JP2002021733A - 密閉型圧縮機およびその組立方法 - Google Patents

密閉型圧縮機およびその組立方法

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JP2002021733A
JP2002021733A JP2000209613A JP2000209613A JP2002021733A JP 2002021733 A JP2002021733 A JP 2002021733A JP 2000209613 A JP2000209613 A JP 2000209613A JP 2000209613 A JP2000209613 A JP 2000209613A JP 2002021733 A JP2002021733 A JP 2002021733A
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cylinder
motor
compressor
lid portion
cylinder portion
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JP2000209613A
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Yoshikatsu Okamoto
吉克 岡本
Yoshio Kanagu
嘉夫 鉄具
Hirofumi Kuwabara
弘文 桑原
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Funai Electric Co Ltd
Original Assignee
Funai Electric Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0042Driving elements, brakes, couplings, transmissions specially adapted for pumps
    • F04C29/0085Prime movers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転バランスを良好にすることによって振動
を低減するとともに圧縮機の損失を低減することが可能
な密閉型圧縮機を提供する。 【解決手段】 この密閉型圧縮機では、モータの固定子
3が気筒部2に固定されているとともに、モータ側軸受
6が外筒1の内面に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、密閉型圧縮機に
関し、特に、気筒部とモータとが外筒の内部に設置され
る密閉型圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、胴シェルと呼ばれる外筒内部に、
気筒部とモータとが配置された密閉型圧縮機が知られて
いる。この従来の密閉型圧縮機では、モータの固定子
が、外筒内部に直接固定されているとともに、圧縮機の
気筒部が、外筒の内部に溶接などにより直接固定されて
いる。このような従来の構造は、たとえば、特公平5−
83752号公報や特公平7−6514号公報に開示さ
れている。
【0003】図5は、従来の一般的な密閉型圧縮機の全
体構成を示した断面図である。また、図6は、図5に示
した従来の密閉型圧縮機における気筒部部分の平面図で
ある。
【0004】まず、図5を参照して、従来の密閉型圧縮
機は、外筒101と、気筒部102と、モータの固定子
103と、モータの回転子104と、クランクシャフト
105と、気筒部102のモータ側軸受106と、気筒
部102の反モータ側軸受107と、シリンダ108
と、ピストン109と、吸入口110と、吐出口111
とを備えている。
【0005】モータ側軸受106および反モータ側軸受
107は、それぞれ、気筒部102を密閉するための上
蓋部および下蓋部を兼用している。また、気筒部102
は、外筒101に固定されており、モータの固定子10
3も外筒101に固定されている。具体的には、気筒部
102は、その外周上の3つの溶接点112(図6参
照)において、外筒101に溶接により固定されてい
る。また、モータの固定子103は、圧入などの工法に
よって外筒101の内壁113に固定されている。モー
タの回転子104は、クランクシャフト105に固定さ
れている。
【0006】また、モータの回転子104の所定位置に
は、クランクシャフト105およびピストン109の偏
重心によるモーメントを打消すためのバランス用錘11
8および119が設置されている。なお、モータの固定
子103と回転子104との間の空隙部114の間隔
は、固定子103と回転子104との同軸度および円筒
度によって規制される。
【0007】気筒部102の構造としては、図6に示す
ように、円筒形のシリンダ108の内部に円筒形のリン
グからなるピストン109が回転自在に装着されてい
る。また、ピストン109の内周部に、クランクシャフ
ト105の偏心カム部が接触して回転するように構成さ
れている。また、シリンダ108の一部に切り欠き溝が
設けられており、その切り欠き溝に上下動可能な仕切板
からなるベーン120が設置されている。このベーン1
20は、ベーンスプリングによって常にピストン109
の外周部に密接するように取り付けられている。ベーン
120の片側(図6では右側)には冷媒ガスの吸入口1
10が設けられており、ベーン120の他方の側(図6
の左側)には冷媒ガスの吐出口121が設けられてい
る。
【0008】動作としては、クランクシャフト105が
反時計方向に回転すると、ベーン120の右側で冷媒ガ
スを吸入する。そして、ピストン109の回転によっ
て、ベーン120の左側の冷媒ガスの圧力が高くなる。
冷媒ガスの圧力が高まると、吐出口121から、押さえ
板(バルブ)を持ち上げて外部に冷媒ガスが放出され
る。
【0009】上記のように構成された密閉型圧縮機を組
み立てる際には、まず、外筒101を加熱した状態で、
モータの固定子103を焼きばめによって外筒101の
内壁113に固着する。次に、モータの回転子103お
よび気筒部102を含む圧縮機ブロックを溶接により外
筒101に固定する。この溶接の際には、モータの固定
子103とモータの回転子104との間の空隙部114
の間隔が均一に保持されるように、空隙部114にギャ
ップゲージを挿入した状態で溶接が行われる。
【0010】空隙部114の間隔は、一般的には、0.
