JP4014904B2 - 精密成形部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス系フィラーを配合してなるポリカーボネート樹脂組成物から成形された精密成形部品に関し、更に詳しくは、強度・剛性が高く、高流動で、特に線膨張係数や成形収縮率の異方性が小さく、寸法精度の良好な樹脂組成物より成形された精密成形部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、電気的性質等に優れた樹脂として、多くの分野で幅広く用いられている。中でもガラス繊維で強化したポリカーボネートは、強度・剛性、耐熱性、難燃性、電気的特性などに優れた性能を示すことから種々の分野で使用されている。しかし、ガラス繊維強化ポリカーボネートは、流動性が低い為、成形時に高い圧力をかけての成形となり残留応力による反りが発生したり、線膨張係数や成形収縮率の異方性による寸法精度の問題のため精密成形部品への使用には限界がある。
また、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物は、上記のような優れた性能を有する一方で、ガラス系フィラーの配合率が高くなるとともに、溶融・混練及び成形時の流動性が低下するため、ガラス系フィラーの破砕が著しく大きくなる。その結果、ガラス系フィラーの配合率を高めても、精密成形部品に必要な強度・剛性、寸法精度の改良効果は小さく、さらにガラス系フィラーが成形品の表面に浮き出たり、流れ模様が発生したりして成形品の外観を損なう。かかる問題を解決する方法として、ガラス系フィラー配合ポリカーボネート樹脂組成物の流動性を補うため、溶融・混練温度や成形温度を高くすることが考えられるが、温度を高くすると、熱分解によりポリカーボネートの分子量が低下し、金型に熱分解物が付着して金型転写性を損ない、さらに強度・剛性や寸法精度が低下し、成形品表面に色むら及び変色が発生する。
【0003】
ガラス系フィラーで強化したポリカーボネート樹脂組成物の流動性や成形品の外観改良のため、例えば特開平6−41415号にはポリカーボネートとガラス繊維からなる樹脂組成物に熱可塑性ポリウレタンを配合する方法、特開平7−3140号にはトリフェニルフォスフェートを配合する方法、特公平6−76545号にはポリカプロラクトン樹脂を配合する方法が開示されている。確かに、これらの成分を添加することにより流動性や成形品の外観はある程度改良されるが、その反面、強度・剛性が低下し、成形時の熱安定性や熱変形温度が損なわれたり、低分子物を配合した場合は、成形時に低分子物が金型に付着(モールドデポジット)し、金型転写性を損なうといった新たな問題が発生し、満足できる精密成形部品を得ることは困難であった。
一方、ガラス繊維強化ポリカーボネートの特長を生かし、寸法精度を改良するため、アスペクト比の高いガラス繊維と低いガラス繊維の併用やガラス繊維とガラスフレーク等無機板状体の併用が提案されている。確かに、これらの方法によっても、寸法精度は改良されるものの、必ずしも年々厳しくなる寸法精度に対する要求を満足できるものではなく、更なる寸法精度の優れた精密成形部品が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような課題を解決できる、強度・剛性が高く、高流動で、特に線膨張係数や成形収縮率の異方性が小さく、寸法精度の良好な樹脂組成物より成形された精密成形部品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネートとして溶融法で得られ、特定の溶融粘弾性を有するポリカーボネートをを用い、特定のガラス系フィラーと組み合わせた樹脂組成物が、分子量が実質的に同等な他の特性を有するポリカーボネートとガラス系フィラーからなる樹脂組成物に比べて、高流動で線膨張係数や成形収縮率の異方性が小さく、寸法精度の良好な精密成形部品が成形できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを溶融法でエステル交換して製造されたポリカーボネート(A)を40〜95重量%、繊維径が6〜20μmでアスペクト比が50以上のガラス繊維(B)を0〜57重量%及び繊維径が6〜20μmでアスペクト比が20未満のガラス繊維、最大径が10〜1000μmでありかつアスペクト比(平均長さと平均厚みとの比)が5以上の鱗片状ガラスフレーク、ガラスビーズから選ばれた1種または2種のガラス系フィラー(C)を3〜60重量%含有する組成物であって、ポリカーボネート(A)の温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式(1)を満たすものであり、
【0007】
【数2】
2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 …(1)
【0008】
且つ、成分(B)と成分(C)の割合(B/C)が重量比で0〜4であることを特徴とする樹脂組成物から成形された精密成形部品に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の精密成形部品とは、寸法精度、例えば反りや平面度、の要求レベルが厳しい成形部品である。かかる精密成形部品としては、例えば、プリンター及び複写機、VTR及びビデオムービーに代表されるビデオ機器、カセットプレイヤー、LD、MD、CD、CDRW、DVD、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像又は情報機器、携帯電話及びファクシミリに代表される通信機器のシャーシ等の部品や、光ディスクのターンテーブル等が挙げられる。
【0010】
