JPH11222947A - 多孔質充填材、建築材、パネル材及びその製法 - Google Patents

多孔質充填材、建築材、パネル材及びその製法

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JPH11222947A
JPH11222947A JP4131998A JP4131998A JPH11222947A JP H11222947 A JPH11222947 A JP H11222947A JP 4131998 A JP4131998 A JP 4131998A JP 4131998 A JP4131998 A JP 4131998A JP H11222947 A JPH11222947 A JP H11222947A
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clay
filler
pulverized coal
porous
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Etsuo Kobayashi
悦雄 小林
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/10Coating or impregnating
    • C04B20/1055Coating or impregnating with inorganic materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【解決すべき課題】従来あまり用途がなかった粉粒炭を
用いて、それが持つ調湿作用、断熱作用を温存しつつ、
耐火性及び遮音性に富み、取り扱いが容易な粒状多孔質
充填材を開示する。 【課題の解決手段】粉粒炭と、この粉粒炭の表面を覆う
に十分な量の粘土粉末との混合物に、水を加えて混練し
た後乾燥し、これを、600〜700℃程度の低温で焼
成処理を行うことにより、粉粒炭の表面に粘土の焼結層
が形成されていることを特徴とする多孔質充填材Cで、
吸湿性、断熱性、耐火性を示し、通気性の袋5に充填し
て家屋1に使用することにより、断熱性、調湿性を示す
建材として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒状の炭化物を
原料とする調湿性、断熱性、耐火性等を備えた粒状充填
材とその製法並びに該充填材の各種製品への応用に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】近年、高気密性、高断熱性を備えた住居
が、作られるようになり、住宅における省エネルギー性
能や防音性能は、著しく向上したが、その反面、結露や
カビ、ダニの発生などより、悩まされるようになった。
このような事態に対処して、木炭の持つ独特の多孔質構
造に着目して、その優れた吸湿性や断熱性、或いは、吸
着性を住宅の結露やカビ、ダニの防除に利用しようとす
る試みがなされている。例えば、木炭製造の際に生じる
粉炭は、これを、床下の地面に置いて防湿剤として利用
したり、中空パネルの中に、粉炭を充填して、防湿或い
は調湿機能を備えた壁材としたり、或いは、畳などの床
材などにも、適宜な空間をこしらえて、その中に充填
し、防湿剤として利用する試みがなされている。
【0003】このような用途に用いられる炭化物(本願
において、炭化物とは、草、木質系素材を熱分解した後
の残渣を意味する。)としては、主として、木炭製造の
際に多量に副生する粉粒炭や、廃材を燃やした後の消し
炭を粉砕した粉粒炭などが、用いられている。一般に、
これらの粉粒炭は、その粒子が細かくなればなるほど、
表面積が飛躍的に拡大するので、吸湿性や消臭性などが
高くなる。しかしながら、これらの微粉炭は、見かけ比
重が極めて小さいために、風などに飛ばされ易く、袋に
詰めたり、所定の容器や部材に充填する際に、飛散し
て、作業環境を著しく汚損する。従って、このような現
象を抑えるために、適度な湿り気を与えるべく、水を加
えても、水の比重と、粒子間に沢山の空気を含む粉粒炭
の見かけ比重との差が極めて大きいので、水と微粉炭と
の親和性が極めて悪く、両素材は分離したままで、なじ
むのに長時間の撹拌を必要とする欠点がある。
【0004】又、前述のような炭素源から得られる粉粒
炭は、かなりの量の微粉炭を含んでいるので、それを、
そのまま所定形状の中空部へ充填しようとしても、充填
部から吹き上げてくる排除空気によって、微粉炭が舞い
上がり、作業性が極めて悪い上に、製品自体や作業環境
が汚損される。更に、充填すべき中空部における炭化物
の分布(充填密度)にむらが生じてしまい、重量、断熱
性、吸湿性など、製品の品質にばらつきが生じてしまう
虞れがあった。又、吸着材として、水の浄化に用いる場
合にも、前述の様に、水との馴染みが悪い上に、流水を
通過させて処理する方式を採用することができず、僅か
に、バッチ方式で、処理すべき水と撹拌した後濾過する
方式しか採用できないので、能率が悪く、実質的に、粉
粒炭のこの種の用途への利用は困難であった。
【0005】又、木造建物に用いられる断熱材は、耐火
性を高める観点から、主として、ロックウールやグラス
ウールなどの鉱物繊維が用いられており、これをベニヤ
