JP3919259B2 - 超純水製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超純水製造装置、詳しくは尿素除去能を備えた超純水製造装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
超純水(以下、一般に純水,超純水,超々純水と呼称される高純度水を総称して「超純水」と称する)は、半導体工業、原子力工業、医薬・製薬製造業、微生物工学,化学分析等の種々の分野で用水として利用され、要求水質は分野毎に一律ではないが、市水,地下水,工業用水等を原水としてこれに含まれる微粒子,イオン,有機物,細菌,ガス等(以下「不純物等」という)を除去する多段階精製処理を行って製造されている。そしてこのうち半導体,集積回路製造用水や医薬品等の製造用水に代表される超純水では、含まれる有機物の除去が特に重要なものの一つとされている。なお、有機物に関する超純水の水質評価については、上記のような多段階の精製処理が行われた超純水中の有機物は極く微量であって化学種別に定量することは困難であることから、一般的には有機物を構成する炭素を指標としたTOC(全有機態炭素)の定量測定により行われている。
【0003】
従来の超純水製造設備で一般に採用されている有機物除去の精製処理プロセスとしては、イオン交換装置なども一定程度の除去は可能であるものの、主なプロセスとして、逆浸透膜や限外ろ過膜等による膜処理、酸化剤を併用した紫外線による分解処理、酸化剤を併用しない紫外線による分解処理などがある。
【0004】
ところで、このような有機物除去のための精製処理プロセスを有する従来の超純水製造設備にあっても、製造された超純水のTOC濃度が経時的に変動することや特殊な例ではTOCの濃度低減に限界があることが知られ、またこの問題は特開平6−86997号公報にも記載されているように原水に含まれる分解し難い有機物である尿素に原因していることが知られている。すなわち、低分子量で化学的に安定な尿素((NH22 CO)は、膜処理では除去することが困難であるし、紫外線を用いた分解除去法では、高圧水銀灯に比べてエネルギーの大きい短波長(主に254nm)の紫外線を照射できる大容量の低圧水銀灯が得難いために分解が容易でなく、結果的に超純水中への漏洩を防ぐことが難しいからである。なお尿素は原水に恒常的に含まれているというよりも、一時的,短期的に含まれる場合が殆どである。
【0005】
しかし、より高度に精製された用水が要求されるようになっている近時の上記種々の工業分野にあっては、従来から超純水中に極く微量しか含まれずまた恒常的でなくて短い期間に一時的に含まれる場合が殆どであるとはいえ該当時にはTOC濃度のうちでかなりの部分を占めることになる尿素の除去は、これを用水として用いる工業設備の操業停止を防ぐなどのために必要性が高くなっている。
【0006】
従来、このような尿素除去の手段としては、上記した特開平6−86997号により、前処理装置、一次純水製造装置、二次純水製造装置を備える超純水製造装置の該前処理装置に、尿素分解酵素であるウレアーゼを適宜の担体に担持させた酵素分解装置を設置するという提案がされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の酵素を用いる従来方式では、長期の連続的な操業期間に渡って酵素の活性を維持することが容易でないし、また殆どの超純水製造設備では、経時的に極短期間の一時的,短期的な原水尿素濃度の上昇に対処すれば足りるが、上記方式ではこのためにも酵素分解装置を常設しなければならないという設備的な不利益がある。更にまた、酵素担持体の構造などにもよるがSSの目詰まりを考えて一定期間毎に逆洗をしなければならないという運転管理上の煩雑さを伴う難点がある。
【0008】
本発明者は、以上のような上記の種々の工業分野において、尿素を含め有機物濃度を一層低減した高度に精製された用水が求められるようになっている近時の状況に鑑み、また上記の生化学的手法を用いた従来技術の問題点を解消できる新規な尿素除去法を提供すべく種々研究を重ねた。
【0009】
そして、不純物等の除去のための多段階処理装置を設けている超純水製造設備では、重要な除去対象の一つであるイオン性物質を系外から添加することは塩類負荷のむやみな増加を招く結果になるため従来考えられていないが、微量に含まれる尿素の分解除去のために次亜ハロゲン酸イオンを所定条件を満足する管理下で利用すれば尿素を分解除去した超清純な高純度用水を製造するのに適した構成をとり得ることを本発明者は見出し、しかもこの方法によれば、上述した酵素を用いる従来法の難点を解決できることを見出して本発明をなすに至った。
【0010】
かかる観点からなされた本発明の目的の一つは、尿素を含め、有機物濃度を一層低減した高度に精製された超純水を製造することができる超純水製造装置を提供するところにある。
【0011】
