JP2002336886A - 超純水製造装置及び超純水製造方法 - Google Patents

超純水製造装置及び超純水製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原水中の有機物、特に低分子系有機物成分を
効率的に除去して、TOC濃度がきわめて低く、高純度
な超純水を製造する。 【解決手段】 一次純水系システム2と、該一次純水系
システム2の処理水を処理するサブシステム3とを有す
る超純水製造装置において、一次純水系システムにおい
て、原水を実質的に抗菌剤の存在しない条件下で生物活
性炭塔に通水して原水中の有機物を生物的に分解した
後、抗菌処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超純水製造装置及び
超純水製造方法に係り、特に、有機物(TOC)濃度が
きわめて低い超純水を製造することができる超純水製造
装置及び超純水製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体洗浄用水として用いられて
いる超純水は、図2に示すように前処理システム1、一
次純水系システム2、サブシステム3から構成される超
純水製造装置で原水(工業用水、市水、井水等)を処理
することにより製造される。図2において各システムの
役割は次の通りである。
【0003】凝集、加圧浮上(沈殿)、濾過(膜濾過)
装置などよりなる前処理システム1では、原水中の懸濁
物質やコロイド物質の除去を行う。また、この過程では
高分子系有機物、疎水性有機物などの除去も可能であ
る。
【0004】逆浸透膜分離装置、脱気装置及びイオン交
換装置(混床式又は4床5塔式など)を備える一次純水
系システム2では、原水中のイオンや有機成分の除去を
行う。なお、逆浸透膜分離装置では、塩類を除去すると
共に、イオン性、コロイド性のTOCを除去する。イオ
ン交換装置では、塩類を除去すると共にイオン交換樹脂
によって吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を
行う。脱気装置では無機系炭素(IC)、溶存酸素の除
去を行う。
【0005】低圧紫外線酸化装置、イオン交換純水装置
及び限外濾過膜分離装置を備えるサブシステム3では、
水の純度をより一層高め超純水にする。なお、低圧紫外
線酸化装置では、低圧紫外線ランプより出される185
nmの紫外線によりTOCを有機酸、さらにはCO
で分解する。分解により生成した有機物及びCOは後
段のイオン交換樹脂で除去される。限外濾過膜分離装置
では、微粒子が除去され、イオン交換樹脂の流出粒子も
除去される。
【0006】このような従来の超純水製造装置で得られ
る超純水のTOC濃度は、おおむね1μg/L程度であ
る。
【0007】ところで、LSIの超微細化、高集積化に
伴い、超LSIチップ製造における洗浄水としての超純
水中の不純物の影響はより大きくなってきている。超L
SIチップ不良の大部分はパターン欠陥であり、その主
な原因は超純水中の不純物である。超純水中の不純物は
主に低分子系有機物であり、従って、低分子系有機物成
分をより一層効率良く除去する高性能の超純水製造装置
が必要となってくる。
【0008】特開平6−126271号公報には、一次
純水系システムに、通常の活性炭と細孔径20〜100
0Åの細孔を全細孔の5〜10%以上持つ高性能活性炭
とシリカアルミナ系吸着剤との3層からなる多層吸着装
置を設置することにより、逆浸透膜分離装置やイオン交
換装置では除去することが難しい有機物を効率良く除去
することが報告されているが、この方法は単なる吸着法
であるため、充填剤の吸着能が飽和に達してしまうと破
過してしまうという欠点がある。また、吸着によるTO
C除去効果が期待できるのは、初期吸着と呼ばれる通水
開始から約2ヶ月ぐらいの間であり、それ以降の除去効
果は期待できないという欠点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決し、原水中の有機物、特に低分子系有機物
成分を効率的に除去することができ、TOC濃度がきわ
めて低く、高純度な超純水を製造することができる超純
水製造装置及び超純水製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の超純水製造装置
は、一次純水系システムと、該一次純水系システムの処
理水を処理するサブシステムとを有する超純水製造装置
において、該一次純水系システムに、生物活性炭塔と、
該生物活性炭塔の流出水を抗菌処理する抗菌手段とが設
けられており、該生物活性炭塔は、抗菌剤が実質的に存
