JP2003297305A - 電池パック - Google Patents

電池パック

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JP2003297305A
JP2003297305A JP2002096217A JP2002096217A JP2003297305A JP 2003297305 A JP2003297305 A JP 2003297305A JP 2002096217 A JP2002096217 A JP 2002096217A JP 2002096217 A JP2002096217 A JP 2002096217A JP 2003297305 A JP2003297305 A JP 2003297305A
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acid
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JP2002096217A
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Yoshihiro Kurasawa
義博 倉沢
Hiroshi Nakajima
大士 中島
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Mounting, Suspending (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤を使用せずに高度に難燃化
され、且つ耐衝撃性、薄肉流動性、溶融熱安定性に優
れ、モールドデポジットの発生しない樹脂組成物から成
形された電池パックを提供する。 【解決手段】 (a)溶融法で得られるポリカーボネー
トであって、温度250℃、角速度10rad/sの条
件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)
が、下記関係式(1)を満たすポリカーボネート、 【数1】 2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000……(1) (b)縮合型燐酸エステル、(c)ポリフルオロエチレ
ン、及び(d)耐衝撃改良剤を配合したポリカーボネー
ト樹脂組成物を成形してなる電池パック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉流動性に優れ
た難燃性ポリカーボネート樹脂組成物から成形された電
池パックに関する。さらに詳しくは、0.5mm以下の
薄肉成形が可能な薄肉流動性、耐衝撃性に優れた、ハロ
ゲン化合物不含の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物か
ら成形された電池パックに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、機械的強度、電気
的性質、熱的性質等に優れたエンジニアリングプラスチ
ックとして建築、機械、電気・電子・OA機器を始め、
幅広い分野で使用されている。そのような用途の1つに
電池パックがある。電池パックは、携帯電話やノートパ
ソコンに代表されるOA機器、携帯端末に付属の電池を
包み込む部品であり、他の機器以上に高度な難燃性が求
められている。さらに、電池パックは、軽量性、薄肉
性、耐衝撃性に優れていることも大きな要求性能となっ
ている。
【0003】これらの要求に対応するために、特開平1
1−21441号公報は、ポリカーボネートと複合ゴム
系グラフト共重合体にハロゲン非含有リン酸エステル系
難燃剤及びポリテトラフルオロエチレンを配合した樹脂
組成物を電池パック用材料として提案している。また、
特開平07−304943号公報、特開平08−120
169号公報、特開平08−239565号公報、特開
平08−259792号公報等には、電池パック用途は
示されていないものの、ポリカーボネート、ゴム質重合
体、難燃剤を含有する組成物が、難燃性に優れ、溶融流
動性が高く、薄肉成形品にも好適な材料として提案され
ている。しかしながら、これらの提案により難燃性はあ
る程度達成されているものの、ハロゲン系難燃剤を用い
るものは環境汚染や、押出機及び成形機や金型腐食の原
因となる問題があり、ハロゲン系難燃剤を使用しない場
合にも、耐衝撃性や溶融熱安定性の低下、モールドデポ
ジット発生等の問題があった。特に、0.5mm以下の
薄肉成形品の成形では、樹脂組成物の流動性を向上させ
る目的で、ポリカーボネート及びその他の成分の分子量
を下げたり、成形温度を上げたりすると、耐衝撃性の低
下やモールドデポジットの発生を引き起こし、満足でき
る薄肉の電池パックを得ることはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲン系難燃剤を使用せずに高度に難燃化され、かつ、耐
衝撃性、薄肉流動性、溶融熱安定性に優れ、モールドデ
ポジットの発生しない樹脂組成物から成形された電池パ
ックを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸エステ
ルからエステル交換法で製造され特定の複素粘性率を有
するポリカーボネートを使用することにより、上記目的
を達成し得ることを知り本発明を達成した。すなわち、
本発明の要旨は、(a)溶融法で得られるポリカーボネ
ートであって、温度250℃、角速度10rad/sの
条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・
s)が、下記関係式(1)を満たすポリカーボネート1
00重量部に、
【0006】
【数2】 2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000……(1)
【0007】(b)下記一般式(I)で表される縮合型
燐酸エステル0.5〜40重量部、
【0008】
【化2】
【0009】(式(I)中、R1、R2、R3及びR4は、
それぞれ独立して、水素原子または有機基を表し、Xは
2価以上の有機基を表す。但し、R1、R2、R3及びR4
が同時に水素原子であることはない。qは1以上の整数
であり、rは1以上の整数を表す。)、(c)ポリフル
オロエチレン0.01〜3重量部、及び(d)耐衝撃改
良剤0.5〜30重量部を配合したポリカーボネート樹
脂組成物を成形してなる電池パックに存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される(a)溶融法で得られるポリカーボ
ネートとは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとを、溶融状でエステル交換、重合して製造される芳
香族ポリカーボネートを意味する。芳香族ジヒドロキシ化合物 :本発明のポリカーボネート
の原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記
一般式(II)で示される化合物である。
【0011】
【化3】
【0012】(式(II)中、Aは、単結合、置換され
ていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは
環状の2価の炭化水素基、又は、−O−、−S−、−C
O−若しくは−SO2−で示される2価の基を示す。X
及びYは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基
を示す。p及びqは、0又は1の整数である。なお、X
とY及びpとqは、それぞれ、同一でも相互に異なるも
のでもよい。)。
【0013】一般式(II)で示される代表的な芳香族
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロ
キシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エー
テル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げ
られる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独
で、又は2種以上を混合して用いることができる。これ
らのなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」とも言い、
「BPA」と略記することもある。)が好ましい。ま
た、環境汚染、機器腐食等の観点からは、ハロゲン不含
の原料を選ぶことが望ましい。
【0014】炭酸ジエステル:原料の他の一つである炭
酸ジエステルは、下記一般式(III)で示される化合
物である。
【0015】
【化4】
【0016】(式(III)中、A’は、置換されてい
てもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1
価の炭化水素基であり、2つのA’は、同一でも相互に
異なるものでもよい。)。
【0017】一般式(III)で示される代表的な炭酸
ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネー
ト、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジフェニ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等に代表される
ジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジ
エステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネー
ト(以下、「DPC」と略記することもある。)、置換
ジフェニルカーボネートが好ましい。また、上記の炭酸
ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに
好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジ
カルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカル
ボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタ
ル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン
酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリ
エステルカーボネートが得られる。
【0018】これら炭酸ジエステル(上記の置換したジ
カルボン酸又はジカルボン酸のエステルを含む。以下同
じ。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常、
過剰に用いられる。すなわち、芳香族ジヒドロキシ化合
物に対して、モル比で1.001〜1.3、好ましくは
1.01〜1.2の範囲内で用いられる。モル比が1.
