JP4721588B2 - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、耐候性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂組成物は、優れたエンジニアリングプラスチックとして各種分野に使用されており、難燃性を必要とする用途にも使用されている。難燃性ポリカーボネート樹脂は、非ハロゲン材料として、燐酸エステルに代表されるリン系難燃剤を添加した樹脂組成物が数多く開示され、特に成形時のモールドデポジットの問題から、例えば、レゾルシンから誘導される構造を有する縮合型燐酸エステルを使用する例が見られる。
【0003】
また、特開平6−228426号公報や特開平7−53876号公報には、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂にビスフェノールから誘導される構造を有する縮合燐酸エステルを配合した樹脂組成物が開示されており、ブリード性又は耐加水分解性を改善することが開示されている。しかしながら、こうした縮合型燐酸エステルを配合したポリカーボネート樹脂組成物は、耐候性の点で必ずしも満足できる樹脂組成物ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的強度、耐侯性及び難燃性に優れ、且つモールドデポジット性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、
(a)芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、溶融法で得られるポリカーボネートであって、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式<1>を満たすことを特徴とするポリカーボネート100重量部に、
【数1】
2500≦Tanδ/η*−0.87≦6000 <1>
(b)下記式(1)で示される燐酸エステル0.5〜40重量部、
【化1】
(式(1)において、R1 及びR2 は、それぞれ、メチル基、水素原子又はフェニル基を表し、nは1〜5の整数を表す。)
(c)ポリフルオロエチレン0.01〜3重量部、
(d)耐衝撃性改良剤0.5〜30重量部及び
(e)紫外線吸収剤0.01〜2重量部を配合してなる樹脂組成物は、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
ポリカーボネート
本発明組成物を構成するポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、溶融法により製造されるものである。
【0007】
芳香族ジヒドロキシ化合物:
ポリカーボネートの原料の一つである芳香族ジヒドロキシ化合物は、下記式(2)で示される化合物である。
【0008】
【化3】
【0009】
(式(2)中、Aは、単結合、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状の2価の炭化水素基、又は、−O−、−S−、−CO−若しくは−SO2 −で示される2価の基であり、X及びYは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、p及びqは、0又は1の整数である。なお、XとY及びpとqは、それぞれ、同一でも相互に異なるものでもよい。)
【0010】
代表的な芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」とも言い、「BPA」と略記することもある。)が好ましい。
【0011】
炭酸ジエステル:
原料の他の一つである炭酸ジエステルは、下記式(3)で示される化合物である。
【0012】
【化4】
【0013】
(式(3)中、A’は、置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の1価の炭化水素基であり、2つのA’は、同一でも相互に異なるものでもよい。)
【0014】
代表的な炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等に代表される置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等に代表されるジアルキルカーボネートが挙げられる。これらの炭酸ジエステルは、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、ジフェニルカーボネート(以下、「DPC」と略記することもある。)、置換ジフェニルカーボネートが好ましい。
【0015】
また、上記の炭酸ジエステルは、好ましくはその50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下の量を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換してもよい。代表的なジカルボン酸又はジカルボン酸エステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0016】
これら炭酸ジエステル(上記の置換したジカルボン酸又はジカルボン酸のエステルを含む。以下同じ。)は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常、過剰に用いられる。すなわち、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して1.001〜1.3、好ましくは1.01〜1.2の範囲内のモル比で用いられる。モル比が1.001より小さくなると、製造されたポリカーボネートの末端OH基含有量が増加して、熱安定性、耐加水分解性が悪化し、また、モル比が1.3より大きくなると、ポリカーボネートの末端OH基含有量は減少するが、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下し、所望の分子量のポリカーボネートの製造が困難となる傾向がある。本発明においては、末端OH基含有量が50〜1000ppmの範囲内に調整したポリカーボネートを使用するのが良い。
原料混合槽への原料の供給方法としては、液体状態の方が計量精度を高く維持し易いため、芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルのうち、一方又は両方を、溶融させて液体状態で供給することが好ましい。液体状態で原料を供給する場合には、計量装置としては、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いることができる。
