JP3552580B2 - し尿系汚水の処理方法および処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、し尿、浄化槽汚泥、ごみ埋立地からの浸出水、それらの混合物などのし尿系汚水処理方法および処理装置に関し、難分解性COD成分および色度成分等を除去するのに適したし尿系汚水の処理方法および処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、し尿あるいは浄化槽汚泥等のし尿系汚水の処理方法として膜分離式高負荷脱窒素処理法と呼ばれる技術(例えば特公平7−20583)が用いられる場合がある。図7に、膜分離式高負荷脱窒素処理プロセスにおける一般的な処理フローを示す。同図を参照して、その処理フローについて説明する。
【0003】
図7におけるし尿系汚水の処理装置は、脱窒素槽2および硝化槽3によりなる生物学的硝化脱窒素処理装置、膜ろ過装置4、凝集槽8、沈降分離槽9、中和槽10、循環槽14、膜ろ過装置17および活性炭吸着塔20より構成されている。まず、し尿系汚水1は無希釈のまま、あるいは適当な希釈倍率に希釈された状態で脱窒素槽2に流入し、脱窒素槽2および硝化槽3の間を循環して嫌気的に硝化脱窒素処理される。硝化脱窒素処理された汚水は膜ろ過装置4により固液分離され、生物処理水5は凝集槽8に移送される。凝集槽8において、生物処理水5に硫酸アルミニウム、塩化第二鉄あるいはポリ鉄等のような無機系凝集剤6および水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加して、pH3〜5の酸性条件下でリン酸イオンおよびCODを含むSS分を凝集させる。その凝集フロックを沈降分離槽9において沈降汚泥と上澄液とに分離し、上澄液は中和槽10へ送られる。一方、沈降汚泥は汚泥処理工程へ移送され、脱水処理後焼却処分される。また、沈降分離槽9の上澄液は、中和槽10に送られる。
【0004】
中和槽10においては、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加して、pH6〜8の中性にすることにより、上澄液中に含まれる未凝集の無機系凝集剤を水酸化物として析出させる。中和処理された処理水11は循環槽14へ移送され、循環槽14から膜ろ過装置17へと供給されて固液分離される。ここで得られた膜ろ過水18は活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ移送され、COD成分および色度成分を吸着除去する。処理された処理水は放流水21として系外に放流される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の膜分離式高負荷脱窒素処理プロセスでは、以下のような問題があった。
【0006】
▲1▼膜ろ過装置17に供給される汚水中には多量の難分解性COD成分及び色度成分等の有機性物質が残留しているため、膜ろ過装置17において有機性物質に由来する膜のファウリング現象が見られ、比較的短期に目詰まりを起こす欠点があり、この目詰まりを解消するために頻繁に酸またはアルカリによる薬品洗浄を行う必要がある。従って、薬品洗浄操作のための費用や労力がかかりコスト高につながるという問題がある。
【0007】
▲2▼活性炭吸着塔20において処理して得られた放流水のCODが、通常10〜15mg/L以下である放流水質基準を越えると、活性炭を再生処理しなければならず、その再生頻度が多く、維持管理が煩雑で処理コストが高価である。
【0008】
本発明は、上記のような問題点を克服すべく、鋭意研究の結果完成されたものであって、オゾンを効率的に利用することにより、処理水水質を高めると共に、膜洗浄コストの低減を図るし尿系汚水の処理方法および効率良くその方法を適用できる処理装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、し尿系汚水を生物学的に処理した後、膜ろ過装置による固液分離処理を行い、該膜ろ過装置からの透過液に対して凝集剤を添加して酸性条件下で反応させ、沈降分離槽において沈降分離を行い、得られた上澄液に対してアルカリ剤を添加して中和処理を行った後、更に別の膜ろ過装置によって固液分離処理を行うし尿系汚水の処理方法において、中和槽と後段の膜ろ過装置への循環槽または膜供給槽との中間において、オゾンの注入処理を行うことを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0010】
また、本発明は、前記後段の膜ろ過装置の後に更にオゾン接触槽を設けて、該オゾン接触槽に前記第二の膜ろ過装置からのろ過水を供給し、前記オゾン接触槽にオゾンを再注入して処理することを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0011】
また、本発明は、前記前段の膜ろ過装置および後段の膜ろ過装置において用いる膜が精密ろ過膜または限外ろ過膜であることを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0012】
