JP2002199836A - 調湿兼シロアリ防除具 - Google Patents

調湿兼シロアリ防除具

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JP2002199836A JP2000403158A JP2000403158A JP2002199836A JP 2002199836 A JP2002199836 A JP 2002199836A JP 2000403158 A JP2000403158 A JP 2000403158A JP 2000403158 A JP2000403158 A JP 2000403158A JP 2002199836 A JP2002199836 A JP 2002199836A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シロアリ等の木材食害害虫の侵入や木材腐朽
菌等の発生被害を予防する目的で、木造家屋の床下に配
置する改良された調湿兼シロアリ防除具を提案する。 【解決手段】 プラスチックシート(111)の上面側
と下面側に、不織布、高密度織布等からなる防水・透湿
性のシート素材(112)を重ね合わせ、当該重合した
シート素材(112),(112)とプラスチツクシー
ト(111)の周縁部(113)間を溶着して、水平方
向に中仕切(12)を有する袋体(11)を形成してな
り、前記プラスチックシート(111)より上方の上部
袋体(11−1)内に調湿材(14)を充填すると共
に、前記プラスチックシート(111)より下方の下部
袋体(11−2)内に、シロアリ忌避剤やシロアリ殺虫
剤等の担持剤(131)を浸潤させた調湿担持材(1
3)を充填した構成であることを特徴とする調湿兼シロ
アリ防除具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シロアリ等の木材
食害害虫の侵入や、木材腐朽菌等の発生による被害を予
防する目的で、木造家屋の床下に配置する改良された調
湿兼シロアリ防除具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】木造家屋の床下を構成する木製の構造材
は、シロアリや木材腐朽菌等による被害を受け易い。特
に、浴室、台所、洗面所等の水回りの床下は湿度が高く
なり易いために、シロアリや木材腐朽菌の好む生息条件
となり、床下構造材が喰い荒らされ或いは腐食されて思
わぬダメージを被ることになる。従来、上述のような床
下構造材の被害を予防するために、調湿剤を用いて床下
環境の湿気を除去すると共に、シロアリの忌避剤や殺虫
剤を散布することにより防腐・防蟻処理することが重要
な課題になっている。
【0003】そこで、床下の基礎天端より1m以内にあ
る木材よりなる土台、火打土台、束柱、大引き、間柱、
筋交い、胴縁及び下地板等の全面や床組材の各種、特
に、浴室、台所、洗面所等の水回り個所には、木部処理
剤を1m2 当りに300mlの割合で塗布される。ま
た、床下土壌表面には、基礎、束石及び配管立上り個所
の周囲に、土壌処理剤を幅20cmで1m当りに1lの
割合で散布処理することが行われ、更には、浴室、便
所、玄関、勝手口等の土間コンクリート下には、土壌処
理剤を1m2 当りに3lの割合で面状に散布処理され
る。そして、一連の防蟻施工が終了した後に、床下の土
壌表面に調湿剤を散布して調湿・防蟻施工を完了させて
いる。しかし、上記調湿剤の散布は、土壌処理剤の散布
によって土壌中の含水率が高くなっているにも拘らず、
十分な乾燥を待たずに行われているのが実情である。
【0004】従って、調湿剤は床下環境の湿気を除去す
るどころか、土壌中の水分を吸収するだけでその役目を
終えてしまう場合が多い。このように、現状では防蟻施
工の後に調湿剤を散布するという二段階施工が行われる
ために、時間的な無駄を生ずると共に、調湿剤の散布
が、床下空気中の除湿を目的としているにも拘らず、土
壌処理剤として散布された薬剤中の水分の除去に止まっ
てしまい、肝心な床下環境の湿気を除去する効果が減殺
されてしまうものである。
【0005】しかも、従来のような散布方法で主として
使用される薬剤は、農薬等の化学合成化合物であって、
しかも製剤には多量の有機溶媒が含まれることから、薬
剤を散布したり塗布したりしている間中に、薬剤及び/
又は有機溶媒の飛散、揮散によって、薬剤が肌に付着し
たりこれを吸い込んでしまったりし易く、これにより化
学的過敏症を誘発したり、環境汚染を引起こすという問
