JP2006315925A - けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法 - Google Patents

けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006315925A
JP2006315925A JP2005141966A JP2005141966A JP2006315925A JP 2006315925 A JP2006315925 A JP 2006315925A JP 2005141966 A JP2005141966 A JP 2005141966A JP 2005141966 A JP2005141966 A JP 2005141966A JP 2006315925 A JP2006315925 A JP 2006315925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
diatomaceous earth
water
fired
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005141966A
Other languages
English (en)
Inventor
Isamu Ide
勇 井出
Shigeo Funeno
重夫 舩野
Mika Cho
美加 長
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON HOME PRODUCTS KK
Original Assignee
NIPPON HOME PRODUCTS KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON HOME PRODUCTS KK filed Critical NIPPON HOME PRODUCTS KK
Priority to JP2005141966A priority Critical patent/JP2006315925A/ja
Publication of JP2006315925A publication Critical patent/JP2006315925A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)

Abstract

【課題】水や肥料を長期間保持することができ、しかも、少しずつ放出できる能力を有するけい藻土を素材とするセラミックを提供する。
【解決手段】けい藻土を単独であるいは、これと他の材料とを複合して、粒状に造粒し、この粒状物を400℃〜1200℃で焼成してセラミックとし、該焼成後のセラミックスに水を含浸させた時の含浸率、即ち、セラミックのの体積に対する気孔率が30%以上の多孔質セラミックスとした。また、けい藻土を単独であるいは、これと他の材料とを複合して、粒状に造粒し、この粒状物を400℃〜1200℃で焼成してセラミック化する。

Description

本発明は、けい藻土を素材とするセラミックの製造方法、調湿材料、緑化材料に関する。
日本の建築物、とりわけ一般の住宅家屋は、近辺で調達できる木質系材料を主体として建築されている。この木質系材料は適度な湿度の環境下では、古代建築物に見られるように数百年、強度を保持しながらその機能を維持している。
しかし、高温で多湿な気候環境下で、特に湿度のバランスが崩れると、腐敗の急速な進行や、白蟻の発生等を招き、建築物の寿命を短いものにしてしまっている。とりわけ、近年の木造家屋では高気密化と木質三階建ての普及に伴い、特に床下の湿度のバランスが大きく崩れているのである。
この原因は、床面までの高さを低く抑えることに加えて、地面から揮散する水分を戸外に放散し難くしていることによる。
それを補うために、床下の換気口を大きくすることにより通風を良くしたり、床下に換気扇を取り付けて、強制的に空気を入れ換えることにより湿度の調節を行っている。
しかし、このように構成した場合においても、外気の湿度が高い時にはその効果は小さく、快適な雰囲気を作り出すことが難しいのである。
さらに、それらの欠点を補足するために、木炭、合成ゼオライト、シリカゲルなどの吸湿材を用いることで調節している。
しかし、この場合にも、吸湿は早いものの、逆に放湿がおそかったり、長期間の繰返しの使用で、木炭、合成ゼオライト、シリカゲル等の吸湿材の形状が崩れたりして、吸湿能力の低下を招いている。そして、白蟻などは、このように構成された湿度の多いところを好み、特に台所や風呂まわりなど結露を招く場所を好んでいる。
そのため、防蟻剤等を土台などに用いる木材に含浸したり、塗布を行ったりして、対処している。しかし、このような薬剤の木材への含浸性は極めて悪く、とくに木材中の含水量が多いと表面に塗布した程度になってしまうことが多い。そのため薬剤の効用期間は短いものになってしまっている。
一方、都市部においては、コンクリート建築物や道路の舗装面積の増加や、ビルの空調、自動車などによる放熱を原因として、気温が5℃以上も高くなるヒートアイランド現象が起き、年々ひどくなってきている。このヒートアイランド現象を抑制するために、無機物、例えばコンクリートの表面を、緑で覆うことが考えられ急速に進行してきている。