また、本発明は、後段の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置したオゾン検出器によって、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が0.01〜10mg/Lの範囲内となるように、前記オゾン注入量を調整することを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0013】
さらに、本発明は、前記オゾン注入量の調整が、後段の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置したオゾン検出器により連続的に膜ろ過水の残留オゾン濃度を測定し、前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度が0.01〜10mg/Lの範囲内となるように、前記残留オゾン濃度の測定値に基づいて、前記オゾン注入量をフィードバック制御し、前記残留オゾン濃度を前記範囲内に調整することを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0014】
さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜ろ過装置の循環槽または膜供給槽とを連結する配管に直接オゾンをインライン注入することを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0015】
さらに、本発明は、後段の膜ろ過装置の循環槽または膜供給槽にオゾンを注入することを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0016】
さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜ろ過装置の循環槽または膜供給槽との中間にオゾン溶解槽を設置して、前記オゾン溶解槽にオゾンを注入することを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
【0017】
さらに、本発明は、し尿系汚水を生物学的に処理した後、膜ろ過装置による固液分離処理を行い、該膜の透過液に対して凝集剤を添加して酸性条件下で反応させ、沈降分離を行って得られた上澄液に対してアルカリ剤を添加して中和槽内で中和処理を行った後、別の膜ろ過装置によって固液分離処理を行うし尿系汚水の処理装置において、中和槽と後段の膜ろ過装置への循環槽または膜供給槽との中間においてオゾンを注入するオゾン注入設備と、後段の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置した膜ろ過水中の残留オゾン濃度を計測するオゾン検出器と、前記オゾン検出器によって膜ろ過水中の残留オゾン濃度を測定し、その計測値に基づいて、前記オゾン注入設備を操作して、オゾン注入量を調整し、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を所定範囲内とするように制御する制御手段とを配備することを特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0018】
さらに、本発明は、前記後段の膜ろ過装置からのろ過水を更にオゾン処理するために、前記後段の膜ろ過装置の後に、更にオゾン接触槽を設けることを特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0019】
さらに、本発明は、前記前段の膜ろ過装置および後段の膜ろ過装置が精密ろ過膜装置または限外ろ過膜装置であることを特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0020】
さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜ろ過装置の循環槽または膜供給槽とを連結する配管に直接オゾンをインライン注入するようにしたことを特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0021】
さらに、本発明は、後段の膜ろ過装置の循環槽または膜供給槽にオゾンを注入するようにしたことを特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0022】
さらに、本発明は、前記中和槽と後段の膜ろ過装置の循環槽または膜供給槽との中間にオゾン溶解槽を設置して、前記オゾン溶解槽にオゾンを注入するようにしたことを特徴とするし尿系汚水の処理装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に基づくし尿系汚水処理装置の一例を図1に示した。
【0024】