板などの壁材の間に充填したり、床下や天井裏に配置す
るなどして使用されている。これらの木造建物が、取り
壊される場合は、重機による解体処理の後、焼却される
が、その際得られる炭に、これらロックウールやグラス
ウールが混在すると、植栽用や田畑の土壌改良用に利用
することができない欠点がある。又、これらの素材の単
位容積当たりの質量は、ごく小さいので、遮音作用は、
殆ど期待できない。従って、天井にグラスウールを大量
に敷き詰めても、2階の物音が1階に響いてしまうなど
の欠点がある。
【0006】又、新建材は、接着剤やプラスチック、塗
料、各種化学処理剤によってつくられているので、ホル
マリンを始めとする各種の有害化学物質のガスが放出さ
れる。しかしながら、前述のように、住宅は気密性の高
い造りになっているので、これらの有害ガスによる人体
への影響が無視できない状態になっており、これらの有
害ガスが、アトピーや喘息などのアレルギー疾患や体の
不調を惹き起こす原因の一つとなっている。
【0007】一方、倉庫や段ボール箱に貯蔵されるリン
ゴなどの農産物は、これを所定の低温度域に保つと共
に、炭酸ガス濃度、酸素濃度、湿度、エチレンガス濃度
等を制御することにより、長期間にわたって、鮮度が維
持される。これには、シリカゲル等の吸着剤が使用され
るが、シリカゲルは原料が高価で、吸着活性を復活させ
るには、再生処理装置が必要であり、有害ガス吸着作用
をもつ段ボール箱の開発が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、従来あまり用途がなかった粉粒炭を用いて、それが
持つ調湿作用、断熱作用を温存しつつ、耐火性及び遮音
性に富み、取り扱いが容易な粒状多孔質充填材を開示す
ることにある。本発明の第2の目的は、粉粒炭を中心部
に有し、その外側に、水との親和性に富む耐火被覆層を
有する多孔質充填材を開示することにある。本発明の第
3の目的は、粉粒炭を中に外側に焼結若しくは非焼結の
粘土層を有すし、耐火性、断熱性、吸着性、調湿性及び
遮音性を備えた粒状の多孔質充填材を内蔵する建材や段
ボール紙材を開示することにある。本発明の第4の目的
は、農産物の鮮度保持に有害なガスを吸着除去できる段
ボール箱を開示することにある。本発明の第5の目的
は、吸水量が大きくて、水との親和性に富む多孔質充填
材を開示することにある。本発明の第6の目的は、粉粒
炭を原料として、吸湿性、断熱性、防虫性、耐火性、除
菌性等を持つ多孔質充填材を容易に製造する方法を開示
することにある。
【0009】
【課題の解決手段】本発明の第一の要旨は、粉粒炭の表
面に粘土から成る被覆層が形成されている粒状体によっ
て構成されていることを特徴とする多孔質充填材にあ
る。
【0010】上記において、粉粒炭としては、木炭製造
の際に発生する粉炭、廃木材を焼却処理して得られる消
し炭を破砕したもの、籾殻やおが屑を蒸し焼きして得ら
れる粉粒状の消し炭、竹、製材屑、木皮、チップなどを
素材とする消し炭や乾留炭、コーヒー滓、キノコ培養基
に用いた後の廃おが屑、豆幹、トウモロコシの穂軸など
を蒸し焼きした消し炭、或いは、プラスチックや生ゴミ
などの焼却処理して得られる消し炭などを、必要に応じ
て、破砕して、粉粒化したものなどが用いられる。
【0011】炭の粒子の大きさは、その最長部の長さが
5mmより小さいことが、充填材としての作業性を高め
る上では望ましい。籾殻やおが屑、コーヒー滓等に由来
する炭化物の粒径は、ほぼ一定に揃っているが、破砕炭
化物の粒径は、本願充填材の用途に応じて篩分けして揃
えてもよい。しかしながら、後記するように、段ボール
紙の中に充填するなどのような特殊な用途を除いては、
粒径を揃えることに見合う実質的な効果があまり見られ
ない。従って、袋詰めして用いるような一般の用途で
は、大小の炭化物粒子が混在していても差し支えない。
前述のように、およそ炭化物粒子の長さが5mm以下で
あれば、大小粒子が混在していても、流動性や充填性或
いは吸湿性、断熱性等の点で、実質的な差異は見られな
い。
【0012】使用する粘土としては、モンモリナイト鉱
物をその組成中に多く含むものが、炭化物粒子を被覆す
る性質において特に優れている。粘土の種類としては、
ベントナイトが、吸水性、膨張性、膠結性に富み、好適
な素材である。粘土は、一般に、その粒径が、2μm以
下の微粒子の集合体であり、この微粒子が、粉粒炭を被
覆することにより、多孔質の粉粒炭は、水との親和性が
極めて向上し、これに適当量の水(通常は、粘土重量と
ほぼ同重量の水)を加えて撹拌すると、表面の粘土粒子
層が吸水して膨潤し、相互に結合することにより、先
ず、炭化物粒子を包み、次いで、この粘土被覆層が、相
互に結合して、より大きな塊に成長する。これを乾燥す
れば、粉粒炭の表面に粘土被覆層を持つ多孔質充填材
が、形成される。
【0013】撹拌の程度は、粘土の種類によって異なる
が、モンモリナイトに富むベントナイトなどのように膨
潤性の高い粘土では、後記する配合範囲において比較的
少量を加え、僅かな時間の撹拌で十分であり、アロフェ
ンに富むケイソウ土などでは、より多量の水を加え十分
な混練が必要である。用途や乾燥温度によっては、粘着
成分(例えば、澱粉のような有機質系接着剤)を加え
て、混練してもよい。