また本発明の他の目的は、生化学的手法を用いた従来技術に代わり、化学的手法により短期間の一時的,短期的な原水尿素濃度の上昇に容易に対処でき、また化学薬品添加手段等の構成も操作も簡易な付帯設備の設置のみで尿素除去能を備えることができる超純水製造装置を提供するところにある。
【0012】
更にまた本発明の他の目的は、従来技術における酵素担持体やこれに対する通水装置などが不要で、しかも目詰まりに対する逆洗処理なども不要であり、設備の運転や管理が容易な、尿素除去能を備えた超純水製造装置を提供するところにある。
【0013】
また本発明の別の目的は、原水の尿素濃度が上昇した場合に迅速に尿素除去処理を実施することができ、したがって多段階の精製処理をして製造した超純水中に万一にも尿素が漏洩することを確実に防止でき、超純水を用水として使用する工業設備の操業停止を防ぐことができる超純水製造システムを構築するのに有効な監視システムを提供するところにある。このような原水尿素濃度の上昇の監視は上記の尿素分解酵素を通水路中に常設した従来方式では必要ないが、本発明のように一時的に化学薬品を添加して尿素分解処理を実施する方法では極めて重要であり、従来有効な尿素モニターが知られていない現状において本発明の監視システム提供の意義は極めて大きい。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記した種々の目的は、上記特許請求の範囲の各請求項に記載した発明により達成される。
【0015】
本願により提供する発明の特徴の一つは、被処理水中の微粒子,イオン,有機物,細菌,ガスを除去するための各処理手段を多段階に備えた超純水製造装置のいずれかの位置に尿素分解処理手段を設け、この尿素分解処理手段は、被処理水中の尿素を分解する次亜臭素酸塩、臭化アルカリと次亜塩素酸塩、臭化アルカリとオゾンのいずれかの尿素分解剤の添加手段と、該添加手段の添加位置に続き該被処理水中の全尿素分解に十分な通水時間を保持できるように設定した反応用通水路とを備え、この反応用通水路の後段にイオン除去手段を設けたことを特徴とする超純水製造装置にあり、上記尿素分解処理手段は、被処理水pH4〜8の条件下で、次亜臭素酸塩を添加して、該被処理水中の尿素を分解する態様が含まれる
【0016】
被処理水pH4〜8という条件下で上記の処理を行うのは、超純水という特別な高純度水中に含まれる微量な尿素を除去するために尿素分解剤として次亜臭素酸塩を用いる場合は必須の条件である。すなわち、pH4未満では、上記した剤の添加に起因して次亜臭素酸イオンがガス化する弊害があるため工業的な実施に供し難く、他方pH8を越えると次亜臭素酸イオンの酸化力が低下し反応が停滞するため実施に供し難いからである。これらの理由から、より好ましくは上記被処理水pHは5.5〜7.5、最適にはpH6.0〜6.5とされることがよい。このpH条件を満足するために原水に対し系外からpH調整物質を添加する操作を行ってもよい。ただし、超純水製造のための設備中での反応であることからすればイオン除去装置の塩類負荷を必要以上に増加させないように、一般の超純水処理中において当該pH条件となる位置で上述の尿素分解処理を行うようにすることが、塩類負荷を増大させないのでより好ましい。
【0017】
尿素分解のために添加される上記次亜臭素酸塩としては、限定されるものではないが代表的には次亜臭素酸ナトリウムが用いられる。被処理水に添加するこの次亜臭素酸塩の添加量は、該被処理水中の尿素に対しモル比3〜90、好ましくはモル比3〜15とされるのがよい。被処理水に次亜臭素酸塩を添加することで尿素と次亜臭素酸イオンを反応させる場合の反応は次式により示される。
【0018】
(NH22 CO+3BrO- →N2 +CO2 +2H2 O+3Br・・(1)
この反応式(1) からわかるように、被処理水中に含まれる尿素を分解するのに必要な次亜臭素酸塩の理論値はモル比3であるが、実際の工業的な実施においては予想される含有尿素を出来るだけ迅速な分解処理を行わせるためにモル比3以上とすることが好ましい。すなわち、尿素に対する次亜臭素酸イオンのモル比を大きくすれば上記式(1) の反応機会が大きくなって処理時間が短縮するからである。しかし、予想される尿素量に対し次亜臭素酸塩の添加量がモル比15を越えるようになるとその処理速度の増加傾向は小さくなり、超純水製造というプロセスにおいてはむやみに塩類負荷を大きくすることはイオン交換装置等の負担を増す結果となるから、最大でもモル比90を越えることは好ましくない。これらのことから次亜臭素酸塩の添加量は上記範囲とされる。
【0019】
