JP2000327899A - ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂組成物および成形品

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JP2000327899A JP11144360A JP14436099A JP2000327899A JP 2000327899 A JP2000327899 A JP 2000327899A JP 11144360 A JP11144360 A JP 11144360A JP 14436099 A JP14436099 A JP 14436099A JP 2000327899 A JP2000327899 A JP 2000327899A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性などの機械的強度、透明性を損なう
ことなく、比較的少量の添加により、帯電防止効果を与
えるとともに、耐熱性、耐加水分解性(耐熱水性)など
にもすぐれたポリカーボネート樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂100重量部に対
して、(A)アニオン系帯電防止剤0.1〜20重量部
と(B)フエニル基、ビニル基およびアルコキシ基を有
する有機シロキサンを0.002〜2重量部配合してな
るポリカーボネート樹脂組成物。アニオン系帯電防止剤
としてはスルホン酸化合物、特にスルホン酸ホスホニウ
ム塩が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂組成物に関し、特に機械的強度、耐熱性、透明性お
よび帯電防止性にすぐれ、光ディスクカートリッジなど
の電気・電子機器、事務機器などの部品材料として好適
に使用できるポリカーボネート樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃
性、耐熱性、透明性、成形性、寸法安定にすぐれている
ため、電気・電子機器、OA機器・事務機器、各種機械
の部品などに用いられている。これらの部品の内、光デ
ィスクのカートリッジ、複写機、ファックス、プリンタ
ーなどにあっては、繰り返し出し入れや、部品と紙とに
よる静電気の発生などの問題があり、このような部品に
あっては、帯電防止剤の添加によってその解決が図られ
ている。
【0003】ポリカーボネート樹脂の帯電防止のため
に、カーボンブラックや導電性金属粉末などの導電性添
加剤や界面活性剤などが用いられている。しかしながら
これらの帯電防止剤の添加により、前者では透明性が損
なわれたり、使用量が多くなることなどの問題点があっ
た。さらに、後者では透明性は確保されるものの、相溶
性、耐熱性が低く、溶融成形時の滞留により黄色く着色
するなどの問題点が指摘されている。ここで、カーボン
ブラック添加の場合や黄色化が激しいと単に透明性が低
下したり、不透明になることに加えて、任意の色、特に
淡い色に調色することが不可能となり、成形品の適用分
野が大きく制限されることとなる。
【0004】これらを解決する方法として、特公平1
−29500号公報には、特定化学式で示されるホスホ
ニウムスルホネートを重要成分とする合成高分子用帯電
防止剤が示され、ポリカーボネート樹脂にも適用されて
いる。特公平7−39537号公報には、ポリカーボ
ネート樹脂100重量部に対して、特定化学式のスルホ
ン酸ホスホニウム塩0.1〜20重量部と亜リン酸エス
テル0.01〜1.0重量部を併用添加することが開示
されている。また特公平8−6017号公報には、ポ
リカーボネート樹脂100重量部に対して、前記の特
定化学式のスルホン酸ホスホニウム塩0.1〜20重量
部と特定のホウ酸誘導体0.001〜1重量部を含むポ
リカーボネート樹脂組成物が開示されている。さらに、
特開平3−81363号公報には、特定のスルホネー
ト化合物/多価アルコールの脂肪酸部分エステル/ポリ
スチレン系高分子化合物=20〜78/2〜25/20
〜78(重量%)の範囲にあるポリカーボネート系樹脂
用帯電防止剤組成物が開示されている。
【0005】すなわち、これらの内、〜に開示され
た発明は、ポリカーボネート樹脂に帯電防止剤としての
特定のスルホン酸ホスホニウム塩に加えて、第3成分を
併用することにより、溶融滞留における熱劣化を防止し
ようとするものである。しかしながら、この耐熱性の低
下を防止するためには、たとえば亜リン酸エステルを、
ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、0.1重
量部程度添加することが必要となる。この添加量におい
ては、成形品の耐熱水性、すなわちポリカーボネート樹
脂の耐加水分解性が低下するなど他の問題点が生じる場
合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐衝撃性な
どの機械的強度、透明性を損なうことなく、比較的少量
の添加により、帯電防止効果を与えるとともに、耐熱
性、耐熱水性などにもすぐれたポリカーボネート樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリカーボ
ネート樹脂用として用いられる帯電防止剤含有組成物の
耐熱性について、第三成分の添加効果について鋭意検討
した。その結果ポリカーボネート樹脂に、特定の帯電防
止剤とともに特定の有機シロキサンを選択的に用いる場
合に、耐熱水性の低下もなくこれらの問題点が解決でき