3mm〜0.7mm程度に保たれる。 例えば、2.2
Kwの家庭用エアコンの場合で、コンプレッサー駆動モ
ータがACインダクションモータの場合には、空隙部1
14の間隔は、0.3mm〜0.4mmに保たれる。D
Cブラシレスモータの場合は、0.4mm〜0.6mm
に保たれる。
【0011】上記のように構成された従来の密閉型圧縮
機では、クランクシャフト105に偏心カム部が設けら
れているため、偏重量モーメントが生じ、その結果、圧
縮機が振動を起こすという不都合がある。このような不
都合を解消するため、図5に示した従来の密閉型圧縮機
では、回転子104の任意の2面にバランス用錘118
および119を設置している。これにより、偏重量モー
メントを矯正することによってバランスの修正が行われ
ている。
【0012】ここで、図7を参照して、従来の密閉型圧
縮機における偏重量モーメントの修正について説明す
る。まず、クランクシャフト105およびピストン10
9の偏重量をWとする。また、回転子104の端面に付
加するバランス用錘118および119の重量をそれぞ
れW1およびW2とする。Wの重心位置117の回転軸
からの距離をd、W1の重心位置の回転軸からの距離を
d1、W2の重心位置の回転軸からの距離をd2とす
る。また、W1の重心位置からWの重心位置までの軸方
向の距離をL1とし、W2の重心位置からWの重心位置
までの軸方向の距離をL2とする。
【0013】この場合の気筒部重量不平衡モーメントM
pは、以下の式(1)によって示される。
【0014】Mp=W×d ・・・(1) 回転子側面1のバランス用錘118の重量モーメントM
r1は、以下の式(2)によって示される。
【0015】 Mr1=W1×d1 ・・・(2) 回転子側面2のバランス用錘119の重量モーメントM
r2は、以下の式(3)によって示される。
【0016】 Mr2=W2×d2 ・・・(3) 上記したMp、Mr1およびMr2の間には、次の式
(4)および(5)が成り立つ。
【0017】 Mp+Mr2=Mr1 ・・・(4) Mr2×L2=Mr1×L1 ・・・(5) 上記のような式(1)〜(5)に基づき、従来では、バ
ランス用錘118および119の重量W1およびW2の
最適値を計算によって求めていた。そして、実際の量産
時には、その計算によって求めた最適値の重量をW1お
よびW2として採用し、個々の圧縮機に対してバランス
修正は行われていなかった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の密閉型圧縮機に
は、以下のような問題点があった。まず、上記したよう
に、従来では、圧縮機を組み立てる際に、気筒部102
を外筒101の内壁に、複数の溶接点112で溶接によ
り固定している。この場合、気筒部102の円周上の溶
接点112のうち、最初に溶接する箇所で気筒部102
が外筒101の内壁側に引っ張られて固定されてしまう
場合がある。ここで、溶接の際には、上記のようにモー
タの固定子103と回転子104との間の空隙部114
にギャップゲージを挿入した状態で溶接する工法がとら
れている。
【0019】しかし、上記のように溶接の最初の箇所で
気筒部102が外筒101の内壁側に引っ張られて固定
されると、溶接作業が終了してギャップゲージを撤去し
た後に、固定子103と回転子104との同軸度が変化
するという不都合が生じる。その結果、固定子103と
回転子104との間の空隙部114の間隔が不均一にな
るいわゆるギャップ不同が生じるという問題点がある。
【0020】そこで、例えば、実開昭60−31172
号公報に開示されているように、モータ部を外筒の内壁
に固定せずに気筒部のみを外筒の内壁に固定することも
考えられる。この場合には、気筒部とモータ部とが予め
組み立てられ、同軸度が調整された後、気筒部の外周の
みを外筒の内壁に固定する。このため、気筒部を外筒の
内壁に溶接などにより固定する場合に、気筒部の最初の
溶接点が外筒の内壁に引っ張られて固定されたとして
も、気筒部とモータとの同軸度は変化しない。したがっ
て、上記公報の構成を用いれば気筒部を溶接する際の同
軸度の変化という不都合を解消することは可能である。
【0021】しかし、上記公報に開示された圧縮機は、
