JP2002345421A - 焙焼小麦粉の製造法 - Google Patents
焙焼小麦粉の製造法Info
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Abstract
を解消し、適度な焙焼香を有する焙焼小麦粉の製造法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 小麦粉または小麦粉および澱粉からなる
原料粉を品温110〜160℃の条件下で50〜150
分間焙焼する、グルテンバイタリティ10〜65%を有
する焙焼小麦粉の製造法。
Description
法およびその焙焼小麦粉を含有する小麦粉食品用組成物
に関する。
品類が種々提案されている。例えば小麦粉、砂糖、油
脂水を主体とした混合物を天然膨剤の存在下に250〜
300℃で高温焙焼してクッキー系焼き菓子を製造する
方法、また化学膨剤の存在下に150〜250℃で高温
焙焼してクッキー系焼き菓子を製造するに際し、焼き菓
子の保型性、厚み規制などの機能を改善向上し粉化率を
低減させる焼き菓子の製造法(特開昭49−10956
5号公報および同49−109567号公報参照)、
強力小麦粉と薄力小麦粉を適宜の割合に混合し、これを
約70〜90℃で25〜40分程度乾熱処理した焼物菓
子用小麦粉(特開昭61−139350号公報参照)、
小麦粉に油脂および糖類を加えて加熱焙煎することで
比較的低温かつ短時間で処理でき、油脂の劣化を抑えな
がら目的とする粘度、色、風味を有するカレー、シチュ
ー、ソース等の加工食品の製造法(特開昭53−263
58号公報参照)、小麦粉を還元剤の存在下で乾熱処
理することにより、ルウやホワイトソース等に使用した
際に、過度の加熱を受けても食感の滑らかさを失わず、
しかも褐変を生じない小麦粉(特開昭62−32850
号公報参照)、油脂、澱粉質材料(強力小麦粉等)を
含有する原料(特にチーズを含むもの)を、焙煎釜を用
いて75〜200℃で5〜90分加熱し、次に二軸エク
ストルーダーを用いて5分以内に70℃以下まで冷却す
るルウの製造方法(特開平2−249471号公報参
照)、カレーパウダー、小麦粉および油脂に糖質原料
を加えて焙煎処理するカレールウの製造方法(特開平8
−116933号公報参照)、小麦粉ルウおよびこれ
を用いたカレー、シチュー等のルウの製造方法(特開平
9−294569号公報参照)、未処理のときのグルテ
ンバイタリティを100とした場合にグルテンバイタリ
ティが70〜95であり、平均粒径が45μm以下の中
力粉および/または薄力粉からなる熱処理小麦粉(特開
平11−332454号公報参照)等が知られている。
号公報および同49−109567号公報に記載された
発明は、化学膨剤を使用することで本来の風味を損なっ
てしまい、また天然膨剤を使用したとしても風味の損失
は避けられなかった。特開昭61−139350号公報
の発明は低温処理であるために十分な焙焼香がない欠点
があった。特開昭53−26358号に記載された発明
も、低温処理のために焙焼香の点で劣っていることは否
めない。特開昭62−32850号に記載された発明
は、焙焼された小麦粉独特の風味がなく、味の物足りな
さを有する欠点があった。特開平2−249471号、
特開平8−116933号および特開平9−29456
9号の発明は、いずれも生小麦粉からの処理であり、作
業性、安定性の面で問題があった。また特開平11−3
32454号の発明は低温処理であるために混捏時に粘
りができ作業性が悪く、かつ焙焼香が少なく風味が劣る
欠点があった。
は、従来の種々の小麦粉を使用した場合に発生する、生
地のべたつきを抑えるなど、その加工適性を向上させ、
かつ粉臭さを解消し適度な焙焼香を有する焙焼小麦粉を
得るべく、種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至
った。
粉または小麦粉および澱粉からなる原料粉を品温110
〜160℃の条件下で50〜150分間焙焼する、焙焼
小麦粉の製造法である。
小麦粉単独あるいは小麦粉と澱粉の混合物である。小麦
粉としては薄力粉、中力粉、強力粉のいずれも使用し得
るが、特に薄力粉および中力粉が好ましい。
澱粉、甘薯澱粉、コムギ澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、
サゴ澱粉あるいはこれらのエステル化澱粉、エーテル化
澱粉、リン酸架橋澱粉等が挙げられる。
90重量%、好ましくは30〜60重量%の範囲であ
る。
0℃、好ましくは120〜140℃にして、この品温下
で50〜150分間、好ましくは70〜120分間乾熱
処理する。乾熱処理温度が110℃未満であると粉っぽ
さが残り焙焼香が弱くなり、160℃を超えるとえぐ味
が強くなる。また乾熱処理時間が50分未満であると原
料臭が残り、150分を超えるとこげ臭が強くなる。
鉄製トレーに入れ、バンドオーブンその他のオーブン中
で加熱する方法、パドルドライヤー等の加熱装置付きミ
キサーで加熱する方法、焙焼釜で加熱する方法等が挙げ
られるが、なかでもバンドオーブンが加熱工程を連続化
できるので好ましい。前記のように処理して得られた焙
焼小麦粉は、その後空冷などの方法により冷却した後、
粒状になった場合には元の食品素材と同程度の粒度まで
粉砕することが好ましい。
グルテンバイタリティ10%〜65%を有する焙焼小麦