本発明でいう精密成形部品の基準としては、測定長に対して1/1000以下の平面度や反りが要求される成形部品として定義される。例えば、全長100mmの成形部品であれば、必要とされる反りが100μm以下の成形部品である。本発明の精密成形部品の使用状態及び要求性能について、光学系機器シャーシを例にさらに詳細に説明する。まず、光学系機器シャーシとは、プリンター及び複写機、ビデオ機器、情報機器、通信機器等の光学系部品が取り付けられる板状もしくは函状の部品の総称であり、光学部品のほか駆動部品やモータ類、プリント基板類などが、ボルトなどによりシャーシに取り付けられる。また、部品点数削減のために、光学系シャーシが機器の構造部品の一部を兼ねて設計されることもある。従って、光学系機器シャーシには、通常の機器シャーシ、例えば機械式プリンターやフレキシブルディスクドライブなどのシャーシに要求される、機構部品の重量を支えるだけの剛性・ボルト等の締め付けに耐える強度等の特性に加えて、光学系の光軸のブレを起こさないように、振動し難く変形が少ないこと、すなわち高い剛性と、環境温度による寸法変化の少ないことすなわち低い線膨張係数とが求められる。また、光学系機器シャーシ用の樹脂組成物には、金型の寸法と実際の成形品の寸法との誤差を小さく(成形収縮率を小さく)し、さらに成形品の反りを抑えるために、成形収縮率や線膨張係数が樹脂の流動方向、直角方向ともに小さくかつ、異方性が小さいことが要求される。
【0011】
本発明に使用されるポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、溶融法により製造されるものである。
芳香族ジヒドロキシ化合物
本発明に関わるポリカーボネートの原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記式(I)で示される化合物である。
【0012】
【化1】
Figure 0004014904
【0013】
(式(I)中、Aは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基、又は、−O−、−S−、−CO−若しくは−SO2−で示される2価の基であり、X及びYは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、p及びqは、0又は1の整数である。なお、XとY及びpとqは、それぞれ、同一でも相互に異なるものでもよい。)
【0014】
代表的な芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」とも言い、「BPA」と略記することもある。)が好ましい。
【0015】
炭酸ジエステル
本発明に関わるポリカーボネートの他の一つの原料である炭酸ジエステルは、下記式(II)で示される化合物である。
【0016】
【化2】
Figure 0004014904
【0017】
(式(II)中、A’は、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基であり、2つのA’は、同一でも相互に異なるものでもよい。)。
【0018】
代表的な炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記することもある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0019】
これら炭酸ジエステル(上記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸のエステルを含む。以下同じ。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常、過剰に用いられる。すなわち、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.001〜1.3、好ましくは1.01〜1.2の範囲内のモル比で用いられる。モル比が1.001より小さくなると、製造されたポリカーボネートの末端OH基が増加して、熱安定性、耐加水分解性が悪化し、また、モル比が1.3より大きくなると、ポリカーボネートの末端OH基は減少するが、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望の分子量のポリカーボネートの製造が困難となる傾向がある。本発明においては、末端OH基含有量が50〜1000ppmの範囲に調整したポリカーボネートを使用するのが良い。
【0020】
原料混合槽への原料の供給方法としては、液体状態の方が計量精度を高く維持し易いため、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルのうち、一方又は両方を、溶融させて液体状態で供給することが好ましい。液体状態で原料を供給する場合には、計量装置としては、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いることができる。
一方、固体状態で原料を供給する場合には、スクリュー式フィーダーのような容量を計量するものよりも、重量を計量するものを用いるのが好ましく、べルト式、ロスインウェイト式等の重量フィーダーを用いることができるが、ロスインウェイト方式が特に好ましい。
【0021】
エステル交換触媒
溶融法によりポリカーボネートを製造する際には、通常、触媒が使用される。
本発明に使用される特定の関係式を満たす複素粘性率を有するポリカーボネートを製造する場合は、触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。これらは、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して0.05〜5μモル、好ましくは0.08〜4μモル、さらに好ましくは0.1〜2μモルの範囲内で用いられる。触媒の使用量が上記量より少なければ、所望の分子量のポリカーボネートを製造するのに必要な重合活性が得られず、この量より多い場合は、ポリマー色相が悪化し、またポリマーの分岐化も進み、成型時の流動性が低下する傾向がある。
