JP4723132B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機導電性物質を配合してなるポリカーボネート樹脂組成物に関し、更に詳しくは、電気電子製品のハウジングや部品等に好適な、機械的強度、耐熱性、寸法安定性に優れ、導電性、帯電防止性及び成形品の外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度、耐熱性、透明性、寸法安定性等に優れた樹脂として、多くの分野で幅広く用いられている。中でも、近年の情報産業の発達により、電気電子部品に用いられるケースが非常に増えてきている。しかしながら、ポリカーボネート樹脂を含む合成樹脂は、本来電気を通さない絶縁性であるため、導電性を要求される部品には、そのままでは用いることができない。又、合成樹脂は帯電しやすい為、塵やほこりが付着しやすく、塵やほこりの付着を嫌う電気電子部品に用いることにも難がある。この対策として、ポリカーボネート樹脂に導電性物質を配合し、導電性や帯電防止性を付与することが行われている。代表的な導電性物質としては、炭素繊維や金属繊維、導電性カーボンブラックが挙げられ、これらを配合したポリカーボネート樹脂は、電気電子部品をはじめとする導電性や帯電防止性が要求される産業分野で広く使われるようになっている。
【0003】
しかしながら、本来絶縁性であるポリカーボネート樹脂に導電性を付与するには、かなりの量の導電性物質を配合する必要があり、そのため、ポリカーボネート樹脂本来の機械的強度、耐熱性、寸法安定性及び成形性(流動性)が低下し、成形品外観が損なわれるといった問題が生じてくる。また、近年では部品の薄肉化、軽量化が進み、より少ない量で導電性を発現し、流動性や機械的強度の低下を抑えたポリカーボネート樹脂が求められている。
これに対して、例えば、特開平2001−49109号には、樹脂末端中に特定割合の水酸基を有するポリカーボネート樹脂に炭素繊維を配合した組成物に係わる発明が開示されている。しかしながら、この発明では、ポリカーボネート樹脂と炭素繊維の密着性を改良し、機械的強度を向上させることに主眼がおかれており、導電性の改良効果は不十分である。また、特公平1−21185号には、ポリカーボネート樹脂と炭素繊維からなる組成物にリン化合物を配合することにより、導電性が向上することが開示されている。確かに、かかる成分を添加することにより導電性は向上しているものの、ポリカーボネート樹脂が本来持つ耐熱性が損なわれたり、低分子物の配合によるモールドデポジットの発生等が懸念される。
【0004】
更に炭素繊維以外の導電性物質、例えば導電性カーボンブラックをポリカーボネート樹脂に配合した場合については、機械的強度、耐熱性を保持したままで導電性を付与することは難しく、かつ、カーボンブラックの分散不良にともなう凝集物が発生してしまうが、これらの改良手法については何の知見も無い状況にある。かかる状況の下、ポリカーボネート樹脂本来の機械的強度、耐熱性、寸法安定性を何ら損なうことなく、導電性、帯電防止性及び成形品の外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリカーボネート樹脂本来の機械的強度、耐熱性、寸法安定性を何ら損なうことなく、導電性、帯電防止性及び成形品の外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに、特定の製法で得られ、特定の溶融粘弾性を有するポリカーボネート樹脂に無機導電性物質を配合した樹脂組成物は、分子量が実質的に同等な他の特性を有するポリカーボネート樹脂に比べて、機械的強度や耐熱性を犠牲にすることなく、無機導電性物質の分散が非常に良好で、導電性及び成形品の外観に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、無機導電性物質を0.1〜100重量部含有する樹脂組成物であって、該ポリカーボネート樹脂が溶融法で製造され、且つ、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式(1)を満たすことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物に存する。
【0007】
【数2】
2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 ……(1)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明組成物に使用されるポリカーボネート樹脂は、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式(1)を満たすことが必要で、好ましくは下記関係式(2)の範囲であり、さらに好ましくは下記関係式(3)の範囲である。本発明において、該Tanδ/η*-0.87の値は、ポリカーボネート樹脂の溶融粘弾性を示すパラメーターとして使用した。Tanδ/η*-0.87の値が、2500未満の場合、あるいは6000を超える場合は無機導電性物質の分散不良が発生し、かつ流動性や導電性、成形品の外観が損なわれる。
【0009】
【数3】
2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 …… (1)
2800≦Tanδ/η*-0.87≦5500 …… (2)
3000≦Tanδ/η*-0.87≦5000 …… (3)
【0010】
損失角δは、動的溶融粘弾性の測定から求められる、応力に対するひずみの位相の遅れを表し、動的粘弾性挙動を表す指標のひとつとして一般的に知られている。δ(Tanδ)は、その値が大きい場合は粘弾性の粘性的な性質が強いことを示し、小さい場合は弾性的な性質が強いことを示している。この値を決定する要因は複雑であり、例えば、ポリカーボネート樹脂製造原料(共重合を含む単量体)の種類、共重合組成、共重合体の構造、分岐点の数や分岐鎖の長さ等の分岐構造等を含む分子構造、分子量、分子量分布等が挙げられる。
【0011】
