JP2002327048A - 側鎖にビニルフェニル構造を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート型ポリエステル、およびその製造方法 - Google Patents

側鎖にビニルフェニル構造を有する新規なポリヒドロキシアルカノエート型ポリエステル、およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側鎖上に、環上にビニル基の置換を有する芳
香環を有するポリヒドロキシアルカノエート(PHA)
型ポリエステル、特には、生分解性を有するPHA型の
新規なポリエステルと、その製造方法の提供。 【解決手段】 3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニルフェ
ニル)アルカン酸ユニットを分子中に含み、その含有比
率の総和は、1ユニット%以上であることを特徴とする
PHA型ポリエステル、ならびに、ω−(4−ビニルフ
ェニル)アルカン酸を原料として、PHAの産生能を有
する微生物を用い、前記ユニットを含む該PHA型ポリ
エステルを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なユニットを
含むポリヒドロキシアルカノエート(PHA)型のポリ
エステルと、微生物を利用するその製造方法に関し、よ
り具体的には、構成ユニットとして、3−ヒドロキシ−
ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを含む
PHA型のポリエステルと、ω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸を原料として、PHAの産生能を有する
微生物を利用し、構成ユニットとして、3−ヒドロキシ
−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを含
むPHAの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、多くの微生物が、ポリ−3−
ヒドロキシ酪酸(PHB)あるいはその他のPHAを生
産し、その菌体内に蓄積することが報告されている
(「生分解性プラスチックハンドブック」,生分解性プ
ラスチック研究会編,(株)エヌ・ティー・エス, P
178−197 (1995))。これらPHAなどの
微生物が産生するポリマーは、従来のプラスチックと同
様に、溶融加工等により各種製品の生産に利用すること
ができる。さらに、微生物が産生するポリマー、例え
ば、PHAなどは、生分解性を有しており、自然界の微
生物により完全分解されるという利点を有している。従
って、例えば、微生物が産生するPHAは、廃棄した
際、従来の多くの合成高分子化合物のように自然環境に
そのまま残留し、汚染を引き起こす要因となることがな
い。また、微生物が産生するPHAは、一般に生体適合
性にも優れており、医療用軟質部材等としての応用も期
待されている。
【0003】この微生物産生PHAは、その生産に用い
る微生物の種類、ならびに、培地組成、培養条件等によ
り、様々な組成や構造のものとなり得ることも知られて
いる。これまで、主にPHAの物性の改良という観点か
ら、微生物産生PHAの組成や構造の制御を試みる研究
がなされてきた。
【0004】微生物産生PHAの組成や構造の制御を目
的とする研究の一つとして、近年、ユニット中に芳香環
を有するPHAを微生物に生産させる研究が盛んになさ
れている。
【0005】Makromol. Chem., 19
1, 1957−1965 (1990)及びMacr
omolecules, 24, 5256−5260
(1991)には、5−フェニル吉草酸を基質とし
て、シュードモナス オレオボランス (Pseudom
onas oleovorans)が3−ヒドロキシ−
5−フェニル吉草酸をユニットとして含むPHAを生産
することが報告されている。
【0006】Macromolecules, 29,
1762−1766 (1996)には、5−(p−
トリル)吉草酸を基質として、シュードモナス オレオ
ボランス (Pseudomonas oleovora
ns)が3−ヒドロキシ−5−(p−トリル)吉草酸ユ
ニットを含むPHAを生産することが報告されている。
【0007】Macromolecules, 32,
2889−2895 (1999)には、5−(2,
4−ジニトロフェニル)吉草酸を基質として、シュード
モナス オレオボランス (Pseudomonas o
leovorans)が3−ヒドロキシ−5−(2,4
−ジニトロフェニル)吉草酸ユニット、及び3−ヒドロ
キシ−5−(p−ニトロフェニル)吉草酸ユニットを含
むPHAを生産することが報告されている。
【0008】Macromol. Chem. Phy
s., 195, 1665−1672 (1994)
には、11−フェノキシウンデカン酸を基質として、シ
ュードモナスオレオボランス (Pseudomona
s oleovorans)が3−ヒドロキシ−5−フ
ェノキシ吉草酸ユニットと3−ヒドロキシ−9−フェノ
キシノナン酸ユニットを含むPHAコポリマーを生産す
ることが報告されている。
【0009】特許掲載公報 第2989175号には、
3−ヒドロキシ−5−(モノフルオロフェノキシ)ペン
タノエート(3H5(MFP)P)ユニット、あるいは
3−ヒドロキシ−5−(ジフルオロフェノキシ)ペンタ
ノエート(3H5(DFP)P)ユニットからなるホモ
ポリマー;少なくとも、3H5(MFP)Pユニットあ
るいは3H5(DFP)Pユニットを含有するコポリマ
ー;これらのポリマーの産生能を有するシュードモナス
・プチダ;シュードモナス属を用いた、前記のポリマー
の製造法に関する発明が開示されている。加えて、その
発明の効果として、置換基を有する長鎖脂肪酸を資化し
て、側鎖末端に、1から2個のフッ素原子が置換したフ
ェノキシ基をもつポリマーを合成することができ、ま
た、かかるポリマーは、融点が高い上、良い加工性を保
持しつつ、加えて、立体規則性、撥水性を与えることが
できる点を記載している。
【0010】このユニット中の芳香環上にフッ素置換を
有するフッ素置換PHA以外に、ユニット中の芳香環上
にシアノ基やニトロ基が置換したPHAの研究もなされ
ている。
【0011】Can. J. Microbiol.,
41, 32−43 (1995)及びPolyme
r International, 39, 205−
213 (1996)には、シュードモナス オレオボ
ランス (Pseudomonas oleovoran
s)ATCC29347株及びシュードモナス プチダ
(Pseudomonas putida)KT244
2株を用いて、オクタン酸と6−(p−シアノフェノキ
シ)ヘキサン酸あるいは6−(p−ニトロフェノキシ)
ヘキサン酸を基質として、3−ヒドロキシ−6−(p−
シアノフェノキシ)ヘキサン酸あるいは3−ヒドロキシ
−6−(p−ニトロフェノキシ)ヘキサン酸をモノマー
ユニットとして含むPHAの生産が報告されている。
【0012】これら環状に置換基を持つ芳香環を有する
ユニットを含むPHAは、ガラス転移温度が高く、加工
性も良いという、芳香環に由来するポリマー性状を維持
しつつ、芳香環上に存在している置換基に由来する新た
な機能も付与された、多機能のPHAとなる。
【0013】また、その一方で、ユニット中にビニル基
を有するPHAを基に、生産ポリマーに対して、前記ビ
ニル基を利用する化学変換により任意の官能基をポリマ
ー側鎖に導入し、多機能のPHAを得ることを目的とし
た研究も盛んに行われている。
【0014】Polymer, 41, 1703−1
709 (2000)には、シュードモナス オレオボ
ランス (Pseudomonas oleovoran
s)を用いて、側鎖にビニル基を有するポリエステルを
生産し、ポリエステル分子内のビニル基を酸化すること
により、水酸基を側鎖に有するポリエステルを生産した
ことが報告されている。
【0015】同じく、Macromolecules,
31, 1480−1486 (1998)には、シ
ュードモナス オレオボランス (Pseudomona
soleovorans)を用いて、側鎖にビニル基を
有するポリエステルを生産し、ビニル基をエポキシ化す
ることにより、エポキシ基を側鎖に有するポリエステル
を生産したことが報告されている。
【0016】更に、Polymer, 40, 378
7−3793 (1999)には、同様の方法で得られ
たエポキシ基を側鎖に有するポリマーを、ヘキサメチレ
ンジアミンとともに加熱することで架橋反応を行い、そ
の反応と、生成物についての解析が報告されている。
【0017】また、Polymer, 35, 209
0−2097 (1994)には、ポリエステル側鎖の
ビニル基を利用し、ポリエステル分子内の架橋反応を行
い、ポリエステルの物性を改良した研究に関する報告が
なされている。
【0018】上に紹介した研究からも示されるように、
ビニル基は、不飽和炭化水素基であるがゆえに、付加反
応などにおける、反応性が高く、様々な官能基の導入や
化学的変換を施すことが可能である。また、ポリマーの
架橋反応の足がかり、架橋点ともなりうる。従って、P
HAを構成するユニット内にビニル基を有することは、
ポリマーの機能材料としての応用を考える上で、非常に
有用であると言うことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来報告されている、
これらビニル基を有するポリエステルは、いずれもポリ
エステル骨格に直接結合した側鎖のアルキル鎖の先端に
ビニル基が置換した構造を有している。しかしながら、