その一例として屋上の緑化がある。屋上に低い草木類を植栽することで緑化による断熱効果などで屋上のコンクリート面を数度下げる実績が出ている。この数度は最上階の室温にはそれ以上の効果として現れてくる。このことは、今後、急速に普及すると考える。
しかし、屋上緑化の推進にも、反面、問題もある。
緑化に必要とする草木類には、生長に必要な土壌と肥料があり、新しく建てる建造物では生長に必要な土壌の重さを設計に組み込むことができる。しかし、既設の建造物では、生長に必要な土壌の重さを設計に組み込む可能性が低い。そのことから、乾燥に強く、少ない水や暑さなどの苛酷な条件下で生長する植物を探すことも大切である。
それに加えて、植栽基盤は軽量化と水を多く包含でき、しかも、保水力があり腐敗しないことが求められる。また、肥料なども包含できることも重要である。これに対応するため黒曜石やシラスを発泡させたり、泥炭を用いたりしているものの、保水性などで問題となっている。
そのため、周期的に水を散布したりすることになる。
特開2000−325733号公報 特開平11−152879号公報
従来は、床下の調湿を行うため強制的な喚気を行ったり調湿剤を散布したりしている。更に、土の表面からの水分の揮散を阻止するために、土の面にシートを敷きつめたり、コンクリートで覆ったりしている。
前者は前記したように効果は一時的であったり、外気を導入するため、雨の日には湿度を高めるなど逆効果となることもある。
後者は、被覆面の下に結露した水滴が貯まり、乾燥時にそれが、被覆面を通して、浸透して湿度を高めたり、亀裂から湧き出したりすることもあり、初期費用の割にその効果が小さい。
また、水まわりなどで結露した水分は吸着されるものがないため、土台などの木材に吸収されたりするため、白蟻の格好の食材となり易い。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、長期間の使用においても、調湿効果を失うことなく、また、形状を保持でき、しかも、吸湿量の度合いを、粒状物表面の赤味がかる色の変化により判断することができる。また、防蟻剤を長期間効果的に揮散させることもでき、しかも防蟻剤の残存量を粒状物の色の変化により判断できる。しかも調湿機能を併せ持った調湿材料を提供することを目的とするものである。
屋上緑化等の植栽基盤では、水や肥料を素早く吸収することができ、しかも緩慢な放出を可能とし、さらに形状が崩れにくく腐敗しにくいことが求められる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、水や肥料を長期間保持することができ、しかも、少しずつ放出できる能力を有するものを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための手段は、次の如くである。
請求項1においては、けい藻土を単独であるいは、これと他の材料とを複合して、粒状に造粒し、この粒状物を400℃〜1200℃で焼成してセラミックとし、該焼成後のセラミックスに水を含浸させた時の含浸率、即ち、セラミックの体積に対する気孔率が25%以上の多孔質セラミックスとしたものである。
請求項2においては、けい藻土を単独であるいは、これと他の材料とを複合して、粒状に造粒し、この粒状物を400℃〜1200℃で焼成してセラミック化することを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックの製造方法である。。
請求項3においては、けい藻土に有機物を混合して混練し、これを粒状に造粒後、空気を遮断した雰囲気下で焼成後、空気に触れさせ、表面にある有機物の黒色状の炭化物を粒状物の表面がオレンジ状になるまで焼失させた後、冷却することを特徴とするセラミックの製造方法である。
請求項4においては、請求項3記載のセラミックの製造方法において、有機物の混合比率はけい藻土100質量部に対して5乃至60質量部としたことを特徴とするセラミックの製造方法である。
請求項5においては、請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスを調湿材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックである。
請求項6においては、請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに薬剤を含浸させて、防虫・防蟻材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックである。
請求項7においては、請求項6に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、薬剤として、草木類から抽出した防虫・防蟻材料を用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックである。
請求項8においては、請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに水を含浸させて断熱をかねた緑化材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックである。