本発明者らの検討によれば、従来のホスゲンを用いた界面法により製造されたポリカーボネート樹脂は、無機導電性物質を添加した場合に流動性が極端に悪化し、更に、射出成形時に無機導電性物質が成形品表面に浮き出したり、凝集したりして成形品の外観を損なうといった問題があった。このような界面法により製造されたポリカーボネート樹脂は、δ(Tanδ)の値を、分子量等の指標である複素粘性率(η* (Pa・s))に対する、対数座標にプロットすると、Tanδ/η*-0.87=約8000の直線上にほぼ並ぶことがわかった。(ここで、η*の指数である−0.87は、上記直線の傾きを表し、Tanδ/η*-0.87は、上記直線をη*=1(Pa・s)に外挿したときのTanδの値を表す。すなわち、Tanδ/η*-0.87の値をパラメータに用いることで損失角の分子量(粘度)依存性を排除することが可能となる。)。
【0012】
これに対し、溶融法により製造されたポリカーボネート樹脂は一般にこの直線上には乗らないこと、また、溶融法ポリカーボネート樹脂は、Tanδ/η*-0.87<2500のものは、射出成形時に流れ模様が出やすく成形品外観が劣るが、2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000の範囲にあるポリカーボネート樹脂は、分子量が大きい範囲でも流動性及び成形品の外観が優れていることを見出した。
【0013】
本発明において、該溶融粘弾性パラメーターで規定されたポリカーボネート樹脂が流動性に与える効果としては、δ(Tanδ)の値が小さい方が、ポリカーボネート樹脂の法線応力が大きくなり、それによってポリカーボネート樹脂を成形品表面へ押しつける応力が高く、その結果、無機導電性物質の凝集や成形品表面への浮き出しが著しく少なくなると推定される。又、この他、薄肉部分での流動性が高くなり、成形性が改良される効果もある。但し、δ(Tanδ)の値が小さすぎる場合、理由は定かでは無いが成形品表面に流れ模様が発生し、好ましくない。
【0014】
なお、本発明においては、ポリカーボネート樹脂に各種安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等を添加することもでき、ポリカーボネート樹脂の製造途中、又はペレット製造の前にこれらの添加剤を添加する場合もあり、一般にそれらの添加剤を含んだものを「ポリカーボネート樹脂」と称することがあるが、本発明で規定する上記関係式の値は、これらの添加剤を全く含まないポリカーボネート樹脂について求められるものである。
【0015】
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂の末端OH基含有量は、50〜1000ppmであることが好ましく、70〜800ppmであることがさらに好ましく、90〜600ppmであることがとりわけ好ましい。末端OH基含有量が1000ppmを超えると、熱安定性、耐加水分解性が悪化し、また、少なすぎると所望の分子量のポリカーボネート樹脂の製造が困難となる傾向がある。
【0016】
ポリカーボネート樹脂の分子量が低い場合、流動性に優れるが機械的強度に劣る。逆に、ポリカーボネート樹脂の分子量が高い場合、機械的強度には優れるが流動性に劣る。本発明では、粘度平均分子量が12,000〜30,000のポリカーボネート樹脂が好ましく、粘度平均分子量が14,000〜26,000のポリカーボネート樹脂が更に好ましく、粘度平均分子量が16,000〜24,000のポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
【0017】
本発明に係わるポリカーボネート樹脂は、溶融法により製造され、上記式(1)を満たす粘弾性率を有する樹脂であれば、その製法は特に限定されるものではないが、例えば、下記のごとく、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料として製造することができる。
【0018】
芳香族ジヒドロキシ化合物: 本発明のポリカーボネート樹脂の原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記式(1)で示される。
【0019】
【化1】
Figure 0004723132
【0020】
(式(1)中、Aは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基、又は、−O−、−S−、−CO−若しくは−SO2−で示される2価の基であり、X及びYは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、p及びqは、0又は1の整数である。なお、XとY及びpとqは、それぞれ、同一でも相互に異なるものでもよい。)。
【0021】
代表的な芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」とも言い、「BPA」と略記することもある。)が好ましい。
【0022】
炭酸ジエステル: 原料の他の一つである炭酸ジエステルは、下記式(2)で示される。
【0023】
【化2】
Figure 0004723132
【0024】
(式(2)中、A’は、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基であり、2つのA’は、同一でも相互に異なるものでもよい。)。
代表的な炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記することもある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
【0025】
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
これら炭酸ジエステル(上記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸のエステルを含む。以下同じ。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常、過剰に用いられる。すなわち、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、モル比で1.001〜1.3、好ましくは1.01〜1.2の範囲内で用いられる。モル比が1.001より小さくなると、製造されたポリカーボネート樹脂の末端OH基が増加して、熱安定性、耐加水分解性が悪化し、また、モル比が1.3より大きくなると、ポリカーボネート樹脂の末端OH基は減少するが、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望の分子量のポリカーボネート樹脂の製造が困難となる傾向がある。本発明においては、末端OH基含有量が50〜1000ppmの範囲に調整したポリカーボネート樹脂を使用するのが良い。