アルキル鎖からなる側鎖を有するポリエステルは、一般
的に、ガラス転移温度や融点はそれ程高くなく、溶融加
工する上では、熱的性質は必ずしも好ましいものでな
く、フィルムや加工品等としては、優れた性状を有して
いる材料は必ずしも多くない。一方、側鎖に芳香環を有
するポリエステルは、既に述べたように、一般的に、ガ
ラス転移温度や融点が高く加工品としての性状が良好で
あるという特色を有している。
【0020】すなわち、優れた加工性を有する、新たな
機能性ポリマーを開発していく上では、芳香環とビニル
基とを側鎖に併せ持つポリエステルの利用が望まれる。
しかしながら、これまで、ポリエステルにおいて、芳香
環とビニル基のような官能基を側鎖に導入したという報
告はなされていない。
【0021】本発明は前記の課題を解決するもので、本
発明の目的は、側鎖上に芳香環及びビニル基を有するポ
リエステル、特には、生分解性を有するPHA型のポリ
エステルと、その製造方法を提供することにある。より
具体的には、側鎖に、その環上にビニル基が置換してい
る芳香環を有しているPHA型のポリエステルと、それ
を、微生物を利用して製造する方法の提供が、本発明の
目的である。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、鋭意研究を進めたところ、以下に示す
ような発明に至った。
【0023】すなわち、本発明のポリエステルは、ポリ
ヒドロキシアルカノエート型のポリエステルであって、
下記化学式(1):
【0024】
【化8】
【0025】(式中、nは0〜7の範囲から任意に選ば
れる1つ以上の整数である)で示される3−ヒドロキシ
−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを分
子中に含み、その含有比率の総和は、1ユニット%以上
であることを特徴とするポリエステルである。
【0026】本発明のポリエステルは、場合によって
は、前記化学式(1)で示される3−ヒドロキシ−ω−
(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットユニット以
外に、下記化学式(2):
【0027】
【化9】
【0028】(式中、mは、0〜8の範囲から任意に選
ばれる1つ以上の整数である)で示される3−ヒドロキ
シ−アルカン酸ユニットを含んでいても良い。
【0029】このようなポリエステルの一例として、下
記化学式(3):
【0030】
【化10】
【0031】で示される3−ヒドロキシ−5−(4−ビ
ニルフェニル)吉草酸ユニットを分子中に含み、その含
有比率の総和は、1ユニット%以上であることを特徴と
するポリエステルを挙げることができる。
【0032】上に述べた、本発明のポリエステルでは、
数平均分子量は、3000〜500000の範囲にある
ものが好ましい。
【0033】加えて、本発明は、上記の3−ヒドロキシ
−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを含
むPHA型ポリエステルを、微生物を利用して製造する
方法をも提供しており、すなわち、本発明の微生物を用
いたポリエステルの製造方法は、下記化学式(4):
【0034】
【化11】
【0035】(式中、pは、0〜7の範囲から任意に選
ばれる1つ以上の整数である)で示されるω−(4−ビ
ニルフェニル)アルカン酸を原料とし、化学式(4)で
示されるω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸から化
学式(1):
【0036】
【化12】
【0037】(式中、nは、0〜7の範囲から任意に選
ばれる1つ以上の整数である)で示される3−ヒドロキ
シ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを
分子中に含み、その含有比率の総和は、1ユニット%以
上であることを特徴とするポリエステルを生産する能力
を有する微生物により、化学式(1)で示される3−ヒ
ドロキシ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニ
ットを分子中に含み、その含有比率の総和は、1ユニッ
ト%以上であることを特徴とするポリエステルを製造す
ることを特徴とする、化学式(1)で示される3−ヒド
ロキシ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニッ
トを分子中に含み、その含有比率の総和は、1ユニット
%以上であることを特徴とするポリエステルの製造方法
である。
【0038】更に詳しくは、化学式(4)で示されるω
−(4−ビニルフェニル)アルカン酸を含む培地中で、
前記微生物を培養することを特徴とする前記ポリエステ
ルの製造方法である。
【0039】本発明のポリエステルの製造方法において
は、前記化学式(4)で示すω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸に加えて、ペプチド類をも含む培地中
で、前記微生物を培養することを特徴とするポリエステ
ルの製造方法とすることができる。その際、培地中に含
める前記ペプチド類として、ポリペプトンを用いること
を特徴とするポリエステルの製造方法とすることが好ま
しい。
【0040】また、本発明のポリエステルの製造方法に
おいては、前記化学式(4)で示すω−(4−ビニルフ
ェニル)アルカン酸に加えて、酵母エキスをも含む培地
中で、前記微生物を培養することを特徴とするポリエス
テルの製造方法とすることが好ましい。
【0041】本発明のポリエステルの製造方法において
は、(4)で示すω−(4−ビニルフェニル)アルカン
酸に加えて、有機酸またはその塩をも含む培地中で、前
記微生物を培養することを特徴とするポリエステルの製
造方法とすることができる。その際、例えば、培地中に
含める前記有機酸またはその塩として、ピルビン酸、オ
キサロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、ケトグルタル
酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、乳酸、ならびにこ
れら有機酸の塩からなる群より選択される1つ以上を用
いることを特徴とするポリエステルの製造方法とするこ
とが好ましい。
【0042】本発明のポリエステルの製造方法において
は、(4)で示すω−(4−ビニルフェニル)アルカン
酸に加えて、アミノ酸またはその塩をも含む培地中で、
前記微生物を培養することを特徴とするポリエステルの
製造方法とすることができる。その際、例えば、培地中
に含める前記アミノ酸またはその塩として、グルタミン
酸、アスパラギン酸、ならびにこれらアミノ酸の塩から
なる群より選択される1つ以上を用いることを特徴とす
るポリエステルの製造方法とすることが好ましい。
【0043】本発明のポリエステルの製造方法において
は、前記化学式(4)で示すω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸に加えて、糖類をも含む培地中で、前記
微生物を培養することを特徴とするポリエステルの製造
方法とすることもできる。その際、例えば、培地中に含
める前記糖類として、グリセロアルデヒド、エリトロー
ス、アラビノース、キシロース、グルコース、ガラクト
ース、マンノース、フルクトース、グリセロール、エリ
トリトール、キシリトール、グルコン酸、グルクロン
酸、ガラクツロン酸、マルトース、スクロース、ラクト
ースからなる群より選択される1つ以上の糖類を用いる
ことを特徴とするポリエステルの製造方法とすることが
好ましい。
【0044】本発明のポリエステルの製造方法において
は、前記化学式(4)で示すω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸に加えて、炭素数4〜12の直鎖アルカ
ン酸またはその塩をも含む培地中で、前記微生物を培養
することを特徴とするポリエステルの製造方法とするこ
ともできる。
【0045】なお、上記する種々の構成を有する本発明
のポリエステルの製造方法では、前記化学式(4)で示
すω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸を含む培地中
で、前記微生物を培養し、前記微生物が産生した前記化
学式(1)で示される3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニ
ルフェニル)アルカン酸ユニットを含むポリエステルを
微生物細胞から回収する工程を有することを特徴とする
ポリエステルの製造方法とするのが一般的である。
【0046】なお、本発明のポリエステルの製造方法で
は、前記微生物として、シュードモナス(Pseudo
monas)属に属する微生物を用いることを特徴とす
るポリエステルの製造方法とすることが好ましい。例え
ば、その際、前記微生物として、シュードモナス チコ
リアイ YN2株(Pseudomonas cicho
rii YN2;FERM BP−7375)、シュード
モナス チコリアイ H45株(Pseudomonas
cichorii H45;FERM BP−737
4)、シュードモナス・ジェッセニイ P161株(P
seudomonas jessenii P161;F
ERM BP−7376)、シュードモナス プチダ P
91株(Pseudomonas putida P9
1;FERMBP−7373)のいずれが1つ以上の株
を用いることを特徴とするポリエステルの製造方法とす
るとより好ましいものとなる。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明は、側鎖に、その環上にビ
