JP2002154114A - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法

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JP2002154114A JP2001265246A JP2001265246A JP2002154114A JP 2002154114 A JP2002154114 A JP 2002154114A JP 2001265246 A JP2001265246 A JP 2001265246A JP 2001265246 A JP2001265246 A JP 2001265246A JP 2002154114 A JP2002154114 A JP 2002154114A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性、機械的物性及び色調に優れるだけで
なく、高温高湿環境下に長時間曝露された場合において
も、機械的物性及び色調の低下が極めて少ない、有機リ
ン化合物を難燃剤として含有する難燃性ポリカーボネー
ト難燃樹脂組成物を効率よく製造することができる方法
を提供する。 【解決手段】 主としてポリカーボネートからなる樹脂
成分、及び特定酸価の有機リン化合物をスクリュー押出
機を用いて混練して難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
を製造する方法であって、特定構造の押出機を用い、該
樹脂成分を押出機供給口より連続的に供給し、一方、該
有機リン化合物を同じ若しくは異なる供給口を介して押
出機に連続的に供給し、押出機中の樹脂の温度が300
℃以下であって、押出機の滞留時間が40秒以下である
条件下で行い、該難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を
吐出口より抜き出す、ことを特徴とする難燃性ポリカー
ボネート樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリカーボ
ネート樹脂組成物の製造方法に関する。更に詳細には、
本発明は、主としてポリカーボネートからなる樹脂成
分、及び有機リン化合物をスクリュー押出機を用いて混
練しながら押出して難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
を製造する方法であって、該有機リン化合物の酸価が
0.1mgKOH/g以下であり、且つ該押出しを、該
押出機中の樹脂の温度が300℃以下であって、押出機
における該樹脂成分の滞留時間が40秒以下である条件
下で行うことを特徴とする該難燃性ポリカーボネート樹
脂組成物の製造方法に関する。本発明の方法によれば、
高温高湿環境下に長時間曝露された場合においても、機
械的物性及び色調の低下が極めて少ない、有機リン化合
物により難燃化された難燃性ポリカーボネート樹脂組成
物を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート(PC)に有機リン化
合物系難燃剤をブレンドした樹脂組成物、あるいはこれ
にABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)
系樹脂等をブレンドした樹脂組成物は、非塩素・臭素系
の難燃剤を用いた難燃性樹脂組成物であり、溶融流動
性、剛性、耐衝撃性、耐熱性、耐光変色性等の諸性質に
おいて優れた特性を有するために電気製品、コンピュー
タ、プリンタ、ワープロ、コピー機等オフィス・オート
メーション(OA)機器のハウジングの材料として幅広
く利用されている。
【0003】しかしながら、有機リン化合物系難燃剤を
含む難燃性ポリカーボネート樹脂組成物(以下、屡々、
単に「難燃性ポリカーボネート樹脂組成物」と称す)
は、有機リン化合物の熱分解あるいは加水分解に起因す
る物性の低下が生じることがあり、特に高温高湿環境下
に同材料が長時間曝された場合において、耐衝撃性や破
断強度等の機械的物性が著しく低下したり、色調が低下
するという問題がある。これは同材料の長期間の使用に
対する信頼性を損なう大きな欠点であり、同材料におい
て耐高温高湿性を改良することが強く求められている。
【0004】上記問題を解決するための方法が種々提案
されている。特開平9−188808号公報(EP71
1,851に対応)はゴムグラフトコポリマーを含む難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物を開示しており、樹脂
組成物中におけるゴムグラフトコポリマーの配合量を高
めることにより高温高湿環境下でのアイゾット衝撃強度
の低下を抑制する方法を提示している。しかしながら、
ゴムグラフトポリマーの配合量を増大させる方法では、
高温高湿環境下においてアイゾット衝撃強度を維持する
効果が不充分であるばかりか、ゴムの配合量の増大に伴
い、組成物の剛性の低下や溶融流動性低下や難燃性の低
下を招くという欠点があった。
【0005】また、特開平11−310695号公報
(EP936,243に対応)では酸価が1mgKOH
/g未満の有機リン化合物をポリカーボネート系樹脂の
難燃剤として使用する方法が開示されている。しかしな
がら、該公報に示される低酸価の有機リン化合物を難燃
剤として使用しても、十分に耐高温高湿性が向上した樹
脂組成物を得ることは容易ではなかった。さらに、特開
平11−189714号公報(EP909,790に対
応)では、リン化合物の分解により発生する酸性物質に
対する酸スカベンジャーを配合し、組成物の耐高温高湿
性を改良する試みがなされている。しかしながら、該方
法では酸スカベンジャーの配合量を適切にコントロール
するのが容易ではなく、わずかに過剰の酸スカベンジャ
ーの配合が組成物の溶融流動性の低下を招いたり、耐衝
撃性を逆に低下させるなどの弊害を生じたりすることが
ある。
【0006】一方、特開平11−246721号公報
(米国特許第6,177,492明細書に対応)、特開
2000−95935号公報、及び特開2000−10
9670号公報(米国特許第6,177,492明細書
に対応)では、ポリカーボネート系樹脂にスチレン系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、飽和ポリエステル
系樹脂等を配合し、さらに有機リン化合物難燃剤を配合
することにより難燃化した樹脂組成物が開示されている
が、これら公報に記載の樹脂組成物は耐光変色性と耐衝
撃強度が不十分である。これら公報では樹脂組成物を製
造する際の混練時間は20分以下が好ましいと記載され
ており、例えば特開平11−246721号公報では、
実施例において100秒の混練時間が示されているが、
該組成物の耐高温高湿性については触れられておらず、
これを改良するための技術的示唆もなんら示されていな
い。上記の如く、有機リン化合物系難燃剤を含む難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物の耐高温高湿性の改良が強
く望まれているにも拘わらず、十分に耐高温高湿性が向
上した難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は未だ得られ
ていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの主要な
目的は、難燃性、機械的物性及び色調に優れるだけでな
く、高温高湿環境下に長時間曝露された場合において
も、機械的物性及び色調の低下が極めて少ない、有機リ
ン化合物を難燃剤として含有する難燃性ポリカーボネー
ト難燃樹脂組成物を製造することができる方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、難燃性、
機械的物性及び色調に優れるだけでなく、高温高湿環境
下に長時間曝露された場合においても、機械的物性及び
色調の低下が極めて少ない有機リン化合物を難燃剤とし
て含有する難燃性ポリカーボネート難燃樹脂組成物を製
造する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、
驚くべきことに、主としてポリカーボネートからなる樹
脂成分、及び有機リン化合物をスクリュー押出機を用い
て混練しながら押出して難燃性ポリカーボネート樹脂組
成物を製造する方法であって、該有機リン化合物の酸価
が0.1mgKOH/g以下であり、且つ該押出しを、
該押出機中の樹脂の温度が300℃以下であって、押出
機における該樹脂成分の滞留時間が40秒以下である条
件下で行うことを包含する方法によって、上記の優れた
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造することがで
きることを見出した。この新しい知見に基づき本発明を
完成したものである。
【0009】すなわち本発明は、 1.主としてポリカーボネートからなる樹脂成分、及び
有機リン化合物をスクリュー押出機を用いて混練して難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法であっ
て、該押出機として、該樹脂成分及び該有機リン化合物
のための1つ又は複数の供給口、及び該混練によって得
られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の吐出口を有
する押出機を用いる方法において、該樹脂成分を供給口
を介して該押出機に連続的に供給し、一方、該有機リン
化合物を、該樹脂成分の供給に用いたのと同じ供給口ま
たは該樹脂成分の供給に用いたのとは異なる供給口を介
して押出機に連続的に供給し、該有機リン化合物の酸価
が0.1mgKOH/g以下であり、該樹脂成分及び該
有機リン化合物を、混練しながら該吐出口に向かって押
出し、その際、該押出しを、該押出機中の樹脂の温度が
300℃以下であって、押出機における該樹脂成分の滞
留時間が40秒以下である条件下で行うことにより、難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物を生成し、これと同時
に該難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を上記吐出口よ
り抜き出す、ことを包含することを特徴とする該難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法。
【0010】2.押出機における該樹脂成分の滞留時間
が30秒以下であることを特徴とする前項1に記載の製
造方法。 3.該押出機が2軸押出機であることを特徴とする前項
1または2に記載の製造方法。 4.該押出機に供給される樹脂成分が固体であり、該押
出機が、ゾーン(a) 、ゾーン(b) 及びゾーン(c) が押出
し方向に見てこの順序に配置されてなり、該ゾーン(c)
が該吐出口と直接連通している押出機であって、ゾーン
(a) においては、該樹脂成分を未溶融状態に維持し、ゾ
ーン(b) においては、該樹脂成分を部分的溶融状態に維
持し、ゾーン(c) においては、該樹脂成分を完全に溶融
状態に維持することを特徴とする前項1〜3のいずれか
に記載の製造方法。
【0011】5.該押出機が、ゾーン(a) に直接連通す
る該樹脂成分のための供給口(a')及びゾーン(b) に直接
連通する該有機リン化合物のための供給口(b')を有して
おり、該樹脂成分を供給口(a')を介してゾーン(a) に供
給し、該有機リン化合物を供給口(b')を介してゾーン
(b) に供給し、該樹脂成分の供給速度(kg/hr)に
対して、該有機リン化合物の供給速度(kg/hr)が
1〜30%であることを特徴とする前項4に記載の製造
方法。
【0012】6.該ゾーン(b) に供給した有機リン化合
物が該ゾーン(a) に逆流することを防ぐためのゾーンで
あって、該ゾーン(b) 内の、該押出機の押出し方向に見
て有機リン化合物供給位置の上流側に配置されたゾーン
Iにおいて、該押出機の内部空間における該樹脂成分の
容積比として定義される樹脂充満率を増加させ、且つ該
樹脂成分及び該有機リン化合物の混練を、主として、該
押出機の押出し方向に見て有機リン化合物供給位置の下
流側の領域IIにおいて行うことを特徴とする前項5に記
載の製造方法。 7.該樹脂成分が、ポリカーボネートとゴム変性樹脂と
からなることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載
の製造方法。
【0013】8.該有機リン化合物が、下記式(1)で
表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種
の化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
かに記載の製造方法。
【化2】
【0014】9.押出機のゾーン(b) に供給される該有
機リン化合物中に含まれる金属原子及び塩素原子の量が
それぞれ30ppm以下及び20ppm以下であること
を特徴とする前項1〜8のいずれかに記載の製造方法。 10.フルオロポリマーを更に該押出機に供給すること
を特徴とする前項1〜9のいずれかに記載の製造方法。 11.該押出機が、ゾーン(a) に直接連通する1つ又は
複数の供給口(a')を有しており、該樹脂成分を、供給口
(a')を介してゾーン(a) に供給し、一方、フルオロポリ
マーの水性ディスパージョンを、該樹脂成分とは別に、
樹脂成分の供給に用いたのと同じ供給口(a')または樹脂
成分の供給に用いたのとは異なる供給口(a')を介してゾ
ーン(a) に供給し、該樹脂成分の供給速度(kg/h
r)に対して、該フルオロポリマーの水性ディスパージ
ョンの供給速度(kg/hr)が0.01〜10%であ
ることを特徴とする前項1〜10のいずれかに記載の製
造方法。 12.該押出機のゾーン(a) に供給されるフルオロポリ
マーの水性ディスパージョンの温度が5〜30℃である
ことを特徴とする前項11に記載の製造方法。 13.前項1〜12のいずれかに記載の製造方法により
製造された難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形し
て得られる成形品。である。
【0015】本発明について、以下具体的に説明する。
本発明において、樹脂成分に用いるポリカーボネートと
しては芳香族ポリカーボネートが好ましい。本発明にお
いて好ましく使用される芳香族ポリカーボネート樹脂
は、下記式(2)で表される繰り返し単位からなる主鎖
を有する。
【化3】 (式中、Arは、二価の炭素数5〜200の芳香族残基
であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ピリジレンや、下記式(3)で表される基が挙げら
れる。)
【0016】
【化4】 (式中、Ar1 及びAr2 は、それぞれアリーレン基で
ある。例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ピリジレン等の基を表し、Yは下記式(4)で表さ
れるアルキレン基または置換アルキレン基である。)
【0017】
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立に水
素原子、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数5〜1
0のシクロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、
炭素数7〜31のアラルキル基であって、場合によりハ
ロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換され
ていてもよく、kは3〜11の整数であり、R5 及びR
6 は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に水
素原子、または炭素数1〜6の低級アルキル基、炭素数
6〜30のアリール基であって、場合によりハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルコキシ基で置換されていても
よく、Xは炭素原子を表す。)
【0018】また、下記式(5)で示される二価の芳香
族残基を共重合体成分として含有していても良い。
【化6】 (式中、Ar1 、Ar2 は式(3)と同じ。Zは単なる
結合、または、−O−、−CO−、−S−、−SO
2 −、−CO2 −、−CON(R1 )−(R1 は式
(4)と同じ)等の二価の基である。)
【0019】上記式(2)のAr及び式(5)で表され
る二価の芳香族残基の具体例としては、それぞれ下記式
で表されるもの等が挙げられる。
【化7】
【0020】
【化8】 (式中、R7 及びR8 は、それぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1
〜10のアルコキシ基、炭素数5〜10のシクロアルキ
ル基または炭素数6〜30のアリール基である。m及び
nは1〜4の整数であり、mが2〜4の場合には各R7
はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが
2〜4の場合は各R8 はそれぞれ同一でも異なるもので
あっても良い。)
【0021】なかでも、下記式(6)で表される基が好
ましい一例である。
【化9】 特に、上記の式(6)で表される基をArとする式
(2)の繰り返し単位を85モル%以上(ポリカーボネ
ート中の全モノマー単位を基準として)含むポリカーボ
ネートが特に好ましい。また、本発明に用いることがで
きるポリカーボネートは、三価以上の炭素数6〜300
