JP2002322993A - 多気筒回転式圧縮機、その組立方法、及びその組立装置 - Google Patents
多気筒回転式圧縮機、その組立方法、及びその組立装置Info
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Abstract
るローラの軸方向端面と中間プレートの軸穴端面部との
接触巾を回転方向の全周にわたって均一にし、密着性の
不均一を改善すると共に、気密性を改善した軸受部を有
する多気筒回転式圧縮機、その製造方法、及びその製造
装置を得る。 【解決手段】 複数の偏心部1a、1bを有する回転軸
1を支承する2つの軸受4、5の間に、上記偏心部の回
転により圧縮動作をする複数のシリンダ6、8と、隣接
するシリンダ相互を隔てるように設けられ、中心部に上
記回転軸を通す軸穴12aを有する中間プレート12と
を介装してなる多気筒回転式圧縮機を組み立てるに際
し、上記回転軸の軸心Osに対し、上記中間プレートの
軸穴の中心軸Omを合致させて固定する工程を含むもの
である。
Description
縮機、その組立方法、及びその組立装置に関し、特に、
2つの軸受間に、同一のクランク回転軸によって駆動さ
れる複数の圧縮機構を、中間プレートを介して軸方向に
隣接させた多気筒回転式圧縮機の改良に関するものであ
る。
号公報などに示された従来の2シリンダロータリー式圧
縮機の要部を示す断面図である。図において、1はクラ
ンク軸である回転軸であり、軸方向に異なる位置に2つ
の偏心部1a及び1bが形設され、これら偏心部1a及
び1bの外周面にはそれぞれ第1ローラ2及び第2ロー
ラ3が挿設され、対向配置された第1軸受4及び第2軸
受5により支承されている。4a、5aは上記第1軸受
4及び第2軸受5にそれぞれ一体的に形成されているフ
ランジ面部である。上記第1軸受4には第1シリンダ6
がボルト7により固定されており、第2軸受5には第2
シリンダ8がボルト9により固定されている。また、各
軸受4および5には吐出マフラ10および11がそれぞ
れ取り付けられ、第1シリンダ6と第2シリンダ8は、
中間プレート12を挟んで通しボルト13により一体的
に締結されている。
し、その上方にモータ部を構成するロータ14及びステ
ータ15が配設され、回転軸1に固着して取りつけられ
たロータ14が、ステータ15の形成する磁界により回
転駆動されることにより、回転軸1を介して圧縮機構部
が駆動される。
6に一体的に収容支持されており、さらに第1シリンダ
6と第2シリンダ8の側面部には冷媒ガスを吸入するた
めの吸入孔6a、8aがそれぞれ設けられ、密閉容器1
6の上部には圧縮ガスの吐出管16aが設けられてい
る。なお、17は上記吸入孔6a、8aに接続して設け
られた吸入マフラである。
ロータリー式圧縮機においては、軸受に対するラジアル
荷重が大きいので一般にジャーナル軸受が用いられてい
る。このジャーナル軸受は2つの軸受4、5の軸受中心
が一致していないと、軸受部における機械損が大きくな
り、圧縮機の性能低下を招くうえ、最悪の場合軸受部の
焼き付きという重大な事故につながる可能性があるの
で、第1軸受4の軸受中心と第2軸受5の軸受中心がな
るべく一致するように組み立てられている。また、気体
の媒体を圧縮するという目的上、圧縮機構部には高い気
密性が要求され、圧縮機構部を構成する部品には高い形
状精度と組立精度が必要となる。
の組立手順の骨子を示すフローチャート図である。ま
ず、回転軸1の偏心部1a及び1bの外周部にそれぞれ
第1ローラ2及び第2ローラ3を挿入し、軸を回転した
ときの偏心部1a及び1bの振れをそれぞれ測定するこ
とで、回転軸1の軸心に対する偏心量Ra及びRbを求
める(ステップST1)。次に、求めた偏心量に基づい
て第1軸受4に第1シリンダ6をシリンダ内径とローラ
外径が回転したときに互いに干渉しないように調芯して
ボルト7により締結し(ステップST2)、同様に第2
軸受5と第2シリンダ8をボルト9により締結する(ス
テップST3)。次に各軸受4、5に回転軸1を仮挿入
し、軸が滑らかに回転するかチェックする(ステップS
T4)。次に、各軸受4、5及び中間プレート12を回
転軸1に挿入した状態で、通しボルト13にて緩く締結
し(ステップST5)、図示しない軸受組立装置にて2
