JP4721591B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート性樹脂組成物に関し、更に詳しくは、機械的強度、透明性、耐熱性および帯電防止性に優れ、ゲート近傍のフローマークや層状剥離がなく成形外観に優れた帯電防止性ポリカーボネート樹脂組成物及び帯電防止性成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートは、機械的強度、耐熱性、透明性等に優れた樹脂として、OA・事務機器等の各種機械部品、電気部品等の分野で幅広く用いられている。しかし、ポリカーボネートは表面固有抵抗が高いので、接触や摩擦等で発生した静電気が消滅し難く、成形品表面へゴミや塵が付着して外観を損ない、さらに、人体への電撃による不快感、ノイズの発生や機器の誤作動等の問題がある。
【0003】
従来、ポリカーボネートの帯電防止方法として導電性カーボンブラックやカーボンファイバーの配合が知られているが、この方法では黒色不透明になり、用途が制限される。黒色以外の着色用途にはアルカリ金属やアルカリ土類金属のスルホン酸化合物等の帯電防止剤が使用されるが、白色不透明になり、しかもポリカーボネートの分解が生じやすく、機械的強度を損なうという問題点があった。さらに、スルホン酸のアミン塩と燐酸エステルを配合する方法、スルホン酸のアミン塩と金属塩とホスファイト系酸化防止剤を配合する方法等が提案され、透明性の改善はある程度はなされるものの、成形品のゲート近傍での層状剥離及びフローマークの発生や機械的強度が低下するということは解決されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的強度、透明性、耐熱性および帯電防止性に優れ、ゲート近傍のフローマークや層状剥離がなく成形外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、溶融法で得られるポリカーボネートであって、特定の溶融粘弾性を有するポリカーボネートにスルホネート化合物を配合することにより、ポリカーボネートの透明性を損なうことなく、成形品のゲート近傍での層状剥離及びフローマークの発生がなく、機械的強度や耐熱性に優れ、且つ帯電防止性にも優れるポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
すなわち、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、溶融法により製造されたポリカーボネートであって、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が下記関係式(1)を満たすポリカーボネート(A)100重量部に、有機スルホネートアニオンと有機ホスホニウムカチオンとから構成されるスルホネート化合物(B)0.1〜20重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物に存する。
【0007】
【数2】
2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 (1)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、溶融法により製造されるものである。
【0009】
芳香族ジヒドロキシ化合物:本発明方法の原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記式(2)で示される化合物である。
【0010】
【化3】
Figure 0004721591
【0011】
(式(3)中、Aは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基、又は、−O−、−S−、−CO−若しくは−SO2−で示される2価の基であり、X及びYは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、p及びqは、0又は1の整数である。なお、XとY及びpとqは、それぞれ、同一でも相互に異なるものでもよい。)
【0012】
代表的な芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」とも言い、「BPA」と略記することもある。)が好ましい。
【0013】
炭酸ジエステル:原料の他の一つである炭酸ジエステルは、下記式(3)で示される化合物である。
【0014】
【化4】
Figure 0004721591
【0015】
(式(4)中、A’は、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基であり、2つのA’は、同一でも相互に異なるものでもよい。)
【0016】
代表的な炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記することもある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
【0017】
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0018】
これら炭酸ジエステル(上記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸のエステルを含む。以下同じ。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常、過剰に用いられる。すなわち、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.001〜1.3、好ましくは1.01〜1.2の範囲内のモル比で用いられる。モル比が1.001より小さくなると、製造されたポリカーボネートの末端OH基が増加して、熱安定性、耐加水分解性が悪化し、また、モル比が1.3より大きくなると、ポリカーボネートの末端OH基は減少するが、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望の分子量のポリカーボネートの製造が困難となる傾向がある。本発明においては、末端OH基含有量が50〜1000ppmの範囲内に調整したポリカーボネートを使用するのが良い。
【0019】
原料混合槽への原料の供給方法としては、液体状態の方が計量精度を高く維持し易いため、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルのうち、一方又は両方を、溶融させて液体状態で供給することが好ましい。液体状態で原料を供給する場合には、計量装置としては、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いることができる。