の芳香族残基を分岐点とする分岐構造を有しても良い。
【0022】ポリマー末端の分子構造は特に限定されな
いが、フェノール性末端基、アリールカーボネート基、
アルキルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基
を結合することができる。アリールカーボネート末端基
は、下記式(7)で表される基である。
【化10】 (式中、Ar3 は一価の炭素数6〜30の芳香族残基で
あり、芳香環は置換されていても良い。)
【0023】アリールカーボネート末端基の具体例とし
ては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
【化11】
【0024】アルキルカーボネート末端基は下記式
(8)で表される。
【化12】 (式中、R9 は炭素数1〜20の直鎖もしくは分岐アル
キル基を表す。)
【0025】アルキルカーボネート末端基の具体例とし
ては、例えば下記式で表される基が挙げられる。
【化13】 これらの中で、フェノール性末端基、フェニルカーボネ
ート基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−
クミルフェニルカーボネート基等が好ましく用いられ
る。
【0026】本発明において、フェノール性末端と他の
末端との比率は、特に限定されないが、よりすぐれた色
調や機械的物性を得る観点からは、フェノール性末端基
の比率が全末端基数の20%以上であることが好まし
く、20〜80%の範囲にあることが更に好ましい。フ
ェノール性末端基の比率が全末端基数の80%を超える
と、溶融時の熱安定性が若干低下する傾向にある。フェ
ノール性末端量の測定方法は、一般にNMRを用いて測
定する方法(NMR法)や、チタンを用いて測定する方
法(チタン法)や、UVもしくはIRを用いて測定する
方法(UV法もしくはIR法)で求めることができる。
【0027】本発明に使用される芳香族ポリカーボネー
トの重量平均分子量(Mw)は、一般に5,000〜5
0,000の範囲にあることが好ましく、より好ましく
は10,000〜40,000であり、さらに好ましく
は15,000〜30,000であり、特に好ましくは
18,000〜25,000である。5,000未満で
は得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の耐衝撃
性が不十分になる傾向があり、また50,000を越え
ると、樹脂組成物の溶融流動性が不十分になる傾向があ
る。
【0028】重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・
パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用
いて行い、測定条件は以下の通りである。即ち、テトラ
ヒドロフランを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、
標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式を用いる計
算によって得られた換算分子量較正曲線を用いて求めら
れる。 MPC=0.3591MPS 1.0388 (式中、MPCはポリカーボネートの分子量、MPSはポリ
スチレンの分子量である。)
【0029】本発明で用いられる芳香族ポリカーボネー
トは、公知の方法で製造したものを使用することができ
る。具体的には、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物と
カーボネート前駆体と反応せしめる公知の方法、例え
ば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体
(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化
メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えば
ホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させ
るエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法
で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合
する方法〔特開平1−158033号公報(米国特許第
4,948,871号明細書に対応)、特開平1−27
1426号公報、特開平3−68627号公報(米国特
許第5,204,377号明細書に対応)〕等の方法に
より製造されたものが用いられる。
【0030】好ましい芳香族ポリカーボネートとして
は、2価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭
酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質
的に塩素原子を含まないポリカーボネートがあげられ
る。本発明では異なる構造や分子量の2種以上の異なる
ポリカーボネートを組み合わせて使用することも可能で
ある。本発明の方法において用いる樹脂成分は、上記の
ポリカーボネートのみからなっていてもよく、また、ポ
リカーボネートを主体として、ポリカーボネート以外の
熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
【0031】樹脂成分に用いるポリカーボネート以外の
熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル−スチレン
(AS)樹脂、メチルメタクリレート−スチレン(M
S)樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−
ブチルアクリレート−スチレン(AAS)樹脂、メチル
メタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)樹
脂、HIPS(high impactpolystyrene )樹脂等のゴ
ム変性スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリメタクリル
酸メチル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びコアシェル型
ゴムに代表される、耐衝撃性改良剤として使用されるグ
ラフトゴムや各種のエラストマー等を挙げることができ
る。
【0032】樹脂成分として、ポリカーボネートとポリ
カーボネート以外の熱可塑性樹脂からなる樹脂成分を使
用する場合、ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂は、
樹脂成分の重量に対して、好ましくは50〜0.1重量
%、より好ましくは40〜5重量%、更に好ましくは3
0〜10重量%で使用される。本発明において、特に好
ましく使用される樹脂成分は、ポリカーボネートとゴム
変性樹脂からなる樹脂成分である。ここで、ゴム変性樹
脂とは、ゴム質重合体、および、少なくとも1種のビニ
ル化合物を含むゴム変性樹脂を指す。
【0033】ゴム変性樹脂に用いるゴム質重合体として
は、ガラス転移温度が0℃以下のものであれば用いるこ
とが可能である。ゴム質重合体の具体例としては、ポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等のジエン系ゴム、
ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、ポリイソプ
レン、ポリクロロプレン、エチレン−プロピレンゴム、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム、スチレ
ン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプ
レンブロック共重合ゴム等のブロック共重合体、および
それらの水素添加物等が挙げられる。これらの重合体の
中で、好ましくは、ポリブタジエン、スチレン−ブタジ
エン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
ゴム、ポリアクリル酸ブチル等である。ゴム変性樹脂中
のゴム質重合体の割合は1〜95重量%の範囲で用いら
れるが、必要とする機械的強度、剛性、成形加工性に応
じて決められ、好ましくは、5〜45重量%であり、よ
り好ましくは10〜40重量%である。
【0034】ゴム変性樹脂に使用されるビニル化合物と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルス
チレン等の芳香族ビニル化合物、メチルメタクリレー
ト、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチル
アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、
アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸
類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシア
ン化ビニル単量体、無水マレイン酸等のα,β−不飽和
カルボン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド
系単量体、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基
含有単量体が挙げられ、好ましくは、芳香族ビニル化合
物、アルキル(メタ)アクリレート類、シアン化ビニル
単量体、マレイミド系単量体であり、さらに好ましく
は、スチレン、アクリロニトリル、N−フェニルマレイ
ミド、ブチルアクリレートである。これらのビニル化合
物は単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。好ましくは、芳香族ビニル化合物と芳香族以外
のビニル化合物の組み合わせである。この場合、芳香族
ビニル化合物と芳香族以外のビニル化合物は任意の割合
で用いられるが、芳香族以外のビニル化合物の好ましい
割合は、芳香族ビニル化合物と芳香族ビニル化合物以外
のビニル化合物の合計量に対して、5〜80重量%の範
囲である。
【0035】ゴム変性樹脂の製造方法は特に限定され
ず、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など通
常公知の製造方法を挙げることができる。ポリカーボネ
ートにゴム変性樹脂をブレンドして用いる場合、その割
合は、必要とする機械的強度、剛性、成形加工性、耐熱
性に応じて決められる。好ましくは、ポリカーボネート
50〜95重量部に対してゴム変性樹脂が50〜5重量
部であり、さらに好ましくは、ポリカーボネートが60
〜90重量部に対してゴム変性樹脂が40〜10重量部
である。本発明では、前記樹脂成分として、溶融状態の
ものを使用することも可能であるが、好ましく使用され
るのは固体状、即ち、ペレット状及び/又はパウダー状
の樹脂成分である。
【0036】また、本発明の製造方法では、樹脂成分が
ポリカーボネートとその他の熱可塑性樹脂からなる場合
は、予めポリカーボネートのペレット及び/又はパウダ
ーに、その他の熱可塑性樹脂のペレット及び/またはパ
ウダーを機械的に混合して得られたものを使用しても良
いし、あるいは押出機にこれら樹脂を各々独立して押出
機にフィードすることも可能である。さらには、予め、
ポリカーボネートとその他の熱可塑性樹脂とを溶融混合
して得られるペレット状もしくは溶融状態の樹脂成分も
しくはそれをペレット化したものを使用することもでき
る。
【0037】本発明の方法で使用される有機リン化合物
は、少なくとも1種の有機リン化合物であり、リン原子
をその構造内に1つ以上有する化合物である。リン原子
をその構造内に1つ有する化合物(以下、モノ有機リン
化合物と称す)としては、トリフェニルホスフェート、
トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェ
ート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルフェニ
ルホスフェート等を例示することができる。しかしなが
ら、モノ有機リン化合物は、それを用いて得られる難燃
性ポリカーボネート組成物を成形する場合に金型表面に
モールドデポジット(MD)が発生しやすいという欠点
があるので、本発明で使用される有機リン化合物とし
て、リン原子をその構造内に2つ以上有する化合物であ
る有機リン化合物オリゴマーが好ましく使用される。
【0038】本発明に用いられる有機リン化合物オリゴ
マーの特に好ましい例としては、下記式(1)で表され
る化合物群より選ばれるものを挙げることができる。
【化14】
【0039】上記式(1)における置換基Ra 、Rb
c 及びRd は、それぞれ独立的に炭素数6〜12のア
リール基を示し、その1つ以上の水素原子が置換されて
いてもいなくてもよい。その一つ以上の水素原子が置換
されている場合、置換基としては炭素数1〜30のアル
キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、
アリールオキシ基、アリールチオ基及びハロゲン化アリ
ール基、及びハロゲン等が挙げられ、またこれらの置換
基を組み合わせた基(例えば、アリールアルコキシアル
キル基等)またはこれらの置換基を酸素原子、硫黄原
子、窒素原子等により結合して組み合わせた基(例え
ば、アリールスルホニルアリール基等)を置換基として
用いてもよい。置換基Ra 、Rb 、Rc 及びRd として
特に好ましいアリール基は、フェニル基、クレジル基、
キシリル基、プロピルフェニル基、およびブチルフェニ
ル基である。上記式(1)の化合物における置換基
a 、Rb 、Rc 及びRd がアルキル基やシクロアルキ
ル基であると、一般に熱安定性が不十分であり、溶融混
練の際に分解が起こりやすい。
【0040】有機リン化合物の例としての化合物群を表
す上記式(1)におけるXは、ジフェニロールジメチル
メタン残基である。通常使用されているオリゴマー系リ
ン酸エステルとしては、Xがレゾルシノール残基やヒド
ロキノン残基であるものが多いが、これらと比較して、
(Xがジフェニロールジメチルメタン残基である)上記
式(1)で表される化合物群から選ばれるものを有機リ
ン化合物として使用する場合は、有機リン化合物の耐加
水分解性や熱安定性が向上し、樹脂組成物の機械的物性
の劣化(特に高温高湿環境下での機械的物性の低下)を
低レベルに抑え、材料の信頼性を著しく高めることがで
きる。さらに、上記(1)式で表される有機リン化合物
を使用することにより成形加工時に金型表面に付着する
モールドデポジットの発生量を、従来使用されているオ
リゴマー型リン酸エステルと比して、飛躍的に低レベル
にすることが可能である。
【0041】式(1)で表される有機リン化合物オリゴ
マーは、通常、式(1)において異なるnの値(nは自
然数)を有する複数の異なる有機リン化合物オリゴマー
の混合物として使用される場合が多い。この際、複数の
異なる有機リン化合物オリゴマーの重量平均縮合度
(N)が1〜1.2未満であることが好ましい。Nはゲ
ル・パーミエーション・クロマトグラフィーあるいは液
体クロマトグラフィーにより異なるnを有するそれぞれ
の成分の重量分率(An )(例えば、nが1の有機リン
化合物オリゴマーの重量分率はA1 とする)を求め、 N=Σ(n・An )/Σ(An ) により算出される。
【0042】ここで、An を求めるために、検出器とし
て、UV検出器、あるいはRI検出器が通常使用され
る。ただし、Nの計算において、上記有機リン化合物
が、上記式(1)の有機リン化合物オリゴマーと上記式
(1)におけるnが0である構造の化合物(即ち、1分
子中のリン原子が1つのみであるモノ有機リン化合物)
との混合物である場合は、nが0の化合物はNの計算か
ら除外する。重量平均縮合度Nは、通常1以上5以下で
あり、1以上2以下が好ましく、1以上1.5以下が更
に好ましく、1以上1.2未満が特に好ましい。Nが小
さいほど樹脂成分との相溶性に優れ、溶融流動性に優
れ、かつ難燃性が高い。特に、N=1の化合物は樹脂組
成物における難燃性と溶融流動性のバランスが特に優れ
る。有機リン化合物としての式(1)の化合物のNが5
以上である場合は、該化合物の粘度が大きくなり、特に
高せん断速度領域での溶融流動性が低下する傾向にあ
り、また、難燃性が低下する傾向がある。
【0043】さらに、本発明で用いられる有機リン化合
物は、その酸価が0.1mgKOH/g以下であり、好
ましくは0.05mgKOH/g以下、さらに好ましく
は0.02mgKOH/g以下、特に好ましくは0.0
1mgKOH/g以下である。酸価が低い有機リン化合
物を使用することにより、耐高温高湿環境下における機
械的物性や色調の劣化が著しく低減された難燃性ポリカ
ーボネート樹脂組成物を得ることができる。従って、本
発明では有機リン化合物の使用に当たって、その酸価が
増大しないように、水分の混入を防いだり、必要以上の
加熱を防ぐなどの、貯蔵、移送における配慮が重要であ
る。
【0044】また、上記式(1)で表される有機リン化
合物は、米国特許第2,520,090号明細書、特公
昭62−25706号公報、特開昭63−227632
号公報等に記載されている方法により、塩化マグネシウ
ムや塩化アルミニウムなどのルイス酸触媒の存在下にオ
キシ塩化リンとビスフェノールA及び一価フェノール類