【0014】このような構成を持つ多孔質充填材は、粘
土粒子の結合層により、耐火性を獲得すると共に、該結
合層を通して、炭化物に形成されている無数の細孔が、
水蒸気分子や臭気分子や有害ガス分子を吸着して、湿度
調節作用や消臭作用、有害物質の吸着除去作用、或い
は、耐火作用、断熱作用を発揮する。又、各種の容器や
建材の間隙に充填するに際しても、微粉末が舞い上がる
ことがなく、適度な重量を獲得して、充填作業を速やか
に行うことができ、充填密度も一定する。又、見かけ比
重が増大するので、遮音性が高い。粘土の使用量は、炭
化物の粒径や粘土の種類にもよるが、乾燥粉末状粘土
を、炭化物重量の5〜50重量%の範囲で混合する。粉
末炭の粒径を5mm以下に調整した場合、これに加える
べき粘土の重量は、10重量%前後の使用で、十分に、
炭化物表面を被覆できる。使用すべき水の量は、粘土重
量とほぼ同じ重量を用いるのが、標準である。
【0015】本発明の第二の要旨は、前記第一要旨によ
って規定された多孔質充填材において、複数の粒状体
が、その表面の耐火性被覆層を介して相互に結合するこ
とにより形成される塊状物を含んでいることを特徴とす
る多孔質充填材にある。
【0016】耐火性被覆層の性質は、使用する粘土の種
類によって定まる。粘結性の強い粘土の場合は、混練す
ることにより、炭化物を覆う被覆層が相互に結合して、
より大きな固まりに成長する。混練の程度と、加える水
の量により、その塊の大きさをコントロールする事がで
きる。中心に炭化物を内蔵する充填材粒子が成長して作
る塊は、顆粒状に空隙の多い塊になるようにすること望
ましい。
【0017】本発明の第三の要旨は、粉粒炭の表面に粘
土を焼成して成る多孔質焼結層が形成されている粒状体
によって構成されていることを特徴とする多孔質充填材
にある。
【0018】前記第一要旨及び第二要旨に規定される多
孔質充填材は、緻密に結合した粘土層が単に乾燥した状
態であったが、上記第三要旨によって規定される多孔質
充填材は、第一要旨或いは第二要旨によって規定される
充填材を500℃〜800℃程度の範囲の、比較的低い
温度で、所定時間焼成することにより、炭化物表面を覆
う粘土の被覆層が、土器様に、多孔質の焼結体となして
いるものである。焼結層の空隙率は、焼成温度と焼成時
間とに関連する。焼成時間が長くなるにつれて、焼き締
まって、空隙率は、減少する。
【0019】このような構成を持つ多孔質充填材は、粉
粒炭の表面を被う未焼成粘土粒子から成る被覆層を、焼
成炉中で前記した範囲における適宜な温度で焼成し、未
だ、空隙が十分に残っている状態で焼成工程を終了する
ことにより、被覆層の空隙率が高い多孔質焼結層を持つ
充填材とすることにより、得られる。このような多孔質
粘土焼結層によって被覆された多孔質充填材は、被覆層
とそれに包まれた炭化物との結合が堅固で、粒子形状が
安定すると共に、吸湿性、断熱性が、より向上する。
【0020】本発明の第四の要旨は、前記第三要旨によ
って規定された多孔質充填材において、複数の粒状体
が、その表面の多孔質焼結層を介して相互に結合するこ
とにより形成される塊状物を含んでいることを特徴とす
る多孔質充填材にある。
【0021】上記第三及び第四要旨に係る多孔質充填材
は、粉粒炭を被覆する粘土層が焼結しているので、前記
第一及び第二要旨によって規定される多孔質充填材と異
なり、水によって剥離することがない。しかも、吸水量
及び吸水速度は、極めて高度に保持されている。従っ
て、前記第一及び第二要旨によって規定される未焼成の
ものと同じ用途に使用できることは勿論のこと、それら
に加えて、更に、水中に投入することにより、不純物の
吸着除去等の水の浄化や各種溶液の濾過材としての用途
に用いることができる。例えば、雑排水や屎尿等の浄化
槽において、汚水が、所定の曝気処理や嫌気性処理を施
されてから静置し、更に消毒されて放流する際に、該浄
化処理水を、網袋等に充填した第三又は第四要旨に規定
される充填材の層を通過させることにより、放流水中の
窒素分や燐分などの濃度が、一段と低下する。
【0022】本発明の第五の要旨は、粉粒炭が粉末状粘
土の焼結部を介して塊状に結合したものから成る多孔質
充填材にある。
【0023】粘土と炭化物の混合比率によっては、炭化
物の表面を完全に被覆することができない。そのような
場合、粘土は、炭化物粒子を結合する結合材としての作
用を営むが、炭化物表面は、必ずしも、焼結層により全
面的に被覆されてはいないで、炭の状態で露出している
部分を残している。このようなものも、前記第一要旨〜
第四要旨に規定された多孔質充填材と同様に、本願の目
的を達成することができる。
【0024】本発明の第六の要旨は、前記第一要旨乃至
第五要旨の何れかによって規定される多孔質充填材にお
いて、多孔質充填材に、木酢液を含ませることにより、
防虫性及び抗菌性が付与されていることを特徴とする多
孔質充填材にある。
【0025】上記において、木酢液とは、木材、おが
屑、チップ、籾殻などの草木質材を乾留や蒸し焼き状態
にしたときに発生する燻煙成分を水と接触させて捕捉し
たもので、各種の有機酸やフェノール類を含んでおり、
これらの成分によって、強い防虫性と抗菌性とを発揮
し、ダニやアブラムシ等の有害虫の忌避剤となると同時
に、カビなどの発生を防止し、防腐剤等としても用いら