【0026】
原料混合槽への原料の供給方法としては、液体状態の方が計量精度を高く維持し易いため、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルのうち、一方又は両方を、溶融させて液体状態で供給することが好ましい。液体状態で原料を供給する場合には、計量装置としては、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いることができる。
一方、固体状態で原料を供給する場合には、スクリュー式フィーダーのような容量を計量するものよりも、重量を計量するものを用いるのが好ましく、べルト式、ロスインウェイト式等の重量フィーダーを用いることができるが、ロスインウェイト方式が特に好ましい。
【0027】
エステル交換触媒: 溶融法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常、触媒が使用される。本発明に係わるポリカーボネート樹脂を製造する方法においては、触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。これらは、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して0.05〜5μモル、好ましくは0.08〜4μモル、さらに好ましくは0.1〜2μモルの範囲内で用いられる。触媒の使用量が上記量より少なければ、所望の分子量のポリカーボネート樹脂を製造するのに必要な重合活性が得られず、この量より多い場合は、ポリマー色相が悪化し、またポリマーの分岐化も進み、成形時の流動性が低下する傾向がある。
【0029】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ金属化合物等がある。これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、具体的に最も好ましいセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムである。
【0030】
また、アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ土類金属化合物等がある。
【0031】
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩又はストロンチウム塩等が挙げられる。
【0032】
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−i−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又は、これらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0033】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
【0034】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン,4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
これらの触媒のうち、実用的にはアルカリ金属化合物が望ましい。
【0035】
上記エステル交換触媒は、溶媒に溶解した触媒溶液の形態で用いられる。溶媒としては、例えば、水、アセトン、アルコール、トルエン、フェノールの他、原料芳香族ジヒドロキシ化合物や原料炭酸ジエステルを溶解する溶媒が挙げられる。これらのなかでは、水が好ましく、特にアルカリ金属化合物を触媒とする場合には、水溶液とすることが好適である。
【0036】
ポリカーボネート樹脂の製造方法: 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルからポリカーボネート樹脂を製造する方法は、溶融法であって前記特定の物性を有するポリカーボネート樹脂が得られる方法であれば、特に限定されないが、例えば、以下のような方法が採用される。
すなわち、通常、原料混合槽等で両原料を、均一に撹拌した後、触媒を添加して重合を行い、ポリカーボネート樹脂が生産される。例えば、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステルの両原料を、原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物とエステル交換触媒を重合槽に連続的に供給することが好ましい。その際、本発明の上記特定の物性のポリカーボネート樹脂を安定して生産するためには、例えば、少なくとも以下の(a)及び(b)の両条件を満足する方法が採用される。
【0037】
(a)全製造時間を一つ以上に分画した単位製造時間ごとに、重合槽に供給される芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステル1モルに対しての触媒量を一定に保つための目標触媒供給量である「設定触媒量」を、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05〜5μモルの範囲内から選択する。なお、「全製造時間」とは、重合槽においてポリカーボネート樹脂を安定的に生産する原料供給時間に対応し、立ち上げ時や、グレード切り替え時、製造終了時等の非安定時のポリカーボネート樹脂製造時間は含まない。
(b)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、供給される実際のエステル交換触媒量(以下、単に「実際の触媒量」という。)が、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持されるようにする。
上記(a)において、設定触媒量は、全製造時間を通して必ずしも一定値である必要はなく、全製造時間を一つ以上に分画して、その単位製造時間ごとに設定することが可能である。
【0038】