を反応させて合成し、得られた粗有機リン化合物を洗浄
精製、乾燥することにより製品とすることができる。し
かし、本発明に用いる有機リン化合物においては、有機
リン化合物中に含まれる主に触媒由来のマグネシウム、
アルミニウムや、洗浄精製にアルカリ金属、アルカリ土
類金属などの金属イオンを含む水溶液を用いる場合にお
いて導入される可能性があるナトリウム、カリウム、カ
ルシウム等の金属原子の量が、好ましくは30ppm以
下、より好ましくは20ppm以下、更に好ましくは1
0ppm以下、特に好ましくは5ppm以下、であるこ
とが耐高温高湿環境下において機械的物性や色調の劣化
が少ない難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得る上で
望ましい。
【0045】さらに、有機リン化合物中に含まれる塩素
原子は、好ましくは20ppm以下、より好ましくは1
0ppm以下、更に好ましくは5ppm以下、特に好ま
しくは1ppm以下、であることが耐高温高湿環境下に
おいて機械的物性や色調の劣化が少ない難燃性ポリカー
ボネート樹脂組成物を得る上で望ましい。有機リン化合
物の配合量は必要な難燃性のレベルに応じて決められる
が、該樹脂成分100重量部に対して、1〜30重量部
の範囲内であることが好ましい。従って、本発明の方法
において、有機リン化合物を、該樹脂成分の供給速度
(kg/hr)に対して、1〜30%の供給速度(kg
/hr)で押出機に連続供給することが好ましい。有機
リン化合物の配合量が1重量部未満では必要な難燃効果
が発揮されない場合がある。一方、30重量部を超える
と、有機リン化合物の配合が困難になるばかりか、樹脂
組成物の耐衝撃性や耐熱性が低下する場合がある。有機
リン化合物の配合量は、好ましくは2〜20重量部の範
囲であり、特に好ましい範囲は、5〜18重量部の範囲
である。
【0046】本発明の方法においては、得られる難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物の燃焼時の燃焼物滴下を防
止する目的で、押出機に更にフルオロポリマーを加える
ことが好ましい。本発明の方法では、フィブリル形成能
力を有するフルオロポリマーを使用することができ、フ
ァインパウダー状のフルオロポリマー、フルオロポリマ
ーの水性ディスパージョン、フルオロポリマーとASや
PMMA等のその他の樹脂との粉体状混合物など、様々
な形態のフルオロポリマーを使用することができる。
【0047】本発明の方法では、フルオロポリマーの水
性ディスパージョンを好適に使用することができる。該
フルオロポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体等の
テトラフルオロエチレンポリマー、ポリテトラフルオロ
エチレン以外のパーフルオロアルカンポリマー、好まし
くはテトラフルオロエチレンポリマー、特に好ましくは
ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。上記のフル
オロポリマーの水性ディスパージョンは、例えば、「ふ
っ素樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1990年
刊)に記載の方法で、テトラフルオロエチレンと場合に
よってはコモノマーとを水性媒体中で懸濁重合または乳
化重合し、得られたフルオロポリマーの水性ディスパー
ジョンを濃縮して、水性分散液中のフルオロポリマー微
粒子の濃度を40〜70重量%にした後、界面活性剤に
より安定化し、乳白色状の水性ディスパージョンとして
得ることができる。フルオロポリマーの水性ディスパー
ジョンにおけるフルオロポリマーの濃度は分散状態が安
定する濃度であれば水で希釈することも可能であるが、
5〜70重量%が好ましく、更に好ましくは20〜65
重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。ま
た、水性ディスパージョン中のフルオロポリマー粒子の
平均一次粒子径は、0.01〜0.6μmが好ましく、
更に好ましくは0.05〜0.4μmであり、特に好ま
しくは0.18〜0.3μmである。
【0048】また、該フルオロポリマーの水性ディスパ
ージョンを安定化させる界面活性剤としては、エトキシ
化アルキルフェノール、エトキシ化高級アルコール等の
ノニオン系の界面活性剤が好ましく使用され、通常、そ
の配合量は1〜15重量%であり、好ましくは2〜10
重量%、更に好ましくは3〜7重量%である。さらに、
該フルオロポリマーの水性ディスパージョンは、そのp
H値が通常9〜10に調整されているのが好ましい。ま
た、水性ディスパージョン中のフルオロポリマーの濃度
が60重量%である場合、その液比重は約1.5であ
り、粘度(25℃)は15〜30cpの範囲にある。
【0049】本発明において好ましく使用できるフルオ
ロポリマーの水性ディスパージョンとして、三井デュポ
ンフロロケミカル(株)製「テフロン30J」、ダイキ
ン工業(株)製「ポリフロンD−1」、「ポリフロンD
−2」、「ポリフロンD−2C」、「ポリフロンD−2
CE」を例示することができる。また、上記したフルオ
ロポリマーとASやPMMA等のその他の樹脂との粉体
状混合物に関しては、特開平9−95583号公報、特
開平11−49912号公報、特開2000−1439
66号公報、特開2000−297189号公報等を参
照することができる。本発明の製造方法において好まし
く使用できるフルオロポリマーを含む粉体状混合物の例
として、米国、GEスペシャリティケミカルズ社製「B
lendex449」、三菱レーヨン(株)製「メタブ
レンA−3000」を例示することができる。
【0050】フルオロポリマーの配合量は、樹脂成分1
00重量部に対して、通常、0.01〜3重量部の範囲
にあることが好ましく、より好ましくは0.05〜2重
量部、更に好ましくは0.1〜1重量部、特に好ましく
は0.2〜0.6重量部である。フルオロポリマーの配
合量が樹脂成分100重量部に対して0.01重量部未
満の場合は、燃焼物滴下防止効果が不十分であり、高い
難燃性が得られ難い。一方、3重量部を超える場合は溶
融流動性や耐衝撃性が低下する傾向にある。本発明の方
法においては、上記の樹脂成分、有機リン化合物及び所
望により上記のフルオロポリマーをスクリュー押出機を
用いて混練して難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製
造する。
【0051】具体的には、本発明においては、該押出機
として、該樹脂成分及び該有機リン化合物のための1つ
又は複数の供給口及び該難燃性ポリカーボネート樹脂組
成物の吐出口と直接連通している押出機を用い、該樹脂
成分を供給口を介して該押出機に連続的に供給し、一
方、該有機リン化合物を、該樹脂成分の供給に用いたの
と同じ供給口または該樹脂成分の供給に用いたのとは異
なる供給口を介して押出機に連続的に供給し、該樹脂成
分及び該有機リン化合物を、混練しながら該吐出口に向
かって押出し、その際、該押出しを、該押出機中の樹脂
の温度が300℃以下であって、押出機における該樹脂
成分の滞留時間が40秒以下である条件下で行う。ま
た、本発明の方法においては、該押出機に供給される樹
脂成分として、固体の樹脂成分を用い、該押出機が、ゾ
ーン(a) 、ゾーン(b) 及びゾーン(c) が押出し方向に見
てこの順序に配置されてなり、該ゾーン(c) が該吐出口
と直接連通している押出機であって、ゾーン(a) におい
ては、該樹脂成分を未溶融状態に維持し、ゾーン(b) に
おいては、該樹脂成分を部分的溶融状態に維持し、ゾー
ン(c)においては、該樹脂成分を完全に溶融状態に維持
することが好ましい。
【0052】上記のゾーン(a) 〜(c) を有する押出機を
用いて樹脂成分と有機リン化合物の混練を行う場合、該
押出機が、ゾーン(a) に直接連通する該樹脂成分のため
の供給口(a')及びゾーン(b) に直接連通する該有機リン
化合物のための供給口(b')を有しており、該樹脂成分を
供給口(a')を介してゾーン(a) に供給し、該有機リン化
合物を供給口(b')を介してゾーン(b) に供給し、該樹脂
成分の供給速度(kg/hr)に対して、該有機リン化
合物の供給速度(kg/hr)が1〜30%であること
が好ましい。この際、該ゾーン(b) に供給した有機リン
化合物が該ゾーン(a) に逆流することを防ぐためのゾー
ンであって、該ゾーン(b) 内の、該押出機の押出し方向
に見て有機リン化合物供給位置の上流側に配置されたゾ
ーンI において、該押出機の内部空間における該樹脂成
分の容積比として定義される樹脂充満率を増加させ、且
つ該樹脂成分及び該有機リン化合物の混練を、主とし
て、該押出機の押出し方向に見て有機リン化合物供給位
置の下流側の領域II(以下、屡々、「主たる混練ゾーン
II」と称す)において行うことが好ましい。
【0053】また、上記のゾーン(a) 〜(c) を有する押
出機を用いて樹脂成分と有機リン化合物と更にフルオロ
ポリマーとを混練し、フルオロポリマーとして水性ディ
スパージョンを使用する場合、該押出機が、ゾーン(a)
に直接連通する1つ又は複数の供給口(a')を有してお
り、該樹脂成分を供給口(a')を介してゾーン(a) に供給
し、一方、フルオロポリマーの水性ディスパージョン
を、該樹脂製分とは別に、樹脂成分の供給に用いたのと
同じ供給口(a' )または樹脂成分の供給に用いたのと
は異なる供給口(a' )を介してゾーン(a) に供給し、
該樹脂成分の供給速度(kg/hr)に対して、該フル
オロポリマーの水性ディスパージョンの供給速度(kg
/hr)が0.01〜10%であることが好ましい。
【0054】本発明の方法においては、上記押出機とし
て、2軸押出機を使用することが好ましく、同方向回転
かみ合い型2軸押出機が最も好ましく使用される。同方
向回転かみ合い型2軸押出機では、左右のスクリュー軸
がお互いに噛み合うことによりセルフクリーニング効果
が得られ、且つ樹脂原料の押出機内滞留時間を短くする
ことができ、優れた樹脂輸送性能、混練性能、脱揮性能
を持つので、押出機として本発明で好ましく使用され
る。特に、高トルク対応型であり且つ高回転のスクリュ
ー回転数が得られる2軸押出機を使用するのが、生産速
度を向上でき、混練の際の溶融樹脂温度を低減できるの
で特に好適に使用することができる。更に、好ましくは
300rpm以上、より好ましくは400rpm以上、
さらに好ましくは500rpm以上のスクリュー回転数
が得られる押出機が好ましい。
【0055】本発明の方法で使用される押出機として特
に好ましい例としては、東芝機械工業(株)より製造さ
れているTEM−SSシリーズ、ドイツ国、Werner&Pf
leiderer社より製造されているZSK−MCシリーズ、
日本製鋼所(株)より製造されているTEX Supe
r α−IIシリーズを挙げることができる。本発明で
用いる押出機は、図1の押出機のシリンダーブロックB
1〜B9のような、複数のシリンダーブロックが連結さ
れてなるシリンダー状バレル(以下、屡々、単に「シリ
ンダー」と称す)を有する。また、本発明の方法では、
2軸押出機の押出機スクリュー構成(スクリュープロフ
ァイル)を押出機スクリュー要素(スクリューエレメン
ト)の組み合えにより自在に選択でき、且つ、押出機の
シリンダーの温度が各シリンダーブロック毎に制御でき
る2軸押出機を好適に使用することができる。このよう
な押出機を用いて、スクリュープロファイルや押出機内
の温度分布を適宜選択することにより、上記ゾーン(a)
、(b) 及び(c) の長さを調節したり、上記のゾーンI
や混練を行うための領域IIを押出機内に形成することが
できる。
【0056】本発明の方法に好適に用いることができる
押出機の具体例として、図1に示す内部構造を有する押
出機が挙げられる。図1は、本発明の方法に用いる押出
機の一例の内部構造を示す説明的概略側断面図であっ
て、図1に示す押出機におけるスクリュー構成は、本発
明の方法を実施するのに好適に用いられるスクリュー構
成の一例である。図1に参照して本発明の方法を説明す
る前に、本発明に用いることができる押出機スクリュー
エレメントに関して説明する。本発明の方法では、押出
機スクリュー構成用の押出機スクリュー要素として、順
方向フライトスクリューエレメント、逆方向フライトス
クリューエレメント、順方向ニーディングエレメント、
逆方向ニーディングエレメント、ニュートラルニーディ
ングエレメント、順方向スクリューミキシングエレメン
ト、逆方向スクリューミキシングエレメント、シールリ
ングエレメント等を好ましく使用することが出来る。こ
れらの組み合わせによって本発明で必要とされる押出機
スクリュー構成を得ることが出来る。
【0057】以下、各押出機スクリューエレメントとそ
の作用効果について図4(a)〜11(b)を参照して
説明する。図4(a)は押出機の回転軸に取付けた順方
向フライトスクリューエレメントを、押出機の吐出口の
方向から見た概略図であり、図4(b)は上記順方向フ
ライトスクリューエレメントの概略側面図である。「順
方向フライトスクリューエレメント」とは、右ネジ方向
の連続したスクリュー構造を有し、該スクリューの回転
(回転方向は押出機の吐出口から見て右方向回転)によ
って押出し方向に樹脂成分を移動させる作用を有する押
出機スクリューエレメントである。本発明で好ましく使
用される二軸押出機では2つの回転軸上で対応する位置
に対にして配置される。順方向フライトスクリューエレ
メントにおける条数(フライト数)は通常1条〜3条で
あり、使用目的にあわせて使い分けることができるが、
図4(a)及び図4(b)は本発明において好ましく使
用され、使用頻度が高い2−フライトの順方向フライト
スクリューエレメントを示している。
【0058】図4(a)においてスクリュー外径
(Do )とスクリュー内径(Di )の比D o /Di (以
下、スクリューかみ合い比と称す)は通常1.3〜1.
8の範囲にあるが、本発明では、好ましくは1.4〜
1.7、更に好ましくは1.5〜1.6が使用され、特
に好ましく使用されるのはスクリューかみ合い比が1.
55である順方向フライトスクリューエレメントであ
る。また、順方向フライトスクリューエレメントのフラ
イトのピッチは、一般にスクリュー外径Do に対して
0.5〜2.0倍の長さであり、使用目的に応じて使い
分けることができる。一般に該フライトピッチが長い場
合は樹脂の搬送量は増大するが樹脂充満率は低下し、逆
に短い場合は樹脂の搬送量は低下するが樹脂充満率が増
大する。順方向フライトスクリューエレメントでは、樹
脂は図4(b)の右から左の方向に進行する。
【0059】図5(a)は押出機の回転軸に取付けた逆
方向フライトスクリューエレメントを、押出機の吐出口
の方向から見た概略図であり、図5(b)は上記逆方向
フライトスクリューエレメントの概略側面図である。
「逆方向フライトスクリューエレメント」とは、左ネジ
方向の連続したスクリュー構造を有し、該スクリューの
回転によって押出し方向と逆方向に樹脂を移動させる作
用を有する押出機スクリューエレメントである。本発明
で好ましく使用される二軸押出機では2つの回転軸上で
対応する位置に対となって配置する。図5は本発明にお
いて好ましく使用され、使用頻度最も高い2−フライト
の逆方向フライトスクリューエレメントを示している。
逆方向フライトスクリューエレメントのフライト数は通
常2であり、スクリューかみ合い比Do /Di は1.3
〜1.8の範囲にあり、フライトのピッチは、一般にス
クリュー外径Do に対して0.5〜1.0倍の長さの範
囲である。逆方向フライトスクリューエレメントは押出
し方向と逆方向に樹脂を移動させる作用効果が大きいの
で、この押出機スクリューエレメントを使用することに
より、押出し方向に見て該押出機スクリューエレメント
の上流側の樹脂充満率を実質的に1、すなわち完全充満
状態とすることができる。
【0060】従って、押出し方向に見て逆方向フライト
スクリューエレメントの上流側に後述する順方向ニーデ
ィングエレメント、逆方向ニーディングエレメント、ニ
ュートラルニーディングエレメント、順方向スクリュー
ミキシングエレメント、逆方向スクリューミキシングエ
レメント等の混練効果が高い押出機スクリューエレメン
トを挿入することにより、押出機内部で樹脂が完全充満
した状態で樹脂の溶融混練を行うことができるので、樹
脂に対して強い溶融混練作用を与えることが出来る。
【0061】図6(a)は押出機の回転軸に固定された
順方向ニーディングエレメントを、押出機の吐出口の方
向から見た概略図であり、図6(b)は上記順方向ニー
ディングエレメントの概略側面図である。「順方向ニー
ディングエレメント」とは、複数の擬楕円形ディスク
が、スクリュー回転軸の軸線が各擬楕円形ディスクの中
心を通るように、スクリュー回転軸上に連続して平行に
固定されてなり、該複数の擬楕円形ディスクは図6(a)
に示すように互いにずれつつ配置されており、該回転軸
上に押出機の押出方向とは反対の方向に連続的に配置さ
れた複数のディスクにおける互いに隣接するディスク
の、回転軸の回転方向をプラス(+)とした場合のねじ
れ角度(staggering angle)が、プラス(+)方向に0
度より大きく90度より小さい、スクリューエレメント
である。
【0062】この押出機スクリューエレメントは、押出
機スクリューエレメントの回転によって押出し方向に該
樹脂を移動させる作用と同時に、樹脂を混練する作用を
有する。順方向ニーディングエレメントは、上記擬楕円
形ディスクが少なくとも3枚以上、好ましくは5枚以上
が積層されて構成されることが好ましい。また、擬楕円
形ディスクは、スクリュー外径に対して0.05〜0.