ることを見いだし本発明を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、 (1) ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、
(A)アニオン系帯電防止剤0.1〜20重量部と
(B)フエニル基、ビニル基およびアルコキシ基を有す
る有機シロキサンを0.002〜2重量部配合してなる
ポリカーボネート樹脂組成物。 (2) アニオン系帯電防止剤がスルホン酸化合物であ
る上記(1)記載のポリカーボネート樹脂組成物。 (3) スルホン酸化合物が、式(I)で表されるスル
ホン酸ホスホニウム塩である上記(2)記載のポリカー
ボネート樹脂組成物。
【0009】
【化2】
【0010】(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの
ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品。 (5) 成形品が透明である上記(4)記載の成形品。 (6) 成形品が情報記録媒体用カートリッジである上
記(4)または(5)記載の成形品を提供するものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明に用いられるポリカーボネート樹脂は、好ま
しくは芳香族ポリカーボネート樹脂であり、特に制限は
なく種々のものが挙げられる。通常、2価フェノールと
カーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポ
リカーボネートを用いることができる。すなわち、2価
フェノールとホスゲンなどのカーボネート前駆体とを溶
液法により反応させ、または2価フエノールとジフェニ
ルカーボネートなどとをエステル交換法により反応させ
て製造されたものを使用することができる。
【0012】2価フェノールとしては、様々なものが挙
げられるが、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン〔ビスフェノールA〕、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキ
シド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトンなどが挙げられる。この他の2価フェノール
としては、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール等
が挙げられる。これらの2価フェノールは、それぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0013】特に好ましい2価フエノールとしては、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン系、特にビスフェノ
ールAあるいはビスフェノールAを主原料としたもので
ある。また、カーボネート前駆体としては、カルボニル
ハライド、カルボニルエステル、またはハロホルメー
ト、具体的にはホスゲン、2価フェノールのジハロホー
メート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
【0014】なお、ポリカーボネート樹脂は、分岐構造
を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,
α”−トリス(4−ビドロキシフェニル)−1,3,5
−トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、トリメ
リット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などがあ
る。
【0015】また、本発明に用いるポリカーボネート樹
脂としては、ポリカーボネート部とポリオルガノシロキ
サン部を有する共重合体、あるいはこの共重合体を含有
する芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。ま
た、テレフタル酸などの2官能性カルボン酸、またはそ
のエステル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下で
ポリカーボネートの重合を行うことによって得られるポ
リエステル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。
【0016】また、本発明に用いられるポリカーボネー
ト樹脂の末端基としては、フエニル基、p−t−ブチル
フエニル基、p−クミルフエニル基、ヒドロキシ基など
であり、全末端基に対してヒドロキシ基の割合が50%
以下であることが好ましい。本発明で用いるポリカーボ
ネート樹脂は、その粘度平均分子量(Mv)が、好まし
くは10,000〜40,000、さらに好ましくは1
2,000〜35,000、特に好ましくは14,00
0〜30,000の範囲のものである。ここで粘度平均
分子量(Mv)が、10,000未満であると、強度、
特に耐衝撃性が不十分となり、また、40,000を超
えると溶融粘度が高く成形性に劣る場合がある。
【0017】つぎに、本発明の配合成分である、(A)
アニオン系帯電防止剤としては、特に制限はなく、ポリ
カーボネート樹脂用として公知の帯電防止剤の中から適
宜選択して用いることができる。中でも、スルホン酸化
合物が好ましく用いられる。ここでスルホン酸化合物と
しては、特に制限はなくたとえば、下記に示される化合