001より小さくなると、製造されたポリカーボネート
の末端OH基が増加して、熱安定性、耐加水分解性が悪
化し、また、モル比が1.3より大きくなると、ポリカ
ーボネートの末端OH基は減少するが、同一条件下では
エステル交換反応の速度が低下し、所望の分子量のポリ
カーボネートの製造が困難となる傾向がある。本発明に
おいては、末端OH基含有量が50〜1000ppmの
範囲内に調整したポリカーボネートを使用するのが好ま
しい。
【0019】これらの原料を原料混合槽へ供給する方法
としては、液体状態の方が計量精度を高く維持し易いた
め、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルのう
ち、一方又は両方を、溶融させて液体状態で供給するこ
とが好ましい。液体状態で原料を供給する場合には、計
量装置としては、オーバル流量計、マイクロモーション
式流量計等を用いることができる。一方、固体状態で原
料を供給する場合には、スクリュー式フィーダーのよう
な容量を計量するものよりも、重量を計量するものを用
いるのが好ましく、べルト式、ロスインウェイト式等の
重量フィーダーを用いることができるが、ロスインウェ
イト方式が特に好ましい。
【0020】エステル交換触媒:芳香族ジヒドロキシ化
合物と炭酸ジエステルを原料として、溶融法によりポリ
カーボネートを製造する際には、通常、エステル交換触
媒が使用される。本発明のポリカーボネート製造方法に
おいては、触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化
合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又
はアミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。これ
らは、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わ
せて使用してもよい。触媒の使用量は、芳香族ジヒドロ
キシ化合物1モルに対して0.05〜5μモル、好まし
くは0.08〜4μモル、さらに好ましくは0.1〜2
μモルの範囲内で用いられる。触媒の使用量が上記量よ
り少なければ、所望の分子量のポリカーボネートを製造
するのに必要な重合活性が得られず、この量より多い場
合は、ポリマー色相が悪化し、またポリマーの分岐化も
進み、成形時の流動性が低下する傾向がある。
【0021】エステル交換触媒として使用されるアルカ
リ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水
素化合物等の無機アルカリ金属2化合物、アルコラー
ト、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ
金属化合物等がある。これらのアルカリ金属化合物の中
でも、セシウム化合物が好ましく、具体的に最も好まし
いセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、炭酸水素セ
シウム、水酸化セシウムである。また、アルカリ土類金
属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、炭酸塩等
の無機アルカリ土類金属化合物、アルコラート、フェノ
ラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ土類金属化
合物等がある。
【0022】塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テ
トラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピ
ルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ
素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホ
ウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホ
ウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジル
ホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホ
ウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニ
ルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩、バリウム塩又はストロンチウム塩等が挙げられ
る。
【0023】塩基性リン化合物としては、例えば、トリ
エチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、ト
リ−i−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン
等の3価のリン化合物、又は、これらの化合物から誘導
される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0024】塩基性アンモニウム化合物としては、例え
ば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラ
エチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルア
ンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロ
キサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサ
イド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイ
ド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、ト
リエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエ
チルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチル
ベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェ
ニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアン
モニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモ
ニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウ
ムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒ
ドロキサイド等が挙げられる。
【0025】アミン系化合物としては、例えば、4−ア
ミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル
−4−アミノピリジン,4−ジエチルアミノピリジン、
2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−
メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、
2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカ
プトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキ
ノリン等が挙げられる。これらの触媒のうち、実用的に
はアルカリ金属化合物が望ましい。
【0026】本発明に使用されるポリーボネートを製造
する場合、上記エステル交換触媒は、溶媒に溶解した触
媒溶液の形態で用いられる。溶媒としては、例えば、
水、アセトン、アルコール、トルエン、フェノールの