以下、この方法について詳しく説明すると、全製造時間が単一分画の単位製造時間である場合は、その少なくとも95%の時間は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.1μモル以内の値に実際の触媒量を維持する。また、全製造時間が複数の単位製造時間に分画され、設定触媒量が変更される場合には、各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に、実際の触媒量を維持する。いずれの場合も、設定触媒量±0.08μモル以内に維持することが好ましく、設定触媒量±0.06μモル以内に維持することが特に好ましい。さらに、実際の触媒量が、制御された値に維持される時間の割合は、全製造時間又は各単位製造時間の少なくとも95%であれば良いが、100%に近いほどより好ましい。95%より少ない時間になると、所望の分子量、末端OH基含有量のポリカーボネート樹脂が得られなくなる。特に触媒量が設定量より多い時間の割合が多い場合は、得られるポリカーボネート樹脂色相が悪化したり、またポリカーボネート樹脂の分岐化が進む等して、結果的に本発明で規定する関係式を満足するものが得られなくなり、該ポリカーボネート樹脂を成形する時の流動性も低下する傾向がある。なお、重合温度、重合時間、減圧度等の重合反応時の製造条件を変えても、本発明のポリカーボネート樹脂を製造することは可能であるが、安定的な生産が困難になると考えられる。実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモルと極めて小さな変動範囲以内に維持して、供給を続けることにより初めて、煩雑な重合操作を必要とせずに、本発明で規定する特定の関係式を満足し、狭い分子量分布、色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性に優れたポリカーボネート樹脂を安定的に生産できるようになることがわかった。
【0039】
前記の実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持させるためには、重合槽に供給する触媒流量を、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いて、計量、供給することが好ましい。
触媒供給を自動制御するには、例えば、まずコンピュータに、継続的に実際の触媒流量の測定値を入力し、前述した設定触媒量と芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料調製槽への供給量より算出された設定触媒流量とを比較する。その際、実際の触媒流量の測定値が、該設定触媒流量と異なる場合、この結果を触媒計量・供給装置に伝え、バルブの開度等を調節して、実際の触媒流量と設定触媒流量が一致するように制御する。
【0040】
ここで、触媒供給の自動制御は、実際の触媒流量の測定間隔の適正化に十分配慮すれば、継続的な間歇測定に基づく制御でも、連続的な測定と同様に制御を行うことは可能であるが、安定した品質の製品を得るには、連続的な自動測定であることが好ましい。すなわち、連続的に触媒流量を自動測定できれば、重合槽への触媒供給量を迅速且つ連続的に制御することが可能となり、その結果、一定の設定触媒流量に維持され、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量や末端OH基含有量等のふれが小さく、かつ分子量分布が狭くなり、さらに色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性の均一な製品が得られるので好ましい。
ある設定触媒量の単位製造時間中に、実際の触媒量が、設定触媒量±0.1μモル以内の値に、どれ程の時間存在したかは、上記測定手段による測定結果から容易に判定することができる。連続的測定の場合、実際の原料モル比と測定時間の関係を示す曲線より、予め設定した触媒量±0.1μモル以内にある累積時間と、±0.1μモルよりはずれた累積時間とを求めることにより、該設定触媒量での単位製造時間の少なくとも95%の時間は、±0.1μモル以内の値に維持されていたかどうかが判定される。連続的測定ではない場合でも、継続的な測定であれば、これを統計処理する方法等により判定することができる。
【0041】
ポリカーボネート樹脂の重合反応(エステル交換反応)は、2以上の重合槽での反応、すなわち2段階以上、通常3〜7段の多段工程で連続的に実施されることが好ましい。具体的な反応条件としては、温度:150〜320℃、圧力:常圧〜2Pa、平均滞留時間:5〜150分の範囲とし、各重合槽においては、反応の進行とともに副生するフェノールの排出をより効果的なものとするために、上記反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。得られるポリカーボネート樹脂の色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、できるだけ短い滞留時間の設定が好ましい。
なお、多段工程で重合槽を複数用いる場合の実際の触媒量の自動制御は、触媒の供給量を連続的に自動制御することが好ましく、その場合は、第1重合槽の滞留時間の1/3以内に測定及び制御が完了していることが必要である。
【0042】
上記エステル交換反応において使用する装置は、竪型、管型又は塔型、横型のいずれの形式であってもよい。通常、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立製作所製)等を具備した1以上の竪型重合槽に引き続き、円盤型、かご型等の横型一軸タイプの重合槽やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、メガネ翼、格子翼((株)日立製作所製)、又はメガネ翼とポリマーの送り機能を持たせた、例えばねじりやひねり等の入った翼及び/又は傾斜がついている翼等を組み合わせたもの等を具備した、横型二軸タイプの重合槽を用いることができる。
【0043】
上記方法で製造したポリカーボネート樹脂中には、通常、原料モノマー、触媒、エステル交換反応で副生する芳香族ヒドロキシ化合物、ポリカーボネート樹脂オリゴマー等の低分子量化合物が残存している。なかでも、原料モノマーと芳香族ヒドロキシ化合物は、残留量が多く、耐熱老化性、耐加水分解性等の物性に悪影響を与えるので、製品化に際して除去されることが好ましい。
