JP2003190979A - 超純水製造装置及び超純水製造方法 - Google Patents
超純水製造装置及び超純水製造方法Info
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Abstract
効率的に除去して、TOC濃度がきわめて低く、高純度
な超純水を製造する。 【解決手段】 一次純水系システム2と、該一次純水系
システム2の処理水を処理するサブシステム3とを有す
る超純水製造装置において、一次純水系システムにおい
て、原水を実質的に抗菌剤の存在しない条件下で生物活
性炭塔に通水して原水中の有機物を生物的に分解した
後、抗菌処理する。生物活性炭塔流入水に燐を添加し
て、TOCの生分解に不足する燐を補う。
Description
超純水製造方法に係り、特に、有機物(TOC)濃度が
きわめて低い超純水を製造することができる超純水製造
装置及び超純水製造方法に関する。
いる超純水は、図3に示すように前処理システム1、一
次純水系システム2、サブシステム3から構成される超
純水製造装置で原水(工業用水、市水、井水等)を処理
することにより製造される。図3において各システムの
役割は次の通りである。
装置などよりなる前処理システム1では、原水中の懸濁
物質やコロイド物質の除去を行う。また、この過程では
高分子系有機物、疎水性有機物などの除去も可能であ
る。
換装置(混床式又は4床5塔式など)を備える一次純水
系システム2では、原水中のイオンや有機成分の除去を
行う。なお、逆浸透膜分離装置では、塩類を除去すると
共に、イオン性、コロイド性のTOCを除去する。イオ
ン交換装置では、塩類を除去すると共にイオン交換樹脂
によって吸着又はイオン交換されるTOC成分の除去を
行う。脱気装置では無機系炭素(IC)、溶存酸素の除
去を行う。
及び限外濾過膜分離装置を備えるサブシステム3では、
水の純度をより一層高め超純水にする。なお、低圧紫外
線酸化装置では、低圧紫外線ランプより出される185
nmの紫外線によりTOCを有機酸、さらにはCO2ま
で分解する。分解により生成した有機物及びCO2は後
段のイオン交換樹脂で除去される。限外濾過膜分離装置
では、微粒子が除去され、イオン交換樹脂の流出粒子も
除去される。
る超純水のTOC濃度は、おおむね1μg/L程度であ
る。
伴い、超LSIチップ製造における洗浄水としての超純
水中の不純物の影響はより大きくなってきている。超L
SIチップ不良の大部分はパターン欠陥であり、その主
な原因は超純水中の不純物である。超純水中の不純物は
主に低分子系有機物であり、従って、低分子系有機物成
分をより一層効率良く除去する高性能の超純水製造装置
が必要となってくる。
純水系システムに、通常の活性炭と細孔径20〜100
0Åの細孔を全細孔の5〜10%以上持つ高性能活性炭
とシリカアルミナ系吸着剤との3層からなる多層吸着装
置を設置することにより、逆浸透膜分離装置やイオン交
換装置では除去することが難しい有機物を効率良く除去
することが報告されているが、この方法は単なる吸着に
よる有機物除去法であるため、充填剤の吸着能が飽和に
達してしまうと破過してしまうという欠点がある。ま
た、吸着によるTOC除去効果が期待できるのは、初期
吸着と呼ばれる通水開始から約2ヶ月ぐらいの間であ
り、それ以降の除去効果は期待できないという欠点もあ
る。
問題点を解決し、原水中の有機物、特に低分子系有機物
成分を効率的に除去することができ、TOC濃度がきわ
めて低く、高純度な超純水を製造することができる超純
水製造装置及び超純水製造方法を提供することを目的と
する。
は、一次純水系システムと、該一次純水系システムの処
理水を処理するサブシステムとを有する超純水製造装置
において、該一次純水系システムに、生物活性炭塔と、