【0020】
一方、固体状態で原料を供給する場合には、スクリュー式フィーダーのような容量を計量するものよりも、重量を計量するものを用いるのが好ましく、べルト式、ロスインウェイト式等の重量フィーダーを用いることができるが、ロスインウェイト方式が特に好ましい。
【0021】
エステル交換触媒:溶融法によりポリカーボネートを製造する際には、通常、触媒が使用される。本発明のポリカーボネート製造方法においては、触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。これらは、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0022】
触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して0.05〜5μモル、好ましくは0.08〜4μモル、さらに好ましくは0.1〜2μモルの範囲内で用いられる。触媒の使用量が上記量より少なければ、所望の分子量のポリカーボネートを製造するのに必要な重合活性が得られず、この量より多い場合は、ポリマー色相が悪化し、またポリマーの分岐化も進み、成型時の流動性が低下する傾向がある。
【0023】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ金属化合物等がある。これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、具体的に最も好ましいセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムである。
【0024】
また、アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ土類金属化合物等がある。
【0025】
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩又はストロンチウム塩等が挙げられる。
【0026】
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−i−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又は、これらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0027】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
【0028】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン,4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。これらの触媒のうち、実用的にはアルカリ金属化合物が望ましい。
【0029】
本発明においては、上記エステル交換触媒は、溶媒に溶解した触媒溶液の形態で用いられる。溶媒としては、例えば、水、アセトン、アルコール、トルエン、フェノールの他、原料芳香族ジヒドロキシ化合物や炭酸ジエステル等を溶解する溶媒が挙げられる。これらの溶媒のなかでは水が好ましく、特にアルカリ金属化合物を触媒とする場合には、水溶液とすることが好適である。
【0030】
本発明におけるポリカーボネートは、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式(1)を満たすことが必要で、好ましくは下記関係式(2)の範囲であり、さらに好ましくは下記関係式(3)の範囲である。本発明において、該Tanδ/η*-0.87の値は、ポリカーボネートの溶融粘弾性を示すパラメーターとして使用した。ポリカーボネートのTanδ/η*-0.87の値が2500より小さくても6000より大きくてもスルホネート化合物との相溶性が低下し、ゲート近傍での層状剥離及びフローマークの発生や衝撃強度の低下を招くので好ましくない。
【0031】
【数3】
2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 (1)
2800≦Tanδ/η*-0.87≦5500 (2)
3000≦Tanδ/η*-0.87≦5000 (3)
【0032】
損失角δは、動的溶融粘弾性の測定から求められる、応力に対するひずみの位相の遅れを表し、動的粘弾性挙動を表す指標のひとつとして一般的に知られている。δ(Tanδ)は、その値が大きい場合は粘弾性の粘性的な性質が強いことを示し、小さい場合は弾性的な性質が強いことを示している。この値を決定する要因は複雑であり、例えば、共重合を含む単量体の種類、共重合組成、共重合の構造、分岐点の数や分岐鎖の長さ等の分岐構造等を含む分子構造、分子量、分子量分布等が挙げられる。
【0033】
界面法により製造されたポリカーボネートにスルホネート化合物を配合した場合、ゲート近傍でフロマークや層状剥離が発生し、さらには、引張り破断伸びや衝撃強度等の機械的強度が低下しやすい。このような界面法により製造されたポリカーボネートは、δ(Tanδ)の値を、分子量等の指標である複素粘性率(η*(Pa・s))に対する、対数座標にプロットすると、Tanδ/η*-0.87=約8000の直線上にほぼ並ぶことがわかった。(ここで、η*の指数である−0.87は、上記直線の傾きを表し、Tanδ/η*-0.87は、上記直線をη*=1(Pa・s)に外挿したときのTanδの値を表す。すなわち、Tanδ/η*-0.87の値をパラメータに用いることで損失角の分子量(粘度)依存性を排除することが可能となる。)
一方、溶融法により製造されたポリカーボネートは一般にこの直線上には乗らず、Tanδ/η*-0.87<2500の溶融法ポリカーボネートでは衝撃強度が低下する。
【0034】
本発明に関わるポリカーボネートに特定のスルホネート化合物を配合した帯電防止性樹脂組成物の場合、ポリカーボネートの透明性や機械的強度を損なうことなく、ゲート近傍の層状剥離やフローマークが改良される機構は定かではないが、上記の特性発現に好適なモルホロジーが得られるためと考えられる。
【0035】
なお、本発明においては、ポリカーボネートに紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等の各種添加剤を配合することもでき、ポリカーボネートの製造途中、又はペレット製造の前にこれらの添加剤を添加する場合もあり、一般にそれらの添加剤を含んだものを「ポリカーボネート」と称する場合があるが、本発明で規定する上記関係式の値は、これらの添加剤を全く含まないポリカーボネートについて求められるものである。