5倍の厚みを持つことが好ましい。さらに上記ディスク
は長径/短径の比が1.1〜2.0の擬楕円形であり、
擬楕円形の最大径のシリンダ本体の内径に対する比が、
0.950〜0.995であることが好ましい。図6
(a) 及び(b) は、本発明において好ましく使用される、
+45度のねじれ角度(staggering angle)で、5枚の
擬楕円形ディスクS1〜S5がスクリュー回転軸上に連
続して平行に、互いにずれつつ固定されてなる順方向ニ
ーディングエレメントを示している。
【0063】図7(a)は押出機の回転軸に取付けた逆
方向ニーディングエレメントを、押出機の吐出口の方向
から見た概略図であり、図7(b)は上記逆方向ニーデ
ィングエレメントの概略側面図である。「逆方向ニーデ
ィングエレメント」とは、複数の擬楕円形ディスクが、
スクリュー回転軸の軸線が各擬楕円形ディスクの中心を
通るように、スクリュー回転軸上に連続して平行に固定
されてなり、該複数の擬楕円形ディスクは図7(a)に
示すように互いにずれつつ配置されており、該回転軸上
に押出機の押出方向とは反対の方向に連続的に配置され
た複数のディスクにおける互いに隣接するディスクの、
回転軸の回転方向と反対の方向をマイナス(−)とした
場合のねじれ角度(staggering angle)が、マイナス
(−)方向に0度より大きく90度より小さい、スクリ
ューエレメントである。
【0064】この押出機スクリューエレメントは、該押
出機スクリューエレメントの回転によって押出し方向と
逆の方向に樹脂を移動させる作用と同時に、樹脂を混練
する作用を有する。該擬楕円形ディスクは少なくとも3
枚以上、好ましくは5枚以上が積層されて構成されるこ
とが好ましい。該擬楕円形ディスクの厚み、長径/短径
の比、擬楕円形の最大径は順方向ニーディングエレメン
トの場合と同じである。図7(a)及び(b)は、本発
明において好ましく使用される、−45度のねじれ角度
(staggering angle)で、5枚の擬楕円形ディスクS1
〜S5がスクリュー回転軸上に連続して平行に、互いに
ずれつつ固定されてなる逆方向ニーディングエレメント
を示している。
【0065】図8(a)は押出機の回転軸に取付けたニ
ュートラルニーディングエレメントを、押出機の吐出口
の方向から見た概略図であり、図8(b)は上記ニュー
トラルニーディングエレメントの概略側面図である。
「ニュートラルニーディングエレメント」とは、複数の
擬楕円形ディスクが、スクリュー回転軸の軸線が各擬楕
円形ディスクの中心を通るように、スクリュー回転軸上
に連続して平行に固定されてなり、該複数の擬楕円形デ
ィスクは図8(a)に示すように互いにずれつつ配置さ
れており、該回転軸上に押出機の押出方向とは反対の方
向に連続的に配置された複数のディスクにおける互いに
隣接するディスクの、上記プラス(+)及びマイナス
(−)方向のいずれにおけるねじれ角度(staggering a
ngle)も実質的に90度であるスクリューエレメントで
ある。
【0066】この押出機スクリューエレメントは、該押
出機スクリューエレメントの回転によって、樹脂を混練
する作用を有する。ニュートラルニーディングエレメン
トでは擬楕円形ディスクは互いに実質的に90度のねじ
れ角度(staggering angle)を有するため、樹脂を押出
し方向またはその逆方向に移動させる機能を有さない。
上記擬楕円形ディスクは少なくとも3枚以上、好ましく
は5枚以上が積層されて構成されることが好ましい。該
擬楕円形ディスクの厚み、長径/短径の比、擬楕円形の
最大径は順方向ニーディングエレメントの場合と同じで
ある。該ニュートラルニーディングエレメントを使用す
る場合は、一般に順方向ニーディングエレメントや逆方
向ニーディングエレメントを使用する場合よりも更に強
力な混練作用を得ることが出来る。図8(a)及び
(b)は、本発明において好ましく使用される、90度
のねじれ角度(staggering angle)で、5枚の擬楕円形
ディスクS1〜S5がスクリュー回転軸上に連続して平
行に、互いにずれつつ固定されてなるニュートラルニー
ディングエレメントを示している。
【0067】図9(a)は押出機の回転軸に取付けた順
方向スクリューミキシングエレメントを、押出機の吐出
口の方向から見た概略図であり、図9(b)は上記順方
向スクリューミキシングエレメントの概略側面図であ
る。「順方向スクリューミキシングエレメント」とは、
図9(a)及び9(b)に示すように、順方向フライト
スクリューのねじ山に切り欠きを設けた構造を有し、該
スクリューの回転によって押出し方向に樹脂を移動させ
るとともに、切り欠き部分から樹脂の一部を押出し方向
と逆の方向に移動させることにより、樹脂を混合する作
用を有する押出機スクリューエレメントである。本発明
で好ましく使用される二軸押出機では前述の順方向フラ
イトスクリューエレメントと同様に2つのスクリュー軸
上で対応する位置に対にして配置する。図9は本発明に
おいて好ましく使用される順方向スクリューミキシング
エレメントを示している。
【0068】図10(a)は押出機の回転軸に取付けた
逆方向スクリューミキシングエレメントを、押出機の吐
出口の方向から見た概略図であり、図10(b)は上記
逆方向スクリューミキシングエレメントの概略側面図で
ある。「逆方向スクリューミキシングエレメント」と
は、図10(a)及び10(b)に示すように、逆方向
フライトスクリューのねじ山に切り欠きを設けた構造を
有し、該スクリューの回転によって押出し方向と逆の方
向に樹脂を移動させるとともに、切り欠き部分から樹脂
の一部を押出し方向に移動させることにより、樹脂を混
合する作用を有する押出機スクリューエレメントであ
る。
【0069】この押出機スクリューエレメントは、スク
リューが左ネジ方向の構造であるため、該スクリューの
回転によって押出し方向と逆方向に樹脂を移動させる作
用が強く、樹脂充満率が高くなる。そのため、順方向ス
クリューミキシングエレメントを使用する場合に比べて
樹脂を混合する作用がより強力である。本発明で好まし
く使用される二軸押出機では前述の逆方向フライトスク
リューエレメントと同様に2つのスクリュー軸上で対応
する位置に対にして配置する。図10は本発明において
好ましく使用される逆方向スクリューミキシングエレメ
ントを示している。
【0070】図11(a)は押出機の回転軸に取付けた
シールリングエレメントを、押出機の吐出口の方向から
見た概略図であり、図11(b)は上記シールリングエ
レメントの概略側面図である。「シールリングエレメン
ト」とは、基本的に円形の少なくとも1個のディスクで
構成され、樹脂の進行をせき止めて樹脂の充満率を高め
る作用を有する。シールリングエレメントを用いた場合
は、シリンダ本体とシールリングエレメントのクリアラ
ンスを樹脂がすり抜ける。本発明において好ましく使用
される2軸押出機において使用されるシールリングエレ
メントは、通常、2つのスクリュー軸にそれぞれ1枚ず
つ設置されるが、用途に応じて2枚以上設置することも
可能である。該シールリングエレメントはスクリュー軸
方向の厚みがスクリュー外径に対して0.05〜0.5
倍の長さを持つことが好ましい。さらに該円形ディスク
の直径はシリンダ本体の内径に対し、0.950〜0.
995倍であることが好ましい。図11は本発明におい
て好ましく使用されるシールリングエレメントを示して
いる。
【0071】本発明の方法において、押出機のゾーン
(a) においては、上記樹脂成分を未溶融状態に維持す
る。例えば、上記ゾーン(a) において、押出機のスクリ
ューを順方向フライトスクリューエレメントのみで構成
し、且つシリンダーブロック温度を20〜200℃、好
ましくは30〜100℃の範囲、更に好ましくは40〜
70℃の範囲に設定することで、ポリカーボネートを含
む樹脂成分の溶融を防ぐことができる。該ゾーン(a) の
長さはスクリュー構成とシリンダーブロック温度のみな
らず、押出機のスクリュー回転数や樹脂成分の供給速度
(処理速度)にも影響を受け、該回転数や該処理速度を
増大させることによって該ゾーンを長くすることもでき
る。
【0072】該ゾーン(a) では、樹脂成分(ペレット状
及び/またはパウダー状の樹脂)の溶融した状態が全く
観察されない状態であり、この確認は押出機シリンダー
ブロックの開口部(押出機の供給口(a' ))や押出機
シリンダーブロックにのぞき窓を設けそれを通じて目視
観察することにより行うことができる。本発明の方法で
は、フルオロポリマーの水性ディスパージョンを用いる
場合、フルオロポリマーの水性ディスパージョンはゾー
ン(a) に連続的に供給されるが、ゾーン(a) においてフ
ルオロポリマーの水性ディスパージョンが供給される最
も好ましい位置は、樹脂成分の投入用ホッパー下であ
り、さらに、該ホッパー下のシリンダーブロックの温度
は40〜70℃の範囲であることが好ましい。
【0073】本発明の方法において、押出機のゾーン
(b) においては、上記樹脂成分を部分的溶融状態に維持
する。例えば、上記ゾーン(b) において、押出機のスク
リューを順方向フライトスクリューエレメント、もしく
はこれに、順方向ニーディングエレメント、逆方向ニー
ディングエレメント、ニュートラルニーディングエレメ
ント、順方向スクリューミキシングエレメント、逆方向
スクリューミキシングエレメント等の押出機スクリュー
エレメントを組み合わせて構成し、且つ、シリンダーブ
ロック温度を201〜350℃、好ましくは210〜3
00℃の範囲、更に好ましくは220〜280℃の範囲
に設定し、押出機スクリューエレメントの混練機能とシ
リンダーブロックからの熱供給により、該樹脂成分の一
部を溶融させることができる。
【0074】該ゾーン(b) では樹脂成分の一部が溶融し
ている状態にあるが、この確認は押出機シリンダーブロ
ックに設けたのぞき窓を設けそれを通じて目視観察する
方法や、運転中の押出機を停止させてそのまま押出機シ
リンダーブロックを冷却し、しかる後に押出機スクリュ
ーを引き抜き、押出機内部の樹脂の溶融状態を観察する
方法(ただし、観察を行う際には難燃剤である有機リン
化合物の供給を停止する)によって行うことができる。
この際、樹脂の未溶融の部分は目視で確認することがで
き、ゾーン(b) においては樹脂成分の0.01〜90重
量%、好ましくは0.1〜70重量%、より好ましくは
1〜50重量%が溶融状態にあることが好ましい。
【0075】本発明では難燃剤である有機リン化合物を
ゾーン(b) に連続的に供給することが好ましいが、有機
リン化合物の配合はギアポンプやプランジャーポンプ等
を用いて定量的に押出機シリンダーブロックに取り付け
られたインジェクションノズルを通じて圧入することが
出来る。尚、有機リン化合物の供給位置での押出機スク
リューエレメントは、樹脂圧を低くして有機リン化合物
の配合を容易にするために、順方向フライトスクリュー
エレメントもしくは順方向スクリューミキシングエレメ
ントで構成し、樹脂充満率を1未満、好ましくは0.4
〜0.8とするのが好ましい。
【0076】上記「主たる混練ゾーンII」においては、
押出機のスクリュー構成として、逆方向フライトスクリ
ューエレメントあるいはシールリングエレメント等の樹
脂のシール性に優れる押出機スクリューエレメントを組
み入れ、さらにこれらの押出機スクリューエレメントの
押出し方向に見て上流側に、順方向ニーディングエレメ
ント、逆方向ニーディングエレメント、ニュートラルニ
ーディングエレメント、順方向スクリューミキシングエ
レメント、逆方向スクリューミキシングエレメント等の
溶融混練作用に優れた押出機スクリューエレメントを複
数個組み合わせた押出機のスクリュー構成とし、且つシ
リンダーブロック温度を201〜350℃、好ましくは
210〜300℃の範囲、更に好ましくは220〜28
0℃の範囲に設定し、押出機スクリューエレメントの混
練機能とシリンダーブロックからの熱供給により、樹脂
成分と有機リン化合物と好ましくは更にフルオロポリマ
ーを加えて樹脂充満率が1の状態(すなわち溶融樹脂の
完全充填状態)で十分な溶融混練を行う。
【0077】本発明の方法では、該主たる混練ゾーンII
を通過した後には、未溶融の樹脂の粒子が全く観察され
ない程度まで溶融混練がなされるように該混練ゾーンII
のスクリュー構成を選択する必要がある。該主たる混練
ゾーンIIを通過した後のゾーン(c) における溶融樹脂の
状態を観察するには押出機シリンダーブロックにのぞき
窓を設けて目視観察する方法や、運転中の押出機を強制
的に停止させてそのまま押出機シリンダーブロックを冷
却し、しかる後に押出機スクリューを引き抜き、押出機
内部の樹脂の溶融状態を観察する方法によって行うこと
ができる。尚、該主たる混練ゾーンIIの数は押出機中で
1箇所でもよいが、複数あっても構わない。
【0078】上記ゾーンIにおいては、押出機のスクリ
ューエレメントとして、順方向ニーディングエレメン
ト、逆方向ニーディングエレメント、ニュートラルニー
ディングエレメント、狭いピッチの順方向フライトスク
リュエレメント(フライトのピッチがスクリュー外径D
o に対しておよそ0.5〜0.8倍であるもの)から選
ばれる1〜3個の押出機スクリューエレメントを用い
て、樹脂の充満率を0.7〜1.0とし、且つ、シリン
ダーブロック温度を201〜350℃、好ましくは21
0〜300℃の範囲、更に好ましくは220〜280℃
の範囲に設定することにより、該ゾーン(b) に供給した
有機リン化合物が該ゾーン(a) に逆流することを防止す
る。ゾーンI(以下、屡々「有機リン化合物の逆流防止
用樹脂充満ゾーンI」と称す)の長さおよび樹脂充満率
は、樹脂成分の供給速度(処理速度)や押出機スクリュ
ー回転数にも依存し、一般に樹脂成分の供給速度(Q)
とスクリュー回転数(NS )の比(Q/NS )の増大と
共に、該ゾーン長並びに樹脂充満率は増加する。
【0079】更に、本発明において用いる押出機にベン
トを設ける場合は、前述の主たる混練ゾーンIIは、押出
し方向に見て、ベント部の上流側に設置される。また、
ベントを有する押出機を用いる場合は、樹脂成分がベン
トから流出すること(樹脂のベントアップ)を防ぐため
の「ベントアップ防止用樹脂充満ゾーン III」を設ける
ことが好ましい。ベントアップ防止用樹脂充満ゾーン I
IIにおいては、樹脂充満率を0.7〜1.0にすること
によって、ベントアップ防止用樹脂充満ゾーンIIIの下
流に設けるベント付近における樹脂の充満率を低下させ
ることにより樹脂組成物がベントから流出することを防
止する。
【0080】ベントアップ防止用樹脂充満ゾーン IIIで
は、押出機のスクリュー構成として、順方向ニーディン
グエレメント、逆方向ニーディングエレメント、ニュー
トラルニーディングエレメント、逆方向フライトスクリ
ューエレメントあるいはシールリングエレメントが組み
合わされて使用される。また、シリンダーブロック温度
が201〜350℃、好ましくは210〜300℃の範
囲、更に好ましくは220〜280℃の範囲に設定され
る。また、べント部のスクリュー構成には順方向フライ
トスクリューエレメントを設置する。ベント部において
は、開放もしくは真空ポンプ等による減圧脱気を行うこ
とができる。
【0081】有機リン化合物により難燃化された難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物を、押出機を用いて製造す
る本発明の方法は以下の(1)〜(3)の特徴を有す
る。 (1)本発明の方法における第1の特徴は、酸価が0.