気筒部の上方にモータの固定子および回転子が結合され
た圧縮機ブロックの構造を有する。このため、そのよう
な構造において下部に位置する気筒部の外周のみを外筒
の内壁に固定すると、気筒部が圧縮機ブロックの重心位
置から遠いため、いわゆる片持ちばりの関係に近い状態
で圧縮機ブロックを支えることになる。そのため、この
ような構造では、圧縮機ブロックの回転軸に対する偏重
心量により発生する振動成分が大きくなるという問題点
がある。
【0022】また、図5に示した従来の構造および上記
公報に開示した構造のように、気筒部の外周を外筒の内
面に溶接により固定すると、溶接時の熱によってシリン
ダ108(図6参照)のベーン溝に寸法変化が生じる場
合がある。この場合、ベーン120とシリンダー108
のベーン溝との隙間が大きくなった場合には、圧縮室の
冷媒ガスはシリンダー108の外に漏洩する。また、ベ
ーン120とシリンダー108のベーン溝との隙間が小
さくなった場合には、ベーン120の動きが円滑に行わ
れなくなり、その結果、摩擦損が増える結果になる。上
記のような圧縮機のガス漏れまたは圧縮機の摩擦損失が
増加すると、圧縮機としての損失が増加し、その結果、
圧縮機の冷凍効率が低下するという問題点がある。
【0023】また、別な問題点として以下のような問題
点もある。図7を用いて説明したように、従来では、バ
ランス用錘118および119の重量の最適値を計算に
よって求め、量産時には個々の圧縮機に対してバランス
修正は行われていなかった。これは以下のような理由に
よる。すなわち、図7に示した従来の圧縮機ブロックの
構造において、バランス修正を行おうとすると、回転子
104の外周部分と反モータ側軸受107の外周部分と
を保持した状態で偏重心量を測定する必要がある。この
場合、モータの回転子104は、ケイ素鋼板などを積層
して形成されているため、クランクシャフト105との
同軸度があまり期待できない。このため、回転子104
の外周部分を保持した状態では、偏重心量を正確に測定
するのは困難である。その結果、従来では、バランス用
錘の重量は計算によって最適値を求めるだけで、実際の
量産時には個々の圧縮機に対してバランス修正は行って
いなかった。
【0024】しかし、量産品の個々の偏重量モーメント
は、組み立て精度のばらつきによって大きく変化する場
合がある。このような場合には、振動および騒音が増加
するという問題点があった。
【0025】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、この発明の一つの目的は、
振動を有効に低減することが可能な密閉型圧縮機を提供
することである。
【0026】この発明のもう一つの目的は、上記の密閉
型圧縮機において、回転バランスを向上させるととも
に、圧縮機の損失を低減することである。
【0027】この発明のさらにもう一つの目的は、量産
時に個々の圧縮機のバランス修正を行うことが可能な密
閉型圧縮機の組立方法を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1における密閉型圧縮機は、気筒部と、上蓋
部および下蓋部と、モータとを備えている。気筒部は、
外筒内に配置されている。上蓋部および下蓋部は、外筒
内に配置されており、気筒部を密閉するために気筒部の
上面および下面にそれぞれ設けられている。モータは、
外筒内に配置されており、固定子および回転子を有す
る。そして、モータの固定子は、気筒部に固定されてお
り、気筒部の上蓋部は、外筒の内面に固定されている。
【0029】請求項1では、上記のように、モータの固
定子を、気筒部に固定することによって、モータの固定
子および回転子と気筒部とを一体的に構成することがで
きる。その結果、従来のように気筒部とモータの固定子
との両方を外筒の内面に固定する必要がない。従って、
圧縮機ブロックを外筒の内面に固定する際に、同軸度が
変化するのを有効に防止することができる。また、気筒
部の上蓋部を外筒の内面に固定することによって、気筒
部の上蓋部は、気筒部とモータの固定子および回転子と
を含む圧縮機ブロックの重心位置に近いので、圧縮機の
回転軸に対する偏重心量により発生する振動成分を小さ
くすることができる。これにより、回転バランスのよい