つの軸受4、5を調芯、位置決めの後、緊結する(ステ
ップST6)。
多気筒回転式圧縮機は、第1軸受4の軸受中心と第2軸
受5の軸受中心がなるべく一致するように組み立てられ
ている。しかしながら、従来の組立装置では2つの軸受
間に挟まれている中間プレート12については位置決め
されず、通しボルト13の直径とそのボルト13を通す
中間プレート12に設けた挿通孔(図示省略)の直径の
差により生じるあそびUによって、中間プレート12に
設けられた軸穴12aの中心Omと回転軸1の軸心Os
は必ずしも一致せず、ばらつきが生じる。一方、中間プ
レート12の軸穴12aの直径Dmは、回転軸1を通す
為に回転軸偏心部1a、1bの直径Daより大きい必要
がある。
中心Omと回転軸1の軸心Osの心ズレがUであった場
合の断面図を示す。図10において、回転軸偏心部の軸
心1dと回転軸1の軸心Osの差を偏心量Raとする。
すると、回転軸偏心部の反偏心方向、(即ち回転軸1の
軸心からの径が最小の方向)におけるローラ外径と回転
軸1の軸心Osの距離ζは式(1)で表わされる。 ζ=Da/2−Ra+V ・・・(1) ここでVは偏心部1aに挿入されたローラ2の肉厚であ
る。
と回転軸1の軸心Osの距離ηは、心ズレ値Uとその位
相方向に依存し、ηの範囲は式(2)で表わされる。な
お、Dmは中間プレート12の中心部に設けられた軸穴
12aの直径である。 Dm/2−U≦η≦Dm/2+U ・・・(2) すると、回転軸偏心部1aの反偏心方向におけるローラ
2の軸方向端面と中間プレート12の軸方向端面の接触
巾δは回転軸1の回転方向に変化し、その最小値δmは
式(3)で表わされる。 δm=ζ−(Dm/2+U) ・・・(3) このように、中間プレート12の軸穴12aの中心Om
と回転軸1の軸心Osに心ズレUがあると、ローラ2の
軸方向端面と中間プレート12の軸穴12a付近端面の
接触巾δが短くなる位相が発生し、ローラ2と中間プレ
ート12の密着度が悪くなり、圧縮機構部の気密性が低
下し圧縮行程における洩れ損失が大きくなるという問題
点があった。
を解消するためになされたもので、回転軸反偏心部にお
けるローラの軸方向端面と中間プレートの軸穴端面部と
の接触巾を回転方向の全周にわたって均一にし、密着性
の不均一を改善すると共に、気密性を改善した軸受部を
有する多気筒回転式圧縮機、その製造方法、及びその製
造装置を得ることを目的としている。
は、軸方向に順次形設された第1偏心部及び第2偏心部
を有する回転軸と、上記第1偏心部及び第2偏心部の外
周にそれぞれ挿設され上記回転軸の回転により公転する
第1ローラ及び第2ローラと、互いに対向するように配
設されたフランジ面部を有し、上記回転軸を上記2つの
偏心部の両外側で支承する第1軸受及び第2軸受と、こ
れら第1軸受及び第2軸受の間における上記第1偏心部
及び第2偏心部の間に対応する位置に配設され上記回転
軸を通す軸穴を有する中間プレートと、上記第1軸受及
び中間プレートの間に介装され公転する上記第1ローラ
を包囲する第1シリンダと、上記第2軸受及び中間プレ
ートの間に介装され公転する上記第2ローラを包囲する
第2シリンダと、上記第1及び第2軸受、中間プレー
ト、並びに第1及び第2シリンダを一体的に緊結する固
定手段とを備え、上記中間プレートは、上記回転軸の軸
心に対し、該中間プレートの軸穴の中心軸を合致させて
固定したものである。
個(nは3以上の整数)、中間プレートを(n−1)個
備えたものである。
と、中間プレートとは、回転軸の軸心からの距離が同一
の位置にそれぞれ位置決め基準を有し、これら位置決め
基準によって上記回転軸の軸心と、中間プレートに設け
た軸穴の中心軸が合致されたものである。
レートとは、回転軸の軸心からの距離が同一の位置にそ
れぞれ位置決め基準を有し、これら位置決め基準によっ
て上記回転軸の軸心と、中間プレートに設けた軸穴の中
心軸とが合致されたものである。
機の組立方法は、複数の偏心部を有する回転軸を支承す
る2つの軸受の間に、上記偏心部の回転により圧縮動作
をする複数のシリンダと、隣接するシリンダ相互を隔て
るように設けられ、中心部に上記回転軸を通す軸穴を有
する中間プレートとを介装してなる多気筒回転式圧縮機
を組み立てるに際し、上記回転軸の軸心に対し、上記中