れる。本願においては、粉粒炭を製造するために、おが
屑、籾殻、コーヒー滓、チップなどを蒸し焼きする際に
発生する排煙(燻煙)を、シャワー状の水滴や水槽中の
貯水と撹拌するなどの方法で、水と接触させることによ
り、良質で、且つ、成分の一定した木酢液を同時に製造
することができる。
【0026】木酢液は、適度な濃度に調整して用いる。
その使用方法としては、粉粒炭と粘土との混合物に、水
の代わりに木酢液を加えて、混練し、乾燥する方法が、
最も簡便である。又焼成工程を施す必要があるもので
は、焼成工程を経たものに、均一に木酢液を散布すれば
よい。焼成炉から出た高温の多孔質充填材に散布すれ
ば、乾燥処理は不要となる。
【0027】本発明の第七の要旨は、通気性を備えた袋
中に、前記第一要旨乃至第六要旨の何れかによって規定
される多孔質充填材を収納して成る、断熱調湿用建築材
にある。
【0028】本願多孔質充填材を実際に使用する場合の
一形態として、紙、不織布、布、本願充填材が通り抜け
できない程度の多数の微細な通気孔を持つプラスチック
シートや網などのような、通気性を持つ素材の袋中に詰
めて、これを所要の場所に固定して、断熱材や湿度調整
材としての用途に供することにより、輸送、販売、作業
性等の面で、取り扱いが容易となる。例えば、建物の側
面や床下、天井裏に、配置すれば、断熱作用と調湿作用
とが期待できる。又、充填度が密であれば、防音作用も
果たす。
【0029】上記袋詰め多孔質充填材を始めとして、一
般に袋詰め湿度調整材や袋詰め断熱材を、床下に固定す
る場合は、略コ字形をなす細長支持片の両端か、若しく
は、コ字形或いはU字形に屈曲可能な可撓片の両端に、
根太への固着部を設けたことを特徴とする袋詰め調湿材
の取付部材を使用し、これを根太間に、前記固着部を該
根太に固定して、袋詰め調湿材を保持させればよい。従
来、床下に吸湿材を配置する場合、直接地面に置くか若
しくは地面近くに置いていたので、吸湿材の効果が、十
分でなかったが、上記取付部材を使用して、吸湿材を根
太や大引きや床板の直近に配設することができ、建物の
構造材を湿気や結露、腐朽菌、シロアリ等の被害から守
ることができる。
【0030】本発明の第八の要旨は、少なくとも一方が
通気性を持つプレート材及び/又はシート材を互いに所
定の間隔を隔てて対向せしめて成る対向空間内に、該プ
レート材及び/又はシート材の対向面間に介装され且つ
前記対向空間を区画する仕切材によって、多数の仕切空
間を画成し、該仕切空間内に、前記第一要旨乃至第六要
旨の何れかに記載の多孔質充填材を収納したことを特徴
とする断熱、調湿、ガス吸着等の作用を持つパネル材に
ある。
【0031】本願において、「A及び/又はB」なる記
述は、「AとB」、「A又はB」の双方の意味を表す。
上記第八要旨において、通気性プレート材としては、例
えば、ベニヤ板やプラスチック板製の多孔板、連続気泡
を持つプラスチック発泡板などであり、通気性を持つシ
ート材としては、それ自体が通気性を持つ、紙、不織
布、布、網などであり、又、多数の微細な孔が設けられ
ている、厚紙、プラスチックシート、ゴムシートなどで
ある。これらの一対のものの対向面間に、例えば、ハニ
カム状の空隙を持つ仕切材や格子状の空隙を持つ仕切材
を介装し、これらの空隙に、本願充填材を充填すること
により、遮音、断熱、調湿用のパネルが得られる。従っ
て、仕切材の空隙面は、プレート材やシート材に面して
配置される。仕切材を挟むプレート材及び/又はシート
材の少なくとも一方は、通気性を備えることにより、内
部の充填材が、調湿作用、ガス成分の吸着作用等を行う
ことができる。
【0032】本発明の第九の要旨は、通気性素材から成
る内筒と、該内筒の外側を所定の間隔をおいて囲む外筒
とを有し、前記内筒と外筒とによって囲まれた空間に、
前記第一要旨〜第六要旨の何れかによって規定される多
孔質充填材を収納したこと特徴とするダクトにある。
【0033】通気性素材としては、例えば、多孔板、金
網などである。又、金網と不織布などを組み合わせて使
用してもよい。内筒、外筒の横断面形状、円形、方形な
ど、任意である。上記のような構成を有するダクトは、
通過する気流の湿度を調整し、脱臭効果を発揮する。
【0034】本発明の第十の要旨は、粉粒炭と、該粉粒
炭の表面を覆うに十分な量の粘土粉末との混合物に、水
を加えて撹拌した後乾燥することを特徴とする多孔質充
填材の製造方法にある。
【0035】上記第十要旨に係る多孔質充填材の製法に
おいて用いる粉粒炭としては、前記第一要旨に係る発明
の場合と同様に、木炭製造時に発生する粉炭、適宜な粒
径に破砕した消し炭、籾殻、おが屑、コーヒー滓等の粒
状物を蒸し焼きして得られる粉粒状の炭、或いは、各種
有機系廃棄物を焼却処理して得られる炭などを、必要に
応じて、破砕して、粉粒化したものなどを用いることに
より、資源の有効利用と廃棄物による環境汚染を防止で
きる。炭の粒子の大きさは、用途によって当然異なる
が、その最長部の長さを5mm程度以下に収めること
が、吸湿性能等に係わる粒子の表面積の確保や、充填材
としての作業性を高める上で望ましい。
【0036】粘土は、一般に、その粒径が、2μm以下
の微粒子の集合体であり、粉粒炭に粘土をまぜて撹拌す
ることにより、この微粒子が、粉粒炭の表面に付着す