在しない条件で原水を処理して、原水中の有機物を生物
的に分解することを特徴とする。
【0011】本発明の超純水製造方法は、原水を一次純
水系システムで処理した後、サブシステムで処理する超
純水製造方法において、該一次純水系システムにおい
て、原水を実質的に抗菌剤が存在しない条件で生物活性
炭塔に通水して原水中の有機物を生物的に分解した後、
該生物活性炭塔の流出水を抗菌処理することを特徴とす
る。
【0012】本発明は、超純水中に含まれる有機物が低
分子系有機物であることに注目し、低分子有機物の分解
性能に優れている生物処理と活性炭による吸着処理効果
を併せ持った生物活性炭塔を一次純水系システムに導入
することにより、超純水中のTOC濃度の低減を可能と
したものである。
【0013】この生物活性炭塔の有機物除去機構は 活性炭による有機物吸着効果 生物膜による有機物分解効果 活性炭内の微生物が活性炭に吸着した有機物を分解
して細孔容積を回復させる生物再生効果 の3つの機構よりなる。この生物活性炭塔は、活性炭自
体の吸着能が飽和に達するまでの時間が著しく長い。
【0014】このような生物活性炭塔に通水される水に
抗菌剤が存在すると、生物活性炭塔内の微生物の繁殖が
抑制され、著しい場合には、微生物が死滅する可能性が
あり、この場合には、生物活性炭としての機能が得られ
ない。本発明では、生物活性炭塔において実質的に抗菌
剤が存在しない条件で処理を行うため、このような微生
物の生育阻害はなく、生物活性炭塔内で微生物を繁殖さ
せて、良好な生物活性炭処理を行える。
【0015】生物活性炭塔の後段に逆浸透膜分離装置及
びイオン交換装置においては、生物活性炭塔からリーク
する余剰菌による目詰まりが懸念されるが、本発明で
は、生物活性炭塔の流出水を抗菌処理するので微生物が
死滅するか、又はその生育が抑制されるため、逆浸透膜
分離装置やイオン交換装置が目詰まりを起こすことはな
い。
【0016】生物活性炭塔において生分解性有機物はほ
ぼ完全に分解除去されるため、その後段での微生物の繁
殖を抑制することも可能となる。
【0017】この抗菌手段としては、非酸化性スライム
コントロール剤の添加手段、或いは電磁場装置を用いる
ことができる。
【0018】非酸化性スライムコントロール剤であれ
ば、後段の逆浸透膜分離装置の膜を劣化させることな
く、生物活性炭塔流出水中の微生物を効果的に抗菌ない
し殺菌することができる。
【0019】また、電磁場装置であっても同様の効果を
得ることができる。即ち、生物活性炭処理水に電磁場を
かけることにより、微生物の細胞内に1A/m以上の
誘導電流が流れ、微生物の細胞膜はダメージをうける。
そして、微生物の細胞が浸透圧によって水を吸収して膨
張し、最終的には破裂して死滅する。
【0020】なお、市水系原水には一般的に抗菌作用の
ある残留塩素が含まれており、また、工水・井水系原水
においても配管及びタンク内での微生物の繁殖を抑制す
る目的からNaClO等の酸化剤(抗菌剤)が注入され
る。このような酸化剤が生物活性炭塔内に流入すると、
微生物の繁殖を抑制したり死滅させる可能性があるた
め、酸化剤が生物活性炭塔に流入しないように、生物活
性炭塔の流入水に還元剤を添加して酸化剤を分解してお
くことが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の超
純水製造装置及び超純水製造方法の実施の形態を詳細に
説明する。
【0022】図1は本発明の超純水製造装置の実施の形
態を示す系統図である。
【0023】一次純水系システム2の原水は、工水、市
水、井水、或いはこれに回収水(超純水のコースポイン
トで回収された使用済超純水)を混合した水を凝集、加
圧浮上(沈殿)、濾過装置等よりなる前処理システム1
で処理して得られた水である。
【0024】生物活性炭塔に流入する水を前処理してお
くことにより、生物活性炭塔の活性炭の寿命が長くな
る。即ち、凝集沈殿処理等の前処理を行っていない水に
は、有機物中の生分解性の低い高分子系有機物成分の割
合が多く、このような水を生物活性炭塔に通水すると、
前述の生物による有機物の分解及び活性炭の再生効果が
得られないために、活性炭が早期に破過してしまう。こ
れに対し、生物活性炭塔を一次純水系システム2に設
け、前処理を経た水を生物活性炭塔に通水することによ
り、高分子系有機物は前処理で除去され、低分子系有機
物は生物活性炭で除去される。しかも、この低分子系有
機物が生物活性炭で生物的に分解されるため、生物活性
炭の寿命が著しく長いものとなる。
【0025】生物活性炭塔は、生物活性炭塔給水の溶存
酸素濃度を高めるために、図1に示す如く、脱炭酸塔の