他、原料芳香族ジヒドロキシ化合物や炭酸ジエステル等
を溶解する溶媒が挙げられる。これらの溶媒のなかでは
水が好ましく、特にアルカリ金属化合物を触媒とする場
合には、水溶液とすることが好適である。
【0027】本発明に使用されるポリカーボネートは、
温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した
損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係
式(1)を満たすことが必要で、好ましくは下記関係式
(2)の範囲であり、さらに好ましくは下記関係式
(3)の範囲であり、最も好ましくは下記関係式(4)
の範囲である。本発明において、該Tanδ/η*-0.87
の値は、ポリカーボネートの溶融粘弾性を示すパラメー
ターとして使用した。Tanδ/η*-0.87の値が250
0より小さくても6000より大きくても難燃性が低下
する。
【0028】
【数3】 2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000……(1) 2800≦Tanδ/η*-0.87≦5500……(2) 3000≦Tanδ/η*-0.87≦5000……(3) 3800≦Tanδ/η*-0.87≦4800……(4)
【0029】損失角δは、動的溶融粘弾性の測定から求
められる、応力に対するひずみの位相の遅れを表し、動
的粘弾性挙動を表す指標のひとつとして一般的に知られ
ている。δ(Tanδ)は、その値が大きい場合は粘弾
性の粘性的な性質が強いことを示し、小さい場合は弾性
的な性質が強いことを示している。この値を決定する要
因は複雑であり、例えば、共重合を含む単量体の種類、
共重合組成、共重合の構造、分岐点の数や分岐鎖の長さ
等の分岐構造等を含む分子構造、分子量、分子量分布等
が挙げられる。本発明者らの知見によれば、界面法によ
り製造されたポリカーボネートは、難燃剤や他の添加剤
を用いて難燃化した場合に、添加剤が多量に必要であっ
たり、成形品の外観や機械的性質や熱的性質の劣化が生
じるという問題があった。このような界面法により製造
されたポリカーボネートは、δ(Tanδ)の値を、分
子量等の指標である複素粘性率(η*(Pa・s))に
対する、対数座標にプロットすると、Tanδ/η
*-0.87=約8000の直線上にほぼ並ぶことがわかっ
た。(ここで、η*の指数である−0.87は、上記直
線の傾きを表し、Tanδ/η*-0.87、上記直線をη*
=1(Pa・s)に外挿したときのTanδの値を表
す。すなわち、Tanδ/η*-0.87の値をパラメータに
用いることで損失角の分子量(粘度)依存性を排除する
ことが可能となる。)
【0030】溶融法により製造されたポリカーボネート
は一般にこの直線上には乗らず、しかも、Tanδ/η
*-0.87<2500の溶融法ポリカーボネートは、成形品
の外観と薄肉流動性が劣ることがわかった。一方、以下
に詳述する方法で得られたポリカーボネートは、分子量
が大きい範囲でも難燃性、耐衝撃性及び薄肉流動性等が
優れており、本発明で規定する2500≦Tanδ/η
*-0.87≦6000の範囲であることを見出した。なお、
本発明においては、ポリカーボネートに各種安定剤、紫
外線吸収剤、離型剤、着色剤等を添加することもでき、
ポリカーボネートの製造途中、又はペレット製造の前に
これらの添加剤を添加する場合もあり、一般にそれらの
添加剤を含んだものを「ポリカーボネート」と称する場
合があるが、本発明で規定する上記関係式の値は、これ
らの添加剤を全く含まないポリカーボネートについて求
められるものである。
【0031】本発明に関わるポリカーボネートの分子量
は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃
で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、
好ましくは16,000〜30,000であり、より好
ましくは18,000〜26,000である。
【0032】ポリカーボネートの製造方法:本発明に関
わるポリカーボネートの製造方法は、溶融法であって、
上記特定の物性を有するポリカーボネートが得られる方
法であれば、特に限定されないが、例えば、以下のよう
な方法で製造できる。すなわち、通常、原料混合槽等で
両原料を、均一に撹拌した後、触媒を添加して重合を行
い、ポリマーが生産される。例えば、上記の芳香族ジヒ
ドロキシ化合物、炭酸ジエステルの両原料を、原料混合
槽に連続的に供給し、得られた混合物とエステル交換触
媒を重合槽に連続的に供給することが好ましい。その
際、本発明の上記特定の物性のポリマーを安定して生産
するためには、例えば、少なくとも以下の(1)及び
(2)の両条件を満足する方法が採用される。 (1)全製造時間を一つ以上に分画した単位製造時間ご
とに、重合槽に供給される芳香族ジヒドロキシ化合物ま
たは炭酸ジエステル1モルに対しての触媒量を一定に保
つための目標触媒供給量である「設定触媒量」を、芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05〜5μ
モルの範囲内から選択する。なお、「全製造時間」と
は、重合槽においてポリマーを安定的に生産する原料供
給時間に対応し、立ち上げ時や、グレード切り替え時、
製造終了時等の非安定時のポリマー製造時間は含まな
い。 (2)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、供
給される実際のエステル交換触媒量(以下、単に「実際
の触媒量」という。)が、芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対して、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に
維持されるようにする。上記(1)において、設定触媒
量は、全製造時間を通して必ずしも一定値である必要は
なく、全製造時間を一つ以上に分画して、その単位製造
時間ごとに設定することが可能である。
【0033】以下、この方法について詳しく説明する
と、全製造時間が単一分画の単位製造時間である場合
は、その少なくとも95%の時間は、芳香族ジヒドロキ
シ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.1μモル以
内の値に実際の触媒量を維持する。また、全製造時間が
複数の単位製造時間に分画され、設定触媒量が変更され
る場合には、各単位製造時間の少なくとも95%の時間
は、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に、実際の触
媒量を維持する。いずれの場合も、設定触媒量±0.0
8μモル以内に維持することが好ましく、設定触媒量±
0.06μモル以内に維持することが特に好ましい。さ
らに、実際の触媒量が、制御された値に維持される時間
の割合は、全製造時間又は各単位製造時間の少なくとも
95%であれば良いが、100%に近いほどより好まし
い。95%より少ない時間になると、所望の分子量、末
端OH基含有量のポリマーが得られなくなり、特に設定
触媒量より多い時間の割合が多い場合は、得られるポリ
マー色相が悪化したり、またポリマーの分岐化が進む等
して、結果的に本発明で規定する関係式を満足するもの
が得られなくなり、該ポリマーを成形する時の流動性も
低下する傾向がある。なお、重合温度、重合時間、減圧
度等の重合反応時の製造条件を変えても、本発明のポリ
カーボネートを製造することが可能であるが、安定的な
生産が困難になるので好ましくない。実際の触媒量を、
設定触媒量±0.1μモルと極めて小さな変動範囲以内
に維持して、供給を続けることにより初めて、煩雑な重
合操作を必要とせずに、本発明で規定する特定の関係式
を満足し、狭い分子量分布、色調、流動性、耐熱性、機
械物性等、諸物性に優れたポリマーを安定的に生産でき
るようになることがわかった。
【0034】前記の実際の触媒量を、設定触媒量±0.