る。これに適量の水加えて混練すると、粘土粒子は、水
を吸って膨潤し、粘土粒子が、相互に結合して、粉粒炭
の表面を被覆する。これを、天火乾燥、熱風乾燥、風乾
等適宜な手段によって、乾燥すれば、粉粒炭の表面に、
比較的強固な粘土の被覆層が形成される。この際加える
水の量は、粘土の種類にもよるが、通常は、粘土と粉粒
炭とを加えた重量と、ほぼ等しい重量の水で、十分に目
的を達成する。
【0037】粉粒炭に加えるべき粘土の量は、粘土の種
類や炭化物の粒径により、その最適量は異なる。要は、
粉粒炭の表面が粘土によって被覆される量であれば十分
で、通常は、10〜30重量%の範囲であれば十分であ
り、一般には、10重量%前後が、粘土と炭化物とのバ
ランスが最適である。但し、本願の充填材は、炭化物表
面が完全に粘土層により被覆されていない場合でも、本
願の目的を達成することができ、また、粘土層がかなり
厚くても、遮音性、粒子形状の成形容易性等の利点があ
り、従って、3〜50重量%の範囲で選択される。
【0038】本発明の第十一の要旨は、粉粒炭と、該粉
粒炭の表面を覆うに十分な量の粘土との混合物に、木酢
液を加えて撹拌した後乾燥することを特徴とする、抗菌
性若しくは防虫性を有する多孔質充填材の製造方法にあ
る。
【0039】本発明の第十二の要旨は、粉粒炭と、該粉
粒炭の表面を覆うに十分な量の粘土との混合物に、水を
加えて撹拌した後焼成処理を行うことを特徴とする多孔
質充填材の製造方法にある。
【0040】上記第十二要旨に係る多孔質充填材の製造
方法は、前記第十要旨に規定される多孔質充填材を焼成
処理することを要旨とするものである。但し、水分に関
しては、必ずしも乾燥状態である必要はない。焼成温度
は、一般には500〜900℃程度の範囲において適宜
選択される。好ましくは、600℃前後〜700℃前後
である。焼成温度は、低い温度で処理されたものほど、
多孔質性において優れている。焼成時間は、炉の種類や
温度、粘土の種類によって異なるが、焼成温度が高温に
なるほど、又、焼成時間が長くなるほど、焼き締まりが
進行して、粘土層に形成される細孔の径が小さくなり、
数も減少し、吸着性や保湿性の質的変化が生じる。
【0041】更に、第十二要旨に係る充填材の製法は、
炭素粒の高温熱処理による改質方法としても、有用であ
る。一般に、木炭は、結晶構造は未発達であるが、これ
を、高温焼成処理(例えば、1000℃以上)を施すこ
とにより、結晶構造等に変化をもたらすことができる。
例えば、木炭(木炭に由来する粉炭)は、周波数が24
50MHzのマイクロ波(電子レンジに割り当てられた
電磁波)が、透過してしまう。従って、電子レンジ中で
加熱しても、加熱されない。それに対して、上記方法に
よって、炭の粒子を粘土層で被覆し、3〜5分間、酸化
炎中で、1000℃以上、望ましくは、1100〜12
00℃以上に加熱焼成処理した多孔質充填材は、このマ
イクロ波を容易に吸収して、赤熱する。これは、粉炭の
炭素粒が、改質されることにより、マイクロ波を減衰
し、或いは、遮蔽することができるようになったことを
意味する。これによって、本願多孔質充填材は、保湿
性、吸着性に加えて、極超短波域の電磁波遮蔽能を獲得
することができる。
【0042】炭を、1000℃以上の高温に且つ均一に
加熱するには、粒子径を小さくして、焼成処理する必要
がある。しかしながら、粒子径の小さい粉粒炭は、酸素
を含む気流中で加熱すると、忽ちに燃え尽きて灰化して
しまう。従って、窒素ガスなどの不活性ガス中で処理し
なければならない。それに対して、本願方法は、炭素粒
子が、粘土層によって被覆されているので、酸化炎中に
おける短時間の加熱により、均一に焼成処理することが
できる。従って、一般のロータリーキルンやトンネル炉
が使用でき、これらの加熱手段により、少なくとも10
00℃以上に、望ましくは、1200℃以上に5〜15
程度加熱することにより、安価に且つ効率よく、電磁波
の遮蔽効果を持つ多孔質充填材を製造できる。勿論、未
焼結の多孔質充填材に、1000℃以上の高温処理済み
の焼結多孔質充填材を20〜30容量%混ぜたものをマ
グネトロンによって、加熱焼成処理することもできる。
【0043】本発明の第十三の要旨は、前記第十二要旨
に規定される製造方法により得られた多孔質充填材に、
木酢液を保持させることを特徴とする、抗菌性若しくは
防虫性を有する多孔質充填材の製造方法にある。
【0044】木酢液を焼成処理された多孔質充填材に保
持させる方法としては、多孔質充填材粒子に木酢液を霧
状に散布する方法、直接燻煙にさらす方法などがある。
【0045】
【発明の実施形態】[多孔質充填材の製造]楢材や櫟材
等の雑木を原料とする木炭製造の際には、多量の粉粒炭
が生じる。これを粒径が5mm程度になるように粉砕す
れば、本願充填材の原料粉粒炭として使用できる。エノ
キダケを栽培した後の廃培養基は、おが屑(全廃培養基
重量の60重量%程度)や米糠と多少の水分とを含んで
いる。おが屑の粒径は、通常、1〜3mm程度である。
炭化装置としては、例えば、図6に示すように、コンク
リート製などの不燃壁によって平面視形状がコ字形に形
成された側壁61によって三方を囲まれた炭化室63と
該炭化室63の床面の中央部に、床を下方に向かって長
方形にくりぬいた状態の煙道室64と、該煙道室64の