1mgKOH/g以下である有機リン化合物を使用する
ことである。この有機リン化合物の酸価が0.1mgK
OH/g以下である有機リン化合物を使用することによ
り、高温高湿性環境下においても機械的物性や色調の低
下が極めて少ない優れた樹脂組成物を得ることができ
る。
【0082】(2)本発明の方法における第2の特徴
は、該押出機中の樹脂の温度を300℃以下とすること
である。本発明の方法においては、通常、押出機先端部
のダイ付近で樹脂の温度が最高になるような条件で押出
しが行われるので、ダイ付近で測定される溶融樹脂の温
度を該押出機中の樹脂の最高温度とみなす。ダイ付近の
溶融樹脂の温度は、ダイ付近に装着された熱電対により
測定することができる。樹脂の温度は、押出機設定温度
だけでなく、スクリュー構成、原材料の供給速度、スク
リュー回転数等の運転条件により影響を受けるが、本発
明においては、押出機内の樹脂温度が300℃以下とな
るようにこれらの運転条件を適宜選択し、生産を行う。
押出機内の樹脂温度が300℃を越えると、有機リン化
合物の分解が急激に進行するため、これに起因して樹脂
成分の劣化が起こり、溶融流動性が増大し、耐衝撃性が
急激に低下する等の不利が生じる。また、高温高湿環境
下における機械的物性と色調も著しく低下する。押出機
内の樹脂の温度は、樹脂組成物の機械的物性の向上さ
せ、かつ、着色を抑えるためには溶融混練が可能な範囲
でできるだけ低い温度であることが好ましいが、一方
で、樹脂の温度を低下させると溶融樹脂の粘度が増大す
るために、押出機の負荷が増大し、樹脂組成物の生産性
が低下する。従って、好ましい樹脂温度は、樹脂組成物
の性能と生産性とのバランスから、好ましくは230℃
〜290℃、さらに好ましくは240℃〜285℃、特
に好ましくは250℃〜280℃の範囲である。
【0083】(3)本発明の方法における第3の特徴
は、樹脂成分の押出機内滞留時間を40秒以下とするこ
とである。本発明において、樹脂成分の押出機内滞留時
間は、押出機の樹脂成分投入位置にカラーペレットを投
入し、投入直後から、ダイ部において上記のカラーペレ
ットにより着色された樹脂の吐出が開始されるまでの時
間として定義する。本発明では、原料樹脂の押出機内滞
留時間を40秒以下とすることにより、樹脂組成物の高
温高湿環境下における機械的性質の低下や色調の低下を
非常に効果的に抑制することができる(即ち、優れた耐
高温高湿特性を有する樹脂組成物を得ることができ
る)。しかしながら、一方で溶融樹脂の押出機内滞留時
間が短すぎると、混練が不十分となり樹脂組成物の性能
が不十分となる。本発明では、原料樹脂の押出機内滞留
時間は、好ましくは1〜35秒であり、より好ましく
は、5〜30秒であり、更に好ましくは8〜25秒であ
り、特に好ましくは10〜20秒である。
【0084】樹脂成分の押出機内滞留時間は、各成分の
供給速度、スクリュー回転数、押出機のL/D(長さ/
直径比)、押出機ダイ部分の空間容積等の因子に特に影
響を受ける。本発明において樹脂成分の押出機内滞留時
間を短縮するためには、押出機のL/Dは原材料の十分
な溶融混練が得られる範囲においてできるだけ小さくす
ることが好ましく、L/Dは25〜50の範囲にあるこ
とが好ましく、より好ましくは30〜45であり、更に
好ましくは35〜40である。また、押出機ダイ部分の
空間容積も可能な限り小さくし、樹脂の滞留時間の増大
を防ぐことが好ましい。
【0085】また、各成分の供給速度や押出機スクリュ
ー回転数に関しても、上記の押出機内滞留時間となるよ
うに適宜選択する。押出機への各成分の供給速度は、押
出機の処理能力に制限されるが、可能な限り各成分の供
給速度を高めることにより、溶融樹脂温度を低減でき、
さらに押出機内の樹脂成分の滞留時間を短縮できるので
好ましい。一方、押出機スクリューの回転数は一般に高
回転であるほど樹脂成分の押出機内滞留時間を短縮でき
るが、押出機スクリューの回転数を増大させると樹脂の
せん断発熱が顕著となり、過度の溶融樹脂の温度上昇は
得られる樹脂組成物の物性や色調に対して悪影響を及ぼ
すので、溶融樹脂温度を考慮して押出機のスクリュー回
転数を選択するのが好ましい。
【0086】本発明の方法として好適な例である図1に
示すスクリュー構造を有する押出機を用いる方法におい
ては、該有機リン化合物の配合により溶融樹脂の可塑化
を容易にし、且つ溶融樹脂の粘度を低減できるので、溶
融混練におけるせん断発熱による過度の溶融樹脂温度の
上昇を抑制することができる。そのため、押出機スクリ
ューの回転数が比較的に高い押出機の運転条件で難燃性
ポリカーボネート樹脂組成物を生産することが可能とな
る。押出機のスクリュー回転数を高くすることは溶融樹
脂の搬送能力を高めこれにより押出機内滞留時間を短く
することができるので、耐高温高湿特性に優れた樹脂組
成物を高い生産速度で製造する上で特に好ましい。
【0087】以下に、上記特徴(1)〜(3)に関連し
て記載した以外の好ましい製造条件に関して説明する。
本発明の製造方法で使用されるの有機リン化合物は、液
状のものが好ましく使用され、また、上記したように、
樹脂成分と予備混合を行わずに、独立して供給口(b'
)を介してゾーン(b)に供給することが好ましい。
このように有機リン化合物をゾーン(b) へ供給すること
により、樹脂成分の溶融が開始されると同時に有機リン
化合物を配合し、該有機リン化合物を樹脂成分に対する
溶融可塑剤として作用させ、これにより樹脂成分の溶融
を容易ならしめて押出機の負荷を低減させ、また、樹脂
組成物の高い生産速度を獲得することができる。更に、
有機リン化合物の配合により溶融樹脂の粘度を低減でき
るために、混練時のせん断発熱による過度の樹脂温度の
上昇を防止でき、これにより色調に優れ、更に機械的物
性に優れた樹脂組成物を製造することが可能となる。
【0088】有機リン化合物は、予め60〜120℃、
好ましくは70〜100℃に加熱して溶融粘度を低下さ
せた後に、押出機の所定のシリンダーブロックに装着さ
れた注入用ノズルを通じて、ギアポンプ、プランジャー
ポンプ等を使用して定量的に圧入配合することが好まし
い。また、本発明において使用される有機リン化合物が
粉体状である場合は、ポリカーボネート樹脂を含む樹脂
成分と予備混合を行った後に押出機に投入し、溶融混練
を行うことも可能であるが、予め60〜120℃に加熱
して溶融させて液状として上記の方法で使用することが
望ましい。
【0089】難燃剤である有機リン化合物は、ゾーン
(b) の所定の位置に置いて、上記の供給速度で連続供給
する場合、有機リン化合物の配合量の増大に伴い、有機
リン化合物が該有機リン化合物の配合位置の上流側に逆
流する現象(以下、これを「有機リン化合物の逆流」と
称する)が生じることがある。有機リン化合物の逆流
は、有機リン化合物の配合量が高い場合に起こりやす
く、また、樹脂成分がペレット状の形態である場合は、
ゾーン(b) においてはペレットが完全に溶融しておら
ず、未溶融のペレット間の空隙が多いために有機リン化
合物の逆流が起こりやすい。有機リン化合物の逆流が樹
脂成分の供給用ホッパーの下部まで及ぶようになると、
樹脂成分の押出機への供給に支障が生じる。
【0090】これを避けるために、上記の有機リン化合
物の逆流防止用樹脂充満ゾーンIを設けることが有効で
ある。ただし、ゾーンIは、溶融混練が主目的ではない
ので、有機リン化合物の逆流を抑止するために最小限必
要とされるゾーン長さで十分である。このゾーンIにお
いて、該押出機のスクリュー構成として、順方向ニーデ
ィングエレメント、逆方向ニーディングエレメント、ニ
ュートラルニーディングエレメント、狭いピッチの順方
向フライトスクリュエレメント(フライトのピッチがス
クリュー外径Do に対しておよそ0.5〜0.8倍であ
るもの)等の押出機スクリュー要素を1〜3個導入する
ことによって、該樹脂成分の一部分をこれらの押出機ス
クリュー要素によるせん断力により溶融させ、更にはペ
レット間の空隙を減少させることができる。
【0091】該ゾーンIにおける樹脂成分の充満率は
0.7〜1.0であることが好ましい。ゾーンIが必要
以上に長いと溶融樹脂のせん断発熱を増大させ、樹脂組
成物の色調を低下させたり、耐衝撃性等の機械的物性を
低下させるのみならず、押出機の負荷の増大を招くため
生産性を低下させるなどの悪影響を及ぼす。従って、本
発明ではゾーンIでは、逆方向フライトスクリューエレ
メントあるいはシールリングエレメント等の樹脂のシー
ル性が高い押出機スクリュー要素を組み入れないこと
が、樹脂成分の過剰の発熱を抑えることができるので好
ましい。また、該ゾーンIを設けることにより、有機リ
ン化合物の配合量が樹脂成分100重量部に対して15
〜30重量部となるような、高い配合量の場合において
も安定した連続運転を達成することができる。
【0092】また、本発明の方法では、樹脂組成物を製
造する際の比エネルギー(単位:kW・hr/kg)を
0.13〜0.20kW・hr/kgの範囲とすること
が好ましく、これにより機械的強度及び色調に優れ、か
つ燃焼時の燃焼物の滴下防止機能に優れた難燃性樹脂組
成物を得ることができる。ここで、比エネルギーは、該
難燃性樹脂組成物を1kg/hrの速度で製造するため
に消費されるスクリュー押出機運転モーターの出力(k
W)で表され、樹脂の混練の程度を表す尺度である。比
エネルギーが0.13kW・hr/kg未満の場合は樹
脂組成物の混練が不充分であり、目的とする樹脂組成物
の性能が低下する傾向にある。
【0093】一方、比エネルギーが0.20kW・hr
/kgを越える場合は、溶融混練の際のせん断発熱が大
きく、溶融樹脂の温度が必要以上に上昇するため、樹脂
組成物の着色が顕著になるばかりか、樹脂組成物の耐衝
撃性やのび特性等が低下し、さらに燃焼物滴下防止機能
も低下する傾向にある。本発明の方法では、好ましい比
エネルギーは0.135〜0.18kW・hr/kgで
あり、さらに好ましくは0.14〜0.17kW・hr
/kgであり、最も好ましいのは0.145〜0.16
kW・hr/kgの範囲である。比エネルギーは、押出
機のスクリュー構成、スクリュー回転数、各成分の供給
速度、シリンダー設定温度、さらには、樹脂の分子量、
配合組成比等を適宜選択して制御することができる。
【0094】本発明の方法において、有機リン化合物を
前述の樹脂成分が部分的溶融状態に維持されているゾー
ン(b) へ供給し溶融混練を行う場合、難燃剤である有機
リン化合物の存在下で樹脂成分を混練するため、該有機
リン化合物の可塑化促進作用により、樹脂成分を押出機
のシリンダーの設定温度が低い場合においても効率的に
可塑化することできる。このために、押出機のシリンダ
ーの設定温度が低い場合においても比エネルギーを低く
抑えて溶融混練を行うことが可能となる。また、有機リ
ン化合物をゾーン(b) へ供給し、低い溶融樹脂温度でも
溶融混練を行うことにより、機械的物性、難燃性及び色
調に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得るこ
とができる。
【0095】本発明の方法において、フルオロポリマー
の水性ディスパージョンを用いる場合には、上記したよ
うに該フルオロポリマーの水性ディスパージョンと樹脂
成分と有機リン化合物を、押出機にそれぞれ独立して供
給し、該フルオロポリマーの水性ディスパージョンは、
押出機における樹脂が未溶融状態に維持されているゾー
ン(a) へ、該樹脂成分の供給速度(kg/hr)に対し
て、0.01〜10%の供給速度(kg/hr)で供給
することが好ましい。該フルオロポリマーの水性ディス
パージョンの供給速度が、該樹脂成分の押出機への供給
速度に対して0.01%未満の供給速度では燃焼時の滴
下防止効果が不充分であり、一方、10%を超える供給
速度では押出機の原料投入口で樹脂成分のブリッジング
が生じたりするなどして樹脂成分の供給が不安定となっ
たり、さらには過剰な水分を樹脂組成物に与えることに
より物性を低下させるなどして好ましくない。ここで、
「ブリッジング」とは、樹脂成分が多くのフルオロポリ
マーの水性ディスパージョンと混合されることにより、
原料投入口付近で樹脂成分が湿潤状態で固まり、流動不
能になることを示す。
【0096】また、このようなフルオロポリマーの水性
ディスパージョンを押出機に供給する本発明の方法で
は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物中においてフル
オロポリマーの分散を均一ならしめ、フィブリル構造を
組成物全体に均質に形成させることができ、その結果、