1μモル以内の値に維持させるためには、重合槽に供給
する触媒流量を、オーバル流量計、マイクロモーション
式流量計等を用いて、計量、供給することが好ましい。
触媒供給を自動制御するには、例えば、まずコンピュー
タに、継続的に実際の触媒流量の測定値を入力し、前述
した設定触媒量と芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジ
エステルの原料調製槽への供給量より算出された設定触
媒流量とを比較させる。その際、実際の触媒流量の測定
値が、該設定触媒流量と異なる場合、この結果を触媒計
量・供給装置に伝え、バルブの開度等を調節して、実際
の触媒流量と設定触媒流量が一致するように制御する。
ここで、触媒供給の自動制御は、実際の触媒流量の測定
間隔の適正化に十分配慮すれば、継続的な間歇測定に基
づく制御でも、連続的な測定と同様に制御を行うことは
可能であるが、安定した品質の製品を得るには、連続的
な自動測定であることが好ましい。すなわち、連続的に
触媒流量を自動測定できれば、重合槽への触媒供給量を
迅速且つ連続的に制御することが可能となり、その結
果、一定の設定触媒流量に維持され、ポリカーボネート
の粘度平均分子量や末端OH基含有量等のふれが小さ
く、かつ分子量分布が狭くなり、さらに色調、流動性、
耐熱性、機械物性等、諸物性の均一な製品が得られるの
で好ましい。
【0035】ある設定触媒量の単位製造時間中に、実際
の触媒量が、設定触媒量±0.1μモル以内の値に、ど
れ程の時間存在したかは、上記測定手段による測定結果
から容易に判定することができる。連続的測定の場合、
実際の原料モル比と測定時間の関係を示す曲線より、予
め設定した設定触媒量±0.1μモル以内にある累積時
間と、±0.1μモルよりはずれた累積時間とを求める
ことにより、該設定触媒量での単位製造時間の少なくと
も95%の時間は、±0.1μモル以内の値に維持され
ていたかどうかが判定される。連続的測定ではない場合
でも、継続的な測定であれば、これを統計処理する方法
等により判定することができる。本発明に関わるポリカ
ーボネートの重合反応(エステル交換反応)は、一般的
には2以上の重合槽での反応、すなわち2段階以上、通
常3〜7段の多段工程で連続的に実施されることが好ま
しい。具体的な反応条件としては、温度:150〜32
0℃、圧力:常圧〜2Pa、平均滞留時間:5〜150
分の範囲とし、各重合槽においては、反応の進行ととも
に副生するフェノールの排出をより効果的なものとする
ために、上記反応条件内で、段階的により高温、より高
真空に設定する。なお、得られるポリカーボネートの色
相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、
できるだけ短い滞留時間の設定が好ましい。なお、多段
工程で重合槽を複数用いる場合の実際の触媒量の自動制
御は、触媒の供給量を連続的に自動制御することが好ま
しく、その場合は、第1重合槽の滞留時間の1/3以内
に測定及び制御が完了していることが必要である。
【0036】上記エステル交換反応において使用する装
置は、竪型、管型又は塔型、横型のいずれの形式であっ
てもよい。通常、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、
フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー
翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友
重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子
翼((株)日立製作所製)等を具備した1以上の竪型重
合槽に引き続き、円盤型、かご型等の横型一軸タイプの
重合槽やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業
(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)
製)、メガネ翼、格子翼((株)日立製作所製)、又は
メガネ翼とポリマーの送り機能を持たせた、例えばねじ
りやひねり等の入った翼及び/又は傾斜がついている翼
等を組み合わせたもの等を具備した、横型二軸タイプの
重合槽を用いることができる。
【0037】上記方法で製造したポリカーボネート中に
は、通常、原料モノマー、触媒、エステル交換反応で副
生する芳香族ヒドロキシ化合物、ポリカーボネートオリ
ゴマー等の低分子量化合物が残存している。なかでも、
原料モノマーと芳香族ヒドロキシ化合物は、残留量が多
く、耐熱老化性、耐加水分解性等の物性に悪影響を与え
るので、製品化に際して除去されることが好ましい。そ
れらを除去する方法は、特に制限はなく、例えば、ベン
ト式の押出機により連続的に脱揮してもよい。その際、
樹脂中に残留している塩基性エステル交換触媒を、あら
かじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させて
おくことにより、脱揮中の副反応を抑え、効率よく原料
モノマー及び芳香族ヒドロキシ化合物を除去することが
できる。
【0038】添加する酸性化合物又はその前駆体には特
に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交
換触媒を中和する効果のあるものであれば、いずれも使
用できる。具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜
硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、ア
ジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライ
ン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、ク
エン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケ
イ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トル
エンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、
フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスル
フィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸
等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられ
る。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組
み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はそ
の前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化
合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が
特に好ましい。これらの酸性化合物又はその前駆体の添
加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒
の中和量に対して、0.1〜50倍モル、好ましくは
0.5〜30倍モルの範囲で添加する。酸性化合物又は