一端に連通する燻煙導管65とからなり、煙道室上部に
は、多数のスリット66を有する蓋67が設けられたも
のを用いる。煙道室上で製材屑などを燃やして作った火
種を覆うように、おが屑や籾殻の混合物を積み重ねる
と、空気は、この混合物の外側から、該混合物層の空隙
を通って火種に供給されるので、おが屑と籾殻の混合物
は、火種部から外側に向かって炭化して行く。炭化が進
行したら、外側に混合物を継ぎ足してゆくことにより、
所望の量の粉粒炭が得られる。すべて炭化したら、炭化
した赤熱部を広げて、これに僅かの水をかけて火を消せ
ばよい。
【0046】エノキダケ廃培養基10kgを用いて得ら
れる粉粒炭は、およそ、1.2〜1.5kg程度である。
未使用のおが屑の場合は、収率は50重量%程度であ
る。籾殻のみを用いた場合は、粉粒炭の収率は30〜3
5重量%程度である。木皮のチップやコーヒー滓など
も、籾殻と混合することにより、前記の方法で、容易に
炭化する。炭化の際に、燻煙導管65から排出される燻
煙を、循環するシャワー水と接触させることにより、燻
煙中の成分が、水に移行して、木酢液が得られる。木酢
液の濃度は、バッチ方式により、最初の仕込み水の量
が、所定水位まで蒸発により減量した時点で、新たな水
の仕込み量と取り替えることにより、ほぼ、一定の品質
の木酢液が得られる。
【0047】[非焼結粘土被覆層を持つ多孔質充填材
(非焼結充填材)の製造]木炭製造に際して副生する粉
粒炭、チップやくるみの殻などから得られた粒径の大き
い粉粒炭は、粉砕して、およそ5mm程度以下にする。
おが屑、籾殻等の粉粒状素材由来の粉粒炭葉、そのまま
でよい。この粉粒炭10kgに対して、乾燥ベントナイ
ト粉末1kgを加えて、撹拌すると、粉粒炭の表面がベ
ントナイトによって覆われることにより、明るく変色す
る。これに、水10リットルを霧吹きで散布しつつ撹拌
すれば、粉粒炭の表面のベントナイト粒子は、膨潤し粘
稠性を帯びて相互に結合して、粉粒炭の表面はベントナ
イトの皮膜で覆われる。これを、天火乾燥や、排煙を利
用した熱風乾燥を行えば、皮膜は乾燥硬化して、多孔質
化し、吸湿性、吸着性、断熱性を示すと共に、炭素粒を
粘土層で被覆するので、耐火性をも獲得する。
【0048】このようにして得られた多孔質充填材は、
気温30℃で、相対湿度40%のとき、多孔質充填材重
量の4〜5%の湿分を吸着し、又同温度で湿度90%の
ときおよそ10%前後の湿分を吸着した。又、気乾状態
における熱伝導率は、0.13kcal/m2・h・℃であった。
尚、上記実施例において、ベントナイトの代わりに、ケ
イソウ土(粉粒炭重量の9.5重量%)を用いて製造し
た非焼結充填材の熱伝導率は、更に、低い数値(0.0
85kcal/m2・h・℃)を示した。
【0049】耐火性について、上記充填材を網上に1c
mの厚さに積み重ね、ガスバーナーで1600〜180
0℃で下側を加熱した。約20分間経過後に、充填材層
の上面迄赤熱するが、火を止めて放置すると冷却して元
の形状を保っている。但し、赤熱部は、ベントナイ被覆
層は焼結して土器状に変化している。一方、対照区とし
て、粉粒炭を同一条件で加熱すると、約十分後に表面迄
赤熱し、火を止めて放置すると、赤熱状態をしばらく維
持した後灰になる。又、本願充填材は、吸水性に優れて
おり、体積と等倍の水を瞬く間に吸水して保持する。更
に、適度な嵩比重をもつので、取り扱いが容易で、充填
操作が早くできる。
【0050】製造に当たって、撹拌時間を長くすれば、
粒径は、微小粒径のものが次第に成長して団粒状に成
る。この傾向は、ベントナイトの割合を増やせば、顕著
になる。ベントナイト粉末の量を、少なくすると(例え
ば、粉粒炭10kgに対してベントナイト0.5k
g)、粉粒炭の外面がベントナイトで完全に被覆されな
いものも生じる。但し、水の量と撹拌とを調節すれば、
団粒化させて粒径を大きくすることは可能である。この
ようにして得られる非焼結充填材は、軽量で、ガス吸着
性能に優れる。団粒化した粒子は、複数の微小粒子がベ
ントナイト層を介して結合している。ちなみに、上記に
おいて、ガスバーナー上で加熱した後放冷した多孔質充
填材を、家庭用電子レンジにおいて、加熱したところ、
1〜2分で赤熱した。
【0051】[焼結粘土被覆層を持つ多孔質充填材(焼
結充填材)の製法]上記非焼結充填材をトンネル状の回
転炉へ入れ、およそ600〜700℃の熱気流中で、約
20分間焼成した後放冷することにより、焼結充填材を
得る。焼成時間が長くなると、焼き締まりが生じて、吸
水性、保湿性が低下する。前記非焼結充填材に比べて、
吸水性、断熱性、耐火性は、ほぼ同等である。焼結充填
材は、焼結した被覆層が堅固で、水に浸しても、該被覆
層は、剥離しないので、水中や水を含む溶液中における
吸着材としての使用に耐える。
【0052】[建材としての用途]前記非焼結充填材及
び焼結充填材は、家屋の壁や天井、床下等に使用するこ
とにより、耐火性の吸湿材、調湿材、断熱材、吸音材
(遮音材)として作用を発揮させることができる。例え
ば、図1に示すように、家屋1の壁2の内壁面2aを穴
あき石膏ボードと通気性を持つクロス材とで構成し、外
壁面2bは、穴空きボードと、該ボード面から僅かな空
隙(図示せず)をおいて、耐水性サイディング材(外壁