密閉型圧縮機を提供することができる。
【0030】また、請求項1では、気筒部自体ではな
く、気筒部の上蓋部を外筒の内面に固定するので、その
上蓋部を溶接により外筒の内壁に固定する際に、気筒部
自体を外筒の内壁に溶接する場合と異なり、溶接時の熱
による気筒部への影響を低減することができる。それに
より、気筒部のベーン溝の寸法変化を有効に防止するこ
とができるので、圧縮機の摩擦損失やガス漏れによる損
失などを低減することができる。その結果、圧縮機の損
失が増加するのを防止することができる。
【0031】請求項2における密閉型圧縮機は、請求項
1の構成において、上蓋部は、気筒部への熱伝導を軽減
するための穴部を含む。請求項2では、このように構成
することによって、上蓋部の外周部を外筒の内壁に溶接
する際に、溶接による熱が上蓋部の気筒部に伝達される
のがより緩和される。それにより、溶接時の熱により気
筒部のベーン溝が寸法変化するのを有効に防止すること
ができ、その結果、ベーン溝の寸法変化に起因する圧縮
機の損失の増加をより抑制することができる。
【0032】請求項3における密閉型圧縮機では、請求
項1または2の構成において、気筒部の回転軸は、上蓋
部側においてモータの外表面から突出されているととも
に、下蓋部側において下蓋部表面から突出されている。
請求項3では、このように回転軸をモータおよび下蓋部
の両方から突出するように構成することによって、その
両方に突出した回転軸を保持して容易に偏重心量の測定
を行うことができる。その結果、量産時に個々の圧縮機
について容易にバランス修正を行うことができる。
【0033】請求項4における密閉型圧縮機は、請求項
1または2の構成において、気筒部の回転軸は、上蓋部
側においてモータの外表面から突出されている。また、
下蓋部の端部外周は、回転軸とほぼ同軸の円筒形状に形
成されている。請求項4では、このように、回転軸をモ
ータの外表面から突出させるとともに、下蓋部の端部外
周を回転軸とほぼ同軸の円筒形状に形成することによっ
て、モータの外表面から突出された回転軸と、下蓋部の
端部外周とを偏重心量測定器で容易に保持することがで
きる。それにより、量産時に個々の圧縮機について偏重
心量を容易に測定することができ、その結果、量産時に
個々の圧縮機について容易にバランス修正を行うことが
できる。
【0034】請求項5における密閉型圧縮機の組立方法
では、モータの固定子を気筒部に固定するとともに、モ
ータの回転子を気筒部の回転軸に固定することによっ
て、圧縮機ブロックを形成する工程と、少なくともモー
タの外表面から突出した回転軸を回転可能に保持した状
態で、圧縮機ブロックの偏重心量を修正する工程と、そ
の後圧縮機ブロックを外筒内に挿入して気筒部の上蓋部
を外筒の内面に固定する工程とを備えている。
【0035】請求項5では、上記のように、少なくとも
モータの外表面から突出した回転軸を回転可能に保持し
た状態で圧縮機ブロックの偏重心量を修正することによ
って、量産時に個々の圧縮機ブロックについて容易にバ
ランス修正を行うことができる。
【0036】請求項6における密閉型圧縮機の組立方法
では、請求項5の構成において、気筒部の回転軸は上蓋
部側においてモータの外表面から突出されているととも
に、下蓋部側において下蓋部表面から突出されている。
また、モータの外表面から突出された回転軸と、下蓋部
表面から突出された回転軸とを回転可能に保持した状態
で圧縮機ブロックの偏重心量を修正する。請求項6で
は、このように構成することによって、量産時に個々の
圧縮機ブロックについて容易にバランス修正を行うこと
ができる。
【0037】請求項7における密閉型圧縮機の組立方法
は、請求項5の構成において、気筒部の回転軸は、上蓋
部側においてモータの外表面から突出されている。下蓋
部の端部は、回転軸とほぼ同軸の円筒形状に形成されて
いる。そして、モータの外表面から突出された回転軸を
回転可能に保持するとともに、下蓋部の円筒形状の端部
を保持した状態で、圧縮機ブロックの偏重心量を修正す
る。請求項7では、このように構成することによって、
実際の量産時に、個々の圧縮機ブロックについて容易に