図1に示したように、本発明に基づくし尿系汚水の処理方法および装置は、脱窒素槽2および硝化槽3よりなる生物学的硝化脱窒素処理装置、膜ろ過装置4、凝集槽8、沈降分離槽9、中和槽10、循環槽14、膜ろ過装置17、オゾン発生器13、排オゾンガス処理設備16、オゾン検出器19、および活性炭吸着塔20より構成されている。まず、し尿系汚水1は無希釈のまま、あるいは適当な希釈倍率に希釈された状態で脱窒素槽2に流入し、脱窒素槽2および硝化槽3の間を循環して嫌気的に硝化脱窒素処理される。硝化脱窒素処理された汚水は膜ろ過装置4により固液分離され、該膜ろ過装置4を透過した生物処理水5は凝集槽8に移送される。凝集槽8において、生物処理水5に硫酸アルミニウム、塩化第二鉄あるいはポリ鉄等のような無機系凝集剤6および水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加し、pH3〜5の酸性条件下でリン酸イオンおよびCODを含むSS分を凝集させる。その凝集フロックを、沈降分離槽9において沈降汚泥と上澄液とに分離し、上澄液は中和槽10へ送られる。一方、沈降汚泥は汚泥処理工程へ移送され、脱水処理後焼却処分される。中和槽10においては、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加してpH6〜8の中性にすることにより、上澄液中に含まれる未凝集の無機系凝集剤を水酸化物として析出させる。中和処理された処理水11には、オゾン発生器13からオゾン12が直接インラインで注入され、オゾンが溶解した被処理水は循環槽14へ送り込まれる。この被処理水は、循環槽14から膜ろ過装置17へ供給されて固液分離される。膜ろ過装置17を透過した膜ろ過水18は、活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ移送され、汚染物質は吸着により除去される。その後、汚染物質を除去した処理水は、放流水21として系外に放流される。
【0025】
なお、膜ろ過水18が活性炭吸着塔20に送り込まれる過程で、膜ろ過水中の残留オゾン濃度がオゾン検出器19で検出され、そのオゾン濃度の計測値に基づいて、オゾン発生器13からのオゾン供給量が制御されている。また、循環槽14から排出される排オゾンガス15は、排オゾンガス処理設備16で処理される。膜ろ過装置17からの循環水は、循環ラインを通して循環槽14に返送される。更に、以下の実施形態においても同様であるが、オゾン検出器19は、溶存オゾン濃度検知器であってもよい。
【0026】
本実施形態では、オゾン検出器19によって、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が常時計測されており、残留オゾン濃度が、0.01〜10mg/Lの範囲内となるように、オゾン発生器13から直接インライン注入されるオゾン注入量がオゾン発生器の印可電圧やバルブの開閉操作等によって調整されている。例えば、CPU(中央処理装置)等による制御手段によって、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を算出して、インライン注入されるオゾン注入量をフィードバック制御している。
【0027】
本発明に基づくし尿系汚水処理装置の他の実施形態を図2に示した。
【0028】
図2に示したように、この実施形態では、オゾン発生器13からのオゾン12が、循環槽14へ送り込まれる被処理水に注入されるのではなく、循環槽14に注入され、循環槽14においてオゾン酸化反応が行われる。それ以外は、図1の実施形態と同じである。
【0029】
本発明に基づくし尿系汚水処理装置のもう一つの実施形態を図3に示した。
【0030】
図3の実施形態においては、中和槽10と循環槽14との間に、オゾン溶解槽22が設けられており、オゾン発生器13からのオゾン12はこのオゾン溶解槽22に注入される。それ以外は、図1に示した実施形態と同じである。即ち、中和槽10までの工程を図1で説明したのと同様に行った後、中和槽10で中和された被処理水はオゾン溶解槽22に供給される。また、オゾン発生器13からはオゾン12がオゾン溶解槽22に注入され、オゾンが溶解した被処理水は循環槽14へ送り込まれる。循環槽14は、オゾンが溶解された被処理水を膜ろ過装置17へ供給する。膜ろ過装置17を透過した膜ろ過水18は、活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ移送され、処理水は放流水21として系外に放流される。膜ろ過水18が活性炭吸着塔20に送り込まれる過程で、膜ろ過水中の残留オゾン濃度がオゾン検出器19で検出され、そのオゾン濃度の計測値に基づいて、オゾン発生器13からオゾン溶解槽22へのオゾン供給量が制御されている。また、オゾン溶解槽22から排出される排オゾンガス23および循環槽14からの排オゾンガス15は、排オゾンガス処理設備16で処理される。膜ろ過装置17からの循環水は、循環ラインを通して循環槽14に返送される。
【0031】