請求項9においては、請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに肥料成分を含浸させて緑化材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックである。
請求項10においては、請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに水、肥料成分および薬剤を含浸させて緑化材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックである。
請求項11においては、請求項1又は2又は3に記載のけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法において、粒状物の粒の大きさを、圧縮機で1cm3 程度に成形したことを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法である。
請求項12においては、請求項11記載のけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法において、粒状を縦、横、高さが略1cmの、角が丸みを帯びたサイコロ状の粒状成形体としたことを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法である。
請求項13においては、請求項1又は2又は3に記載のけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法において、けい藻土に付加する有機バインダーとして、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、可溶化でんぷん、ポリビニルアルコール、ヒドノロキシエチルセルロース等を付加したことを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法である。
本発明のけい藻土を素材とするセラミックは、水や肥料を長期間保持することができ、しかも、少しずつ放出できる能力を有するものを提供することを目的とするものである。 例えば、穿孔率を高めるために、有機物としてオガクズを用いる場合には、けい藻土にオガクズを混合して混練し、混練乾燥後に蒸し焼き状態として焼成し、焼成後に、空気に触れさせ、表面のけい藻土がオレンジ色に変色した頃に、冷やすため水を霧状に噴霧する方法で行う。
上記、オガクズを有機物とするセラミックの製造方法においては、オガクズの混合比率を、けい藻土100質量部に対して5乃至60質量部とし、好ましくは10〜30質量部とするのが良い。
このように、焼成後に、酸素に触れさせ、表面のけい藻土がオレンジ色に変色した時に、表面に水を霧状に噴霧する方法で行うことにより、粒状物表面の黒色を失わせ、吸湿度や液状物の量を色の変化で見分け易くすることが出来る。また、賦活の効果として、炭化物の比表面積を高くすることもできる。
また、その結果、成長力をいつまでも保持することができて、かつ、保水力を具備しているので、屋上緑化等に使用した場合においても、植物が枯れることが少なく成るのである。
また、けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法において、粒状を縦、横、高さが略1cmの、角が丸みを帯びたサイコロ状の粒状成形体としたことにより、床下に本発明のセラミックを敷きつめる為に、手で掴んでバラ巻いた場合において、サイコロ状に構成しているので、球状の場合のように、コロコロと転がって、低い部分に偏って配置されてしまうということがなく、一定の転がりを終了した後に、指定した投入位置に分散して配置されるという利点があるのである。
また、サイコロ状とし、角を取ったことにより、手掴みにして投げる場合にも、上手く手のなかに入り、把持しやすいという利点があるのである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において用いる、けい藻土とは、けい藻(プランクトン)などが長い年月をかけて堆積し、それが化石化したものである。その成分は、SiO2 、AI2 O3 、Fe2 O3 、K2 O、MgO、Na2 O等である。
それには、けい藻の遺骸に開いた、直系0.1 〜0.2 μmの細い穴が無数にあり、空気、水蒸気、臭い物質、音波などを取り込む。
その結果、断熱、調湿、脱臭、遮音などの機能を発揮する。けい藻土は、水などの吸収は速やかであるが、水の放出は吸収程速くなくゆっくりと放出される。この理由は明らかでないが水素結合が起こっているためと考える。
このけい藻土は、地表に多く存在し、産地によりその成分や効果は多少異なるにすぎない。
けい藻土は、このままでも使用することはできるが、けい藻が完全に化石化していない場合、腐敗したりする為に好ましくないのである。これを阻止することに加えて、細孔を多くする為、即ちけい藻から有機分を除く為に焼成するのである。
本目的では、機能のバラつきを抑え、取り扱い易く、形状が長期間の使用においてもその形状を保たせるために粉末状や小粒状のけい藻土を成形し、それに熱を加えてセラミックス化するのである。形状としては、ペレット、サイコロ状、板状、棒状など任意の形に成形することができる。
成形するには、けい藻土に水を加えて成形し、焼成し、けい藻土に含まれている粘土分でセラミックス化したり、成形付与剤として有機バインダーを加えて焼成し、有機バインダーを炭化させたり焼きとばしたりする。