【0036】
ポリカーボネートの粘度平均分子量は、好ましくは12,000〜30,000であり、より好ましくは14,000〜28,000であり、最も好ましくは16,000〜26,000である。ポリカーボネートの粘度平均分子量が低くすぎると機械的強度に劣り、大きすぎると流動性が低下する。
【0037】
ポリカーボネートの製造方法:本発明において、ポリカーボネートの製造方法は、溶融法であって、上記特定の物性を有するポリカーボネートが得られる方法であれば、特に限定されないが、例えば、以下のような方法で製造できる。
【0038】
すなわち、通常、原料混合槽等で両原料を、均一に撹拌した後、触媒を添加して重合を行い、ポリマーが生産される。例えば、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステルの両原料を、原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物とエステル交換触媒を重合槽に連続的に供給することが好ましい。その際、本発明の上記特定の物性のポリマーを安定して生産するためには、例えば、少なくとも以下の(1)及び(2)の両条件を満足する方法が採用される。
(1)全製造時間を一つ以上に分画した単位製造時間ごとに、重合槽に供給される芳香族ジヒドロキシ化合物または炭酸ジエステル1モルに対しての触媒量を一定に保つための目標触媒供給量である「設定触媒量」を、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05〜5μモルの範囲内から選択する。なお、「全製造時間」とは、重合槽においてポリマーを安定的に生産する原料供給時間に対応し、立ち上げ時や、グレード切り替え時、製造終了時等の非安定時のポリマー製造時間は含まない。
(2)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、供給される実際のエステル交換触媒量(以下、単に「実際の触媒量」という。)が、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持されるようにする。
【0039】
上記(1)において、設定触媒量は、全製造時間を通して必ずしも一定値である必要はなく、全製造時間を一つ以上に分画して、その単位製造時間ごとに設定することが可能である。
【0040】
以下、この方法について詳しく説明すると、全製造時間が単一分画の単位製造時間である場合は、その少なくとも95%の時間は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.1μモル以内の値に実際の触媒量を維持する。また、全製造時間が複数の単位製造時間に分画され、設定触媒量が変更される場合には、各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に、実際の触媒量を維持する。いずれの場合も、設定触媒量±0.08μモル以内に維持することが好ましく、設定触媒量±0.06μモル以内に維持することが特に好ましい。さらに、実際の触媒量が、制御された値に維持される時間の割合は、全製造時間又は各単位製造時間の少なくとも95%であれば良いが、100%に近いほどより好ましい。95%より少ない時間になると、所望の分子量、末端OH基含有量のポリマーが得られなくなり、特に設定触媒量より多い時間の割合が多い場合は、得られるポリマー色相が悪化したり、またポリマーの分岐化が進む等して、結果的に本発明で規定する関係式を満足するものが得られなくなり、該ポリマーを成型する時の流動性も低下する傾向がある。なお、重合温度、重合時間、減圧度等の重合反応時の製造条件を変えても、本発明のポリカーボネートを製造することが可能であるが、安定的な生産が困難になるので好ましくない。実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモルと極めて小さな変動範囲以内に維持して、供給を続けることにより初めて、煩雑な重合操作を必要とせずに、本発明で規定する特定の関係式を満足し、狭い分子量分布、色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性に優れたポリマーを安定的に生産できるようになることがわかった。
【0041】
前記の実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持させるためには、重合槽に供給する触媒流量を、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いて、計量、供給することが好ましい。
【0042】
触媒供給を自動制御するには、例えば、まずコンピュータに、継続的に実際の触媒流量の測定値を入力し、前述した設定触媒量と芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料調製槽への供給量より算出された設定触媒流量とを比較させる。その際、実際の触媒流量の測定値が、該設定触媒流量と異なる場合、この結果を触媒計量・供給装置に伝え、バルブの開度等を調節して、実際の触媒流量と設定触媒流量が一致するように制御する。
【0043】
ここで、触媒供給の自動制御は、実際の触媒流量の測定間隔の適正化に十分配慮すれば、継続的な間歇測定に基づく制御でも、連続的な測定と同様に制御を行うことは可能であるが、安定した品質の製品を得るには、連続的な自動測定であることが好ましい。すなわち、連続的に触媒流量を自動測定できれば、重合槽への触媒供給量を迅速且つ連続的に制御することが可能となり、その結果、一定の設定触媒流量に維持され、ポリカーボネートの粘度平均分子量や末端OH基含有量等のふれが小さく、かつ分子量分布が狭くなり、さらに色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性の均一な製品が得られるので好ましい。
【0044】
ある設定触媒量の単位製造時間中に、実際の触媒量が、設定触媒量±0.1μモル以内の値に、どれ程の時間存在したかは、上記測定手段による測定結果から容易に判定することができる。連続的測定の場合、実際の原料モル比と測定時間の関係を示す曲線より、予め設定した設定触媒量±0.1μモル以内にある累積時間と、±0.1μモルよりはずれた累積時間とを求めることにより、該設定触媒量での単位製造時間の少なくとも95%の時間は、±0.1μモル以内の値に維持されていたかどうかが判定される。連続的測定ではない場合でも、継続的な測定であれば、これを統計処理する方法等により判定することができる。
【0045】
