JP2001213675A - 調湿タイルの製造方法および調湿タイル - Google Patents
調湿タイルの製造方法および調湿タイルInfo
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- JP2001213675A JP2001213675A JP2000022700A JP2000022700A JP2001213675A JP 2001213675 A JP2001213675 A JP 2001213675A JP 2000022700 A JP2000022700 A JP 2000022700A JP 2000022700 A JP2000022700 A JP 2000022700A JP 2001213675 A JP2001213675 A JP 2001213675A
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- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 調湿能力に優れるとともに外観的にも優れた
調湿タイルを容易に製造できるようにする。 【解決手段】 無機調湿材を含むタイル原料の造粒物を
プレス成形し焼成する調湿タイルの製造方法であって、
前記無機調湿材がSO3 の含有量1%以下の珪藻土およ
び/または珪質頁岩からなるタイル原料を準備する工程
(a) と、タイル原料を湿式粉砕したあとスプレー乾燥し
て造粒する工程(b) と、タイル原料の造粒物をプレス成
形する工程(c) と、プレス成形物を焼成する工程(d) と
を含む。SO3 の含有量を少なくしたことによって、タ
イル原料および調湿タイルの変色が抑えられる。
調湿タイルを容易に製造できるようにする。 【解決手段】 無機調湿材を含むタイル原料の造粒物を
プレス成形し焼成する調湿タイルの製造方法であって、
前記無機調湿材がSO3 の含有量1%以下の珪藻土およ
び/または珪質頁岩からなるタイル原料を準備する工程
(a) と、タイル原料を湿式粉砕したあとスプレー乾燥し
て造粒する工程(b) と、タイル原料の造粒物をプレス成
形する工程(c) と、プレス成形物を焼成する工程(d) と
を含む。SO3 の含有量を少なくしたことによって、タ
イル原料および調湿タイルの変色が抑えられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住居などの施工環
境に対して調湿機能を発揮することができる調湿タイル
を製造する方法と、このような製造方法で得られる調湿
タイルとを対象にしている。
境に対して調湿機能を発揮することができる調湿タイル
を製造する方法と、このような製造方法で得られる調湿
タイルとを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】調湿タイルは、原料に珪藻土などの吸放
湿性に優れた材料すなわち調湿材を配合しておくこと
で、施工状態で、表面から湿気を吸収したり、吸収した
水分を内部に保持しておいたり、必要に応じて吸収され
た水分を外部に放出したりする、いわゆる調湿機能を発
揮することができる。
湿性に優れた材料すなわち調湿材を配合しておくこと
で、施工状態で、表面から湿気を吸収したり、吸収した
水分を内部に保持しておいたり、必要に応じて吸収され
た水分を外部に放出したりする、いわゆる調湿機能を発
揮することができる。
【0003】調湿タイルは、粘土やガラスなどの焼成可
能な材料に、珪藻土などの調湿性を有する無機質材料が
配合されたタイル原料を成形し焼成することによって得
られる。複数の材料を均等に配合しそれぞれの機能を十
分に発揮させるために、タイル原料を湿式粉砕してから
スプレー乾燥して造粒物を製造し、この造粒物を成形し
焼成する技術も提案されている。