本発明はまた、上記の次亜臭素酸塩に代えて、pH4〜8の条件下で次亜塩素酸塩と臭化アルカリを用いることができる。この場合の臭化アルカリとしては、臭化カリウム,臭化ナトリウムが代表的に用いられ、また次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウムが代表的に用いられる。被処理水に添加する次亜塩素酸塩の添加量は、該被処理水中の尿素に対しモル比10〜2000、好ましくは30〜600である。モル比10未満では尿素を分解する速度が遅いという問題があり、反対にモル比600を越えると分解時間は十分短くなるが、塩類負荷が大きくなる傾向を招くから、最大でもモル比2000を越えることは好ましくない。臭化アルカリの理論添加量は下記式で示す通り被処理水中の尿素に対しモル比3である。すなわち、超純水を製造する被処理水に次亜塩素酸塩として、次亜塩素酸ソーダ、及び臭化アルカリとして臭化ナトリウムを反応させた場合の反応は次のように示され、
Br- +ClO → BrO- +Cl- ・・(2)
(NH22 CO+3BrO- →N2 +CO2 +2H2 O+3Br- ・・(3)
この反応式(2),(3) による物質収支は下記式(4) となる。
【0020】
(NH22 CO+3NaBr+3NaClO
→ N2 +CO2 +2H2 O+6Na+ +3Br- +3Cl- ・・(4)
上記式(3) からわかるように、臭化物イオンは尿素と次亜臭素酸の反応により還元副生されてこれが次亜塩素酸と更に反応することになるため、臭化物イオンが繰り返し反応に有効に利用できるフローである場合には、実際に添加すべき臭化ナトリウムの量は上記式(4) で示されるモル比3であることを要しない場合もある。なお、被処理水中の尿素濃度が100〜500ppbというように低濃度の場合は、希薄なため上記反応が理論的に進まないため、臭化アルカリの添加量を多くすること、例えば被処理水中の尿素に対してモル比30〜60とするのが好ましい場合が多い。
【0021】
次亜臭素酸塩、臭化アルカリと次亜臭素酸塩に代えて、被処理水pHが4〜10、好ましくはpH6〜8の条件下で、臭化アルカリとオゾンを添加して該被処理水中の尿素を分解することもできる。
【0022】
上記において被処理水pH4未満では上記次亜臭素酸イオンがガス化する弊害がある。反対にpH10を越えてもオゾンは高い酸化力を示すが、被処理水pHが10を越えるように調整することはむしろ塩類負荷を増す結果となるので好ましくないので上記範囲とされる。上記pH条件を満足するために原水に対し系外からpH調整物質を添加する操作をおこなってもよいが、設備中に設けられるイオン除去装置の塩類負荷を必要以上に増加させないように従来通常の超純水処理に伴って当該pH条件となる位置において上述の尿素分解処理を行うことが好ましい。
【0023】
臭化アルカリとオゾンを尿素分解剤として用いる方法は、上記の次亜臭素酸塩、あるいは臭化アルカリ及び次亜塩素酸塩を用いる方法に比べて、被処理水中の塩類負荷を増大させることがない点、及び反応に寄与せずに気相に放出された排ガスオゾンを回収して循環再利用できる点で有利であるため、超純水に含まれる尿素の分解方法としてより好ましく採用される。この方法では、臭化アルカリは上記の場合と同様に臭化カリウム又は臭化ナトリウムを用いることができる。なお上述の場合と同様に臭化アルカリの添加量は臭化物イオンが繰り返し反応に有効に利用できるフローである場合には、実際に添加すべき臭化ナトリウムの量はモル比3よりも少なくてよいが、被処理水中の尿素濃度が100〜500ppbというように低濃度の場合は希薄なために上記反応が理論的に進まない場合があるから、例えば被処理水中の尿素に対してモル比30〜60のように臭化アルカリの添加量を多くするのが好ましい場合が多い。
【0024】
オゾンの添加量は、被処理水中の尿素に対しモル比3〜10、好ましくは3〜6とすることがよい。モル比3未満では臭化物イオンの次亜臭素酸イオンへの酸化が十分に進行せず、反対にモル比が10を越えると、過剰のオゾンにより尿素分解反応に寄与しない臭素酸イオンを副生するので好ましくなく、よって上記の範囲とされる。
【0025】
本発明において、イオン除去手段は、通常の超純水製造装置に設置されているイオン交換装置などを兼用,共用してもよいし、これとは別に独立して設けてもよい。
【0026】
上記した尿素分解処理手段を構成するうちの尿素分解剤の添加手段としては、前述したように以下の(1)〜(3)に列挙したいずれかの分解剤を添加する手段として設けられる。
【0027】
(1)次亜臭素酸塩、
(2)臭化アルカリと次亜塩素酸
(3)臭化アルカリとオゾン、
なお該(2),(3)の場合において2種の剤の添加位置は同じであってもよいし、異なっていてもよく、更に添加前に混合するようにしてもよく、また上記いずれの場合も添加方式が限定されるものではない。
【0028】