本発明ではポリカーボネートの重合反応(エステル交換反応)は、一般的には2以上の重合槽での反応、すなわち2段階以上、通常3〜7段の多段工程で連続的に実施されることが好ましい。具体的な反応条件としては、温度:150〜320℃、圧力:常圧〜2.0Pa、平均滞留時間:5〜150分の範囲とし、各重合槽においては、反応の進行とともに副生するフェノールの排出をより効果的なものとするために、上記反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。なお、得られるポリカーボネートの色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、できるだけ短い滞留時間の設定が好ましい。
なお、多段工程で重合槽を複数用いる場合の実際の触媒量の自動制御は、触媒の供給量を連続的に自動制御することが好ましく、その場合は、第1重合槽の滞留時間の1/3以内に測定及び制御が完了していることが必要である。
【0046】
上記エステル交換反応において使用する装置は、竪型、管型又は塔型、横型のいずれの形式であってもよい。通常、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立製作所製)等を具備した1以上の竪型重合槽に引き続き、円盤型、かご型等の横型一軸タイプの重合槽やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、メガネ翼、格子翼((株)日立製作所製)、又はメガネ翼とポリマーの送り機能を持たせた、例えばねじりやひねり等の入った翼及び/又は傾斜がついている翼等を組み合わせたもの等を具備した、横型二軸タイプの重合槽を用いることができる。
【0047】
上記方法で製造したポリカーボネート中には、通常、原料モノマー、触媒、エステル交換反応で副生する芳香族ヒドロキシ化合物、ポリカーボネートオリゴマー等の低分子量化合物が残存している。なかでも、原料モノマーと芳香族ヒドロキシ化合物は、残留量が多く、耐熱老化性、耐加水分解性等の物性に悪影響を与えるので、製品化に際して除去されることが好ましい。
【0048】
それらを除去する方法は、特に制限はなく、例えば、ベント式の押出機により連続的に脱揮してもよい。その際、樹脂中に残留している塩基性エステル交換触媒を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておくことにより、脱揮中の副反応を抑え、効率よく原料モノマー及び芳香族ヒドロキシ化合物を除去することができる。
【0049】
添加する酸性化合物又はその前駆体には特に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交換触媒を中和する効果のあるものであれば、いずれも使用できる。具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はその前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が特に好ましい。
【0050】
これらの酸性化合物又はその前駆体の添加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モルの範囲で添加する。酸性化合物又はその前駆体を添加する時期としては、重縮合反応後であれば、いつでもよく、添加方法にも特別な制限はなく、酸性化合物又はその前駆体の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等のいずれの方法でもよい。
【0051】
脱揮に用いられる押出機は、単軸でも二軸でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通常は2段から10段の多段ベントが用いられる。また、該押出機では、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等の添加剤を添加し、樹脂と混練することもできる。
【0052】
本発明におけるスルホネート化合物(B)は、有機スルホネートアニオンと有機ホスホニウムカチオンとから構成される化合物である。有機スルホネートアニオンと有機ホスホニウムカチオンとから構成されるスルホネート化合物としては、好ましくは、下記一般式(1)で示される。
【0053】
【化5】
Figure 0004721591
【0054】
[但し、R1〜R4は同時に同一若しくは異なる炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、フェニル基又はアラルキル基であり、は1又は2であり、Aはnが1又は2の場合に分けて次の通りである。
n=1の場合、Aは、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、アリール基、炭素数1〜18のアルキル基で置換されたアリール基、アラルキル基、ビフェニル基、炭素数1〜18のアルキル基で置換されたビフェニル基または下記式で示される基である。
【0055】
有機スルホネートアニオンと有機ホスホニーウムカチオンとから構成されるスルホネート化合物における有機スルホネートアニオンの具体例としは、メチルスルホネート、ブチルスルホネート、オクチルスルホネート、ラウリルスルホネート、ミリスチルスルホネート、ヘキサデシルスルホネート、2−エチルヘキシルスルホネート等の脂肪族スルホネート類及びそれらの混合物、p−トシレート、ブチルフェニルスルホネート、ドデシルフェニルスルホネート、オクタデシルフェニルスルホネート、ジブチルフェニルスルホネート、ドデシルビフェニルスルホネート等の置換フェニルスルホネート類、ナフチルスルホネート、ジイソプロピルナフチルスルホネート、ジブチルナフチルスルホネート等の置換あるいは非置換ナフチルスルホネート類等が挙げられ、さらにはドデシルビフェニルエーテルジスルホネート、オクチルフェノキシプロパンスルホネート、ノニルフェノキシブタンスルホネート、ラウロイルオキシプロピルスルホネート、ステアロイルオキシプロピルスルホネートラウリルスルホアセテート、ステアリルスルホアセテート、ジオクチルスルホサクシネートジラウリルスルホサクシネート等の分子内にエーテルやエステル等を有するスルホネート類、末端OHをスルホエチル化、スルホプロピル化、スルホブチル化等したPOE(ポリオキシエチレン、以下同じ)アルキルエーテルやPOEアルキルフェニルエーテルのスルホネート、POEアルキルエーテルスルホアセテート、POEアルキルフェニルエーテルスルホアセテート、ビス(POEアルキルエーテル)スルホサクシネート等の分子鎖中にポリオキシアルキレン基を有するスルホネート等が挙げられる。