能な材料に、珪藻土などの調湿性を有する無機質材料が
配合されたタイル原料を成形し焼成することによって得
られる。複数の材料を均等に配合しそれぞれの機能を十
分に発揮させるために、タイル原料を湿式粉砕してから
スプレー乾燥して造粒物を製造し、この造粒物を成形し
焼成する技術も提案されている。
【0004】通常の調湿タイルは、その原料が有する色
によって一般的な土の色に近い褐色あるいは暗褐色を呈
するものが多い。しかし、浴室の壁面など外観性が要求
される場所に使用される調湿タイルの場合、前記した土
色以外の色を有する調湿タイルが求められる。
によって一般的な土の色に近い褐色あるいは暗褐色を呈
するものが多い。しかし、浴室の壁面など外観性が要求
される場所に使用される調湿タイルの場合、前記した土
色以外の色を有する調湿タイルが求められる。
【0005】調湿タイルの原料に顔料などの着色材を配
合しておいて、様々な色を有する調湿タイルを得ること
も提案されている。
合しておいて、様々な色を有する調湿タイルを得ること
も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】調湿タイルの原料に着
色材を配合しておいても、目的とする色の調湿タイルを
得ることは困難であった。
色材を配合しておいても、目的とする色の調湿タイルを
得ることは困難であった。
【0007】その理由の一つは、タイル原料に含まれる
材料同士が何らかの相互作用あるいは反応を起こすこと
で変色し、このタイル原料の変色によって調湿タイルも
目的の色から変色してしまうのであると推測される。
材料同士が何らかの相互作用あるいは反応を起こすこと
で変色し、このタイル原料の変色によって調湿タイルも
目的の色から変色してしまうのであると推測される。
【0008】タイル原料に着色材が配合されている場
合、前記した変色が着色材の色を覆い隠してしまうとと
もに、着色材が何らかの反応を起こして色が変わってし
まう。そのため、着色材が配合されたタイル原料は、却
って変色が甚だしくなる。
合、前記した変色が着色材の色を覆い隠してしまうとと
もに、着色材が何らかの反応を起こして色が変わってし
まう。そのため、着色材が配合されたタイル原料は、却
って変色が甚だしくなる。
【0009】本発明の課題は、発色の良好な調湿タイル
を得ることである。
を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる調湿タイ
ルの製造方法は、無機調湿材を含むタイル原料の造粒物
をプレス成形し焼成する調湿タイルの製造方法であっ
て、前記無機調湿材がSO3 の含有量1%以下の珪藻土
および/または珪質頁岩からなるタイル原料を準備する
工程(a) と、タイル原料を湿式粉砕したあとスプレー乾
燥して造粒する工程(b) と、タイル原料の造粒物をプレ
ス成形する工程(c) と、プレス成形物を焼成する工程
(d) とを含む。
ルの製造方法は、無機調湿材を含むタイル原料の造粒物
をプレス成形し焼成する調湿タイルの製造方法であっ
て、前記無機調湿材がSO3 の含有量1%以下の珪藻土
および/または珪質頁岩からなるタイル原料を準備する
工程(a) と、タイル原料を湿式粉砕したあとスプレー乾
燥して造粒する工程(b) と、タイル原料の造粒物をプレ
ス成形する工程(c) と、プレス成形物を焼成する工程
(d) とを含む。
【0011】
【発明の実施の形態】〔タイル原料〕基本的には、粘土
など通常のタイルと同様の原料に調湿材を配合したもの
である。通常のタイル製造に用いられる各種の添加材や
着色材などを配合しておくこともできる。
など通常のタイルと同様の原料に調湿材を配合したもの
である。通常のタイル製造に用いられる各種の添加材や
着色材などを配合しておくこともできる。
【0012】タイル原料に乳白剤を配合しておけば、前