粉を得ることができる。この焙焼小麦粉のグルテンバイ
タリティが10%未満であるとこげ臭が強くなり、また
65%を超えると生地にべたつきが生じる。
ティは下記のようにして測定する。 [グルテンバイタリティの測定法] (1)小麦粉の可溶性粗蛋白含量の測定: (a)100mL容のビーカーに試料(小麦粉)を2g精
秤して入れる。 (b)上記のビーカーに0.05規定酢酸40mLを加え
て、室温で60分間撹拌して懸濁液を調製する。 (c)上記(b)で得た懸濁液を遠沈管に移して、50
00rpmで5分間遠心分離を行った後、濾紙を用いて濾
過し、濾液を回収する。 (d)上記で用いたビーカーを0.05規定酢酸40mL
で洗って洗液を遠沈管に移して、5000rpmで5分間
遠心分離を行った後、濾紙を用いて濾過し、濾液を回収
する。 (e)上記(c)および(d)で回収した濾液を一緒に
して100mLにメスアップする。 (f)ティケーター社(スウェーデン)のケルテックオ
ートシステムのケルダールチューブに上記(e)で得ら
れた液体の25mLをホールピペットで入れて、分解促進
剤(日本ゼネラル株式会社製「ケルタブC」;硫酸カリ
ウム:硫酸銅=9:1(重量比))1錠および濃硫酸1
5mLを加える。 (g)上記したケルテックオートシステムに組み込まれ
ているケルテック分解炉(DIGESTION SYSTEM 20 1015
型)を用いて、ダイヤル4で1時間分解処理を行い、さ
らにダイヤル9または10で1時間分解処理を自動的に
行った後、この分解処理に続いて連続的に且つ自動的
に、同じケルテックオートシステムに組み込まれている
ケルテック蒸留滴定システム(KJELTEC AUTO 1030型)
を用いて、その分解処理を行った液体を蒸留および滴定
して(滴定には0.1規定硫酸を使用)、下記の数式に
より、試料(小麦粉)の可溶性粗蛋白含量を求める。
N×(100/S)×(1/25) 式中、 T=滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL) B=ブランクの滴定に要した0.1規定硫酸の量(mL) F=滴定に用いた0.1規定硫酸の力価(用時に測定す
るかまたは力価の表示のある市販品を用いる) N=窒素蛋白質換算係数(5.70) S=試料の秤取量(g)
ルテックオートシステムのケルダールチューブに、試料
(小麦粉)を0.5g精秤して入れ、これに上記(1)
の(f)で用いたのと同じ分解促進剤1錠および濃硫酸
5mLを加える。 (b)上記(1)で用いたのと同じケルテックオートシ
ステムのケルテック分解炉を用いて、ダイヤル9または
10で1時間分解処理を行った後、この分解処理に続い
て連続的に且つ自動的に、同じケルテックオートシステ
ムに組み込まれている上記(1)で用いたのと同じケル
テック蒸留滴定システムを用いて、前記で分解処理を行
った液体を蒸留および滴定して(滴定には0.1規定硫
酸を使用)、下記の数式により、試料(小麦粉)の全粗
蛋白含量を求める。
(1)で求めた試料(小麦粉)の可溶性粗蛋白含量およ
び上記(2)で求めた試料(小麦粉)の全粗蛋白含量か
ら、下記の数式により試料(小麦粉)のグルテンバイタ
リティを求める。
粗蛋白含量)×100
き菓子類、ルウ・ソース類、バッター類等の原材料とし
て使用することができる。
実施例を掲げるが、本発明は以下の実施例のみに限定さ
れるものではない。
さに敷き鉄製蓋にて覆い、バンドオーブンで表1に示す
加熱条件により熱処理を行った。得られた焼成小麦粉の
グルテンバイタリティの測定結果を表1に示す。なお、
比較例4は未処理のものである。得られた各焙焼小麦粉
を粉砕し、表2に示す配合および製造条件でクッキーを
製造した。また、これらクッキーについて各々表3に示
す評価項目について10人のパネラーで5段階評価し
た。その結果を表1に示す。
行った。得られた各焙焼小麦粉55g、サラダ油75
g、水2400cc、牛すね肉300g、鶏皮100g、
ベーコン20g、玉葱の薄切り40g、ニンジンの薄切
り20g、トマト300gを用い、ブラウンソースを製
造した。これらのブラウンソースについて各々表5に示
す項目について10人のパネラーで5段階で評価した。
その結果を表4に示す。
焙焼処理を行った。得られた各焙焼小麦粉100g、水
150g、全卵50gを混ぜ、バッター液を作り、豚肉
100gをそのバッター液に浸し、パン粉をまぶし、1
70℃で6分間揚げてとんかつを得た。それらのとんか
つについて各々表7に示す項目について10人のパネラ
ーで5段階で評価した。その結果を表6に示す。
抑えるなど優れた加工適性を有し、かつ粉臭さを解消
し、適度な焙焼香を有する焙焼小麦粉を得ることができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 小麦粉または小麦粉および澱粉からなる
原料粉を品温110〜160℃の条件下で50〜150
分間焙焼することを特徴とする、グルテンバイタリティ
10〜65%を有する焙焼小麦粉の製造法。 - 【請求項2】 請求項1記載の焙焼小麦粉を含有するこ
とを特徴とする、小麦粉食品用組成物。 - 【請求項3】 小麦粉食品用が焼き菓子類用、ルウ・ソ
ース類用、バッター類用である請求項2記載の小麦粉食
品用組成物。
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