バランス修正を行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0039】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態による密閉型圧縮機の全体構成を示した断面図で
ある。図2は、図1に示した第1実施形態による密閉型
圧縮機の気筒部を示した平面図である。まず、図1を参
照して、第1実施形態による密閉型圧縮機は、外筒1
と、ロータリコンプレッサー方式の気筒部2と、モータ
の固定子3と、モータの回転子4と、クランクシャフト
5と、気筒部2のモータ側軸受6と、気筒部2の反モー
タ側軸受7と、シリンダ8と、ピストン9と、吸入口1
0と、吐出口11とを備えている。
【0040】モータ側軸受6および反モータ側軸受7
は、それぞれ、気筒部2を密閉するための上蓋部および
下蓋部を兼用している。回転子4には、バランス修正用
錘18および19が取り付けられている。
【0041】ここで、この第1実施形態では、回転子4
が固定子3の外周を回転するいわゆるアウターロータ方
式を採用している。そして、固定子3は、補助金具16
によってモータ側軸受6に固定されている。なお、固定
子4は補助金具16を用いずに軸受6に対して圧入する
ことによって固定してもよい。また、回転子4はクラン
クシャフト5に同軸に取り付けられている。このように
第1実施形態では、気筒部2にモータの固定子3および
回転子4が連結された状態にあり、これらによって圧縮
機ブロックが構成されている。
【0042】また、第1実施形態では、モータ側軸受6
の外周部15を外筒1の内壁部に3カ所の溶接点15
(図2参照)において溶接固定している。また、図2に
示すように、気筒部2には、溶接時の熱が内部に伝達す
るのを軽減するための長穴6aが複数箇所設けられてい
る。
【0043】上記のような構成を有する第1実施形態の
密閉型圧縮機の組立工程について以下に説明する。ま
ず、モータの固定子3と回転子4とをクランクシャフト
5と同軸に組み立てる。これにより、図3に示されるよ
うな、駆動部(モータ)と気筒部2とが一体的に構成さ
れた圧縮機ブロックが組み立てられる。ここで、この第
1実施形態では、クランクシャフト5のモータ側先端部
21は、回転子4の表面から突出するように設けられて
いる。また、反モータ側軸受7の外周部20は、円筒形
状に形成されているとともに、クランクシャフト5と同
軸度が保持されている。なお、反モータ側軸受7の外周
部20の直径は、クランクシャフト5のモータ側先端2
1の直径に近い直径になるように形成されている。
【0044】図3に示した圧縮機ブロックを組み立てた
後、クランクシャフト5のモータ側先端部21と反モー
タ側軸受7の外周部20とを、それぞれ、偏重心量測定
装置の受け台23および22にのせる。偏重心量測定装
置の受け台22は、被測定物の先端が静止状態の場合の
受け台であり、受け台23は、被測定物の先端が回転軸
の場合の受け台である。受け台23は、例えばボールベ
アリングなどからなる2個のローラーで回転軸を受ける
ように構成されている。
【0045】上記のような偏重心量測定装置の受け台2
2および23に、圧縮機ブロックをのせた状態で、回転
子4の外周にベルトを接触させて回転させる。これによ
り、偏重心モーメントを高精度に測定するとともに修正
することが可能となる。このようにして、量産時に個々
の圧縮機ブロックについて偏重心モーメントの修正を行
う。この後、圧縮機ブロックを図1に示した外筒1に挿
入する。そして、モータ側軸受6の外周部の3カ所の溶
接点15(図2参照)において、外筒1の内壁にモータ
側軸受6の外周を溶接により固定する。このようにし
て、図1に示されるような第1実施形態の密閉型圧縮機
が組み立てられる。
【0046】第1実施形態では、上記のように、気筒部
2とモータの固定子3および回転子4とが同軸度を保持
した状態で圧縮機ブロックとして組み立てられた後、そ
の圧縮機ブロックのモータ側軸受6の外周が外筒1の内
壁に固定されるので、外筒1とモータ側軸受6との同軸
度がずれている場合にも、モータの固定子3と回転子4
との同軸度に影響を与えることはない。その結果、モー
タの固定子3と回転子4との間の空隙14の間隔が変化
するのを有効に防止することができる。
【0047】また、第1実施形態では、モータの固定子