該生物活性炭塔に流入する水に燐を添加する手段と、該
生物活性炭塔の流出水を抗菌処理する抗菌処理手段とが
設けられており、該生物活性炭塔は、抗菌剤が実質的に
存在しない条件下で原水中の有機物を生物的に分解する
ものであることを特徴とする。
とも凝集処理する前処理工程と、前処理工程後の前処理
水から一次純水を製造する一次純水製造工程とを備える
超純水製造方法において、該一次純水製造工程が、被処
理水に燐を添加する燐添加工程と、燐添加後の水を、抗
菌剤が実質的に存在しない条件下で生物活性炭に接触さ
せて、原水中の有機物を生物的に分解する生物活性炭処
理工程と、該生物活性炭処理水を抗菌処理する抗菌処理
工程とを含んでいることを特徴とする。
分子系有機物であることに注目し、低分子系有機物の分
解性能に優れている生物処理と活性炭による吸着処理効
果を併せ持った生物活性炭塔を一次純水系システムに導
入することにより、超純水中のTOC濃度の低減を可能
としたものである。
して細孔容積を回復させる生物再生効果 の3つの機構よりなる。この生物活性炭塔は、活性炭自
体の吸着能が飽和に達するまでの時間が著しく長い。
抗菌剤が存在すると、生物活性炭塔内の微生物の繁殖が
抑制され、著しい場合には、微生物が死滅する可能性が
あり、この場合には、生物活性炭としての機能が得られ
ない。本発明では、生物活性炭塔において実質的に抗菌
剤が存在しない条件で処理を行うため、このような微生
物の生育阻害はなく、生物活性炭塔内で微生物を繁殖さ
せて、良好な生物活性炭処理を行える。
処理として行われる凝集沈澱処理には、凝集剤としてポ
リ塩化アルミニウム(PAC)或いは硫酸アルミニウム
が使用されている。PAC及び硫酸アルミニウムの添加
によって生じるアルミニウムイオンは燐と化学反応し、
燐酸アルミニウムの沈殿を生じることが知られている。
このため、凝集沈殿後に設置される生物活性炭塔の流入
水中にはTOCの生分解に必要な燐が不足しており、生
物活性炭塔において十分な有機物除去性能を得ることが
できなくなる。
に燐を添加するため、不足する燐を補って良好な生物活
性炭処理を行うことができる。
装置及びイオン交換装置においては、生物活性炭塔から
リークする余剰菌による目詰まりが懸念されるが、本発
明では、生物活性炭塔の流出水を抗菌処理するので微生
物が死滅するか、又はその生育が抑制されるため、逆浸
透膜分離装置やイオン交換装置が目詰まりを起こすこと
はない。
機物はほぼ完全に分解除去されるため、その後段での微
生物の繁殖を抑制することも可能となる。
イムコントロール剤の添加手段、或いは電磁場装置を用
いることができる。
ば、後段の逆浸透膜分離装置の膜を劣化させることな
く、生物活性炭塔流出水中の微生物を効果的に抗菌ない
し殺菌することができる。
得ることができる。即ち、生物活性炭処理水に電磁場を
かけることにより、微生物の細胞内に1A/m2以上の
誘導電流が流れ、微生物の細胞膜はダメージをうける。
そして、微生物の細胞が浸透圧によって水を吸収して膨
張し、最終的には破裂して死滅する。
留塩素が含まれており、また、工水・井水系原水におい
ても配管及びタンク内での微生物の繁殖を抑制する目的
からNaClO等の抗菌剤が注入される。このような抗
菌剤が生物活性炭塔内に流入すると、微生物の繁殖を抑
制したり死滅させる可能性があるため、抗菌剤が生物活
性炭塔に流入しないようにすることが好ましく、例え
ば、下記又はの方法で生物活性炭塔への流入水から
抗菌剤を除去しておくことが好ましい。 生物活性炭塔の流入水に還元剤を添加して抗菌剤
(酸化剤)を還元分解する。 生物活性炭塔の前段に、活性炭及び/又は触媒が充
填された抗菌剤除去塔を設置し、生物活性炭塔の流入水
から抗菌剤を除去する。
純水製造装置及び超純水製造方法の実施の形態を詳細に