ニル基が置換している芳香環を有しているPHA型の新
規なポリエステルとして、下で述べる微生物を利用する
製造方法によって製造可能な、下記化学式(1):
【0048】
【化13】
【0049】(式中、nは、0〜7の範囲から任意に選
ばれる1つ以上の整数である)で示される3−ヒドロキ
シ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを
含むポリエステルを提供している。この3−ヒドロキシ
−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットに
は、付加反応などにおける、反応性が高く、様々な官能
基の導入や化学的変換を施すことが可能なビニル基が、
芳香環であるフェニル基上、p位に存在しており、フェ
ニル基の存在によって、ガラス転移温度や融点が高く、
加工性も良いとうい加工特性を有する上に、前記ビニル
基を利用して、様々な官能基の導入や化学的変換を施す
ことで、新規な機能を付与する上でも有用なものとな
る。
【0050】なお、化学式(1)の3−ヒドロキシ−ω
−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを含むP
HA型のポリエステルにおいて、その他のユニットを含
むものであってもよく、通常、3−ヒドロキシアルカン
酸ユニットをも若干含有するPHA型のポリエステルで
あってもよい。但し、化学式(1)の3−ヒドロキシ−
ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットの含有
比率は、少なくとも、1ユニット%以上、通常は、主成
分、すなわち、少なくとも50ユニット%以上、できれ
ば、70ユニット%以上となるものがガラス転移温度や
融点の高さ、加工性の良さを付与する上では好ましい。
【0051】具体的には、化学式(1)のユニットの含
有比率は、その他のユニットとして、化学式(2):
【0052】
【化14】
【0053】(式中、mは、0〜8の範囲から任意に選
ばれる1つ以上の整数である)で示される3−ヒドロキ
シアルカン酸ユニットのみを含むPHAである場合に
は、70ユニット%以上であることが望ましい。しかし
ながら、化学式(1)のユニット以外のユニットとし
て、同じくフェニル基をその側鎖に有するユニットを含
む際には、化学式(1)のユニットとそれらフェニル基
をその側鎖に有するユニットの含有率の総和が、70ユ
ニット%以上となることが望ましい。なお、PHAの用
途や、化学式(1)のユニットの利用目的によっては、
必ずしも、化学式(1)のユニット自体の含有比率は、
高い含有比率を必要としないこともある。ただし、化学
式(1)のユニットの含有比率が、1ユニット%に満た
ないものでは、ポリマー全体にかかるユニットが存在す
ることによる特性が発揮されなくなる。
【0054】化学式(1)のユニットと類似するフェニ
ル基をその側鎖に有するユニット以外に、その他の成分
として含有される3−ヒドロキシアルカン酸ユニット
は、その側鎖は、炭素数1〜9の範囲の直鎖アルキル基
である、上記の化学式(2)で示される3−ヒドロキシ
アルカン酸ユニットであることが望ましい。この種の飽
和な側鎖を有する3−ヒドロキシアルカン酸ユニット
は、ビニル基のような高い反応性を有していないので、
様々な官能基の導入や化学的変換を施す際、不要な反応
を起こさず、目的とするビニル基に選択的に反応を起こ
すことを可能とする。なお、本発明のPHA型のポリエ
ステルは、溶融成形して、種々の最終製品に加工する
が、その分子量が過度に大きいものであると、フェニル
基によるガラス転移温度や融点の上昇作用が必要以上に
働き、適度な溶融温度範囲を超えてしまうものとなる。
その点をも考慮すると、数平均分子量が、3000〜5
00000の範囲のものは、好適なものとなる。
【0055】以下に、本発明のポリエステルを製造する
方法について、より詳細に説明する。本発明では、上記
化学式(1)の3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニルフェ
ニル)アルカン酸ユニットを含むPHA型のポリエステ
ルを、微生物を利用して、生分解性を有するPHA型の
ポリエステルとして生産することができる。具体的に
は、原料として、下記化学式(4):
【0056】
【化15】
【0057】(式中、pは、0〜7の範囲から任意に選
ばれる1つ以上の整数である)で示されるω−(4−ビ
ニルフェニル)アルカン酸を用い、PHA産生能を有す
る微生物により、対応する化学式(1)の3−ヒドロキ
シ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットに
変換させ、それを含むPHA型のポリエステルを生産・
蓄積させる。
【0058】例えば、下記化学式(5):
【0059】
【化16】
【0060】に示す5−(4−ビニルフェニル)吉草酸
を原料として用いる場合には、化学式(3):
【0061】
【化17】
【0062】で示される3−ヒドロキシ−5−(4−ビ
ニルフェニル)吉草酸ユニットを含むPHA型のポリエ
ステルが、PHA産生能を有する微生物により、生産・
蓄積される。
【0063】また、下記化学式(6):
【0064】
【化18】
【0065】に示す8−(4−ビニルフェニル)オクタ
ン酸を原料として用いる場合には、化学式(7):
【0066】
【化19】
【0067】で示される3−ヒドロキシ−8−(4−ビ
ニルフェニル)オクタン酸ユニット、ならびに化学式
(8):
【0068】
【化20】
【0069】で示される3−ヒドロキシ−6−(4−ビ
ニルフェニル)ヘキサン酸ユニットを含むPHA型のポ
リエステルが、PHA産生能を有する微生物により、生
産・蓄積される。
【0070】また、下記化学式(9):
【0071】
【化21】
【0072】で示される10−(4−ビニルフェニル)
デカン酸を原料として用いる場合には、化学式(1
0):
【0073】
【化22】
【0074】で示される3−ヒドロキシ−10−(4−
ビニルフェニル)デカン酸ユニット、化学式(7):
【0075】
【化23】
【0076】で示される3−ヒドロキシ−8−(4−ビ
ニルフェニル)オクタン酸ユニット、ならびに化学式
(8):
【0077】
【化24】
【0078】で示される3−ヒドロキシ−6−(4−ビ
ニルフェニル)ヘキサン酸ユニットを含むPHA型のポ
リエステルが、PHA産生能を有する微生物により、生
産・蓄積される。
【0079】更に、下記化学式(11):
【0080】
【化25】
【0081】で示される11−(4−ビニルフェニル)
ウンデカン酸を原料として用いる場合には、化学式(1
2):
【0082】
【化26】
【0083】で示される3−ヒドロキシ−9−(4−ビ
ニルフェニル)ノナン酸ユニット、化学式(13):
【0084】
【化27】
【0085】で示される3−ヒドロキシ−7−(4−ビ
ニルフェニル)ヘプタン酸ユニット、ならびに化学式
(3):
【0086】
【化28】
【0087】で示される3−ヒドロキシ−5−(4−ビ
ニルフェニル)吉草酸ユニットを含むPHA型のポリエ
ステルが、PHA産生能を有する微生物により、生産・
蓄積される。
【0088】以上に例示するように、本発明の製造方法
を利用すると、原料に用いるω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸に対して、生産されるPHA型のポリエ
ステルに含有される3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニル
フェニル)アルカン酸ユニットは、対応する炭素鎖長を
保持するものに加えて、側鎖の炭素鎖長が、炭素数2づ
つ短縮されたユニットをも含むPHA型のポリエステル
も得られる。
【0089】一般に、生産されるPHA型のポリエステ
ルは、側鎖に、3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニルフェ
ニル)アルカン酸ユニットの4−ビニルフェニル基など
疎水性の原子団を有するので、水溶性は乏しく、PHA
産生能を有する微生物の菌体内に蓄積されるので、培養
により増殖させ、目的のPHA型のポリエステルを生産
・蓄積している菌体を集菌することで、培地と分離が容
易になされる。集菌した培養菌体を、洗浄・乾燥した
後、目的のPHA型のポリエステルを回収することがで
きる。
【0090】培養された微生物細胞から目的のPHAを
回収する方法としては、通常行なわれている方法を適用
することができる。例えば、クロロホルム、ジクロロメ
タン、アセトンなどの有機溶媒による抽出が最も簡便で
はあるが、それ以外にジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、アセトニトリルが用いられる場合もある。また、有
機溶媒が使用しにくい環境中においては、SDS等の界
面活性剤による処理、リゾチーム等の酵素による処理、
次亜塩素酸塩、アンモニア、EDTA等の薬剤による処
理、あるいは超音波破砕法、ホモジナイザー法、圧力破
砕法、ビーズ衝撃法、摩砕法、擂潰法、凍結融解法のい
ずれかの方法を用いて微生物細胞を物理的に破砕するこ
とによって、PHA以外の菌体成分を除去して、PHA
を回収する方法を用いることもできる。
【0091】本発明のポリエステルの製造方法で用いる
微生物は、PHA産生能を有する微生物、この場合、化
学式(4)で示されるω−(4−ビニルフェニル)アル
カン酸を含む培地中で培養することにより、化学式
(1)で示す3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸ユニットを含むPHA型のポリエステル