物を例示できる。
【0018】R−SO3-−M+ 上記において、Mは金属イオン、ホスホニウムイオン、
アンモニウムイオンから選ばれるイオンを表す。Mの具
体例としては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リ
チウムイオンなどのアルカリ金属イオン、カルシウムイ
オン、リチウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、
アエンイオン、ホスホニウムイオン、アンモニウムイオ
ンなどである。これらのイオンの内、アルカリ金属イオ
ン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが好
ましい。なお、二価の金属イオンの場合にはスルホン酸
基2モルに対して、金属イオン1モルが対応するもので
ある。Rは有機基であり、たとえばアルキル基、アリー
ル基、芳香族ジカルボニル基などを例示できる。
【0019】しかしながら、ポリカーボネート樹脂との
相溶性、耐熱性などを考慮して、本発明の(B)成分の
帯電防止剤は、下記式(I)に示されるスルホン酸ホス
ホニウム塩が好ましく用いられる。
【0020】
【化3】
【0021】式中、R1 は炭素数1〜40のアルキル基
またはアリール基であり、R2 〜R5は、水素原子、炭
素数1〜10のアルキル基またはアリール基であり、こ
れらは同じでも異なっていてもよい。式(I)に示され
るスルホン酸ホスホニウム塩は、有機スルホニウムアニ
オンと有機ホスホニウムカチオンとからなるものであ
る。有機スルホネートアニオンとしては具体的に、ブチ
ルスルホネート、オクチルスルホネート、ラウリルスル
ホネート、ドデシルスルホネートなどの脂肪族スルホネ
ート類、ブチルベンゼンスルホネート、ドデシルベンゼ
ンスルホネート、オクタデシルベンゼンスルホネート、
ジブチルベンゼンスルホネートなどの置換ベンゼンスル
ホネート類、ナフチルスルホネート、ジイソプロピリナ
フチルスルホネート、ジブチルナフチルスルホネートな
どの非置換あるいは置換ナフチルスルホネートなどを例
示できる。これらの中でも、R1 としては透明性、耐熱
性、ポリカーボネート樹脂との相溶性などの点からアリ
ール基が好ましく、アルキルベンゼン、アルキルナフタ
リン環などから誘導された基が特に好ましい。
【0022】また、前記有機ホスホニウムカチオンの具
体例としては、テトラメチルホスホニウム、テトラエチ
ルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリブチ
ルエチルホスホニウム、トリブチルエチルホスホニウム
などの脂肪族ホスホニウム、トリフエニルメチルホスホ
ニウム、トリエチルベンジルホスホニウム、トリブチル
ベンジルホスホニウムなどの芳香族ホスホニウムなどを
例示できる。
【0023】本発明の(A)成分であるスルホン酸ホス
ホニウム塩の具体的化合物としては、ドデシルスルホン
酸ホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニ
ウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウムなどを例示できる。ここで、(A)成分のアニオ
ン系帯電防止剤は、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜5
重量部配合される。ここで配合量が0.1重量部未満で
は十分な帯電防止効果を得ることができず、20重量部
を超えると、耐衝撃性などの機械的強度が低下し、成形
品表面にシルバーが発生するなど外観悪化をもたらす場
合がある。
【0024】次に、(B)成分の有機シロキサンとして
は、フエニル基、ビニル基およびアルコキシ基を有する
ものである。すなわち、この有機シロキサンは、分子中
のケイ素の二つの結合手がフエニル基と任意の割合で置
換されたものである。また、シロキサン結合の任意のケ
イ素の箇所にビニル基を有し、さらに、シロキサン結合
の主鎖もしくは側鎖の末端のケイ素がメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などの炭素数が通常1〜5のアル
コキシ基を有するものである。ここでフエニル基を有し
ない一般の有機シロキサンを用いたのでは、ポリカーボ
ネート樹脂との相溶性、屈折率などによりポリカーボネ
ート樹脂組成物の透明性が低下する。本発明では、その
理由は明らかではないが、フエニル基だけでは本発明の
目的を達成することができず、ビニル基とアルコキシ基
の存在が必須であり、これらのことは、意外のことであ
り、本発明者の実験により初めて明らかとなったもので
ある。
【0025】(B)成分の特定の有機シロキサンは、ポ
リカーボネート樹脂100重量部に対して、0.002
〜2重量部、好ましくは0.005〜1重量部配合され
る。ここで配合量が0.002重量部未満では、滞留耐
熱性改良効果を得ることができず、2重量部を超えても
滞留耐熱性の更なる向上が期待できなくなるばかりか、
帯電防止性能が低下する場合がある。
【0026】本発明のポリカーボネート樹脂組成物に
は、本発明の効果を大きく損なわない範囲で他の添加剤
を併用することができる。たとえば、酸化防止剤、各種
離型剤、他の帯電防止剤などである。酸化防止剤として
は、リン酸エステル系、フエノール系などがある。リン
酸エステル系酸化防止剤中亜リン酸エステルとしては、
たとえば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフ
ェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−
ブチルフェニル)ホスファイト、トリノリルホスアァイ
ト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイ
ト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペン
タエリスリトールジホスファイト、トリシクロヘキシル
ホスファイト、モノブチルジフエニルホスファイト、モ
ノオクチルジフエニルホスファイト、ビス(2.6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホ
スファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)−4,4−ジフエニレンホスフォナイトな
どの亜リン酸のトリエステル、ジエステル、モノエステ
ルなどが挙げられる。中でも、トリスノニルフェニルホ
スファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリト
ールジホスファトなどが好ましい。
【0027】リン酸エステルとしては、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニル
フェニル)ホスフェート、2−エチルフェニルジフェニ
ルホスフェートなどが挙げられる。また、フエノール系
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフエノール、テトラキス〔メチレン−3−
(3’,5−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ
フエニル)プロピオネート〕メタン、ステアリル−β−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフエ
ニル)プロピオネート、3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジルフオスフォネート−ジエステ
ル、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸エチル)カルシウムなどを例示
できる。
【0028】これら酸化防止剤の内、リン酸エステル系
酸化防止剤の配合量は、通常0.0001〜0.05重
量部、さらには0.005〜0.03重量部の範囲が適
当である。ここで、配合量が0.0001重量部未満で
は樹脂安定性への寄与が少なく、また、0.05重量部
を超えると、耐熱水性、耐加水分解性などが低下する場
合がある。したがって、本発明の用途、使用箇所などを
考慮して最適添加量が選定される。
【0029】また、離型剤としては、脂肪酸モノグリセ
リド、たとえば炭素数14〜30の脂肪酸モノグリセリ
ドとしては、炭素数が14〜30の脂肪酸とグリセリン
のモノエステル化合物であり、たとえば、パルミチン酸
モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、アラキ
ン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、モンタ
ン酸モノグリセリドなどが挙げられ、これらの混合物を
用いることもできる。脂肪酸モノグリセリドとしては、
離型性効果の点より、ステアリン酸モノグリセリド、ベ
ヘン酸モノグリセリドが好ましく、特に、ステアリン酸
モノグリセリドが好ましい。この脂肪酸モノグリセリド
の配合量としては、通常0.005〜1.0重量部、好
ましくは0.01〜0.5重量部の範囲である。
【0030】他の配合成分としては、分子量が500〜
1000,000のポリアルキレングリコール、ポリア
ミド樹脂などのポリカーボネート樹脂の帯電防止性の向
上に寄与する熱可塑性樹脂類や他のポリスチレン樹脂、
ゴム変性ポリスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
オレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂類、耐衝撃性改良剤
としてのスチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピ
レンゴム、ポリアミド系エラストマー、アクリル系エラ
ストマーなどの熱可塑性エラストマーがある。
【0031】また、充填剤としては、ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維、カーボンブラック、タルク、ゼオライ
ト、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、酸化チタンなど
を例示できる。さらに、難燃剤、着色剤(顔料、染
料)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、各
種光安定剤、可塑剤などの添加剤を必要により配合でき
る。
【0032】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
ポリカーボネート樹脂に、必須な(A)成分と(B)成
分さらに、必要による他の配合成分を各種混合手段、通
常溶融混練手段により押出混練成形機によりペレット化
される。また、ポリカーボネート樹脂などの樹脂と配合
成分からなる、配合成分を高濃度で含有するマスターバ
ッチペレットを作成し、これをポリカーボネート樹脂に