その成形は、ブリケットマシン、ペレタイザーにかけたり、鋳込み成形、押し出し成形、可塑成形、プレス成形などで一定の形状に成形することができる。
有機バインダーとしては、成形後の形状を保持できるものであれば何でも良いが、例えば、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、可溶化でんぷん、ポリビニルアルコール、ヒドノロキシエチルセルロースなどを挙げることができる。
セラミックスをより多孔質にして、保水量を増やしたりするために、焼成の時に揮散したり、炭化することのできる、有機物を成形前のけい藻土に混合しておいて、それを成形することもできる。
例えば、木紛、オガクズ、モミガラ、おから、ビール粕、油粕、焼酎粕などの有機廃棄物や、セルロース、プラスチックスなどを粉末状にして用いることができる。これらのものをけい藻土と、水や有機バインダーなどと混合できるミキサーにより混合してから成形することができる。
例えば、穿孔率を高めるために、有機物としてオガクズを用いる場合には、けい藻土にオガクズを混合して混練し、混練乾燥後に蒸し焼き状態として焼成し、焼成後に、空気に触れさせ、表面のけい藻土がオレンジ色に変色した頃に、冷やすため水を霧状に噴霧する方法で行う。
上記、オガクズを有機物とするセラミックの製造方法においては、オガクズの混合比率を、けい藻土100質量部に対して5乃至60質量部とし、好ましくは10〜30質量部とするのが良い。
このように、焼成後に、酸素に触れさせ、表面のけい藻土がオレンジ色に変色した時に、表面に水を霧状に噴霧する方法で行うことにより、粒状物表面の黒色を失わせ、吸湿度や液状物の量を色の変化で見分け易くすることが出来る。また、賦活の効果として、炭化物の比表面積を高くすることもできる。
成形物をセラミックス化するには400〜1000℃、好ましくは、500〜900℃の温度で焼成することができる。焼成に要する時間は、焼成できる炉の性能によって異なり、数時間から数十時間をかけて行うことができる。このようにして、成形、焼成してセラミックス化した、多孔質のセラミックスを調質材料としてそのまま用いたり、防蟻剤を含浸して、防蟻をかねた調質材料として用いたりすることができる。
防蟻剤としては、クロルビリホス、ダイアジノン、ペルメトリン、プロポフエエトロチオン、カルバリル、アスレソン、キスル、S−421などの有機リン系、カーバメイト系、ピレスロイド系を用いているのが一般的である。
これらのものは、防蟻剤としての効果は高いものの、我々人体への影響も大きく、また、地中に滲み込み長期間効力が衰えないため環境汚染をひきおこすため問題になっている。それに対し、天然の草木類から抽出した抽出成分は、人体や環境にも優しいものといえる。
防虫、防蟻剤として効果のあるものとしては、例えば、ヒノキチオール、ヒバ油、カジノール、スチルベン、テルペン、サポニン、ラクトキノン、クロロポリン、アズレン、スコポレチン、スコポリン、ブロゲロール、トレヤール、又レフェラールなどがある。これらを吸収させることで、蒸気の吸着を損なうことなく。調湿と防蟻とを併せもった材料とすることができる。
また、屋上緑化に用いる植栽基盤としては、屋上のコンクリート面に、そのまま敷きつめて用いることもできるが、コンクリート面にシートを敷きつめた上にあるいはシートの上にさらに、砂などを固定させることのできる枠を設け、その上に敷きつめることもできる。
その上にセラミックスを一定の厚さに敷きつめ、そのまま、植栽することもできるが、セラミックスの上に、盛り土をして行うこともできる。
このようにすることで、水や肥料を直接あるいは間接的に、根がすいあげることができる。その結果、苛酷な条件下であっても、草木類は育つことになる。それによって、屋上にこもる熱を和らげ、セラミックスの持つ断熱効果により、ビルの内部の温度上昇も抑制することになる。セラミックスの保水力により、水や肥料の施しを低減できるため、管理も容易となる。
肥料としては、水に溶解または分散し易いものであれば良いが、好ましくは水溶性のものが良い。セラミックスを製造する時に、けい藻土と混合しておいて成形し、セラミックス化したり、出来たセラミックスに吸収・吸着させる肥料成分としては、窒素、リン酸、カリウムの3成分及びミネラルがあるが、この3成分やミネラルの一つずつを別のセラミックスに吸着させるようにし、目的に応じて使い分けることができるようにしても良い。
このような肥料成分を含有するものとしては、市販されている一般的なものを使用することができ、例えば塩化カリウム、過リン酸石灰、珪酸カルシウム、高度化成肥料(3成分含有)、重過リン酸石灰、苦土重焼リン、石灰窒素、普通化成肥料(2成分肥料)、複合肥料、熔成リン肥、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、尿素などの固形肥料や水に溶かした液体肥料を用いることができる。また、牡蠣殻などの貝殻、硼素、マンガン、鉄、亜鉛、モリブデン、銅、石灰などのミネラルを用いることができる。
上記のようにして得られる本発明の肥料含有セラミックスの肥料成分は、セラミックスの微孔に保持されている。