を生産し得る微生物であれば、いかなる微生物であって
もよい。利用可能なPHA産生能を有する微生物の一例
としては、シュードモナス(Pseudomonas)
属に属する微生物を挙げることができる。なかでも、P
HA産生能を有するものの、フェニル基上に置換してい
るビニル基に対しては、それを酸化する、あるいは、エ
ポキシ化するなどの酵素反応性を示さない菌株がより好
ましいものである。かかる微生物の一例として、シュー
ドモナス チコリアイ(Pseudomonas cic
horii)、シュードモナス プチダ(Pseudo
monas putida)、シュードモナス フルオレ
センス(Pseudomonas fluorecen
se)、シュードモナス オレオボランス(Pseud
omonas oleovorans)、シュードモナ
ス アルギノーサ(Pseudomonas aerug
inosa)、シュードモナス スツッツェリ(Pse
udomonas stutzeri)、シュードモナ
ス ジェッセニイ(Pseudomonas jesse
nii)等に属するある種の微生物を挙げることができ
る。例えば、より好適な菌株として、シュードモナス
チコリアイ YN2株(Pseudomonas cic
horii YN2;FERM BP−7375)、シュ
ードモナス チコリアイ H45株(Pseudomon
as cichorii H45;FERM BP−73
74)、シュードモナス・ジェッセニイ P161株
(Pseudomonas jessenii P16
1;FERM BP−7376)、シュードモナス プチ
ダ P91株(Pseudomonas putida
P91;FERM BP−7373)を挙げることがで
きる。
【0092】これら4種の菌株は、独立行政法人 産業
技術総合研究所(旧 通商産業省工業技術院) 生命工
学工業技術研究所 特許微生物寄託センターに寄託され
ており、特開2001−288256号公報に記載され
ている微生物である。
【0093】また、これら4種の微生物は、側鎖に、芳
香環部分に置換基を有する3−ヒドロキシフェニルアル
カン酸、3−ヒドロキシ−フェノキシアルカン酸、3−
ヒドロキシフェニルスルファニルアルカン酸等のユニッ
トを含むポリヒドロキシアルカノエート型のポリエステ
ルを生産する能力を有する微生物である。
【0094】なお、本発明のPHA型のポリエステル
は、それを構成する化学式(1)で示される3−ヒドロ
キシ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニッ
ト、また、副次的に含有されるその他のユニット、例え
ば、化学式(2)で示される3−ヒドロキシ−アルカン
酸ユニットは、共に、その3位の炭素原子は、不斉炭素
となっている。この不斉中心に由来して、互いに絶対配
置の異なる立体異性体が存在するものの、生分解性の観
点では、含まれる全てのユニットにおいて、その立体異
性体がR体となるものが最適である。
【0095】微生物を利用して、対応するアルカン酸か
ら3−ヒドロキシ−アルカン酸へと変換しており、本発
明の製造方法で得られるPHA型のポリエステルは、全
てのユニットにおいてその立体異性体がR体となる特徴
を有している。
【0096】本発明の製造方法では、上記するPHA産
生能を有する微生物を、基質を含む培地中で培養する
が、その際、微生物の培養条件は、下記するように選択
することが望ましい。
【0097】目的とする化学式(1)で示される3−ヒ
ドロキシ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニ
ットを含むPHA型のポリエステルを生産するための基
質、化学式(4)で示されるω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸を培地に含ませる際、培地中におけるそ
の濃度は、0.01%〜1%(w/v)の範囲、好まし
くは、0.02%〜0.2%(w/v)の範囲に選択す
ることが望ましい。なお、化学式(1)で示す3−ヒド
ロキシ−ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニッ
トの他、それ以外の3−ヒドロキシアルカン酸型のユニ
ットをも含有するPHA型のポリエステルを生産させる
際には、それ以外の3−ヒドロキシアルカン酸型のユニ
ットに対応する基質、すなわち、対応するアルカン酸を
培地に添加することができる。
【0098】また、培地には、微生物の増殖を促す基質
として、酵母エキスやポリペプトン、肉エキスといった
栄養素を添加することが可能である。すなわち、酵母エ
キスやポリペプトン、肉エキスといった栄養素の形態
で、ペプチド類をエネルギー源、炭素源として、添加す
ることができる。
【0099】あるいは、培地には、微生物の増殖により
消費されるエネルギー源、炭素源として、糖類、例え
ば、グリセロアルデヒド、エリトロース、アラビノー
ス、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノー
ス、フルクトースといったアルドース、グリセロール、
エリトリトール、キシリトール等のアルジトール、グル
コン酸等のアルドン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸
等のウロン酸、マルトース、スクロース、ラクトースと
いった二糖等を用いることができる。
【0100】前記糖類に代えて、有機酸またはその塩、
より具体的には、TCAサイクルに関与する脂肪酸、な
らびに、TCAサイクルから1段階や2段階の少ない生
化学的反応により誘導される脂肪酸、またはそれらの水
溶性の塩を利用することができる。有機酸またはその塩
として、例えば、ピルビン酸、オキサロ酢酸、クエン
酸、イソクエン酸、ケトグルタル酸、コハク酸、フマル
酸、リンゴ酸、乳酸などのヒドロキシカルボン酸やオキ
ソカルボン酸類またはその水溶性の塩を用いることが可
能である。あるいは、アミノ酸またはその塩、例えば、
アスパラギン酸やグルタミン酸等のアミノ酸またはその
塩を用いることが可能である。有機酸またはその塩を添
加する際には、ピルビン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、
イソクエン酸、ケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、
リンゴ酸、乳酸、ならびにその塩からなる群から、一種
または複数種を選択し、培地に添加し、溶解させること
がより好ましい。あるいは、アミノ酸またはその塩を添
加する際には、アスパラギン酸、グルタミン酸ならびに
それらの塩からなる群から、一種または複数種を選択
し、培地に添加し、溶解させることがより好ましい。そ
の際、必要に応じて、全部または一部を水溶性の塩の形
状で添加し、培地のpHに影響を与えず、均一に溶解さ
せることもできる。
【0101】微生物の増殖を促す基質として、培地に添
加する、ペプチド類、糖類、有機酸またはその塩は、い
ずれを用いてもよく、二種以上を混用してもよい。な
お、培地に対する、その添加量は、通常、0.1%〜5
%(w/v)の範囲、より好ましくは、0.2%〜2%
(w/v)の範囲に選択することが望ましい。有機酸の
塩を用いる際には、対応する有機酸に換算した添加量を
意味する。二種以上を混用する際には、その添加量の合
計を前記の範囲とすることが望ましい。
【0102】本発明で用いる培地としては、リン酸塩、
ならびにアンモニウム塩または硝酸塩等の窒素源を含む
無機塩培地ならば、いかなる無機塩培地をも利用可能で
ある。なお、培地に含有される、窒素源の濃度を調節す
ることで、PHAの生産性を向上せしめることが可能で
ある。
【0103】培養温度は、利用する菌株に応じて、その
菌株が良好に増殖可能な温度であれば、特に問題はない
が、通常、15℃〜30℃の範囲に選択することが適当
である。培養は、液体培地、固体培地を用いる培養な
ど、培地中に基質を保持でき、また、用いる微生物の増
殖が可能で、PHAの生産を行うことができる培養形態
である限り、いかなる培養方法を用いることもできる。
さらに、バッチ培養、フェド・バッチ培養、半連続培
養、連続培養等の種類も問わない。液体バッチ培養の形
態としては、振とうフラスコによって振とうさせて、培
地に酸素を供給する方法、ジャー・ファーメンターによ
る攪拌通気方式の酸素供給方法が好適に利用できる。
【0104】微生物にPHAを生産・蓄積せしめる手法
としては、上述する、所定の濃度で基質を添加した、リ
ン酸塩、ならびにアンモニウム塩または硝酸塩等の窒素
源を含む無機塩培地において、微生物を培養する、一段
階培養法の他に、培養を二段階に分けて行う二段階培養
法を採用することもできる。この二段階培養法では、一
次培養として、所定の濃度で基質を添加した、リン酸
塩、ならびにアンモニウム塩または硝酸塩等の窒素源を
含む無機塩培地において、微生物を一旦十分に増殖させ
た後、二次培養として、培地に含まれる塩化アンモニウ
ムのような窒素源を制限した上で、所定の濃度で基質を
添加した培地に、一次培養で得られた菌体を移し、更に
培養して、微生物にPHAを生産・蓄積せしめる。この
二段階培養法を採用すると、目的とするPHAの生産性
が向上する場合がある。
【0105】本発明の製造方法に利用可能な無機塩培地
の一例として、後に述べる実施例において利用している
無機塩培地(M9培地)の組成を以下に示す。
【0106】(M9培地の組成) Na2HPO4 :6.3 KH2PO4 :3.0 NH4Cl :1.0 NaCl :0.5 g/L、 pH=7.0 更には、良好な菌体の増殖、それに伴うPHAの生産性