一方、固体状態で原料を供給する場合には、スクリュー式フィーダーのような容量を計量するものよりも、重量を計量するものを用いるのが好ましく、べルト式、ロスインウェイト式等の重量フィーダーを用いることができるが、ロスインウェイト方式が特に好ましい。
【0017】
エステル交換触媒:
溶融法によりポリカーボネートを製造する際には、通常、触媒が使用される。本発明のポリカーボネート製造方法においては、触媒種に制限はないが、一般的にはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が使用される。これらは、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して0.05〜5μモル、好ましくは0.08〜4μモル、さらに好ましくは0.1〜2μモルの範囲内で用いられる。触媒の使用量が上記量より少なければ、所望の分子量のポリカーボネートを製造するのに必要な重合活性が得られず、この量より多い場合は、ポリマー色相が悪化し、またポリマーの分岐化も進み、成形時の流動性が低下する傾向がある。
【0018】
アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素化合物等の無機アルカリ金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ金属化合物等がある。これらのアルカリ金属化合物の中でも、セシウム化合物が好ましく、具体的に最も好ましいセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウムである。
【0019】
また、アルカリ土類金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムの水酸化物、炭酸塩等の無機アルカリ土類金属化合物、アルコラート、フェノラート、有機カルボン酸塩等の有機アルカリ土類金属化合物等がある。
【0020】
塩基性ホウ素化合物としては、例えば、テトラメチルホウ素、テトラエチルホウ素、テトラプロピルホウ素、テトラブチルホウ素、トリメチルエチルホウ素、トリメチルベンジルホウ素、トリメチルフェニルホウ素、トリエチルメチルホウ素、トリエチルベンジルホウ素、トリエチルフェニルホウ素、トリブチルベンジルホウ素、トリブチルフェニルホウ素、テトラフェニルホウ素、ベンジルトリフェニルホウ素、メチルトリフェニルホウ素、ブチルトリフェニルホウ素等のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩又はストロンチウム塩等が挙げられる。
【0021】
塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−i−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3価のリン化合物、又は、これらの化合物から誘導される4級ホスホニウム塩等が挙げられる。
【0022】
塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド、ブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキサイド等が挙げられる。
【0023】
アミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン,4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリン等が挙げられる。
【0024】
これらの触媒のうち、実用的にはアルカリ金属化合物が望ましい。
本発明においては、上記エステル交換触媒は、溶媒に溶解した触媒溶液の形態で用いられる。溶媒としては、例えば、水、アセトン、アルコール、トルエン、フェノールの他、原料芳香族ジヒドロキシ化合物や炭酸ジエステル等を溶解する溶媒が挙げられる。これらの溶媒のなかでは水が好ましく、特にアルカリ金属化合物を触媒とする場合には、水溶液とすることが好適である。
【0025】
損失角δ及び複素粘性率η * :
本発明におけるポリカーボネートでは、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η* (Pa・s)が、下記関係式▲1▼を満たすことが必要で、好ましくは下記関係式▲2▼の範囲であり、さらに好ましくは下記関係式▲3▼の範囲である。本発明において、該Tanδ/η*-0.87の値は、ポリカーボネートの溶融粘弾性を示すパラメーターとして使用した。Tanδ/η*-0.87の値が2500未満であると耐熱性が低下し、6000を超えると難燃性が低下する。
【0026】
【数3】
2500≦Tanδ/η*-0.87≦6000 ▲1▼
2800≦Tanδ/η*-0.87≦5500 ▲2▼
3000≦Tanδ/η*-0.87≦5000 ▲3▼
【0027】
損失角δは、動的溶融粘弾性の測定から求められる、応力に対するひずみの位相の遅れを表し、動的粘弾性挙動を表す指標のひとつとして一般的に知られている。δ(Tanδ)は、その値が大きい場合は粘弾性の粘性的な性質が強いことを示し、小さい場合は弾性的な性質が強いことを示している。この値を決定する要因は複雑であり、例えば、共重合を含む単量体の種類、共重合組成、共重合の構造、分岐点の数や分岐鎖の長さ等の分岐構造等を含む分子構造、分子量、分子量分布等が挙げられる。
δ(Tanδ)の値が大きすぎる場合、ポリカーボネートの燃焼時のドリッピングに対する抵抗が小さくなるため、難燃剤を多量に配合することが必要となり、一方、δ(Tanδ)の値が小さすぎる場合、ポリカーボネートの燃焼時のドリッピングに対する抵抗は大きく、難燃剤は比較的少量を配合すれば良いが、ポリカーボネートに好ましくない副反応が起こり、熱安定性が低下し易くなっていること等が考えられる。
【0028】
なお、本発明においては、ポリカーボネートに各種安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等を添加することもでき、ポリカーボネートの製造途中、又はペレット製造の前にこれらの添加剤を添加する場合もあり、一般にそれらの添加剤を含んだものを「ポリカーボネート」と称する場合があるが、本発明で規定する上記関係式の値は、これらの添加剤を全く含まないポリカーボネートについて求められるものである。
【0029】
本発明で使用されるポリカーボネートの分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、好ましくは16,000〜30,000であり、より好ましくは18,000〜26,000である。粘度平均分子量が16,000未満であると衝撃強度が不十分になりやすく、30,000を超えると流動性が低下しやすい。