3および回転子4と、気筒部2と、モータ側軸受6と、
反モータ側軸受7とからなる圧縮機ブロックの重心位置
に近いモータ側軸受6の外周を外筒1の内壁に固定する
ことによって、気筒部2の外周を外筒1の内壁に固定す
る場合に比べて、圧縮機の回転軸に対する偏重心量によ
り発生する振動成分が小さくなる。これにより、振動を
低減することができる。
【0048】さらに、第1実施形態では、気筒部2では
なくモータ側軸受6の外周を外筒1の内壁に溶接により
固定することによって、気筒部2自体の外周を外筒1の
内壁に溶接により固定する場合に比べて、溶接時の熱が
気筒部2のベーン溝に伝わりにくい。これにより、気筒
部2のベーン溝が寸法変化するのを防止することがで
き、その結果、ベーン溝の寸法変化に起因する圧縮機の
損失の増加を有効に防止することができる。
【0049】また、第1実施形態では、モータ側軸受6
に、気筒部2への熱伝導を軽減するための長穴6aを設
けることによって、モータ側軸受6の外周部を外筒1の
内壁に溶接する際に、溶接による熱が気筒部2に伝達さ
れるのがより有効に緩和される。それにより、溶接時の
熱により気筒部2のベーン溝が寸法変化するのをより有
効に防止することができ、その結果、ベーン溝の寸法変
化に起因する圧縮機の損失の増加をより抑制することが
できる。
【0050】また、第1実施形態では、上記のように、
クランクシャフト5のモータ側の先端部21をモータの
回転子4の表面より突出させるとともに、反モータ側軸
受7の外周部20をクランクシャフト5と同軸の円筒形
状に形成することによって、そのクランクシャフト5の
先端部21と反モータ側軸受け7の外周部20とを偏重
心量測定装置によって容易に保持することができる。そ
の結果、量産時に個々の圧縮機ブロックについて容易に
偏重心モーメントを測定するとともにバランス修正を行
うことができる。
【0051】(第2実施形態)図4は、本発明の第2実
施形態による密閉型圧縮機の圧縮機ブロックを示した概
略図である。図4を参照して、この第2実施形態では、
図3に示した第1実施形態の圧縮機ブロックと異なり、
クランクシャフト5のモータ側先端部21が回転子4の
外表面から突出されているとともに、クランクシャフト
5の反モータ側先端部24が反モータ側軸受7の外表面
から突出されている。これにより、クランクシャフト5
の先端部21および24の両方を偏重心量測定装置の受
け台に乗せることが可能となる。すなわち、この第2実
施形態では、回転軸の両方の端部が偏重心量測定装置の
受け台に保持された状態で偏重心量の測定およびバラン
ス修正を行うことができる。
【0052】この第2実施形態のその他の構造は上記し
た第1実施形態と同様である。また、第2実施形態の効
果は、上記した第1実施形態と同様である。
【0053】なお、今回開示された実施形態は、すべて
の点で例示であって制限的なものではないと考えられる
べきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明
ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請
求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が
含まれる。
【0054】例えば、上記第1および第2実施形態で
は、アウターロータ方式の圧縮機ブロックについて本発
明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、イ
ンナーロータ方式の圧縮機ブロックにも適用可能であ
る。
【0055】また、上記第1および第2実施形態では、
気筒部2がロータリコンプレッサー方式の場合について
説明したが、本発明はこの点に限らず、例えばスクロー
ル方式など他の形式の気筒部2にも適用可能である。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、振動を
有効に低減することが可能な密閉型圧縮機を提供するこ
とができる。また、回転バランスを向上させることがで
きるとともに、圧縮機の損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による密閉型圧縮機の全