上記構成を有する本発明の超純水製造装置は、限定されるものではないが、一般の前処理装置、一次純水製造装置、2次純水製造装置の組合せで構成される従来一般的なものと同様の構成を採用することができる。例えば、被処理水中の不純物等を除去して超純水を製造するために多段階に設けられる各々の処理手段としては、懸濁物質や微粒子除去のためにはいわゆる前処理設備として設けられる凝集沈澱・ろ過装置、マイクロフロックろ過器などが挙げられ、同様に、イオン除去のためにはイオン交換装置,逆浸透膜装置、有機物除去のためには逆浸透膜装置,精密フィルター,限外ろ過膜装置,脱炭酸塔,紫外線酸化装置、細菌等の微生物の除去のためには逆浸透膜装置,紫外線殺菌装置、ガスの除去のためには真空脱気塔,脱炭酸塔、膜脱気装置などをそれぞれ代表的に例示することができ、原水中に含まれる不純物等の種類や量、及び製造すべき超純水の水質要求に応じてこれらのうちから適宜の手段を採択して上記の超純水製造装置が形成される。
【0029】
上記した超純水製造装置の特徴は、上述のように、多段階の上記各処理手段を有している装置において、第一に、被処理水中に含まれる尿素の分解処理のための尿素分解剤の添加手段を設けたこと、第二に、この尿素分解剤の添加位置の下流に被処理水中の全尿素を分解するのに十分な通水時間を確保するための反応用通水路、及びこの反応用通水路で尿素を分解させた後に残っている臭素イオンやナトリウムイオン、更には尿素分解により生成するCO2 等を除去するためのイオン交換装置,逆浸透膜などのイオン除去手段を設けたことにあり、このうちの上記通水路は、被処理水を滞留保持する槽あるいは配管(通水管)等として設けることができる。また尿素分解のために特別に設けることももちろんできるが、従来からある槽,配管等の装置の一部を上記作用をはたす反応用通水路として利用することも好ましい。具体的には、上記の二次純水製造装置よりも上流のいずれかの位置に尿素分解処理手段を設けることが好ましい場合が多く、特に前処理装置に設けられる被処理水の滞留槽,pH調整槽などを上記の反応用通水路として利用すれば、通常この滞留槽において1〜3時間程度は被処理水が保持されるので、別途特別な槽,配管を設ける必要がなく特に好ましい。
【0030】
尿素分解剤を添加するようにした本発明装置においては、上記反応用通水路と、尿素を分解させた後に残っているイオンを除去するためのイオン交換樹脂や逆浸透膜などとの間に、次亜ハロゲン酸イオンやオゾン等の酸化性の尿素分解剤を分解,除去するための活性炭槽を設ける構成が好ましく採用され、これにより、イオン交換樹脂や逆浸透膜の酸化劣化が防止される。
【0031】
また本発明の超純水製造装置においては、この尿素分解処理手段の上流位置、すなわち原水の取水口から尿素分解処理手段に至る通水路の途中に、被処理水中の尿素濃度を連続的に検出する尿素監視装置を設ける構成が好ましく採用される。
【0032】
この尿素分解手段から尿素監視装置に至る通水路長は、尿素監視装置において尿素濃度が検出されるのに要する時間よりも、被処理水がこの通水路を通過するための所要時間の方が十分長くなるように設定することが特に好ましい。このように構成することで、常時は尿素分解手段を停止させておき、超純水製造に用いられる被処理水中の尿素濃度が一時的に高くなったことが尿素監視装置により検出されたときに尿素分解手段を稼働させれば、被処理水中の尿素濃度の変動にかかわらず、連続的に製造される超純水の水質をTOC濃度が低い高純度な状態に維持できる。
【0033】
また上記の尿素監視装置を設けた超純水製造装置においては、尿素監視装置による尿素濃度上昇を検出して信号を出力する手段と、該信号を受けて上記尿素分解処理手段の動作を開始させる駆動制御手段とを設けて、装置の自動化した運転管理を行うことができる。
【0034】
上記超純水製造装置に用いられる尿素監視装置としては、通水路から分岐して被処理水を連続的に取水する分岐管と、該被処理水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段と、イオン除去後の被処理水に含まれる全有機態炭素(TOC)を測定するTOC測定手段とを備えたものを例示することができ、この尿素監視装置によれば、実質的に尿素以外の有機物は除去されているため尿素のみを検出することができ、しかも尿素を含む原水が取水された場合にこれを10分程度の時間遅れで検出できる。
【0035】
以上の本発明の超純水の製造方法及び装置によれば、超純水の製造に用いられる被処理水の含有尿素濃度が10mg/リットル以下という希薄濃度の領域において、分解剤の濃度や処理pHの条件等にもよるが、超純水製造という被処理水の塩類負荷を大きくすることは好ましくないという特別な条件の下でも、反応時間3時間以内で尿素90%以上の分解という優れた作用が得られる。
【0036】
【実施例】
実施例1
図1は本発明を適用した超純水製造装置の実施例1の構成概要を示したフロー図であり、この図において1は前処理装置、2は一次純水処理装置を示し、この一次純水処理装置で製造された一次純水は二次純水処理装置であるサブシステム3へ送水されるようになっている。
【0037】
そして本例は、この前処理装置1に尿素分解処理装置を組み込んだ構成としたところにその特徴がある。
【0038】