【0022】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ金属化合物等がある。これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、具体的に最も好ましいセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムである。
また、アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ土類金属化合物等がある。
【0023】
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩又はストロンチウム塩等が挙げられる。
【0024】
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−i−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又は、これらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0025】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
【0026】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
これらの触媒のうち、実用的にはアルカリ金属化合物が望ましい。
【0027】
本発明に関わるポリカーボネート製造時に使用する上記エステル交換触媒は、溶媒に溶解した触媒溶液の形態で用いられる。溶媒としては、例えば、水、アセトン、アルコール、トルエン、フェノールの他、原料芳香族ジヒドロキシ化合物や原料炭酸ジエステルを溶解する溶媒が挙げられる。これらのなかでは、水が好ましく、特にアルカリ金属化合物を触媒とする場合には、水溶液とすることが好適である。
【0028】
本発明に関わるポリカーボネートは、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式(1)を満たすことが必要で、好ましくは下記関係式(2)の範囲であり、さらに好ましくは下記関係式(3)の範囲であり、最も好ましくは下記関係式(4)の範囲である。本発明において、該Tanδ/η*-0.87の値は、ポリカーボネートの溶融粘弾性を示すパラメーターとして使用した。Tanδ/η*-0.87の値が2500より小さくても6000より大きくても、ガラス系フィラー添加樹脂組成物の流動性が著しく低下し、寸法安定性や成形品の外観を損なう。
【0029】
【数3】
2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 (1)
2800≦Tanδ/η*-0.87≦5500 (2)
3000≦Tanδ/η*-0.87≦5000 (3)
3800≦Tanδ/η*-0.87≦4800 (4)
【0030】
損失角δは、動的溶融粘弾性の測定から求められる、応力に対するひずみの位相の遅れを表し、動的粘弾性挙動を表す指標のひとつとして一般的に知られている。δ(Tanδ)は、その値が大きい場合は粘弾性の粘性的な性質が強いことを示し、小さい場合は弾性的な性質が強いことを示している。この値を決定する要因は複雑であり、例えば、共重合を含む単量体の種類、共重合組成、共重合の構造、分岐点の数や分岐鎖の長さ等の分岐構造等を含む分子構造、分子量、分子量分布等が挙げられる。
本発明者らの知見によれば、界面法により製造されたポリカーボネートは、ガラス系フィラーを添加した場合に、流動性の低下が著しく、金型転写性を損ない、寸法精度が低下するといった問題があった。このような界面法により製造されたポリカーボネートは、δ(Tanδ)の値を、分子量等の指標である複素粘性率(η*(Pa・s))に対する、対数座標にプロットすると、Tanδ/η*-0.87=約8000の直線上にほぼ並ぶことがわかった(ここで、η*の指数である−0.87は、上記直線の傾きを表し、Tanδ/η*-0.87は、上記直線をη*=1(Pa・s)に外挿したときのTanδの値を表す。すなわち、Tanδ/η*-0.87の値をパラメータに用いることで損失角の分子量(粘度)依存性を排除することが可能となる。)。
溶融法により製造されたポリカーボネートは一般にこの直線上には乗らず、しかも、Tanδ/η*-0.87<2500の溶融法ポリカーボネートにガラス系フィラーを配合した場合、流動性が低下し、成形品表面にガラス系フィラーの流れ模様が出やすく、寸法安定にも劣ることがわかった。一方、以下に詳述する方法で得られたポリカーボネートは分子量が大きい範囲でも、ガラス系フィラー配合樹脂組成物の流動性及び寸法安定性が優れており、本発明で規定する2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000の範囲であることを見出した。
【0031】
本発明において、該溶融粘弾性パラメーターで規定されたポリカーボネートが流動性や寸法安定性に与える効果としては、δ(Tanδ)の値が小さい場合、ポリカーボネートの法線応力が大きくなり、それによってポリカーボネートを成形品表面へ押しつける応力が高く、その結果、寸法安定性及び金型転写性が向上すると推定される。この他、本発明に関わるポリカーボネートは、薄肉部分での流動性が高くなり、成形性が改良される効果もある。一方、δ(Tanδ)の値が小さすぎる場合、理由は定かでは無いが成形品表面に流れ模様が発生してしまい好ましくない。
【0032】
なお、本発明に関わるポリカーボネートには、各種安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等を添加することもでき、ポリカーボネートの製造途中、又はペレット製造の前にこれらの添加剤を添加する場合もあり、一般にそれらの添加剤を含んだものを「ポリカーボネート」と称する場合があるが、本発明で規定する上記関係式の値は、これらの添加剤を全く含まないポリカーボネートについて求められるものである。