【0030】
ポリカーボネートの製造方法:
本発明において、ポリカーボネートの製造方法は、溶融法であって、上記特定の物性を有するポリカーボネートが得られる方法であれば、特に限定されないが、例えば、以下のような方法で製造できる。
すなわち、通常、原料混合槽等で両原料を、均一に撹拌した後、触媒を添加して重合を行い、ポリマーが生産される。例えば、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステルの両原料を、原料混合槽に連続的に供給し、得られた混合物とエステル交換触媒を重合槽に連続的に供給することが好ましい。その際、本発明の上記特定の物性のポリマーを安定して生産するためには、例えば、少なくとも以下の(1)及び(2)の両条件を満足する方法が採用される。
(1)全製造時間を一つ以上に分画した単位製造時間ごとに、重合槽に供給される芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステル1モルに対しての触媒量を一定に保つための目標触媒供給量である「設定触媒量」を、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、0.05〜5μモルの範囲内から選択する。なお、「全製造時間」とは、重合槽においてポリマーを安定的に生産する原料供給時間に対応し、立ち上げ時や、グレード切り替え時、製造終了時等の非安定時のポリマー製造時間は含まない。
(2)各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、供給される実際のエステル交換触媒量(以下、単に「実際の触媒量」という。)が、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持されるようにする。
【0031】
上記(1)において、設定触媒量は、全製造時間を通して必ずしも一定値である必要はなく、全製造時間を一つ以上に分画して、その単位製造時間ごとに設定することが可能である。
【0032】
以下、この方法について詳しく説明すると、全製造時間が単一分画の単位製造時間である場合は、その少なくとも95%の時間は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.1μモル以内の値に実際の触媒量を維持する。また、全製造時間が複数の単位製造時間に分画され、設定触媒量が変更される場合には、各単位製造時間の少なくとも95%の時間は、各設定触媒量±0.1μモル以内の値に、実際の触媒量を維持する。いずれの場合も、設定触媒量±0.08μモル以内に維持することが好ましく、設定触媒量±0.06μモル以内に維持することが特に好ましい。さらに、実際の触媒量が、制御された値に維持される時間の割合は、全製造時間又は各単位製造時間の少なくとも95%であれば良いが、100%に近いほどより好ましい。95%より少ない時間になると、所望の分子量、末端OH基含有量のポリマーが得られなくなり、特に設定触媒量より多い時間の割合が多い場合は、得られるポリマー色相が悪化したり、またポリマーの分岐化が進む等して、結果的に本発明で規定する関係式を満足するものが得られなくなり、該ポリマーを成形する時の流動性も低下する傾向がある。なお、重合温度、重合時間、減圧度等の重合反応時の製造条件を変えても、本発明のポリカーボネートを製造することが可能であるが、安定的な生産が困難になるので好ましくない。実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモルと極めて小さな変動範囲以内に維持して、供給を続けることにより初めて、煩雑な重合操作を必要とせずに、本発明で規定する特定の関係式を満足し、狭い分子量分布、色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性に優れたポリマーを安定的に生産できるようになることがわかった。
【0033】
前記の実際の触媒量を、設定触媒量±0.1μモル以内の値に維持させるためには、重合槽に供給する触媒流量を、オーバル流量計、マイクロモーション式流量計等を用いて、計量、供給することが好ましい。
【0034】
触媒供給を自動制御するには、例えば、まずコンピュータに、継続的に実際の触媒流量の測定値を入力し、前述した設定触媒量と芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料調製槽への供給量より算出された設定触媒流量とを比較させる。その際、実際の触媒流量の測定値が、該設定触媒流量と異なる場合、この結果を触媒計量・供給装置に伝え、バルブの開度等を調節して、実際の触媒流量と設定触媒流量が一致するように制御する。
【0035】
ここで、触媒供給の自動制御は、実際の触媒流量の測定間隔の適正化に十分配慮すれば、継続的な間歇測定に基づく制御でも、連続的な測定と同様に制御を行うことは可能であるが、安定した品質の製品を得るには、連続的な自動測定であることが好ましい。すなわち、連続的に触媒流量を自動測定できれば、重合槽への触媒供給量を迅速且つ連続的に制御することが可能となり、その結果、一定の設定触媒流量に維持され、ポリカーボネートの粘度平均分子量や末端OH基含有量等のふれが小さく、かつ分子量分布が狭くなり、さらに色調、流動性、耐熱性、機械物性等、諸物性の均一な製品が得られるので好ましい。
【0036】
ある設定触媒量の単位製造時間中に、実際の触媒量が、設定触媒量±0.1μモル以内の値に、どれ程の時間存在したかは、上記測定手段による測定結果から容易に判定することができる。連続的測定の場合、実際の原料モル比と測定時間の関係を示す曲線より、予め設定した設定触媒量±0.1μモル以内にある累積時間と、±0.1μモルよりはずれた累積時間とを求めることにより、該設定触媒量での単位製造時間の少なくとも95%の時間は、±0.1μモル以内の値に維持されていたかどうかが判定される。連続的測定ではない場合でも、継続的な測定であれば、これを統計処理する方法等により判定することができる。
【0037】
本発明ではポリカーボネートの重合反応(エステル交換反応)は、一般的には2以上の重合槽での反応、すなわち2段階以上、通常3〜7段の多段工程で連続的に実施されることが好ましい。具体的な反応条件としては、温度:150〜320℃、圧力:常圧〜2.0Pa、平均滞留時間:5〜150分の範囲とし、各重合槽においては、反応の進行とともに副生するフェノールの排出をより効果的なものとするために、上記反応条件内で、段階的により高温、より高真空に設定する。なお、得られるポリカーボネートの色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、できるだけ短い滞留時間の設定が好ましい。