その前駆体を添加する時期としては、重縮合反応後であ
れば、いつでもよく、添加方法にも特別な制限はなく、
酸性化合物又はその前駆体の性状や所望の条件に応じ
て、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する
方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用す
る方法等のいずれの方法でもよい。
【0039】脱揮に用いられる押出機は、単軸でも二軸
でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸
押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよ
い。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部
を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通
常は2段から10段の多段ベントが用いられる。また、
該押出機では、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、
離型剤、着色剤等の添加剤を添加し、樹脂と混練するこ
ともできる。このような芳香族ポリカーボネート樹脂の
製造方法については、限定されるものでは無く、ホスゲ
ン法(界面重合法)あるいは、溶融法(エステル交換
法)等で製造することができる。さらに、溶融法で製造
された、末端基のOH基量を調整した芳香族ポリカーボ
ネート樹脂を使用することができる。
【0040】本発明で用いる(b)縮合型リン酸エステ
ルは、前記一般式(I)で示される。前記一般式(I)
において、R1〜R4で示される有機基とは、置換されて
いてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基
などである。これらの基の置換基としては、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ア
リールチオ基などが挙げられる。さらに、これらの置換
基を組み合わせた基であるアリールアルコキシアルキル
基など、またはこれらの置換基を酸素原子、窒素原子、
イオウ原子、アルキレン基、アルキリデン基などにより
結合して組み合わせたアリールオキシアリール基、アリ
ールスルホニルアリール基、アリールアルキレンアリー
ル基などが挙げられる。なお、本発明に使用される樹脂
組成物は、可及的にハロゲンフリーであることが好まし
いので、ハロゲン原子を含有する基は置換基として不適
である。R1〜R4として特に好ましくは、アリール基、
炭素数1〜10のアルキル基で置換されたアリール基等
である。また、式(I)において、Xで示される2価以
上の有機基とは、上記した有機基から、炭素原子に結合
している水素原子の1個以上を除いてできる2価以上の
基を意味する。たとえば、置換基を有していても良いア
ルキレン基、アリーレン基、多核フェノール類であるフ
ェニルアルキレン(又はアルキリデン)フェニル基(ビ
スフェノール類)から誘導される2価の基等が挙げられ
る。Xとして好ましくは、例えば、ビスフェノールA、
ヒドロキノン、レゾルシノール、ジフエニルメタン、ジ
ヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン等から
誘導される2価の基が挙げられる。qは1以上の整数で
あり、好ましくは1〜5である。rは1以上の整数であ
り、好ましくは1〜5である。なお、(b)成分はrの
異なる数種の縮合型リン酸エステルの混合物であっても
良い。
【0041】具体的には、ビスフェノールAビスホスフ
ェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビ
スホスフェート、レゾルシノール−ジフェニルホスフェ
ート、あるいはこれらの置換体、縮合体などを例示でき
る。また、例えば、大八化学工業(株)より、「CR7
33S」(レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェー
ト))、「CR741」(ビスフェノールAビス(ジフ
ェニルホスフェート))、旭電化工業(株)より「FP
500」(レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェ
ート))といった商品名で販売されており、容易に入手
可能な市販品を使用することができる。一般式(I)で
表される縮合型燐酸エステルの配合量は、芳香族ポリカ
ーボネート100重量部に対し、0.5〜40重量部で
ある。縮合型燐酸エステルの添加量が0.5重量部未満
であると難燃性が不十分であり、40重量部を越えると
機械的物性が低下しやすい。縮合型燐酸エステルの配合
量は、芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、好
ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜25重
量部である。
【0042】本発明に使用される(c)ポリフルオロエ
チレンとしては、例えばフィブリル形成能を有するポリ
テトラフルオロエチレンが挙げられ、重合体中に容易に
分散し、且つ重合体同士を結合して繊維状材料を作る傾
向を示すものである。フィブリル形成能を有するポリテ
トラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類
される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロ
エチレンとしては、例えば、三井・デュポンフロロケミ
カル(株)より、テフロン(R)6Jまたはテフロン
(R)30Jとして、あるいはダイキン工業(株)より
ポリフロンとして市販されている。ポリフルオロエチレ
ンの配合量は、芳香族ポリカーボネート100重量部に
対し、0.01〜3重量部である。ポリフルオロエチレ
ンが0.01重量部未満であると難燃性が不十分であ
り、3重量部を越えると成形品外観や流動性の低下が起
こりやすい。ポリフルオロエチレンの配合量は、芳香族
ポリカーボネート100重量部に対し、好ましくは、
0.02〜2重量部であり、さらに好ましくは0.05
〜1.5重量部である。
【0043】本発明に使用される(d)耐衝撃性改良剤
としては、アクリル系ゴム、スチレン/水添ブタジエン
/スチレンブロック共重合体、スチレン/水添イソプレ
ン/スチレンブロック共重合体、AES樹脂、AAS樹
脂、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体、
ポリイソプレン等が挙げられ、好ましくは、アクリル系
ゴム、スチレン/水添ブタジエン/スチレンブロック共
重合体、スチレン/水添イソプレン/スチレンブロック
共重合体、AES樹脂、AAS樹脂等が挙げられ、より
好ましくは、アクリル系ゴムなどが挙げられる。
【0044】特に好ましいアクリル系ゴムとしては、例
えば、アルキル(メタ)アクリレート系重合体を含む多
層構造重合体等が挙げらる。アルキル(メタ)アクリレ
ート系重合体におけるアルキル基の炭素数は1〜8程度
である。原料モノマーとしては例えば、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチルヘキシル等及
び、これらに対応するメタクリレートが挙げられる。ア
ルキル(メタ)アクリレート系重合体には、2以上のエ