題があると共に、防蟻処理作業に際しては、狭い場所で
の長時間に亘る二段階処理方式による過酷な労働が強い
られるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決するために為されたものであり、床下の必要とされ
る個所に所要数の袋体を配置するだけの防蟻処理を施す
ことにより、床下空気を調湿してシロアリの生息環境を
無くすると共に、木材腐朽菌の繁殖を絶ち、また、侵入
したシロアリを死滅させることができるようにした調湿
具兼シロアリ防除具を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、プラス
チックシートの上面側と下面側に、不織布、高密度織布
等からなる防水・透湿性のシート素材を重ね合わせ、当
該重合したシート素材とプラスチックシートの周縁部間
を溶着して、水平方向に中仕切を有する袋体を形成して
なり、前記プラスチックシートより上方の袋体内に調湿
材を充填すると共に、プラスチックシートより下方の袋
体内に、シロアリ忌避剤やシロアリ殺虫剤等の担持剤を
浸潤させた調湿担持材を充填した構成であることを特徴
とする調湿兼シロアリ防除具である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様を図面に
基づき具体的に説明する。図1は本発明の一実施例を示
す斜視図であり、図2は図1のX−X線矢指の断面図で
あり、図3は防蟻効力を測定するための野外試験装置を
示す側断面図であり、図4は防蟻効力を測定するための
室内試験装置を示す側面図である。
【0009】本発明は、図1、図2に示すように、プラ
スチックシート111の上面側と下面側に、不織布、高
密度織布等からなる防水・透湿性のシート素材112を
重ね合わせ、この重合したシート素材112,112と
プラスチックシート111の周縁部113間を溶着し
て、水平方向に中仕切12を有する袋体11を形成して
なり、上記プラスチックシート111より上方の上部袋
体11−1内に調湿材14を充填すると共に、プラスチ
ックシート111より下方の下部袋体11−2内に、シ
ロアリ忌避剤やシロアリ殺虫剤等の担持剤131を浸潤
させた調湿担持材13を充填した構成であることを特徴
とするものである。
【0010】そして、好ましくは、上記袋体11をなす
プラスチックシート111と防水・透湿性のシート素材
112間を垂直方向に溶着してシール部114を形成
し、キルティング状に加工を施したものであることを特
徴とするものである。このように、袋体11をキルティ
ング状に加工して、中仕切12のプラスチックシート1
11の上下に上部袋体11−1と下部袋体11−2と
が、対をなして複数個連接するように形成すれば、取扱
い易さと共に物理的強度が増して一層好ましい。
【0011】また、上記上部袋体11−1内に充填され
る調湿材14は、天然又は合成ゼオライト、セビオライ
ト、クレー、珪藻土、シラス、火山性軽石、シリカゲ
ル、活性炭、活性炭素繊維、吸水性ポリマー等の無機又
は有機の多孔質材料や人工素材のうちの一種、又は二種
以上の混合物からなるものであり、そして、上記下部袋
体11−2内に充填される調湿担持材13は、上記無機
又は有機の多孔質材料や人工素材からなる調湿材14
に、天然精油又は天然精油由来化合物からなるシロアリ
忌避剤やシロアリ殺虫剤等の担持剤131が浸潤された
ものである。
【0012】調湿材14を充填する上部袋体11−1
と、シロアリ忌避剤やシロアリ殺虫剤等の担持剤131
を浸潤させた調湿担持材13を充填する下部袋体11−
2とを、プラスチックシート111で上下に仕切ること
により、目的を異にする両材料を区切る役目を有すると
共に、調湿材14が、土壌表面Gより染み上がってくる
水分を過度に吸収してしまうことによる調湿効果の低減
を防止する役目を有するものである。
【0013】上記袋体11内を水平方向に仕切る中仕切
12としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロ
ン、ポリエステル等から選ばれた熱可塑性のプラスチッ
クシート111が好適に用いられ、また、上記プラスチ
ックシート111を挟んで上面側に形成する上部袋体1
1−1と下面側に形成する下部袋体11−2は、不織布
や高密度織布等からなる防水・透湿性のシート素材11
2(商品名:タイベック、ゴアテック加工材等)が好適
に使用される。
【0014】上述の調湿担持材13は、調湿材14に天
然精油又は天然精油由来化合物からなるシロアリ忌避剤