【0033】
本発明に関わるポリカーボネートは分子量が低い場合は流動性には優れるが機械的強度に劣り、分子量が高い場合には機械的強度には優れるが流動性に劣る。
本発明では、粘度平均分子量が12,000〜30,000のポリカーボネートが好ましく、粘度平均分子量が14,000〜26,000のポリカーボネートが更に好ましく、粘度平均分子量が16,000〜24,000のポリカーボネートが最も好ましい。
【0034】
ポリカーボネートの製造方法
本発明に関わるポリカーボネートの製造方法は、溶融法であって上記特定の溶融粘弾性を有するポリカーボネートが得られる方法であれば、特に限定されないが、例えば、以下のような方法で製造できる。
すなわち、原料混合槽等で、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルの両原料を、均一に撹拌した後、触媒を添加して重合を行い、ポリマーが生産される。例えば、上記の両原料を、原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物とエステル交換触媒を重合槽に連続的に供給することが好ましい。その際、本発明の上記特定の物性のポリマーを安定して生産するためには、例えば、少なくとも以下の(1)及び(2)の両条件を満足する方法が採用される。
(1)全製造時間を一つ以上に分画した単位製造時間ごとに、重合槽に供給される芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステル1モルに対しての触媒量を一定に保つための目標触媒供給量である「設定触媒量」を、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05〜5μモルの範囲内から選択する。なお、「全製造時間」とは、重合槽においてポリマーを安定的に生産する原料供給時間に対応し、立ち上げ時や、グレード切り替え時、製造終了時等の非安定時のポリマー製造時間は含まない。
(2)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、供給される実際のエステル交換触媒量(以下、単に「実際の触媒量」という。)が、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持されるようにする。
上記(1)において、設定触媒量は、全製造時間を通して必ずしも一定値である必要はなく、全製造時間を一つ以上に分画して、その単位製造時間ごとに設定することが可能である。
【0035】
以下、この方法について詳しく説明すると、全製造時間が単一分画の単位製造時間である場合は、その少なくとも95%の時間は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.1μモル以内の値に実際の触媒量を維持する。また、全製造時間が複数の単位製造時間に分画され、設定触媒量が変更される場合には、各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に、実際の触媒量を維持する。いずれの場合も、設定触媒量±0.08μモル以内に維持することが好ましく、設定触媒量±0.06μモル以内に維持することが特に好ましい。さらに、実際の触媒量が、制御された値に維持される時間の割合は、全製造時間又は各単位製造時間の少なくとも95%であれば良いが、100%に近いほどより好ましい。95%より少ない時間になると、所望の分子量、末端OH基含有量のポリマーが得られなくなり、特に設定触媒量より多い時間の割合が多い場合は、得られるポリマー色相が悪化したり、またポリマーの分岐化が進む等して、結果的に本発明で規定する関係式を満足するものが得られなくなり、該ポリマーを成型する時の流動性も低下する傾向がある。なお、重合温度、重合時間、減圧度等の重合反応時の製造条件を変えても、本発明のポリカーボネートを製造することが可能であるが、安定的な生産が困難になるので好ましくない。実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモルと極めて小さな変動範囲以内に維持して、供給を続けることにより初めて、煩雑な重合操作を必要とせずに、本発明で規定する特定の関係式を満足し、狭い分子量分布、色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性に優れたポリマーを安定的に生産できるようになることがわかった。
【0036】
前記の実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持させるためには、重合槽に供給する触媒流量を、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いて、計量、供給することが好ましい。触媒供給を自動制御するには、例えば、まずコンピュータに、継続的に実際の触媒流量の測定値を入力し、前述した設定触媒量と芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料調製槽への供給量より算出された設定触媒流量とを比較させる。その際、実際の触媒流量の測定値が、該設定触媒流量と異なる場合、この結果を触媒計量・供給装置に伝え、バルブの開度等を調節して、実際の触媒流量と設定触媒流量が一致するように制御する。
ここで、触媒供給の自動制御は、実際の触媒流量の測定間隔の適正化に十分配慮すれば、継続的な間歇測定に基づく制御でも、連続的な測定と同様に制御を行うことは可能であるが、安定した品質の製品を得るには、連続的な自動測定であることが好ましい。すなわち、連続的に触媒流量を自動測定できれば、重合槽への触媒供給量を迅速且つ連続的に制御することが可能となり、その結果、一定の設定触媒流量に維持され、ポリカーボネートの粘度平均分子量や末端OH基含有量等のふれが小さく、かつ分子量分布が狭くなり、さらに色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性の均一な製品が得られるので好ましい。