チレン性不飽和基を有する単量体等の架橋剤が用いられ
ていてもよく、架橋剤としては、例えば、アルキレンジ
オール、ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メ
タ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベン
ゼン、シアヌル酸トリアリル、(メタ)アクリル酸アリ
ル等が挙げられる。
【0045】アルキル(メタ)アクリレート系重合体を
含む多層構造重合体としては、飽和あるいは不飽和のゴ
ム成分からなるコアとアルキル(メタ)アクリレートか
らなるシェルとからなる多層構造重合体等が挙げらる。
飽和あるいは不飽和のゴム成分としては、例えば、アル
キルアクリレート、ブタジエン、ブタジエン/スチレン
共重合体、ポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル基の
炭素数が1〜8程度のアルキル(メタ)アクリレートが
挙げられる。(d)耐衝撃性改良剤の配合量は、芳香族
ポリカーボネート100重量部に対し、0.5〜30重
量部である。耐衝撃性改良剤が0.5重量部未満である
と耐衝撃性が不十分であり、30重量部を越えると成形
品の外観や流動性の低下が起こりやすい。耐衝撃性改良
剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート100重量部に
対し、好ましくは、1〜25重量部であり、さらに好ま
しくは2〜20重量部である。
【0046】以上の他、本発明に使用されるポリカーボ
ネート樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤等の
安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、その他難燃
剤、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、ガラス繊維、炭
素繊維等の繊維状強化材、マイカ、タルク、ガラスフレ
ーク等の板状強化材あるいはチタン酸カリウム、ホウ酸
アルミニウム等のウィスカーを添加配合することができ
る。本発明に使用されるポリカーボネート樹脂組成物に
おいては、その特性を損なわない範囲で、スチレン系樹
脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフ
タレートのようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を配合することが
できる。こうした熱可塑性樹脂の配合量は、好ましくは
(a)〜(d)成分からなる本発明樹脂組成物の40重
量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0047】本発明に関わるポリカーボネート樹脂組成
物の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、
(a)のポリカーボネートを製造する重合反応の途中ま
たは重合反応終了時にポリカーボネート以外の成分を混
合する方法、混練途中等の樹脂が溶融した状態で添加す
る方法、ペレット等の固体状態のポリカーボネートにポ
リカーボネート以外の成分をブレンド後、押出機等で混
練する方法等が挙げられる。例えば、ポリカーボネート
の重合反応終了直後に縮合燐酸エステル、ポリテトラフ
ルオロエチレン、耐衝撃性改良剤、及び必要に応じて添
加される紫外線吸収剤等を一括溶融混練する方法、固体
状態のポリカーボネートとその他の成分をブレンド後、
押出機で溶融・混練する方法などが挙げられる。
【0048】本発明のポリカーボネート樹脂組成物に配
合される(b)縮合型リン酸エステルは、ポリマーの非
ハロゲン系難燃剤として知られる化合物であり、本発明
の樹脂組成物において配合される成分は、それぞれ非塩
素、非臭素であることから、環境問題、成形機や金型の
腐食問題の畏れのない好ましい材料である。又、(a)
〜(d)の成分を含む樹脂組成物は、耐衝撃性、薄肉流
動性、溶融熱安定性にも優れているので、電池パックの
成形材料として好適である。本発明組成物を用いて、ポ
リカーボネート樹脂組成物から電池パックを成形するに
当たり、射出成形、押し出し成形、真空成形等の種々の
公知の成形方法を用いることができる。これらの中でも
射出成形がもっとも好ましく、特に近年の薄肉化に対応
する目的から、1,000mm/sec以上の射出速度
を有する射出成形機を用いることが最も好ましい。本発
明の対象とする電池パックは、携帯電話やノートパソコ
ンに代表されるOA機器、携帯端末に付属の電池を包み
込む部品のことである。これら電池パックは、近年薄肉
化が著しく、成形性と衝撃強度の両立が困難になってき
ているが、本発明においては平均肉厚が0.5mm以下
の電池パックにおいて効果が顕著であり、平均肉厚が
0.3mm以下の電池パックにおいてとりわけ効果が顕
著である。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、ポリカーボネート
の物性分析は、下記(1)〜(4)の測定方法により行
った。 (1)粘度平均分子量(Mv);ウベローデ粘度計を用
いて、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定
し、以下の式より粘度平均分子量(Mv)を求めた。
【0050】
【数4】 [η]=1.23×10-4×(Mv)0.83
【0051】(2)末端OH基含有量;四塩化チタン/
酢酸法(Makromol.Chem.88 215
(1965)に記載の方法)により比色定量を行った。
測定値は、ポリカーボネート重量に対する末端OH基の
重量をppm単位で表示した。 (3)分子量分布(Mw/Mn) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
より測定した。測定装置には、HLC−8020(東ソ
ー(株)製)を、溶離液にはテトラヒドロフランを使用
し、ポリスチレン換算で求め、Mw/Mnを算出した。
【0052】(4)動的粘弾性;動的粘弾性は以下の様
に測定した。サンプルのポリカーボネートを120℃で
5時間乾燥し、250℃で直径25mm、厚み1.5m
mの形状にプレス成形し、測定用サンプルを得た。サン
プルは測定前に120℃、4時間の減圧乾燥を行い、測
定に供した。粘弾性測定器RDA−700(レオメトリ
ックス(株)製)を使用し、直径25mmのパラレルプ
レート型の治具を装着し、本機器の適正条件を満足する
窒素気流中、測定温度である250℃に設定した。測定
温度はオーブン内の温度を測定することにより設定し
た。その後乾燥した測定用サンプルを機器にセットし、
サンプル全体が十分に設定温度となる様に静置の後、角
速度10rad/s、歪み10%の回転をすることで測
定した。この測定により損失正接Tanδ及び複素粘性
率η*(Pa・s)を求めた。
【0053】ポリカーボネートの製造例1 本発明のポリカーボネートを製造する方法の一実施態様
のフローシートである図1を用いて説明する。図1中、
1はDPC(ジフェニルカーボネート)貯槽、2は撹拌
翼、3はBPA(ビスフェノールA)ホッパー、4a,
bは原料混合槽、5はDPC流量制御弁、6はBPA流
量制御弁、7はポンプ、8は触媒流量制御弁、9はプロ
グラム制御装置、10はポンプ、11は触媒貯槽であ
る。図中、12は副生物排出管、13a,b,cは竪型
重合槽、14はマックスブレンド翼、15は横型重合
槽、16は格子翼を示す。窒素ガス雰囲気下120℃で