やシロアリ殺虫剤等の担持剤131を浸潤させたもので
ある。即ち、上記シロアリ忌避剤やシロアリ殺虫剤等の
担持剤131としては、ニーム油(主成分:アザジラク
チン等)、ベニーロイヤル油(主成分:プレゴン等)、
ユーカリ油(主成分:シネオール等)、レモングラス油
(主成分:シトラール等)、レモン油(主成分:リモネ
ン等)、ラベンダー(主成分:酢酸リナリル等)、ミル
ラ油(主成分:シンナミックアルデヒド等)、ペパーミ
ント油(主成分:メントール等)、ベチバー油(主成
分:ベチベロール等)、フェンネル油(主成分:アネト
ール等)、バーベナ油(主成分:リモネン等)、バチュ
リー油(主成分:バチュリアルコール等)、タイム油
(主成分:チモール等)、ゼラニウム油(主成分:シト
ロネロール等)、シトロネラ油(主成分:シトロネラー
ル等)、シダーウッド油(主成分:セドレン等)、クロ
ーブ油(主成分:オイゲノール等)、グレープフルーツ
油(主成分:リモネン等)、クスノキ油(主成分:カン
ファー等)、ヒノキ油(主成分:ヒノキチオール等)、
カラマツ油(主成分:タキシホリン等)、オヒルギ油
(主成分:ブルギオール等)等のほか、月桃油、ワサビ
油、ショウガ油、スギ菜油等が挙げられる。
【0015】なお、シロアリ忌避剤(殺虫剤)の溶媒に
は、アルコール、植物油、水等が挙げられるが、乾燥が
早く使用時に揮散して残滓を残さないものか、天然由来
のものが望ましい。また、カプリン酸、ステアリン酸、
リノール酸等の天然成分由来の高級脂肪酸、アルキッド
樹脂等を添加すると、効力の持続性が向上する。
【0016】上記構成の調湿兼シロアリ防除具1を用い
れば、防蟻処理作業中にシロアリ忌避剤や殺虫剤等の担
持剤131が作業者の肌に付着したり、これを吸い込む
という事態を回避することができて、化学的過敏症を誘
発したり環境汚染を引起こすという問題がなくなると共
に、袋体11内に調湿担持材13や調湿材14が内蔵さ
れているので、その相乗効果によりシロアリの生息並び
に増殖を防止することができ、且つ、木材腐朽菌の繁殖
をも予防することができる。また、調湿兼シロアリ防除
具1を、床下地面の所定の場所に所定数を配置するのみ
で防蟻処理が簡単に行なえるようになるので、従来のよ
うな過酷な労働条件から解放されるという作用効果も得
られる。
【0017】
【実施例】(実施例1)一辺が45cmに調製された厚
み200μmのポリエチレンシート111の上下面に、
各々長辺55cm、短辺45cmの大きさに調製された
不織布112を重ね、ポリエチレンシート111の端と
不織布112の端を揃えて、不織布112の一辺を除く
他の三辺を熱溶着によりシール部114を形成して接合
させ、また、不織布112の内側の三個所に均等間隔を
保って、同様に熱溶着してシール部114を形成させる
ことにより、図1、図2に示すように、中仕切12とな
るポリエチレンシート111の上面側に上部袋体11−
1が四個と、下面側に下部袋体11−2が四個、計八個
の小袋が形成された袋体11を得ることができる。
【0018】上記ポリエチレンシート111の上面側に
形成された各上部袋体11−1内に、調湿材14として
3.5〜7メッシュに篩別した天然系ゼオライトを各々
に1.2kgづつ詰める。そして、10%ベニーロイヤ
ル油(ベニーロイヤル油/アセトン重量比=1/9)中
のアセトンを揮発させて、ベニーロイヤル油の比率が1
重量%となるように調製したシロアリ忌避剤(シロアリ
殺虫剤)よりなる担持剤131を、上記調湿材14とし
て用いた天然系ゼオライトに含浸させて調湿担持材13
が得られる。得られた調湿担持材13を、上記ポリエチ
レンシート111の下面側に形成された各下部袋体11
−2内に各々0.75kgづつ詰め、しかる後、袋体1
1の袋口部分を熱溶着し、シール部114を形成するこ
とによって、上部袋体11−1内に調湿材14が封じ込
められると共に、下部袋体11−2内に調湿担持材13
が封じ込められた本発明の調湿兼シロアリ防除具1が得
られるものである。
【0019】得られた本発明品を、60±2℃に調整し
た循環式乾燥機内で48時間乾燥させて質量を測定した
後、直ちに恒温恒湿槽に移し、温度23℃、相対湿度7
5%で24時間放置した。次に、温度23℃、相対湿度
60%を1サイクルとして合計7サイクルの吸放湿試験
を行ない、12時間毎に質量を測定した。性能の評価
は、温度23℃、相対湿度90%で12時間放置後を吸
湿性能とし、逆に温度23℃、相対湿度60%で12時
間放置後を放湿性能として行なった。吸放湿量測定試験