従って、この肥料入りのセラミックスを植栽基盤として使用することで、セラミックスに吸着された肥料成分は溶出し難く、遅効性の肥料として使用することができる。このことは、植物の生長の初期に一度に多くの肥料成分が効くようなことがなくなり、薬害を起こして植物の生長が阻害されるようなことを防ぐこともできる。そして、セラミックスに吸着された肥料成分は徐々に溶出し、植物は生長に応じて、この肥料成分を徐々に吸収するものである。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
〔セラミックスの製造例1〕
粒径1mm以下に節分けした、能登半島産の密度1. 30g /cm3 、吸水量0. 30g、気孔率30%のけい藻土1kgをニーダー混合機に入れ、これに水を200g加えて、混合した。これを、ブリケッティング形の圧縮機で縦、横、高さが1cm、角が丸みを帯びたサイコロ状の成形体を成形した。
これを、2日間、風乾した後、トンネルキルンに入れ、24時間を要して、700℃まで昇温させた後、降温させて、セラミックス化したけい藻土のセラミックスを得た。
このセラミックスの密度は、1. 20g/cm3 、水中に24時間浸漬させた後の、吸水量は1cm3 あたり0. 50gであった。従って、気孔率は50%である。
〔セラミックスの製造例2〕
市販のベントナイトを50g加えて混練した他は、製造例1と同様にして、成形と焼結を行い、密度が1. 25/cm3 、吸水量は1 cm3 あたり、0. 45gのセラミックスを得た。従って、気孔率は45%である。
〔セラミックスの製造例3〕
粒径1mm以下に節分けした、能登半島産のけい藻土1kgをニーダーに入れ、これに100μm以下に節分けした木粉を150g、ベントナイト100g、水400gを加えて混合した。
これを、製造例1と同様にして、成形と焼結を行い、密度が0. 90g/cm3 、吸水量が1 cm3当たり0. 6gのセラミックスを得た。従って、気孔率は60%であった。
〔実施例1〜3、比較例1〕
製造例1〜3及び能登半島産のけい藻土を105℃の乾燥器中で2時間乾燥させ、試験用試料とした。この試料を100g精秤し、相対湿度92%に調整したデシケータ中に置き、所定日数毎に試料の重量を計量し。吸湿率を測定した。また、試料を相対湿度45%に調整したデシケータ中に入れ、所定日数毎に試料の重量を計量し、放湿率を測定した。結果を「表1」に示す。
次の「表1」に示す如く、吸湿率において、比較例よりも格段に優れた吸湿率を保持しており、速く水蒸気や水分を吸収し、逆に放湿率においても、速く水分を放出することが理解できる。
Figure 2006315925
〔実施例4〜5 比較例2〕
製造例2〜3及び能登半島産のけい藻土を105℃の乾燥器中で2時間乾燥させた。
このけい藻土を70℃に加熱し、攪拌しながら防蟻剤の含有量が20%になるように、融点51℃のヒノキチオールを加えて混合しながら含浸させた後、常温まで冷却した。
含浸したセラミックスはサラサラとしているが比較例2のものは粒径の不均一な造粒物になった。木口面で1cm×1cm、高さ2cmのベイツガに対し、防蟻剤含浸セラミックスを5g用い、これを社団法人日本木材保存協会規格第11号(1)4. 3総合試験方法に準拠して行った。また、防虫剤含浸セラミックスの吸放湿試験は、実施例1に準拠して行った。
次の「表2」に示す如く、防蟻能力としての死虫率が高くまた、木材の質量減少率は少ないのである。蟻により食されることが少ないのである。
Figure 2006315925
〔実施例6〜7、比較例3〕
製造例1〜2、比製造例1のセラミックスまたは、けい藻土を水に48時間浸した後、網の上にのせて3時間水切りをした。これを30cm×50cmのプランターにそれぞれ厚さ5cm敷きつめた。さらに、その上に市販の無肥料の花用の土を5cm敷きつめた。これに高さ5cmのチガヤの苗を縦に3つ、横方向に5つ並べて植えた。
これを屋外のコンクリートの上に置き、自然環境化で所定期間毎に成長の度合を調べた。
〔実施例8、比較例4〕
窒素、リン酸、カリウムの3要素の合計成分量が30質量%以上ある多木化学(株)製の高度化成肥料50gを水1000ccに溶解させた水を用いた他は、実施例6と同様にして生長試験を行った。
本例においては、次の「表3」に示す比較例の3と4において、70日後においては、植物が枯れた。
Figure 2006315925
このように、本発明のけい藻土を素材とするセラミックを用いた場合には、成長力をいつまでも保持することができて、かつ、保水力を具備しているので、屋上緑化等に使用した場合においても、枯れることが少なく成るのである。
『表4』においては、緑化用けい藻土の含水量の経時変化を示している。このように日数が経過しても、けい藻土の水持ちが良いことを図により示している。
Figure 2006315925
また、『表5』においては、けい藻土床下調湿材の施行現場の湿度測定実施例を示している。『表5』中の西宮市M邸は、木造在来工法の住宅であり、床下に換気口が三箇所あったが、該床下の基礎部が濡れており、カビ臭いにおいもひどく、湿度が施行前において、94%と高かった。
しかし、本発明のけい藻土床下調湿材をキッチンの床した点検口から入って全面に施行した結果、施行直後に測定した湿度の結果が、72%であり、施行から1年後に点検して測定した際には、63%に下がっていた。
Figure 2006315925