それらを除去する方法は、特に制限はなく、例えば、ベント式の押出機により連続的に脱揮してもよい。その際、樹脂中に残留している塩基性エステル交換触媒を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておくことにより、脱揮中の副反応を抑え、効率よく原料モノマー及び芳香族ヒドロキシ化合物を除去することができる。
【0044】
添加する酸性化合物又はその前駆体には特に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交換触媒を中和する効果のあるものであれば、いずれも使用できる。具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はその前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が特に好ましい。
【0045】
これらの酸性化合物又はその前駆体の添加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モルの範囲で添加する。酸性化合物又はその前駆体を添加する時期としては、重縮合反応後であれば、いつでもよく、添加方法にも特別な制限はなく、酸性化合物又はその前駆体の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等のいずれの方法でもよい。
脱揮に用いられる押出機は、単軸でも二軸でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通常は2段から10段の多段ベントが用いられる。また、該押出機では、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等の添加剤を添加し、樹脂と混練することもできる。
【0046】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に配合される無機導電性物質としては、通常、熱可塑性樹脂に配合されている公知の無機導電性物質を用いることができる。一例を挙げれば、カーボンブラック、炭素繊維、グラファイト、炭素ウイスカー、カーボンナノチューブ等の炭素系の導電性物質、金属繊維、金属粉末、金属酸化物等の金属系の無機導電性物質、炭素繊維やウイスカー、ガラス繊維の表面に金属をコートした複合導電性物質等が挙げられる。これらの中でも、炭素繊維、金属繊維、金属粉末、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイトが好ましく、これらは単独または、2種以上を併用することができる。
【0047】
本発明で使用される炭素繊維としては、一般にアクリル繊維、石油又は炭素系特殊ピッチ、セルロース繊維、リグニン等を原料として焼成によって製造されたものが挙げられ、耐炎質、炭素質または、黒鉛質等の種々のタイプのものがあるが特に基材を問わない。さらに、炭素繊維の導電性を改善するために炭素繊維の表面に金属コートした炭素繊維を用いても良い。炭素繊維の表面コートに用いられる金属は、銅、ニッケル、銀、コバルト、アルミニウム、鉄などの1種以上の金属であり、金属コートの方法は公知の蒸着法やメッキ法等がある。
炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維径)の平均は、好ましくは、10以上である。アスペクト比の平均が10未満であると導電性と強度、剛性が低下する。炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維径)の平均は、より好ましくは、50以上である。一般に炭素繊維の径は3〜15μmであるため、このようなアスペクト比に調整するためには、チョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバー等のいずれの形状のものも使用でき、1種または2種以上混合して用いることもできる。炭素繊維の表面は、本発明の組成物の特性を損なわない限りにおいて、樹脂との親和性を増すために表面処理、例えばシラン処理、エポキシ処理、ウレタン処理、酸化処理等が施されていてもよい。このような炭素繊維としては、例えば三菱化学(株)よりダイアリード、東邦レーヨン(株)よりベスファイトといった商品名で市販されている。
【0048】
本発明組成物に使用されるグラファイトは、天然鱗片状黒鉛、天然土状黒鉛、人造黒鉛などがあり、それらを1種または2種以上混合して使用出来る。黒鉛の平均粒径は、重量平均で5〜100μmのものが好ましく、5〜80μmのものがさらに好ましく、5〜60μmのものが最も好ましい。平均粒径5μm未満の黒鉛は、押出機などを用いて溶融混練する場合、スクリューへの喰い込みが悪くなり、計量不安定で好ましくない。平均粒径が100μmを越えると、成形品の外観や分散性が劣り、好ましくない。市販のグラファイトとしては、日本板硝子(株)のカーボンフレーク#585、日本黒鉛(株)のCP、CPB、中越黒鉛(株)のCPB3、CPB−30、CPB−3000等が挙げられる。
【0049】
本発明組成物に使用される導電性カーボンブラックは、ASTM−D2414−88規定のDBP(ジブチルフタレート)吸油量100ml/100g以上のものが好ましい。DBP吸油量が100ml/100g未満のカーボンブラックを用いると、帯電防止性を与えるためのカーボンブラックの添加率が高くなり、流動性や機械的強度の低下を招き好ましくない。市販の導電性カーボンブラックとしては、三菱化学(株)のダイヤブラック(ファーネスブラック)、電気化学(株)のデンカブラック(アセチレンブラック)、ライオン(株)のケッチェンブラック600JD、キャボット(株)のバルカンC等がある。
【0050】
本発明で使用される金属繊維は、コイル材切削法、伸線引き抜き法、溶融紡糸法、ワイヤ切削法により、銅、黄銅、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、マグネシウム、鉄、金、銀から製造されたものが使用出来る。金属繊維径は3〜100μm、好ましくは5〜50μmで、数平均繊維長は0.1〜5mm、好ましくは0.3〜3mmである。
【0051】