説明する。
の形態を示す系統図である。
水、井水、或いはこれに回収水(超純水のコースポイン
トで回収された使用済超純水)を混合した水を凝集、加
圧浮上(沈殿)、濾過装置等よりなる前処理システム1
で処理して得られた水である。
くことにより、生物活性炭塔の活性炭の寿命が長くな
る。即ち、凝集沈殿処理等の前処理を行っていない水に
は、有機物中の生分解性の低い高分子系有機物成分の割
合が多く、このような水を生物活性炭塔に通水すると、
前述の生物による有機物の分解及び活性炭の再生効果が
得られないために、活性炭が早期に破過してしまう。こ
れに対し、生物活性炭塔を一次純水系システム2に設
け、前処理を経た水を生物活性炭塔に通水することによ
り、高分子系有機物は前処理で除去され、低分子系有機
物は生物活性炭で除去される。しかも、この低分子系有
機物が生物活性炭で生物的に分解されるため、生物活性
炭の寿命が著しく長いものとなる。
酸素濃度を高めるために、図1,2に示す如く、脱炭酸
塔の後段に設けられることが好ましい。即ち、脱炭酸塔
では、炭酸の除去のために一般に空気を吹き込むため、
空気中の酸素が水中に溶け込み、生物活性炭塔に必要な
溶存酸素を確保することができる。一般に、工水、市
水、井水、更には回収水を前処理して得られる水のTO
Cは、1mg/L程度であるので、この脱炭酸塔で溶解
する程度の酸素量で生物活性炭塔に必要な酸素量を十分
にまかなうことができる。また、生物活性炭塔から放出
される余剰菌体の除去という観点から、生物活性炭塔は
逆浸透膜分離装置の前段に設置し、生物活性炭塔と逆浸
透膜分離装置との間に抗菌手段を設けることが好まし
い。
集沈殿された水には、生物活性炭によるTOCの生分解
に必要な燐が不足しているため、生物活性炭塔の入口側
において、生物活性炭塔の流入水にKH2PO4,K2
HPO4等の燐酸塩及び/又は燐酸を好ましくは水溶液
として添加するか、或いはリン酸アパタイト、ヒドロキ
シアパタイト等の人工、又は燐鉱石等の天然の燐含有鉱
物が充填した塔を設置して、生物活性炭塔の流入水をこ
の充填塔に通水することにより燐を溶解させることが好
ましい。これらの燐添加手段は脱炭酸塔の直後、生物活
性炭塔の直前に設置することが好ましい。なお、燐添加
手段としては、燐酸塩及び/又は燐酸水溶液添加手段と
燐含有鉱物充填塔を各々単独で用いても、併用しても良
い。図1においては、燐酸塩及び/又は燐酸水溶液添加
手段と燐含有鉱物充填塔とが図示されているが、いずれ
か一方でも良い。また、図2においては燐含有鉱物充填
塔が図示されているが、燐酸塩及び/又は燐酸水溶液添
加手段であっても良い。
る燐酸塩水溶液又は燐酸水溶液添加濃度は、生物活性炭
塔の流入水の燐濃度が1〜100μg−P/L、好まし
くは10〜50μg−P/Lとなるようにするのが好ま
しい。また、燐含有鉱物充填塔の通水SVは50〜10
00hr−1、特に200〜500hr−1とし、生物
活性炭塔の流入水の燐濃度が、1〜100μg−P/
L、特に10〜50μg−P/Lとなるようにするのが
好ましい。
は、給水中に燐以外に窒素が含まれていることも重要で
ある。通常、凝集沈殿された水には、生物活性炭による
有機物分解に必要分の窒素が含まれていることが常であ
る。しかし、場合によっては不足している場合もあり、
この場合には、NH4Cl等のアンモニウム塩水溶液
を、生物活性炭塔の前段で添加することが好ましい。な
お、アンモニウム塩水溶液の添加濃度は、生物活性炭塔
の流入水の窒素濃度が10〜1000μg−N/L、特
に100〜500μg−N/Lとなるような濃度とする
ことが好ましい。
離装置の前段に設け、生物活性炭塔と逆浸透膜分離装置
との間に抗菌手段を設けるのが好ましいが、生物活性炭