次に、本発明におけるオゾン溶解槽22について説明する。オゾン溶解槽22の目的は、膜ろ過装置17のろ過速度を高く維持するために、膜供給水にオゾンを溶解させるためのものである。オゾン発生器13からオゾン12がオゾン溶解槽22に注入され、膜ろ過装置17により得られた膜ろ過水18に残留する残留オゾン量は、膜ろ過装置17のろ過速度を高く維持するために0.01〜10mg/Lとし、望ましくは、0.1〜3mg/Lとするとよい。膜ろ過水中の残留オゾン濃度が10mg/Lより高くなった場合、膜ろ過装置17のろ過膜として、耐オゾン性の膜素材を用いても長期的にはオゾンとの反応により膜劣化が起こる恐れがあるが、膜モジュールの交換時期を考え合わせると、10mg/Lまでは許容される。また、残留オゾン濃度が10mg/Lより多くなると、副生成物量も多くなるという問題がある。以上のことから、膜ろ過水中の残留オゾン濃度は、0.01〜10mg/Lとし、望ましくは、0.1〜3mg/Lとするとよい。また、オゾン溶解槽22の装置形式は、Uチューブ式、ディフューザ式、インジェクタ式、エジェクタ式、下降注入式注入等のどの形式でも可能である。また、オゾン溶解槽22もしくは循環槽14から排出される排オゾンガスは、排オゾンガス処理設備16に導入されて処理される。排オゾンガス処理設備16の形式は、活性炭式、熱分解式、触煤式等どの形式でも問題がない。
【0032】
さらに、本発明における生物学的に処理した後の膜ろ過装置4について説明する。使用される膜は、濁質成分等を除去することのできる膜であり、精密ろ過膜または限外ろ過膜が用いられる。精密ろ過膜の場合は、公称孔径0.01〜0.5μmのものが用いられ、限外ろ過膜の場合は、分画分子量1,000〜20万ダルトンのものが用いられる。そして、膜モジュールの形式は、中空糸状、スパイラル状、チューブラ状、平膜状が用いられる。また、膜モジュールのろ過方式は、全量ろ過方式とクロスフローろ過方式があり、いずれのろ過方式でもかまわない。また、膜ろ過への通水方式は、外圧型と内圧型があり、どちらの通水方式でも問題ない。
【0033】
さらに、本発明における後段の膜ろ過装置17について説明する。膜ろ過装置は、膜供給水にオゾンが溶解された状態で膜ろ過することにより、常にオゾンによる前処理が行われている状態で膜ろ過するために、生物ファウリングによる膜の目詰まりを防止することができる。かつ高い透過流束を得ることができる。使用される膜として、濁質成分および細菌類を除去することのできる膜であり、精密ろ過膜または限外ろ過膜が用いられる。精密ろ過膜の場合は、公称孔径0.01〜0.5μmのものが用いられ、限外ろ過膜の場合は、分画分子量1,000〜20万ダルトンのものが用いられる。そして、膜モジュールの形式は、中空糸状、スパイラル状、チューブラ状、平膜状が用いられる。膜素材およびポッティング部は、高濃度のオゾンと接触するために、耐オゾン性の素材を使うことが望ましい。膜素材については、フッ化ビニリデン重合体樹脂等の耐オゾン性の有機樹脂またはセラミック等の無機材料を用いることができる。また、膜モジュールのろ過方式は、全量ろ過方式とクロスフローろ過方式があり、いずれのろ過方式でもかまわない。また、膜ろ過への通水方式は、外圧型と内圧型があり、どちらの通水方式でも問題ない。
【0034】
次に、本発明におけるオゾンの注入制御について説明する。本実施形態では、膜ろ過水中の残留オゾン濃度をオゾン検出器19で計測して、オゾン発生器13を操作してオゾン注入量を制御する方法である。オゾン発生器13により発生したオゾン12は、配管に直接インライン注入もしくは循環槽14もしくはオゾン溶解槽22に供給されるが、オゾン発生器の印可電圧や、各供給配管に設けたバルブ(図示なし)の開度を調整することによって、調整することができる。オゾン濃度の注入制御は、膜供給水のオゾン濃度を制御目的値にしても良いが、この場合、膜ろ過における短時間でも膜表面の目詰まり物質とオゾンが反応してオゾンが消費される場合があるため、予めこれを考慮しておく必要があり、好ましくは、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を制御目的値とすることが望ましい。
【0035】
なお、オゾンの注入率は、膜ろ過水中の残留オゾン濃度によりフィードバックされて決定される。なお、中和槽10において得られた処理水のオゾン要求量に変動がある場合は、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を溶存オゾン濃度検出器で測定して、オゾン流入率のフィードバック制御を行うこともできる。むろん、オゾン検出器19は、CPU(中央処理装置)を用いて検出してもよい。
【0036】
本発明では、上記の実施の形態に加えて、後段の膜ろ過装置17の後に更にオゾン接触槽を設け、該オゾン接触槽に後段の膜ろ過装置からのろ過水を供給し、前記オゾン接触槽にオゾンを再注入して処理する態様も可能である。以下、この態様について説明する。
【0037】
図4に示した実施形態において、本発明に基づくし尿系汚水の処理装置は、脱窒素槽2および硝化槽3よりなる生物学的硝化脱窒素処理装置、膜ろ過装置4、凝集槽8、沈降分離槽9、中和槽10、循環槽14、膜ろ過装置17、オゾン接触槽30、オゾン発生器13、排オゾンガス処理設備16、オゾン検出器19、および活性炭吸着塔20より構成されている。即ち、オゾン接触槽30が付加されている点において、図1の形態とは異なっている。
【0038】