の結果は、下記[表1][表2]のとおりであり、結果
の表示は1m2 当りの水分gである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】上記[表1][表2]に示す如く、吸湿量
と放湿量では数値に大差なく、優れた呼吸効果、即ち吸
放湿能力が認められた。また、吸放湿量を平均すると6
7.7g/m2 となり、床下高さ30cm、床面積70
2 の一般住宅を例に相対湿度と飽和水蒸気量並びに実
質水蒸気量の関係をもとに、23℃、相対湿度90%
(木材腐朽菌、木材依存菌の生育可能湿度)環境での吸
湿による相対湿度変化を理論計算すると、23℃で相対
湿度約72%に相当し、この相対湿度は上記木材害菌の
生育を十分阻止することができる値であった(木材害菌
の生育可能な相対湿度は85%以上)。
【0023】また、上記発明品を、(社)日本木材保存
協会規格第13号「土壌処理用防蟻剤の防蟻効力試験方
法及び性能基準(野外試験)」に準拠して試験した。即
ち、図3に示すように、スレート製枠よりなる野外試験
装置Aを、イエシロアリの営巣周辺の深さ5cmの土壌
中に埋設し、装置A内に、調湿担持材13を詰めた下部
袋体11−2側を土壌表面Gに密着させて置いた。次
に、調湿材14を詰めた上部袋体11−1の上面に、ア
カマツ辺材で作製した誘蟻材15(30mm×30mm
×100mm)を二枚重ねて置いた。試験地は鹿児島県
日置郡吹上町の吹上浜とし、試験期間は最低2年間と定
めた。比較試験として、別途、シロアリ忌避剤の代わり
に調湿材14を詰めたもの、或いは、単純に土壌表面に
誘蟻材15だけを設置したものについても同様に試験を
行なった。試験結果は下記[表3]のとおりである。
【0024】
【表3】
【0025】上記[表3]に示す如く、シロアリ忌避剤
を使用した場合は、互い試験を2年間経過した時点で
も、誘蟻材がシロアリに食害されることは全くなかっ
た。一方、シロアリ忌避剤の代わりに調湿材14を置い
たものでは、試験開始6ケ月経過した時点で、調湿材1
4の内部を通り抜け、その上面に置いた誘蟻材15が食
害されているのが確認され、試験開始1年目には食害は
可成りの程度進行し、二枚重ねた誘蟻材15の下段のも
のは、形状を止めない程度まで食害されていた。更に、
誘蟻材15のみを設置した試験区においては、試験開始
3ケ月で既に誘蟻材15が可成り食害を受けていること
が確認され、6ケ月目には食害で殆んどが消失してい
た。
【0026】(実施例2)上記実施例1で調湿材14と
して使用した天然系ゼオライトに替え、セビオライト、
火山性軽石、シリカゲル及び活性炭を使用した場合につ
いても同様に試験した。試験方法は実施例1の吸放湿量
測定試験と同様である。試験結果は下記[表4][表
5]のとおりである。なお、試験結果は7サイクル後の
数値のみを示す。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】上記[表4][表5]に示す如く、何れの
調湿材14も、吸湿量及び放湿量ともに実施例1で使用
したゼオライトとほぼ同等の数値となり、優れた吸放湿
能力が認められた。
【0030】(実施例3)実施例1で使用したシロアリ
忌避剤のベニーロイヤル油に代え、ニーム油、ユーカリ
油、ペパーミント油、ヒノキ油、オヒルギ油を用いて、
実施例1及び(社)日本木材保存協会規格第13号(室
内試験)に準拠して試験した。室内試験の概要は下記の
とおりである。
【0031】即ち、ゼオライトに、上記シロアリ忌避剤
(殺虫剤)を1重量%となるように含浸させたものを試
験材料Sとし、これらを40±2℃の恒温器中で4週間
放置することにより耐候操作(揮散操作)した。この耐
候操作を終了した各試験材料Sを、図5に示すように、
室内試験装置Bの内径15mm、長さ100mmのガラ
ス管の中央に、6mm(1m2 当り3kg散布に相当す
る)の厚さになるように、両側から無処理土壌G′(2
0メッシュ通過)で挟み込んでセットした。無処理土壌
G′の厚さは左右それぞれ25mmとした。なお、無処
理土壌G′は、乾燥重量12gに対して3gの水道水を
混合させたものを用い、また、上記試験材料Sをセット
するガラス管は、内径50mm、高さ120mmの二本
の底部を閉鎖したガラス円筒の底から20mmの所で、
H型に橋渡し連結されている。
【0032】上記試験装置Bの一方のガラス円筒(図に
おいて左側)には、約20mmの高さまで無処理土壌
G′を詰め、ここにイエシロアリの職蟻100匹、兵蟻
10匹を矢印方向から投入した。また、他方の円筒(図