間プレートの軸穴の中心軸を合致させて固定する工程を
含むようにしたものである。
に隣接するシリンダに、回転軸の軸心からの距離が同一
の位置に予め位置決め基準をそれぞれ設け、これら位置
決め基準によって上記回転軸の軸心と、中間プレートの
軸穴の中心軸とを合致させるようにしたものである。
転軸の軸心からの距離が同一の位置に予め位置決め基準
をそれぞれ設け、これら位置決め基準によって上記回転
軸の軸心と、中間プレートの軸穴の中心軸とを合致させ
るようにした方法である。
接するシリンダを調芯固定した後、中間プレートを上記
シリンダに載置し、クランプ機構を用いて上記一方の軸
受の軸心に対する上記中間プレートの軸穴の中心軸を合
致させるようにしたものである。
縮機の組立装置は、取付台と、この取付台に対し第1シ
リンダまたは第1軸受を固定する保持手段と、この保持
手段により固定された第1シリンダまたは第1軸受を基
準に、中間プレートの軸穴の中心軸を上記回転軸の軸心
に合致させる位置決め手段とを備えたものである。
た第1シリンダの上に中間プレートを載置し、該中間プ
レートの外周部にクランプを当接させることによりX方
向及びY方向の位置決めを行うクランプ機構であること
を特徴とするものである。
実施の形態を図について説明する。図1はこの発明の実
施の形態1になる2気筒回転式圧縮機の軸受装置の要部
を示す断面構成図である。図において、1はクランク軸
である回転軸、1a及び1bは回転軸1に設けられた第
1偏心部、及び第2偏心部であり、その外周部には肉厚
Vの第1ローラ2及び第2ローラ3がそれぞれ設けられ
ている。1cは回転軸1の軸心Osである。また、1d
は上記第1偏心部1aの軸心Oaであり、その偏心量R
aは式(4)にて与えられる。 Ra=Oa−Os ・・・(4) なお、上記第1ローラ2は第1偏心部1aに取り付けら
れていることにより、回転軸1が回転したときに、該回
転軸1のまわりに公転運動をする。なお、第2ローラ3
についても同様に公転運動をする。
る第1軸受4、及びこの第1軸受4に対向して配設され
た同様のフランジ面部5aを有する第2軸受5により支
承されており、それら2つの軸受4、5間は中間プレー
ト12によって軸方向に複数の区間に区切られている。
に介装され、回転軸1の回転により公転運動する第1ロ
ーラ2を包囲する第1シリンダであり、その軸心は、回
転軸1の軸心と合致するように調芯された後、ボルト7
により第1軸受4に固定されている。上記中間プレート
12は回転軸1に対し、中間プレート12の軸穴12a
の中心Omが回転軸1の軸心Osと一致するように位置
決めされた後、第1シリンダ6及び第2シリンダ8と共
に、固定手段としての通しボルト13により一体的に締
結されている。
4、上記第1シリンダ6、第1ローラ2、及び図示を省
略しているベーンなどにより、第1の圧縮機構を構成
し、さらに中間プレート12を介して第2軸受5、第2
シリンダ8、第2ローラ3などにより第2の圧縮機構を
構成しており、全体として図8に示す従来装置と同様の
多気筒回転式圧縮機が構成されている。
1になる2気筒回転式圧縮機の動作について説明する。
ここで、第1偏心部1aの直径をDaとすると、該第1
偏心部1aの反偏心方向における第1ローラ2の外径と
回転軸1の軸心Osの距離ζは式(5)で表わされる。 ζ=Da/2−Ra+V ・・・(5) 一方、中間プレート12の軸穴12aの中心Omと回転
軸1の軸心Osは一致するように設定されているので、
中間プレート12の軸穴12aの内周と回転軸1の軸心
Osの距離ηは全周において式(6)で表わされる。な
お、Dmは中間プレート12の中心部に設けられた軸穴
12aの直径である。 η=Dm/2 ・・・(6)
いて、第1ローラ2の軸方向端面と中間プレート12の
端面の接触巾δは式(7)で表わされる。 δ=ζ−η=ζ−Dm/2 ・・・(7) 図1中にハッチングにて示す29は、上記接触巾δを第
1ローラ2の公転方向に沿って模式的に示す軌跡であ
る。
係る圧縮機は、その軸受装置における中間プレート12
の軸穴12aの中心Omと回転軸1の軸心Osが直接調
芯固定されたものであることにより、回転軸反偏心部の
ローラ端面と中間プレート12の端面12aとの接触巾
δを回転軸1の回転全周において均一にすることができ
る。このため、第1ローラ2と中間プレート12の密着