まず、し尿系汚水1は無希釈のまま、あるいは適当な希釈倍率に希釈された状態で脱窒素槽2に流入し、脱窒素槽2および硝化槽3の間を循環して嫌気的に硝化脱窒素処理される。硝化脱窒素処理された汚水は膜ろ過装置4により固液分離され、生物処理水5は凝集槽8に移送される。凝集槽8において、生物処理水5に硫酸アルミニウム、塩化第二鉄あるいはポリ鉄等のような無機系凝集剤6、および水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加して、pH3〜5の酸性条件下でリン酸イオンおよびCODを含むSS分を凝集させる。その凝集フロックを、沈降分離槽9において沈降汚泥と上澄液とに分離し、上澄液は中和槽10へ送られる。一方、沈降汚泥は汚泥処理工程へ移送され、脱水処理後焼却処分される。中和槽10においては、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム等のようなアルカリ剤7を添加してpH6〜8の中性にすることにより、上澄液中に含まれる未凝集の無機系凝集剤を水酸化物として析出させる。中和処理された処理水11は、オゾン発生器13からオゾン12が直接インラインで注入され、オゾンが溶解した被処理水は循環槽14へ送り込まれる。この被処理水は循環槽14から膜ろ過装置17へ供給され、膜ろ過装置17を透過した膜ろ過水18は、オゾン接触槽30に送り込まれる。オゾン接触槽30には、オゾン発生器13から必要量のオゾン31が供給されて、膜ろ過水18とオゾン31とが接触している。膜ろ過水18は、膜ろ過装置17からオゾン接触槽30に送り込まれる過程で、膜ろ過水中の残留オゾン濃度がオゾン検出器19で検出され、そのオゾン濃度の計測値に基づいてオゾン発生器13から直接インライン注入されるオゾン12の供給量が制御されている。オゾン接触槽30において十分にオゾンと接触したオゾン処理水33は、活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ移送され、処理された処理水は放流水21として系外に放流される。また、循環槽14から排出される排オゾンガス15およびオゾン接触槽30から排出される排オゾンガス32は、排オゾンガス処理設備16で処理される。膜ろ過装置17からの循環水は、循環ラインを通して循環槽14に返送される。なお、以下の実施形態においても同様であるが、オゾン検出器19は、溶存オゾン濃度検知器であってもよい。
【0039】
本実施形態では、オゾン検出器19によって、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が常時計測されており、残留オゾン濃皮が、0.01〜10mg/Lの範囲内となるように、オゾン発生器13から直接インライン注入されるオゾン注入量がオゾン発生器の印可電圧やバルブの開閉操作等によって調整されている。例えば、CPU(中央処理装置)等による制御手段によって、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を算出して、インライン注入されるオゾン注入量をフィードバック制御している。
【0040】
本発明に基づくし尿系汚水処理装置の他の実施形態を図5に示した。
【0041】
図5に示したように、この実施形態におけるし尿系汚水の処理方法および装置は、図2の実施形態と同様に、オゾン発生器13からのオゾン12が、図1の実施形態のように循環槽14へ送り込まれる被処理水に注入されるのではなく、循環槽14に注入され、循環槽14においてオゾン酸化反応を行う。それ以外は、図4の実施形態と同じである。
【0042】
本発明に基づくし尿系汚水処理装置の他の一例を図6に示した。
【0043】
図6の実施形態においては、中和槽10と循環槽14との間に、オゾン溶解槽22が設けられており、オゾン発生器13からのオゾン12はこのオゾン溶解槽22に注入される。それ以外は、図4に示した実施形態と同じである。即ち、中和槽10で中和された被処理水はオゾン溶解槽22に供給され、オゾン発生器13からオゾン12がオゾン溶解槽22に注入され、オゾンが溶解した被処理水は、循環槽14へ送り込まれる。次いで、被処理水は循環槽14から膜ろ過装置17へ供給され、膜ろ過装置17を透過した膜ろ過水18は、オゾン接触槽30に送り込まれる。オゾン接触槽30には、オゾン発生器13から必要量のオゾン31が供給されて、膜ろ過水18とオゾン31とが接触している。膜ろ過水18は、膜ろ過装置17からオゾン接触槽30に送り込まれる過程で、膜ろ過水中の残留オゾン濃度がオゾン検出器19で検出され、そのオゾン濃度の計測値に基づいてオゾン発生器13からオゾン溶解槽22へ供給されるオゾン12の供給量が制御されている。オゾン接触槽30において十分にオゾンと接触したオゾン処理水33は、活性炭を充填した活性炭吸着塔20へ移送され、処理された処理水は放流水21として系外に放流される。また、オゾン溶解槽22から排出される排オゾンガス23、循環槽14から排出される排オゾンガス15およびオゾン接触槽30から排出される排オゾンガス32は、排オゾンガス処理設備16で処理される。膜ろ過装置17からの循環水は、循環ラインを通して循環槽14に返送される。
【0044】
本発明におけるオゾン溶解槽22、生物学的に処理した後の膜ろ過装置4、後段の膜ろ過装置17については、図3の例において既に説明した通りである。
【0045】