本発明で使用される金属粉は、銅、黄銅、亜鉛、ステンレス、アルミニうム、ニッケル、マグネシウム、鉄、金、銀から製造されたものが使用出来る。金属粉の平均粒径は0.5〜20μmが好ましく、20μmを越えると衝撃強度が低下し、0.5μm未満では流動性が低下するので好ましくない。本発明で使用される金属繊維、金属粉とも例えばシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤で表面処理して用いてもよい。
【0052】
本発明で使用されるカーボンナノチューブは、中空構造を有する炭素フィブリルであり、外径3.5〜70nm、アスペクト比5以上であることが好ましく、外径4〜60nm、アスペクト比10以上であるものが特に好ましい。フィブリル外径が3.5nm未満の物は、樹脂中への分散性に劣り、70nmを超えると得られる樹脂組成物の導電性が不満足である。また、アスペクト比が5未満では、得られる樹脂組成物の導電性が不満足である。
【0053】
カーボンナノチューブは、規則的に配列した炭素原子の本質的に連続的な多数層からなる外側領域と、内部中空領域とを有し、各層と中空領域とが該フィブリルの円柱軸の周囲に実質的に同心に配置されている本質的に円柱状のフィブリルである。更に、上記外側領域の規則的に配列した炭素原子が黒鉛状であり、上記中空領域の直径が2〜20nmであることが好ましい。かかるカーボンナノチューブは、特表昭62−500943号や米国特許第4,663,230号明細書に詳しく記載されている。その製法については、上記特許公報や米国特許明細書に記載されているように、遷移金属含有粒子(例えばアルミナを支持体とする鉄、コバルト、ニッケル含有粒子)をCO、炭化水素等の炭素含有ガスと850〜1200℃の高温で接触させ、熱分解により生じた炭素を遷移金属を起点として繊維状に成長させる方法が挙げられる。
かかるカーボンナノチューブは、ハイペリオン・カタリシス社より「グラファイト・フィブリル」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。
【0054】
本発明組成物における無機導電性物質の配合量は、導電性物質の種類によって異なるが、通常、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部の範囲から選ばれる。具体的な配合量は、炭素繊維や金属繊維の場合には、5〜50重量部が好ましく、導電性カーボンブラックやカーボンナノチューブの場合には、0.5〜20重量部が好ましい。無機導電性物質の配合量が0.1重量部未満だと、導電性が十分ではなく、100重量部を超えると成形性に難が生じ好ましくない。
【0055】
本発明組成物は、上記のポリカーボネート樹脂に、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、難燃剤、耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、他の無機系充填剤等の添加剤を配合することもできる。
【0056】
前記特定の物性値を有するポリカーボネート樹脂と無機導電性物質の配合方法は特に規定されるものではなく、この種技術で通常用いられる方法を採用することが出来る。
かくして得られる本発明の樹脂組成物は、優れた機械的特性、耐熱性、導電性を有し、各種の電気、電子機器、光学機器、自動車等の部品やハウジング等の製造用として好適である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
ポリカーボネート樹脂の製造
以下、ポリカーボネート樹脂の製造法を製造例として示す。なお、得られたポリカーボネート樹脂の分析は、下記の測定方法により行った。
【0058】
(1)粘度平均分子量(Mv)
ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中、20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子量(Mv)を求めた。
【0059】
【数4】
[η]=1.23×10-4×(Mv)0.83 ……(5)
【0060】
(2)末端OH基含有量
四塩化チタン/酢酸法(Makromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)により比色定量を行った。測定値は、ポリカーボネート樹脂重量に対する末端OH基の重量をppm単位で表示した。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定装置には、HLC−8020(東ソー(株)製)を、溶離液にはテトラヒドロフランを使用し、ポリスチレン換算で求め、Mw/Mnを算出した。
【0061】
(4)動的粘弾性
動的粘弾性は以下の様に測定した。サンプルのポリカーボネート樹脂を120℃、5時間、乾燥し、250℃で直径25mm、厚み1.5mmの円板状にプレス成形し、測定用サンプルを得た。サンプルは測定前に120℃、4時間、減圧乾燥して、測定に供した。粘弾性測定器RDA−700(レオメトリックス(株)製)を使用し、直径25mmのパラレルプレート型の治具を装着し、本機器の適正条件を満足する窒素気流中、測定温度である250℃に設定した。測定温度はオーブン内の温度を測定することにより設定した。その後乾燥した測定用サンプルを機器にセットし、サンプル全体が十分に設定温度となる様に静置の後、角速度10rad/s、歪み10%の回転をすることで測定した。この測定により損失正接Tanδ及び複素粘性率η*(Pa・s)を求めた。
【0062】
製造例1
図1に従って、本発明のポリカーボネート樹脂を製造する方法の実施態様の一例を説明する。図1は、本発明の製造方法の1例を示したフローシート図である。図中、1はDPC(ジフェニルカーボネート)貯槽、2は撹拌翼、3はBPA(ビスフェノールA)ホッパー、4a,bは原料混合槽、5はDPC流量制御弁、6はBPA流量制御弁、7はポンプ、8は触媒流量制御弁、9はプログラム制御装置、10はポンプ、11は触媒貯槽である。図中、12は副生物排出管、13a,b,cは竪型重合槽、14はマックスブレンド翼、15は横型重合槽、16は格子翼である。
窒素ガス雰囲気下120℃で調製されたジフェニルカーボネート融液、及び、窒素ガス雰囲気下計量されたビスフェノールA粉末を、それぞれ、DPC貯槽(1)から205.0モル/h、及びBPAホッパー(3)から197.1モル/h(DPC/BPAモル比;1.040)の送量となるように、マイクロモーション式流量計及びロスインウェイト方式の重量フィーダーで計量し、窒素雰囲気下140℃に調整された原料混合槽(4a)に連続的に供給した。続いて、原料混合液を原料混合槽(4b)に、さらにポンプ(7)を介して容量100Lの第1竪型撹拌重合槽(13a)に連続的に供給した。一方、上記混合物の供給開始と同時に、触媒として2重量%の炭酸セシウム水溶液を、触媒導入管を介して、1.6mL/h(設定触媒量:BPA1モルに対し、0.5μモル)の流量で連続供給を開始した。