記した焼成時の望ましくない発色を抑えることができ
る。タイル原料に酸化チタンを配合しておくことができ
る。
記した焼成時の望ましくない発色を抑えることができ
る。タイル原料に酸化チタンを配合しておくことができ
る。
【0013】酸化チタンは、光が照射されることで光触
媒反応を起こし、表面に付着した有機物を分解する機能
がある。そのために、調湿タイルの表面に付いた汚れが
除去されたり、カビや雑菌の発生および繁殖を抑制する
機能がある。
媒反応を起こし、表面に付着した有機物を分解する機能
がある。そのために、調湿タイルの表面に付いた汚れが
除去されたり、カビや雑菌の発生および繁殖を抑制する
機能がある。
【0014】酸化チタンは、無機調湿材に担持されたも
の、あるいは、無機調湿材とイオン交換されたものであ
れば、耐熱性が向上する。タイル原料は、各成分を混合
した粉体状のもの、粉体原料を水に分散あるいは溶解し
たスラリー状のもの、粉体にある程度の水分を含有させ
て成形性を高めたものなど、後工程での取扱いあるいは
調湿タイルの要求性能などに合わせて、通常のタイル製
造におけるタイル原料と同様の形態で供給される。
の、あるいは、無機調湿材とイオン交換されたものであ
れば、耐熱性が向上する。タイル原料は、各成分を混合
した粉体状のもの、粉体原料を水に分散あるいは溶解し
たスラリー状のもの、粉体にある程度の水分を含有させ
て成形性を高めたものなど、後工程での取扱いあるいは
調湿タイルの要求性能などに合わせて、通常のタイル製
造におけるタイル原料と同様の形態で供給される。
【0015】タイル原料にはアルカリ成分を含むものが
ある。例えば、珪藻土や珪質頁岩の他、粘土やガラスに
もアルカリ成分が含まれていることがある。したがっ
て、通常のタイル原料であれば、アルカリ成分が含まれ
ているものと考えなければならない。
ある。例えば、珪藻土や珪質頁岩の他、粘土やガラスに
もアルカリ成分が含まれていることがある。したがっ
て、通常のタイル原料であれば、アルカリ成分が含まれ
ているものと考えなければならない。
【0016】〔無機調湿材〕珪藻土および/または珪質
頁岩は、通常の建築材料用の調湿材として使用されてい
るものが用いられる。但し、その成分として、SO3 の
含有量が1%以下のものを用いる。前記したように、無
機調湿材にはアルカリ成分を含むものが多い。珪藻土や
珪質頁岩にもアルカリ成分が含まれている。
頁岩は、通常の建築材料用の調湿材として使用されてい
るものが用いられる。但し、その成分として、SO3 の
含有量が1%以下のものを用いる。前記したように、無
機調湿材にはアルカリ成分を含むものが多い。珪藻土や
珪質頁岩にもアルカリ成分が含まれている。
【0017】SO3 の含有量が1%を超えると、湿式粉
砕時にタイル原料に含まれるアルカリ成分が泥漿中に溶
出したときに、SO3 と反応し、凝集機能を有するCa
SO 4 などの化合物塩を生成する。その結果、泥漿の固
−液分離が生じて、スプレー造粒が困難になる。また、
プレス成形後の乾燥時に水とアルカリが移動し、焼成さ
れた調湿タイルが変色する原因になる。
砕時にタイル原料に含まれるアルカリ成分が泥漿中に溶
出したときに、SO3 と反応し、凝集機能を有するCa
SO 4 などの化合物塩を生成する。その結果、泥漿の固
−液分離が生じて、スプレー造粒が困難になる。また、
プレス成形後の乾燥時に水とアルカリが移動し、焼成さ
れた調湿タイルが変色する原因になる。
【0018】特に、湿式粉砕時の攪拌や分散を良好にす
るために、泥漿に多量の水を加えてからスプレー造粒を
行おうとすると、タイル原料の粘土やガラス等から水中
に多量のアルカリ成分が溶出する。このアルカリ成分
は、プレス成形後の乾燥工程で移行して、製造された調
湿タイルに成分の偏りによる変色、色ムラや白色化など
が発生する原因となる。