燃焼物滴下防止機能が優れた樹脂組成物を得ることがで
きる。また、該ゾーン(a) にフルオロポリマーの水性デ
ィスパージョンを供給することにより、フルオロポリマ
ーが溶融樹脂の混練において滑剤的な作用をなし、溶融
樹脂の混練による発熱を低く抑える作用と共に、溶融混
練での押出機の負荷を低減させる作用が生じる。フルオ
ロポリマーの水性ディスパージョンを使用する場合にお
いて、その配合位置は、ゾーン(a) へ供給することが好
ましく、ゾーン(a) においてフルオロポリマーの水性デ
ィスパージョンが供給される最も好ましい位置は、既に
述べたように、樹脂成分の投入用ホッパー下であり、さ
らに、該ホッパー下のシリンダーブロックの温度は、好
ましくは30〜100℃、更に好ましくは40〜70℃
である。
【0097】さらに本発明の方法では、押出機のスクリ
ュー回転数が高回転であるほど樹脂組成物中のフルオロ
ポリマーの分散性が向上し、優れた燃焼物滴下防止機能
を有する樹脂組成物を得ることができる傾向にある。押
出機のスクリューの回転数は200〜1,500rpm
が好ましく、より好ましくは300〜1,000rp
m、更に好ましくは400〜800rpmである。しか
しながら、一方で、スクリュー回転数の増大と共に混練
時の溶融樹脂の発熱が増大し、樹脂組成物の色調や機械
的物性を低下させるので、スクリュー回転数は、押出機
中の樹脂温度、各成分の供給速度、比エネルギー等を考
慮して決定される。
【0098】また、フルオロポリマーの水性ディスパー
ジョンを押出機に直接連続供給するに当たり、該フルオ
ロポリマーの水性ディスパージョンの温度を5〜30
℃、好ましくは5〜20℃、さらに好ましくは5〜15
℃として供給することが好ましい。該フルオロポリマー
の水性ディスパージョンは温度の上昇と共にフルオロポ
リマーの凝集が起こりやすくなり、該ディスパージョン
の温度が30℃を越える場合は、該水性ディスパージョ
ン供給用のポンプや供給ライン内で、フルオロポリマー
の凝集が原因となる閉塞が生じることがある。また、該
ディスパージョンの温度を5℃未満に下げても、実質的
に得られる効果が少なく、また冷却に無駄なエネルギー
を要するので好ましくない。
【0099】該フルオロポリマーの水性ディスパージョ
ン用のフィードポンプとしては、ダイヤフラムポンプ、
プランジャーポンプ、チュービングポンプ等を使用する
ことができ、連続的に定量的にフィードするためにはダ
イヤフラムポンプが特に好ましい。特に、機械的な接触
部分が少ないポンプを使用することが、フルオロポリマ
ーの凝集を抑えることができ、供給の安定性の点で好ま
しい。ここで、「機械的な接触部分」とはポンプ作用を
発生させるために必要な部品間の接触が生じる部分、す
なわち、ダイヤフラムポンプであればダイヤフラム部分
及び逆止弁部分、プランジャーポンプであればピストン
部分及び逆止弁部分、チュービングポンプであればチュ
ーブのピンチ部分(ローター部分)が具体的に示され
る。また、該フルオロポリマーの水性ディスパージョン
の押出機への供給ライン、及び押出機への注入用ノズル
は二重管構造とし、更に循環型チラー等の冷却装置を使
用して冷却する等の措置を講じて、フルオロポリマーの
水性ディスパージョンの凝集による供給ライン及び注入
用ノズル部分での閉塞を防止することが好ましい。
【0100】以下、本発明の方法の好ましい一態様につ
いて図1を参照して説明する。図1は、本発明の方法に
おいて好適に用いることができる押出機の一例の内部構
造を示す説明的概略側断面図である。図1に示す押出機
は、9個のシリンダーブロックB1〜B9(押出機の最
も上流のシリンダーブロックを第1シリンダーブロッ
ク、最も下流側のシリンダーブロックを第9シリンダー
ブロックとする)と1個のダイアダプターブロック8か
ら構成される、かみ合い型の同方向回転2軸押出機の押
出機である。図1に示す押出機のスクリューの構成に関
しては、押出機スクリューエレメントを適宜組み合わせ
ることにより所望の構成を得ることができ、さらに各シ
リンダーブロックは独立して温度を制御することが可能
である。図1において、a、b及びcで示されている領
域がそれぞれ、樹脂成分が未溶融状態に維持されている
ゾーン(a) 、該樹脂成分が部分的溶融状態に維持されて
いるゾーン(b) 、及び該樹脂成分が完全な溶融状態に維
持されているゾーン(c)である。
【0101】図1に示す押出機は、押出機の押出し方向
に見て上流から下流に向かって、5個の順方向フライト
スクリューエレメント10、1個の5枚の擬楕円形ディ
スクを積層してなる順方向ニーディングエレメント1
1、1個の5枚の擬楕円形ディスクを積層してなる逆方
向ニーディングエレメント12、2個の順方向スクリュ
ーミキシングエレメント13、2個の5枚の擬楕円形デ
ィスクを積層してなる順方向ニーディングエレメント1
1、2個の5枚の擬楕円形ディスクを積層してなるニュ
ートラルニーディングエレメント14、1個の7枚の擬
楕円形ディスクを積層してなる逆方向ニーディングエレ
メント12、1個の逆方向フライトスクリューエレメン
ト15、3個の順方向フライトスクリューエレメント1
0、1個の5枚の擬楕円形ディスクを積層してなる順方
向ニーディングエレメント11、1個の5枚の擬楕円形
ディスクを積層してなる逆方向ニーディングエレメント
12、1個の逆方向フライトスクリューエレメント1
5、及び4個の順方向フライトスクリューエレメント1
0の組み合わせからなるスクリューを有している。ま
た、9個のシリンダーブロックB1〜B9の設定温度
は、第1シリンダーブロックB1は30〜70℃、第2
シリンダーブロックB2は180〜220℃、第3シリ
ンダーブロックB3は220〜260℃、第4シリンダ
ーブロックB4は220〜280℃、第5〜第9シリン
ダーブロックB5〜B9は220〜270℃とし、ダイ
アダプターブロック8の設定温度は230〜270℃と
する。
【0102】本発明の方法では、樹脂成分3a-1(ポリ
カーボネートのみ、又はポリカーボネートと上記のポリ
カーボネート以外の樹脂)や添加剤成分3a-2等は重量
フィーダーやベルトフィーダー等を使用してそれぞれ独
立に定量的に押出機のホッパー2を経て供給口1(a')に
供給される。これらの成分用の定量フィーダーの個数は
特に限定されない。フルオロポリマーの水性ディスパー
ジョンは、樹脂成分と予め混合することなく独立して、
ゾーン(a) に相当する第1及び第2シリンダーブロック
B1及びB2、好ましくはホッパー2下部の第1シリン
ダーブロックB1へ、冷却された注入用ノズル4を経
て、ダイヤフラムポンプやプランジャーポンプにより、
該樹脂成分の供給速度(kg/hr)に対して、0.0
1〜10%の供給速度(kg/hr)で連続供給され
る。上記したように、図1において第1シリンダーブロ
ックB1の温度は30〜70℃に設定することが好まし
い。
【0103】図1の第3〜5シリンダーブロックB3〜
B5内が該樹脂成分が部分的溶融状態に維持されている
ゾーン(b) に相当し、溶融した樹脂成分と未溶融の樹脂
成分が混在する押出機ゾーンである。有機リン化合物は
予め60〜120℃に加熱し、ギアポンプ(図示しな
い)あるいはプランジャーポンプ(図示しない)によ
り、第4シリンダーブロックB4に装着した注入ノズル
5bを通じて、供給口5(b' )から、該樹脂成分の供
給速度(kg/hr)に対して1〜30%の供給速度
(kg/hr)で押出機へ連続供給される。該注入ノズ
ル5bは、有機リン化合物の逆流防止用樹脂充満ゾーン
Iと主たる混練ゾーンIIの中間部分に設けるが、これを
介して供給された有機リン化合物は、樹脂成分が溶融す
る過程において溶融可塑剤的な作用をし、押出機の負荷
を下げ、せん断発熱を低下させることができ、高性能の
樹脂組成物を高い生産速度で生産することが可能とな
る。
【0104】図1において、有機リン化合物の逆流防止
用樹脂充満ゾーンIは、1個の順方向ニーディングエレ
メント11と1個の逆方向ニーディングエレメント12
の組み合わせによって形成されている。このような押出
機スクリュー構成により、樹脂成分の一部がせん断力に
より押しつぶされて溶融し、更に該逆方向ニーディング
エレメントが有する上流側への樹脂移動作用により樹脂
の充満率が0.7〜1.0の範囲の状態を得ることがで
きる。これにより、図1の供給口5(b')より供給される
有機リン化合物の、押出し方向に見て上流側への逆流を
抑止することができる。
【0105】図1における主たる混練ゾーンIIにおい
て、樹脂成分、有機リン化合物、及びフルオロポリマ
ー、更には所望により添加されるその他の成分が、順方
向ニーディングエレメント11、ニュートラルニーディ
ングエレメント14、逆方向ニーディングエレメント1
2、逆方向フライトスクリューエレメント15の組み合
わせにより、樹脂充満率が1の状態で十分に溶融混練さ
れる。主たる混練ゾーンIIでの溶融混練が不十分である
と、得られる樹脂組成物の品質が安定しないばかりか、
ストランド切れ等の運転上のトラブルが発生して押出機
を停止せざるを得なくなるなどして、連続製造の安定性
が失われる。しかしながら、一方で溶融混練が過剰にな
りすぎると樹脂組成物の色調や、難燃性や機械的物性の
低下を招くので好ましくない。
【0106】図1におけるベントアップ防止用樹脂充満
ゾーンIII では、ベント6での溶融樹脂のベントアップ
を防止するために樹脂の充満率を高める。図1において
は、1個の順方向ニーディングエレメント11、1個の
逆方向ニーディングエレメント12及び1個の逆方向フ
ライトスクリューエレメント15の組み合わせにより、
ベントアップ防止用樹脂充満ゾーンIII を形成してい
る。このゾーンIII において、必要に応じて溶融樹脂の
混練度を高めることも可能である。図1に示すベント6
によって、開放脱揮、好ましくは減圧脱揮を行うことが
できる。また、必要に応じて異物除去用のスクリーン7
をダイアダプターブロック8に装着する。樹脂組成物を
吐出口9からストランドとして押し出した後、水冷、ペ
レタイズしてペレット状の難燃性ポリカーボネート樹脂
組成物を得る。
【0107】本発明の製造方法において、樹脂温度はダ
イ付近に装着された熱電対により測定される。樹脂温度
及び比エネルギーは、スクリュー構成、原材料の供給速
度、スクリュー回転数、押出機設定温度、等の運転条件
により影響を受けるが、本発明においては、これらの運
転条件を適宜選択して、樹脂温度を300℃以下にする
必要があり、また、比エネルギーを0.13〜0.20
kW・hr/kgの範囲になるようすることが好まし
い。本発明の方法により得られた難燃性ポリカーボネー
ト樹脂組成物から各種の成形品を得るための成形方法は
特に限定されないが、例えば、押し出し成形、圧縮成
形、射出成形、ガスアシスト成形等が挙げられ、中でも
射出成形が好ましい。成形品の例としては、ノート型パ
ソコン筐体、パソコンモニター、コピー機、プリンタ
ー、複写機等のOA機器の筐体、OA機器シャーシ、携
帯電話のハウジング等が挙げられる。
【0108】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例により本
発明を更に詳細に説明するが、本発明は、何らこれに限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
ては、以下の成分を用いてポリカーボネート樹脂組成物
を製造した。 1.芳香族ポリカーボネート (PC−1)ホスゲン法により製造されたペレット状の
ビスフェノールA系ポリカーボネート、三菱エンジニア
リングプラスチックス(株)製、商品名「ユーピロンS
−2000」と商品名「ユーピロンH−4000」のペ
レット混合物 (S−2000/H−4000=60/40(重量
比))
【0109】(PC−2)ビスフェノールAとジフェニ
ルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造さ
れたペレット状のビスフェノールA系ポリカーボネート (重量平均分子量(Mw)=22,000、フェノール
性末端基比率(フェノール性末端基が全末端基数に占め
る割合)=33%) (PC−3)ホスゲン法により製造されたビスフェノー
ルA系ポリカーボネートのパウダー状樹脂とペレット状
樹脂の混合物 (三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品
名「ユーピロンS−2000F」(パウダー状)と商品
名「ユーピロンH−4000」(ペレット状)の重量比
S−2000F/H−4000=75/25のパウダー
樹脂/ペレット樹脂混合物)