【0056】
有機ホスホニウムカチオンの具体例としては、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリエチルメチルホスホニウム、トリブチルメチルホスホニウム、トリブチルエチルホスホニウム、トリオクチルメチルホスホニウム、トリメチルブチルホスホニウム、トリメチルオクチルホスホニウム、トリメチルラウリルホスホニウム、トリメチルステアリルホスホニウム、トリエチルオクチルホスホニウム、トリブチルオクチルホスホニウム等の脂肪族ホスホニウム、トリフェニルメチルホスホニウム、トリフェニルエチルホスホニウム、トリブチルベンドルホスホニウム、等の芳香族ホスホニウムなどが挙げられる。
【0057】
有機スルホネートアニオンと有機ホスホニウムカチオンとから構成されるスルホネート化合物(B)は、例示したような有機スルホネートアニオンと有機ホスホニウムカチオンとの任意の組み合わせにより構成されるものであるが、中でも、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルホネート、アルキルビフェニルエーテルジスルホネートの各ホスホニウム塩が相溶性、耐熱性及び帯電防止性の点で好ましい。
【0058】
有機スルホネートアニオンと有機ホスホニウムカチオンとから構成されるスルホネート化合物(B)の配合量は、ポリカーボネート(A)100重量部に対し、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.2〜15重量部であり、より好ましくは0.3〜10重量部である。スルホネート化合物(B)の配合量が0.1重量部未満であると帯電防止性が不十分であり、20重量部を越えると衝撃強度や透明性が低下し、成形品表面にシルバーが発生しやすい。
【0059】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物においては、前記のポリカーボネート(A)とスルホネート化合物(B)以外に、必要に応じて、亜リン酸エステル(C)、多価アルコールの脂肪酸部分エステル化合物(D)およびスチレン系樹脂(E)からなる群から選ばれた1種以上の化合物を配合することが好ましい。
【0060】
本発明における亜リン酸エステル(C)としては、亜リン酸エステル中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/又は炭素数1〜25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステルであることが好ましい。亜リン酸エステルの具体例としては、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリスノニルフェニルホスファイト、ジノニルフェニルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フッ化ホスファイト、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、モノノニルフェノール及びジノニルフェノールからなる亜リン酸エステル、さらにヒンダードフェノールを有する亜リン酸エステル等を挙げることができる。
【0061】
更に、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトまたは2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
【0062】
亜リン酸エステル(C)の配合量は、ポリカーボネート100重量部に対し、好ましくは0.01〜2重量部であり、より好ましくは0.02〜1重量部であり、最も好ましくは0.03〜0.8重量部である。亜リン酸エステル(C)を配合することで熱安定性が改良されるが、配合量が1重量部を越えると耐加水分解性が低下しやすい。
【0063】
本発明における多価アルコールの脂肪酸部分エステル(D)は、多価アルコールと脂肪酸との部分エステルである。多価アルコールとしては、エチレングリコールやジエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリンやトリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール更にはポリグリセリン等の四価以上のアルコールが挙げられる。多価アルコールの脂肪酸部分エステルの具体例としては、エチレングリコールモノステアレート、ジエチレングリコールモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノステアレート、トリメチロールプロパンモノステアレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート等が挙げられ、中でもグリセリンと炭素数8〜18の脂肪酸部分エステルが好ましい。
【0064】
多価アルコールの脂肪酸部分エステル(D)の配合量は、ポリカーボネート100重量部に対し、好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜8重量部であり、最も好ましくは0.2〜5重量部である。多価アルコールの脂肪酸部分エステルを配合することで帯電防止性が更に改良されるが、10重量部を越えると衝撃強度や透明性が低下し、成形品表面にシルバーが発生しやすい。
【0065】
本発明におけるスチレン系樹脂(E)としては、スチレン単独重合体の他、スチレンにα−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルメタアクリレート、ブタジエン又は無水マレイン酸等をランダム型、ブロック型又はグラフト型に共重合したスチレン系共重合体が挙げられる。スチレン系樹脂(E)の具体例としては、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、AS樹脂、MS樹脂、スチレン・マレイン酸樹脂等が挙げられる。スチレン系樹脂としては、ポリカーボネートの透明性を損なわないようにするため、70重量%以上のスチレン成分を含む樹脂が好ましい。
【0066】
スチレン系樹脂(E)の配合量は、ポリカーボネート100重量部に対し、好ましくは0.2〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜15重量部であり、最も好ましくは1〜10重量部である。スチレン系樹脂を配合することでポリカーボネートと他の配合成分との相溶性が改良されると共に流動性も改良されるが、20重量部を越えると透明性や衝撃強度の低下しやすい。
【0067】