るために、泥漿に多量の水を加えてからスプレー造粒を
行おうとすると、タイル原料の粘土やガラス等から水中
に多量のアルカリ成分が溶出する。このアルカリ成分
は、プレス成形後の乾燥工程で移行して、製造された調
湿タイルに成分の偏りによる変色、色ムラや白色化など
が発生する原因となる。
【0019】さらに、アルカリ成分とSO3 との反応生
成物は、焼成された調湿タイルの調湿能力を低下させる
原因にもなる。珪質頁岩は、調湿能力に優れるとともに
耐熱温度の安定性に優れている。
成物は、焼成された調湿タイルの調湿能力を低下させる
原因にもなる。珪質頁岩は、調湿能力に優れるとともに
耐熱温度の安定性に優れている。
【0020】無機調湿材の粒径は6mm以下程度のものが
用いられる。平均細孔半径が20〜100Åで比表面積
が20〜200m2/gのもの、好ましくは20〜60Å
で比表面積が20〜200m2/gのものが使用できる。
用いられる。平均細孔半径が20〜100Åで比表面積
が20〜200m2/gのもの、好ましくは20〜60Å
で比表面積が20〜200m2/gのものが使用できる。
【0021】無機調湿材は、タイル原料の全量に対して
40〜97重量%の割合で配合しておくことが好まし
い。 〔ガラス材料〕タイル原料にガラス材料を配合しておく
ことができる。ガラス材料としては、通常の窯業材料と
して利用されているガラス材料が用いられる。
40〜97重量%の割合で配合しておくことが好まし
い。 〔ガラス材料〕タイル原料にガラス材料を配合しておく
ことができる。ガラス材料としては、通常の窯業材料と
して利用されているガラス材料が用いられる。
【0022】ガラス材料は、調湿タイルの焼成時に溶融
して調湿材を含むタイル原料を一体的に強固に接合する
機能を果たす。したがって、ガラス材料の融点が、調湿
タイルの焼成温度よりも低くなるようにしておく。
して調湿材を含むタイル原料を一体的に強固に接合する
機能を果たす。したがって、ガラス材料の融点が、調湿
タイルの焼成温度よりも低くなるようにしておく。
【0023】ガラス材料には、ソーダ石灰ガラス、鉛ガ
ラス、ホウケイ酸ガラスなどがあり、目的に応じて何れ
のガラス材料も使用できる。ガラス材料として、各種製
品として使用されたあとの廃棄ガラスを利用することが
できる。
ラス、ホウケイ酸ガラスなどがあり、目的に応じて何れ
のガラス材料も使用できる。ガラス材料として、各種製
品として使用されたあとの廃棄ガラスを利用することが
できる。
【0024】ガラス材料として、透明、白色あるいは薄
色のものを用いると、調湿タイルの薄色化に有効であ
る。これは、調湿材には鉄分を含むものが多いため、焼
成したときに赤色を呈して、調湿タイルの外観性を損な
うことがある。このときに、前記したガラス材料を配合
しておくと、鉄分による発色を抑えて、薄色の調湿タイ
ルを得ることができる。ガラス材料として、スズを含有
する蛍光管ガラスを用いると、調湿タイルの白色化に有
効である。
色のものを用いると、調湿タイルの薄色化に有効であ
る。これは、調湿材には鉄分を含むものが多いため、焼
成したときに赤色を呈して、調湿タイルの外観性を損な
うことがある。このときに、前記したガラス材料を配合
しておくと、鉄分による発色を抑えて、薄色の調湿タイ
ルを得ることができる。ガラス材料として、スズを含有
する蛍光管ガラスを用いると、調湿タイルの白色化に有
効である。
【0025】ガラス材料の配合量は、タイル原料の全量
に対して3〜30重量%に設定できる。ガラス材料は、
調湿材などのタイル原料と混合し易い粉体状にして用い
るのが好ましい。ガラス粉の粒径としては、10〜10
0メッシュ程度のものが使用できる。
に対して3〜30重量%に設定できる。ガラス材料は、
調湿材などのタイル原料と混合し易い粉体状にして用い
るのが好ましい。ガラス粉の粒径としては、10〜10