なお、多段工程で重合槽を複数用いる場合の実際の触媒量の自動制御は、触媒の供給量を連続的に自動制御することが好ましく、その場合は、第1重合槽の滞留時間の1/3以内に測定及び制御が完了していることが必要である。
【0038】
上記エステル交換反応において使用する装置は、竪型、管型又は塔型、横型のいずれの形式であってもよい。通常、タービン翼、パドル翼、アンカー翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)、サンメラー翼(三菱重工業(株)製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製)、ヘリカルリボン翼、ねじり格子翼((株)日立製作所製)等を具備した1以上の竪型重合槽に引き続き、円盤型、かご型等の横型一軸タイプの重合槽やHVR、SCR、N−SCR(三菱重工業(株)製)、バイボラック(住友重機械工業(株)製)、メガネ翼、格子翼((株)日立製作所製)、又はメガネ翼とポリマーの送り機能を持たせた、例えばねじりやひねり等の入った翼及び/又は傾斜がついている翼等を組み合わせたもの等を具備した、横型二軸タイプの重合槽を用いることができる。
【0039】
上記方法で製造したポリカーボネート中には、通常、原料モノマー、触媒、エステル交換反応で副生する芳香族ヒドロキシ化合物、ポリカーボネートオリゴマー等の低分子量化合物が残存している。なかでも、原料モノマーと芳香族ヒドロキシ化合物は、残留量が多く、耐熱老化性、耐加水分解性等の物性に悪影響を与えるので、製品化に際して除去されることが好ましい。
【0040】
それらを除去する方法は、特に制限はなく、例えば、ベント式の押出機により連続的に脱揮してもよい。その際、樹脂中に残留している塩基性エステル交換触媒を、あらかじめ酸性化合物又はその前駆体を添加し、失活させておくことにより、脱揮中の副反応を抑え、効率よく原料モノマー及び芳香族ヒドロキシ化合物を除去することができる。
【0041】
添加する酸性化合物又はその前駆体には特に制限はなく、重縮合反応に使用する塩基性エステル交換触媒を中和する効果のあるものであれば、いずれも使用できる。具体的には、塩酸、硝酸、ホウ酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、アデノシンリン酸、安息香酸、ギ酸、吉草酸、クエン酸、グリコール酸、グルタミン酸、グルタル酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、p−トルエンスルフィン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、ピクリン酸、ピコリン酸、フタル酸、テレフタル酸、プロピオン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、マレイン酸等のブレンステッド酸及びそのエステル類が挙げられる。これらは、単独で使用しても、また、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの酸性化合物又はその前駆体のうち、スルホン酸化合物又はそのエステル化合物、例えば、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸ブチル等が特に好ましい。
【0042】
これらの酸性化合物又はその前駆体の添加量は、重縮合反応に使用した塩基性エステル交換触媒の中和量に対して、0.1〜50倍モル、好ましくは0.5〜30倍モルの範囲で添加する。酸性化合物又はその前駆体を添加する時期としては、重縮合反応後であれば、いつでもよく、添加方法にも特別な制限はなく、酸性化合物又はその前駆体の性状や所望の条件に応じて、直接添加する方法、適当な溶媒に溶解して添加する方法、ペレットやフレーク状のマスターバッチを使用する方法等のいずれの方法でもよい。
【0043】
脱揮に用いられる押出機は、単軸でも二軸でもよい。また、二軸押出機としては、噛み合い型二軸押出機で、回転方向は同方向回転でも異方向回転でもよい。脱揮の目的には、酸性化合物添加部の後にベント部を有するものが好ましい。ベント数に制限は無いが、通常は2段から10段の多段ベントが用いられる。また、該押出機では、必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤等の添加剤を添加し、樹脂と混練することもできる。
【0044】
燐酸エステル
本発明における(b)下記式(1)で示される燐酸エステルとしては、分子中にリンを含む化合物であり、レゾルシンから誘導される構造を含まず且つベンゼン環に置換基を有しない縮合燐酸エステルである。
【0045】
【化5】
【0046】
式(1)において、R1 及びR2 は、それぞれ、メチル基、水素原子又はフェニル基を表し、好ましくはメチル基又は水素原子を表し、最も好ましくはメチル基を表す。nは1〜5の整数を表し、好ましくは1〜3の整数を表す。ただし、式(1)で示される燐酸エステルが、nが異なる縮合燐酸エステルの混合物である場合は、nは、それらの混合物の平均値を表す。
【0047】
式(1)で示される燐酸エステルの配合量は、芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.5〜40重量部である。燐酸エステルの配合量が0.5重量部未満であると難燃性が不十分であり、40重量部を超えると機械的物性が低下しやすい。燐酸エステルの配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜25重量部である。
【0048】
ポリフルオロエチレン
本発明における(c)ポリフルオロエチレンとしては、例えばフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが挙げられ、重合体中に容易に分散し、且つ重合体同士を結合して繊維状材料を作る傾向を示すものである。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)より、テフロン6J又はテフロン30Jとして、又はダイキン工業(株)よりポリフロンF−201Lとして市販されている。
【0049】