調製されたジフェニルカーボネート(DPC)融液、及
び、窒素ガス雰囲気下計量されたビスフェノールA(B
PA)粉末を、それぞれ、DPC貯槽(1)から20
5.0モル/h、及びBPAホッパー(3)から19
7.1モル/h(原料モル比1.040)の送量となる
ように、マイクロモーション式流量計及びロスインウェ
イト方式の重量フィーダーで計量し、窒素雰囲気下14
0℃に調整された原料混合槽(4a)に連続的に供給し
た。続いて、原料混合液を原料混合槽(4b)に、さら
にポンプ(7)を介して容量100Lの第1竪型撹拌重
合槽(13a)に連続的に供給した。一方、上記混合物
の供給開始と同時に、触媒として2重量%の炭酸セシウ
ム水溶液を、触媒導入管を介して、1.6mL/h(設
定触媒量:ビスフェノールA1モルに対し、0.51μ
モル)の流量で連続供給を開始した。
【0054】このとき、実際の触媒流量制御は、プログ
ラム制御装置(9)で、BPA流量制御弁(6)で検知
したBPA流量と設定触媒量より、設定触媒流量を計算
して、この値と触媒流量制御弁(8)に設けられた測定
装置で実測された触媒流量とが一致するように触媒流量
制御弁(8)の開度をコントロールすることによって遂
行された。マックスブレンド翼(14)を具備した第1
竪型撹拌重合槽(13a)は、常圧、窒素雰囲気下、2
20℃に制御し、さらに平均滞留時間が60分になるよ
うに、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ
開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。槽底よ
り排出された重合液は、引き続き、第2、第3のマック
スブレンド翼を具備した容量100Lの竪型撹拌重合槽
(13b、13c)、及び第4の格子翼(16)を具備
した容量150Lの横型重合槽(15)に逐次連続供給
された。第2〜第4重合槽での反応条件は、それぞれ、
下記のように、反応の進行とともに高温、高真空、低撹
拌速度となるように条件設定した。
【0055】
【表1】
【0056】反応の間は、第2〜第4重合槽の平均滞留
時間が60分となるように、液面レベルの制御を行い、
また、各重合槽においては、副生したフェノールを副生
物排出管(12)より除去した。以上の条件下で、15
00時間連続して運転した。なお、第4重合槽底部のポ
リマー排出口から抜き出されたポリカーボネートは、溶
融状態のまま、3段ベント口を具備した2軸押出機に導
入され、p−トルエンスルホン酸ブチルをポリカーボネ
ートの重量に対し、4.0ppm(触媒の中和量に対
し、4.4倍モル)添加し、水添、脱揮した後、ペレッ
ト化した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量
(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、21,5
00及び500ppmであった。また、触媒流量制御弁
(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量の連
続測定データ(以下、「触媒流量制御弁の連続測定デー
タ」と略称する。)より、芳香族ジヒドロキシ化合物1
モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±
0.1μモル以内の時間を算出したところ、それぞれ全
製造時間の96.7%及び99.1%であった。分子量
分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0. 87の値は、そ
れぞれ、2.3及び4,850であった。これをPC−
1と表す。
【0057】ポリカーボネートの比較製造例1 製造例1において、プログラム制御装置を設置せず、触
媒流量を1.6mL/h(設定触媒量:ビスフェノール
A1モルに対し、0.5μモル)に固定した以外は、実
施例2と同様にして実施した。得られたポリカーボネー
トの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、
それぞれ、22,400及び500ppmであった。ま
た、触媒流量制御弁の連続測定データより、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06
μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したと
ころ、全製造時間の89.9%及び91.7%であっ
た。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87
値は、それぞれ、2.7及び2,240であった。これ
をPC−2と表す。
【0058】ポリカーボネートの比較製造例2 ビスフェノールAとホスゲンを界面法により重縮合さ
せ、フェノールで末端封止した。得られたポリカーボネ
ートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量
は、それぞれ、22,100及び30ppmであった。
分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値
は、それぞれ、2.3及び7,550であった。これを
PC−3と表す。樹脂組成物の製造例および比較製造例
において用いたPC−1〜3以外の原材料は次の1)〜
5)ものを用いた。
【0059】1)縮合型燐酸エステル:レゾルシノール
ビス(ジキシレニルホスフェート)、FP500、旭電
化(株)製。 2)モノマー型リン酸エステル:トリフェニルホスフェ
ート、大八化学(株)製、商品名:TPP。 3)ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記
す。):ポリフロンF−201L、ダイキン(株)製。 4)耐衝撃性改良剤−1:ポリブタジエンコア/ポリメ
チルメタアクリレートシェルの多層構造重合体、EXL
2603、呉羽化学工業(株)製。 5)耐衝撃性改良剤−2:ポリブチルアクリレートコア
/ポリメチルメタアクリレートシェルの多層構造重合
体、EXL2315、呉羽化学工業(株)製。
【0060】実施例1〜3、比較例1〜3 表−1に示す割合で各成分を配合し、タンブラーにて2
0分混合後、シリンダー温度270℃に設定したスクリ
ュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所製TEX3
0)にて、主供給口から混合した樹脂成分を供給し、溶
融混練してペレット化した。得られたペレットを100
℃で4時間予備乾燥した後、住友重機械工業製、サイキ
ャップM−2、型締め力75Tを用いて、 樹脂温度:
300℃,金型温度:80℃の条件で成形品を成形し、
下記の方法で樹脂組成物の性能評価を実施した。更に、
下記により電池パックを成形し、評価した。結果を表−
1に示した。
【0061】樹脂組成物の性能評価 1)流動性:住友重機械工業製、サイキャップM−2、
型締め力75Tを用いて、 樹脂温度:320℃,金型
温度:80℃,射出圧力:147MPaの条件で金型:
20mm幅×0.5mm厚みのスパイラル型を成形し、
流動長を測定した。 2)燃焼性:0.8mm厚み、及び0.4mm厚みのU
L規格の試験片により垂直燃焼試験を行い、UL規格
(UL−94)に準拠して評価した。 3)モールドデポジット性:日精樹脂工業製、型締め力
40Tの射出成形機を用いて、シリンダー温度300
℃、金型温度80℃の条件で、直径60mm、肉厚0.