0メッシュ程度のものが使用できる。
【0026】〔着色材〕一般に、釉薬、タイル、ガラス
材料などの着色に使用されている顔料、色材などが使用
される。
材料などの着色に使用されている顔料、色材などが使用
される。
【0027】粉砕、混合、焼成などの加工処理に悪影響
を与えないものであれば、材料は特に限定されない。調
湿タイルに付与したい色調に合わせて、適切な着色材あ
るいはその組み合わせを設定することができる。
を与えないものであれば、材料は特に限定されない。調
湿タイルに付与したい色調に合わせて、適切な着色材あ
るいはその組み合わせを設定することができる。
【0028】〔原料配合例〕 無機調湿材(珪藻土/珪質頁岩) 65重量部 粘土(モンモリロナイト、白土) 20重量部 ガラス(廃ガラス、フリット) 15重量部 着色材 適量 〔湿式粉砕・スプレー造粒〕タイル原料として、調湿材
その他の材料からなるタイル原料を湿式粉砕したあとス
プレー造粒した造粒物を用いることができる。
その他の材料からなるタイル原料を湿式粉砕したあとス
プレー造粒した造粒物を用いることができる。
【0029】この方法は、調湿材などの複数の材料を均
一に配合させることができ、プレス成形が容易になり、
調湿タイルの性能にもバラツキが生じ難いなどの利点を
有する。
一に配合させることができ、プレス成形が容易になり、
調湿タイルの性能にもバラツキが生じ難いなどの利点を
有する。
【0030】湿式粉砕およびスプレー造粒の使用装置や
処理条件は、通常の造粒技術が適用できる。具体的に
は、泥漿状態のタイル原料を湿式粉砕したあと、泥漿を
スプレーしながら、バーナーによる加熱乾燥などを行っ
て、0.5mm以下程度の顆粒状の造粒物を得ることがで
きる。
処理条件は、通常の造粒技術が適用できる。具体的に
は、泥漿状態のタイル原料を湿式粉砕したあと、泥漿を
スプレーしながら、バーナーによる加熱乾燥などを行っ
て、0.5mm以下程度の顆粒状の造粒物を得ることがで
きる。
【0031】このスプレー造粒の乾燥条件を適切に設定
することによって、造粒されたタイル原料の含水率を前
記条件範囲に調整することができる。スプレー造粒した
あとで、別に乾燥工程あるいは含水率調整工程を行って
もよい。
することによって、造粒されたタイル原料の含水率を前
記条件範囲に調整することができる。スプレー造粒した
あとで、別に乾燥工程あるいは含水率調整工程を行って
もよい。
【0032】さらに別の方法として、上記方法で造粒さ
れ、含水率が調整されたタイル原料を加圧成型したあと
粉砕して、粉砕物からなるタイル原料としたものを、次
の成形工程に供給することができる。
れ、含水率が調整されたタイル原料を加圧成型したあと
粉砕して、粉砕物からなるタイル原料としたものを、次
の成形工程に供給することができる。
【0033】成形工程に供給するタイル原料の含水率
を、13〜30%に調整しておくことが好ましい。より
好ましくは、含水率15%以上あるいは13〜23重量
%に調整する。含水率が低すぎると、プレス成形後の成
形物の結合力が弱くなり、成形物の強度が低下し、取扱
い中に破損し易くなったり、焼成後の強度不足が生じた
りする。含水率が高すぎると、前記したアルカリの移行
が甚だしくなり、成形物の表面がべとつき、乾燥クラッ
クが発生する問題が出やすい。成形時に型枠内にチャー
ジするのが困難になる。調湿材の調湿機能も低下する。
を、13〜30%に調整しておくことが好ましい。より
好ましくは、含水率15%以上あるいは13〜23重量
%に調整する。含水率が低すぎると、プレス成形後の成
形物の結合力が弱くなり、成形物の強度が低下し、取扱
い中に破損し易くなったり、焼成後の強度不足が生じた
りする。含水率が高すぎると、前記したアルカリの移行
が甚だしくなり、成形物の表面がべとつき、乾燥クラッ
クが発生する問題が出やすい。成形時に型枠内にチャー