【0063】
このとき、実際の触媒流量制御は、プログラム制御装置(9)で、BPA流量制御弁(6)で検知したBPA流量と設定触媒量より、設定触媒流量を計算し、この値と触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量とが一致するように触媒流量制御弁(8)の開度をコントロールすることによって遂行された。
マックスブレンド翼(14)を具備した第1竪型撹拌重合槽(13a)は、常圧、窒素雰囲気下、220℃に制御し、さらに平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
槽底より排出された重合液は、引き続き、第2、第3のマックスブレンド翼を具備した容量100Lの竪型撹拌重合槽(13b、13c)、及び第4の格子翼(16)を具備した容量150Lの横型重合槽(15)に逐次連続供給された。
第2〜第4重合槽での反応条件は、それぞれ、下表に示すように、反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速度となるように条件設定した。
【0064】
【表1】
Figure 0004723132
【0065】
反応の間は、第2〜第4重合槽の平均滞留時間が60分となるように、液面レベルの制御を行い、また、各重合槽においては、副生したフェノールを副生物排出管(12)より除去した。以上の条件下で、1500時間連続して運転した。なお、第4重合槽底部のポリマー排出口から抜き出されたポリカーボネート樹脂は、溶融状態のまま、3段ベント口を具備した2軸押出機に導入され、p−トルエンスルホン酸ブチルをポリカーボネート樹脂重量に対し、4.0ppm(触媒の中和量に対し、4.4倍モル)添加し、水添、脱揮した後、ペレット化した。
【0066】
得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、21,500及び500ppmであった。
また、触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量の連続測定データ(以下、「触媒流量制御弁の連続測定データ」と略称する。)より、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、それぞれ全製造時間の96.7%及び99.1%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び4,850であった。これをPC−1と表す。
【0067】
比較製造例1
製造例1において、プログラム制御装置を設置せず、触媒流量を1.6mL/h(設定触媒量:BPA1モルに対し、0.5μモル)に固定した以外は、製造例1と同様にして実施した。得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、22,400及び500ppmであった。
また、触媒流量制御弁の連続測定データより、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、全製造時間の89.9%及び91.7%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.7及び2,240であった。これをPC−2と表す。
【0068】
比較製造例2
ビスフェノールAとホスゲンを界面法により重縮合させ、フェノールで末端封止した。得られたポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、22,100及び30ppmであった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び7,550であった。これをPC−3と表す。
【0069】
実施例1〜3及び比較例1〜6
表−1及び表ー2に示す配合処方で、ポリカーボネート樹脂及び無機導電性物質を配合し、単軸押出機VS−40(田辺プラスチック(株)製)によりバレル温度280℃で混練、ペレット化した。
得られたペレットを120℃、5時間乾燥した後、住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、 シリンダー温度:300℃,金型温度:100℃の条件で各種試験片の射出成形を行い、得られた成形サンプルを用いて以下の評価を行無い、結果を表ー1及び表ー2に示した。
【0070】
(5)曲げ弾性率
ISO 178による曲げ試験法に従い、三点曲げ試験を行った。
(6)熱変形温度
ISO 75に従い、1.80MPaでの熱変形温度を測定した。
(7)導電性(表面抵抗値)
住友重機械工業製、サイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、 シリンダー温度:300℃,金型温度:100℃の条件で、80mm×40mm×3.2mmtのプレートを成形し、三菱化学(株)製のロレスタ又はハイレスタにて表面抵抗値の測定を行った(104Ω以上の値のものについてはハイレスタを用い、それ以下になるものについてはロレスタを用いた)
【0071】
(8)帯電防止性能(帯電相対値及び帯電半減期)
40mm×80mm×3.2mmtのプレートを用い、帯電相対値及び帯電半減期について測定を行った。帯電相対値及び帯電半減期は、スタティックオネストメーターを使用し、印荷電圧10kV、印荷時間1分間の条件で行った。
(9)成形品の外観
40mm×80mm×3.2mmtプレートを目視にて観察し、下記基準に基づき判断した。
○;良好
△;若干無機導電性物質の浮きや、無機導電性物質の凝集物が見られる
×;無機導電性物質の浮きや、無機導電性物質の凝集物が激しい
【0072】
なお、上記の実施例及び比較例で使用したポリカーボネート樹脂以外の原材料を以下に示す。
炭素繊維:東邦レーヨン(株)製、ベスファイトHTA−C6−SR、繊維径7μm、繊維長6mm。
グラファイト:日本板硝子(株)製、カーボンフレーク#585、平均粒度340メッシュ。