の向上を図るためには、前記M9培地などの無機塩培地
に対して、必須な微量金属元素などの必須微量元素を適
量添加することが必要であり、以下に組成を示す微量成
分溶液を0.3%(v/v)程度添加することが極めて
有効である。かかる微量成分溶液の添加は、微生物の増
殖に際して使用される微量金属元素などを供給するもの
である。
【0107】 (微量成分溶液の組成) ニトリロ 三酢酸:1.5; MgSO4:3.0; MnSO4:0.5; NaCl:1.0; FeSO4:0.1; CaCl2:0.1; CoCl2:0.1; ZnSO4:0.1; CuSO4:0.1; AlK(SO42:0.1; H3BO3:0.1; Na2MoO4:0.1; NiCl2:0.1 g/L
【0108】
【実施例】以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体
的に説明する。これら実施例は、本発明にかかる最良の
実施形態の一例ではあるものの、本発明は、かかる実施
例により限定を受けるものではない。
【0109】(実施例1)M9培地に、5−(4−ビニ
ルフェニル)吉草酸と、ペプチド類としてポリペプトン
を添加し、一段階培養法を適用して、YN2株を培養し
て、PHAの生産を行わせた。
【0110】500 mL容振とうフラスコを用いて、
ポリペプトン0.5%(w/v)及び5−(4−ビニル
フェニル)吉草酸0.05%(w/v)を含むM9培地
200mLに、予め寒天プレート上で種菌培養したYN
2株のコロニーを植菌し、30℃、48時間培養を行っ
た。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メタノ
ールで洗浄した。凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤量
した。
【0111】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、40℃
で24時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、冷メタノールで沈澱固化した
部分を回収した。回収された沈澱物を減圧乾燥して、目
的とするポリマーを得た。乾燥菌体の重量は139 m
g、得られたポリマーの重量(回収量)は22 mgで
あった。
【0112】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=3700,重
量平均分子量 Mw=8900であった。
【0113】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。図1に、1H−NMRスペクトル
チャートを示す。また、図1に示す1H−NMRスペク
トルの各共鳴シグナルを与える水素原子の帰属を、表1
1H−NMR)に示す。
【0114】
【表1】
【0115】1H−NMRの帰属の結果、図1に示され
る各シグナルは、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフ
ェニル)吉草酸ユニットに由来することが確認された。
また、得られたPHAは、主構成ユニットとして、3−
ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニッ
トを含み、その含有率は、少なくとも73ユニット%以
上であることが示された。なお、3−ヒドロキシ−5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニット以外の含まれる
ユニットは、芳香環(ベンゼン環)を有してなく、化学
式(4)で示すことができる3−ヒドロキシアルカン酸
ユニットと推定される。
【0116】(実施例2)M9培地に、5−(4−ビニ
ルフェニル)吉草酸と、糖類としてグルコースを添加
し、二段階培養法を適用して、YN2株を培養して、P
HAの生産を行わせた。
【0117】500 mL容振とうフラスコを用いて、
グルコース0.5%(w/v)及び5−(4−ビニルフ
ェニル)吉草酸0.05%(w/v)を含むM9培地2
00mLに、予め寒天プレート上で種菌培養したYN2
株のコロニーを植菌し、30℃、48時間一次培養を行
った。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌した。
【0118】次いで、500 mL容振とうフラスコを
用いて、窒素源のNH4Cl成分を含まないM9培地に
対して、グルコース0.5%(w/v)及び5−(4−
ビニルフェニル)吉草酸0.05%(w/v)を添加し
て調製した培地200 mLに前記菌体を移し、30
℃、48時間二次培養を行った。培養後、遠心分離によ
り培養菌体を集菌し、メタノールで洗浄した。凍結乾燥
した後、乾燥菌体重量を秤量した。
【0119】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、40℃
で24時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、冷メタノールで沈澱固化した
部分を回収した。回収された沈澱物を減圧乾燥して、目
的とするポリマーを得た。乾燥菌体の重量は203 m
g、得られたポリマーの重量(回収量)は17 mgで
あった。
【0120】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=8100,重
量平均分子量 Mw=17000であった。
【0121】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、上記実施例1に記載す
1H−NMRシグナルに相当するスペクトルが観測さ
れ、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニル)吉草
酸ユニットを主構成ユニットとするPHAであることが
判明した。また、その強度から、3−ヒドロキシ−5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットの含有比率は、
少なくとも97ユニット%以上であることが示された。
【0122】(実施例3)M9培地に、5−(4−ビニ
ルフェニル)吉草酸と、有機酸としてピルビン酸ナトリ
ウムを添加し、二段階培養法を適用して、微生物YN2
株を培養して、PHAの生産を行わせた。
【0123】実施例2で利用したグルコースに代えて、
有機酸の一つであるピルビン酸ナトリウムを用い、培地
に0.5%(w/v)添加し、この変更点以外の条件
は、実施例2と同様にして、菌体を培養して、PHAを
生産させた。なお、ピルビン酸は、グルコースの解糖系
(または糖新生系)の経路に含まれるα−オキソカルボ
ン酸である。また、乾燥菌体とした後、同じ手順・条件
で、ポリマーを回収した。乾燥菌体の重量は145 m
g、得られたポリマーの重量(回収量)は29mgであ
った。
【0124】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=7300,重
量平均分子量 Mw=16000であった。
【0125】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、上記実施例1に記載す
1H−NMRシグナルに相当するスペクトルが観測さ
れ、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニル)吉草
酸ユニットを主構成ユニットとするPHAであることが
判明した。また、その強度から、3−ヒドロキシ−5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットの含有比率は、
少なくとも99ユニット%以上であることが示された。
【0126】(実施例4)M9培地に、5−(4−ビニ
ルフェニル)吉草酸と、ペプチド類としてポリペプトン
を添加し、一段階培養法を適用して、YN2株を培養し
て、PHAの生産を行わせたのち、クロロホルム抽出、
アセトン抽出を行った。
【0127】500 mL容振とうフラスコを用いて、
ポリペプトン0.5%(w/v)及び5−(4−ビニル
フェニル)吉草酸0.05%(w/v)を含むM9培地
200 mLに、予め寒天プレート上で種菌培養したY
N2株のコロニーを植菌し、30℃、72時間培養を行
った。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メタ
ノールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤量
した。
【0128】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は155 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は20 mgであった。
【0129】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=9900,重
量平均分子量 Mw=39000であった。
【0130】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、上記実施例1に記載す
1H−NMRシグナルに相当するスペクトルが観測さ
れ、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニル)吉草
酸ユニットを主構成ユニットとするPHAであることが
判明した。また、その強度から、3−ヒドロキシ−5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットの含有比率は、