前処理装置1の構成を説明すると、原水(被処理水)はまずpH調整槽101に導入されて、塩酸貯槽102,苛性ソーダ貯槽103からの薬注によりpH調整される。pH調整がされた被処理水は凝集ろ過器105に送水される送水管106の途中で凝集剤貯槽104から例えば硫酸アルミニウム,ポリ塩化アルミニウム(PAC)等の凝集剤が注入されると共に、本例では必要時に尿素分解剤の一剤である臭化ソーダが臭化ソーダ溶液貯槽130から注入ポンプ131により注入添加されるようになっている。なおこの臭化ソーダの注入添加制御については後述する。
【0039】
上記の凝集剤の注入により、被処理水中の懸濁微粒子等が凝集フロックとなって上記凝集ろ過器105で固液分離され、分離された被処理水は、凝集ろ過器105から反応槽107に送水され、この送水管108の途中において尿素分解剤の他剤である次亜塩素酸ソーダが次亜塩素酸ソーダ溶液貯槽140から注入ポンプ141により必要時に注入添加されるようになっている。なお、本例の装置においては上述の如く尿素分解剤の一剤である臭化ソーダを凝集ろ過器105の上流側で添加し、尿素分解剤の他剤である次亜塩素酸ソーダを凝集ろ過器105の下流側で添加するように構成したが、両分解剤の添加位置,添加順序はこれに限定されるものではなく、例えば両分解剤を凝集ろ過器105の下流側にてほぼ同時に添加する構成としてもよい。この反応槽107は、尿素分解のための反応用通水路を槽形式で構成するものであり、被処理水中に含まれる尿素の分解に必要な所定の滞留時間を確保できる容量に設けられる。尿素分解処理を行った被処理水は次いで活性炭塔109に通されて残余の次亜塩素酸ソーダを分解,除去し、前処理を終了する。
【0040】
以上の前処理装置1で処理された被処理水は次いで一次純水製造装置2に送られ、本例ではまずイオン交換樹脂を充填した例えば2床3塔型のイオン交換装置201、逆浸透膜装置202においてイオン除去,有機物除去が行われた後、一次純水タンク203に貯水され、サブシステム3へ送水される。なお本例では、説明を簡便にするため一次純水製造装置2を上記のイオン交換装置201と逆浸透膜装置202の二つだけを図示して説明したが、これは他に、脱ガス処理のための脱炭酸塔や真空脱気塔等、あるいは殺菌等のための紫外線照射装置等を設置してもよいことは言うまでもない。サブシステムは図示していないが、既知の処理装置を用いてより高純度な超純水を製造するための処理が行われる。
【0041】
以上の構成を有する本例の超純水製造装置において、原水に尿素が含まれている場合の処理につき説明する。
【0042】
本例においては、pH調整槽101に流入される原水の一部を分岐して尿素監視装置120に常時流すための分岐配管122が設けられており、この分岐配管122から取水された原水を、尿素監視装置120によって連続的にその尿素濃度を測定監視するようになっている。本例における尿素監視装置120は、図2に示したように、原水(被処理水)中のイオン及び尿素を除く有機物を除去する混床式イオン交換樹脂塔型のイオン除去装置(イオン除去装置では尿素を殆ど除去できない)1201に該原水を通した後、既存の炭素を指標とするTOC測定装置1202に通す形式の装置を用いて構成される。この構成により、紫外線照射装置(高圧型)の前後に設置した電気伝導率計の測定値が、尿素の分解により生成するCO2 あるいはNO3 の高い電気伝導率によって大きく変化することで原水に尿素が含まれていることが検出される。
【0043】
尿素監視装置120で測定された測定情報は、マイクロコンピュータ(MPU)等から構成されている制御装置121に送られ、原水中に尿素が検出された場合には、上記注入ポンプ131を駆動して臭化ソーダを送水管106に注入添加し、また同様に注入ポンプ141を駆動して次亜塩素酸ソーダを送水管108に注入添加するための指令信号が出力される。
【0044】
そして、これら臭化ソーダ及び次亜塩素酸ソーダの注入添加により、反応槽107において上述した式(2),(3) の反応による被処理水中の尿素分解が行われる。この反応槽107は、注入添加するこれらの剤の濃度にもよるが尿素分解に要するのに十分な時間(例えば1〜3時間)、被処理水を滞留できるようにその槽容積が設計される。
【0045】
試験例1
被処理水として下記のような合成水を用い、これを容量5リットルのビーカーに入れ、攪拌下に以下の条件で尿素分解を行った場合の被処理水中の尿素濃度の変化を測定する試験を行い、その結果を図5に示した。なお尿素濃度は、被処理水のTOCを測定してその値から換算して求めた。
【0046】
被処理水:電気伝導率1.0μS/cm、TOC濃度0.02mg/リットルの純水に試薬の尿素を濃度5mg/リットルとなるように添加すると共に、緩衝溶液(中性リン酸塩水溶液)を添加してpH7.0に調整した。
【0047】
臭化ソーダ注入
注入量:被処理水に対し65mg/リットルとなる量を注入添加した。
【0048】
次亜塩素酸ソーダ