塔から流出した菌体による逆浸透膜分離装置の目詰まり
を防止するために、抗菌手段と逆浸透膜分離装置との間
には保安フィルターを設けることが望ましい。
石炭系、椰子殻系等のいずれでも良く、破砕炭、造粒
炭、成形炭、クロス状、繊維状等、その形状、種類等に
特に制限はない。
床、膨張層、固定床などのいずれでもよいが、菌体のリ
ークが少ないところから固定床が好ましい。生物活性炭
塔の通水方式は上向流通水であっても下向流通水であっ
ても良い。
状態でメタノール除去速度10μg/L/min以上を
達成できるようなものであることが好ましい。このメタ
ノール除去速度は、例えば、生物活性炭塔にTOCとし
てメタノールを含有する水をSV20hr−1で通水し
たときの入口TOC濃度と出口TOC濃度とから、TO
C除去量を求め、これを滞留時間(HRT)で除して求
められる。
塔に、実質的に抗菌剤の存在しない条件下で原水を通水
し、生物活性炭で菌体を十分に増殖させる。
作用のある残留塩素が含まれており、また、工水・井水
系原水においても配管及びタンク内での微生物の繁殖を
抑制する目的からNaClO等の酸化剤(抗菌剤)が注
入されることから、生物活性炭塔の流入水中に、このよ
うな酸化剤が存在する場合には、図1に示す如く、Na
HSO3等の還元剤を添加して、これらの酸化剤を分解
除去しておく。
素濃度が0.5mg/L以下、好ましくは0mg/Lと
なるように還元剤を添加することが好ましい。また、還
元剤は、還元剤添加後の配管及びタンク内での微生物の
繁殖を抑制するために、生物活性炭塔の直前で添加され
るのが好ましい。なお、図1では、還元剤を燐含有鉱物
充填塔の入口側で添加しているが、還元剤は燐含有鉱物
充填塔の出口側、生物活性炭塔の入口側で添加しても良
い。
る手段としては、還元剤を添加する他、生物活性炭塔の
前段に、図2に示す如く、活性炭や触媒が充填された抗
菌剤除去塔を設置して、水中の抗菌剤(酸化剤)を分解
除去しても良い。この抗菌剤除去塔に充填する触媒とし
ては、コバルト、ニッケル、銅などの金属酸化物触媒、
パラジウム、白金などの貴金属触媒、或いはこれらを担
体に担持させた触媒などの酸化還元触媒の1種又は2種
以上を用いることができ、これらの触媒は活性炭との混
合物として抗菌剤除去塔に充填しても良い。このような
抗菌剤除去塔への通水方式は上向流通水であっても下向
流通水であっても良く、通水SVは10〜200hr
−1,特に20〜100hr−1程度とするのが好まし
い。
であって、生物活性炭塔の前段であれば良い。従って、
図2においては、抗菌剤除去塔を燐含有鉱物充填塔(燐
酸塩及び/又は燐酸水溶液添加手段であっても良い。)
の前段に設けているが、燐含有鉱物充填塔の後段に設け
ても良い。また、燐含有鉱物充填塔と抗菌剤除去塔を組
み合わせ、一つの塔内に燐含有鉱物充填層と還元剤及び
/又は触媒充填層を形成しても良く、また、抗菌剤除去
塔内に活性炭及び/又は触媒と共に燐含有鉱物を混合し
て充填しても良い。
g−活性炭以上、例えば106〜108個/g−活性炭
とすることにより、TOC成分を著しく低濃度にまで除
去することができる。
0hr−1、特に5〜30hr−1程度とするのが好ま
しい。この生物活性炭塔の給水の水温は10〜35℃、
pHは4〜8であることが好ましく、従って、必要に応
じて、生物活性炭塔の前段に熱交換器やpH調整剤添加
手段を設けることが望ましい。
ムコントロール剤を添加するか、電磁場装置により電磁
場を印加することにより抗菌処理する。この抗菌処理手
段は、生物活性炭塔の直後に設けることが好ましい。
ライムコントロール剤の添加手段と電磁場装置を各々単
独で用いても良く、併用しても良い。
は、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−
クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、
或いはこれらの塩等の酸化力の弱いスライムコントロー
ル剤や、酸化力のないスライムコントロール剤などを用
いることができる。非酸化性スライムコントロール剤は
1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いて
も良い。
や、電磁場装置による電磁場の印加量は、生物活性炭塔
から流出した微生物による後段の逆浸透膜分離装置やイ
オン交換装置の目詰まりを防止し得る程度であれば良
い。非酸化性スライムコントロール剤であれば、1〜1
0mg/L程度の添加で良好な添加効果を得ることがで
きる。
処理手段を一次純水系システムの脱炭酸塔と逆浸透膜分
離装置との間に設けることにより、脱炭酸塔による溶存
酸素供給及び逆浸透膜分離装置による流出菌体の捕捉を
行うことができる。
本発明をより具体的に説明する。
L、pH6.8、水温20℃)を原水として、通常の活
性炭塔と生物活性炭塔とにそれぞれ通水SV:20hr
−1,通水速度20L/hrで1年間通水し、TOCの
除去性能を比較する実験を行い、結果を図4に示した。
活性炭種はクラレケミカル社製石炭系活性炭「KW10
−32」であり、活性炭充填量は1Lとした。生物活性
炭塔は、メタノール分解除去速度10μg/L/min
となるように生物を担持させたものである。原水には、
活性炭塔又は生物活性炭塔の入口の残留塩素濃度が0m
g/Lとなるように、NaHSO3を添加すると共に、
生物活性炭塔流入水の燐濃度が10μg−P/Lとなる
ようにKH2PO4を添加した。
炭塔の入口のTOC濃度と出口のTOC濃度とを島津製
作所社製「TOC−5000」で測定し、(出口TOC
濃度÷入口TOC濃度)でTOCのリーク率を求めるこ
とにより調べた。
TOC除去率は通常の活性炭塔に比べてはるかに良く、
これは、通常の活性炭塔では、活性炭による吸着性能の
みでTOCを除去するため、早期に活性炭の吸着能が飽
和し、TOCがリークしてくるのに対して、生物活性炭
塔では、活性炭による吸着のみならず、生物によるTO
C分解と生物による活性炭の吸着能の再生作用が得ら
れ、長期に亘りTOC除去能が維持されることによるも
のである。
除去のために、NaHSO3を添加する代りに、酸化コ
バルトを充填した抗菌剤除去塔に通水SV:50hr
−1で通水したこと以外は同様に実験を行ったところ、
抗菌剤除去塔の流出水の残留塩素濃度は0mg/Lとな
り、上記と同様の結果が得られることが確認された。
L、pH6.8、水温20℃、)を、2m3/hrの処
理量で一次純水系システムとしての脱炭酸塔、生物活性
炭塔、逆浸透膜分離装置、混床式イオン交換装置、脱気
装置及び逆浸透膜分離装置に順次通水した後、サブシス
テムとしての低圧紫外線酸化装置、イオン交換純水装
置、及び限外濾過膜分離装置に順次通水して処理して超
純水を製造する超純水製造装置において、生物活性炭塔
の出口水のTOC濃度と、得られた超純水(限外濾過膜
分離装置の出口水)のTOC濃度を調べ、結果を表1に
示した。
製作所製「TOC−5000」を用いて測定し、超純水
のTOC濃度はアナテル社製「A−1000XP」を用
いて測定した。
用いたものと同様の活性炭種及びメタノール除去性能の
ものであり、通水SVは20hr−1とした。また、市
水にはNaHSO3及びKH2PO4を添加して生物活
性炭塔の入口の残留塩素濃度が0mg/L、燐濃度が1
0μg−P/Lとなるように調整し、生物活性炭塔の流
出水には非酸化性スライムコントロール剤として2−メ
チル−4−イソチアゾリン−3−オンを3mg/Lに添
加して抗菌処理した後逆浸透膜分離装置に供給した。
L、pH6.8、水温20℃、)を、2m3/hrの処