導電性カーボンブラック:ライオン(株)製、ケッチェンEC(吸油量360ml/100g)。
カーボンナノチューブ:ハイペリオンインターナショナル社製、PC/15BN(カーボンナノチューブ15重量%とポリカーボネート樹脂85重量%からなるマスターペレット)。
【0073】
【表2】
Figure 0004723132
【0074】
【表3】
Figure 0004723132
【0075】
【発明の効果】
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、無機導電性物質の添加により、導電性、帯電防止性が良好である上に、機械的強度や耐熱性に優れ、かつ従来の欠点であった流動性や成形品の外観が改良されており、カメラ部品やOA、電気電子部品をはじめとする各種産業用途に用いることができ、その意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法の1例を示したフローシート図である。
【符号の説明】
1.DPC貯槽 2.撹拌翼 3.BPAホッパー 4a,b.原料混合槽5.DPC流量制御弁 6.BPA流量制御弁 7.ポンプ 8.触媒流量制御弁 9.プログラム制御装置 10.ポンプ 11.触媒貯槽 12.副生物排出管13a,b,c.竪型重合槽 14.マックスブレンド翼 15.横型重合槽
16.格子翼

Claims (9)

  1. ポリカーボネート樹脂100重量部に対して、炭素繊維、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブおよびグラファイトからなる群より選ばれる1種又は2種以上の組み合わせからなる無機導電性物質を0.1〜100重量部含有する樹脂組成物であって、前記ポリカーボネート樹脂が芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、これらを原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物とエステル交換触媒を重合槽に連続的に供給する溶融法で製造され、且つ、エステル交換に用いる触媒が塩基性化合物であり、ポリカーボネート樹脂が下記(a)および(b)の条件を満足する方法で製造され、かつ、エステル交換反応の反応温度が150〜320℃である、ポリカーボネート樹脂組成物。
    (a)重合槽においてポリカーボネート樹脂を安定的に生産する原料供給時間である全製造時間を一つ以上に分画した単位製造時間ごとに、重合槽に供給されるビスフェノールA又はジフェニルカーボネート1モルに対しての触媒量を一定に保つための目標触媒供給量である「設定触媒量」を、ビスフェノールA1モルに対して、0.05〜5μモルの範囲内から選択する。
    (b)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、供給される実際のエステル交換触媒量が、ビスフェノールA1モルに対して、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持されるようにする。
  2. ポリカーボネート樹脂の末端水酸基含有量が50〜1000ppmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が12,000〜30,000の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. ポリカーボネート樹脂が、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートのエステル交換により製造されることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. ポリカーボネート樹脂が、さらに、下記条件(c)を満足する方法で製造されたものである、請求項1〜4の何れかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
    (c)ベント式の押出機により連続的に脱揮し、その際、樹脂中に残留している塩基性化合物を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておく。
  6. 芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし溶融法で製造するポリカーボネート樹脂の製造方法であって、
    前記原料を原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物とエステル交換触媒を重合槽に連続的に供給する工程を含み、エステル交換に用いる触媒が塩基性化合物であり、下記(a)および(b)の条件を満足し、かつ、エステル交換反応の反応温度が150〜320℃である、ポリカーボネート樹脂の製造方法。
    (a)重合槽においてポリカーボネート樹脂を安定的に生産する原料供給時間である全製造時間を一つ以上に分画した単位製造時間ごとに、重合槽に供給されるビスフェノールA又はジフェニルカーボネート1モルに対しての触媒量を一定に保つための目標触媒供給量である「設定触媒量」を、ビスフェノールA1モルに対して、0.05〜5μモルの範囲内から選択する。
    (b)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、供給される実際のエステル交換触媒量が、ビスフェノールA1モルに対して、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持されるようにする。
  7. 前記芳香族ジヒドロキシ化合物がビスフェノールAであり、炭酸ジエステルがジフェニルカーボネートである、請求項6に記載の製造方法。
  8. エステル交換に用いる触媒が塩基性化合物であり、かつ、エステル交換反応の反応温度が150〜320℃である、請求項またはに記載の製造方法。
  9. さらに、(c)ベント式の押出機により連続的に脱揮し、その際、樹脂中に残留している塩基性化合物を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておくことを含む、請求項の何れかに記載の製造方法。
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