後段に設けられることが好ましい。即ち、脱炭酸塔で
は、炭酸の除去のために一般に空気を吹き込むため、空
気中の酸素が水中に溶け込み、生物活性炭塔に必要な溶
存酸素を確保することができる。一般に、工水、市水、
井水、更には回収水を前処理して得られる水のTOC
は、1mg/L程度であるので、この脱炭酸塔で溶解す
る程度の酸素量で生物活性炭塔に必要な酸素量を十分に
まかなうことができる。また、生物活性炭塔から放出さ
れる余剰菌体の除去という観点から、逆浸透膜分離装置
の前段に設置し、生物活性炭塔と逆浸透膜分離装置との
間に抗菌手段を設けることが好ましい。
【0026】なお、生物活性炭塔から流出した菌体によ
る逆浸透膜分離装置の目詰まりを防止するために、抗菌
手段と逆浸透膜分離装置との間には保安フィルターを設
けることが望ましい。
【0027】生物活性炭塔に充填する活性炭種としては
石炭系、椰子殻系等のいずれでも良く、破砕炭、造粒
炭、成形炭、クロス状、繊維状等、その形状、種類等に
特に制限はない。
【0028】生物活性炭塔への活性炭充填方式は、流動
床、膨張層、固定床などのいずれでもよいが、菌体のリ
ークが少ないところから固定床が好ましい。生物活性炭
塔の通水方式は上向流通水であっても下向流通水であっ
ても良い。
【0029】生物活性炭塔の生物担持量は、通水初期の
状態でメタノール除去速度10μg/L/min以上を
達成できるようなものであることが好ましい。このメタ
ノール除去速度は、例えば、生物活性炭塔にTOCとし
てメタノールを含有する水をSV20hr−1で通水し
たときの入口TOC濃度と出口TOC濃度とから、TO
C除去量を求め、これを滞留時間(HRT)で除して求
められる。
【0030】本発明においては、このような生物活性炭
塔に、実質的に抗菌剤の存在しない条件下で原水を通水
し、生物活性炭で菌体を十分に増殖させる。
【0031】前述の如く、市水系原水には一般的に抗菌
作用のある残留塩素が含まれており、また、工水・井水
系原水においても配管及びタンク内での微生物の繁殖を
抑制する目的からNaClO等の酸化剤(抗菌剤)が注
入されることから、生物活性炭塔の流入水中に、このよ
うな酸化剤が存在する場合には、NaHSO等の還元
剤を添加して、これらの酸化剤を分解除去しておく。
【0032】この場合、生物活性炭塔の給水中の残留塩
素濃度が0.5mg/L以下、好ましくは0mg/Lと
なるように還元剤を添加することが好ましい。また、還
元剤は、還元剤添加後の配管及びタンク内での微生物の
繁殖を抑制するために、生物活性炭塔の直前で添加され
るのが好ましい。
【0033】生物活性炭塔内の菌体付着量を10個/
g−活性炭以上、例えば10〜10個/g−活性炭
とすることにより、TOC成分を著しく低濃度にまで除
去することができる。
【0034】生物活性炭塔への通水速度は、SV5〜3
0hr−1程度とするのが好ましい。この生物活性炭塔
の給水の水温は10〜35℃、pHは4〜8であること
が好ましく、従って、必要に応じて、生物活性炭塔の前
段に熱交換器やpH調整剤添加手段を設けることが望ま
しい。
【0035】生物活性炭塔の流出水は、非酸化性スライ
ムコントロール剤を添加するか、電磁場装置により電磁
場を印加することにより抗菌処理する。この抗菌手段
は、生物活性炭塔の直後に設けることが好ましい。
【0036】なお、抗菌手段としては、非酸化性スライ
ムコントロール剤の添加手段と電磁場装置は各々単独で
用いても併用しても良い。
【0037】非酸化性スライムコントロール剤として
は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−
クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
或いはこれらの塩等の酸化力の弱いスライムコントロー
ル剤や、酸化力のないスライムコントロール剤などを用
いることができる。非酸化性スライムコントロール剤は
1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いて
も良い。
【0038】非酸化性スライムコントロール剤の添加量
や、電磁場装置による電磁場の印加量は、生物活性炭塔
から流出した微生物による後段の逆浸透膜分離装置やイ
オン交換装置の目詰まりを防止し得る程度であれば良
い。非酸化性スライムコントロール剤であれば、1〜1
0mg/L程度の添加で良好な添加効果を得ることがで
きる。
【0039】なお、図示の通り、生物活性炭塔及び抗菌
手段を一次純水系システムの脱炭酸塔と逆浸透膜分離装
置との間に設けることにより、脱炭酸塔による溶存酸素
供給及び逆浸透膜分離装置による流出菌体の捕捉を行う