度が回転軸1の回転全周において均一となり、圧縮機構
部の気密性が向上し、圧縮行程における媒体の洩れ損失
が低減され、圧縮性能を向上させた多気筒回転式圧縮機
を提供できるという効果が得られる。
プレート12と第1ローラ2の関係を例として説明した
が、第1軸受4と第2軸受5の間に介装されたその他の
圧縮機構における中間プレートと偏心部に挿入されたロ
ーラについても同様のことがいえる。即ち、上記実施の
形態1においては、2気筒である場合を例に説明した
が、中間プレート、偏心部、ローラ、及びシリンダから
なる圧縮機構を2つの軸受間に増設することにより、3
気筒以上の回転式圧縮機を構成することができる。結
局、偏心部、ローラ、及びシリンダをn個(nは3以上
の整数)、中間プレートを(n−1)個備えた多気筒回
転型圧縮機についても同様の効果を得ることができる。
の実施の形態3になる2気筒回転式圧縮機の組立装置を
示すもので、図2は略全体を概略的に示す断面図、図3
は要部を拡大して示す断面図である。図において、18
は取付台、18aは第1軸受4をセットするための取付
孔、19は上記取付台18の上端面に第1シリンダ6を
固定するための保持手段としての第1軸受クランプ、2
0は上記取付台18の上方部に取付台18に対して支柱
を介して一体的に設けられた天板、21は天板20の下
面部に設けられたXY位置決め機構を構成するXYテー
ブルである。22は第2軸受チャックであり、ロック機
構(図示省略)を備えたコンプライアンス機構23と力
検出機構24を介して上記XYテーブル21の下面に固
定されている。この第2軸受チャック22でチャックさ
れた第2軸受5は、XYテーブル21に取り付けられて
いるパルスモータ25によって第1軸受4の軸受中心と
直交する平面内で摺動し、取付台18の上面部に固定さ
れた第2軸受位置検出機構26で第2軸受5の軸受中心
位置が検出され、取付台18の下面に固定された回転軸
位置検出機構27で回転軸1の軸心位置が検出されるよ
うになっている。なお、28は通しボルト13の締結機
構である。
決めピンであり、回転軸1の軸心1cに対応する位置か
ら距離dの位置に設けられている。なお、回転軸1の軸
心1cの位置Osは取付孔18aの中心軸及び第1軸受
4の軸心と一致するように構成されている。Orは位置
決めピン30の軸心位置、6cは第1シリンダ6の軸穴
6bの軸心位置から距離dの位置に設けられた位置決め
基準Kcとしてのリーマ穴、12bは中間プレート12
の軸穴12aの軸心から距離dの位置に設けられた位置
決め基準Kmとしてのリーマ穴である。
c及び12bは、何れも回転軸1の軸心位置から半径d
の位置に、回転方向に異なる位置に2個所設けられてい
るが、他の1個所については図示を省略している。その
他の同一符号は上記実施の形態1、及び従来装置と同一
もしくは相当部分を示すので、説明を省略する。
2は、それらを製造加工する際に、まず位置決め基準K
c、Kmとなるリーマ穴6c、12bをそれぞれ周方向
に所定位置に2ヶ所あけ、そのリーマ穴に図示しないピ
ンを挿して固定してから軸穴6b、12aの軸心がリー
マ穴6c、12bから距離dとなるように仕上げ加工を
することで、リーマ穴6c、12bに対する各部品の軸
穴中心の位置を高精度に出すことができる。
上記組立装置により2気筒回転式圧縮機を組み立てる場
合の組立方法を示すもので、図4は位置決め基準の加工
工程を含む工程の全体を概略的に示すフローチャート
図、図5は軸受の調芯工程(ステップS12)以降を詳
細に示すフローチャート図である。
決め基準としてのリーマ穴6cを所定位置に2個所切削
する(ステップS1c)。次にそのリーマ穴6cを仕上
げ加工する(ステップS2c)。次に仕上げ加工した2
つのリーマ穴6cの各中心から第1シリンダ6の軸心位
置までの距離がdとなるように第1シリンダ6を位置決
めし、図示しないチャックで固定する(ステップS3
c)。次に第1シリンダ6の内径である軸穴6bを仕上
げ加工する(ステップS4c)。
置決め基準としてのリーマ穴12bを所定位置に2個所
切削する(ステップS1m)。次にそのリーマ穴12b
を仕上げ加工する(ステップS2m)。次に仕上げ加工
した2つのリーマ穴12bの各中心から中間プレート1
2の軸心位置までの距離がdとなるように中間プレート