配合して溶融成形することもできる。
【0033】本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、
任意の成形方法、たとえば射出成形、射出圧縮成形、押
出成形、ブロー成形、圧縮成形などにより型もの成形
品、中空成形品、フイルム、シートなど各種成形品とさ
れる。中でも射出成形、射出圧縮成形が好適に採用でき
る。この場合の成形温度は、用いるポリカーボネート樹
脂の分子量により適宜選定できるが、通常230〜34
0℃の範囲である。本発明の成形品は、特に帯電防止特
性が求められる透明分野に用いることができるものであ
る。したがって、すぐれた帯電防止性、強度、耐熱性、
滞留耐熱性、耐熱水性、耐加水分解性に加えて、淡色系
・明色系成形品としての着色性などの特徴を生かして、
OA機器、事務機器、家庭電化機器などの電子・電気機
器、機械部品、自動車部品などに用いられる。特に、光
ディスクのカートリッジ、複写機、印刷機の給紙、排紙
部分ねたとえばトレーなどに好適に用いるれる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により、
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。なお、配合量は重量部で示す。また、評
価を行った物性測定方法を以下に示す。
【0035】 (1)表面固有抵抗・・・JIS K6911に準拠。 (2)黄色指数・・・JIS K7105に準拠。 (3)全光線透過率・・・JIS K7105に準拠。 (4)引張強度・・・JIS K7113に準拠。 (5)引張伸び・・・JIS K7113に準拠。 (6)アイゾット衝撃強度・・・JIS K7110に
準拠、ノッチ付き。
【0036】実施例1〜8、比較例1〜5 第1表、第2表に示すように、PC〔芳香族ポリカーボ
ネート樹脂:粘度平均分子量=22,000〕100重
量部に対して、下記に示す(A)帯電防止剤、(B)有
機シロキサン、(C)酸化防止剤、(D)離型剤の所定
量(重量部)を混合し、押出成形機で樹脂温度280℃
で溶融混練押出成形し、ポリカーボネート樹脂組成物ペ
レットを得た。このペレットを120℃で6時間乾燥
後、射出成形機〔東芝機械株式会社製:東芝ISI50
型〕にて、樹脂温度=300℃、成形サイクル5分で試
験片を射出成形した。成形の最初の試験片を滞留なしと
し、4ショット目の試験片を滞留20分としてそれぞれ
の試験片を測定して評価した。評価結果を第1表、第2
表に示す。なお、物性測定は、成形後24時間(23
℃、湿度60%)後に測定した。
【0037】成分(A):帯電防止剤 ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩〔竹本油脂株式会社製:帯電防止剤IPS101〕 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩〔竹本油脂
株式会社製:エレカットS412〕 成分(B):有機シロキサン フエニル基、ビニル基及びメトキシ基を有する有機シ
ロキサン〔信越化学株式会社製:KR219〕 フエニル基のみを有する有機シロキサン〔信越化学株
式会社製:KF56〕 メトキシ基のみを有する有機シロキサン〔信越化学株
式会社製:KR851〕
【0038】成分(C):酸化防止剤 トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファ
イト〔チバ・スペシャルティケミカルズ社製:イルガフ
ォス168〕 トリフェニルホスフィン〔城北化学工業株式会社製〕 成分(D):離型剤 ペンタエリスリトールテトラステアレート
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の、ポリカーボネート樹脂組成物
は、帯電防止性、機械的特性にすぐれるとともに、滞留
耐熱性、すなわち滞留後においても、各種物性の低下が
なく、特に透明性、耐黄変性にすぐれ、耐加水分解性、
耐熱水性にすぐれる特徴を有し、透明成形部品、淡色系
・明色系の着色成形品が容易に得られる。これらのすぐ
れた効果により、従来使用が困難であった分野にまで幅
広い展開ができるものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂100重量部に対
    して、(A)アニオン系帯電防止剤0.1〜20重量部
    と(B)フエニル基、ビニル基およびアルコキシ基を有
    する有機シロキサンを0.002〜2重量部配合してな
    るポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 アニオン系帯電防止剤がスルホン酸化合
    物である請求項1記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 スルホン酸化合物が、式(I)で表され
    るスルホン酸ホスホニウム塩である請求項2記載のポリ
    カーボネート樹脂組成物。 【化1】
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のポリカ
    ーボネート樹脂組成物からなる成形品。
  5. 【請求項5】 成形品が透明である請求項4記載の成形
    品。
  6. 【請求項6】 成形品が記録媒体用カートリッジである
    請求項4または5記載の成形品。
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