ポリフルオロエチレンの配合量は、芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.01〜3重量部である。ポリフルオロエチレンの配合量が、0.01重量部未満であると燃焼時の溶融滴下防止効果が不十分であり、3重量部を超えると成形品外観が悪くなりやすい。ポリフルオロエチレンの配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは、0.02〜2重量部であり、さらに好ましくは0.05〜1.5重量部である。
【0050】
耐衝撃性改良剤
本発明に用いられる(d)耐衝撃性改良剤としては、アクリル系ゴム、スチレン/水添ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/水添イソプレン/スチレンブロック共重合体、AES樹脂、AAS樹脂、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体、ポリイソプレン等が挙げられ、好ましくは、アクリル系ゴム、スチレン/水添ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/水添イソプレン/スチレンブロック共重合体、AES樹脂、AAS樹脂が挙げられ、より好ましくは、アクリル系ゴムが挙げられる。
アクリル系ゴムとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート(アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートの総称、以下同じ)系重合体を含む多層構造重合体が挙げられる。具体的には、飽和又は不飽和のゴム成分からなるコアと、アルキル(メタ)アクリレート系重合体からなるシェルとからなる多層構造重合体が挙げられる。アクリル系ゴム、特に多層構造重合体を用いることにより、衝撃強度と成形品外観に優れた樹脂組成物が得られやすい。
コアを形成する飽和又は不飽和のゴム成分としては、例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン、ブタジエン/スチレン共重合体等が挙げられる。シェルを形成するアルキル(メタ)アクリレート系重合体としては、アルキル基の炭素数が1〜8程度のアルキル(メタ)アクリレート、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の重合体又は共重合体が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート系重合体には、エチレン性不飽和単量体等の架橋剤が用いられていてもよく、架橋剤としては、例えば、アルキレンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリル、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0051】
耐衝撃性改良剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.5〜30重量部である。耐衝撃性改良剤が0.5重量部未満であると耐衝撃性が不十分であり、30重量部を超えると成形品外観が悪くなりやすい。耐衝撃性改良剤の配合量は、芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対し、好ましくは、1〜25重量部であり、さらに好ましくは2〜20重量部である。
【0052】
紫外線吸収剤
本発明における(e)紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、ヒンダードアミン系等が挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0053】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリブチル,5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0054】
サリチル酸フェニル系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、2,4−ジターシャリーブチルフェニル3,5−ジターシャリーブチル4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。ヒンダードアミン系紫外線吸収剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペジニル4)セパケート等が挙げられる。
【0055】
紫外線吸収剤としては、上記以外に紫外線の保有するエネルギーを、分子内で振動エネルギーに変換し、その振動エネルギーを、熱エネルギー等として放出する機能を有する化合物が含まれる。さらに、酸化防止剤又は着色剤等との併用で効果を発現するもの、又はクエンチャーと呼ばれる、光エネルギー変換剤的に作用する光安定剤等も併用することができる。
【0056】
紫外線吸収剤の配合量は、ポリカーボネート100重量部に対し、0.01〜2重量部である。紫外線吸収剤が0.01重量部未満であると耐侯性が不十分であり、2重量部を超えると黄味が強くなり調色性に劣り、またブリードアウトの原因になりやすい。紫外線吸収剤の配合量は、ポリカーボネート100重量部に対し、好ましくは0.05〜1.8重量部であり、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部である。
【0057】
酸化チタン
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において任意成分として配合される酸化チタンは、成形品の白色度、遮光性、光線反射率等を向上させる。
酸化チタンは、硫酸法又は塩素法により製造されるが、硫酸法で製造された酸化チタンは、白色度の点で塩素法で製造された酸化チタンに劣るので、塩素法で製造されたものが好適である。酸化チタンの結晶形態にはルチル型とアナターゼ型があり、白色度、光線反射率及び耐光性の観点からはルチル型が優れており、結晶形態はルチル型が好適である。
【0058】
酸化チタンは表面処理されていない場合は、樹脂組成物を高温で溶融混練する際に、ポリカーボネートの分子量低下や変色を引き起こしやすいので、表面処理されているものが好ましい。酸化チタンの表面処理は、アルミナ水和物、珪酸水和物から選ばれた1種以上の無機系表面処理剤によって行われる。また、有機系表面処理剤、特に、シリコーン系化合物で処理されている酸化チタンが好ましい。シリコーン系化合物としては、ポリオルガノシロキサン(特公昭63−26140号公報参照)、ポリ炭化水素シロキサン(特公昭63−31513号公報参照)、シランカップリング剤(特公平3−2189号公報参照)等が挙げられる。