材)で構成する。このような構成の内壁面2aと外壁面
2bとの間の空間には、図1において、左側の壁のよう
に、本願多孔質充填材Cを該空間上部から落下充填して
もよいし、右側の壁のように、後記する袋詰め充填材を
壁面施工時に収納していってもよい。この構成により、
室内1aと、家屋1を囲む外気との間で、壁面間の多孔
質充填材層を通して換気可能となる。
【0053】天井3の上には、通気性の高い不織布から
成る袋5中に、充填材Pを充填したものを、天井裏一面
に敷き詰める。和風構造の天井は、通気性を持つが、洋
式の天井の場合は、穴空き板等で適宜通気性を保持させ
るのが好ましい。同様に、床下にも、通気性袋6に充填
材Cを詰めたものを、床板7に接する状態で、床下一面
に装着する。8は基礎、9は基礎8上に固定された土
台、10は、土台間に跨設された大引き、12は、根太
である。袋詰め充填材の床下への装着方法の一例として
は、図2に示すような、コ字形に折り曲げた細長い金属
片から成る取付金具20の両端に、打ち込み用突起2
1、21を横方向に突設したものを使用し、これを、図
3に示すように、根太12、12の側面間に、突起21
を打ち込むことにより固定する。このような取付金具2
0を、根太の長手方向に沿って、所定間隔で列設し、そ
の上に、袋詰め充填材を隙間なく装着してから、床板7
を張ればよい。
【0054】取付金具20は、根太12、12間に、該
金具20の底辺22が、根太と直交する方向に取り付け
る例を示したが、これは、底辺22の伸長方向が、根太
の伸長方向と斜めの状態で取付可能なように、突起21
と立上片23との屈曲部や、底辺22と立上片23との
屈曲部の角度を形成してもよい。袋詰め充填材の取付部
材は、上例の様に、略コ字形をなす細長支持片の両端
に、固着部を設けたものや、コ字形或いはU字形に屈曲
可能な金属片やプラスチック片などの可撓片の両端に、
根太への固着部として、打ち込み突起、釘孔、根太上面
に掛止可能なL状係止片等を設けるなど、作業性よく固
定できる固着部を両端に備えた細長可撓片を用いる粉と
ができる。
【0055】このようにして、家屋の周囲に本願充填材
を充填すれば、建材からの有害ガスは、吸着除去され、
外気と室内空気との湿度差に応じて、壁面間の充填材
が、調湿作用を行う。特に、湿気の籠もり易い床下は、
土台や大引き、根太等に結露が生じて、腐朽し、シロア
リなどの被害を受け易いが、袋詰め充填材が、これらの
部分を囲む雰囲気を適度な湿度に調節することにより、
被害を未然に防止する。天井面に設けられた充填材は、
壁面や床下に設置された充填材と同様に、調湿作用及び
断熱作用を発揮するが、特に、2階建住宅の場合に、2
階の騒音(例えば足音など)を遮音して緩和する作用を
果たす。
【0056】上記実施態様においては、壁面間に本願充
填材を直接充填する例を示したが、図4に示すように、
ベニヤ板や石膏ボード等から成る、一対の穴空き板3
1、32を、所定間隔をおいて、平行に対面させ、一方
の板32にハニカム状に形成した仕切材33の端面を接
着等により固着しておき、これによって形成された仕切
空間34、34、…中に、本願多孔質充填材を充填して
から、他方の穴空き板31を、同様に接着固定すれば、
穴空き板31、32間に本願充填材を持つパネル材が形
成される。このようなパネル材に用いるプレート材の代
わりに、それ自体通気性を持つパーム材などから成るプ
レート材や、ボール紙や不織布などのようなシート材で
もよい。又、仕切材は、ハニカム状仕切材33のよう
に、全面に設ける必要は必ずしもなく、極端な場合は、
対面するプレート材の縁同士を連結して閉塞することに
より、充填材の逸脱を防止するだけのものであってもよ
い。
【0057】図4に示す実施態様おいて、穴空き板3
1、32の代わりに、シート材として、一対の対面する
薄いボール紙を用い、仕切材として、ハニカム状、枡
状、断面波形などの適宜な仕切材をボール紙で形成し
て、一対のシート材の間に、本願充填材が収納されてい
る段ボール紙を作ることができる。このような段ボール
紙によって、リンゴ輸送用段ボール箱を作れば、リンゴ
から発散するエチレンガス(熟成ガス)を本願充填材が
吸着除去することにより、輸送中或いは保管中に過熟し
て、商品価値を落としてしまうことを防止できる。本願
充填材を、果実や野菜などの農産物保管用倉庫やキノコ
栽培室、温室等に、建材として、或いは、ガス調節材と
して使用すれば、その断熱性により保冷効果を維持する
ことは勿論のこと、ガス成分の調節作用により、湿度、
炭酸ガス、エチレンガス、酸素などを適正に調整して、
生鮮物の鮮度を維持し、これらのガスの過剰による弊害
を防止する。
【0058】[ダクトへの応用]図5は、本願充填材を
用いたダクトの一例を示すものである。図5において、
ダクト40は、パンチングメタルプレートなどの穴空き
板から成る内筒41と、該内筒41の外側に、該内筒か
ら所定間隔を隔てて設けられた外筒42とを備え、該外
筒の両端周縁42aを内筒41の両端外周縁41aに連
結固定するキャップリング43が、前記外筒と共に、内
筒の外傍に所定の閉ざされた空間を形成している。この
空間内には、粘土として、ケイソウ土を用いた、より断
熱性能の高い非焼結充填材が充填されている。内筒に形
成されている多数の通気孔の径に比して、充填材の粒径