【0037】
ある設定触媒量の単位製造時間中に、実際の触媒量が、設定触媒量±0.1μモル以内の値に、どれ程の時間存在したかは、上記測定手段による測定結果から容易に判定することができる。連続的測定の場合、実際の原料モル比と測定時間の関係を示す曲線より、予め設定した触媒量±0.1μモル以内にある累積時間と、±0.1μモルよりはずれた累積時間とを求めることにより、該設定触媒量での単位製造時間の少なくとも95%の時間は、±0.1μモル以内の値に維持されていたかどうかが判定される。連続的測定ではない場合でも、継続的な測定であれば、これを統計処理する方法等により判定することができる。
【0038】
本発明に関わるポリカーボネートの重合反応(エステル交換反応)は、一般的には2以上の重合槽での反応、すなわち2段階以上、通常3〜7段の多段工程で連続的に実施されることが好ましい。具体的な反応条件としては、温度:150〜320℃、圧力:常圧〜2Pa、平均滞留時間:5〜150分の範囲とし、各重合槽においては、反応の進行とともに副生するフェノールの排出をより効果的なものとするために、上記反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。なお、得られるポリカーボネートの色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、できるだけ短い滞留時間の設定が好ましい。
なお、多段工程で重合槽を複数用いる場合の実際の触媒量の自動制御は、触媒の供給量を連続的に自動制御することが好ましく、その場合は、第1重合槽の滞留時間の1/3以内に測定及び制御が完了していることが必要である。
【0039】
上記エステル交換反応において使用する装置は、竪型、管型又は塔型、横型のいずれの形式であってもよい。通常、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立製作所製)等を具備した1以上の竪型重合槽に引き続き、円盤型、かご型等の横型一軸タイプの重合槽やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、メガネ翼、格子翼((株)日立製作所製)、又はメガネ翼とポリマーの送り機能を持たせた、例えばねじりやひねり等の入った翼及び/又は傾斜がついている翼等を組み合わせたもの等を具備した、横型二軸タイプの重合槽を用いることができる。
【0040】
上記方法で製造したポリカーボネート中には、通常、原料モノマー、触媒、エステル交換反応で副生する芳香族ヒドロキシ化合物、ポリカーボネートオリゴマー等の低分子量化合物が残存している。なかでも、原料モノマーと芳香族ヒドロキシ化合物は、残留量が多く、耐熱老化性、耐加水分解性等の物性に悪影響を与えるので、製品化に際して除去されることが好ましい。
それらを除去する方法は、特に制限はなく、例えば、ベント式の押出機により連続的に脱揮してもよい。その際、樹脂中に残留している塩基性エステル交換触媒を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておくことにより、脱揮中の副反応を抑え、効率よく原料モノマー及び芳香族ヒドロキシ化合物を除去することができる。
【0041】
添加する酸性化合物又はその前駆体には特に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交換触媒を中和する効果のあるものであれば、いずれも使用できる。具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はその前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が特に好ましい。
これらの酸性化合物又はその前駆体の添加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モルの範囲で添加する。酸性化合物又はその前駆体を添加する時期としては、重縮合反応後であれば、いつでもよく、添加方法にも特別な制限はなく、酸性化合物又はその前駆体の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等のいずれの方法でもよい。
脱揮に用いられる押出機は、単軸でも二軸でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通常は2段から10段の多段ベントが用いられる。また、該押出機では、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等の添加剤を添加し、樹脂と混練することもできる。
【0042】
本発明で使用されるアスペクト比が50以上のガラス繊維(B)は、通常ポリカーボネートに使用されるものであれば任意に使用されるが、無アルカリガラス(Eガラス)のチョップドストランドが最も好ましい。ガラス繊維の径は6〜20μm、好ましくは9〜14μmの範囲である。ガラス繊維の径が6μm未満では嵩密度が小さく、成形加工性に難点があり、ガラス繊維の均一分散性に劣る。ガラス繊維径が20μmを越えると補強効果が不十分となる。また、ガラス繊維のアスペクト比は50以上、好ましくは100以上、より好ましくは150〜1000、さらに好ましくは150〜700である。アスペクト比が50未満では、補強効果が不十分となる。チョップドストランドは、通常1〜6mmのものが使用される。このようなガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンチョップドストランド」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
【0043】