Claims (13)

  1. けい藻土を単独であるいは、これと他の材料とを複合して、粒状に造粒し、この粒状物を400℃〜1200℃で焼成してセラミックとし、該焼成後のセラミックスに水を含浸させた時の含浸率、即ち、セラミックの体積に対する気孔率が25%以上の多孔質セラミックスとしたことを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック。
  2. けい藻土を単独であるいは、これと他の材料とを複合して、粒状に造粒し、この粒状物を400℃〜1200℃で焼成してセラミック化することを特徴とするけい藻土を素材とするセラミックの製造方法。
  3. けい藻土に有機物を混合して混練し、これを粒状に造粒後、空気を遮断した雰囲気下で焼成後、空気に触れさせ、表面にある有機物の黒色状の炭化物を粒状物の表面がオレンジ状になるまで焼失させた後、冷却することを特徴とするセラミックの製造方法。
  4. 請求項3記載のセラミックの製造方法において、有機物の混合比率はけい藻土100質量部に対して5乃至60質量部としたことを特徴とするセラミックの製造方法。
  5. 請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスを調湿材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック。
  6. 請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに薬剤を含浸させて、防虫・防蟻材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック。
  7. 請求項6に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、薬剤として、草木類から抽出した防虫・防蟻材料を用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック。
  8. 請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに水を含浸させて断熱をかねた緑化材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック。
  9. 請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに肥料成分を含浸させて緑化材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック。
  10. 請求項1に記載のけい藻土を素材とするセラミックにおいて、焼成後のセラミックスに水、肥料成分および薬剤を含浸させて緑化材料として用いることを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック。
  11. 請求項1又は2又は3に記載のけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法において、粒状物の粒の大きさを、圧縮機で1cm3 程度に成形したことを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法。
  12. 請求項11記載のけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法において、粒状を縦、横、高さが略1cmの、角が丸みを帯びたサイコロ状の粒状成形体としたことを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法。
  13. 請求項1又は2又は3に記載のけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法において、けい藻土に付加する有機バインダーとして、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、可溶化でんぷん、ポリビニルアルコール、ヒドノロキシエチルセルロース等を付加したことを特徴とするけい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法。
JP2005141966A 2005-05-13 2005-05-13 けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法 Pending JP2006315925A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005141966A JP2006315925A (ja) 2005-05-13 2005-05-13 けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005141966A JP2006315925A (ja) 2005-05-13 2005-05-13 けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006315925A true JP2006315925A (ja) 2006-11-24

Family