スルホネート化合物、リン化合物、多価アルコールの脂肪酸部分エステル、スチレン系樹脂等の添加剤の添加時期、添加方法としては、例えば、添加時期としては、(1)重合反応の途中、(2)重合反応終了時又は(3)重合に使用した触媒を触媒失活剤で失活後、ペレット化する前、さらにはポリカーボネート等の混練途中等のポリカーボネートが溶融した状態で添加することができるが、ペレット等の固体状態のポリカーボネートとブレンド後、押出機等で混練するも可能である。しかし、(1)重合反応の途中、(2)重合反応終了時又は(3)重合に使用した触媒を触媒失活剤で失活後、ペレット化する前のいずれかに添加することが、これら添加剤の分解を抑制し、樹脂組成物の着色抑制の観点から好ましい。
【0068】
添加方法としては、スルホネート化合物、リン化合物、多価アルコールの脂肪酸部分エステル、スチレン系樹脂等の添加剤を直接ポリカーボネートに混合又は混練することもできるが、適当な溶媒で溶解し、又は少量のポリカーボネート又は他の樹脂等で作成した高濃度のマスターバッチとして添加することもできる。また、これらの化合物を併用して使用する場合は、これらを別々にポリカーボネートに添加しても、同時に添加してもよい。
【0069】
本発明においては、前記ポリカーボネート樹脂組成物に、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、難燃剤、耐衝撃性改良剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤等の添加剤を配合することができる。また、離型剤や摺動性改良剤などを配合することもできる。
【0070】
本発明の帯電防止性成形品は、前記ポリカーボネート樹脂組成物を成形することにより得られる。成形方法としては、射出成形方法や押出成形方法などが挙げられるが、射出成形方法が好ましい。本発明の帯電防止性成形品は、帯電防止性に優れており、電気・電子部品、自動車部品、雑貨部品、各種工業部品等に好適に用いることができる。
【0071】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
【0072】
なお、ポリカーボネート以外の原材料と樹脂組成物試験方法を次に示す。
【原材料】
(1)スルホネート化合物1:ドデシルスルホン酸ホスホニウム、(以下「スルホネート1」と略記することがある。)
(2)スルホネート化合物2:ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム、( 以下「スルホネート2」と略記することがある。)
(3)亜リン酸エステル:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(アデカスタブ2112、旭電化(株)製)
(4)多価アルコールの脂肪酸部分エステル:ジグリセリンモノステアレート、以下「部分エステル」と略記することがある。)
(5)スチレン系樹脂:ポリスチレン
【0073】
【試験方法】
(6)引張り伸び:ASTM D−638 試験片/3.2mm厚
(7)引張り衝撃強度:ASTM D−1822 試験片/1.6mm厚/Lタイプ試験片。
(8)フローマーク観察:ゲート断面1.5×1.5mm、ゲートランド2.0mmで3×50×80mmの試験片を目視観察し、フローマークのないものを○とし、少しフローマークのあるものを△とし、フローマークの目立つものを×として評価した。
【0074】
(9)層状剥離観察:前記(8)の試験片のゲート部に、深さ0.3mmの切り欠きを入れ、切り欠きと反対側に手で折り曲げ、破面の状態を目視観察し、破面に、層状剥離のないものを○とし、少し層状剥離のあるものを△とし、層状剥離の目立つものを×として評価した。
(10)全光線透過率:前記(8)の試験片を用い、ASTM D1003に準じて測定。
(11)表面固有抵抗:前記(8)の試験片を23℃で24時間調湿後、ASTM D257に準じて測定。
【0075】
ポリカーボネート及び帯電防止性樹脂組成物の分析と物性評価の測定は、下記方法により行った。
(12)ポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv):ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子量(Mv)を求めた。
【0076】
【数4】
[η]=1.23×10-4×(Mv)0.83 (4)
【0077】
(13)ポリカーボネートの末端OH基含有量:四塩化チタン/酢酸法(Makromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)により比色定量を行った。測定値は、ポリカーボネート重量に対する末端OH基の重量をppm単位で表示した。
【0078】
(14)ポリカーボネートの分子量分布(Mw/Mn):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定装置には、HLC−8020(東ソー(株)製)を、溶離液にはテトラヒドロフランを使用し、ポリスチレン換算で求め、Mw/Mnを算出した。
【0079】
(15)ポリカーボネートの動的粘弾性:動的粘弾性は以下の様に測定した。サンプルのポリカーボネートを120℃、5時間の乾燥を行い、250℃で直径25mm、厚み1.5mmの形状にプレス成形し、測定用サンプルを得た。サンプルは測定前に120℃、4時間の減圧乾燥を行い、測定に供した。粘弾性測定器RDA−700(レオメトリックス(株)製)を使用し、直径25mmのパラレルプレート型の治具を装着し、本機器の適正条件を満足する窒素気流中、測定温度である250℃に設定した。測定温度はオーブン内の温度を測定することにより設定した。その後乾燥した測定用サンプルを機器にセットし、サンプル全体が十分に設定温度となる様に静置の後、角速度10rad/s、歪み10%の回転をすることで測定した。この測定により損失正接Tanδ及び複素粘性率η*(Pa・s)を求めた。
【0080】
【ポリカーボネート製造例1】
図1に従って、本発明におけるポリカーボネートを製造する方法の一例である実施態様を説明する。図1は、本発明における製造方法の1例を示したフローシート図である。図中、1はDPC(ジフェニルカーボネート)貯槽、2は撹拌翼、3はBPA(ビスフェノールA)ホッパー、4a,bは原料混合槽、5はDPC流量制御弁、6はBPA流量制御弁、7はポンプ、8は触媒流量制御弁、9はプログラム制御装置、10はポンプ、11は触媒貯槽である。図中、12は副生物排出管、13a,b,cは竪型重合槽、14はマックスブレンド翼、15は横型重合槽、16は格子翼である。
【0081】