本発明の(C)成分として使用されるアスペクト比が20未満のガラス繊維は、上述のようなガラス繊維を粉砕した粉末状のものであり、通常ミルドファイバーと称して市販されている。このものの繊維径は6〜20μm、好ましくは9〜14μmの範囲であり、アスペクト比は20未満、好ましくは2〜15、とりわけ好ましくは2〜10である。繊維径が6μm未満あるいはアスペクト比が20を越えると、得られる樹脂組成物の成形収縮率及び線膨張係数の異方性が大きく、また成形品の外観も悪くなる。一方、繊維径が20μmを越えると、補強効果が不十分となる。このようなガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
【0044】
本発明の(C)成分として使用されるガラスフレークは最大径が10〜1000μm、好ましくは20〜200μmであり、アスペクト比(平均長さと平均厚みとの比)は5以上、好ましくは10以上である。ガラスフレークの最大径が10μm未満では補強効果が不十分で、1000μmを越えると成形品の外観が悪くなる。又ガラスフレークのアスペクト比が5未満では成形収縮率及び線膨張係数の異方性低減効果が小さくなる。このようなガラスフレークは、例えば、日本板硝子社より、「フレカ」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
本発明の(C)成分として使用されるガラスビーズは、外径10〜100μmの球状のものであり、例えば、東芝バロティーニ社より、商品名「EGB731」として市販されており、容易に入手可能である。
本発明で使用されるガラス系フィラーは、樹脂との密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤(例えばアミノシラン、エポキシシラン)等による表面処理を施しても良く、或いはガラス繊維の取り扱い性を向上させる目的で、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等による収束処理を施して使用しても良い。
【0045】
本発明で使用されるポリカーボネート、ガラス系フィラーは、次のような比率で配合される。
(A)温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、前記関係式(1)を満たす溶融法ポリカーボネート40〜95重量%、好ましくは50〜90重量%、
(B)繊維径が6〜20μmでアスペクト比が50以上のガラス繊維0〜57重量%、好ましくは2〜40重量%、とりわけ好ましくは4〜30重量%、
(C)繊維径が6〜20μmでアスペクト比が20未満のガラス繊維、最大径が10〜1000μmでありかつアスペクト比(平均長さと平均厚みとの比)が5以上の鱗片状ガラスフレーク、ガラスビーズから選ばれた1種または2種のガラス系フィラー3〜60重量%、好ましくは5〜55重量%、とりわけ好ましくは7〜50重量%、
成分(B)と成分(C)の割合は、重量比で、B/C=0〜4であり、好ましくは1/9〜7/3である。
【0046】
ここで(A)のポリカーボネートの配合量は、40重量%未満では得られる樹脂組成物の流動性が低下し、95重量%を越えると強度・剛性と寸法精度が低下し、目的とする精密成形部品が得られない。また、(B)のアスペクト比が50以上のガラス繊維の配合量は、57重量%を越えると、樹脂組成物の流動性が低下し、目的とする精密成形部品が得られない。(C)アスペクト比が20未満のガラス繊維や最大径が10〜1000μmの鱗片状ガラスフレーク、ガラスビーズの配合量は、3重量%未満では線膨張係数と成形収縮率の異方性が大きくなり、60重量%を越えると樹脂組成物の流動性が低下し、目的とする精密成形部品が得られない。
また、成分(B)と成分(C)の割合が、B/C=4を越えると、面精度が悪化し目的とする精密成形部品が得られない。
本発明の精密成形部品を成形する樹脂組成物には、前記の樹脂添加剤、ガラスフィラー以外に、難燃剤を含むことができる。本発明では、難燃剤の種類は特に限定されるものではなく、ポリカーボネートに効果がある公知の難燃剤を用いることができるが、ハロゲン系難燃剤、燐酸エステル系難燃剤、スルホン酸金属塩系難燃剤、シリコン系難燃剤、PTFE等のドリップ防止剤等が挙げられる。また、本発明の精密成形部品用樹脂組成物は、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、ABS樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等に代表される他の熱可塑性樹脂、離型剤、耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、他の無機系充填剤等の添加剤を添加し、所望の物性を有するポリカーボネート樹脂組成物とすることも出来る。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
ポリカーボネートの製造
以下、ポリカーボネートの製造法を示す。なお、得られたポリカーボネートの分析は、下記の測定方法により行った。
【0048】
(1)粘度平均分子量(Mv)
ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子量(Mv)を求めた。
【0049】
【数4】
[η]=1.23×10-4×(Mv)0.83……(5)
【0050】
(2)末端OH基含有量
四塩化チタン/酢酸法(Makromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)により比色定量を行った。測定値は、ポリカーボネート重量に対する末端OH基の重量をppm単位で表示した。
【0051】
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定装置には、HLC−8020(東ソー(株)製)を、溶離液にはテトラヒドロフランを使用し、ポリスチレン換算で求め、Mw/Mnを算出した。