において右側)には、誘蟻材15としてアカマツ餌木を
詰めた。そして、防蟻性能は、イエシロアリが無処理土
壌G′の入っている左側のガラス円筒から、試験材料S
を通過して誘蟻材15の入っている右側のガラス円筒へ
移動することが出来るか否かで評価した。
【0033】
【表6】
【0034】上記[表6]に示す如く、何れの天然精油
も、シロアリに対する忌避効果(殺虫効果)が示され
た。
【0035】(実施例4)イソパラフィン系溶媒(例え
ば、出光興産(株)製 商品名:スーパーゾルFP−3
0)にカプリン酸、アルキッド樹脂(例えば、特殊色料
工業(株)製 商品名:TYC−1000)を10重量
%溶解したものを10重量%、ベニーロイヤル油を同じ
く10重量%になるようにアセトンに溶解した。これを
実施例1と同様にゼオライトに混合した後に乾燥させた
ものを試験材料とした。そして、実施例3の室内試験に
準拠して、上記試験材料を防蟻効力持続試験に供した。
なお、耐候操作については50±2℃で1ケ月、2ケ
月、3ケ月とした。試験結果は下記[表7]のとおりで
ある。
【0036】
【表7】
【0037】上記[表7]に示す如く、カプリン酸やア
ルキッド樹脂の添加により、シロアリ忌避剤或いは殺虫
剤の効力持続性が向上することが分かった。なお、50
±2℃で2週間は農薬の耐候操作基準における約1年に
相当することから、これら助剤の添加により5年以上の
効力持続性の向上が可能である。
【0038】上述の本発明により、床下地面の所定の場
所に所定数を配置するのみで、防蟻処理作業を済ませる
ことができるので、従来のような過酷な労働条件から解
放されるという作用効果が得られる。そして、防蟻処理
作業中に担持剤が肌に付着したり、吸気することがなく
なって、作業者の人体への悪影響がなくなると共に、袋
体内に調湿担持材及び調湿材が内蔵されているので、そ
の相乗効果によりシロアリの生息並びに増殖を防止する
ことができると共に、木材腐朽菌等の繁殖をも予防する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のX−X線矢指の断面図である。
【図3】防蟻効力を測定するための野外試験装置を示す
側断面図である。
【図4】防蟻効力を測定するための室内試験装置を示す
側面図である。
【符号の説明】
1 調湿兼シロアリ防除具 11 袋体 11−1 上部袋体 11−2 下部袋体 111 プラスチックシート 112 シート素材(不織布) 113 周縁部 114 シール部 12 中仕切 13 調湿担持材 131 担持剤 14 調湿材 15 誘蟻材(アカマツ餌木) A 野外試験装置 B 室内試験装置 G 土壌表面 G′ 無処理土壌 S 試験材料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックシートの上面側と下面側
    に、不織布、高密度織布等からなる防水・透湿性のシー
    ト素材を重ね合わせ、当該重合したシート素材とプラス
    チックシートの周縁部間を溶着して、水平方向に中仕切
    を有する袋体を形成してなり、前記プラスチックシート
    より上方の袋体内に調湿材を充填すると共に、プラスチ
    ックシートより下方の袋体内に、シロアリ忌避剤やシロ
    アリ殺虫剤等の担持剤を浸潤させた調湿担持材を充填し
    た構成であることを特徴とする調湿兼シロアリ防除具。
  2. 【請求項2】 袋体をなすプラスチックシートと防水・
    透湿性のシート素材間を垂直方向に仕切り溶着して、キ
    ルティング状に加工が施されたものであることを特徴と
    する請求項1に記載の調湿兼シロアリ防除具。
  3. 【請求項3】 前記調湿材は、天然又は合成ゼオライ
    ト、セビオライト、クレー、珪藻土、シラス、火山性軽
    石、シリカゲル、活性炭、活性炭素繊維、吸水性ポリマ
    ー等の無機又は有機の多孔質材料や人工素材のうちの一
    種、又は二種以上の混合物からなるものであることを特
    徴とする請求項1乃至2に記載の調湿兼シロアリ防除
    具。
  4. 【請求項4】 前記調湿担持材は、前記無機又は有機の
    多孔質材料や人工素材からなる調湿材に、天然精油又は
    天然精油由来化合物からなるシロアリ忌避剤やシロアリ
    殺虫剤等の担持剤が浸潤されたものであることを特徴と
    する請求項1に記載の調湿兼シロアリ防除具。
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