12を位置決めし、図示しないチャックで固定する(ス
テップS3m)。次に中間プレート12の内径である軸
穴12aを仕上げ加工する(ステップS4m)。
6と、中間プレート12を組立工程へ供給する(ステッ
プS5)。なお、従来装置と同様に加工した第2軸受
8、回転軸1、第1ローラ2、第2ローラ3、並びに1
対の軸受4、5なども同様に組立工程へ供給する。
部にそれぞれ第1ローラ2及び第2ローラ3を嵌め、該
回転軸1を回転したときの偏心部1a及び1bの振れを
それぞれ測定することで、回転軸1の軸心に対する偏心
量を計測する(ステップS6)。次に、求めた偏心量に
基づいて第1軸受4に第1シリンダ6をシリンダ内径と
ローラ外径が回転したときに互いに干渉しないように調
芯してボルト7により締結し、同様に第2軸受5と第2
シリンダ8を調芯後、ボルト9により締結する(ステッ
プS7)。次に各軸受4、5に回転軸1を仮挿入し、軸
が滑らかに回転するかチェックする(ステップS8)。
次に、各軸受4、5及び中間プレート12を回転軸1に
挿入した状態で、通しボルト13にて仮締めする(ステ
ップS9)
を図2、図3に示すこの発明の実施の形態3になる軸受
組立装置の取付台18にセットする。このとき、取付台
18の上面における所定位置にそれぞれ立設された2つ
の位置決めピン30(図では1つのみ図示)に、第1シ
リンダ6に設けた位置決め基準としてのリーマ穴6c、
及び中間プレート12に設けた位置決め基準としてのリ
ーマ穴12bをそれぞれ合わせ、位置決めピン30がこ
れらのリーマ穴6c、及び12bを挿通するようにして
セットする(ステップS10)。
の軸心位置に対する2つのリーマ穴12b間の寸法及び
角度と、第1シリンダ6における軸穴6bの軸心位置に
対する2つのリーマ穴6c間の寸法及び角度とは、互い
に同一の三角形を形成するように加工してあるので、上
記ステップS10の過程により、第1シリンダ6の軸穴
6bの中心と、中間プレート12の軸穴12aの中心と
が一致する(ステップS11)。次に軸受の調芯位置決
め(ステップS12)が図5に示すようにして行われ
る。
1軸受クランプ19により第1軸受4を取付台18に固
定する(ステップST1)。次に、第2軸受チャック2
2が第2軸受5をチャックし(ステップST2)、パル
スモータ25を駆動させてXYテーブル21をまずX方
向に往復移動させ(ステップST3)、第2軸受位置検
出機構26によって検出される第2軸受5のX方向に偏
心し得る上下限位置を計測、記憶する(ステップST
4)。
出力値により検出される。この上下限位置よりX方向の
位置決め位置である中心値を算出し(ステップST
5)、コンプライアンス機構23に備えられたロック機
構を作動させて第2軸受5をX方向について算出した中
心値に位置決めする(ステップST6)。次に、上記コ
ンプライアンス機構23のロック機構を解除し(ステッ
プST7)、XYテーブル21をY方向に往復移動させ
(ステップST8)、第2軸受位置検出機構26及び回
転軸位置検出機構27によって検出される第2軸受5が
偏心し得る範囲を力検出機構24により検出し、この状
態でY方向についての第2軸受5の上下限位置、及び回
転軸1の上下限位置を記憶する(ステップST9)。こ
れらの値からY方向についての位置決め位置を算出する
(ステップST10)。次に上記ロック機構を作動させ
た状態で(ステップST11)、XYテーブル21を作
動させて第2軸受5をY方向について上記算出値に位置
決めし(ステップST12)、締結機構28を作動させ
て通しボルト13を回転させて、第1軸受側と第2軸受
側を一体的に締結固定する(ステップS13)。
ば、多気筒回転式圧縮機としては、上記実施の形態1記
載の圧縮機同様、回転軸反偏心部におけるローラの軸方
向端面部と中間プレート12の軸穴12a部分における
端面部との接触巾δが回転軸1の回転方向に均一であ
り、その結果、第1ローラ2と中間プレート12の密着
度が回転軸1の回転全周において均一となり、圧縮機の
気密性が向上し、圧縮行程における媒体の洩れ損失が低
減され圧縮性能を向上させた多気筒回転式圧縮機が得ら
れる効果がある。
は、新たに回転軸1の軸心Osに対する中間プレート1
2の軸穴中心Omを計測する機構を設けることなく、取