が小さい場合は、内筒の外面に、不織布や目の細かい網
などを巻き付けておく。このような構成から成るダクト
40は、例えば、連結用ソケット45を介して連結す
る。
【0059】上記ダクトは、ダクト中を通過する供給空
気の湿度調整、脱臭効果を持ち、更に、ダクト外側の、
気温などの影響を最小限にする。又、万一火災などの場
合に、ダクトは、高温空気の供給路となって、火災を大
きくする原因に成る場合があるが、本願ダクトは、ダク
ト内部或いは外部からの熱の影響を抑え、火災の拡大を
防止する効果がある。
【0060】
【効果】本願多孔質充填材は、本来、たとえ赤熱して
も、その多孔質性と高温になっても燃焼ガスの発生がな
いために、火の回りが遅い炭の外側を、粘土層或いは土
器様の焼結層が覆っていることにより、極めて高い耐火
性を備え、更に、粘土と炭とを原料にしているので、使
用後大量に土壌に廃棄されても、土壌改良効果を発揮こ
そすれ、環境汚染の虞れは皆無である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る充填材を家屋に用いる態様の一例
を示す説明図である。
【図2】図1の袋詰め充填材の取付金具の一例を示す説
明図である。
【図3】図2の取付金具の使用状態を示す説明図であ
る。
【図4】本願充填材を保持するパネル材の一例を示す説
明図である。
【図5】本願充填材を保持するダクトの一例を示す説明
図である。
【図6】炭化装置の一例を示す説明図である
【符号の説明】
C 多孔質充填材 5、6 通気性袋 12 根太 20 取付金具 30 パネル材 33 仕切材 40 ダクト 41 内筒 41b 通気孔

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉粒炭の表面に粘土から成る被覆層が形成
    されている粒状体によって構成されていることを特徴と
    する多孔質充填材。
  2. 【請求項2】複数の粒状体が、その表面の被覆層を介し
    て相互に結合することにより形成される塊状物を含んで
    いる請求項1の多孔質充填材。
  3. 【請求項3】粉粒炭の表面に、粘土を焼成して成る多孔
    質焼結層が形成されている粒状体によって構成されてい
    ることを特徴とする多孔質充填材。
  4. 【請求項4】複数の粒状体が、その表面の多孔質焼結層
    を介して相互に結合することにより形成される塊状物を
    含んでいる請求項3の多孔質充填材。
  5. 【請求項5】粉粒炭が粉末状粘土の焼結部を介して塊状
    に結合したものから成る多孔質充填材。
  6. 【請求項6】多孔質充填材に、木酢液を含ませることに
    より、防虫性及び抗菌性が付与されている、請求項1〜
    5の何れかに記載の多孔質充填材。
  7. 【請求項7】通気性を持つ袋中に請求項1〜6の何れか
    に記載の多孔質充填材を収納して成る断熱調湿用建築
    材。
  8. 【請求項8】少なくとも片方が通気性を備えたプレート
    材及び/又はシート材を互いに所定の間隔を隔てて対向
    せしめて成る対向空間内に、前記プレート材及び/又は
    シート材の対向面間に介装され且つ前記対向空間を区画
    する仕切材によって、多数の仕切空間を画成し、該仕切
    空間内に請求項1〜6の何れかに記載の多孔質充填材を
    収納したことを特徴とするパネル材。
  9. 【請求項9】通気性素材から成る内筒と、該内筒の外側
    を所定の間隔をおいて囲む外筒とを有し、前記内筒と外
    筒とによって囲まれた空間に請求項1〜6の何れかに記
    載の多孔質充填材を収納したこと特徴とするダクト。
  10. 【請求項10】略コ字形をなす細長支持片の両端か、若
    しくは、コ字形或いはU字形に屈曲可能な可撓片の両端
    に、根太への固着部を設けたことを特徴とする袋詰め調
    湿材の取付部材。
  11. 【請求項11】粉粒炭と、該粉粒炭の表面を覆うに十分
    な量の粘土粉末との混合物に、水を加えて撹拌した後乾
    燥することを特徴とする多孔質充填材の製造方法。
  12. 【請求項12】粉粒炭と、該粉粒炭の表面を覆うに十分
    な量の粘土粉末との混合物に、木酢液を加えて撹拌した
    後乾燥することを特徴とする、抗菌性若しくは防虫性を
    有する多孔質充填材の製造方法。
  13. 【請求項13】粉粒炭と、該粉粒炭の表面を覆うに十分
    な量の粘土粉末との混合物に、水を加えて撹拌した後焼
    成処理を行うことを特徴とする多孔質充填材の製造方
    法。
  14. 【請求項14】粉粒炭と、該粉粒炭の重量の3〜50重
    量%のベントナイト粉末との混合物に所定量の水を加て
    撹拌した後、焼成処理を行うことを特徴とする多孔質充
    填材の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項13又は請求項14の製造方法に
    より得られた多孔質充填材に木酢液を保持させることを
    特徴とする、抗菌性若しくは防虫性を有する多孔質充填
    材の製造方法。
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