ことができる。
【0040】
【実施例】以下に実験例、実施例及び比較例を挙げて、
本発明をより具体的に説明する。
【0041】実験例1 市水(TOC濃度1mg/L、塩素濃度0.6mg/
L、pH6.8、水温20℃)を原水として、通常の活
性炭塔と生物活性炭塔とにそれぞれ通水SV:20hr
−1,通水速度20L/hrで1年間通水し、TOCの
除去性能を比較する実験を行い、結果を図3に示した。
【0042】なお、活性炭塔及び生物活性炭塔に用いた
活性炭種はクラレケミカル社製石炭系活性炭「KW10
−32」であり、活性炭充填量は1Lとした。生物活性
炭塔は、メタノール分解除去速度10μg/L/min
となるように生物を担持させたものである。原水には、
活性炭塔又は生物活性炭塔の入口の残留塩素濃度が0m
g/Lとなるように、NaHSOを添加した。また、
TOC除去性能は、活性炭塔又は生物活性炭塔の入口の
TOC濃度と出口のTOC濃度とをアナテル社製「A−
1000XP」で測定し、(出口TOC濃度÷入口TO
C濃度)でTOCのリーク率を求めることにより調べ
た。
【0043】図3より明らかなように、通水開始後1ヶ
月ぐらいまでは両者の結果に大きな相違は見られなかっ
たが、1ヶ月を過ぎたあたりから両者の除去率には開き
が生じ、通常の活性炭塔では通水開始200日で原水T
OCに対し90%以上がリークした。しかし、生物活性
炭塔では60%と通常の活性炭塔に比べ1.5倍のTO
C除去性能を発揮した。
【0044】これは、通常の活性炭塔では、活性炭によ
る吸着性能のみでTOCを除去するため、早期に活性炭
の吸着能が飽和し、TOCがリークしてくるのに対し
て、生物活性炭塔では、活性炭による吸着のみならず、
生物によるTOC分解と生物による活性炭の吸着能の再
生作用が得られ、長期に亘りTOC除去能が維持される
ことによるものである。
【0045】実施例1 市水(TOC濃度1mg/L、pH6.8、水温20
℃、塩素濃度0.6mg/L)を、2m/hrの処理
量で一次純水系システムとしての脱炭酸塔、生物活性炭
塔、逆浸透膜分離装置、混床式イオン交換装置、脱気装
置及び逆浸透膜分離装置に順次通水した後、サブシステ
ムとしての低圧紫外線酸化装置、イオン交換純水装置、
及び限外濾過膜分離装置に順次通水して処理して超純水
を製造する超純水製造装置において、生物活性炭塔の出
口水のTOC濃度と、得られた超純水(限外濾過膜分離
装置の出口水)のTOC濃度を調べ、結果を表1に示し
た。TOC濃度はアナテル社製「A−1000XP」を
用いて測定した。
【0046】なお、用いた生物活性炭塔は、実験例1で
用いたものと同様の活性炭種及びメタノール除去性能の
ものであり、通水SVは20hr−1とした。また、市
水にはNaHSOを添加して生物活性炭塔の入口の残
留塩素濃度が0mg/Lとなるように調整し、生物活性
炭塔の流出水には非酸化性スライムコントロール剤とし
て2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを3mg
/Lに添加した後逆浸透膜分離装置に供給した。
【0047】比較例1 実施例1において、生物活性炭塔の代りに通常の活性炭
塔を用いたこと以外は同様にして超純水の製造を行い、
活性炭塔の出口水のTOC濃度と得られた超純水のTO
C濃度を調べ、結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】表1より次のことが明らかである。
【0050】即ち、活性炭塔で処理した比較例1では、
通水日数に伴いTOC値が増加し超純水中のTOC値は
1μg/L程度で安定した。これは図3で示した活性炭
塔での傾向と同じである。一方、生物活性炭塔を用いた
実施例1においては通水日数によらず超純水のTOC濃
度は0.3μg/L程度で安定しており、図3で示し
た、生物活性炭塔単独の時とは傾向が異なる。これは、
一部のTOC成分が生物活性炭塔内で完全に分解、吸着
除去されなかったとしても、生物活性炭塔を通過するこ
とにより生物によって何らかの形態変化を受け、後段の
逆浸透膜分離装置やイオン交換装置で除去可能物質に変
化したため、TOC濃度が低い値で安定するためと考え
られる。
【0051】実験例2 実施例1において、生物活性炭塔の後段の逆浸透膜分離
装置の透過水量の経時変化を調べ、結果を図4に示し
た。
【0052】また、比較のため非酸化性スライムコント
ロール剤を添加しなかったこと以外は同様に処理を行っ
た場合の生物活性炭塔の後段の逆浸透膜分離装置の透過
水量の経時変化を調べ、結果を図4に併記した。
【0053】図4より明らかなように、生物活性炭塔流