窒素ガス雰囲気下120℃で調製されたジフェニルカーボネート融液、及び、窒素ガス雰囲気下計量されたビスフェノールA粉末を、それぞれ、DPC貯槽(1)から208.9モル/h、及びBPAホッパー(3)から197.1モル/h(原料モル比1.060)の送量となるように、マイクロモーション式流量計及びロスインウェイト方式の重量フィーダーで計量し、窒素雰囲気下140℃に調整された原料混合槽(4a)に連続的に供給した。続いて、原料混合液を原料混合槽(4b)に、さらにポンプ(7)を介して容量100Lの第1竪型撹拌重合槽(13a)に連続的に供給した。一方、上記混合物の供給開始と同時に、触媒として2重量%の炭酸セシウム水溶液を、触媒導入管を介して、0.96mL/h(設定触媒量:ビスフェノールA1モルに対し、0.3μモル)の流量で連続供給を開始した。
【0082】
このとき、実際の触媒流量制御は,プログラム制御装置(9)で、BPA流量制御弁(6)で検知したBPA流量と設定触媒量より、設定触媒流量を計算して、この値と触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量とが一致するように触媒流量制御弁(8)の開度をコントロールすることによって遂行された。
【0083】
マックスブレンド翼(14)を具備した第1竪型撹拌重合槽(13a)は、常圧、窒素雰囲気下、220℃に制御し、さらに平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
【0084】
槽底より排出された重合液は、引き続き、第2、第3のマックスブレンド翼を具備した容量100Lの竪型撹拌重合槽(13b、13c)、及び第4の格子翼(16)を具備した容量150Lの横型重合槽(15)に逐次連続供給された。
【0085】
第2〜第4重合槽での反応条件は、それぞれ、下記のように、反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速度となるように条件設定した。
【0086】
Figure 0004721591
【0087】
反応の間は、第2〜第4重合槽の平均滞留時間が60分となるように、液面レベルの制御を行い、また、各重合槽においては、副生したフェノールを副生物排出管(12)より除去した。以上の条件下で、1500時間連続して運転した。なお、第4重合槽底部のポリマー排出口から抜き出されたポリカーボネートは、溶融状態のまま、3段ベント口を具備した2軸押出機に導入され、p−トルエンスルホン酸ブチルをポリカーボネート重量に対し、2.5ppm(触媒の中和量に対し、4.6倍モル)添加し、水添、脱揮した後、ペレット化した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、15,300及び540ppmであった。
【0088】
また、触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量の連続測定データ(以下、「触媒流量制御弁の連続測定データ」と略称する。)より、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、それぞれ全製造時間の97.1%および99.4%であった。分子量分布(Mw/Mn)およびTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.2および4,750であった。これをPC−1と表す。
【0089】
【ポリカーボネート製造例2】
ポリカーボネート製造例1において、設定原料モル比を1.040、触媒流量を1.60mL/h(設定触媒量:ビスフェノールA1モルに対し、0.5μモル)、第4重合槽の温度を280℃、p−トルエンスルホン酸ブチルをポリカーボネート重量に対し、4.0ppm(触媒の中和量に対し、4.4倍モル)添加した以外は、製造例1と同様にして実施した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、21,500及び500ppmであった。また、触媒流量制御弁の連続測定データより、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、全製造時間の96.7%及び99.1%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、2.3及び4,850であった。これをPC−2と表す。
【0090】
【ポリカーボネート製造例3】
ポリカーボネート製造例2において、第4重合槽の温度を283℃にした以外は、ポリカーボネート製造例2と同様にして実施した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、23,500及び520ppmであった。また、触媒流量制御弁の連続測定データより、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、全製造時間の96.9%及び99.5%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び3,820であった。これをPC−3と表す。
【0091】
【ポリカーボネート製造例4】
ポリカーボネート製造例2において、設定原料モル比を1.035、第4重合槽の温度を285℃にした以外は、ポリカーボネート製造例2と同様にして実施した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、25,400及び590ppmであった。また、触媒流量制御弁の連続測定データより、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、全製造時間の96.5%及び99.1%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び3,890であった。これをPC−4と表す。
【0092】
【ポリカーボネート比較製造例1】
ポリカーボネート製造例2において、プログラム制御装置を設置せず、触媒流量を1.6mL/h(設定触媒量:ビスフェノールA1モルに対し、0.5μモル)に固定した以外は、ポリカーボネート製造例2と同様にして実施した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、22,400及び500ppmであった。また、触媒流量制御弁の連続測定データより、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、全製造時間の89.9%及び91.7%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.7及び2,240であった。これをPC−11と表す。