付台18に位置決めピン30を設けるだけで調芯を行う
ことができ、従来の組立装置を利用する場合でも簡単な
改造で実現できるほか、軸受装置を取付台18にセット
する際に自ずと第1シリンダ6と中間プレート12が位
置決めされるので、組立工程を短縮でき、製造が簡単で
あるという効果がある。
1シリンダ6に位置決め基準Kcとして、回転軸の軸心
から半径dに相当する位置に、所定角度で2個所のリー
マ穴6cを設け、また中間プレート12に位置決め基準
Kmとして、回転軸の軸心から半径dに対応する位置と
なるように、同一の角度で2個所のリーマ穴12bをそ
れぞれ設けたが、上記第1シリンダに代えて、第1軸受
4のフランジ部外周部に位置決め基準Kfとして、回転
軸の軸心から半径dに相当する位置に所定角度、例えば
90°で図示を省略する2個所のリーマ穴を設け、組立
時にこれらリーマ穴相互に位置決めピン30を挿通させ
ることによって、第1軸受4の軸心と、中間プレート1
2の軸心を合致させるように調芯しても良い。
プレート12と第1軸受4との間には、第1シリンダ6
が介装されているが、位置決めピン30が第1軸受から
中間プレートに跨って挿通できるように、第1シリンダ
6に位置決めピン30による位置決めに支承とならない
大きさの挿通孔を設けておけば良い。また、位置決め基
準は第1軸受4及び第1シリンダ6の側について説明し
たが、第2軸受5、及び第2シリンダ8の側においても
同様である。
12に、回転軸1の軸心1cから等距離の位置に、位置
決め基準Kf、及びKmを設けることにより、実施の形
態2と同様、ローラ端面と中間プレートの軸穴端面の接
触巾δが回転軸の回転全周において均一となり、密着性
の不均一を改善し、圧縮機構部の気密性が向上し、圧縮
行程における媒体の洩れ損失が低減され圧縮性能が向上
する効果を得ることができる。
決め基準Km並びにKf又はKcとして、中間プレート
12、並びに第1軸受4もしくは第1シリンダ6、また
は第2軸受4もしくは第2シリンダ8にリーマ穴を設け
る場合について説明したが、位置決め基準の形態は必ず
しもリーマ穴に限定されるものではなく、また、位置決
め基準を設ける位置も上記実施の形態に必ずしも限定さ
れるものではない。さらに位置決め基準としてリーマ穴
を設ける場合、その個数は2個以上であってもよい。
施の形態5に係る2気筒回転式圧縮機の軸受組立装置、
及び組立方法の要部を説明するもので、図6は側面断面
図、図7は調芯方法を説明する平面図である。図におい
て、6は第1シリンダであり、その外周部6dは軸穴6
bの軸心に対し、定められた直径に予め高精度に仕上げ
加工が施されている。12は中間プレートであり、その
外周部12cは軸穴12aの軸心に対し、定められた直
径に予め高精度に仕上げ加工が施され、かつ図7の右方
所定部に軸穴12aの軸心から定められた長さにX方向
の位置決め用の切欠き部12dが設けられている。
プ機構であり、制御部32により、図7の右から左方向
に繰り出したときに、第1シリンダ6の外周部6dに当
接する平クランプ下部31aと、この平クランプ下部3
1aが第1シリンダ6の外周部6dに当接したときに、
中間プレート12の切欠き部12dに当接して、該中間
プレート12のX方向の位置決めを行う平クランプ上部
31bとが一体的に設けられている。即ち、第1シリン
ダ6の外周部6dの半径は、中間プレート12の軸心か
ら切欠き部12dまでの距離に、平クランプ上部31b
と平クランプ下部31a間の距離を加えた寸法に等しく
なるように構成されている。
設けられたVクランプ機構であり、回転軸1の軸心位置
を通るX軸に対し等角度で形成されたV字部33a、3
3bを中間プレート12の外周部12cに当接させるこ
とにより、中間プレート12を、X方向に直交するY方
向に位置決めすることができる。なお、上記平クランプ
機構31、制御部32、及びVクランプ機構33を用い
て位置決め手段34が構成されている。また、説明の便
宜のため、図7に示す第1軸受クランプ19は図6では
図示を省略しており、図7に示す位置決め手段34のX
軸の方向は、図6では90°ずらした位置に示してい
る。その他の同一符号は同一もしくは相当部分を示して
いるので説明を省略する。
る多気筒回転式圧縮機の軸受組立装置では、被組立体で