ジするのが困難になる。調湿材の調湿機能も低下する。
【0034】〔プレス成形工程〕プレス成形に用いる装
置や作業工程は、通常のタイル製造の場合と同様でよ
い。具体的には、周囲を囲む型枠の内部にタイル原料を
堆積させたあと、堆積したタイル原料を上下からプレス
することで、タイル原料は所定形状に成形される。
置や作業工程は、通常のタイル製造の場合と同様でよ
い。具体的には、周囲を囲む型枠の内部にタイル原料を
堆積させたあと、堆積したタイル原料を上下からプレス
することで、タイル原料は所定形状に成形される。
【0035】堆積させたタイル原料の上に、配合の異な
るタイル原料を堆積させて、複層構造の成形物を得るこ
ともできる。表面に積層するタイル原料は、色や質感に
優れた化粧層となるように配合を調整しておくのが好ま
しい。
るタイル原料を堆積させて、複層構造の成形物を得るこ
ともできる。表面に積層するタイル原料は、色や質感に
優れた化粧層となるように配合を調整しておくのが好ま
しい。
【0036】タイル原料に着色材を配合しておく場合、
予めタイル原料あるいは調湿材に着色材をコーティング
しておいてから、プレス成形を行うと、均一な着色が可
能になる。着色材が配合あるいはコーティングされた造
粒物からなるタイル原料を用いることができる。
予めタイル原料あるいは調湿材に着色材をコーティング
しておいてから、プレス成形を行うと、均一な着色が可
能になる。着色材が配合あるいはコーティングされた造
粒物からなるタイル原料を用いることができる。
【0037】成形形状は、一般的なタイルと同様の矩形
板状のもののほか、矩形以外の各種図形状をなす板や、
凹凸のある立体形状のものなども成形できる。成形され
たタイル原料の表面に、釉薬層を形成することができ
る。釉薬層は通常のタイルと同様の材料が用いられる
が、調湿タイルの調湿能力を損なわないようにするに
は、釉薬層にも透湿性を持たせることが好ましい。
板状のもののほか、矩形以外の各種図形状をなす板や、
凹凸のある立体形状のものなども成形できる。成形され
たタイル原料の表面に、釉薬層を形成することができ
る。釉薬層は通常のタイルと同様の材料が用いられる
が、調湿タイルの調湿能力を損なわないようにするに
は、釉薬層にも透湿性を持たせることが好ましい。
【0038】〔焼成工程〕プレス成形された成形物を8
00〜1000℃で焼成する。より好ましくは、950
℃以下あるいは800〜900℃に設定する。焼成温度
が適切でないと、焼成された調湿タイルの強度が低下し
たり、形状精度が悪くなったり、調湿材の調湿機能が損
なわれたりする。具体的には、焼成温度が高すぎると調
湿材の調湿機能が損なわれる。焼成温度が低すぎると、
ガラスによる強度向上作用が発揮できない。
00〜1000℃で焼成する。より好ましくは、950
℃以下あるいは800〜900℃に設定する。焼成温度
が適切でないと、焼成された調湿タイルの強度が低下し
たり、形状精度が悪くなったり、調湿材の調湿機能が損
なわれたりする。具体的には、焼成温度が高すぎると調
湿材の調湿機能が損なわれる。焼成温度が低すぎると、
ガラスによる強度向上作用が発揮できない。
【0039】使用する焼成装置や焼成作業の作業条件は
通常のタイル製造と同様でよい。 〔表面層〕調湿タイルとして、前記したタイル原料から
なる本体層と、本体層とは異なる材料からなる表面層と
が積層されたものが使用できる。
通常のタイル製造と同様でよい。 〔表面層〕調湿タイルとして、前記したタイル原料から
なる本体層と、本体層とは異なる材料からなる表面層と
が積層されたものが使用できる。
【0040】表面層として釉薬材料からなる層が使用で
きる。表面層として、基本的に本体層と同じタイル原料
に別の成分を配合したり一部の成分を変更したタイル原
料からなるものが使用できる。
きる。表面層として、基本的に本体層と同じタイル原料