【0052】
(4)動的粘弾性
動的粘弾性は以下の様に測定した。供試ポリカーボネートを120℃で5時間、乾燥し、250℃で直径25mm、厚み1.5mmの形状にプレス成形し、測定用サンプルを得た。サンプルは測定前に120℃、4時間の減圧乾燥を行い、測定に供した。粘弾性測定器RDA−700(レオメトリックス(株)製)を使用し、直径25mmのパラレルプレート型の治具を装着し、本機器の適正条件を満足する窒素気流中、測定温度である250℃に設定した。測定温度はオーブン内の温度を測定することにより設定した。その後乾燥した測定用サンプルを機器にセットし、サンプル全体が十分に設定温度となる様に静置の後、角速度10rad/s、歪み10%の回転をすることで測定した。この測定により損失正接Tanδ及び複素粘性率η*(Pa・s)を求めた。
【0053】
ポリカーボネートの製造例1
本発明のポリカーボネートの製造方法の一実施態様を示すフローシートである図1に従って説明する。図中、1はDPC(ジフェニルカーボネート)貯槽、2は撹拌翼、3はBPA(ビスフェノールA)ホッパー、4a,bは原料混合槽、5はDPC流量制御弁、6はBPA流量制御弁、7はポンプ、8は触媒流量制御弁、9はプログラム制御装置、10はポンプ、11は触媒貯槽、12は副生物排出管、13a,b,cは竪型重合槽、14はマックスブレンド翼、15は横型重合槽、16は格子翼を示す。
窒素ガス雰囲気下120℃で調製されたジフェニルカーボネート融液、及び、窒素ガス雰囲気下計量されたビスフェノールA粉末を、それぞれ、DPC貯槽(1)から205.0モル/h、及びBPAホッパー(3)から197.1モル/h(原料モル比1.040)の送量となるように、マイクロモーション式流量計及びロスインウェイト方式の重量フィーダーで計量し、窒素雰囲気下140℃に調整された原料混合槽(4a)に連続的に供給した。続いて、原料混合液を原料混合槽(4b)に、さらにポンプ(7)を介して容量100Lの第1竪型撹拌重合槽(13a)に連続的に供給した。一方、上記混合物の供給開始と同時に、触媒として2重量%の炭酸セシウム水溶液を、触媒導入管を介して、1.6mL/h(設定触媒量:ビスフェノールA1モルに対し、0.51μモル)の流量で連続供給を開始した。
このとき、実際の触媒流量制御は、プログラム制御装置(9)で、BPA流量制御弁(6)で検知したBPA流量と設定触媒量より、設定触媒流量を計算して、この値と触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量とが一致するように触媒流量制御弁(8)の開度をコントロールすることによって遂行された。
【0054】
マックスブレンド翼(14)を具備した第1竪型撹拌重合槽(13a)は、常圧、窒素雰囲気下、220℃に制御し、さらに平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
槽底より排出された重合液は、引き続き、第2、第3のマックスブレンド翼を具備した容量100Lの竪型撹拌重合槽(13b、13c)、及び第4の格子翼(16)を具備した容量150Lの横型重合槽(15)に逐次連続供給された。
第2〜第4重合槽での反応条件は、それぞれ、下表のように、反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速度となるように条件設定した。
【0055】
【表1】
Figure 0004014904
【0056】
反応の間は、第2〜第4重合槽の平均滞留時間が60分となるように、液面レベルの制御を行い、また、各重合槽においては、副生したフェノールを副生物排出管(12)より除去した。以上の条件下で、1500時間連続して運転した。
なお、第4重合槽底部のポリマー排出口から抜き出されたポリカーボネートは、溶融状態のまま、3段ベント口を具備した2軸押出機に導入され、p−トルエンスルホン酸ブチルをポリカーボネート重量に対し、4.0ppm(触媒の中和量に対し、4.4倍モル)添加し、水添、脱揮した後、ペレット化した。
得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、21,500及び500ppmであった。
また、触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量の連続測定データ(以下、「触媒流量制御弁の連続測定データ」と略称する。)より、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、それぞれ全製造時間の96.7%及び99.1%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び4,850であった。これをPC−1と表す。
【0057】
ポリカーボネートの比較製造例1
ビスフェノールAを界面法により重縮合させ、フェノールで末端封止した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、21,500及び30ppmであった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び7,550であった。これをPC−2と表す。
【0058】
上記製造例及び比較製造例で得られたポリカーボネートにガラスフィラー及び難燃剤を配合した組成物から精密部品を成型し、評価した。なお、使用した原料は下記のとおりであった。
【0059】
(1)アスペクト比50以上のガラス繊維;
直径13μm、長さ3mmのチョップドストランド(旭ファイバーグラス社製、商品名:CS03MAFT737、以下「CS」と略記)、アスペクト比=231
(2)アスペクト比20未満のガラス繊維;
直径10μm、平均長さ60μmのミルドファイバー(旭ファイバーグラス社製、商品名:MF06JB1−20、以下「MF」と略記)、アスペクト比=6
(3)鱗片状ガラスフレーク;