【0110】2.ゴム変性スチレン系樹脂 (ABS−1)塊状重合アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン(ABS)樹脂と乳化重合ABSの混合物か
らなるペレット状のABS樹脂(ブタジエンゴム含有
量:22wt%)、(台湾国、奇美実業製「PA709
N」) (ABS−2) パウダー状のABS樹脂 三菱レーヨン(株)製「RC」 (SAN)ペレット状のアクリロニトリル単位25.0
wt%、スチレン単位75.0wt%からなるアクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(Mw=110,000) (MBS)パウダー状のメチルメタクリレート−ブタジ
エン−スチレン共重合体(台湾国、台湾プラスチックス
製「M−51」)
【0111】3.有機リン化合物 (ホスフェート−1)前記式(1)で表される有機リン
化合物オリゴマーであって、置換基Ra 、R b 、Rc
及びRd が全てフェニル基であり、重量平均縮合度
(N)が1.10であり、酸価が0.01mgKOH/
gであり、マグネシウム含有量が2.5ppmであり、
塩素含有量が1ppm以下であるもの。 (ホスフェート−2)前記式(1)で表される有機リン
化合物オリゴマーであって、置換基Ra 、R b 、Rc
及びRd が全てフェニル基であり、重量平均縮合度
(N)が1.12であり、酸価が0.05mgKOH/
gであり、マグネシウム含有量が5.2ppmであり、
塩素含有量が1ppm以下であるもの。
【0112】(ホスフェート−3)前記式(1)で表さ
れる有機リン化合物オリゴマーであって、置換基Ra
b 、Rc 、及びRd が全てフェニル基であり、重量平
均縮合度(N)が1.09であり、酸価が0.51mg
KOH/gであり、マグネシウム含有量が7.5ppm
であり、塩素含有量が1ppm以下であるもの。 (ホスフェート−4)酸価が0.05mgKOH/gで
あり、マグネシウム含有量が3.4ppmのレゾルシノ
ールビス(ジフェニル)ホスフェート(大八化学工業
(株)製「CR733S」)
【0113】4.フルオロポリマー (Dis.PTFE)固形分含有量が60wt%であ
り、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを界面活性剤
として含有する水性PTFEディスパージョン(ダイキ
ン工業(株)製・ポリテトラフルオロエチレンの水性P
TFEディスパージョン(商品名「ポリフロン D−2
CE」)) (PTFE混合粉体)ポリテトラフルオロエチレンとア
クリロニトリル−スチレン共重合体の50/50(重量
比)粉体状混合物(米国、GEスペシャリティ・ケミカ
ルズ(株)社製 商品名「Blendex 449」)
【0114】5.その他の成分 (添加剤−1)n−オクタデシル−3−(3’,5’−
ジターシャリーブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート(スイス国、チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ社製 商品名「IRGANOX 1076」) (添加剤−2)トリス(2,4−ジターシャリーブチル
フェニル)ホスファイト(スイス国、チバ・スペシャリ
ティ・ケミカルズ社製 商品名「IRGAFOS 16
8」)
【0115】
【実施例1】図2に示す構造を有する2軸押出機(TE
M−58SS、L/D=37、東芝機械(株)社製)で
溶融混練を行い、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を
製造した。図2に示す押出機のスクリュー構成は、押出
し方向に見て上流から下流に向かって、5個の順方向フ
ライトスクリューエレメント10、1個の5枚の擬楕円
形ディスクを積層してなる順方向ニーディングエレメン
ト11、2個の順方向スクリューミキシングエレメント
13、3個の5枚の擬楕円形ディスクを積層してなる順
方向ニーディングエレメント11、2個の5枚の擬楕円
形ディスクを積層してなるニュートラルニーディングエ
レメント14、1個の7枚の擬楕円形ディスクを積層し
てなる逆方向ニーディングエレメント12、1個の逆方
向フライトスクリューエレメント15、4個の順方向フ
ライトスクリューエレメント10、1個の5枚の擬楕円
形ディスクを積層してなる順方向ニーディングエレメン
ト11、1個の7枚の擬楕円形ディスクを積層してなる
逆方向ニーディングエレメント12、及び、4個の順方
向フライトスクリューエレメント10の組み合わせとし
た。また、9個のシリンダーブロックB1〜B9の設定
温度に関しては、第1シリンダーブロックB1は50
℃、第2シリンダーブロックB2は220℃、第3シリ
ンダーブロックB3は250℃、第4シリンダーブロッ
クB4は260℃、第5〜第9シリンダーブロックB5
〜B9は250℃とし、ダイアダプターブロック8の設
定温度は250℃とした。
【0116】ポリカーボネート樹脂ペレット混合物(P
C−1)3a-1を560kg/hrで、ペレット状のア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS−
1)3a-2を120kg/hrで、パウダー状のメチル
メタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MB
S)3a-3を20kg/hrで、さらに、添加剤−1と
添加剤−2のパウダー混合物3a-4(添加剤−1:添加
剤−2=10:1)を0.7kg/hrでホッパー2を
介して供給口1(a' )に連続供給した。また、10℃
に冷却されたフルオロポリマー水性ディスパージョン
(Dis.PTFE)を循環式冷媒により10℃に冷却
された注入用ノズル4を介して、ダイヤフラムポンプに
より3.5kg/hrの供給速度で供給口1(a' )よ
り連続供給した。図2において符号aで示すゾーンが本
発明におけるゾーン(a) であり、供給口1(a' )から
目視にて、樹脂成分が溶融していないことを確認した。
【0117】さらに、有機リン化合物(ホスフェート−
1)を予め80℃に加熱した後、プランジャーポンプを
用いて注入用ノズル5bから100kg/hrの供給速
度で供給口5(b' )連続供給した。尚、図2において
符号bで示すゾーンが本発明におけるゾーン(b) であ
り、シリンダーブロックB4に設けたのぞき窓(図示し
ない)により樹脂成分が部分的溶融状態であることを目
視にて確認した。図2中のゾーンIは、供給口5(b'
)の押出し方向にみて上流に位置するゾーンIにおい
て樹脂充満率を高めることにより、供給口5(b' )か
ら供給された有機リン化合物の逆流を防ぐために上記順
方向ニーディングエレメント11が配置されてなる「有
機リン化合物の逆流防止用樹脂充満ゾーン」である。
【0118】ゾーンIIは、3個の順方向ニーディングエ
レメント11、2個のニュートラルニーディングエレメ
ント14、1個の逆方向ニーディングエレメント12、
1個の逆方向フライトスクリューエレメント15が配置
されてなる「主たる混練ゾーン」である。また、ゾーン
III は、樹脂充満率を高めることにより、ベント6から
溶融樹脂が流出することを防ぐために1個の順方向ニー
ディングエレメント11、1個の逆方向ニーディングエ
レメント12が配置されてなる「ベントアップ防止用樹
脂充満ゾーン」である。押出機スクリューの回転数は4
80rpmとし、さらに、ベント6より50mmHgで
減圧脱揮を行った。また、ダイ−アダプターブロック8
に120メッシュのスクリーン7を装着した。吐出口9
より押出された樹脂組成物のストランドを水冷し、ペレ
ット化を行うことにより難燃性ポリカーボネート樹脂組
成物のペレットを得た。
【0119】実施例1における押出特性、並びに得られ
た樹脂組成物の物性を以下の方法で評価した。 (1)ダイ部の溶融樹脂温度 ダイ付近での溶融樹脂温度を熱電対により測定した。
(単位:℃) (2)樹脂成分の押出機内滞留時間 押出機への各原料成分の供給が安定した後、樹脂成分供
給口1(a')より黒のカラーマスターバッチのペレットを
2〜3個投入し、投入直後から押出機のダイ部より黒く
着色された溶融樹脂が現れるまでの時間をストップウオ
ッチにより計測した。(単位:秒)
【0120】(3)難燃性 得られたペレットを乾燥し、シリンダー温度260℃、
金型温度60℃に設定した射出成形機(オートショット
50D、、ファナック社製)で成形し、燃焼試験用の短
冊形状成形体(厚さ1/16インチ)を作成し、UL9
4規格20MM垂直燃焼試験(V−0、V−1またはV
−2に分類する(難燃性の程度:V−0>V−1>V−
2))に基づいて難燃性レベルを評価した。 (4)80℃、95RH%環境下でのノッチ付き1/
8”アイゾット強度変化 1/8インチ厚の試験用短冊片をシリンダー温度240
℃、金型温度60℃に設定した射出成形機で成形した。
試験短冊片を高温高湿環境下(80℃、95RH%)に
曝し、アイゾット強度の経時変化をASTM D256
に準じて、1/8インチ厚、ノッチ付きで測定した。
(単位:kgf ・ cm/cm )
【0121】(5)80℃、95RH%環境下での色調
変化 1/8インチ厚の試験用短冊片をシリンダー温度240
℃、金型温度60℃に設定した射出成形機で成形した。
試験短冊片を高温高湿環境下(80℃、95RH%)に
曝し、イエローインデックス(YI)の経時変化をスガ
試験機カラーコンピューター「モデルSM5色差計」に
より測定した。結果を表1に示す。表1に示すように、
実施例1で製造された樹脂組成物は高温高湿環境下に曝
された場合において、耐衝撃強度の経時劣化が遅く、か
つ、YI値の増大が小さい(即ち、色調変化が小さい)
ことがわかる。実施例1の結果は、本発明の製造方法に
より、高温高湿環境下に長時間曝露された場合において
も機械的物性の低下や色調の低下が極めて少ない、有機
リン化合物により難燃化された難燃性ポリカーボネート
組成物が得られることを示している。
【0122】
【実施例2】ホスフェート−1をホスフェート−2に変
更した以外は実施例1と同じ条件で樹脂組成物を製造し
た。実施例2における押出特性、並びに得られた樹脂組
成物の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を
表1に示す。
【実施例3】ホスフェート−1をホスフェート−4に変
更した以外は実施例1と同じ条件で樹脂組成物を製造し
た。実施例3における押出特性、並びに得られた樹脂組
成物の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を
表1に示す。
【0123】
【比較例1】ホスフェート−1をホスフェート−3に変
更した以外は実施例1と同じ条件で樹脂組成物を製造し
た。比較例1における押出特性、並びに得られた樹脂組
成物の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を
表1に示す。表1から明らかなように、比較例1は実施
例1に較べて高温高湿環境下に曝された場合の耐衝撃強
度の経時劣化が早く進行し、また、YI値の増大が大き
い(即ち、色調劣化が激しい)。
【比較例2】押出機の9個のシリンダーブロックB1〜
B9の設定温度を、第1シリンダーブロックB1は50
℃、第2シリンダーブロックB2は260℃、第3シリ
ンダーブロックB3は280℃、第4〜第9シリンダー
ブロックB4〜B9は300℃とし、ダイアダプターブ
ロック8の設定温度を300℃とした以外は全て実施例
1と同じ条件で樹脂組成物を製造した。比較例2ではダ
イ部の溶融樹脂温度が312℃であった。比較例2にお
ける押出特性、並びに得られた樹脂組成物の物性を実施
例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0124】
【比較例3】押出機のスクリュー回転数を480rpm
から900rpmに変更した以外は実施例1と同じ条件
で樹脂組成物を製造した。比較例3ではダイ部の溶融樹
脂温度が321℃であった。比較例3における押出特
性、並びに得られた樹脂組成物の物性を実施例1と同様
の方法で評価した。結果を表1に示す。
【比較例4】ポリカーボネート樹脂(PC−1)3a-1
の供給速度を140kg/hr、ABS樹脂(ABS−
1)3a-2の供給速度を30kg/hr、MBS樹脂3
a-3の供給速度を5kg/hr、添加剤−1と添加剤−
2のパウダー混合物3a-4(添加剤−1:添加剤−2=
10:1)の供給速度を0.17kg/hr、Dis.