注入量:被処理水に対し78mg/リットルとなる量を注入添加した。
【0049】
試験例2
試験例1の臭化ソーダの注入添加を行わず、次亜塩素酸ソーダに代えて次亜臭素酸ソーダを60mg/リットル注入添加した他は、試験例1と同一の条件で尿素分解の試験を行いその結果を図5に示した。
【0050】
試験例3
試験例1の臭化ソーダの注入添加を行わず、また次亜塩素酸ソーダに代えて次亜臭素酸ソーダを125mg/リットル注入添加した他は、試験例1と同一の条件で尿素分解の試験を行いその結果を図6に示した。
【0051】
試験例4(比較試験例)
試験例1の臭化ソーダの注入添加を行わず、次亜塩素酸ソーダの注入添加量を150mg/リットルとした他は、試験例1と同一の条件で尿素分解の試験を行いその結果を図6に試験例3と併せて示した。
【0052】
これらの試験例1,2,3,4の結果を示す図5、図6から分かるように、試験例1では、次亜塩素酸ソーダの注入添加によって時間と共に徐々に尿素濃度が低下し、120分経過した時点で尿素濃度は0.005mg/リットルになって安定した。またこの試験例2の次亜臭素酸ソーダ60mg/リットルを注入添加した場合にも、この試験例1と同等の尿素分解が行われた。
【0053】
また次亜臭素酸ソーダの注入添加量を試験例に比べて約2倍に増やした試験例3では、次亜臭素酸ソーダの注入添加によって速やかに尿素濃度が低下し、60分経過した時点で尿素濃度は0.005mg/リットルになって安定した。
【0054】
他方、次亜塩素酸ソーダのみを添加した試験例4では、被処理水中の尿素濃度は殆ど低下しなかった。
【0055】
試験例5
次亜臭素酸ソーダの濃度と尿素分解の速度の関係を調べるために、上記試験例2においての被処理水中への次亜臭素酸ソーダの注入添加量を30,60,125,150,200mg/リットルのそれぞれに代えた以外は試験例2と同一の条件で尿素分解の試験を行い、その結果を図7に示した。
【0056】
この結果から、次亜臭素酸ソーダの添加量を理論量(モル比3)の30mg/リットルから増加させるに従って尿素の分解速度が速くなることが分かる。すなわちモル比3の添加量では、被処理水中の尿素の90%を分解する(図7において尿素濃度が0.5mg/リットルに達するまで)のに3時間を要するが、添加量を増加させるに従って分解速度は速くなり、モル比15の添加量では約10分で90%分解に達している。また、モル比をこれ以上増加させても分解速度はあまり速くなっていない。従って次亜臭素酸ソーダの添加量は、被処理水中の尿素に対しモル比3〜15が望ましい。
【0057】
試験例6
臭化ソーダと次亜塩素酸ソーダを用いる試験例1の方法において、臭化ソーダの濃度と尿素分解の速度の関係を調べるために、上記試験例1においての被処理水中への臭化ソーダの注入添加量を8.3,25,50mg/リットルのそれぞれに代えた以外は試験例1と同一の条件で尿素分解の試験を行い、その結果を図8に示した。なお次亜塩素酸ソーダの注入添加濃度は78mg/リットルの一定とした。
【0058】
この結果から、臭化ソーダの濃度が低くても尿素分解に大きな影響がないことが分かる。
【0059】
試験例7
臭化ソーダと次亜塩素酸ソーダを用いる試験例1の方法において、次亜塩素酸ソーダの濃度と尿素分解の速度の関係を調べるために、上記試験例1においての被処理水中への次亜塩素酸ソーダの注入添加量を18.6,37.3,62.1,93.1,186.3mg/リットルのそれぞれに代えた以外は試験例1と同一の条件で尿素分解の試験を行い、その結果を図9に示した。なお臭化ソーダの注入添加濃度は25mg/リットルの一定とした。
【0060】
この結果から、反応時間が3時間以内で尿素除去率90%以上を達成するためには、次亜塩素酸ソーダの添加量を被処理水中の尿素に対してモル比10以上とすることが必要であることが分かる。
【0061】
試験例8
試験例1の臭化ソーダと次亜塩素酸ソーダを用いる方法におけるpHと尿素分解の速度との関係を調べるために、臭化ソーダ25mg/リットル、次亜塩素酸ソーダ62mg/リットルの一定とし、被処理水のpHを4,6,7,8,9のそれぞれに代えた以外は試験例1と同一の条件で尿素分解の試験を行い、その結果を図10に示した。
【0062】
この結果から、臭化ソーダと次亜塩素酸ソーダを用いる場合の尿素の分解反応はアルカリ側よりもむしろ酸性側の方が速く、その至適pHは、反応時間3時間以内で90%以上の尿素文化理率が得られることから、pH8以下が好ましいことが分かる。ただし、反応pHが4未満では、上記した剤の添加に起因して次亜臭素酸イオンがガス化する弊害があるため好ましくないことは上述した通りである。
【0063】
実施例2
図3に示した本実施例は、臭化アルカリとしての臭化ソーダとオゾンを注入添加することによって被処理水中の尿素を分解する方式の尿素分解手段を一次純水製造装置内に設けた超純水製造装置の例を示したものである。
【0064】