少なくとも99ユニット%以上であることが示された。
【0131】更に、得られたポリマーの示差走査熱量測
定(DSC)を行った。装置はPerkin−Elmer
社Pyris1を用い、測定は−50℃で1分保持→2
0℃/分の速度で350℃まで昇温の条件で行った。得
られたグラフを図2に示す。
【0132】(実施例5)M9培地に、5−(4−ビニ
ルフェニル)吉草酸と、酵母エキスを添加し、一段階培
養法を適用して、P161株を培養して、PHAの生産
を行わせたのち、クロロホルム抽出、アセトン抽出を行
った。
【0133】500 mL容振とうフラスコを用いて、
酵母エキス0.5%(w/v)及び5−(4−ビニルフ
ェニル)吉草酸0.05%(w/v)を含むM9培地2
00mLに、予め寒天プレート上で種菌培養したP16
1株のコロニーを植菌し、30℃、72時間培養を行っ
た。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メタノ
ールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤量し
た。
【0134】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は135 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は16 mgであった。
【0135】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=8900,重
量平均分子量 Mw=32000であった。
【0136】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、上記実施例1に記載す
1H−NMRシグナルに相当するスペクトルが観測さ
れ、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニル)吉草
酸ユニットを主構成ユニットとするPHAであることが
判明した。また、その強度から、3−ヒドロキシ−5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットの含有比率は、
少なくとも99ユニット%以上であることが示された。
【0137】(実施例6)M9培地に、5−(4−ビニ
ルフェニル)吉草酸と、酵母エキスを添加し、一段階培
養法を適用して、H45株を培養して、PHAの生産を
行わせたのち、クロロホルム抽出、アセトン抽出を行っ
た。
【0138】500 mL容振とうフラスコを用いて、
酵母エキス0.5%(w/v)及び5−(4−ビニルフ
ェニル)吉草酸0.05%(w/v)を含むM9培地2
00mLに、予め寒天プレート上で種菌培養したH45
株のコロニーを植菌し、30℃、72時間培養を行っ
た。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メタノ
ールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤量し
た。
【0139】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は122 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は12 mgであった。
【0140】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=9000,重
量平均分子量 Mw=29000であった。得られたポ
リマーの構造決定は、1H−NMR(FT−NMR:Bruker D
PX400; 共鳴周波数:400MHz; 測定核種:1H; 使
用溶媒:CDCl3; reference:キャピラリ封入TM
S/CDCl3; 測定温度:室温)によって行った。
その結果、上記実施例1に記載する1H−NMRシグナ
ルに相当するスペクトルが観測され、3−ヒドロキシ−
5−(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットを主構成ユ
ニットとするPHAであることが判明した。また、その
強度から、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニ
ル)吉草酸ユニットの含有比率は、少なくとも99ユニ
ット%以上であることが示された。
【0141】(実施例7)M9培地に、5−(4−ビニ
ルフェニル)吉草酸と、酵母エキスを添加し、一段階培
養法を適用して、P91株を培養して、PHAの生産を
行わせたのち、クロロホルム抽出、アセトン抽出を行っ
た。
【0142】500 mL容振とうフラスコを用いて、
酵母エキス0.5%(w/v)及び5−(4−ビニルフ
ェニル)吉草酸0.05%(w/v)を含むM9培地2
00mLに、予め寒天プレート上で種菌培養したYN2
株のコロニーを植菌し、30℃、96時間培養を行っ
た。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メタノ
ールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤量し
た。
【0143】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は105 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は11 mgであった。
【0144】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=9200,重
量平均分子量 Mw=31000であった。得られたポ
リマーの構造決定は、1H−NMR(FT−NMR:Bruker D
PX400; 共鳴周波数:400MHz; 測定核種:1H; 使
用溶媒:CDCl3; reference:キャピラリ封入TM
S/CDCl3; 測定温度:室温)によって行った。
その結果、上記実施例1に記載する1H−NMRシグナ
ルに相当するスペクトルが観測され、3−ヒドロキシ−
5−(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットを主構成ユ
ニットとするPHAであることが判明した。また、その
強度から、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニ
ル)吉草酸ユニットの含有比率は、少なくとも99ユニ
ット%以上であることが示された。
【0145】(実施例8)M9培地に、8−(4−ビニ
ルフェニル)オクタン酸と、ペプチド類としてポリペプ
トンを添加し、一段階培養法を適用して、YN2株を培
養して、PHAの生産を行わせたのち、クロロホルム抽
出、アセトン抽出を行った。
【0146】500 mL容振とうフラスコを用いて、
ポリペプトン0.5%(w/v)及び8−(4−ビニル
フェニル)オクタン酸0.1%(w/v)を含むM9培
地200 mLに、予め寒天プレート上で種菌培養した
YN2株のコロニーを植菌し、30℃、96時間培養を
行った。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メ
タノールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤
量した。
【0147】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は170 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は26 mgであった。
【0148】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=12000,
重量平均分子量 Mw=38000であった。
【0149】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、下記化学式(7)に示
す3−ヒドロキシ−8−(4−ビニルフェニル)オクタ
ン酸ユニット及び化学式(8)に示す3−ヒドロキシ−
6−(4−ビニルフェニル)ヘキサン酸ユニットを3
0:70の割合で含むPHAであることが判明した。ま
た、その強度から、前記二種のユニットの含有比率の合
計は、少なくとも95ユニット%以上であることが示さ
れた。
【0150】
【化29】
【0151】
【化30】
【0152】(実施例9)M9培地に、10−(4−ビ
ニルフェニル)デカン酸と、ペプチド類としてポリペプ
トンを添加し、一段階培養法を適用して、YN2株を培
養して、PHAの生産を行わせたのち、クロロホルム抽
出、アセトン抽出を行った。
【0153】500 mL容振とうフラスコを用いて、
ポリペプトン0.5%(w/v)及び10−(4−ビニ
ルフェニル)デカン酸0.1%(w/v)を含むM9培
地200 mLに、予め寒天プレート上で種菌培養した
YN2株のコロニーを植菌し、30℃、96時間培養を
行った。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メ
タノールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤
量した。
【0154】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は160 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は23 mgであった。
【0155】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=10000,