ある軸受装置を取付台18にセットし、第1軸受4と第
1シリンダ6を従来の公知技術と同様に調芯固定し、第
2軸受5と第2シリンダ8を同様に調芯固定した後に、
まず平クランプ機構31を作動させ、平クランプ下部3
1aが第1シリンダ6の外周部6dに当接するまで前進
させる。この平クランプ機構31により第1シリンダ6
に対する中間プレート12のX方向の位置決めを行うこ
とができる。次にVクランプ機構33を図の左方向から
右方向に突き出すように前進させて、対向する平クラン
プ上部31bと共に中間プレート12をクランプする。
このVクランプ機構33により、クランプ方向に直角な
Y方向についての中間プレート12の位置決めを行うこ
とができる。上記のように位置決め手段34による位置
決めを行った後、固定手段である通しボルト13により
圧縮部を一体的に固定する。
リンダ6の外周を定められた直径に予め高精度に仕上げ
加工し、中間プレート12の外周を定められた直径に高
精度に仕上げ加工すると共にX方向に定められた長さに
位置決め用の切欠き部12dを予め設け、取付台に設け
た専用のクランプ治具にてクランプするだけで、間接的
に回転軸の軸心と中間プレートの軸穴中心を調芯するこ
とができる。従ってこの実施の形態の場合にはリーマ穴
が不要であり、もしくはリーマ穴を空けるスペースが無
い場合に好ましく位置決めができるという効果が得られ
る。また、リーマ穴にリーマピンを挿通するよりも位置
決めが簡単である。
成された平クランプ下部31a及び平クランプ上部31
bの2つの当接部を有する平クランプ機構31と、Vク
ランプ機構33を用いて位置決め手段34を構成した
が、必ずしもこれに限定されるものではない。また、中
間プレート12には位置決め用の切欠き部12dを直線
状に設けたが、必ずしもそれに限定されるものではな
い。さらに中間プレートを位置決めの基準に用いたが、
軸受を基準にしても差し支えない。
の実施例の説明では、この発明を主に2気筒の回転式圧
縮機に用いる場合について説明したが、3気筒以上の圧
縮機でも同様に適用できることは言うまでもない。ま
た、この発明の多気筒回転式圧縮機の組立装置は、取付
台と、第1シリンダを該取付台に固定し得る保持手段
と、上記回転軸の軸心に対し、上記中間プレートの軸穴
の中心軸を合致させる位置決め手段とを備える他は、天
板、XYテーブルなど、上記実施の形態に示すものに限
定されるものではない。さらに、この発明の回転式圧縮
機は例えば、空調装置、冷凍装置、冷蔵装置、除湿装
置、乾燥装置などを始め冷凍サイクルを用いるあらゆる
用途に利用することができるものである。
ば、回転軸の軸心に対して中間プレートの軸穴中心が一
致するように調芯固定したことにより、ローラの軸方向
端面と中間プレートの軸穴部端面の接触巾が回転軸の回
転全周において均一となり、圧縮機構部の気密性が向上
した多気筒回転型圧縮機が得られる効果がある。
際し、回転軸の軸心に対し、中間プレートの軸穴の中心
軸を合致させて固定する工程を含むようにしたことによ
り、ローラ端面と中間プレートの軸穴端面の接触巾が回
転軸の回転全周において均一となり、圧縮機構部の気密
性が向上した品質の高い多気筒回転型圧縮機の製造方法
を提供できるという効果がある。
おいて、取付台と、この取付台に対し上記第1シリンダ
または第1軸受を固定する保持手段と、この保持手段に
より固定された第1シリンダまたは第1軸受を基準に、
上記中間プレートの軸穴の中心軸を上記回転軸の軸心に
合致させる位置決め手段とを備えるように構成したこと
により、圧縮機構部の気密性が向上するという品質の高
い多気筒回転型圧縮機の組立装置を提供できるという効
果がある。
縮機の要部を示す断面図である。
縮機の組立装置を概略的に示す断面図である。
断面図である。
組立方法を示すフローチャート図である。
芯位置決め(ステップS12)以降の詳細を示すフロー
チャート図である。
縮機の軸受部の組立装置を示す要部断面図である。
軸受部の組立装置による調芯方法を説明する平面図であ
る。
図である。
フローチャート図である。
Omと回転軸の軸心Osに心ズレがあった場合の構成を
説明する要部断面図である。
ート端面の接触巾、 29 δの軌跡、 34 位置決め手段、
Claims (10)
- 【請求項1】軸方向に順次形設された第1偏心部及び第