次に、本発明におけるオゾンの注入制御について説明する。本実施形態では、膜ろ過水中の残留オゾン濃度をオゾン検出器19で計測して、オゾン発生器13を操作してオゾン注入量を制御する方法である。オゾン発生器13により発生したオゾン12が、配管に直接インライン注入もしくは循環槽14もしくはオゾン溶解槽22に供給されるとともに、オゾン発生器13により発生したオゾンガス31は、オゾン接触槽30に供給されるが、オゾン発生器の印可電圧や、各供給配管に設けたバルブ(図示なし)の開度を調整することによって、調整することができる。オゾン濃度の注入制御は、膜供給水のオゾン濃度を制御目的値にしても良いが、この場合、膜ろ過における短時間でも膜表面の目詰まり物質とオゾンが反応してオゾンが消費される場合があるため、予めこれを考慮しておく必要があり、好ましくは、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を制御目的値とすることが望ましい。
【0046】
なお、オゾンの注入率は、膜ろ過水中の残留オゾン濃度によりフィードバックされて決定される。また、中和槽10において得られた処理水のオゾン要求量に変動がある場合は、膜ろ過水中の残留オゾン濃度を溶存オゾン濃度検出器で測定して、オゾン注入率のフィードバック制御を行うこともできる。むろん、オゾン検出器19は、演算手段等を備えるCPU(中央処理装置)を用いたものであってもよい。
【0047】
次に、本発明におけるオゾン接触槽30について説明する。本発明では、膜ろ過装置17の後段に、更にオゾン接触槽30が設けられている。このような膜ろ過装置の後段にオゾン接触槽を設けることにより、膜ろ過水中の残留オゾン濃度によって、オゾン接触槽へのオゾン注入率を調整することができ、有機物質とのオゾン処理を十分に行うことが可能である。この膜ろ過装置17の後段に設けたオゾン接触槽30の目的は、▲1▼有機物とのオゾン反応に必要な接触時間を確保すること、▲2▼オゾンを再注入して、オゾン反応に必要なオゾンを補充することにある。そして、▲3▼膜の物理洗浄の時にオゾン注入ラインを後段のオゾン接触槽のみに切り換えることにより、オゾン発生装置の間欠運転または発生オゾンの無駄を防止することにある。また、オゾン接触槽30の装置形式は、Uチューブ式、ディフューザ式、インジェクタ式、下降注入式注入等のどの形式でも可能である。しかし、オゾンを注入した膜ろ過水に対して、オゾンを溶解させており、高濃度のオゾンを溶解させる必要はない。装置形式は、接触時間を十分に確保することができるディフューザ形式が好ましい。なお、オゾン接触槽30においても排オゾンガスが発生するため、排オゾンガスは排オゾンガス処理設備16に導入されて処理される。排オゾンガス処理設備16の形式は、活性炭式、熱分解式、触煤式等どの形式でも問題がない。
【0048】
【実施例】
以下、本発明に基づくし尿系汚水の処理方法および処理装置の実施例について説明する。なお、以下の実施例は本発明に限定を加えるものではない。
【0049】
(実施例1)
図7に示した従来法フローに基づく実験装置(処理量100L/日)において、膜ろ過装置4の部分に、分画分子量20,000ダルトンのポリアクリロニトリル重合体製限外ろ過膜(総面積0.2m2の平膜、設定フラックス0.5m3/m2/日)を適用し、膜ろ過装置17の部分に、分画分子量13,000ダルトンのポリアクリロニトリル重合体製限外ろ過膜(総面積0.1m2の中空糸膜、設定フラックス1.0m3/m2/日)を適用して、し尿および浄化槽汚泥の混合液の処理実験を行った。
【0050】
図7に示した従来法における限外ろ過平膜4の部分までの運転より開始し、約1ヶ月間の馴致期間を経て、生物処理工程が安定してから、その後の凝集沈殿装置および限外ろ過中空糸膜17までの運転実験を開始した。凝集槽8においてポリ鉄を鉄換算で550mg/L添加し、水酸化ナトリウムを用いてpH4.5に調製した。また、中和槽10において水酸化ナトリウムを用いてpH7.2に調製して処理した。本実験における、主な工程ごとの水質データは、表1に示した通りであった。
【0051】
【表1】
【0052】
ここで、し尿系汚水1は、し尿および浄化槽汚泥を目開き1mm程度の細目スクリーンで除渣した後の混合液である。しかしながら、限外ろ過中空糸膜17への通水を開始して3週間後には該膜の膜間差圧が150kPaを越えたため、該膜への通水を中断し、該膜に対して次亜塩素酸ナトリウムおよびクエン酸溶液による薬品洗浄を実施した。薬品洗浄の終了した限外ろ過中空糸膜17を用いて、再び一連の実験を開始したものの、通水を再開して3週間後には膜間差圧が150kPaを越えた。
【0053】
そこで、実験装置を、図3に示したようなフローに改造した。なお、ここで、膜ろ過装置4の部分に、分画分子量20,000ダルトンのポリアクリロニトリル重合体型限外ろ過膜(総面積0.2m2の平膜、設定フラックス0.5m3/m2/日)を適用し、膜ろ過装置17の部分に、公称孔径0.1μmのフッ化ビニリデン重合体樹脂製精密ろ過膜(総面積0.03m2の中空糸膜、設定フラックス3.3m3/m2/日)を適用した。ディフューザ形式のオゾン溶解槽22における滞留時間を9分とし、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が、0.1〜3mg/Lとなるようにオゾン溶解槽22にオゾンを注入して、膜ろ過処理を行った。一連の通水実験を行った結果、精密ろ過中空糸膜17における膜間差圧が100kPaを越えたのは、通水を開始して8ヶ月後であり、本発明方法および装置を用いることにより、精密ろ過中空糸膜17の薬品洗浄頻度を大幅に低減できることがわかった。なお、この実験期間中の、主な工程ごとの水質データは、表2に示した通りである。