に別の成分を配合したり一部の成分を変更したタイル原
料からなるものが使用できる。
【0041】表面層に酸化チタンを含有するタイル原料
を用いれば、酸化チタンの機能が良好に発揮できる。こ
の場合、本体層には酸化チタンを配合しなくてもよい場
合がある。
を用いれば、酸化チタンの機能が良好に発揮できる。こ
の場合、本体層には酸化チタンを配合しなくてもよい場
合がある。
【0042】
【発明の効果】本発明にかかる調湿タイルの製造方法お
よび調湿タイルは、無機調湿材としてSO3 の含有量1
%以下の珪藻土および/または珪質頁岩を用いること
で、湿式造粒によるタイル原料の製造およびプレス成形
などの取扱いが容易になる。タイル原料の変色が起こり
難くなり、調湿タイルの変色も低減される。特に、タイ
ル原料に着色材を配合している場合、調湿タイルにおけ
る着色材の発色が優れたものとなる。
よび調湿タイルは、無機調湿材としてSO3 の含有量1
%以下の珪藻土および/または珪質頁岩を用いること
で、湿式造粒によるタイル原料の製造およびプレス成形
などの取扱いが容易になる。タイル原料の変色が起こり
難くなり、調湿タイルの変色も低減される。特に、タイ
ル原料に着色材を配合している場合、調湿タイルにおけ
る着色材の発色が優れたものとなる。
【0043】その結果、調湿機能に優れるとともに外観
的にも優れ、各種建築物の内装仕上げなどに好適な調湿
タイルを能率的に製造することができ、調湿タイルの需
要および用途の拡大に大きく貢献できる。
的にも優れ、各種建築物の内装仕上げなどに好適な調湿
タイルを能率的に製造することができ、調湿タイルの需
要および用途の拡大に大きく貢献できる。
Claims (8)
- 【請求項1】無機調湿材を含むタイル原料の造粒物をプ
レス成形し焼成する調湿タイルの製造方法であって、 前記無機調湿材がSO3 の含有量1%以下の珪藻土およ
び/または珪質頁岩からなるタイル原料を準備する工程
(a) と、 タイル原料を湿式粉砕したあとスプレー乾燥して造粒す
る工程(b) と、 タイル原料の造粒物をプレス成形する工程(c) と、 プレス成形物を焼成する工程(d) とを含む調湿タイルの
製造方法。 - 【請求項2】前記工程(c) が、タイル原料の造粒物とし
て含水率13〜23重量%のものを用いる請求項1に記
載の調湿タイルの製造方法。 - 【請求項3】前記工程(a) が、顔料を含むタイル原料を
用いる請求項1に記載の調湿タイルの製造方法。 - 【請求項4】前記工程(d) が、950℃以下で焼成する
請求項1〜3の何れかに記載の調湿タイルの製造方法。 - 【請求項5】前記工程(a) が、タイル原料として無機調
湿材を40〜97%含むものを用いる請求項1〜4の何
れかに記載の調湿タイルの製造方法。 - 【請求項6】無機調湿材を含むタイル原料の造粒物をプ
レス成形し焼成してなる調湿タイルであって、 前記無機調湿材がSO3 の含有量1%以下の珪藻土およ
び/または珪質頁岩である調湿タイル。 - 【請求項7】前記タイル原料からなる本体層と、前記タ
イル原料にさらに酸化チタンを含有するタイル原料から
なる表面層とが積層されてなる請求項6に記載の調湿タ
イル。 - 【請求項8】前記タイル原料に、無機調湿材とイオン交
換された酸化チタン、または/および、無機調湿材に担
持された酸化チタンを含む請求項6〜7に記載の調湿タ
イル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000022700A JP3477417B2 (ja) | 2000-01-31 | 2000-01-31 | 調湿タイルの製造方法および調湿タイル |
Applications Claiming Priority (1)
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