2偏心部を有する回転軸と、上記第1偏心部及び第2偏
心部の外周にそれぞれ設けられ上記回転軸の回転により
公転する第1ローラ及び第2ローラと、互いに対向する
ように配設されたフランジ面部を有し、上記回転軸を上
記2つの偏心部の両外側で支承する第1軸受及び第2軸
受と、これら第1軸受及び第2軸受の間における上記第
1偏心部及び第2偏心部の間に対応する位置に配設され
上記回転軸を通す軸穴を有する中間プレートと、上記第
1軸受及び中間プレートの間に介装され公転する上記第
1ローラを包囲する第1シリンダと、上記第2軸受及び
中間プレートの間に介装され公転する上記第2ローラを
包囲する第2シリンダと、上記第1及び第2軸受、中間
プレート、並びに第1及び第2シリンダを一体的に緊結
する固定手段とを備え、上記中間プレートは、上記回転
軸の軸心に対し、該中間プレートの軸穴の中心軸を合致
させて固定したものであることを特徴とする多気筒回転
式圧縮機。 - 【請求項2】偏心部、ローラ、及びシリンダをn個(n
は3以上の整数)、中間プレートを(n−1)個備えた
ことを特徴とする請求項1記載の多気筒回転式圧縮機。 - 【請求項3】第1シリンダまたは第2シリンダと、中間
プレートとは、回転軸の軸心からの距離が同一の位置に
それぞれ位置決め基準を有し、これら位置決め基準によ
って上記回転軸の軸心と、中間プレートに設けた軸穴の
中心軸が合致されたものであることを特徴とする請求項
1または請求項2記載の多気筒回転式圧縮機。 - 【請求項4】第1軸受または第2軸受と、中間プレート
とは、回転軸の軸心からの距離が同一の位置にそれぞれ
位置決め基準を有し、これら位置決め基準によって上記
回転軸の軸心と、中間プレートに設けた軸穴の中心軸と
が合致されたものであることを特徴とする請求項1また
は請求項2記載の多気筒回転式圧縮機。 - 【請求項5】複数の偏心部を有する回転軸を支承する2
つの軸受の間に、上記偏心部の回転により圧縮動作をす
る複数のシリンダと、隣接するシリンダ相互を隔てるよ
うに設けられ、中心部に上記回転軸を通す軸穴を有する
中間プレートとを介装してなる多気筒回転式圧縮機を組
み立てるに際し、上記回転軸の軸心に対し、上記中間プ
レートの軸穴の中心軸を合致させて固定する工程を含む
ことを特徴とする多気筒回転式圧縮機の組立方法。 - 【請求項6】中間プレートと、この中間プレートに隣接
するシリンダに、回転軸の軸心からの距離が同一の位置
に予め位置決め基準をそれぞれ設け、これら位置決め基
準によって上記回転軸の軸心と、中間プレートの軸穴の
中心軸とを合致させることを特徴とする請求項5記載の
組立方法。 - 【請求項7】一方の軸受と、中間プレートに、回転軸の
軸心からの距離が同一の位置に予め位置決め基準をそれ
ぞれ設け、これら位置決め基準によって上記回転軸の軸
心と、中間プレートの軸穴の中心軸とを合致させること
を特徴とする請求項5記載の組立方法。 - 【請求項8】一方の軸受と、この一方の軸受に隣接する
シリンダを調芯固定した後、中間プレートを上記シリン
ダに載置し、クランプ機構を用いて上記一方の軸受の軸
心に対する上記中間プレートの軸穴の中心軸を合致させ
ることを特徴とする請求項5記載の組立方法。 - 【請求項9】第1偏心部及び第2偏心部を有する回転軸
を支承する第1軸受及び第2軸受の間に、圧縮機構を構
成する少なくとも2つのシリンダと、隣接する2つのシ
リンダを隔てるように設けられ、中心部に上記回転軸を
通す軸穴を有する中間プレートとを介装してなる多気筒
回転式圧縮機の組立装置において、取付台と、この取付
台に対し上記第1シリンダまたは第1軸受を固定する保
持手段と、この保持手段により固定された第1シリンダ
または第1軸受を基準に、上記中間プレートの軸穴の中
心軸を上記回転軸の軸心に合致させる位置決め手段とを
備えたことを特徴とする多気筒回転式圧縮機の組立装
置。 - 【請求項10】位置決め手段は、取付台に固定された第
1シリンダの上に中間プレートを載置し、該中間プレー
トの外周部にクランプを当接させることによりX方向及
びY方向の位置決めを行うクランプ機構であることを特
徴とする請求項9記載の多気筒回転式圧縮機の組立装
置。
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