【0054】
【表2】
【0055】
従来の方法および装置による実験での水質データ(表1)と比べると、し尿系汚水の水質に大きな差があるとは見られなかったが、本発明方法および装置を用いた場合の膜ろ過水のCODおよび色度は、従来方法および装置を用いた場合の膜ろ過水のCODおよび色度より低くなっており、本発明方法および装置によって、生物処理水中に含まれていたCOD成分および色度成分が良好に処理されていたことがわかった。
【0056】
(実施例2)
図7に示した従来法フローに基づく実験装置(処理量100L/日)において、膜ろ過装置4の部分に、分画分子量20,000ダルトンのポリアクリロニトリル重合体製精密ろ過膜(総面積0.2m2の平膜、設定フラックス0.5m3/m2/日)を適用し、膜ろ過装置17の部分に、分画分子量13,000ダルトンのポリアクリロニトリル重合体製限外ろ過膜(総面積0.1m2の中空糸膜、設定フラックス1.0m3/m2/日)を適用して、し尿および浄化槽汚泥の混合液の処理実験を行った。
【0057】
図7に示した従来法における限外ろ過平膜4の部分までの運転より開始し、約1ヶ月間の馴致期間を経て、生物処理工程が安定してから、その後の凝集沈殿装置および限外ろ過中空糸膜17までの運転実験を開始した。凝集槽8においてポリ鉄を鉄換算で650mg/L添加し、水酸化ナトリウムを用いてpH4.3に調製した。また、中和槽10において水酸化ナトリウムを用いてpH7.0に調製して処理した。本実験における、主な工程ごとの水質データは、表3に示した通りであった。
【0058】
【表3】
【0059】
ここで、し尿系汚水1は、し尿および浄化槽汚泥を目開き1mm程度の細目スクリーンで除渣した後の混合液である。しかしながら、限外ろ過中空糸膜17の通水を開始して3週間後には該膜の膜間差圧が150kPaを越えたため、該膜への通水を中断し、該膜に対して次亜塩素酸ナトリウムおよびクエン酸溶液による薬品洗浄を実施した。薬品洗浄の終了した限外ろ過中空糸膜17を用いて、再び一連の実験を開始したものの、通水を再開して3週間後には膜間差圧が150kPaを越えた。
【0060】
そこで、実験装置を、図6に示したようなフローに改造した。なお、ここで、膜ろ過装置4の部分に、分画分子量20,000ダルトンのポリアクリロニトリル重合体型限外ろ過膜(総面積0.2m2の平膜、設定フラックス0.5m3/m2/日)を適用し、膜ろ過装置17の部分に、公称孔径0.1μmのフッ化ビニリデン重合体樹脂製精密ろ過膜(総面積0.03m2の中空糸膜、設定フラックス3.3m3/m2/日)を適用した。ディフューザ形式のオゾン溶解槽22における滞留時間を6分とし、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が、0.1〜3mg/Lとなるようにオゾン溶解槽22にオゾンを注入して、膜ろ過処理を行った。得られた膜ろ過水18をディフューザ形式のオゾン接触槽30に供給し、オゾン接触槽30に5mg/Lのオゾンを注入して処理した。一連の通水実験を行った結果、精密ろ過中空糸膜17における膜間差圧が100kPaを越えたのは、通水を開始して8ヶ月後であり、本発明方法および装置を用いることにより、精密ろ過中空糸膜17の薬品洗浄頻度を大幅に低減できることがわかった。なお、この実験期間中の、主な工程ごとの水質データは、表4に示した通りである。
【0061】
【表4】
【0062】
従来の方法および装置による実験での水質データ(表3)と比べると、し尿系汚水の水質に大きな差があるとは見られなかったが、本発明方法および装置を用いた場合のオゾン処理水のCODおよび色度は、従来方法および装置を用いた場合の膜ろ過水のCODおよび色度より低くなっており、本発明方法および装置によって、生物処理水中に含まれていたCOD成分および色度成分が良好に処理されていたことがわかった。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のし尿系汚水の処埋方法および処理装置によれば、し尿系汚水を生物学的に処理した後、膜による固液分離処理を行い、該膜の透過液に対して凝集剤添加処理を行った後、沈降分離を行い別の膜によって固液分離処理を行うという方法および装置にあって、後段の膜の目詰まりを大幅に軽減することができ、該膜の目詰まりに対処するための薬品洗浄に要する労力と洗浄用薬剤費とを低減させることができると共に、膜の寿命を延命させ膜交換費を低減させることができる。
【0064】
また、オゾンの注入制御を行うことにより、オソン注入量を量小限にし、オゾン消費を抑制することができる。さらに、高度な処理水水質を得ることができ、後段の活性炭吸着塔に係る負荷を軽減することが可能となり、活性炭の交換もしくは再生頻度を低減させ、維持管理を容易にすることができる。
【0065】
また、膜ろ過装置の洗浄工程では、オゾン発生器からのオゾンをオゾン接触槽に供給することによって、間欠運転の必要性がなく、発生オゾンの無駄を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の処理フローを示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図である。