理量で一次純水系システムとしての脱炭酸塔、抗菌剤除
去塔、生物活性炭塔、逆浸透膜分離装置、混床式イオン
交換装置、脱気装置及び逆浸透膜分離装置に順次通水し
た後、サブシステムとしての低圧紫外線酸化装置、イオ
ン交換純水装置、及び限外濾過膜分離装置に順次通水し
て処理して超純水を製造する超純水製造装置において、
実施例1と同様にして、生物活性炭塔の出口水のTOC
濃度と、得られた超純水(限外濾過膜分離装置の出口
水)のTOC濃度を調べ、結果を表1に示した。
用いたものと同様の活性炭種及びメタノール除去性能の
ものであり、通水SVは20hr−1とした。また、抗
菌剤除去塔は、燐含有鉱物のヒドロキシアパタイト10
Lの充填層の上に、酸化還元触媒の酸化コバルト30L
の充填層を形成したものであり、通水方式は下向流通水
とし、通水SVは50hr−1とした。この抗菌剤除去
塔に通水することにより、水中の残留塩素が除去される
と共に燐の溶出で、生物活性炭塔の入口の残留塩素濃度
は0mg/L、燐濃度は10〜20μg−P/Lとなっ
た。生物活性炭塔の流出水には、実施例1と同様に非酸
化性スライムコントロール剤として2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オンを3mg/Lに添加して抗菌処
理した後逆浸透膜分離装置に供給した。
塔を用いたこと以外は同様にして超純水の製造を行い、
活性炭塔の出口水のTOC濃度と得られた超純水のTO
C濃度を調べ、結果を表1に示した。
たこと以外は同様にして超純水の製造を行い、生物活性
炭塔の出口水のTOC濃度と得られた超純水のTOC濃
度を調べ、結果を表1に示した。
通水日数に伴いTOC値が増加し超純水中のTOC値は
1μg/L程度で安定した。これは図4で示した活性炭
塔での傾向と同じである。一方、生物活性炭塔を用いた
実施例1,2においては通水日数によらず超純水のTO
C濃度は0.2μg/L程度で安定しており、図4で示
した、生物活性炭塔単独の時とは傾向が異なる。これ
は、一部のTOC成分が生物活性炭塔内で完全に分解、
吸着除去されなかったとしても、生物活性炭塔を通過す
ることにより生物によって何らかの形態変化を受け、後
段の逆浸透膜分離装置やイオン交換装置で除去可能物質
に変化したため、TOC濃度が低い値で安定するためと
考えられる。
4を添加しなかった比較例2では、超純水のTOC濃度
は0.3μg/L程度で安定しているが、KH2PO4
を添加した実施例1やヒドロキシアパタイトの充填層に
通水して燐を溶出させた実施例2よりは劣る結果とな
る。特に、実施例1,2と比較例2とを比較すると、経
時による生物活性炭塔出口水のTOC濃度において差が
認められ、KH2PO4を添加した実施例1やヒドロキ
シアパタイトの充填層に通水して燐を溶出させた実施例
2はTOC値の増加が少ない。
装置の透過水量の経時変化を調べ、結果を図5に示し
た。
ロール剤を添加しなかったこと以外は同様に処理を行っ
た場合の生物活性炭塔の後段の逆浸透膜分離装置の透過
水量の経時変化を調べ、結果を図5に併記した。
出水に非酸化性スライムコントロール剤を添加した場合
には、通水開始から40日を経過しても透過水量の低下
は認められないが、非酸化性スライムコントロール剤を
添加しない場合には、通水開始から徐々に透過水量が低
下して、40日後には初期透過水量の75%にまで低下
した。
除去及び燐添加のために、NaHSO3及びKH2PO
4を添加する代りに、実施例2と同様に酸化コバルト及
びヒドロキシアパタイトを充填した抗菌剤除去塔に通水
SV:50hr−1で通水したこと以外は同様に実験を
行ったところ、同様の結果が得られることが確認され
た。
装置及び超純水製造方法によれば、TOC濃度が著しく
