JP2011057888A - 電池パック用ポリカーボネート樹脂組成物及び電池パック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】組成物に、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部と、リン系難燃剤(B)8〜20質量部、フルオロポリマー(C)0.001〜1質量部、架橋ポリアルキルアクリレート系重合体からなるコアと、アルキル(メタ)アクリレート系重合体からなるシェルを有する多層構造重合体(D)0.5〜8質量部、酸化チタン(E)0.01〜3質量部、カーボンブラック(F)を0.0001〜2質量部、及び酸化チタンおよびカーボンブラック以外の染顔料(G)0.0001〜2質量部とを含有させる。
【選択図】図1
Description
ューター、ノートブック型パソコン、携帯電話、プリンター、複写機等のOA・情報機器
等の部材として好適に使用されている。
また、上述のような薄肉成形体においては、製品の透けが課題となる。このような課題を解決する為に、遮光性を効率的に高めることができる酸化チタンを配合することを試みたが、この際も、耐衝撃性の低下、色むら等の着色性低下、ヤケの発生が生じるという問題点があった。
さらに、電池パックの小型化、大容量化に伴い、近年、電池からの発熱量が大きくなっている。この為、電池パックに使用する材料には長時間熱が加わっても強度を保持する熱老化性が求められるが、上述のようなポリカーボネート樹脂を用いた場合には、著しく強度低下を引き起こすという致命的な欠点を有していた。
[式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、炭素数1〜6のアルキル基またはアルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基を示し、p、q、rおよびsは、それぞれ0または1であり、kは1から5の整数であり、Xはアリーレン基を示す]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、少なくとも、ポリカーボネート樹脂と、リン系難燃剤と、フルオロポリマーと、架橋ポリアルキルアクリレート系重合体からなるコアと、アルキル(メタ)アクリレート系重合体からなるシェルを有する多層構造重合体と、酸化チタン、カーボンブラックとを含有する。また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物に用いるポリカーボネート樹脂の種類に制限は無い。また、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。なかでも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ポリカーボネート樹脂の分子量は任意であり、適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]は、通常16000以上、好ましくは17000以上、より好ましくは18000以上であり、また、通常30000以下、好ましくは26000以下、より好ましくは24000以下、特に好ましくは21000である。粘度平均分子量を前記範囲の下限値以上とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度、流動性をより向上させることができ、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を前記範囲の上限値以下とすることにより本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて成形加工を容易に行えるようになる。なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に含まれるポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、なかでも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物はリン系難燃剤を含有する。このようにリン系難燃剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性、流動性を共に向上させることができる。本発明におけるリン系難燃剤としては、分子中にリンを含む化合物であり、低分子であっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよく、例えば、下記の一般式(2)又は(3)で表されるリン酸エステル化合物が挙げられるが、熱安定性の面から、一般式(2)で表されるリン酸エステル化合物が特に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フルオロポリマーを含有する。フルオロポリマーを含有することにより、燃焼時の滴下防止性が向上する。好ましいフルオロポリマーは、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンであり、ポリカーボネート樹脂組成物に優れた難燃性を発揮させる上で効果的である。フィブリル形成能とは、樹脂組成物を製造する時の混練、射出成形法で成形品を製造する時の混練で、剪断応力を受けてフィブリル化(繊維化)する性質をいい、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、ASTM規格でタイプ3に分類される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、架橋ポリアルキルアクリレート系重合体からなるコアと、アルキル(メタ)アクリレート系重合体からなるシェルを有する多層構造重合体を含有する。このような多層構造重合体を含有することにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の耐衝撃性を向上させることができる。また上記のような特定の構造の多層重合体とすることで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の熱老化性を向上させ、かつ高温条件で成形した場合にも、優れた耐衝撃性を発揮させる上で効果的である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、酸化チタンを含有する。酸化チタンを含有することにより、成形体としたときの遮光性、着色性が向上する。本発明に用いられる酸化チタンは、製造方法、結晶形態および平均粒子径などは特に限定されるものではない。また、酸化チタンの製造方法には硫酸法および塩素法があるが、硫酸法で製造された酸化チタンは、これを添加した組成物の白度が劣り、着色性が低い傾向があるため、本発明の目的を効果的に達成するには、塩素法で製造されたものが好適である