本例における前処理装置1は、pH調整槽101、このpH貯槽内に塩酸を注入するための塩酸貯槽102、あるいは苛性ソーダを注入するための苛性ソーダ貯槽103、途中で凝集剤貯槽104から凝集剤を注入して凝集ろ過器105に被処理水を送る送水管106、凝集フロックを固液分離する該凝集ろ過器105、活性炭塔109を備えてなっており、かかる構成は従来の超純水製造装置における前処理装置として既知のものである。
【0065】
そして、本例の前処理装置1には、原水の一部を取水するための分岐配管122を介し取水することで、原水中に尿素が含まれているか否かを連続的に測定する尿素監視装置120、この尿素監視装置120からの信号により後述する臭化ソーダ及びオゾンの注入添加を制御する制御装置121が付設されている。
【0066】
なお以上の構成は、前処理装置1内で尿素分解処理のための尿素分解剤の注入添加手段が設けられていないこと、及び尿素分解のための反応槽107が設けられていないことを除けば上記実施例1の構成と同じである。
【0067】
また本例の一次純水製造装置2は、前処理装置1から送水された被処理水中のイオンを除去するイオン交換装置207と、このイオン交換装置207から送水管209を介して被処理水が送られる反応槽(槽形式の反応用通水路)208と、送水管209の途中で臭化ソーダ溶液貯槽130から臭化ソーダを注入添加するための注入ポンプ131と、オゾン発生器150から上記反応槽208にオゾンを注入添加する制御弁151と、尿素分解後の被処理水に含まれている残留オゾンを分解するための活性炭槽等の排オゾン分解装置210と、被処理水中のイオンを除去するイオン除去装置211とからなっている。
【0068】
そして、上記制御装置121は、尿素監視装置120において原水に尿素が含まれていることを検出した場合に、上記臭化ソーダの注入ポンプ131、及びオゾン発生器150、オゾン注入添加用の制御弁151を駆動させて、これらの尿素分解剤を注入するように構成されている。
【0069】
なお本例における反応槽208で、被処理水の滞留時間は180分とした。
【0070】
実施例3
図4に示される本例は、上記実施例2の反応槽208に高圧紫外線照射ランプ(主波長365nmの紫外線を照射する紫外線照射ランプ)212を設けたことを特徴とし、他は実施例2と全く同一の構成である。
【0071】
このような構成をなす本例の超純水製造装置にあっては、酸化剤としてオゾンを使用するため、次亜塩素酸ソーダを使用する場合に比べて後段の機器に対するイオン負荷が軽減され、また余剰のオゾンと紫外線との協働によって尿素以外の有機物も同時に分解されるという作用が得られるので好ましい。
【0072】
試験例9
試験例1と同じ合成水を用いて以下の条件で尿素分解の処理を行った場合の被処理水中の尿素濃度の変化を測定する試験を行い、その結果を図11に示した。
また比較参考のために、上記試験例2の次亜臭素酸ソーダ60mg/リットルを注入添加した場合の結果を再掲した。
【0073】
臭化ソーダ注入
注入量:被処理水に対し25mg/リットルとなる量を注入添加した。
【0074】
オゾン
注入量:被処理水に対し75mg/リットルとなる量を注入添加した。
【0075】
この図11の結果から、臭化アルカリとオゾンを被処理水に注入することによって被処理水に含まれる尿素の分解は効率よく行われることが分かり、しかも図4の構成からも理解できるように余剰オゾンの除去は簡便に行うことができると共に、超純水製造装置のイオン除去手段に対する塩類負荷を増大させる問題もないことが分かる。
【0076】
試験例10
図1の構成の超純水製造装置に、原水として工業用水を用い、以下の条件で尿素分解を行った場合の反応槽107出口における被処理水中の尿素濃度を測定する試験を行った。
【0077】
原水
流量:1.0m3 /H
水質:電気伝導率180μS/cm,pH6.0,TOC 846ppb
なお、濃度5mg/リットルとなるように原水に対し外部から尿素を添加した。
【0078】
臭化ソーダ注入
注入量:被処理水に対し50mg/リットルとなる量を注入添加した。
【0079】
凝集剤添加
凝集剤:PAC(ポリ塩化アルミニウム)
添加量:20mg/リットル
次亜塩素酸ソーダ
注入量:被処理水に対し50mg/リットルとなる量を注入添加した。
【0080】
反応槽
容量:2m3 で被処理水滞留時間120分
なお、尿素添加開始から尿素監視装置120で尿素を検出して臭化ソーダ及び次亜塩素酸ソーダの注入添加を開始した。その結果、反応槽出口の尿素濃度は0.1mg/リットル以下であった。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、特に従来は除去が困難であった尿素も含めて有機物濃度を一層低減した高度に精製された超純水の製造を可能とする超純水製造装置を提供できる効果がある。
【0082】