低い、不純物の問題のない高純度な純水ないし超純水を
長期に亘り安定に製造することができる。本発明の超純
水製造装置及び超純水製造方法により製造された超純水
は、超LSIチップ洗浄水として、良好な洗浄効果を得
ることができる。
統図である。
す系統図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 一次純水系システムと、該一次純水系シ
ステムの処理水を処理するサブシステムとを有する超純
水製造装置において、 該一次純水系システムに、生物活性炭塔と、該生物活性
炭塔に流入する水に燐を添加する手段と、該生物活性炭
塔の流出水を抗菌処理する抗菌処理手段とが設けられて
おり、 該生物活性炭塔は、抗菌剤が実質的に存在しない条件下
で原水中の有機物を生物的に分解するものであることを
特徴とする超純水製造装置。 - 【請求項2】 請求項1において、該生物活性炭塔に流
入する水に燐を添加する手段が、該流入水に燐酸塩及び
/又は燐酸を添加する手段と、該流入水を燐含有鉱物と
接触させる手段との少なくとも一方であることを特徴と
する超純水製造装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、該抗菌処理手
段が非酸化性スライムコントロール剤の添加手段と電磁
場装置との少なくとも一方であることを特徴とする超純
水製造装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、該生物活性炭塔中の活性炭への菌体付着量が106
個/g以上であることを特徴とする超純水製造装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
て、該生物活性炭塔に流入する水に還元剤を添加する手
段を備えることを特徴とする超純水製造装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
て、該生物活性炭塔の前段に、活性炭及び/又は触媒が
充填された抗菌剤除去塔が設けられていることを特徴と
する超純水製造装置。 - 【請求項7】 原水を少なくとも凝集処理する前処理工
程と、前処理工程後の前処理水から一次純水を製造する
一次純水製造工程とを備える超純水製造方法において、
該一次純水製造工程が、 被処理水に燐を添加する燐添加工程と、 燐添加後の水を、抗菌剤が実質的に存在しない条件下で
生物活性炭に接触させて、原水中の有機物を生物的に分
解する生物活性炭処理工程と、 該生物活性炭処理水を抗菌処理する抗菌処理工程とを含
んでいることを特徴とする超純水製造方法。 - 【請求項8】 請求項7において、該燐添加工程は、該
被処理水に燐酸塩及び/又は燐酸を添加する工程と、該
被処理水を燐含有鉱物と接触させる工程との少なくとも
一方であることを特徴とする超純水製造方法。 - 【請求項9】 請求項7又は8において、該抗菌処理工
程は、該生物活性炭処理水に非酸化性スライムコントロ
ール剤を添加する工程と、該生物活性炭処理水に電場を
印加する工程との少なくとも一方であることを特徴とす
る超純水製造方法。 - 【請求項10】 請求項7ないし9のいずれか1項にお
いて、該生物活性炭への菌体付着量が106個/g以上
であることを特徴とする超純水製造方法。 - 【請求項11】 請求項7ないし10のいずれか1項に
おいて、該生物活性炭処理工程に流入する水に還元剤を
添加することを特徴とする超純水製造方法。 - 【請求項12】 請求項7ないし10のいずれか1項に
おいて、該生物活性炭処理工程に流入する水を、活性炭
及び/又は触媒が充填された抗菌剤除去塔に通水するこ
とを特徴とする超純水製造方法。
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