平均厚み5μm、平均長さ600μmのガラスフレーク(日本板硝子社製、商品名:フレカREFG−101、以下「GFL」と略記)、アスペクト比=120
【0060】
(4)難燃剤−1;
レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(旭電化工業(株)製「FP500」、以下「FR−1」と略記)
(5)難燃剤−2;
ポリテトラフルオロエチレン(ダイキン化学工業(株)製「F201L」,分子量400万〜500万、以下「PTFE」と略記)
【0061】
実施例1〜3、及び比較例1〜3
表−1に示す配合処方で、ポリカーボネート樹脂、ガラスフィラー及び難燃剤を配合し、単軸押出機(田辺プラスチック(株)製)によりバレル温度280℃で混練、ペレット化した。得られた樹脂組成物のペレットを120℃、5時間乾燥した後、下記試験法に従って射出成形により試験片を成形し、評価を行い、評価結果を表1−に示した。また、下記の精密成形品を成形し、評価した。
(1)曲げ弾性率
ISO178による曲げ試験法に従い、住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、 シリンダー温度:300℃,金型温度:100℃の条件で試験片を成形し,三点曲げ試験を行った。
【0062】
(2)流動性
住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、 シリンダー温度:300℃,金型温度:100℃,金型:20mm幅×2mm厚,射出圧力:150MPaの条件で、流動長を測定した。
(3)成形収縮率、及びその異方性
住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、シリンダー温度:300℃,金型温度:100℃の条件、80mm×40mm×3.2mmtのプレートを成形し、流れ方向(MD)と垂直方向(TD)の収縮率を測定した。また、(垂直方向の収縮率)/(流れ方向の収縮率)を異方性とした。
【0063】
精密成形部品の評価
実施例1、及び比較例1
表−1記載の配合処方で得られた樹脂組成物のペレットを120℃,5時間乾燥した後、東芝機械社製、型締め力150Tの射出成形機を用いて、シリンダー温度:300℃,金型温度:100℃の条件で、MDのベースシャーシを成形した。成形品の面精度を、三豊製作所製、三次元測定機マイクロコードA121を用いて、基準平面(長手方向:85mm)に対する最大反りを測定し、平面度とした。結果を表−1に示した。
【0064】
実施例2、及び比較例2
表−1記載の配合処方で得られた樹脂組成物のペレットを120℃,5時間乾燥した後、日精樹脂工業社製、型締め力350Tの射出成形機を用いて、シリンダー温度:290℃,金型温度:80℃の条件で、FAXのベースシャーシを成形した。成形品の面精度を、三豊製作所製、三次元測定機マイクロコードA121を用いて、基準平面(長手方向:160mm)に対する最大反りを測定し、平面度とした。結果を表−1に示した。
【0065】
実施例3、及び比較例3
表−1記載の配合処方で得られた樹脂組成物のペレットを120℃,5時間乾燥した後、住友重機械工業社製、型締め力75Tの射出成形機を用いて、シリンダー温度:290℃,金型温度:100℃の条件で、CDのターンテーブルを成形した。成形品の面精度を、三豊製作所製、三次元測定機マイクロコードA121を用いて、基準平面(長手方向:25mm)に対する最大反りを測定し、平面度とした。結果を表−1に示した。
【0066】
【表2】
Figure 0004014904
【0067】
【表3】
Figure 0004014904
【0068】
【発明の効果】
本発明の精密成形部品は、強度・剛性が高く、成形収縮率の異方性が小さく、寸法精度に優れ、オフィスオートメーション機器、電気機器、電子機器の部品として好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わるポリカーボネートの製造方法の1例を示したフローシート図である。
【符号の説明】
1.DPC貯槽 2.撹拌翼 3.BPAホッパー 4a,b.原料混合槽5.DPC流量制御弁 6.BPA流量制御弁 7.ポンプ 8.触媒流量制御弁 9.プログラム制御装置 10.ポンプ 11.触媒貯槽 12.副生物排出管13a,b,c.竪型重合槽 14.マックスブレンド翼 15.横型重合槽16.格子翼

Claims (3)

  1. 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを溶融法でエステル交換して製造されたポリカーボネート(A)を40〜95重量%、繊維径が6〜20μmでアスペクト比が50以上のガラス繊維(B)を0〜57重量%及び繊維径が6〜20μmでアスペクト比が20未満のガラス繊維、最大径が10〜1000μmでありかつアスペクト比が5以上の鱗片状ガラスフレーク、ガラスビーズから選ばれた1種または2種のガラス系フィラー(C)を3〜60重量%含有する組成物であって、ポリカーボネート(A)の温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式(1)を満たすものであり、
    Figure 0004014904
    且つ、成分(B)と成分(C)の割合(B/C)が重量比で0〜4であることを特徴とする樹脂組成物から成形された精密成形部品。
  2. ポリカーボネート(A)の末端OH基含有量が50〜1000ppmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の精密成形部品。
  3. ポリカーボネート(A)の粘度平均分子量が12,000〜30,000の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の精密成形部品。
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