は、硬化用触媒を加えた後に熱硬化処理を行うことによって硬化させることができる。硬化用触媒は、硬化反応を行う直前に、本発明に係るシリコーン樹脂組成物へ添加されることが好ましい。なお、硬化用触媒は、本発明に係るシリコーン樹脂組成物が元々含んでいてもよい。
当該硬化用触媒としては、樹脂Aと樹脂Bとの架橋反応を促進し得るものであれば特に制限はなく、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、クエン酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、コハク酸等の有機酸を用いることができる。また、酸性化合物だけではなく、アルカリ性の化合物を用いることも可能である。具体的には、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等を用いることができる。さらに、アルミニウムイソプロポキシドやジルコニウムイソプロポキシド等の金属アルコキシド、ジルコニウムアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネートも用いることができる。
当該硬化用触媒は、所定の濃度で添加するために、水、有機溶媒、又はシリコーン樹脂組成物に馴染みやすいシリコーンモノマーやアルコキシシランオリゴマー等により希釈した状態でシリコーン樹脂組成物に添加させることができる。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物に添加される当該硬化用触媒の量は、硬化反応時の加熱温度、反応時間、触媒の種類等を考慮して、適宜調整することができる。添加後の組成物中における当該硬化用触媒の濃度が低すぎる場合には、樹脂の硬化が充分に行われないおそれがあり、高すぎる場合には、触媒添加直後から硬化反応が開始してしまうおそれがある。そこで、本発明に係るシリコーン樹脂組成物100質量部に対して、当該触媒を0.01〜20質量部添加することが好ましく、0.01〜10質量部添加することが好ましい。
硬化用触媒を添加した後の本発明に係るシリコーン樹脂組成物を熱硬化させるための条件としては、通常40〜250℃、5分間〜6時間で加熱処理をすることにより、硬化させることができる。本発明においては、シリコーン樹脂組成物に硬化用触媒を加えた後、200℃以下の温度の雰囲気内に放置することによって硬化させることが好ましく、40〜180℃の温度の雰囲気内に放置することによって硬化させることがより好ましい。また、硬化の際には、シリコーン樹脂組成物中に存在する溶媒や水を除去し、樹脂AとオリゴマーBとの縮合反応速度を制御するために、例えば、40〜60℃で5〜30分間、次いで60〜100℃で10〜60分間、その後140〜180℃で30分間〜5時間というように、段階的に硬化させることがより好ましい。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物を硬化させて得られた硬化物は、硫化水素等に対するガスバリア性に優れており、クラックやハガレ等の発生が顕著に抑制されている。このため、当該硬化物は、半導体発光素子、フォトダイオード、CCD、CMOS等の封止材として有用であり、特に半導体発光素子の封止材に好適である。
本発明に係るシリコーン樹脂組成物によって基板上の半導体発光素子を封止した後、当該シリコーン樹脂組成物を硬化させることにより、本発明に係るシリコーン樹脂組成物の硬化物によって封止された半導体発光素子を備える半導体発光装置を製造することができる。当該硬化物は、硫化水素等に対するガスバリア性が高い。このため、当該硬化物により半導体発光素子が封止されている半導体発光装置は、基板やパッケージとの界面でクラックやハガレが発生し難い上に、半導体発光素子の背面反射板である銀膜が変色し難く、経時的な輝度低下が生じ難いという利点を備える。当該半導体発光装置は、良好な発光輝度を有しており、一般照明に使用することもできる。
当該半導体発光装置は、具体的には、硬化用触媒を添加した後の本発明に係るシリコーン樹脂組成物によって基板上の半導体発光素子を封止した後、熱硬化反応を行うことにより製造できる。半導体発光素子の封止方法は特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン樹脂組成物を半導体発光素子表面に滴下したり、半導体発光素子表面をシリコーン樹脂組成物でコーティングしたりすることにより、シリコーン樹脂組成物で半導体発光素子を被覆することによって封止できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、下記実施例で用いたオルガノポリシロキサンを主鎖とする樹脂Aや樹脂Bの種類と存在比率を測定するための手段としては、H−NMR法、29Si−NMR法を用いた。また、樹脂A、樹脂Bの分子量測定についてはGPC法を用いた。各測定法における測定条件は、以下の通りである。
H−NMR測定条件>
装置名 :JEOL RESONANCE社製 ECA−500