ID=37536919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005141966A Pending JP2006315925A (ja) 2005-05-13 2005-05-13 けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006315925A (ja)

Citations (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5441912A (en) * 1977-09-08 1979-04-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd Method of making porous ceramic
JPS62202145A (ja) * 1986-02-28 1987-09-05 菊水化学工業株式会社 床下調湿法
JPH03215373A (ja) * 1990-01-12 1991-09-20 Yamakawa Sangyo Kk 無機多孔質体の製造方法
JPH04317477A (ja) * 1991-04-16 1992-11-09 Toyo Glass Co Ltd セラミック焼結体の製造方法
JPH0725680A (ja) * 1993-07-08 1995-01-27 Nitsutai Kk 多孔質造粒物
JPH1033979A (ja) * 1996-07-19 1998-02-10 Onoda Autoclaved Light Weight Concrete Co Ltd 調湿材の製造方法
JPH10205011A (ja) * 1997-01-28 1998-08-04 Eidai Co Ltd 吸放湿性の有する板材とその製造方法
JP2000144946A (ja) * 1998-11-17 2000-05-26 Marukou Sangyo:Kk 床下調湿マット
JP2001213675A (ja) * 2000-01-31 2001-08-07 National House Industrial Co Ltd 調湿タイルの製造方法および調湿タイル
JP2001317134A (ja) * 2000-05-11 2001-11-16 Takasago Ind Co Ltd 吸音・調湿材及びその製造方法
JP2002145679A (ja) * 2000-08-30 2002-05-22 Kurimoto Ltd 多孔質セラミックスの製造方法
JP2002199836A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Nippon Eisei Center:Kk 調湿兼シロアリ防除具
JP2002233728A (ja) * 2001-02-06 2002-08-20 Okura Ind Co Ltd 調湿材料の製造方法
JP2003079243A (ja) * 2001-09-11 2003-03-18 Tooken Jushi Kagaku Kk 植物栽培用材料
JP2003327963A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Aiharagumi:Kk 土壌改良材及びその製造方法
JP2004135502A (ja) * 2002-10-15 2004-05-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 植物栽培用の泥土固化物及びその製造方法
JP2004360294A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Shinku Seraa:Kk 建築物床下のシロアリ防除構造
JP2005029951A (ja) * 2001-07-03 2005-02-03 Topics:Kk 住環境改善材料、及びそれを使用した建材、散布剤並びに散布剤
JP2005104991A (ja) * 2001-10-17 2005-04-21 Topics:Kk 住環境改善塗料及びその使用方法

Patent Citations (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5441912A (en) * 1977-09-08 1979-04-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd Method of making porous ceramic
JPS62202145A (ja) * 1986-02-28 1987-09-05 菊水化学工業株式会社 床下調湿法
JPH03215373A (ja) * 1990-01-12 1991-09-20 Yamakawa Sangyo Kk 無機多孔質体の製造方法
JPH04317477A (ja) * 1991-04-16 1992-11-09 Toyo Glass Co Ltd セラミック焼結体の製造方法
JPH0725680A (ja) * 1993-07-08 1995-01-27 Nitsutai Kk 多孔質造粒物
JPH1033979A (ja) * 1996-07-19 1998-02-10 Onoda Autoclaved Light Weight Concrete Co Ltd 調湿材の製造方法