重量平均分子量 Mw=36000であった。
【0156】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、下記化学式(10)に
示す3−ヒドロキシ−10−(4−ビニルフェニル)デ
カン酸ユニット及び化学式(7)に示す3−ヒドロキシ
−8−(4−ビニルフェニル)オクタン酸ユニット及び
化学式(8)に示す3−ヒドロキシ−6−(4−ビニル
フェニル)ヘキサン酸ユニットを20:30:50の割
合で含むPHAであることが判明した。また、その強度
から、前記三種のユニットの含有比率の合計は、少なく
とも97ユニット%以上であることが示された。
【0157】
【化31】
【0158】
【化32】
【0159】
【化33】
【0160】(実施例10)M9培地に、11−(4−
ビニルフェニル)ウンデカン酸と、ペプチド類としてポ
リペプトンを添加し、一段階培養法を適用して、YN2
株を培養して、PHAの生産を行わせたのち、クロロホ
ルム抽出、アセトン抽出を行った。
【0161】500 mL容振とうフラスコを用いて、
ポリペプトン0.5%(w/v)及び11−(4−ビニ
ルフェニル)ウンデカン酸0.1%(w/v)を含むM
9培地200 mLに、予め寒天プレート上で種菌培養
したYN2株のコロニーを植菌し、30℃、120時間
培養を行った。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌
し、メタノールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重
量を秤量した。
【0162】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は170 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は26 mgであった。
【0163】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=11000,
重量平均分子量 Mw=37000であった。
【0164】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、下記化学式(12)に
示す3−ヒドロキシ−9−(4−ビニルフェニル)ノナ
ン酸ユニット及び化学式(13)に示す3−ヒドロキシ
−7−(4−ビニルフェニル)ヘプタン酸ユニット及び
化学式(3)に示す3−ヒドロキシ−5−(4−ビニル
フェニル)吉草酸ユニットを10:20:70の割合で
含むPHAであることが判明した。また、その強度か
ら、前記三種のユニットの含有比率の合計は、少なくと
も95ユニット%以上であることが示された。
【0165】
【化34】
【0166】
【化35】
【0167】
【化36】
【0168】(実施例11)M9培地に、5−(4−ビ
ニルフェニル)吉草酸と、アミノ酸類としてグルタミン
酸ナトリウムを添加し、一段階培養法を適用して、YN
2株を培養して、PHAの生産を行わせたのち、クロロ
ホルム抽出、アセトン抽出を行った。
【0169】500 mL容振とうフラスコを用いて、
グルタミン酸ナトリウム0.5%(w/v)及び5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸0.05%(w/v)を
含むM9培地200 mLに、予め寒天プレート上で種
菌培養したYN2株のコロニーを植菌し、30℃、72
時間培養を行った。培養後、遠心分離により培養菌体を
集菌し、メタノールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌
体重量を秤量した。
【0170】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は145 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は18 mgであった。
【0171】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=9800,重
量平均分子量 Mw=37000であった。
【0172】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、上記実施例1に記載す
1H−NMRシグナルに相当するスペクトルが観測さ
れ、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニル)吉草
酸ユニットを主構成ユニットとするPHAであることが
判明した。また、その強度から、3−ヒドロキシ−5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットの含有比率は、
少なくとも97ユニット%以上であることが示された。
【0173】(実施例12)M9培地に、5−(4−ビ
ニルフェニル)吉草酸と、直鎖アルカン酸類としてn−
ノナン酸を添加し、一段階培養法を適用して、YN2株
を培養して、PHAの生産を行わせたのち、クロロホル
ム抽出、アセトン抽出を行った。
【0174】500 mL容振とうフラスコを用いて、
n−ノナン酸0.1%(w/v)及び5−(4−ビニル
フェニル)吉草酸0.1%(w/v)を含むM9培地2
00mLに、予め寒天プレート上で種菌培養したYN2
株のコロニーを植菌し、30℃、90時間培養を行っ
た。培養後、遠心分離により培養菌体を集菌し、メタノ
ールで洗浄し、凍結乾燥した後、乾燥菌体重量を秤量し
た。
【0175】乾燥菌体に、クロロホルムを加え、25℃
で72時間ポリマーを抽出した。抽出後の破砕菌体を除
去するため、ポリマーが抽出されたクロロホルムをろ過
した。ポリマーの溶解するクロロホルム層を、エバポレ
ーターにより濃縮した後、更にアセトンに溶解させ、不
溶部分をろ過で除去し、エバポレーターにより濃縮した
後、冷メタノールで沈澱固化した部分を回収した。回収
された沈澱物を減圧乾燥して、目的とするポリマーを得
た。乾燥菌体の重量は165 mg、得られたポリマー
の重量(回収量)は26 mgであった。
【0176】得られたポリマーの平均分子量は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した(東ソー HLC−8220 GPC、カラ
ム:東ソー TSK−GEL SuperHM−H、溶
媒:クロロホルム、ポリスチレン換算)。その結果、得
られたポリマーは、数平均分子量 Mn=11000,
重量平均分子量 Mw=38000であった。
【0177】得られたポリマーの構造決定は、1H−N
MR(FT−NMR:Bruker DPX400;共鳴周波数:400MHz;
測定核種:1H; 使用溶媒:CDCl3; referenc
e:キャピラリ封入TMS/CDCl3; 測定温度:室
温)によって行った。その結果、上記実施例1に記載す
1H−NMRシグナルに相当するスペクトルが観測さ
れ、3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニル)吉草
酸ユニットを主構成ユニットとするPHAであることが
判明した。また、その強度から、3−ヒドロキシ−5−
(4−ビニルフェニル)吉草酸ユニットの含有比率は、
少なくとも71ユニット%以上であることが示された。
【0178】
【発明の効果】本発明のポリエステルは、上記する化学
式(1)で示される3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニル
フェニル)アルカン酸ユニットを含むPHA型のポリエ
ステルであり、かかる側鎖に、ビニル基をその環上に置
換基として有するベンゼン環を有しているPHA型のポ
リエステルは、従来報告されていないものである。本発
明では、この新規な構成を有するPHA型のポリエステ
ルを、基質として、対応するω−(4−ビニルフェニ
ル)アルカン酸を用い、微生物により生分解性のPHA
型のポリエステルとして生産させることを可能としてい
る。かかる微生物により生産される、化学式(1)で示
される3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニルフェニル)ア
ルカン酸ユニットを含むPHA型のポリエステルは、そ
の他に若干含有される他の3−ヒドロキシアルカン酸ユ
ニットを含め、その3位の不斉炭素における立体配置
は、全てR体のものとなっており、立体異性の乱れによ
る加工性の低下もなく、生分解性を有する有用な材料と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で取得されたPHAポリマーの1H−
NMRスペクトルを示す。
【図2】実施例4で取得されたPHAポリマーのDSC
チャートを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 剛士 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 須川 悦子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野本 毅 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 本間 務 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 矢野 哲哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4B064 AD61 BA12 BA13 BA14 BH04 BH20 CA02 CD07 CD09 CD13 CD20 CD21 CE02 CE03 CE08 CE16 4J029 AA07 AB01 AC01 AC02 AD01 EA05 GA51