出水に非酸化性スライムコントロール剤を添加した場合
には、通水開始から40日を経過しても透過水量の低下
は認められないが、非酸化性スライムコントロール剤を
添加しない場合には、通水開始から徐々に透過水量が低
下して、40日後には初期透過水量の75%にまで低下
した。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の超純水製造
装置及び超純水製造方法によれば、TOC濃度が著しく
低い、不純物の問題のない高純度な超純水を長期に亘り
安定に製造することができる。本発明の超純水製造装置
及び超純水製造方法により製造された超純水は、超LS
Iチップ洗浄水として、良好な洗浄効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超純水製造装置の実施の形態を示す系
統図である。
【図2】従来の超純水製造装置を示す系統図である。
【図3】実験例1の結果を示すグラフである。
【図4】実験例2の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 前処理システム 2 一次純水系システム 3 サブシステム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 C02F 1/50 532D 532H 532J 540 540B 560 560D 560E 560G 560H 560Z 1/70 1/70 Z 9/00 501 9/00 501B 502 502F 502J 502Z 503 503B 504 504A 504D 504E Fターム(参考) 4D003 AA01 AA12 AB12 BA02 CA10 EA01 EA25 FA02 FA04 4D050 AA05 AB46 BA06 BD06 CA03 CA06 CA08 CA09 CA11 CA12 CA15 CA17 4D061 DA02 DB01 DB02 EA17 EC11 FA03 FA06 FA08 FA09 FA15 FA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次純水系システムと、該一次純水系シ
    ステムの処理水を処理するサブシステムとを有する超純
    水製造装置において、 該一次純水系システムに、生物活性炭塔と、該生物活性
    炭塔の流出水を抗菌処理する抗菌手段とが設けられてお
    り、 該生物活性炭塔は、抗菌剤が実質的に存在しない条件下
    で原水中の有機物を生物的に分解するものであることを
    特徴とする超純水製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該抗菌手段が非酸化
    性スライムコントロール剤の添加手段と電磁場装置との
    少なくとも一方であることを特徴とする超純水製造装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、該生物活性炭
    塔中の活性炭への菌体付着量が10個/g以上である
    ことを特徴とする超純水製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、該生物活性炭塔に流入する水に還元剤を添加する手
    段を備えることを特徴とする超純水製造装置。
  5. 【請求項5】 原水を一次純水系システムで処理した
    後、サブシステムで処理する超純水製造方法において、 該一次純水系システムにおいて、原水を実質的に抗菌剤
    が存在しない条件下で生物活性炭塔に通水して原水中の
    有機物を生物的に分解した後、該生物活性炭塔の流出水
    を抗菌処理することを特徴とする超純水製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、該抗菌処理が、該生
    物活性炭塔の流出水への非酸化性スライムコントロール
    剤の添加、及び/又は電磁場の印加であることを特徴と
    する超純水製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、該生物活性炭
    塔中の活性炭への菌体付着量が10個/g以上である
    ことを特徴とする超純水製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれか1項におい
    て、該生物活性炭塔に流入する水に還元剤を添加するこ
    とを特徴とする超純水製造方法。
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