体構成を示した断面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による密閉型圧縮機
の気筒部を示した平面図である。
【図3】第1実施形態による圧縮機ブロックの偏重心量
の測定方法を説明するための概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態による密閉型圧縮機の圧
縮機ブロックを示した概略図である。
【図5】従来の密閉型圧縮機の全体構成を示した断面図
である。
【図6】図5に示した従来の密閉型圧縮機の気筒部を示
した平面図である。
【図7】図5に示した従来の密閉型圧縮機における圧縮
機ブロックのバランス修正方法を説明するための概略図
である。
【符号の説明】 1 外筒 2 気筒部 3 固定子 4 回転子 5 クランクシャフト 6 モータ側軸受 6a 長穴 7 反モータ側軸受け 8 シリンダ 9 ピストン 10 吸入口 11 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA05 AB05 AC03 BB08 CD01 CE02 CE03 CE05 3H029 AA04 AA13 BB21 BB31 BB32 CC08 CC17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒内に配置された気筒部と、 前記外筒内に配置され、前記気筒部を密閉するために前
    記気筒部の上面および下面にそれぞれ設けられた上蓋部
    および下蓋部と、 前記外筒内に配置され、固定子および回転子を有するモ
    ータとを備え、 前記モータの固定子は、前記気筒部に固定されており、 前記上蓋部は、前記外筒の内面に固定されている、密閉
    型圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記上蓋部は、気筒部への熱伝導を軽減
    するための穴部を含む、請求項1に記載の密閉型圧縮
    機。
  3. 【請求項3】 前記気筒部の回転軸は、前記上蓋部側に
    おいて前記モータの外表面から突出されているととも
    に、前記下蓋部側において前記下蓋部表面から突出され
    ている、請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記気筒部の回転軸は、前記上蓋部側に
    おいて前記モータの外表面から突出され、 前記下蓋部の端部外周は、前記回転軸とほぼ同軸の円筒
    形状に形成されている、請求項1または2に記載の密閉
    型圧縮機。
  5. 【請求項5】 モータの固定子を気筒部に固定するとと
    もに、前記モータの回転子を前記気筒部の回転軸に固定
    することによって、圧縮機ブロックを形成する工程と、 少なくとも前記モータの外表面から突出した前記回転軸
    を回転可能に保持した状態で、前記圧縮機ブロックの偏
    重心量を修正する工程と、 その後、前記圧縮機ブロックを外筒内に挿入して前記気
    筒部の上蓋部を前記外筒の内面に固定する工程とを備え
    た、密閉型圧縮機の組立方法。
  6. 【請求項6】 前記気筒部の回転軸は、前記上蓋部側に
    おいて前記モータの外表面から突出されているととも
    に、前記下蓋部側において前記下蓋部表面から突出され
    ており、 前記モータの外表面から突出された前記回転軸と、前記
    下蓋部表面から突出された前記回転軸とを回転可能に保
    持した状態で、前記圧縮機ブロックの偏重心量を修正す
    る、請求項5に記載の密閉型圧縮機の組立方法。
  7. 【請求項7】 前記気筒部の回転軸は、前記上蓋部側に
    おいて前記モータの外表面から突出され、 前記下蓋部の端部は、前記回転軸とほぼ同軸の円筒形状
    に形成され、 前記モータの外表面から突出された前記回転軸を回転可
    能に保持するとともに、前記下蓋部の円筒形状の端部を
    保持した状態で、前記圧縮機ブロックの偏重心量を修正
    する、請求項5に記載の密閉型圧縮機の組立方法。
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