【0093】
【ポリカーボネート比較製造例2】
ビスフェノールAを界面法により重縮合させ、フェノールで末端封止した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、22,100及び30ppmであった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び7,550であった。これをPC−12と表す。
【0094】
【実施例1〜16、比較例1〜12】
表1〜表4に示す配合処方で、タンブラーでブレンド後、二軸押出機(メーカー、型式記入)により表1〜表4のバレル温度で混練、ペレット化した。それぞれのペレットを110℃4時間乾燥後、射出成形機により表1〜表4のシリンダー温度で試験片を成形し、評価を行い、結果を表1〜表4示す。
【0095】
【表1】
Figure 0004721591
【0096】
【表2】
Figure 0004721591
【0097】
【表3】
Figure 0004721591
【0098】
【表4】
Figure 0004721591
【0099】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、機械的強度、透明性、耐熱性、熱安定性および帯電防止性に優れ、ゲート近傍のフローマークや層状剥離がなく成形外観に優れており、電気・電子部品、自動車部品、雑貨部品、各種工業部品等の用途に好適に用いることができる。また、本発明の帯電防止性成形品は、透明性、機械的強度、耐熱性に優れており、成形品のゲート近傍での層状剥離及びフローマークの発生がなく成形外観に優れており、電気・電子部品、自動車部品、雑貨部品、各種工業部品等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるポリカーボネート製造方法の1例を示したフローシート図である。
【符号の説明】
1.DPC貯槽 2.撹拌翼 3.BPAホッパー 4a,b.原料混合槽 5.DPC流量制御弁 6.BPA流量制御弁 7.ポンプ 8.触媒流量制御弁 9.プログラム制御装置 10.ポンプ 11.触媒貯槽 12.副生物排出管 13a,b,c.竪型重合槽 14.マックスブレンド翼 15.横型重合槽 16.格子翼

Claims (8)

  1. 芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、溶融法により製造されたポリカーボネートであって、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が下記関係式(1)を満たすポリカーボネート(A)100重量部に、有機スルホネートアニオンと有機ホスホニウムカチオンとから構成されるスルホネート化合物(B)0.1〜20重量部を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物。
    【数1】
    2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 (1)
  2. 前記ポリカーボネート(A)の末端OH基含有量が、50〜1000ppmであることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記スルホネート化合物(B)が、下記一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
    Figure 0004721591
    [但し、R1〜R4は同時に同一若しくは異なる炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル基、フェニル基又はアラルキル基であり、は1又は2であり、Aはnが1又は2の場合に分けて次の通りである。
    n=1の場合、Aは、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数2〜24のアルケニル基、アリール基、炭素数1〜18のアルキル基で置換されたアリール基、アラルキル基、ビフェニル基、炭素数1〜18のアルキル基で置換されたビフェニル基または下記式で示される基である。
    Figure 0004721591
    (ここで、Bは、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルカノイル基、炭素数2〜24のアルケニル基、炭素数3〜24のアルケノイル基、アリール基、炭素数1〜18のアルキル基で置換されたアリール基、アラルキル基又はビフェニル基であり、Xは、H−又はBO(R5O)pCOCH−であり、R5は、−C24−又は−C36−であり、pとqは、それぞれ、0〜15の整数であり、rは2〜4の整数である。)
    n=2の場合、Aは炭素数8〜22のアルキレン基、フェニレン基、アルキル置換フェニレン基、ナフチレン基、アルキル置換ナフチレン基又は炭素数8〜18のアルキル基置換ジフェニルエーテルである。]
  4. 前記スルホネート化合物(B)が、炭素数1〜18のアルキルスルホン酸ホスホニウム塩、炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩および炭素数1〜18のアルキル基を有するアルキルビフェニルエーテルジスルホン酸ホスホニウム塩の群から選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 更に、亜リン酸エステル(C)、多価アルコールの脂肪酸部分エステル化合物(D)およびスチレン樹脂(E)の群から選ばれた1種以上の化合物を配合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 多価アルコールの脂肪酸部分エステル化合物(D)が、グリセリンと炭素数8〜18の脂肪酸との部分エステルである請求項5に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. スチレン系樹脂(E)が、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル樹脂、スチレン−メチルメタアクリレート樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項5記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる帯電防止性成形品。
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