【図6】本発明の他の実施形態の処理フローを示す図である。
【図7】従来例の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
1…し尿系汚水、2…脱窒素槽、3…硝化槽、4…膜ろ過装置、5…生物処理水、6…凝集剤、7…アルカリ剤、8…凝集槽、9…沈降分離槽、10…中和槽11…中和処理水、12…オゾン、13…オゾン発生器、14…循環槽、15…排オゾンガス、16…排オゾンガス処理設備、17…膜ろ過装置、18…膜ろ過水、19…オゾン検出器、20…活性炭吸着塔、21…放流水、22…オゾン溶解槽、23…排オゾンガス、30…オゾン接触槽、31…オゾン、32…排オゾンガス、33…オゾン処理水
Claims (10)
- し尿系汚水を生物学的に処理した後、第一の膜ろ過装置による固液分離処理を行うことと、
該第一の膜ろ過装置からの透過液に対して凝集剤を添加し、酸性条件下で反応させた後に、沈降分離槽で沈降分離を行うことと、
該沈降分離により得られた上澄液に対してアルカリ剤を添加して、中和槽内で中和処理を行うことと、
該中和処理された液を、第二の膜ろ過装置によって固液分離処理を行うこととを具備したし尿系汚水の処理方法において、
前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への循環槽または膜供給槽との中間において、オゾンの注入処理を行うことを特徴とするし尿系汚水の処理方法。 - 前記第二の膜ろ過装置からの膜ろ過水をオゾン接触槽に導入すると共に、該オゾン接触槽にオゾンを再注入して処理することを特徴とするし尿系汚水の処理方法。
- 前記第一の膜ろ過装置および第二の膜ろ過装置に用いる膜が、精密ろ過膜または限外ろ過膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のし尿系汚水の処理方法。
- 第二の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置したオゾン検出器によって、膜ろ過水中の残留オゾン濃度が0.01〜10mg/Lの範囲内となるように、前記オゾン注入量を調整することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のし尿系汚水の処理方法。
- 前記オゾン注入量の調整が、第二の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置したオゾン検出器により連続的に膜ろ過水の残留オゾン濃度を測定し、前記膜ろ過水中の残留オゾン濃度が0.01〜10mg/Lの範囲内となるように前記オゾン注入量をフィードバック制御し、前記残留オゾン濃度を前記範囲内に調整することを特徴とする請求項4に記載のし尿系汚水の処理方法。
- 前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への循環槽または膜供給槽とを連結する配管に、オゾンを直接インライン注入することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のし尿系汚水の処理方法。
- 前記第二の膜ろ過装置の循環槽または膜供給槽にオゾンを注入することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のし尿系汚水の処理方法。
- 前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への循環槽または膜供給槽との中間にオゾン溶解槽を設置して、該オゾン溶解槽にオゾンを注入することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のし尿系汚水の処理方法。
- し尿系汚水を生物学的に処理した後、第一の膜ろ過装置による固液分離処理を行い、該膜ろ過装置からの透過液に対して凝集剤を添加して酸性条件下で反応させ、この反応液を沈降分離槽で沈降分離を行い、得られた上澄液に対してアルカリ剤を添加して中和槽内で中和処理を行った後、第二の膜ろ過装置によって固液分離処理を行うし尿系汚水の処理装置において、
前記中和槽と前記第二の膜ろ過装置への循環槽または膜供給槽との中間においてオゾンを注入するオゾン注入設備と、第二の膜ろ過装置の膜ろ過出口に設置した膜ろ過水中の残留オゾン濃度を計測するオゾン検出器と、該オゾン検出器によって膜ろ過水中の残留オゾン濃度を測定し、その計測値に基づいて前記オゾン注入設備を操作することによりオゾン注入量を調整し、前記第二の膜ろ過装置からのろ過水中に存在する残留オゾン濃度を所定範囲内とするように制御する制御手段とを配備することを特徴とするし尿系汚水の処理装置。 - 前記第二の膜ろ過装置からのろ過水を更にオゾン処理するために、前記第二の膜ろ過装置の後に、更にオゾン接触槽を設けたことを特徴とする請求項9に記載のし尿系汚水の処理装置。
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