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシアルカノエート型のポリ
    エステルであって、下記化学式(1): 【化1】 (式中、nは、0〜7の範囲から任意に選ばれる1つ以
    上の整数である)で示される3−ヒドロキシ−ω−(4
    −ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを分子中に含
    み、その含有比率の総和は、1ユニット%以上であるこ
    とを特徴とするポリエステル。
  2. 【請求項2】 化学式(1)で示される3−ヒドロキシ
    −ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニット以外
    に、下記化学式(2): 【化2】 (式中、mは、0〜8の範囲から任意に選ばれる1つ以
    上の整数である)で示される3−ヒドロキシ−アルカン
    酸ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載のポ
    リエステル。
  3. 【請求項3】 化学式(3): 【化3】 で示される3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニ
    ル)吉草酸ユニットを分子中に含み、その含有比率の総
    和は、1ユニット%以上であることを特徴とすることを
    特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が、3000〜50000
    0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のポリエステル。
  5. 【請求項5】 下記化学式(4): 【化4】 (式中、pは、0〜7の範囲から任意に選ばれる1つ以
    上の整数である)で示されるω−(4−ビニルフェニ
    ル)アルカン酸を原料とし、化学式(4)で示されるω
    −(4−ビニルフェニル)アルカン酸から化学式
    (1): 【化5】 (式中、nは、0〜7の範囲から任意に選ばれる1つ以
    上の整数である)で示される3−ヒドロキシ−ω−(4
    −ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを分子中に含
    み、その含有比率の総和は、1ユニット%以上であるこ
    とを特徴とするポリエステルを生産する能力を有する微
    生物により、化学式(1)で示される3−ヒドロキシ−
    ω−(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを分子
    中に含み、その含有比率の総和は、1ユニット%以上で
    あることを特徴とするポリエステルを製造することを特
    徴とする、化学式(1)で示される3−ヒドロキシ−ω
    −(4−ビニルフェニル)アルカン酸ユニットを分子中
    に含み、その含有比率の総和は、1ユニット%以上であ
    ることを特徴とするポリエステルの製造方法。
  6. 【請求項6】 化学式(4)で示されるω−(4−ビニ
    ルフェニル)アルカン酸を含む培地中で、前記微生物を
    培養することを特徴とする請求項5に記載のポリエステ
    ルの製造方法。
  7. 【請求項7】 化学式(4)で示されるω−(4−ビニ
    ルフェニル)アルカン酸は、下記化学式(5): 【化6】 で示される5−(4−ビニルフェニル)吉草酸であり、
    製造されるポリエステルが化学式(3): 【化7】 で示される3−ヒドロキシ−5−(4−ビニルフェニ
    ル)吉草酸ユニットを分子中に含み、その含有比率の総
    和は、1ユニット%以上であることを特徴とするポリエ
    ステルであることを特徴とする請求項5または6に記載
    のポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記化学式(4)で示すω−(4−ビニ
    ルフェニル)アルカン酸に加えて、ペプチド類をも含む
    培地中で、前記微生物を培養することを特徴とする請求
    項6に記載のポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 培地中に含める前記ペプチド類として、
    ポリペプトンを用いることを特徴とする請求項8に記載
    のポリエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記化学式(4)で示すω−(4−ビ
    ニルフェニル)アルカン酸に加えて、酵母エキスをも含
    む培地中で、前記微生物を培養することを特徴とする請
    求項6に記載のポリエステルの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記化学式(4)で示すω−(4−ビ
    ニルフェニル)アルカン酸に加えて、有機酸またはその
    塩をも含む培地中で、前記微生物を培養することを特徴
    とする請求項6に記載のポリエステルの製造方法。
  12. 【請求項12】 培地中に含める前記有機酸またはその
    塩として、ピルビン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、イソ
    クエン酸、ケトグルタル酸、コハク酸、フマル酸、リン
    ゴ酸、乳酸、ならびにこれら有機酸の塩からなる群より
    選択される1つ以上を用いることを特徴とする請求項1
    1に記載のポリエステルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記化学式(4)で示すω−(4−ビ
    ニルフェニル)アルカン酸に加えて、アミノ酸またはそ
    の塩をも含む培地中で、前記微生物を培養することを特
    徴とする請求項6に記載のポリエステルの製造方法。
  14. 【請求項14】 培地中に含める前記アミノ酸またはそ
    の塩として、グルタミン酸、アシパラギン酸、ならびに
    これらアミノ酸の塩からなる群より選択される1つ以上
    を用いることを特徴とする請求項13に記載のポリエス
    テルの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記化学式(4)で示すω−(4−ビ
    ニルフェニル)アルカン酸に加えて、糖類をも含む培地
    中で、前記微生物を培養することを特徴とする請求項6
    に記載のポリエステルの製造方法。
  16. 【請求項16】 培地中に含める前記糖類として、グリ
    セロアルデヒド、エリトロース、アラビノース、キシロ
    ース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルク
    トース、グリセロール、エリトリトール、キシリトー
    ル、グルコン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マル
    トース、スクロース、ラクトースからなる群より選択さ
    れる1つ以上の糖類を用いることを特徴とする請求項1
    5に記載のポリエステルの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記化学式(4)で示すω−(4−ビ
    ニルフェニル)アルカン酸に加えて、炭素数4〜12の
    直鎖アルカン酸またはその塩をも含む培地中で、前記微
    生物を培養することを特徴とする請求項6に記載のポリ
    エステルの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記化学式(4)で示すω−(4−ビ
    ニルフェニル)アルカン酸を含む培地中で、前記微生物
    を培養し、前記微生物が産生した前記化学式(1)で示
    される3−ヒドロキシ−ω−(4−ビニルフェニル)ア
    ルカン酸ユニットを含むポリエステルを微生物細胞から
    回収する工程を有することを特徴とする請求項6〜17
    のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記微生物として、シュードモナス
    (Pseudomonas)属に属する微生物を用いる
    ことを特徴とする請求項5〜18のいずれか一項に記載
    のポリエステルの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記微生物として、シュードモナス
    チコリアイ YN2株(Pseudomonas cic
    horii YN2;FERM BP−7375)、シュ
    ードモナス チコリアイ H45株(Pseudomon
    as cichorii H45、FERM BP−73
    74)、シュードモナス・ジェッセニイ P161株
    (Pseudomonas jessenii P16
    1;FERM BP−7376)、シュードモナス プチ
    ダ P91株(Pseudomonas putida
    P91;FERM BP−7373)のいずれが1つ以上
    の株を用いることを特徴とする請求項19に記載のポリ
    エステルの製造方法。
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