【0059】
酸化チタンの平均粒子径は、好ましくは0.05〜0.5μmである。平均粒子径が0.05μm未満であると得られる成形品の遮光性及び光線反射率が不十分になりやすく、0.5μmを超えると成形品の遮光性及び光線反射率が不十分なりやすく、更に成形品表面外観の低下や衝撃強度の低下を生じやすい。平均粒子径は、より好ましくは0.08〜0.45μmであり、最も好ましくは0.1〜0.4μmである。
【0060】
酸化チタンの配合量は、ポリカーボネート100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部である。酸化チタンを配合することで成形品の遮光性が向上するが、20重量部を超えると衝撃強度の低下を生じやすい。酸化チタンの配合量は、ポリカーボネート100重量部に対して、より好ましくは1〜15重量部である。
【0061】
難燃性ポリカーボネート樹脂組成物
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、その他難燃剤、離型剤、摺動性改良剤等の添加剤、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強化材、マイカ、タルク、ガラスフレーク等の板状強化材又はチタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等のウィスカーを添加配合することができる。
【0062】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物においては、その特性を損なわない範囲で、スチレン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂を配合することができる。こうした熱可塑性樹脂の配合量は、好ましくは熱可塑性樹脂組成物の40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0063】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、非ハロゲン燐酸エステルを配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物であり、本発明の樹脂組成物において配合される成分は、それぞれ非塩素、非臭素であることから、成形機や金型の腐食問題を無くす上で好ましい材料である。
【0064】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、重合反応の途中又は重量反応終了時にポリカーボネート以外の成分を混合する方法、混練途中等の樹脂が溶融した状態で添加する方法、ペレット等の固体状態のポリカーボネートにポリカーボネート以外の成分をブレンド後、押出機等で混練する方法等が挙げられる。
例えば、ポリカーボネートの重合反応終了直後に燐酸エステル、ポリテトラフルオロエチレン、耐衝撃性改良剤、紫外線吸収剤を一括溶融混練する方法、ポリカーボネートを含む全成分をブレンド後押出機で混練する方法等が挙げられる。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、得られたポリカーボネートの分析は、下記の測定方法により行った。
【0066】
(1)粘度平均分子量(Mv)
ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中20℃の極限粘度[η]を測定し、以下の式より粘度平均分子量(Mv)を求めた。
【数4】
[η]=1.23×10-4×(Mv)0.83
【0067】
(2)末端OH基含有量
四塩化チタン/酢酸法(Makromol.Chem.88 215(1965)に記載の方法)により比色定量を行った。測定値は、ポリカーボネート重量に対する末端OH基の重量をppm単位で表示した。
【0068】
(3)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。測定装置には、HLC−8020(東ソー(株)製)を、溶離液にはテトラヒドロフランを使用し、ポリスチレン換算で求め、Mw/Mnを算出した。
【0069】
(4)溶融粘弾性
溶融粘弾性は以下の様に測定した。サンプルのポリカーボネート樹脂を120℃、5時間の乾燥を行い、250℃で直径25mm、厚み1.5mmの形状にプレス成形し、測定用サンプルを得た。サンプルは測定前に120℃、4時間の減圧乾燥を行い、測定に供した。粘弾性測定器(RDA−700、レオメトリックス(株)製)を使用し、直径25mmのパラレルプレート型の治具を装着し、本機器の適正条件を満足する窒素気流中、測定温度である250℃に設定した。測定温度はオーブン内の温度を測定することにより設定した。その後、乾燥した測定用サンプルを機器にセットし、サンプル全体が十分に設定温度となる様に静置の後、角速度10rad/s、歪み10%の回転をすることで測定した。この測定により損失正接Tanδ及び複素粘性率η* (Pa・s)を求めた。
【0070】
【製造例1】
PC−1
図1に従って、実施例に用いたポリカーボネートの製造方法の実施態様を説明する。
図1は、ポリカーボネートの製造方法の1例を示したフローシート図である。図中、1はDPC貯槽、2は撹拌翼、3はBPAホッパー、4a,bは原料混合槽、5はDPC流量制御弁、6はBPA流量制御弁、7はポンプ、8は触媒流量制御弁、9はプログラム制御装置、10はポンプ、11は触媒貯槽である。図中、12は副生物排出管、13a,b,cは竪型重合槽、14はマックスブレンド翼、15は横型重合槽、16は格子翼である。
【0071】
窒素ガス雰囲気下120℃で調製されたジフェニルカーボネート融液、及び、窒素ガス雰囲気下計量されたビスフェノールA粉末を、それぞれ、DPC貯槽(1)から205.0モル/h、及びBPAホッパー(3)から197.1モル/h(原料モル比1.040)の送量となるように、マイクロモーション式流量計及びロスインウェイト方式の重量フィーダーで計量し、窒素雰囲気下140℃に調整された原料混合槽(4a)に連続的に供給した。続いて、原料混合液を原料混合槽(4b)に、さらにポンプ(7)を介して容量100Lの第1竪型撹拌重合槽(13a)に連続的に供給した。一方、上記混合物の供給開始と同時に、触媒として2重量%の炭酸セシウム水溶液を、触媒導入管を介して、1.6mL/h(設定触媒量:ビスフェノールA1モルに対し、0.5μモル)の流量で連続供給を開始した。
【0072】