JPH10205011A (ja) * 1997-01-28 1998-08-04 Eidai Co Ltd 吸放湿性の有する板材とその製造方法
JP2000144946A (ja) * 1998-11-17 2000-05-26 Marukou Sangyo:Kk 床下調湿マット
JP2001213675A (ja) * 2000-01-31 2001-08-07 National House Industrial Co Ltd 調湿タイルの製造方法および調湿タイル
JP2001317134A (ja) * 2000-05-11 2001-11-16 Takasago Ind Co Ltd 吸音・調湿材及びその製造方法
JP2002145679A (ja) * 2000-08-30 2002-05-22 Kurimoto Ltd 多孔質セラミックスの製造方法
JP2002199836A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Nippon Eisei Center:Kk 調湿兼シロアリ防除具
JP2002233728A (ja) * 2001-02-06 2002-08-20 Okura Ind Co Ltd 調湿材料の製造方法
JP2005029951A (ja) * 2001-07-03 2005-02-03 Topics:Kk 住環境改善材料、及びそれを使用した建材、散布剤並びに散布剤
JP2003079243A (ja) * 2001-09-11 2003-03-18 Tooken Jushi Kagaku Kk 植物栽培用材料
JP2005104991A (ja) * 2001-10-17 2005-04-21 Topics:Kk 住環境改善塗料及びその使用方法
JP2003327963A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Aiharagumi:Kk 土壌改良材及びその製造方法
JP2004135502A (ja) * 2002-10-15 2004-05-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 植物栽培用の泥土固化物及びその製造方法
JP2004360294A (ja) * 2003-06-04 2004-12-24 Shinku Seraa:Kk 建築物床下のシロアリ防除構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5615461B2 (ja) 人工土壌粒子
US20110094967A1 (en) Composite material composed of polymer materials and a porous mineral matrix and the production and use thereof
EP2714977B1 (en) Mineral wool product
CN1294824C (zh) 粮食防虫防霉干燥剂及生产方法
CN103011894A (zh) 一种土壤替代多孔陶瓷材料的制备方法
EP2921043A1 (en) Artificial soil medium
CN108249956B (zh) 一种蒸压加气混凝土砌块的制作方法
KR20150084819A (ko) 토양 개량재 및 그것을 포함하는 배토
KR101912232B1 (ko) 비효성 및 병해가 개선된 정원토 조성물
JP2006315925A (ja) けい藻土を素材とするセラミック及びその製造方法
JP5233850B2 (ja) 保水構造体
JPH11222947A (ja) 多孔質充填材、建築材、パネル材及びその製法
US7892571B2 (en) Controlled release of S-methoprene and other active ingredients with activated carbon
JP4649361B2 (ja) 産業廃液を活用した複合材料、産業廃液の固液分離方法、並びに産業廃液の保存方法
CN108503267B (zh) 一种建筑用复合材料及其制备工艺
KR100825358B1 (ko) 제오라이트 소성볼을 이용한 규산질 비료의 제조방법
KR20160019593A (ko) 식생기반재 조성물 및 이를 이용한 식생기반재의 제조방법
JP2016198068A (ja) 人工土壌培地の調整方法、及び観葉植物栽培方法
KR101418739B1 (ko) 이끼를 포함한 비탈면 녹화용 혼합토양
KR101115254B1 (ko) 골프장 잔디용 맥반석 조성 비료 및 그 제법
JP2017176173A (ja) 人工土壌粒子、人工土壌培地、及び人工土壌粒子の製造方法
KR101006149B1 (ko) 인공토양용 복합기공과립체의 제조방법
JP2745200B2 (ja) 植物生育活性材
JP4706020B2 (ja) 植栽枡及びそれを用いた植物の育成法
JP4192270B2 (ja) 緑化構造並びに緑化施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120508