また本発明は化学的手法を用いるものであるから、従来提案されている尿素除去のための生化学的手法による技術に比べて、短期間の一時的,季節的な原水尿素濃度の上昇に容易に対処できるという特徴があり、しかも、この生化学的尿素除去方法では維持,管理が容易でない常設装置が必要であることに比べて、化学薬品添加手段等の付帯設備の設置のみで尿素除去を容易に実現できるという極めて優れた効果が得られる利点がある。
【0083】
更にまた本発明は、従来の酵素担持体やこれに対する通水装置などが不要であり、しかも目詰まりに対する逆洗処理なども不要であるため、尿素除去のために設備の運転や管理が極めて容易であるという効果がある。
【0084】
また本発明は、原水の尿素濃度が上昇したことを検出する監視装置を用いることによって、尿素除去のために付帯設備した装置等によるプロセスを一時的,短期的に稼働させることができる。
【0085】
また更に、尿素濃度の上昇を検出してからその尿素の除去を行う処理手段を稼働させる構成を採用することができ、これによって、多段階の処理を経た高純度水を無駄にすることなく用水として使用する設備を構築することができるという利点が得られ、特に、このようないわゆる超純水と称される高純度水を連続的に製造できる設備によって、半導体製造分野等で必要不可欠な洗浄用水を停滞することなく提供できるため、当該半導体製造の操業を停止することなく連続的に実施できるという極めて優れた効果が得られる。
【0086】
また本願の請求項1〜3の発明によれば、原水中に含まれる尿素濃度の上昇を迅速に検出でき、したがって多段階の精製処理をして製造した超純水中に万一にも尿素が漏洩することを確実に防止できるという効果が得られる。そして、この監視システムを利用することで、原水尿素濃度の上昇監視を機械的,自動的に行うことができ、したがって本発明のように一時的,短期的に尿素分解剤を添加して尿素分解を実施する方式では、この監視システムの提供の意義は極めて大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の超純水製造装置の構成概要を示したフロー図。
【図2】図1の尿素監視装置の構成の詳細を説明するためのフロー図。
【図3】本発明の実施例2の超純水製造装置の構成概要を示したフロー図。
【図4】本発明の実施例3の超純水製造装置の構成概要を示したフロー図。
【図5】試験例1,2の結果を示した図。
【図6】試験例3,4の結果を示した図。
【図7】試験例5の結果を示した図。
【図8】試験例6の結果を示した図。
【図9】試験例7の結果を示した図。
【図10】試験例8の結果を示した図。
【図11】試験例9の結果を示した図。
【符号の説明】
1・・・前処理装置、2・・・一次純水製造装置、3・・・サブシステム、101・・・pH調整槽、102・・・塩酸貯槽、103・・・苛性ソーダ貯槽、104・・・凝集剤貯槽、105・・・凝集ろ過器、106・・・送水管、107・・・反応槽、108・・・送水管、109・・・活性炭塔、110・・・、120・・・尿素監視装置、121・・・制御装置、122・・・分岐配管、1201・・・イオン除去装置、1202・・・TOC計、130・・・臭化ソーダ溶液貯槽、131・・・注入ポンプ、140・・・次亜塩素酸ソーダ溶液貯槽、141・・・注入ポンプ、150・・・オゾン発生器、151・・・制御弁、、201・・・イオン交換装置、202・・・逆浸透膜装置、203・・・一次純水タンク、207・・・イオン交換装置、208・・・反応槽、209・・・送水管、210・・・排オゾン分解装置、211・・・イオン除去装置、212・・・高圧紫外線照射ランプ。

Claims (3)

  1. 被処理水中の微粒子,イオン,有機物,細菌,ガスを除去するための各処理手段を多段階に備えた超純水製造装置のいずれかの位置に尿素分解剤として次亜臭素酸塩、臭化アルカリと次亜塩素酸塩、臭化アルカリとオゾンのいずれかを用いる尿素分解処理手段を設けると共に、該尿素分解処理手段の上流位置に被処理水中の尿素濃度を連続的に検出する尿素監視装置を設け、かつ尿素監視装置による尿素濃度上昇を検出して信号を出力する手段と、該信号を受けて上記尿素分解処理手段の動作を開始させる駆動制御手段と、を設けたことを特徴とする超純水製造装置。
  2. 請求項において、尿素監視装置は、通水路から分岐して被処理水を連続的に取水する分岐管と、該被処理水に含まれるイオンを除去するイオン除去手段と、イオン除去後の被処理水に含まれる全有機態炭素(TOC)を測定するTOC測定手段を備えたことを特徴とする超純水製造装置。
  3. 請求項の尿素監視装置を、原水の取水口から、尿素分解処理手段に至る通水路の途中に設け、かつ尿素分解手段から尿素監視装置に至る通水路長を、上記尿素監視装置による尿素濃度の検出に要する時間長よりも被処理水が通水路を通過する所要時間の方が長くなるように設定したことを特徴とする超純水製造装置。
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