観測核 :
観測周波数 :500.16MHz
測定温度 :室温
測定溶媒 :Acetone−d6
パルス幅 :6.05μsec(45°)
パルス繰り返し時間:7.0sec
積算回数 :16回
29Si−NMR測定条件>
装置名 :JEOL RESONANCE社製 ECA−500
観測核 :29Si
観測周波数 :99.36MHz
測定温度 :室温
測定溶媒 :Acetone−d6
パルス幅 :14.30μsec(90°)
パルス繰り返し時間:15.0sec
積算回数 :4000回
<樹脂のGPC測定条件>
装置 :東ソー社製 HLC−8220
カラム :TSKgel Multipore HXL−M×3+Guardcolumn−MP(XL)
流量 :1.0mL/min、
検出条件 : RI(ポラリティー+)
濃度 :100mg+5mL(THF)
注入量 : 100μL
カラム温度: 40℃
溶離液 : THF
<樹脂の調合例>
[実施例1]
樹脂Aとして、前記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂(A−1)(Mw=3500、前記式(1)中、R=メチル基、R=メトキシ基又は水酸基)と、樹脂Bとして、前記式(2)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有する樹脂(B−1)(Mw=2400、前記式(2)中、R=メチル基、R=エトキシ基又は水酸基であり、Rのうち水酸基の割合90.2%)とを用いて、樹脂組成物を得た。樹脂(A−1)及び樹脂(B−1)の各繰り返し単位の存在比率を、表1及び2にそれぞれ示す。
Figure 0006264926
Figure 0006264926
ウォーターバス内に設置したフラスコ内に、前記樹脂(A−1)79.0g及び前記樹脂(B−1)19.8g、酢酸2−ブトキシエチル31.1gを入れ、内温が85℃になるまで加熱攪拌して前記樹脂(A−1)及び前記樹脂(B−1)を溶解させ、シリコーン樹脂組成物(α1)を得た。
得られたシリコーン樹脂組成物(α1)100質量部に対し、リン酸15%を含む硬化用触媒2質量部添加し、充分に攪拌混合してシリコーン樹脂組成物(α1−1)を得た。
得られたシリコーン樹脂組成物(α1−1)を、市販の光半導体発光素子用樹脂パッケージSMD−3602B(松下半導体元器件有限公司社製)にポッティングし、オーブンの中で3.7℃/分の速度で室温から150℃まで昇温し、150℃で5時間放置することで、パッケージ内で硬化させた。得られた硬化物の厚みは0.6mmであった。
[参考例1]
ウォーターバス内に設置したフラスコ内に、前記樹脂(A−1)100g及び酢酸2−ブトキシエチル31.4gを入れ、内温が85℃になるまで加熱攪拌して前記樹脂(A−1)を溶解させ、シリコーン樹脂組成物(α2)を得た。
実施例1において、シリコーン樹脂組成物(α1−1)に替えてシリコーン樹脂組成物(α2)を用いる以外は、実施例1と同様の手順で硬化物を作製した。
<試験例>
得られた硬化後のパッケージを、それぞれ12個準備し、小型冷熱衝撃装置TSE−11−A(エスペック社製)を用いて、−30℃と85℃とでそれぞれ30分間保持する操作を50サイクル繰り返すヒートショック試験を行った。クラックが生じたパッケージ数を表3に示す。
Figure 0006264926
本発明に係るシリコーン樹脂組成物及びその硬化物は、半導体発光素子、フォトダイオード、CCD、CMOS等の封止材として利用可能である。

Claims (2)

  1. 下記式(1)
    Figure 0006264926
    (式(1)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Rはアルコキシ基又は水酸基を表し、p、q、a、及びbは、[p+b×q]/[(p+b×q)+(a×q)]=0.1〜0.34となる任意の正数を表す。)で表されるオルガノポリシロキサン構造を有し、かつ質量平均分子量が1500以上8000以下である樹脂Aと、下記式(2)
    Figure 0006264926
    (式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Rはアルコキシ基又は水酸基を表し、p、q、r、a、及びbは、(r+q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.01〜0.05かつ(p+b×q)/[(p+b×q)+a×q+(r+q)]=0.35〜0.7となる任意の正数を表す。Rのうち80%以上が水酸基である。)
    で表されるオルガノポリシロキサン構造を有し、かつ質量平均分子量が1000以上3000以下である樹脂Bとを含むことを特徴とするシリコーン樹脂組成物。
  2. 樹脂Aと樹脂Bとの混合比率が樹脂A:樹脂B=100:0.1〜30(質量比)であることを特徴とする請求項1記載のシリコーン樹脂組成物。
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