このとき、実際の触媒流量制御は、プログラム制御装置(9)で、BPA流量制御弁(6)で検知したBPA流量と設定触媒量より、設定触媒流量を計算して、この値と触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量とが一致するように触媒流量制御弁(8)の開度をコントロールすることによって遂行された。
マックスブレンド翼(14)を具備した第1竪型撹拌重合槽(13a)は、常圧、窒素雰囲気下、220℃に制御し、さらに平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
【0073】
槽底より排出された重合液は、引き続き、第2、第3のマックスブレンド翼を具備した容量100Lの竪型撹拌重合槽(13b、13c)、及び第4の格子翼(16)を具備した容量150Lの横型重合槽(15)に逐次連続供給された。
第2〜第4重合槽での反応条件は、それぞれ、下記のように、反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速度となるように条件設定した。
【0074】
反応の間は、第2〜第4重合槽の平均滞留時間が60分となるように、液面レベルの制御を行い、また、各重合槽においては、副生したフェノールを副生物排出管(12)より除去した。以上の条件下で、1500時間連続して運転した。なお、第4重合槽底部のポリマー排出口から抜き出されたポリカーボネートは、溶融状態のまま、3段ベント口を具備した2軸押出機に導入され、p−トルエンスルホン酸ブチルをポリカーボネートの重量に対し、4.0ppm(触媒の中和量に対し、4.4倍モル)添加し、水添、脱揮した後、ペレット化した。
得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、21,500及び500ppmであった。
また、触媒流量制御弁(8)に設けられた測定装置で実測された触媒流量の連続測定データ(以下、「触媒流量制御弁の連続測定データ」と略称する。)より、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、それぞれ全製造時間の96.7%及び99.1%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び4,850であった。これをPC−1と表す。
【0075】
【比較製造例1】
PC−2
製造例1において、プログラム制御装置を設置せず、触媒流量を1.6mL/h(設定触媒量:ビスフェノールA1モルに対し、0.5μモル)に固定した以外は、製造例1と同様にして実施した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、22,400及び500ppmであった。
また、触媒流量制御弁の連続測定データより、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、設定触媒量±0.06μモル以内及び±0.1μモル以内の時間を算出したところ、全製造時間の89.9%及び91.7%であった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.7及び2,240であった。これをPC−2と表す。
【0076】
【比較製造例2】
PC−3
ビスフェノールAを界面法により重縮合させ、フェノールで末端封止した。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量(Mv)及び末端OH基含有量は、それぞれ、22,100及び30ppmであった。分子量分布(Mw/Mn)及びTanδ/η*-0.87の値は、それぞれ、2.3及び7,550であった。これをPC−3と表す。
【0077】
ポリカーボネート樹脂組成物
以下の実施例及び比較例において、ポリカーボネートに配合した材料は、次のものを用いた。
(1)燐酸エステル−1: 下記式(4)で示される縮合燐酸エステル(n=1.1)、CR−741、大八化学(株)製。
【0078】
【化6】
【0079】
(2)燐酸エステル−2: トリフェニルホスフェート、大八化学(株)製。
(3)燐酸エステル−3: 下記式(5)で示される縮合燐酸エステル(n=1.3)、CR−733、大八化学(株)製。
【0080】
【化7】
【0081】
(4)燐酸エステル−4: 下記式(6)で示される縮合燐酸エステル(n=1.01)、FP−500、旭電化工業(株)製。
【0082】
【化8】
【0083】
(5)燐酸エステル−5: 下記式(7)で示される縮合燐酸エステル(n=1.1)、CR−747、大八化学(株)製。
【0084】
【化9】
【0085】
(6)ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す。): ポリフロンF−201L、ダイキン(株)。
(7)耐衝撃性改良剤−1: ポリアルキルアクリレートコア/ポリメチルメタアクリレートシェルの多層構造重合体、パラロイドEXL2315、呉羽化学工業(株)製。
(8)耐衝撃性改良剤−2: ポリブタジエンコア/ポリメチルメタアクリレートシェルの多層構造重合体、パラロイドEXL2603、呉羽化学工業(株)製。
(9)紫外線吸収剤: 2(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール。
【0086】
(10)酸化チタン: 表面処理酸化チタン(PC−3、石原産業(株)製)塩素法で製造され、平均粒子径0.28μmで、無機系表面処理剤のアルミナ水和物と珪酸水和物で表面処理された後、有機系表面処理剤のオルガノ水素シロキサンで表面処理されたルチル型酸化チタン。
【0087】
以下の実施例及び比較例で得られた、ポリカーボネート樹脂組成物の物性評価は、下記(11)〜(15)の測定法により行った。
(11)荷重撓み温度(DTUL):
樹脂組成物から、射出成形機(SG75−サイキャップ・MII、住友重機械工業(株)製)により、シリンダ温度280℃、成形サイクル1分間の条件で、所定の試験片を射出成形し、ASTM D−648による熱変形試験を行った。
(12)アイゾット衝撃強度:
樹脂組成物を、射出成形機(SG75−サイキャップ・MII、住友重機械工業(株)製)により、シリンダ温度300℃、成形サイクル5分間の条件で射出成形し、この条件の5ショット目に成形された所定の試験片について、ASTMD−256による1/8インチ厚のノッチ付きIzod衝撃試験を行った。
(13)色相(YI)及び反射率:
90mm×50mm×3mmのプレートを成形し、色相は、多光源分光測色計MSC−5N(スガ試験機製)で測定し、反射率は、分光光度計U−3400(日立製作所製)により波長550nmにおける光線反射率を測定した。
(14)モールドデポジット性:
下記燃焼試験片の成形条件にて、500ショット連続成形を行い、終了後金型表面の付着物を目視観察し、次の基準で3段階評価を行った。
○: 金型の付着物が非常に少ない。
△: 金型の付着物が多い。
×: 金型の付着物が非常に多い。
(15)燃焼性:
樹脂組成物から、射出成形機(SG75−サイキャップ・MII、住友重機械工業(株)製)を用い、シリンダ温度280℃、成形サイクル1分間の条件で射出成形した、0.8mm厚みの試験片により垂直燃焼試験を行い、UL規格(UL−94)に準拠して評価した。
【0088】
〔実施例1〕
100重量部のPC−1に、6重量部の耐衝撃性改良剤−1、0.25重量部のPTFE及び0.35重量部の紫外線吸収剤を配合し、タンブラーにて20分混合後、シリンダー温度270℃に設定したスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所製TEX30)にて、主供給口から混合した樹脂成分を106. 6重量部定量供給し、シリンダー途中から11重量部の燐酸エステル−1を定量供給し、溶融混練してペレット化した。ペレットを120℃で5時間予備乾燥後射出成形機にて、シリンダー温度280℃にて0.8mm厚みの燃焼試験片を成形し、UL試験法に従って評価した。また、シリンダー温度280℃にて、500ショット連続成形を行い、成形後の金型付着物を目視判定した。さらに、280℃にてプレートを成形し、プレートにてサンシャインフェードで耐候性評価(200時間)を行いその前後の色相を評価した。アイゾット衝撃強度及び荷重撓み温度評価に使用する試験片についても、280℃にて成形を行い使用した。評価結果を表−1に示す。
【0089】
〔比較例1と2〕
実施例1において、PC−1をPC−2及びPC−3に変更する以外は実施例1と同様の方法でペレット化し、同様に成形、評価を行った。結果を表−1に示す。
〔比較例3と5〕
実施例1の燐酸エステル−1を燐酸エステル−2又は燐酸エステル−4に変更し、燐酸エステルを含む全成分を一括ブレンド後、シリンダー温度270℃に設定したスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所製TEX30)にて、溶融混練してペレット化した。ペレットを120℃で5時間予備乾燥後、実施例1と同一条件で試験片を成形、評価し、その結果を表−1に示す。
〔比較例4と6〕
実施例1において、燐酸エステル−1を燐酸エステル−3又は燐酸エステル−5に変更する以外は実施例1と同様の方法でペレット化し、同様に成形、評価を行った。結果を表−1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
〔実施例2〕
実施例1における組成に、さらに酸化チタンを16重量部添加し、実施例1と同様の方法でペレット化し、同様に成形、評価を行った。評価においては、耐候性評価前後のプレートでの反射率も測定した。結果を表−2に示す。
〔実施例3〕
実施例2において、耐衝撃性改良剤−1を耐衝撃性改良剤−2に変更する以外は実施例2と同様の方法でペレット化し、同様に成形、評価を行った。結果を表−2に示す。
【0092】
〔比較例7〜8〕
実施例2において、PC−1をPC−2及びPC−3に変更した以外は、実施例2と同様の方法でペレット化し、同様に成形、評価を行った。結果を表−2に示す。
〔比較例9〜10〕
実施例3において、PC−1をPC−2及びPC−3に変更した以外は、実施例2と同様の方法でペレット化し、同様に成形、評価を行った。結果を表−2に示す。
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、衝撃強度及び難燃性に優れ、且つ耐候性にも優れており、更に、成形時の金型及びスクリュー等の腐食性の問題やモールドデポジットもなく成形性にも優れている為、電気・電子分野、自動車分野、一般工業分野のみならず耐候性の要求される分野でも使用でき、耐候性の不足を補うための塗装等の二次加工を必要とせず、製品の無塗装化が可能であり工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリカーボネートの製造方法の1例を示したフローシート図である。
【符号の説明】
1.DPC貯槽 2.撹拌翼 3.BPAホッパー 4a,b.原料混合槽 5.DPC流量制御弁 6.BPA流量制御弁 7.ポンプ 8.触媒流量制御弁9.プログラム制御装置 10.ポンプ 11.触媒貯槽 12.副生物排出管 13a,b,c.竪型重合槽 14.マックスブレンド翼 15.横型重合槽 16.格子翼
Claims (6)
- (a)芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルを原料とし、溶融法で得られるポリカーボネートであって、温度250℃、角速度10rad/sの条件で測定した損失角δ及び複素粘性率η*(Pa・s)が、下記関係式<1>を満たすことを特徴とするポリカーボネート100重量部に、
【数1】
2500≦Tanδ/η*−0.87≦6000 <1>
(b)下記式(1)で示される燐酸エステル0.5〜40重量部、
(c)ポリフルオロエチレン0.01〜3重量部、
(d)耐衝撃性改良剤0.5〜30重量部及び
(e)紫外線吸収剤0.01〜2重量部を配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 - ポリカーボネートの末端OH基含有量が、50〜1000ppmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の難燃ポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネートの粘度平均分子量が、16,000〜30,000の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の難燃ポリカーボネート樹脂組成物。
- (d)耐衝撃性改良剤が、アクリル系ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- アクリル系ゴムが、アルキル(メタ)アクリレート系重合体を含む多層構造重合体であることを特徴とする請求項4に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- (a)ポリカーボネート100重量部に対して、(f)表面処理された酸化チタン0.1〜20重量部を更に配合してなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
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