ル型の結晶形態のものが好適である。酸化チタン系添加剤の平均粒子径は、0.1〜0.7μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4μmである。平均粒子径が0.1μm未満では成形品の遮光性に劣り、0.7μmを超える場合は、成形品表面に肌荒れを起こしたり、成形品の機械的強度が低下したりする。なお本発明においては、平均粒径の異なる酸化チタンを2種類以上混合して使用してもよい。
の表面をオルガノシロキサン系の表面処理剤で表面処理することによって、熱安定性を改
善することが出来る他、ポリカーボネート樹脂組成物中での均一分散性および分散状態の
安定性を向上させる。
反応性の官能基を持つ反応性官能基含有有機珪素化合物が好ましい。反応性の官能基とし
ては、Si−H基、Si−OH基、Si−NH基、Si−OR基が挙げられるが、Si−
H基、Si−OH基、Si−OR基を持つものがより好ましく、Si−H基をもつSi−
H基含有有機珪素化合物が、特に好ましい。
に制限されず、適宜選択して用いればよいが、なかでも、ポリ(メチルハイドロジェンシ
ロキサン)、ポリシクロ(メチルハイドロジェンシロキサン)、ポリ(エチルハイドロジ
ェンシロキサン)、ポリ(フェニルハイドロジェンシロキサン)、ポリ[(メチルハイド
ロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジ
ェンシロキサン)(エチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジ
ェンシロキサン)(ジエチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェン
シロキサン)(ヘキシルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェ
ンシロキサン)(オクチルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジ
ェンシロキサン)(フェニルメチルシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロ
ジェンシロキサン)(ジエトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジ
ェンシロキサン)(ジメトキシシロキサン)]コポリマー、ポリ[(メチルハイドロジェ
ンシロキサン)(3,3,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン)]コポリマー、
ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)((2−メトキシエトキシ)メチルシロキサン)
]コポリマー、ポリ[(ジハイドロジェンシロキサン)(フェノキシメチルシロキサン)
]コポリマー等のポリオルガノ水素シロキサンが好ましい。
と(2)乾式法とがある。湿式法は、オルガノシロキサン系の表面処理剤と溶剤との混合
物に、アルミナ水和物、さらに必要に応じて珪酸水和物で前処理された酸化チタンを加え
、撹拌した後に脱溶媒を行い、更にその後100〜300℃で熱処理する方法である。乾
式法は、上記と同様に前処理された酸化チタンとポリオルガノハイドロジェンシロキサン
類とをヘンシェルミキサーなどで混合する方法、前処理された酸化チタンにポリオルガノ
ハイドロジェンシロキサン類の有機溶液を噴霧して付着させ、100〜300℃で熱処理
する方法などが挙げられる。
本発明に用いるカーボンブラック(F)は、その製造方法、原料種等に制限はなく、従
来公知の任意のもの、例えばオイルファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレ
ンブラック、ケッチェンブラック等のいずれをも使用することができる。これらの中でも、着色性とコストの点から、オイルファーネスブラックが好ましい。
形品の外観が向上する傾向にあり好ましい。なお、窒素吸着比表面積は、JIS K6217に準拠して測定することができる(単位はm2/g)。
ましく、なかでも30〜200cm3/100gであることが好ましい。DBP吸収量を300cm3/100g未満にすることで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性や成形品の外観が向上する傾向にあり好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上述の酸化チタン、カーボンブラック以外の染顔料を含有してもよい。染顔料を含有することにより、成形体としたときの遮光性が向上し、またデザインの自由度も向上する。このような染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。また、染顔料は、押出時のハンドリング性改良、樹脂組成物中への分散性改良の目的のために、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂とマスターバッチ化されたものも用いてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリカーボネート樹脂以外のその他の樹脂を含有していてもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT樹脂)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート樹脂(PBS)、ポリカプロラクトン(PCL)等の熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂(PS樹脂)、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂(PE樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、環状シクロオレフィン樹脂(COP樹脂)、環状シクロオレフィン共重合体(COC)樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂(PA樹脂);ポリイミド樹脂(PI樹脂);ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂);ポリウレタン樹脂(PU樹脂);ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂);ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂);ポリスルホン樹脂(PSU樹脂);ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA樹脂);等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の樹脂添加剤を含有していてもよい。樹脂添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、摺動性改質剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に好適な添加剤の例について具体的に説明する。