5mmの円板を500ショット連続成形を行い、成形後
の金型付着物を目視により次のように評価した。 ○:金型の付着物が非常に少ない。 △:金型の付着物が多い。 ×:金型の付着物が非常に多い。 4)衝撃強度:ISO179に準じてノッチ付きシャル
ピー衝撃試験を行った。
【0062】電池パックの評価 上記ペレットを、日精樹脂工業製、射出速度:1,50
0mm/sec、型締め力80Tを用いて、樹脂温度:
320℃,金型温度:90℃、成形サイクル:30se
cの条件で携帯電話の電池パック(35mm×35m
m,平均肉厚:0.3mm)を成形した。得られた電池
パックを目視にて観察し、充填の程度を以下の様に評価
した。 :製品全体がきちんと充填されている。 △:流動末端部に未充填部が残っている。 ×:未充填部が多い。 次に、得られた電池パックを中心から二つ折りにし(二
つ折り試験)、割れの有無を評価した。
【0063】電池パックの評価:滞留試験 日精樹脂工業製、射出速度:1,500mm/sec、
型締め力80Tを用いて、 樹脂温度:320℃,金型
温度:80℃、成形サイクル:180secの条件で携
帯電話の電池パックを成形した。得られた電池パックを
中心から二つ折りにし、割れの有無を評価した。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明の電池パックは、ハロゲン系難燃
剤を使用せずに高度に難燃化(0.8mm厚でV−0、
0.4mm厚でもV−2)され、かつ、耐衝撃性、薄肉
流動性、溶融熱安定性にも優れ、モールドデポジットの
発生しない樹脂組成物から成形されているので、環境へ
の負荷が小さく、薄肉・軽量で耐衝撃性に優れ、特に携
帯用電気・電子・OA機器用の電池に使用され、その利
用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わるポリカーボネートの製造方法
の1例を示したフローシートである。
【符号の説明】
1.DPC貯槽 2.撹拌翼 3.BPAホッパー 4
a,b.原料混合槽5.DPC流量制御弁 6.BPA
流量制御弁 7.ポンプ 8.触媒流量制御弁 9.プログラム制御装置 10.ポンプ 11.触媒貯
槽 12.副生物排出管 13a,b,c.竪型重合槽 14.マックスブレンド
翼 15.横型重合槽 16.格子翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 53:00 C08L 27:18 27:18) (72)発明者 倉沢 義博 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 (72)発明者 中島 大士 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三 菱エンジニアリングプラスチックス株式会 社技術センター内 Fターム(参考) 4F071 AA06 AA33 AA33X AA50 AA77 AA81 AA88 AB05 AB25 AF43 AH04 AH05 AH12 AH16 BA01 BB06 BC01 BC07 BC12 4J002 AC032 AC062 AC082 BD153 BN062 BN122 BP012 CG011 CG021 CQ014 EW046 GG01 GG02 GQ00 5H040 AA00 AA01 AY08 LL06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)溶融法で得られるポリカーボネート
    であって、温度250℃、角速度10rad/sの条件
    で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)
    が、下記関係式(1)を満たすポリカーボネート100
    重量部に、 【数1】 2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000……(1) (b)下記一般式(I)で表される縮合型燐酸エステル
    0.5〜40重量部、 【化1】 (式(I)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立
    して、水素原子または有機基を表し、Xは2価以上の有
    機基を表す。但し、R1、R2、R3及びR4が同時に水素
    原子であることはない。qは1以上の整数であり、rは
    1以上の整数を表す。)、(c)ポリフルオロエチレン
    0.01〜3重量部、及び(d)耐衝撃改良剤0.5〜
    30重量部を配合したポリカーボネート樹脂組成物を成
    形してなる電池パック。
  2. 【請求項2】(d)耐衝撃改良剤が、(メタ)アルキル
    アクリレート系重合体を含む多層構造重合体であること
    を特徴とする請求項1の電池パック
  3. 【請求項3】(a)ポリカーボネートの粘度平均分子量
    が16,000〜30,000であることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の電池パック。
  4. 【請求項4】(a)ポリカーボネートの末端水酸基量が
    50〜1000ppmであることを特徴とする請求項1
    〜3の何れかに記載の電池パック。
  5. 【請求項5】平均肉厚が0.5mm以下であることを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電池パック。
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