PTFEの供給速度を0.87kg/hr、ホスフェー
ト−1の供給速度を25kg/hrとし、スクリュー回
転数を350rpmとした以外は実施例1と同様にし
て、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを製
造した。比較例4における押出特性、並びに得られた樹
脂組成物の物性を実施例と同様の方法で評価した。結果
を表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
【実施例4】図3に示す構造を有する2軸押出機(ZS
K−25、L/D=37、ドイツ国、Werner & Pfleide
rer 社製)で溶融混練を行い、難燃性ポリカーボネート
樹脂組成物を製造した。図3の押出機のスクリュー機構
は、押出し方向に見て上流から下流に向かって、7個の
順方向フライトスクリューエレメント10、1個の5枚
の擬楕円形ディスクを積層してなる順方向ニーディング
エレメント11、2個の順方向スクリューミキシングエ
レメント13、1個の順方向フライトスクリューエレメ
ント10、2個の5枚の擬楕円形ディスクを積層してな
る順方向ニーディングエレメント11、2個の5枚の擬
楕円形ディスクを積層してなるニュートラルニーディン
グエレメント14、1個の7枚の擬楕円形ディスクを積
層してなる逆方向ニーディングエレメント12、1個の
逆方向フライトスクリューエレメント15、4個の順方
向フライトスクリューエレメント10、1個の5枚の擬
楕円形ディスクを積層してなる順方向ニーディングエレ
メント11、1個の7枚の擬楕円形ディスクを積層して
なる逆方向ニーディングエレメント12、及び、5個の
順方向フライトスクリューエレメント10の組み合わせ
とした。
【0127】また、10個のシリンダーブロックB1〜
B10の設定温度に関しては、第1シリンダーブロック
B1は50℃、第2シリンダーブロックB2は220
℃、第3シリンダーブロックB3は250℃、第4シリ
ンダーブロックB4は260℃、第5〜第10シリンダ
ーブロックB5〜B10は250℃とし、ダイアダプタ
ーブロック8の設定温度は250℃とした。下記組成比
で予め混合して得られた原料混合物を3a-1、20kg
/hrの供給速度でホッパー2を介して供給口1
(a’)に連続供給した。 (原料混合物3a-1の組成) PC−2: 90重量部 ABS−2: 10重量部 添加剤−1と添加剤−2の混合物(添加剤−1:添加剤
−2=10:1):0.1重量部 Dis.PTFT: 0.5重量部 また、有機リン化合物(ホスフェート−1)を予め80
℃に加熱した後、キアポンプを用いて注入ノズル5bか
ら2.8kg/hrの供給速度で供給口5(b’)へ連
続供給した。
【0128】図3中のゾーンIは、供給口5(b’)の
押出方向にみて上流に位置するゾーンIにおいて、樹脂
充満率を高めることにより、供給口5(b’)から供給
された有機リン化合物の逆流を防ぐために上記順方向ニ
ーディングエレメント11が配置されてなる「有機リン
化合物の逆流防止用樹脂充満ゾーン」である。ゾーンII
は、2個の順方向ニーディングエレメント10、2個の
ニュートラルニーディングエレメント14、1個の逆方
向フライトスクリューエレメント15が配置されてなる
「主たる混練ゾーン」である。ゾーンIII は、ベント6
の押出方向にみて上流に位置するゾーン IIIにおいて、
樹脂充満率を高めることにより、ベント6から溶融樹脂
が流出することを防ぐために1個の順方向ニーディング
エレメント11、1個の逆方向ニーディングエレメント
12が配置されてなる「ベントアップ防止用樹脂充満ゾ
ーン」である。押出機スクリューの回転数は300rp
mとし、さらに、脱揮口より20mmHgで減圧脱揮を
行った。ダイ(3mm×6穴)より押出された樹脂組成
物のストランドを水冷し、ペレタイズを行うことにより
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
実施例4における押出特性、並びに得られた実施例組成
物の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を表
2に示す。
【0129】
【比較例5】原料混合物3a-1の押出機への供給速度を
10kg/hrとし、ホスフェート−1の供給速度を
1.4kg/hrとした以外は実施例4と同じ条件で難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。比
較例5における押出特性、並びに得られた実施例組成物
の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2
に示す。
【0130】
【実施例5】原料混合物3a-1の組成を以下のように変
更した以外は実施例4と同じ条件で難燃性ポリカーボネ
ート樹脂組成物のペレットを得た。 (原料混合物3a-1の組成) PC−2: 80重量部 ABS−2: 10重量部 SAN: 10重量部 添加剤−1と添加剤−2の混合物(添加剤−1:添加剤−2=10:1) 0.1重量部 Dis.PTFT: 0.5重量部 実施例5における押出特性、並びに得られた実施例組成
物の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を表
2に示す。
【0131】
【比較例6】原料混合物3a-1の押出機への供給速度を
10kg/hrとし、ホスフェート−1の供給速度を
1.4kg/hrとした以外は実施例5と同じ条件で難
燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。比
較例6における押出特性、並びに得られた実施例組成物
の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を表2
に示す。
【0132】
【表2】
【0133】
【実施例6】原料混合物3a-1の組成を下記のように変
更した以外は実施例4と同じ条件で難燃性ポリカーボネ
ート樹脂組成物のペレットを得た。 (原料混合物3a-1の組成) PC−3: 80重量部 ABS−1: 14重量部 SAN: 3重量部 MBS: 3重量部 添加剤−1と添加剤−2の混合物(添加剤−1:添加剤
−2=10:1):0.1重量部 PTFE混合粉体: 0.8重量部 実施例6における押出特性、並びに得られた樹脂組成物
の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結果を表3
に示す。
【0134】
【比較例7】ホスフェート−1をホスフェート−3に変
更した以外は全て実施例6と同じ条件で樹脂組成物を製
造した。比較例7における押出特性、並びに得られた樹
脂組成物の物性を実施例1と同様の方法で評価した。結
果を表3に示す。
【0135】
【表3】
【0136】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高温高湿環境下
に長時間暴露された場合においても、機械的物性及び色
調の低下が極めて少ない、有機リン化合物により難燃化
された難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を得ることが
できるので、本発明の方法は工業的に極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いる押出機の一例の内部構造
を示す説明的概略側断面図である。
【図2】実施例1〜3及び比較例1〜4において用いら
れた押出機の内部構造を示す説明的概略側断面図であ
る。
【図3】実施例4〜6及び比較例5〜7において用いら
れた押出機の内部構造を示す説明的概略側断面図であ
る。
【図4(a) 】〜
【11(b) 】それぞれ本発明の方法に用いる押出機スク
リューエレメントの例を示す図である。
【符号の説明】
a 樹脂成分が未溶融状態に維持されているゾーン(a) b 樹脂成分が部分的溶融状態に維持されているゾーン
(b) c 樹脂成分が完全な溶融状態に維持されているゾーン
(c) I ゾーン(b) に供給した有機リン化合物がゾーン(a)
に逆流することを防ぐためのゾーンI II 樹脂成分、有機リン化合物、及びフルオロポリマー
の水性ディスパージョンを混練するためのゾーンII III 溶融樹脂がベントから流出すること(樹脂のベント
アップ)を防ぐためのゾーン III B1〜B10 第1〜第10シリンダーブロック 1(a') 樹脂成分及びフルオロポリマーの水性ディスパ
ージョンの供給口(a') 2 ホッパー 3a-1 ポリカーボネート又はポリカーボネートを含
む原料混合物 3a-2、3a-3及び3a-4 ポリカーボネート以外の
樹脂又は添加剤 4 フルオロポリマーの水性ディスパージョン供給用
ノズル 5(b') 有機リン化合物の供給口(b') 5b 有機リン化合物供給用ノズル 6 ベント 7 スクリーン 8 ダイアダプターブロック 9 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の吐出口 10 順方向フライトスクリューエレメント 11 順方向ニーディングエレメント 12 逆方向ニーディングエレメント 13 順方向スクリューミキシングエレメント 14 ニュートラルニーディングエレメント 15 逆方向フライトスクリューエレメント 16 スクリュー回転軸 17 回転軸の軸線 18 押出機の吐出口の側から見た回転軸の回転方向 S1〜S5 図6〜8に示すニーディングエレメント
を構成する擬楕円形ディスク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月28日(2001.9.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いる押出機の1例の内部構造
を示す説明的概略側断面図である。
【図2】実施例1〜3及び比較例1〜4において用いら
れた押出機の内部構造を示す説明的概略側断面図であ
る。
【図3】実施例4〜6及び比較例5〜7において用いら
れた押出機の内部構造を示す説明的概略側断面図であ
る。
【図4】図4(a)は押出機の回転軸に取付けた順方向
フライトスクリューエレメントを、押出機の吐出口の方
向から見た概略図であり、図4(b)は上記順方向フラ
イトスクリューエレメントの概略側面図である。
【図5】図5(a)は押出機の回転軸に取付けた逆方向
フライトスクリューエレメントを、押出機の吐出口の方
向から見た概略図であり、図5(b)は上記逆方向フラ
イトスクリューエレメントの概略側面図である。
【図6】図6(a)は押出機の回転軸に固定された順方
向ニーディングエレメントを、押出機の吐出口の方向か
ら見た概略図であり、図6(b)は上記順方向ニーディ
ングエレメントの概略側面図である。
【図7】図7(a)は押出機の回転軸に取付けた逆方向
ニーディングエレメントを、押出機の吐出口の方向から
見た概略図であり、図7(b)は上記逆方向ニーディン
グエレメントの概略側面図である。
【図8】図8(a)は押出機の回転軸に取付けたニュー
トラルニーディングエレメントを、押出機の吐出口の方
向から見た概略図であり、図8(b)は上記ニュートラ
ルニーディングエレメントの概略側面図である。
【図9】図9(a)は押出機の回転軸に取付けた順方向
スクリューミキシングエレメントを、押出機の吐出口の
方向から見た概略図であり、図9(b)は上記順方向ス
クリューミキシングエレメントの概略側面図である。
【図10】図10(a)は押出機の回転軸に取付けた逆
方向スクリューミキシングエレメントを、押出機の吐出
口の方向から見た概略図であり、図10(b)は上記逆
方向スクリューミキシングエレメントの概略側面図であ
る。
【図11】図11(a)は押出機の回転軸に取付けたシ
ールリングエレメントを、押出機の吐出口の方向から見
た概略図であり、図11(b)は上記シールリングエレ
メントの概略側面図である。
【符号の説明】 a 樹脂成分が未溶融状態に維持されているゾーン(a) b 樹脂成分が部分的溶融状態に維持されているゾーン
(b) c 樹脂成分が完全な溶融状態に維持されているゾーン
(c) I ゾーン(b) に供給した有機リン化合物がゾーン(a)
に逆流することを防ぐためのゾーンI II 樹脂成分、有機リン化合物、及びフルオロポリマー
の水性ディスパージョンを混練するためのゾーンII III 溶融樹脂がベントから流出すること(樹脂のベント
アップ)を防ぐためのゾーン B1〜B10 第1〜第10シリンダーブロック 1(a') 樹脂成分及びフルオロポリマーの水性ディスパ
ージョンの供給口(a') 2 ホッパー 3a-1 ポリカーボネート又はポリカーボネートを含む
原料混合物 3a-2、3a-3及び3a-4 ポリカーボネート以外の
樹脂又は添加剤 4 フルオロポリマーの水性ディスパージョン供給用
ノズル 5(b') 有機リン化合物の供給口(b') 5a 有機リン化合物供給用ノズル 6 ベント 7 スクリーン 8 ダイアダプターブロック 9 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の吐出口 10 順方向フライトスクリューエレメント 11 順方向ニーディングエレメント 12 逆方向ニーディングエレメント 13 順方向スクリューミキシングエレメント 14 ニュートラルニーディングエレメント 15 逆方向フライトスクリューエレメント 16 スクリュー回転軸 17 回転軸の軸線 18 押出機の吐出口の側から見た回転軸の回転方向 S1〜S5 図6〜8に示すニーディングエレメント
を構成する擬楕円形ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/04 C08L 51/04 69/00 69/00 85/02 85/02 // B29K 69:00 B29K 69:00 (72)発明者 八谷 広志 岡山県倉敷市潮通3丁目13番1 旭化成株 式会社内 (72)発明者 呉 忠能 台湾台南市建平三街62巷14號4樓之12 (72)発明者 蘇 文義 台湾台南市林森路一段153巷27奔5號14樓 Fターム(参考) 4F070 AA06 AA07 AA08 AA09 AA16 AA32 AA50 AB01 AB08 AC55 AC79 AE07 FA03 FB06 FC05 4F071 AA12 AA12X AA13 AA13X AA15 AA15X AA20 AA20X AA22 AA22X AA27 AA27X AA33 AA34 AA34X AA50 AA68 AA77 AC15 AE07 AH12 AH16 BC07 4F201 AA16 AA28 AA45J AB05 AB22 AC05 AL03 AR06 AR11 BA02 BC01 BC33 BC37 BK02 BK13 BK27 BL08 BL25 BL43 BQ50 4J002 BD153 BD154 BN063 BN123 BN143 CG011 CG021 CG031 CQ012 EW046 FD122 FD123 FD126

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてポリカーボネートからなる樹脂
    成分、及び有機リン化合物をスクリュー押出機を用いて
    混練して難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造する
    方法であって、 該押出機として、該樹脂成分及び該有機リン化合物のた
    めの1つ又は複数の供給口、及び該混練によって得られ
    る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の吐出口を有する
    押出機を用いる方法において、該樹脂成分を供給口を介
    して該押出機に連続的に供給し、一方、該有機リン化合
    物を、該樹脂成分の供給に用いたのと同じ供給口または
    該樹脂成分の供給に用いたのとは異なる供給口を介して
    押出機に連続的に供給し、該有機リン化合物の酸価が
    0.1mgKOH/g以下であり、該樹脂成分及び該有
    機リン化合物を、混練しながら該吐出口に向かって押出
    し、その際、該押出しを、該押出機中の樹脂の温度が3
    00℃以下であって、押出機における該樹脂成分の滞留
    時間が40秒以下である条件下で行うことにより、難燃
    性ポリカーボネート樹脂組成物を生成し、これと同時に
    該難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を上記吐出口より
    抜き出す、ことを特徴とする該難燃性ポリカーボネート
    樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 押出機における該樹脂成分の滞留時間が
    30秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 該押出機が2軸押出機であることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 該押出機に供給される樹脂成分が固体で
    あり、該押出機が、ゾーン(a) 、ゾーン(b) 及びゾーン
    (c) が押出し方向に見てこの順序に配置されてなり、該
    ゾーン(c) が該吐出口と直接連通している押出機であっ
    て、ゾーン(a) においては、該樹脂成分を未溶融状態に
    維持し、ゾーン(b) においては、該樹脂成分を部分的溶
    融状態に維持し、ゾーン(c) においては、該樹脂成分を
    完全に溶融状態に維持することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 該押出機が、ゾーン(a) に直接連通する
    該樹脂成分のための供給口(a')及びゾーン(b) に直接連
    通する該有機リン化合物のための供給口(b')を有してお
    り、該樹脂成分を供給口(a')を介してゾーン(a) に供給
    し、該有機リン化合物を供給口(b')を介してゾーン(b)
    に供給し、該樹脂成分の供給速度(kg/hr)に対し
    て、該有機リン化合物の供給速度(kg/hr)が1〜
    30%であることを特徴とする請求項4に記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 該ゾーン(b) に供給した有機リン化合物
    が該ゾーン(a) に逆流することを防ぐためのゾーンであ
    って、該ゾーン(b) 内の、該押出機の押出し方向に見て
    有機リン化合物供給位置の上流側に配置されたゾーンI
    において、該押出機の内部空間における該樹脂成分の容
    積比として定義される樹脂充満率を増加させ、且つ該樹
    脂成分及び該有機リン化合物の混練を、主として、該押
    出機の押出し方向に見て有機リン化合物供給位置の下流
    側の領域IIにおいて行うことを特徴とする請求項5に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 該樹脂成分が、ポリカーボネートとゴム
    変性樹脂とからなることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 該有機リン化合物が、下記式(1)で表
    される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の
    化合物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の製造方法。 【化1】
  9. 【請求項9】 押出機のゾーン(b) に供給される該有機
    リン化合物中に含まれる金属原子及び塩素原子の量がそ
    れぞれ30ppm以下及び20ppm以下であることを
    特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 フルオロポリマーを更に該押出機に供
    給することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 該押出機が、ゾーン(a) に直接連通す
    る1つ又は複数の供給口(a')を有しており、該樹脂成分
    を、供給口(a')を介してゾーン(a) に供給し、一方、フ
    ルオロポリマーの水性ディスパージョンを、該樹脂成分
    とは別に、樹脂成分の供給に用いたのと同じ供給口(a')
    または樹脂成分の供給に用いたのとは異なる供給口(a')
    を介してゾーン(a) に供給し、該樹脂成分の供給速度
    (kg/hr)に対して、該フルオロポリマーの水性デ
    ィスパージョンの供給速度(kg/hr)が0.01〜
    10%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    かに記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 該押出機のゾーン(a) に供給されるフ
    ルオロポリマーの水性ディスパージョンの温度が5〜3
    0℃であることを特徴とする請求項11に記載の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の製
    造方法により製造された難燃性ポリカーボネート樹脂組
    成物を成形して得られる成形品。
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