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第10族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、本発明に係るポリカーボネート樹脂及びリン系難燃剤、フルオロポリマー、多層構造重合体、酸化チタン並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、通常、任意の形状に成形して成形体(樹脂組成物成形体)として用いる。この成形体の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
る成形品であり、より好ましくは、0.5mm以下の平板部を1cm2以上有する成形品である。なお、「部分的」とは、成形品全体の面積の25%以上であることを意味する。また「平板部」とは、リブ、ボス等の凹凸や、窓、穴等を除く部分を指し、平面であっても湾曲していてもよい。
る箱や蓋)や小型補助記憶装置の外郭部を構成する容器(例えば、メモリーカード、SD
カード等のカバーなど)等に使用される樹脂容器であり、0.6mm以下、好ましくは0
.5mm以下となる平板部を全体または部分的に有する樹脂容器をいう。より好ましい薄
肉成形品の形態としては、例えば、図1に示すような、容器本体(箱体)とこれを封止す
る蓋体とからなる樹脂容器であり、容器本体(箱体)は、周囲の立上り片によって凹没し
た平均肉厚が0.5mm以下の平板部を有する樹脂容器である。また、通常、電気・電子
部品の使用態様等に基づき、上記平板部の面積は1〜100cm2、立上り片の高さは0
.5〜10mmであり、立上り片の肉厚は、容器本体の剛性を高め、収容物の収容効率を
高める観点から、通常は、0.3〜1.2mmである。
得られた本発明の成形体は、上述したようにポリカーボネート樹脂の優れた性質を損なうことなく、難燃性、機械物性の高い実用的な成形体として用いることが可能である。
後述する表2〜3に記した各成分を、表4に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/時間、バレル温度290℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所製のJ50−EP型射出成形機を用いて、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、厚さ1mmの試験片を成形した。得られた成形体はUL試験用サンプルとして、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の難燃性を有するためには、以下の表1に示す基準を満たすことが必要となる。
各ポリカーボネート樹脂組成物の流動性は、上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、高化式フローテスター(島津製作所製)を使用して、温度280℃、荷重160kgf/cm2の条件下で、単位時間あたりの流出量「Q値」を測定し、評価した。この際使用したオリフィスは、直径1mm×長さ10mmのものである。なお、表4中、「Q値」と表記する。
なお、Q値は値が大きいほど、流動性が高いことを意味し、好ましい。
また、上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製のサイキャップM−2、型締め力75Tを用いて、シリンダー温度280℃(及び330℃)、金型温度80℃の条件でISO多目的試験片(3mm)を射出成形し、ISO179に準拠し、23℃の条件で、ノッチ有りシャルピー耐衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。なお、表4中、「Charpy」と表記する。
また、上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、名機製作所製M150AII−SJ、型締め力150Tを用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で、ASTM引張試験片を射出成形した。得られた試験片を熱風乾燥機を用いて100℃の条件下、4000時間熱処理し、ASTM D−638に準拠し、23℃の条件で、初期(熱処理なし)のサンプルと熱処理後のサンプルの引張強度(MPa)を測定し、初期のサンプルの引張強度に対する、熱処理後のサンプルの引張強度の割合を強度保持率(%)として算出し評価した。なお、表4中、「強度保持率」と表記する。
また、上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機ソディックプラステック社製、TR100EHにて、シリンダー温度330℃、金型温度80℃の条件下で射出成形を行い、図1に示す電池パックの蓋を成形した。最初の100ショットを捨てた後、さらに100ショット成形し、得られた100個の蓋について、色むらおよびヤケの成形品概観の有無について、目視観察した。色むら、ヤケの目立つ成形品が5個未満の場合は、「○」、色むら、ヤケのいずれかの不良が目立つ成形品が5個以上の場合は、「×」と評価した。
また、上述の製造方法で得られた電池パックの蓋を、目視で観察し、透けがほとんど確認できないものを「○」、透けが確認できるものを「×」と評価した。
また、上述の製造方法で得られた電池パックの蓋を、素手で20回折り曲げ、成形品が割れることなく、亀裂も入らなかったものに関しては「○」と評価し、割れたものあるいは亀裂が入ったものは「×」と評価した。
比較例1では、カーボンブラックを含有していないため、酸化チタンの色むらが目立ち、かつ透けるため薄肉成形体とした場合好ましくない。また、酸化チタンの配合量が、多い比較例2では、流動性が不十分であり、薄肉成形体とした場合、透けが改善されるものの折り曲げ試験によって、割れが発生するためやはり好ましくない。
比較例3では、リン系難燃剤が少ない為に、流動性が不十分であるばかりか難燃性も不十分である為好ましくない。
さらに、比較例4及び5では、本発明の多層構造重合体以外の多層重合体を用いている為にヤケや色ムラが発生し、さらに高温成形時の耐衝撃性も不十分であり、熱老化性も劣ることが分かる。
Claims (3)
- ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、
リン系難燃剤(B)8〜20質量部、
フルオロポリマー(C)0.001〜1質量部、
架橋ポリアルキルアクリレート系重合体からなるコアと、アルキル(メタ)アクリレート系重合体からなるシェルを有する多層構造重合体(D)0.5〜8質量部、
酸化チタン(E)0.01〜3質量部、
カーボンブラック(F)を0.0001〜2質量部、
及び酸化チタンおよびカーボンブラック以外の染顔料(G)0.0001〜2質量部
とを含有することを特徴とする電池パック用ポリカーボネート樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の電池パック用ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなることを特徴とする電池パック。
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